【東方】「夢幻想」

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1:◆3.:2021/03/25(木) 20:43

それはあまりにも唐突に起こった出来事だった。
誰しもが普段と同じ日常を過ごし、明日も同様の日々を送るものであると思い、眠りについた……
だが、目を覚ましたのはごく一部の者だけだった。
里も、山も、森も……
人妖も、動物も、植物さえもが眠りについたまま目覚めることがなく、幻想郷全体を深く冥い静寂が支配していた……
これは明確な"異変"だ。

"それ"は深き夢の世界から現れる悪夢の支配者。
微睡みの中に漂う無垢な精神を貪り、安息を求める者達に恐怖を与えるおぞましき幻魔の軍勢『エファ・アルティス』
現世を救うために悪夢を支配する幻魔との戦いが幕を開ける……

>>2 時系列と注意
>>3 異変側の勢力

301:悪夢の女王vs神降の巫女◆3.:2021/08/29(日) 10:06

【悪夢の要塞】


イライザ
「随分と頑張るようだけど……貴方へ直接攻撃する事が出来ないと思っているの?」
《ドッ》

朦朧の巫女(霊夢に憑依)
「………う……ぅ………ぐ………ぁ………!!?」

朦朧の巫女は
だが、イライザは眠らない相手……精神体や魂魄の状態である朦朧の巫女に対して、霊夢の肉体には一切触れることすらせずとも直接攻撃をする事が可能であることを告げる。

すると、その言葉が真実であることを裏付けるように、朦朧の巫女を構成する精神体の一部が消し飛び、更にはただ単純に消し飛ばすだけではなく消し飛ばした箇所から激痛を流し込むことで朦朧の巫女の俊敏性や意識の集中の邪魔をしていく……

イライザがその気になれば何時でも朦朧の巫女を消し去ることが出来る……だが、イライザは朦朧の巫女の心を折るためにわざと精神体消滅という必殺技を使わずに戦うことにしている……



イライザ
「クスクスクス……動きが止まっているわよ?」
《バチッ》

イライザ自身は微動だにしないまま、自分の背面にある壁から巨大な腕を生成してそれを拘束で朦朧の巫女へ叩き付ける事により、痛みで動きが鈍った朦朧の巫女の体を軽々と弾き飛ばし、先程の移動距離を引き戻すかのように移動する。

朦朧の巫女は辛うじて神気を両腕に纏わせたものを盾のようにしてイライザの魔手による打撃の直撃を防ぎ、受け身を取ることで霊夢の体へのダメージを最小限に抑える……

だが、一度失われた精神体の部位は回復や再生がしない……
イライザによって消し飛ばされた精神体の部位が鈍い痛みとなって朦朧の巫女の動きや判断を鈍らせ、力や技の発動の邪魔をし始める事になる。

ただでさえイライザには攻撃が通じないにも関わらず、回避や防御をするための意思さえ阻害し始める……それも、霊夢の体そのものを消したり攻撃するのではなく、その体を借りている朦朧の巫女を直接攻撃して回復不可能なダメージを与えると言う最悪の手段で……

302:悪夢に馴染む巫女◆gI:2021/08/29(日) 12:06

アンタは私の胃袋が魔界かなにかだと勘違いでもしているの?

(極限状態になるとそこら辺に生えている雑草などを貪ることはよくあることだが、流石に毒きのこを食べて平然としていられるほど化け物じみた特殊な体の構造はしていない・・・・・

しかし、魔理沙ならいつか本気で料理にうっかり混ぜそうだとも考えられる・・・・・)

303:微睡みの中◆3.:2021/08/29(日) 18:32

魔理沙
「ははは!冗談だよ冗談。
こう見えてそれなりに料理が出来るんだ私。」

魔法の森には色んな種類の茸があるが、その殆どが食用には出来ないのだが父親に勘当されて魔法の森に住むようになってから独り暮らしをしてきた自分はちゃんとした料理を作る事も出来ると言う。

304:悪夢に馴染む巫女◆gI:2021/08/30(月) 06:16

果たして世間一般的に料理と呼べるものが出来上がるかどうかだけれどね?

(霊夢ならどんなきのこでも食べられるだろうと馬鹿にされたお返しか、 霊夢は魔理沙の作る料理が果たして世間一般的に料理と呼べるようなものが出来上がるかどうかの問題だと冗談交じりに言う・・・・・

極限状態に陥った場合は変な雑草でも食べられる霊夢の場合はそう思われても仕方が無い部分があるが・・・・・)

305:微睡みの中◆3.:2021/08/30(月) 15:36

魔理沙
「なッ……!失礼な奴だな、それならお前はプロ並みに料理を作れるのか?」

ムッと頬を膨らませながら、自分が料理をまともに作れないと小馬鹿にしたような霊夢に対し、それなら霊夢は上手に料理を作れるのかと言い返しつつ、テーブルの上に置かれていた白ワインを手に取る。

306:悪夢の中の理想の現実◆gI:2021/08/30(月) 18:01

作れるか作れないか以前に、そもそもアンタの料理はプロ並みなの?

(魔理沙の問いかけに答えるより先に、そもそも魔理沙が自分で今言ったように、魔理沙の料理はプロ並みなのかどうかを苦笑いしながら逆に問いかける・・・・・

そもそも今までの会話の中にやばいきのこが出てきていることから、料理は作れたとしてもちゃんとしているものなのかどうかは確信できない・・・・・)

307:微睡みの中◆3.:2021/08/30(月) 19:52

魔理沙
「私は魔法使いだぞ?魔法使いは器用じゃないとなれない。料理なんて朝飯前だ!」

巫女?
「…………………。」

意気揚々と料理も得意だと応える魔理沙の後ろ、紅魔館の館内にある数少ない窓越しに静かに霊夢を見下ろしている人物が見える。その人物はリボンを付けておらず、腰まで伸びた長い髪を持った大人になった霊夢のような顔をしている。

この人物についてはこれまで出会った事が無いにも関わらず、霊夢は何処かで会ったことがあるような妙な既視感が感じられる……その既視感は大人になった自分のような顔立ちをしているところ以外からも来ているように感じられる。

308:悪夢の中の理想の現実◆gI:2021/08/31(火) 06:19

そりゃあそうよ、料理をしないと朝ごはんは食べられないんだか・・・・・?ねぇ、魔理沙・・・・・あそこにいるのは誰かしら・・・・・?

