とある街、とある路地、そんな場所にひとつ、紙が貼ってある
そこに書かれているのは、願いを叶える何でも屋の話
何でも屋『雅』
【初めまして
この貼り紙を見つけられたということは、貴方様にはなにか望むものがありますのでしょう
もしも当たっておりましたら、どうぞ『雅』に足をお運びください
不死の霊薬でも、若返りの秘薬でも、どんなものでも取り揃えております
用心棒でも、復讐代行でも、どんなものでもお受け致します
この貼り紙を見たあなたに、どうか幸せがありますように】
そしてこの貼り紙を読み終えたあなたの前には、何でも屋へ繋がる道が見えることでしょう
おや、貼り紙には、まだ続きがあるようです
『現在、アルバイト募集中』
「…『喰らえ』」
(意識を手放す少女を支え、さらにそのからだを蝕む呪詛に触れる)
(ズルズルと吸い込まれるそれにより、手袋はさらに黒さを増してゆく、そして)
「………」
(顔にも出さない、こえにもださない、だがそれは彼の指先を壊していく)
(誰も気がつくことは無い、だれも、少女も、長年連れ添った相棒さえも)
「…だいじょぉぶ、つぎめざめたら、また、いつもどおりや」
(そんな優しい声をかけ、呪詛を喰らい続ける)
「……ふぅ、」
(呪詛を全て喰らい尽くし、意識のない少女を座敷に寝かせる)
「…、ちょっとごめんな、みこと」
(そして少女の口に、ひとつ薬を飲ませる、『呪詛返し』、どこぞの誰かは分からないが、この呪詛の量は異常であった)
「……………もうだいじょぉぶやからねぇ」
「………………」
誰もが寝静まったであろう夜、意識がないままの少女を寝床へ運び直し、星星を傍に布団を敷いてねかせてやった
起こさないように襖を閉め、そのまま店の外にまで出る
「…………」
そして、黒く染った手袋を剥ぎ、自分の手をみる
指の先から第一関節まで、黒く染っているそれは、只人であれば泣き喚く程の痛みを放っている
(…やっぱり、壊死しとる…でも、前よりはマシや…)
この手袋を使ったのは、これが初めてではなかった
何度も使った、その度に、己の力で『戻して』いた
何度も壊れる手先に、己の目の代わりに発達してしまった視覚を除いた4つの感覚のせいで、むしろ人より酷く強く感じるそれは、痛くて痛くてたまらない
でも
「だいじょぉぶ、ぼくは、だいじょぉぶやぁ」
己の手を握り、『戻れ』と念じながら、自分に言い聞かせるように唱える
夜は寒い、さっさと戻して、早く寝よう
『…………んぅ』
(長い眠りから覚める。しかし何か…悪夢を見ていた気がする。確か……姉が昔、私を呪っていたような……………)
『あれ、ィアさん…は……?』
「…ん、よし、」
(いつも通りに『戻った』己の手をみて、よし、と頷き、再び店の中にはいる)
「…さむ…」
(夜は冷え込むなぁ、と考えながら、入口の真正面にある店主の席に腰掛ける)
「……、ふぅ」
(今日はここで寝てしまおう、どうせ明日も早いのだから)
『…ィアさん』
(おかえりなさい、と呟く。今日はなんだか一人で寝るには寂しすぎる日だ。私の気持ちは消せばいい。…今はただ、彼の優しさに甘えたい)
「…んぅ、……?あぁ、みことかぁ、どないしたん…?」
(ただいまぁと、半分寝かけながら少女に声をかける)
「きょうそとさむいねぇ、へやんなかおらんとかぜひくよぉ…?」
『…あ、あの、一緒に……ねても、いいですか……?』
(そこまで小さい声でつぶやくと…やっぱりなんでも、と首を振って)
「!……んふ、ええよぉ、おいで、星星もいっしょにねらそ、あいつおったらあったかいねん」