(霊夢は魔理沙の料理なんて朝飯前だという言葉に大して言葉を返す途中で少し沈黙し、そのまま魔理沙に謎の巫女のような人物について聞いてみる・・・・・

自分にも似ている気がするものの、普通に考えれば別人だと真っ先に思うだろう・・・・・)

309:悪夢の女王vs神降の巫女◆3.:2021/08/31(火) 06:30

【悪夢の要塞】


イライザ
「クスクスクス……私に勝てないと言うのはもう貴方自身が一番よくわかっている筈よ?」

イライザは次々と朦朧の巫女の精神体を削り取り、消失させていく……
既に朦朧の巫女の精神体の三分の二が削り取られており、神降ろしの力でさえも満足に発揮できなくなってしまっており、ただでさえ大きかった力の差が更に大きく、確固たるものとなっており、イライザはまるで無傷のまま、朦朧の巫女が繰り出す神拳を無傷で受けきり、神速で移動しようと、移動した先の空間を巨大な口や手に変化させることで常に先読みを行い、手段を一つ一つ潰していく……

もはやこの力の差は覆らない。
幾度も幻想郷を救って来た巫女であっても、イライザが支配する悪夢の世界の中ではその力は大きく制限され、消耗の激しくなる朦朧の巫女とは対称的に無限に力が増幅されていくイライザを前に戦うと言う舞台にすら立てなくなりつつある……



朦朧の巫女
「私が倒されれば……貴方はこの体を喰らい尽くして幻想郷の支配を確実なものとするでしょう……私が消えるのは構わない……だけど……この体の持ち主だけは……幻想郷だけは何があっても奪わせない……!」

朦朧の巫女
「この体の持ち主は幻想郷最後の希望……その灯火をお前なんかに奪わせてなるものか……!滅びるのはお前の方だ、歪な悪夢の中でしか存在を確立できない醜悪な魔女……!!!」

精神体が削られる度にその体には、霊夢が味わった皮膚の獣が放つ苦痛の波動とは比にならないレベルの苦痛が刻まれるのだが、それにも決して折れることも、諦めることもなく、弱音の一つも吐かず、それどころかイライザを挑発するような言葉を口にし、少しでも霊夢が覚醒するまでの時間を稼いでいる……






イライザ
「そう?それは"信頼"?"希望"?
残念だけど……それは私には理解できない感情だわ。」
【兇夢「ポノス・ブラキオラス」】

イライザには信頼や希望と言った感情を理解することが出来ない……朦朧の巫女の奮闘や、戦う理由について理解することが出来ず、朦朧の巫女自身も自分に勝つのではなく、霊夢の意識が戻ることを考えているのだと推測すると、自身の右腕を無数の牙を備えた禍々しい肉塊のような腕に変化させ、霊夢が目を覚ます前に霊夢の肉体もろとも朦朧の巫女を喰らい尽くす事を決める……

イライザは精神体や魂魄、思念体と言った実体の存在しないモノをも破壊し、滅ぼす力を持っている。このイライザの攻撃を直撃してしまえば霊夢も朦朧の巫女もまとめて滅ぼされてしまう事になるだろう……

310:深淵の始まり◆gI:2021/09/01(水) 04:21

・・・・・っ・・・・・

(まただ・・・・・さっきと同じように、頭の中にノイズが走る・・・・・

いつもなら、普段のこういう集いならば、こんな妙なことはないし、このノイズの原因が何かしらあるはずだ・・・・・

まるでこのノイズが、自分を呼びかけているようなこの妙な感覚は何なのだろうか・・・・・

なにか大事なことを忘れてしまっている気がするし、それを早く思い出さなければ大変なことになるような気がする・・・・・)

311:微睡みの中◆3.:2021/09/01(水) 05:20

魔理沙
「………?
おい、どうしたんだよ?」

館内から覗いている人物は窓の奥へ消える中、頭を抱えて苦しんでいる霊夢を見ていた魔理沙が霊夢に安否を気遣って言う。

312:悪夢の中の理想の現実◆gI:2021/09/01(水) 17:04

・・・・・ねぇ、魔理沙・・・・・私、ここへ来る前、どうしていた・・・・・?

(記憶が乱れる・・・・・

よくよく考えてみれば、紅魔館へとやってくる前の記憶がない・・・・・

そして、さっきから頭の中に度々走るノイズのような感覚・・・・・

これが、今の自分のこの妙な感覚の正体に繋がる気がしたのは、人間の本能か、それとも・・・・・)

313:微睡みの中◆3.:2021/09/01(水) 17:15

魔理沙
「ん?何時も通り神社で掃き掃除をしていただろ?その前は知らないな。寝てたんじゃないか?」

魔理沙は突然何を言っているんだと不審そうに首を傾げながら、ここに来るまでの事について応える……



魔理沙
「なあ、具合が悪いんなら永遠亭にまで行くか?」

魔理沙としては本当に心配しているからか、手にした白ワインを飲む事無くテーブルに置くと、体調が悪いようなら永遠亭にまで運ぼうかと提案してみる。

314:悪夢の中の理想の現実◆gI:2021/09/02(木) 06:18

いや、大丈夫よ・・・・・

(ここでこうして、記憶を振り返り続ければ、正しい記憶が蘇るかもしれない・・・・・

いつもなら普通にあるはずの記憶が、曖昧どころかすっぽりと抜け落ちてしまっているということは、そこに至るまでに何かしらがあったはず・・・・・

じゃあ、その何かしらとは何なのか・・・・・)

315:微睡みの中◆3.:2021/09/02(木) 15:43

魔理沙
「そうか?それならいいんだ。
さ、お前は何を飲む?私が持ってきてやるよ。」

霊夢の様子に違和感を抱いてはいるものの、その事について言及することはなく、すぐに何事も無かったように普段の様子に戻ると、何か飲み物はいるかと問いかける。
それはまるで、優しい時の流れによって、霊夢が気付きかけた夢の世界であると言う確証を微睡みの深奥へ再び誘うかのように……

316:悪夢の中の理想の現実◆gI:2021/09/02(木) 17:32

いえ、今はいいわ・・・・・

(ここで考えるのをやめたら、こうして違和感に気づけなくなってしまう、そんな気がした霊夢は飲み物を断る・・・・・

思考を止めるな、考えろ、思い出せと自冬に言い聞かせるが、やはり肝心な部分が記憶の中から抜け落ちてしまっている・・・・・

何かきっかけがあれば話は別なのだが・・・・・)

317:微睡みの中◆3.:2021/09/02(木) 22:10

魔理沙
「具合が悪くなったら何時でも言うんだぞ?」

飲物を断る霊夢を見て、ますます心配そうに顔をしかめながらも再びテーブルに置いた白ワインを手に取ると、今度は一息にそれを飲み、テーブルの上に置かれた肉団子を器用に箸を使って取り、一口食べる。

先程視界の端に映った館内にいた人物の存在について霊夢が覚えていれば、その人物を介してこの違和感の正体がわかるかもしれない。

318:悪夢の中の理想の現実◆gI:2021/09/03(金) 13:36

・・・・・ねぇ、魔理沙・・・・・一つ聞いてもいい・・・・・?

(いつも一緒に一番行動を共にする魔理沙になら、一番心を許して何でも聞ける・・・・・

霊夢は、魔理沙が何か知っていればと思い、魔理沙に一つ聞いてもいいかどうか問う・・・・・

今までのが自分の思い過ごしだと結論づけるには無理がありすぎるから、ここで聞かなければならないという気がした・・・・・)

319:微睡みの中◆3.:2021/09/03(金) 14:15

魔理沙
「おお、今度はどうしたんだ?私にわかる事なら答えられるかもしれないな。」

肉団子を噛んだ後に飲み込むと、白ワインは入っていたグラスへ、近くの酒瓶を手に取り、今度は日本酒をワイングラスに注ぎながら霊夢の問いかけに対して、自分にわかる事なら応えられると言う。

320:悪夢の中の理想の現実◆gI:2021/09/04(土) 19:24

・・・・・さっき、私に似た巫女みたいな人がいたんだけど、誰だかわかる・・・・・?

(もしかしたら自分の勘違いや、記憶違いという可能性もあるが、無関係とも思えないことから、霊夢は魔理沙に一か八かさっきの謎の人物を知っているかどうかを聞いてみる・・・・・

果たして、魔理沙は知っているのだろうか・・・・・)

321:微睡みの中◆3.:2021/09/04(土) 23:08

魔理沙
「ん?お前に似た巫女?早苗……じゃないか?」

日本酒を注いだワイングラスを手にしたまま少し考えてみるものの、霊夢に似た=巫女服と言うことから早苗が連想されるものの、霊夢の言い方からして早苗ではなさそうだと思いつつもそう応えてみる。魔理沙は本当に知らないように見える。

322:悪夢の中の理想の現実◆gI:2021/09/05(日) 12:28

いいえ、だとしたらこんなこと聞かないわ・・・・・

(確かに早苗は一番当てはまる人物かもしれないが、もし早苗だったとしたら、すぐにわかるのでわざわざ魔理沙に聞いたりはしない・・・・・

そして「見た目は私に似ていたわ、格好だけじゃなく、雰囲気とか・・・・・」と、付け足す)

323:微睡みの中◆3.:2021/09/05(日) 14:11

魔理沙
「うーん?何かの見間違いじゃないのか?それな奴はいなかったと思うぞ?」

その謎の人物について魔理沙は知らない……
その人物の存在はこの世界において本来は存在しないイレギュラーな存在であるように思える。

324:悪夢の中の理想の現実◆gI:2021/09/05(日) 15:39

いない・・・・・?そんなはずは・・・・・

(霊夢は確かに見た、自分自身に似た謎の巫女服の人物を・・・・・

証明することは出来ないし、今の自分の奇妙な状態からして、自分でも本当に見たのか少し不安になりそうになるが、それでもその人物は確かにいた・・・・・

魔理沙が気づかなかっただけなのか、それとも自分にしか見えなかったのか・・・・・)

325:微睡みの中◆3.:2021/09/05(日) 18:28

魔理沙
「ま、今はこのパーティーを楽しもうぜ!」

魔理沙は霊夢の言っている事の意味がわからないといった様子で手にしたワイングラスを傾け、酒を飲み始める。すると、再び霊夢の脳に記憶を掻き消すようにして霞がかかり始めてしまう……

もし、このまま動くこと無くこの場に留まっていれば今度こそ霊夢から現世への記憶や、ようやく気付き始めたこの違和感さえも永遠に失われてしまうことになるだろう……

326:悪夢の中の理想の現実◆gI:2021/09/06(月) 05:48

・・・・・ごめん魔理沙、すぐ戻るから、ご馳走残しておきなさいよ・・・・・?

ダッ・・・・・!

(霊夢は、すぐに戻るからご馳走は残しておくようにと告げると、急いでその場から走り出して紅魔館から出る・・・・・

霊夢の魔理沙に言った言葉は、今いるこの世界がイライザの用意した偽りの現実であると本能的にわかってのことか、それとも・・・・・

すぐ戻るから、という言葉は異変を解決したらすぐにまたいつもの日常に戻るから、という意味合いにも感じ取れる・・・・・

そして、霊夢は紅魔館へ来る前に自分がいた場所、博麗神社に向かっていた・・・・・

もしかしたら、紅魔館へ来る前の自分の記憶がハッキリと蘇るかもしれない、そんな僅かな希望を胸に・・・・・)

327:微睡みの中◆3.:2021/09/06(月) 07:29

魔理沙
「………………。
……ああ、約束だぞ?」

魔理沙は優しく微笑みながら霊夢を見送る……
霊夢を見送る時の魔理沙からは、不思議と何の違和感も感じられない……それはまるで、イライザの支配下に置かれながらも本物の魔理沙が霊夢なら現状を打破してくれると言うことを信じ、望みを託しているかのように……



【→悪夢の世界 博麗神社】

《サアァァァァァァァァァ……》

悪夢を克服しつつある、神社に戻った霊夢ならばある感覚に気付くことが出来るだろう。最初に霊夢が訪れた時とは違う……
本堂の中に誰かがいるような……そんな気配のようなものが感じられる。

それは邪気や悪意と言ったものは無く、館内から感じられたあの懐かしいような感覚……気配であり、敵意や害意と言ったものが加えられることはないだろう。

328:悪夢の中の理想の現実◆gI:2021/09/06(月) 18:06

・・・・・誰か、いるの・・・・・?

(感じた謎の違和感に、ゆっくりと本堂へと入る・・・・・

不思議と敵意のようなものは感じなく、寧ろどこか安心感さえ感じるような、そんな妙な感覚を・・・・・

もし誰かいるとするならば、紅魔館で見たあの謎の巫女のような人物だろうか、それとも・・・・・)

329:本堂の巫女◆3.:2021/09/06(月) 18:29

霊夢に似た巫女?
「………ようやく気付いたわね。」

本堂の戸を開けると、その中では霊夢に似た顔立ちをしているものの、霊夢を20歳前半にまで成長させ、頭には特徴的な髪留めやリボン等を一切付けていない、腰まで伸びた黒髪をした巫女が静かに座っており、霊夢を見て優しく微笑みながら漸く気付いたかと言う。

330:始まりし終焉◆gI:2021/09/06(月) 18:55

・・・・・あなたは誰なの?博麗の巫女・・・・・?

(紅魔館で見た時からずっと気になってたことを単刀直入に聞く・・・・・

無関係とは思えないほどに自分と近しい何かを感じるが、相手が博麗の巫女なのかどうかはわからない・・・・・

そもそも、今の代の博麗の巫女は自分だ、他にいるはずがない・・・・・)

331:博麗の巫女◆3.:2021/09/06(月) 22:37

霊夢に似た巫女
「……その呼び方をされるのは随分と懐かしいわね……
そう、私も貴方と同じ博麗の巫女……いえ、そう呼ばれていた者……よ。」

本堂の中で正座をした女は自分が博麗の巫女であると応える。
霊夢は歴代の巫女についての話はされていなかったものの、彼女が本当に博麗の巫女であるのならば、彼女から感じられる懐かしいような感覚にも説明がつく。
だが……その霊夢と瓜二つとも言えるように似た顔立ちは前任の博麗の巫女……ひいては博麗の血筋と言うだけでは説明しきれないような感覚もある。



霊夢に似た巫女
「貴方が此所に来た理由は知っている……いえ、待っていたと言うのが正しいわね。」

巫女は霊夢が此所に訪れる事も全て知っており、その上でこの場所に居るのだとも応える……その真意は定かではないものの、今のところ敵対する意思は無いように見える。

332:悪夢との対峙◆gI:2021/09/07(火) 05:50

まるで私がこのタイミングでここへ戻ってくることを予め知っていたかのような口ぶりね・・・・・

(かつて博麗の巫女と呼ばれていたという謎の人物は、予めこうなる未来を知っていたかのような口ぶりで話していることに違和感を持ち、ファンタジーなどでよくあるようなタイムトラベラーなのではという疑いを持ち始める・・・・・

もしそうであったとしても、妖怪や妖精などがいるこの幻想郷においては、それもあまり驚くようなことではないかもしれないが・・・・・)

333:博麗の巫女◆3.:2021/09/07(火) 07:16

霊夢に似た巫女
「勿論……貴方が博麗の巫女であるのならは必ず気付いてここに来るとわかっていたわ……」

未来から来訪したかのように、全てを知っているような言動を取り、リボンや髪留めと言った特徴的な装飾は無く、シンプルな巫女服であるものの、非常に似た容姿をしたその巫女はゆっくりと立ち上がると、軽く指を鳴らし、自分の後ろにある映像を投影する。