(少し驚くがすぐに了承し、立ち上がる)
「ねむいやろ、ほら、ねとってええよ」
(少女に向かって両手を広げ、抱き上げる体勢をとる)
『…!!っ、ありがとう、ございます……』
(受け入れて貰えた幸せと、彼に触れる恥ずかしさから頬を紅潮させ……そっと腕の中で丸まる)
「おーしゃおしゃおしゃ、ねんねんころり〜」
(そのまま抱き上げて、うろ覚えの子守り唄を歌いながら相棒がいる寝床へ一定のリズムで背中を叩きながら運ぶ)
「…星星〜、」
『…ぐるるぅ…』
「ん、おまえもおいでぇ、いっしょにねよ」
『………ん…………』
(子供扱いにほんの少しだけ眉を寄せて…けれど子供には変わりがないので諦めて受け入れ、目を閉じる。ふわふわとした星星の毛並みが少女に安寧をもたらし、眠りへといざなう)
「…おし」
『ぐる…』
「んー?あぁ、おまえもねててええよぉ星星、ぼくもすぐねるからぁ」
『がる…』
(相棒の声を聞き、少女を包むように眠る)
「……、おやすみぃ」
「…………あ、」
(ふと声を漏らし、己が着けているペストマスクの紐を解く)
「…ふぅ、…さすがに、たにんがおるんやったら、はずさんとなぁ」
(そのままマスクをはずし、素顔を晒す、窓から差し込む月明かりに照らされ、誰もが目を奪われる光景だ)
「……、」
(ぺたりと己の顔を撫でる)
「……はぁ」
(ため息をひとつ着いて布団に潜る)
早く寝よう
…ぅ…………………がぅ…………………………
『ガウっ!!!』
「!!!!」
(相棒の声にびくりと体を震わせて目を覚ます)
『ぐるる…』
「え、あ、あぁ、もうあさなん…?ありがと、しんしん…」
(珍しく長くまで寝てしまった、いっていつも3時起きだったのが6時に目を覚ました、という、一般的にはまだ早い時間なのだが)
「…かいだし、は、まぁええかぁ、あんまなくなってへんし…」
(寝起きであるため口が回らないまま、いつも以上に舌っ足らずで話している、ほとんど頭も動いてはいない)
(__幸せとは、とつぜんにして終わりを告げる。崩れ落ちるそれに、儚いからこそ人は縋り付く。)
「貴方だけが幸せになるなんて許さない」
(この少女の幸せもまた、崩壊する。呪い、それもこの世を呪った姉からのもの。部屋に微かに勾玉が割れる音が響く。)
「貴方なんて…溶けてしまえばいいのよ」
(___世界には、"奇病"が存在する。あるものは体が木のようになったり、あるものは象のように皮膚が伸びたり。
そして幼い少女は、他の誰でもない姉のせいで【宝石病】を患ったのであった。)
【宝石病】
心臓、脳を栄養源に蝕む病。
患者が死んだ時、血液や肉がサラサラと溶け水になり、心臓が宝石になるのが特徴。
痛みなどは特になく、末期になるまで気づかないことが多い
『おはようございます……』
(星星の声にびっくりして起きる。ぺこ、と挨拶をして重くなかったか尋ねる)
「おはよぉ…」
(素顔のままで挨拶を返す、寝ぼけているせいで自分が素顔を晒していることにすらきがついていない)
「…みせ、みせ、あけてきてぇしんしん」
『ガウ…』
(動くのが億劫で、相棒に開店の準備を頼む)
「おもくないけどぉ……むしろかるすぎ…まってめしつくるわぁ…」
(のそのそと結局起き上がり、台所へ歩き出す)
「まっとってねぇ…」
(ほぼ寝かけだが手元は的確で、するすると料理ができているのがわかる)
『………おかお、きれい…………』
(こっちも寝ぼけていて…とても綺麗なその顔とその唇に唇を落として…………また寝息を立て始める)
(…??????)