その映像の中では、霊夢がたった一人で、禍々しい無数の棘を備えた触腕や、おぞましい魔蟲の大群等をあらゆる場所から生み出し操る魔女……イライザと戦っている光景が写し出されている。

334:悪夢との対峙◆gI:2021/09/07(火) 19:01

・・・っ・・・・・!これ・・・・・は・・・・・

(突如として映し出される映像に、困惑を隠せずに戸惑う・・・・・

そして、同時にさっきから頭の中に走るノイズのような違和感の原因はこれだと直感で確信する・・・・・

何故今の今まで記憶から抜けていたのか、自分でもわからない・・・・・)

335:博麗の巫女◆3.:2021/09/07(火) 20:44

霊夢に似た巫女
「……これで完全に思い出した?
あの魔女……イライザは恐ろしく強力な夢幻術の使い手……
現を夢に、夢を現に変える程の力を持っている……本来なら違和感すら覚えること無くこの世界に取り込まれ、意識を失った肉体も破壊されることで脱出不可能になる技だったのよ……?」

後ろに展開した映像について巫女は振り返って確認はしていないものの、霊夢の表情を見て、戸惑いながらも違和感の原因を突き止め、理解した霊夢へ、巫女はイライザの使う夢幻術や、それを用いた必殺技の仕組みについて霊夢へ教えていく。

336:悪夢との対峙◆gI:2021/09/08(水) 06:17

・・・・・これでようやく、目が覚めたわ・・・・・なるほど、あの性悪魔女、このまま私を夢の中に取り込んだまま消し去るつもりなのね・・・・・気がついてよかったわ・・・・・

(恐らく、違和感を感じることが出来たのは博麗の巫女であるかどうかが関係しているかはわからないが、奇跡だったのだろう・・・・・

もしあのまま気づかずにいれば、違和感のないあの偽りの日常に取り込まれて亡き者にされていたと思うとゾッとする・・・・・)

337:博麗の巫女◆3.:2021/09/08(水) 14:44

霊夢に似た巫女
「……ここからは貴方が決めるといいわ。」

巫女は指を鳴らすと、背後に投影された映像が消え、霊夢と向かい合ったまま、二つある道のどちらを進むのか……その選択を霊夢に迫る。



霊夢に似た巫女
「イライザは恐ろしく強く、邪悪な存在……
夢の世界の中では無敵と言ってもいい程の力を持っている……
勝機は無いに等しい……貴方が望むのなら、この夢の世界で何の苦痛も恐怖もなく一生を終えることも出来る。」

様々な神の力を宿しながらも、悪夢の世界では無限に力が増幅され、圧倒的な力を行使できる強大な力を持ったイライザと対決することを選ぶか、それともこの微睡みの世界で幸せなまま終わりを迎える……この二つのどちらの道を歩むのかと問う……



霊夢に似た巫女
「辛く苦しい現実に戻って絶望と戦うか……
この苦痛の無い微睡みの中で終わる……
どちらを選んでも私は責めたりはしない。」

338:悪夢との対峙◆gI:2021/09/08(水) 18:01

痛みを伴ってこそ、平和は掴み取れる・・・・・

(今までも、この先も、きっと今回のような異変が起きることも多々あるだろう・・・・・

これからも自分は幻想郷を守らなければならない使命がある、こんな偽りの世界でのうのうと過ごすつもりは毛頭ない・・・・・

霊夢は、イライザとの決戦を選んだ・・・・・)

339:博麗の巫女◆3.:2021/09/08(水) 18:45

霊夢に似た巫女
「……それじゃ、この世界から貴方を出す事にするわ……」

巫女は今度は合掌するようにして両手を合わせる。
すると、周囲の空間が大きな渦のように歪み始め、金色に輝く光の渦が形成されていく……これを通れば再び元の肉体へ戻ることが出来るだろう……



霊夢に似た巫女
「…………ごめんなさい。」

だが、巫女の表情は嬉しいような、悲しいような……複雑な表情をしており、霊夢に対して一言謝る……何に対しての謝罪なのか……悪意も害意も無く、この巫女に何かされたような事は無いため、その真意はわからない。

340:悪夢との対峙◆gI:2021/09/09(木) 05:42

何謝っているのよ?私なら大丈夫、任せなさい・・・・・

スゥッ・・・・・

(霊夢は、相手に謝られたのを「こんな命にかかわる大事を霊夢一人に任せてしまってごめんなさい」という意味合いだと受け取って、上記の言葉を返す・・・・・

それに、この状況で謝られても、状況が変わるわけでもない・・・・・

霊夢は光の渦を通って元の世界へと戻ってゆく・・・・・)

341:博麗の巫女◆3.:2021/09/09(木) 10:26

霊夢に似た巫女
「……本当なら……貴方達には何も背負わせたくはなかった……何も背負わずに貴方達には生きてほしかった……私の不始末のせいで……後の世界に生まれた貴方達に"奴ら"との戦いを……博麗の宿命を背負わせてしまった事を……謝るわ………」

巫女は光の渦を通って元の肉体にまで戻っていく霊夢に対してその真意について語る……
その言葉はイライザと対峙する、もう一人の巫女と似た考えであり、歴代の巫女達は……初代から先代まで、そのほぼ全員が後世の者達は自分達のように元悪との宿命を背負う事無く自由に生きていて欲しいと言うささやかな願いを持っていた……

だからこそ、後世に悪を残さぬよう、その命を燃やして戦い続けていたのだが……自分が理想とした幻想郷が成立し、元悪を討ってから千年以上も経ったにも関わらず、世界はまだ悪に脅かされ続けている……

その事実に対して巫女は、始まりの巫女である自分の不始末のせいで後世にまでこの宿命を背負わせてしまったと負い目を感じている……

342:悪夢との対峙◆gI:2021/09/09(木) 19:08

・・・・・っ!

(イライザと対峙している状態の霊夢の体に、霊夢の意識が戻ってくる・・・・・

やはり、体のあちこちに激痛が走る・・・・・しかし、このままやられてばかりでもいられない・・・・・

霊夢は、イライザの方を睨みつける・・・・・)

343:悪夢の女王 イライザ◆3.:2021/09/09(木) 19:32

イライザ
「クスクス……へぇ……?
また中身が変わったようね?」

意識の戻った霊夢の前でイライザは口許に手を当ててクスクスと不敵に微笑みながら、朦朧の巫女から霊夢へと意識が切り替わった事にいち早く察知したイライザはそれを指摘する……



朦朧の巫女
『……随分と……長かったわね……?』

霊夢へと戻った影響で、これまで霊夢の体を守っていた神々の力が失われ始めてしまう……更に、これまで霊夢の代わりに戦っていた朦朧の巫女の精神体もその大半がイライザによって抉り取られ、消滅させられており、もはや加勢する事は出来ないだろう……

344:悪夢との対峙◆gI:2021/09/09(木) 21:15

・・・・・えぇ、今戻ったわ・・・・・

(霊夢のこの言葉は、自分が戻ってきたことに気づいたイライザと、随分と長かったと言葉をかけてくる朦朧の巫女の二人に向けての言葉にも聞こえる・・・・・

そして「もうアンタの好き勝手にはさせないわよ?覚悟なさい・・・・・」と、イライザに宣戦布告とも取れるような言葉を放つ・・・・・)

345:悪夢の女王 イライザ◆3.:2021/09/09(木) 21:30

イライザ
「クスクスクスクスクスクス……
ただの人間ごときが何を出来ると言うのかしら?
奇跡は二度も起こらないわよ?
さあ………"おやすみなさい"。」
【悪夢「魔蝕昏倒の囁き」】

イライザは微笑みながら、自身の言葉に魔力を乗せて霊夢
どのような手段を用いて自分の夢幻術を突破して来たのかは知らない……だが、先程の神降ろしの巫女はもう死に体であり、もうまともに機能する事はないと考え、この昏倒術によって今度こそ完全に霊夢を無力化させられると考えている……



【微睡みの世界】

レミリア
「霊夢……もう頑張らなくてもいいのよ?」

魔理沙
「アイツには勝てない……もう諦めたほうがいい。」


「勝ち目の無い戦いをしなくてもいい……大人しく死を受け入れる方が楽になれるのよ?」

イライザの見せる悪夢は、先程までの微睡みの世界とは違い、霊夢の知る人物達の姿と声を借りて霊夢の戦意と闘志を削り取ろうと言葉を並べていく……もっとも……本物の三人であれば、まず言わないであろう言葉ばかりであるため、夢の精度そのものは大きく劣っているように見えるが、強い信念が無ければこの微睡みを突破する事は出来ないだろう……

346:悪夢との対峙◆gI:2021/09/10(金) 06:13

・・・・・アンタ、この程度の下らない技で私が屈するとでも思ってるの・・・・・?

(姿も声も、本物と何一つとして変わらないほどに精巧な悪夢・・・・・

イライザの見せる悪夢は、確かに寸分の狂いもなく人物の特徴を捉え、再現するところが厄介なところだ・・・・・

しかし、霊夢から言わせれば・・・・・)

似ても似つかない粗末な偽物ね・・・・・

347:悪夢の女王 イライザ◆3.:2021/09/10(金) 12:22

イライザ
「クスクス……!
私の夢幻術は防げない……」
《ギュオッ》

イライザは自身の周囲に無数の目の無い大蛇とも、巨大な蚯蚓とも形容可能な異形の存在を生やし、それを一斉にイライザの夢幻術によって偽りの光景を見せられている霊夢に向けて襲い掛からせる……

一瞬でも動揺して動きが鈍ってしまえば瞬く間にイライザによって喰らい尽くされてしまうだろう……

348:悪夢との対峙◆gI:2021/09/10(金) 13:38

学習したらどうかしら・・・・・?

(霊夢は偽りの光景などものともせずにイライザに接近してゆく・・・・・

お前だけは絶対に許さない、必ず仕留めてやると言わんばかりの、獲物を視界に捉えた猛獣のような目つきで睨むその様子は、時代や人物こそ違えど過去にヴァルターを葬り去った博麗の血筋そのものであることに間違いない・・・・・)

349:悪夢の女王 イライザ◆3.:2021/09/10(金) 14:09

イライザ
「…………!!!」
《ゾワッ》

イライザは霊夢の放った鬼気迫る雰囲気を感じ取ると、誕生してから始めて感じた悪寒を感じ、少し後退りする……
だが、霊夢の五感にはイライザの見せる偽りの情景で塗り潰されているため、彼女に向けて襲い掛かる肉蛇に対処する事は出来ないとイライザは考えている。



魔理沙(夢幻)
『もう戦わなくてもいいんだぞ霊夢……』

レミリア(夢幻)
『そうよ、もう苦しまなくてもいい、戦わなくてもいい……諦めてもいいのよ?』

霊夢の眼前にはイライザの姿も、迫り来る肉蛇の音も姿も無く、あるのは戦うことを諦めるように語りかけ続ける霊夢の身近な者達の姿と声しかしない……夢幻達は霊夢に精神的な動揺や、戦意喪失させるための言葉を投げ掛け続けている。

350:悪夢との対峙◆gI:2021/09/10(金) 15:35

・・・・・偽りだらけな上に暴れ回っても敵にしか被害が出ない空間だと、容赦しないで済むからいいわね・・・・・

ドダダダダダダダダダダダッ!!!!!

(霊夢は、イライザの見せてくる夢幻をまったく気にせずに、寧ろ偽りだからこそ容赦しないで済むとまで言い放ち、さらにはそのまま弾幕を放ちながら夢幻で覆い隠されて見えないはずのイライザの方向へと、確実に歩みを進めてゆく・・・・・

博麗の巫女が本気を出せば、悪夢なんかよりもよっぽど恐ろしいのかもしれない・・・・・)

351:悪夢の女王 イライザ◆3.:2021/09/10(金) 16:16

イライザ
「……へえ?範囲攻撃を仕掛けて来るのね?
この程度の威力なら防ぐまでも無いのだけれど……それでは面白くない……彼女が正気に戻す前に……拭えぬ罪を背負わせてあげる。」

イライザの伸ばした肉蛇を霊夢が無差別に放った弾幕を前に撃ち抜かれて消滅していくものの、神の力を宿した攻撃を受けてもダメージを受けなかったイライザには何の脅威にもなっておらず、防御も回避もせずにその弾幕を受けながらも策略を練る……

そしてイライザは霊夢を目覚めさせる前に彼女への追い討ちをかけようと、自身の前に、最初に幻想郷に住む人妖から奪った精神を壁のようにして展開することで霊夢の手でそれを破壊させようとする。

この精神の壁そのものは何の防御力も無く、容易に破壊することが出来るのだが、これが破壊された場合、精神の壁を構築している数多くの人妖の精神も消滅し、例えイライザを倒せたとしても、幻想郷にいる多くの人妖が廃人となってしまうだろう……

352:悪夢との対峙◆gI:2021/09/10(金) 21:23

っ・・・・・!!!!!

バッ・・・・・!

ダダダダダダッ!!!!!

(霊夢はイライザの卑怯な行動に、咄嗟に精神の壁の前に出て自分の弾幕を自分で受ける・・・・・

相手は悪夢を操る以前に、そもそもの戦闘力や悪知恵も含めて規格外の存在・・・・・

迂闊に攻撃ができないという点では本当に厄介な相手だ・・・・・)

353:悪夢の女王 イライザ◆3.:2021/09/10(金) 22:08

イライザ
「クスクス……貴方達って本当に理解に苦しむわ。
その哀れさに免じて正気に戻してあげる。」
《パチンッ》

霊夢の放った弾幕を霊夢自身が盾となって防ぎ、自滅するのを見て、ますます楽しそうに笑い、嘲るように言葉を告げると、イライザは指を鳴らし、霊夢を包んでいた夢幻を解く……
だが、絶望的な現状は変わらない……いや、寧ろ徐々に悪化しつつある……
ここは悪夢の世界……世界の全てがイライザに味方する中、霊夢はたった一人……もう味方はいない、助けてくれる人も居ない……その絶望的な現実を突き付けることで直接霊夢の心を折ろうとする……



イライザ
「他人なんてどうだっていいじゃないの?他人が生きようと死のうと自分には興味無い、関係無い。自分さえ良ければそれでいいじゃない。わざわざ他人にために命を賭けるその理由がわからないわ。」