(脳が覚醒していないせいで自分が何をされたか全くもってわかっていない、が)
「……………みことぉ」
(なにか、違和感を感じる)
「みことぉ…?おきてぇ…」
(違和感、『なんだか冷たかった』、それこそ、石のように、水のように)
(星星と共に眠って、あそこまで冷たいことは無いだろう、おかしい)
「……………」
(少女に触れた、そして気がついた)
(呪い、呪詛に近いが、これは別物だ)
「…みことぉ、いしきある?、おきれる?」
(そう理解した瞬間、ばちりと意識を覚醒させ、優しく、優しく声をかける)
『…………?どーしました………?』
(めを擦りながらまた起きて…何かよく分からない不安で胸がざわめいて)
「…んー、みことぉ、いわかんある?あるんやったら、ぜんぶいうて?」
(少女の前に座り、問いかける)
(呪いである、ということは感覚でわかるのだが、なにせそういうのは専門ではない、常連客にいたりもするが、都合よく来てくれる訳でもない)
『………?特には』
(ただ、とほんの少しの違和感、心臓が、あまり動いていないような)
「『ぜんぶ』、ちゃんというてね?」
(しんでまうかもしれへんよ?と、サラリととんでもないことを告げる)
「……んー、やっぱりだれかおるよねぇ、みことのこと『みとる』やつ、これはだれなんやろなぁ」
(呪いの根源、少女の姉、さすがに細かいところまでは分からないが、なんとなく『誰かいる』ことはわかる)
(名前〜!!!!!!!無視でお願いします!!!)
329:海恋叶◆Uk:2020/10/18(日) 21:22
『…………あ、多分』
(見てるなら…と勾玉を持ってこようとして気づく。空色だったそれがどす黒く染まり、真ん中から割れていることに。)
『………おばあちゃんじゃ、ない…………?』
(脳裏に浮かぶは、散々私を呪っていた)
『おねえ、ちゃん……?』
(あたしがよくやるやつ〜w大丈夫ですよ(`・ω・´)ゞ)
331:雅◆RI:2020/10/18(日) 21:24 「…おねぇちゃん、ねぇ」
(呪いの根源はそれか、と少女が触れる前に、ひび割れた勾玉を掴む)
「…うへ、さいしょよりぞわぞわする…」
(あざっす…(´;ω;`))
333:海恋叶◆Uk:2020/10/18(日) 21:28
『………??』
『おねぇちゃんって、だれだっけ』
(脳が蝕まれていく。奇麗な宝石。それは命の宝石。どんどんと進行していく違和感)
「…ふむ」
(とりあえず、応急処置をしておこう)
「…みことぉ?ちょっとごめんねぇ」
(そう告げると、少女の額に指を当てる)
「『戻れ』」
(ぐるんっ、と少女の体の中の時を戻そうと、声を放つ)
(元に戻す、元に戻す、呪いが進行する前まで、元に戻そう)
『………おかしい』
(心臓が、おかしかった、と首を振る。体内に石があるような、と)
「…ん、心臓やね、…星星!!!」
『ガウ!!!』
「おっし、はやいな、ちょっとみことのそばおって、たぶんきびょうのどれかや、とりあえずぜんぶくすりもってくるもってくる」
(相棒にその場を任せ、駆け出す)
『…君誰?』
(かっこいいねぇ、と星星をなでる)
『ガウ…』
「よっ」
(小瓶を両手に複数もち、足で襖を開ける)
「はぁいおまたせぇ、みことぉ?ぼくのことまだわかるぅ?」
[ ガラ ガラ ガラ ]
「 …… ( 手こずった。)」
( 見る者 多くの視界が黒に染まる真夜中、自然の暗闇
…… その中を小さく、車輪の音? を漏らしながら行く影有り )
「 …… …… やれやれ … まさか顔も含めてチケットとはね… 」
『………あ、ちょっとそこの〜!!!!』
(scullFaceの後ろから、大声を出して呼ぶ声)