イライザは人間がわからない。
人間の持つ感情がわからない……特に、今の霊夢のように幻想郷を背負ってたった一人イライザと対峙し、自分の保身よりも世界を選ぶ霊夢の意思や覚悟がわからずにいる。
イライザやヴァルターには誰かを想う感情も、なにかを守りたいと言う感情も存在しない……何処まで行っても自分の保身と利益の事しか考えられない……

354:悪夢との対峙◆gI:2021/09/11(土) 06:15

・・・・・でもアンタは、見下している人間にはわかるものがわからないんだから、これほど惨めなことはないわね・・・・・

(自分の弾幕を受けることで幻想郷に住まう者達の精神を守った霊夢は、哀れだと評価するイライザにむけて、アンタはその哀れんでいる人間以下だと反論する・・・・・

そして「ほんといいわよね、自分が覇権を握れる世界なら、どんなに対戦相手に恐れを抱いていようが、自分のご都合主義で進められるんだもの・・・・・」と、イライザは卑怯者なだけではなく、臆病者でもあると遠回しに言う・・・・・)

355:悪夢の女王 イライザ◆3.:2021/09/11(土) 07:47

イライザ
「クスクス……何を言っているのかしらぁ?
私は別に貴方達人間に興味があるわけじゃない……ただ滑稽な言動ばかり取る貴方達を嘲笑しているだけよ?」
【弄魂「弄ばれし精神と思念」】

イライザはゆっくりと両手を広げると、それに呼応するように、幻想郷の住人達の精神が具現化した薄い膜のような壁を無数の刃に変え、それを霊夢に向けて放ち、霊夢の体をズタズタに引き裂こうとする……

この刃はその気になれば簡単に破壊や防御も出来る……だが、それをしてしまえば、霊夢が守る筈だった大勢の人妖の精神は永遠に破壊されることになってしまうだろう……

その気になればイライザは素の力だけでも霊夢を葬れるだけの実力差がありながら、まるでジワジワと獲物をなぶるかのように、霊夢が反撃できないような状況を変え始めている……





イライザ
「ここまで実体の持つ者と対峙し続けるのは、あの不死王(ヴァルター)以来かしらね?貴方は彼と同じぐらいこの私を楽しませてくれるかしら?」

イライザはかつて、レミリアとフランの父親である、かのヴァルターとも戦った事があるようで、霊夢もヴァルターと同じぐらい自分を楽しませてくれるのかと問いかける……

356:悪夢との対峙◆gI:2021/09/11(土) 19:19

ザシュッ・・・・・!ザシュッ・・・・・!

・・・っ・・・・・!

(霊夢は防御したり攻撃したりすることなく・・・・・いや、しないのではなく、できないのだ・・・・・

そんな圧倒的不利な状況の中、霊夢は腕や足、頬といったなるべく急所を避けながらも切り傷を作ってしまう・・・・・

そして、ヴァルターと同じように楽しませてくれるか否かという質問に対して「アンタも十分知ってると思うけど、地位というものを一番気にする不平等の代表格のような生き物の私達人間は、全ての人間に共通する唯一のこととして、弱いということがあるわ・・・・・それは博麗の巫女だって同じよ、力があるだけで、中身はただの人間の小娘・・・・・何一つとして特別なんかじゃありゃしない・・・・・でもね、そんな弱いものを虐めることでしか快感を得られないアンタは、その弱い者以下だってことを自覚しているかしら・・・・・?」と、長々と煽り始める・・・・・)

357:悪夢の女王 イライザ◆3.:2021/09/11(土) 23:27

イライザ
「クスクス……負け惜しみにしては随分とみっともわね?
そのみっともなさが更に歪むとどうなるのかを見せてもらおうかしら。」

イライザは砕けた硝子片のような幻想郷の住人達の精神の結晶を自由自在に操り、霊夢の体を切り裂きながら言葉を続けていく。

すると、そんな中でも霊夢の脳内にあの桃色の球の声が蘇る。
その声は霊夢にイライザを"倒す"のではなく"誘導する"と言うものであり、これが絶望に染まった現状を打破できる唯一の策なのかもしれない。

358:悪夢との対峙◆gI:2021/09/12(日) 07:16

《・・・・・誘導・・・・・この悪魔を上手く誘導できるかどうかは別として・・・・・やるしかないわね・・・・・》

(体中、切り傷だらけになり、霊夢の巫女服の紅くない部分まで真紅の鮮血で染め上げられたゆく・・・・・

貧血になってきているのか、頭がボーッとしてきた挙句、視界がぼやける・・・・・

だが、倒すのではなく、誘導するのであれば、まだ何とかできるかもしれない・・・・・

やるしかない・・・・・)

359:悪夢の女王 イライザ◆3.:2021/09/12(日) 08:58

イライザ
「クスクス……悪夢を通じて貴方の人生を覗かせてもらったのだけれど……貴方の人生も随分とちっぽけで、みすぼらしいわね?本当につまらなくて退屈な人生だわ。」

イライザは自身の夢幻術を通じて霊夢の過去や記憶を読み取る事で、反撃できないように特定の範囲の者の精神を的確に呼び寄せたり、理想の世界を再現したりと言う事が出来るのだと判明する。

この言葉は裏を返せば先程の霊夢の戦意を削るために見せていた幻達は、本物のレミリアや魔理沙達の事に殆ど興味がなく、その内面や深い部分まで再現しようと言う意志が無かったと言うように、霊夢だけでなく、幻想郷で霊夢を認めてくれている者、信じてくれている者達の事さえも馬鹿にしている事になる……

イライザは霊夢だけでなく、幻想郷にいる全ての者をちっぽけな取るに足らない存在なのだと語る。

360:悪夢との対峙◆gI:2021/09/12(日) 18:29

・・・・・アンタのクソみたいな意見なんて私の人生には微塵も関係ないわ・・・・・

(イライザからすれば霊夢のすべての反論がただの人間の小娘の戯言にしか過ぎないのと同じように、霊夢からすればイライザの意見はただの化け物の哀れな戯言にしか過ぎない・・・・・

しかし、それは霊夢のみについてイライザが言っていた場合のみに限る・・・・・

他の仲間達について馬鹿にされた霊夢は、怒りの炎を静かに燃やし始める・・・・・)

361:悪夢の女王 イライザ◆3.:2021/09/12(日) 21:00

イライザ
「クスクス……哀れ、その下らない理想を抱いて微睡みの中、果てていれば良かったものを……目を覚ましたばかりに悪夢よりも恐ろしい現実を見なければならなくなっただなんて悲惨じゃない?」

イライザは霊夢の言葉を意にも介さずに微睡みの中から抜けてしまった霊夢の判断を詰るように言葉を並べていく……そして、イライザは霊夢が誘導を狙っている事に気付いていないのか、そろそろ決着を付けようと、幻想郷の住人達の精神を刃に変えたものを天井全体を埋め尽くすようにして広げ、室内全域、何処に隠れようと、避けきれない程の圧倒的な数の刃で霊夢を切り刻もうとする。

この部屋から脱出する事が出来なれば死を意味するが、先程までの朦朧の巫女とイライザの戦いの影響か、部屋の一角に大穴が空いており、そこから外へ出られるようになっている。

362:悪夢との対峙◆gI:2021/09/12(日) 21:38

現実も悪夢に蝕まれているのであれば、その悪夢から覚ます・・・・・それが私の役目よ・・・・・

(人間の強さというものは、決して適わないであろう相手にも怯まずに立ち向かうことでもある・・・・・

どれだけ悲惨な現実が待っていようと、目を背けないことに意味がある・・・・・

そして、霊夢は部屋の一角の大穴に気がつくと

「少なくとも、戦闘能力が高いくせしてたった一人の人間にここまでするほど、臆病者のアンタよりかはマシな人生を歩んでいるわよ・・・・・」

と言い、部屋から脱出する・・・・・)

363:悪夢の女王 イライザ◆3.:2021/09/12(日) 22:03

イライザ
「クスクスクス……私はね?他のヴァイスリゾームの連中と違って貴方達を心の底から愛しているのよ?だって……貴方達人間ほど壊しがいのある存在なんていないのだもの。」
《ザアァァァァァァァァァァァァァァッ》

霊夢が大穴から脱出する間際にイライザはなぜ霊夢を敢えてここまで仕留めずに生かしておいているのか、その理由……そして自分が抱く人間に歪んだ愛情や愛着について語ると、天井を覆うようにして広がっていた無数の精神の刃が嵐の雨粒のように降り注ぐ……

天井から豪雨のように降り続ける精神の刃の雨の中でもイライザは平然としており、ゆっくりと右手を霊夢が脱出した大穴に向けて翳し、自身の右腕を無数の口が付いた巨大な触手に変え、部屋の外へ逃れた霊夢に追撃しようとする。

364:悪夢との対峙◆gI:2021/09/13(月) 05:45

っ・・・!!!!!ああぁぁぁぁあああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁああぁああああああっ!!!!!

(霊夢は無数の精神の刃によって体中を切り刻まれながら、悲鳴を上げる・・・・・

ただ単に切り傷で済めば、体に深々と刺さる刃もあり、逃げ場はどこにもない・・・・・

霊夢は、イライザの追撃に対応することも出来ない・・・・・)

365:悪夢の女王 イライザ◆3.:2021/09/13(月) 11:22

イライザ
「」

部屋全体に向けられた精神の刃による嵐に対して部屋の外へ逃れる事で回避した霊夢だったものの、霊夢を追うようにして飛来した精神の刃の一群に切り裂かれていく中、イライザが伸ばした、無数の口が付いた触腕へと変異した右腕が断末魔をあげる霊夢を喰らおうとする。

既にその大半が再生し終えてしまっているものの、霊夢が脱出した部屋の外はカシキ・ヒェリ(悪意の手)を滅ぼした時に出来た下層へ繋がる大穴がまだ残っている。これを利用して下層へ逃げることが出来れば、この要塞から脱出するための距離を大きくショートカットする事が出来る。

366:悪夢の女王 イライザ◆3.:2021/09/13(月) 11:24

イライザ
「クスクスクス……いい断末魔ね?
けれど……まだ恐怖と絶望が足りないわ。」

部屋全体に向けられた精神の刃による嵐に対して部屋の外へ逃れる事で回避した霊夢だったものの、霊夢を追うようにして飛来した精神の刃の一群に切り裂かれていく中、イライザが伸ばした、無数の口が付いた触腕へと変異した右腕が断末魔をあげる霊夢を喰らおうとする。

既にその大半が再生し終えてしまっているものの、霊夢が脱出した部屋の外はカシキ・ヒェリ(悪意の手)を滅ぼした時に出来た下層へ繋がる大穴がまだ残っている。これを利用して下層へ逃げることが出来れば、この要塞から脱出するための距離を大きくショートカットする事が出来るだろう。

367:悪夢との対峙◆gI:2021/09/14(火) 05:44

・・・・・っ・・・・・

(触腕と化したイライザの右腕に追いつかれてそのまま捕食される前に、霊夢は何とかして大穴から下層へと逃げることに成功する・・・・・

しかし、それは結果的であり、正しく言えば、逃げたというよりかは朦朧とする意識の中、落ちていった、と言うのが正しいだろう・・・・・)

368:悪夢の女王 イライザ◆3.:2021/09/14(火) 06:00

イライザ
「あら、どこへ行こうと言うのかしら?
此処は私の腹の中……何処にも逃げ場なんて無いわよ?」
【貪夢「凄絶なる凶夢」】
《メキメキメキメキメキッ》
《ドガガガガガガガガガガガガガガッ》

イライザは霊夢が再生途中の穴から下層へ落ちていくのを見て、イライザは周囲にある空間を脈動するおぞましい肉塊としてその身に纏い、夥しい数の口が存在する醜悪な巨大蛙のような姿の半身を得る。

そして、霊夢を追いかけるべく、床や壁、天井の悉くを圧倒的な質量を生かして破壊しながら、下層へ落ちていく霊夢を追い始める……

369:悪夢との対峙◆gI:2021/09/14(火) 19:26

・・・・・

(終わりの訪れというのは、こういうことを言うのだろうか・・・・・

精神の破片が突き刺さったままの霊夢は、半開きの目と朦朧とする意識の中、抵抗する力もなく迫り来る悪夢の化身イライザの追撃に襲われるがままの状態となってしまう・・・・・

博麗の巫女も所詮は人間、限界というものがある・・・・・)

370:悪夢の女王イライザ◆3.:2021/09/14(火) 22:04

イライザ
「クスクスクス……子鼠のように逃げ回っても無駄だと言うことがわかったでしょう?」

イライザは巨大な肉塊蛙のような魔物と半身を融合させた箇所の無数に存在する鋭い牙を備えた口を大きく開ける……すると、その口内には何重にも鋭利な牙が生えた口が存在しており、壁や天井を圧壊し続けながら落下する勢いに任せ、霊夢を喰らおうとする。



魔理沙?
『……む………霊夢!!』

まるで底無しであるかのように下層へ自由落下する中、霊夢の体に突き刺さった精神の刃から魔理沙の声が聞こえて来る……イライザにとっては単なる攻撃手段、牽制の一手法に過ぎないと見下していたが故に、魔理沙の精神が霊夢へ語りかけると言うことは予想できなかったと思われる。

371:悪夢との対峙◆gI:2021/09/15(水) 05:56

《・・・・・魔理・・・・・沙・・・・・?》

(魔理沙の呼びかけに、霊夢はようやく少し意識を取り戻し、心の中で問いかける・・・・・

声を出すことすらもう難しいほどに、人体へのダメージが大きすぎる・・・・・

そして、霊夢は魔理沙の声をとうとう死が近くなってきたがゆえの幻聴だろうかと思えてくる・・・・・)

372:悪夢の境界◆3.:2021/09/15(水) 06:53

魔理沙
『やっと聞こえたか……どうなっているのかはわからないが、ヤバいって事だけはわかる。何か勝算はあるのか?』

巨大な肉塊のような半身を得たイライザは霊夢が通り抜けて落下することが出来る床の穴を強引に抉じ開けながら下層へ向かっているため、時間のロスが生じているものの、着実に距離を詰めており、みるみる内に霊夢に向かって来ている……

このまま自然落下に身を委ねているだけでは追い付かれてしまうだろう。本日何度目かになる絶体絶命の状況の中、霊夢の体に刺さった精神の刃の断片を介して魔理沙の声は霊夢に何か勝算はあるのかと問いかける。