『なぁなぁ?お前さんニンゲン?ニンゲンだよねぇ!聞きたいことがあるんだけど!』
「 ……… あぁ 何か 」
( 素早く振り向く… のを、途中で止め
横向きに背後の声と対面する )
[ チ ]「 ……… 」
( 向きの関係上… 相手から見えない左手にハジキを忍ばせて )
『…?…まぁいいや、この辺にさぁ、ィアって子、しらない?何でも屋とかいうのやってるらしいんだけどさぁ、あの子、俺と『縁』を結んでくれなかったから、見つかんなくて』
『お前さん、ィアに会ったことあるだろ?』
「 ………このまちにはプライバシーと呼べるものすら無いのかね?」
( 一旦、は胸をなで下ろすも … 明らかと言っても過言はない
‘ その人物に対しての面倒 ’ に近いものを感じ、ある部分については…
“ YES ”を しかし大多数の部分に対しては “ NO ” を示す )
「さぁ?プライバシーとか、俺に言われても」
(心底どうでも良さそうに肩をあげる)
「そんで?ィアちゃんどこにいるか教えてよ〜、また『逃げられる』とこまるんだって」
(困った風に頭をかく)
「 …その程度すら知らないで私に話し掛けないで貰いたい、悪いが失礼する 」
( 増していく疑念… しかしそれ以上に、決定的な ‘ 外的存在 ’の。
… そして過去にあった、理由ありきの存在が故の行動を感じて…
何れにせよ情報も足りなければ思考、判断の材料も足りない )
( …故に 時間を伸ばすことにはしたが… )
「 ………… 」
『…………はぁ、ニンゲンってめんどくさいな』
(求めていたものと違う返答、態度に、へらへらとしていた表情を消し、ぽつりと呟く)
『ィアちゃんとの『縁』の匂いがするニンゲンを、俺が逃がすわけないでしょ』
(ずるりと、男の影が揺らめく)
( 矢張り と内心のため息を深める )
「 ……問答は… これ以上無用かね? 」
『ィアちゃんの居場所おしえてよ、知らなくて困ってるから聞いてるのに、ニンゲンってみんなこんなんなの?困っちゃうなぁ』
(ずるりと影が揺らめく、そして浮かび上がる、蛇に似たそれは目の前のニンゲンを囲むように伸びていく)
「 ………… 」
( 懐にあるものを握り締め… 地面にバラ撒く!)
[ ぼふんっ ]
( 自身からかなりの範囲、周囲を煙が覆った。
… 効果は期待できないが 一応催涙ガスであり… )
「 …… ( 蛇、か )」
( 自身はガスマスク …の前に、“ 氷 ” を多く飲み込み
体温を出来うる限りは下げる。… 後は止まる暇もない )
[ タ''っ ]
( 売人への言い訳を考えながら荷物を放棄
…囲み切られないうちに合間から包囲を抜け出そうと駆け出す )
『む、へぇ、器用なニンゲンやねぇ、逃げるつもりなん?』
(催涙ガスに包まれる中、そこから声が聞こえてくる)
『でもだぁめ、答えてくれたら無傷で返してあげるけど、言わないんだったら仕方ないよねぇ』
(そしてその煙の中から、ボッ!!とふたつの蛇のような影が先程からは考えられないスピードで飛び出す)
「 ……( まぁ、蛇なら素早い が… )」
( 突然素早くなる蛇… なら慣れたもの
前転する事で 白衣を一部、むしり取られる代わりに回避する )
[ ホ''ンッ ホ''ンッ ホ''ンッ ]
( かと言って噛まれれば何があるか分からない。
…それに蛇ならまきつくだろう、 そうなれば…
しかし思考する間も無い 火炎壺をばら撒きながら走る )
『お、いいねぇ、いい動きだ、じゃあこうしようか』
(そう告げると蛇を追いかけさせたまま)
パチン
(指を鳴らすと、こんどは虎のような影があらわれる)
『いっておいで、殺したらダメだよ』
「 ……… !! 」
( “ 群れる四足歩行の肉食 ” には嫌な思い出しかない…!
瞬時に振り向き、折り畳んでいたボウガンに小さなボルトを装填 )
「 しつこいっ…!! 」
( 虎が接近する前に… 蛇の頭に向けて数発を発射。
不定形故に仕留められるのか定かでないが 緩和無しでは逃げ切れない
ボルトが切れるや、惜しむ間も無くボウガンを捨てて走る 走る )
『!あーあ、打たれちゃった、もー、ィアちゃんの場所教えてくれるだけだってのになんでそう頑なに逃げるかなぁ、なんか理由でもあん、の!』
(打たれた途端その場所から影が崩れる、が、ギギギと腕を後ろにひき、勢いをつけてその腕を前に出すと、また失速した蛇が元に戻る)
「 ……… !! 」
( …簡単に行かないのは分かってはいたが、即座は流石に驚いた
ならば と今度は … 走りながら、周囲に油をばら撒く… )
「 …… ( 頼むぞ…!)」
( ある程度進んだ段階で … 火炎壺を落とす。
瞬間着火!自分から背後は火の海となって蛇や虎を迎え撃った!)
『、へぇ、火か』
(すると、燃え上がる周囲の火の明るさにより、己の影が薄まり、形を保てなくなっていく)
『あーあー、俺の影、かわいそー、久しぶりに遊べたのにねぇ』
「 ………!!」
( 火は視界を遮り 更には虎蛇までもを滅してくれた…
だが、それでも望みは薄いのは目に見えている。)
( かなりの距離まで走って来ると 裏路地の影に入り込む )
「 …… っはぁ…… 」
( 一息をつき 使用した道具の数々、そして置いてきた荷物を思い出す… )
「 ……… ( いやはや … 手酷い損だ )」
( そんな事を先程の出来事と関連づけるのを最後、売人への言い訳を考え始めた )
『……自分から、『影に入っちゃうんだ』』
(ずぷんっ、と音が響く)
『ねーえ、そろそろ教えてくれてもいいんじゃない?なんでそんなに頑なに答えないの?ィアちゃんに口止めされてた訳でもないんでしょ〜?』
「 !!! 」
( やられた。と身を翻して散弾銃を突き付ける )
「 …さぁね、君の事が気に入らないのが理由にでもなるか 」
『…気に入らないの?なんで?』
(散弾銃を突きつけられながら、心底分からないという顔をする)
『というか、気に入らないだけで、ボロボロになってまでィアちゃんのこと話さないのはおかしいとおもうけど、他人でしょ?あの子とお前さん』
「 ……そういう態度だよ。… 理解しないその態度が1番嫌いで… ねっ!」
[ ス''タ''ァンッ ]
( 牽制すら怪しいが引き金を前触れなく引いて放ち
裏路地から転がり出、そのまま駆け出す… 理解されない事をこれ以上言っても仕方無い )
『…はぁ、理解してあげようと聞いてるのに…分からない子だなぁ』
(うち放たれた攻撃を、影で飲み込む、また、追いかけようとした時)
『──あ』
(見つけた)
男の目線の先には、ひとつの張り紙
【何でも屋】
『…はは、やっぱり追いかけてよかった、そっかぁ、縁がある子の所にもあらわれるんだっけ?』
『ありがとねーニンゲン、ようやく見つけたよ!もしかして案内してくれたのかな?』
(にっこりと微笑んで駆ける彼女に礼を叫ぶ)
『ま、今日は一旦これで切りあげかな、…じゃあ…』
『今度こそ、迎えに行くからね、ィアちゃん』
「 ………… 」
( …時は不運に傾いた事を後ろから聞こえる声が示す… )
( 建物の上に駆け上がり、気配を隠す布を被る。
そのまま、影の男を眺める事にした … 毒は皿まで )
『〜♪』
(壁に貼ってあるチラシを剥がし、影に何かを埋め込む)
(ずぷんとそれは影に飲み込まれ、機嫌良さそうに男は笑った)
『ィアちゃん、げんきかなぁ、可愛いお目目、ちゃぁんと俺が『持ってる』から、はやく迎えに行くからねぇ』
(そう呟きながら地面に己の額に描かれた紋様を描く)
(それが薄く光ったと思ったら、男の姿は消えていた)
(キャラデザ近日中に出します)
368:雅◆RI:2020/10/19(月) 00:41(今日は落ちます、また明日)
369:海恋叶◆Uk:2020/10/19(月) 18:16
『……あ』
(彼女は本来普通の人だ。戻す、と言う荒療治に少し気を失ってしまっていた)
「あら、きぃうしなってもうて…どのくすりがあうかためさなあかんのやけど…まぁ、しゃあないか」
(慣れないことをさせてしまった、奇病の薬であろうと取り揃えてあるから、そこまで心配はいらないが、その前に…)
「…おねぇちゃん、やっけ、」
(根源を、絶たねば)
『……で、も………あたしが悪いから、とけてもいいんです』
(それがお姉ちゃんの頼みなら、と齢6、7の少女からはおそらく出せないような儚く散りそうな笑みを浮かべて)
「…ほんとにいうてんの?それ」
(そんな少女を覗き込み、問いかける)
「おねえちゃんがどうとか、しなんとあかんから、とか、そういうのじゃなくて、ぼくはおまえのおねがいしかきけへんよ」
(ほんとに、しにたいん?)
『……あたしの意見…………?』
(意見……出したことないから……と目を泳がせて)
「だしたことなくてもいまいうて、やないとほんまにとけるまでほったらかしてまうよ?それがねがいやっていうなら、ぼくはほんとにそれをかなえんとあかんくなる」
「ぼくは、みことがのぞまずしぬのはいやや」
『………死ぬのは、怖いよぉ………』
(ぽろ、と一筋の涙を流す。死んだ瞳は涙で星空のように光り…)
「ん、わかったぁ『おきゃくさま』おねがい、うけたまわりましたぁ」
(さきほど、とける、という言葉を聞いて、ひとつの奇病に思い当たった)
(『宝石病』)
(そう書かれた小瓶をあけ、少女の口に流し込む)
【許さない】【許さない】【許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない】
(飲ませようとしたその瞬間、怨念に満ちた地を這うような女の声が響き渡る。刹那、少女の白目が黒く変わり、藍色の目は紅くなり目から血が流れ出す。爪は伸び牙は変形する。
”憑依”…普通ならば難しいそれは、この不思議な場所のエネルギーと親族である適合性、そして溢れんばかりの怨念によってその力を増大させたのであった)
「…うわ…」
(やはり出てきたか、まぁ、このまま上手くいくとは思っていなかったが…)
「きみがれいの、おねぇちゃん、かな?」
【この子がいなければ私は…………!!!!!】
(憎しみ、憎しみ、憎しみ。行き場のない憎しみはいつか妹に。
ごめんね、ごめんね、ごめんね…………
死んでね)
(少女…であり少女ではないそれが、自分の首に手を回す)
「あー、だめやだめや、それはあかんよ」
(とん、と、首を絞めようとする手を掴む)
「おねがいされてるんや、しなすわけにはいかへんなぁ」
【なんでよ…!!死なせて!!!じゃないと私は……!!!】
(一生この子を苦しませてしまう)
(ぶわ、と黒い怨念が辺りを竜巻のように吹き荒れる。
ときたま聞こえる号哭は、怒りにも悲しみにも聞こえて)
「…あや?もしかしておねぇやん、ほんまにうらんどるわけやないんかな」
(せやったら)
「──『おきゃくさま』、あなたのおのぞみはなんでしょう」
【…………】
【……………………】
【……………………………】
【この子を、私から解放してあげて】
「じょうぶつでも、いきかえりでも、ぼくがかなえてしんぜましょう」
「いもうとさまをすくったまま、あなたもすくってしんぜましょう」
___穏やかというか … 変わらない天気のした
( 今日の表通りを浮かない顔で あるく白衣のひとがひとり )
「 …… やれやれ … ( 損した、損した… )」
( 手持ちもあまりない。情報もない … 最近はよく損してばっかり )
「うけたまわりましたおきゃくさま、では」
(ぐっと掴んでいた手を引く)
「しつれいいたします」
(バリッッ!!と、そこから、みこととはちがう、少し大人びた少女を引き抜く)
【〜っ…!?】
(咄嗟に引き抜かれ慌てる少女は、どことなく幼い、しかし大人びたミステリアスな魅力を持つ少女であった)
「んふ、いらっしゃいませおきゃくさまぁ、さておねがい、ほかにもありますかぁ?」
(なんだって叶えよう、生き返りでも、成仏でも、転生でも、どんな事でもなんだろうと)
【………この子を、どうか幸せにしてください】
(ぺこ、と頭を下げる。一瞬、くしゃっと顔を歪ませ、そして幸せそうな笑みを浮かべ海恋叶を撫でると…ぽわ、と光の玉となり天へ吸い込まれていく)
「……はぁい、うけたまわりましたぁ」
(想像していたよりも健気な願いに少し驚くが、すぐに了承する)
「…さて、だいじょぉぶかしらぁ、みことぉ」
『………がは、ひゅ、』
(おかしい、心臓が動かない、肺がなにか硬いものに当たっていたい、いたい、いたい、いきができない、しぬ…………)
「……みことぉ、ちょっとがまんしてな」
(そういうと、少女の胸の中心に手を当てる)
「…『───』」
(何かを唱える、すると、『戻す』時のように、周りがふわりと青い光がまう)
『っあ、はぁ、はぁ、………』
(息が戻ってくる。生きてる、生きてるのだ)
『おね、ちゃ、は………??』
「…んー、みことのことおねがいしますぅ、って、おかえりなはったよ」
(ぽん、と少女の頭に手を置く)
「だいじょぉぶ、おねえちゃん、幸せそうやったで」
『…よかったぁ』
(なんだかんだいって、お姉ちゃん優しいから、と確信めいた声で言う。どこか誇らしげな姿は、信頼の証で)
( 屋根の上に立ち、夜闇に揺れるひとつに束ねた藍色の髪をそっと抑え、桜の描かれた帽を深く被り直す。ぱたぱたとはためく隊服はそのまま団子を口に加え街を見下ろす。すぅっと紺紫色の瞳を細め手のひらにある銭を数えため息をつき、ぐぅっと伸びをし、女性にしては低く男性にしては高い声で少し憂いを含んだ声で呟く )
「 ……見廻り隊は解散、このままじゃ無一文だね、はてさてどうしたものか 」
( とんと屋根の上からおり、懐から今度は饅頭を取り出し口に含む。もぐもぐと咀嚼をしながら考えを巡らす。人は斬れないが体術は人並みかそれ以上は心得ている。用心棒でもできたらいいのだが…、果たして女の用心棒を雇ってくれる場所などあるのか。そんな考えを巡らせながら行き着いた路地の先にあった『 便利屋 』と書かれた張り紙をみて小さく首を傾げた後数秒考えこみ、少し口許をあげてその扉を開ける。 )
「んふ、ほんじゃ、みことはきょうはおやすみなぁ、あんせいにしとき」
398:雅◆RI:2020/10/19(月) 19:59 「!、みことぉ、ちょっとまっとってな」
(店から扉が開く音が聞こえ、少女に一声かけて店に向かう)
「いらっしゃいませぇ、おきゃくさまぁ、なにをおのぞみでしょぉかぁ」
(ペストマスクをつけ直し、入ってきた人に声をかける)
『……』
(ふらふらする足取りを踏ん張って耐えて…お茶とお菓子でも、と机に置く)
「 ……!おや、君が『 何でも屋 』の店主かい? 」
( 声をかけられ目を見開きながら尋ねる。少ししてくすりと微笑み帽子を取り小さくお辞儀をし。望みは何かと聞かれ少し考え込むように顎に手を当て。何でも屋ということは職も斡旋してくれるかもしれないそう思い尋ねて )
「 ……実はつい前日くびをきられてしまって、職探しをしたいのだが、なにかおすすめな職はあるかい? 人を斬ること以外ならなんでも人並みにできるよ 」