373:悪夢との対峙◆gI:2021/09/16(木) 05:26

《・・・・・アイツを誘導するようにとは言われているわ・・・・・でも・・・・・万が一にも、今の私に勝ち目はないでしょうね・・・・・》

(このままでは確実に追いつかれ、そしてなぶり殺しにされるのはまず間違いないだろう・・・・・

今のままでは自分には万が一にも勝ち目はないということに、霊夢は気がついていた・・・・・

それでも、もしここで命を落としたとしても、頼まれたことである誘導することを成し遂げることが出来たなら、自分の役目は終わりだとも思っている・・・・・)

374:悪夢の境界◆3.:2021/09/16(木) 06:16

魔理沙
『……誘導、すればいいんだな?
よし、それなら私の力を貸してやる。』


ここは歪められた悪夢の世界……
だが、同時に意思や精神の強さが反映される夢の世界でもあるため、それをいち早く理解していた魔理沙が自分の力も貸してやると言うと、霊夢に刺さっていた精神の刃の破片が抜け、八卦炉へと変化して霊夢の手元へ移動してくる。

現に、悪夢の処刑者を葬る際に、甲冑や剣が現れたり、異様なまでにあっさりと上層へ通じる大穴を開けることが出来たりと、多少なら霊夢でも干渉する事が出来ている事が判明している。

375:悪夢との対峙◆gI:2021/09/17(金) 06:14

・・・っ・・・!ありがとう、おかげで痛みでも目が覚めたわ・・・・・

(精神の刃が抜けたことで、その際の痛みでハッキリと目が覚める・・・・・

そして、魔理沙の精神の刃が変化した八卦炉を右手に持ち、再びイライザとの対峙を決意する・・・・・

人間二人だけで悪夢の女王に挑むのなんて、到底勝ち目がないことではあるが、霊夢からしてみれば100人力も同然・・・・・)

376:悪夢の女王 イライザ◆3.:2021/09/17(金) 13:54

イライザ
「クスクスクスクスクス……
さあ……これで終わりね?」

イライザの半身である、目や鼻がなく、身体中に無数の口を備えた巨大な蛙のような形の肉塊が、体表に開いた無数の口とは別の、メインである巨大な口を大きく開き、霊夢を呑み込もうとする。

開かれた口内には先述した通り、口の中に口があり、それが幾層にも連なった異様な構造になっており、呑み込まれてしまったら最期、無数の鋭利なナイフのような牙で瞬く間に噛み砕かれ、その魂もろとも貪り喰われてしまうだろう……

377:悪夢との対峙◆gI:2021/09/17(金) 21:27

・・・・・マスタースパーク・・・・・

(ここまで追い詰めた上で、もう反撃はできないだろうと、ここですべてを終わらせるつもりの油断しきったイライザにミニ八卦炉を向けて、マスタースパークを至近距離で放つ・・・・・

敢えて至近距離まで引き寄せることで、致命傷には至らずとも絶対に避けることも出来ない一撃を放つ・・・・・)

378:悪夢の女王 イライザ◆3.:2021/09/18(土) 01:57

イライザ
「………………!!?」

霊夢が魔理沙の力を借りて放ったマスタースパークが、大口を開けたイライザの半身の口内に直撃すると、大爆発が巻き起こり、巨大な肉塊の所々が吹き飛び、ダメージを受けて撤退するための時間稼ぎに成功する。

既に血の巨人と戦っていたエリアを抜け、カシキと戦っていた階層まで見え始めており、残り30m程落下すれば後は道なりに移動するだけでも脱出する事が出来るだろう。

379:悪夢との対峙◆gI:2021/09/18(土) 05:55

やっと・・・・・アイツに一石を投じることが出来たわ・・・・・

(魔理沙の力を借りて、やっとイライザへの一石を投じることが出来た・・・・・

脱出まではもう近いが、あれを受けてもイライザはまだ追ってくるだろう・・・・・

ここからは、時間との戦いになるだろう・・・・・)

380:悪夢の女王 イライザ◆3.:2021/09/18(土) 08:33

イライザ
「…………クスクスクス……
面白い……面白いわぁ……まさか悪夢の支配者であるこの私に……夢の力を使ってくるだなんてね……?」
《メキメキメキメキメキ……》

マスタースパークによって巨大な肉塊蛙の半分近くが消し飛んだ……だが、肝心のイライザ本体にはダメージすら一切通っていない……悪夢を支配するイライザを始めとした幻魔達には夢の住人の力は通じない……それを証明すると、イライザは消し飛ばされた肉塊の再生を始めながら、イライザの背中から生えた二枚の翼が霊夢に向かって伸ばされる。

イライザの翼腕には鋭利な赤い爪が備わっており、それによって落下中の霊夢を空中で切り裂こうとする……

あと10mで下に着くものの、先程と同じようなマスタースパークではイライザ本体にはダメージを与えることが出来ないため、伸ばされたイライザの翼腕を迎撃する術は無い……

381:悪夢との対峙◆gI:2021/09/19(日) 11:25

・・・っ・・・!!!!!

(霊夢は必死になって脱出口まで急ぎ始める・・・・・

ここで捕まってしまえば、今までの苦労も水の泡となってしまう・・・・・

敵が支配権を握る世界では、どんなに力を持っていようと博麗の巫女も無力同然にまで至るということを改めて思い知らされる・・・・・)

382:悪夢の女王 イライザ◆3.:2021/09/19(日) 13:33

魔理沙
『しかし厄介だな……
どういう原理かはわからないが、私の力の大半が奪われている状態じゃ、今の火力で撃てるのは後一回だけだ。』

イライザの伸ばした翼腕が霊夢のコンマ数秒前にいた場所の床と天井を大きく引き裂き、霊夢の服の端をも裂く中で、先程撃ったマスタースパーク(イライザ本体には通じないが、悪夢の産物を破壊可能な威力)を撃てるのはあと一度だけだと教える。

383:悪夢との対峙◆gI:2021/09/20(月) 07:10

・・・・・魔理沙・・・・・その残り一回、本当に力が微塵も残らないほど、全部の力貸してくれる・・・・・?

(イライザの翼腕が迫り来る中、精神体の魔理沙に残りのあと一回を微塵も力が残らないほどに力を貸してくれるかと聞く・・・・・

改めて悟った、コイツはヤバイ、本当に死ぬ気でかからないとどうにもこうにもならない・・・・・

残りの一撃でなんとか脱出するしか方法は無い・・・・・

384:悪夢の女王 イライザ◆3.:2021/09/20(月) 11:02

魔理沙
「………何か考えがあるんだな?」

今持ちうる限りの力の全てを貸してほしいと言う霊夢の言葉を聞いて、自分の力を用いてこの状況を打開する策があるのだと思い、何か考えがあっての事なのかと問いかける。

一方、イライザは肉塊の再生を終えたどころか、その体積が更に二回りも肥大化し、下層に辿り着いた霊夢達を押し潰そうと迫る。

385:悪夢との対峙◆gI:2021/09/20(月) 13:10

・・・・・少しの間でも、あの化け物の動きを止められれば、あとはアイツを誘導したまま脱出するだけ・・・・・そうすればもうアイツは終わりよ・・・・・

(霊夢が頼まれたことは戦うことではなく、イライザのことを誘導すること・・・・・

誘導した上で脱出してしまえばもうこっちのものだ・・・・・

つまりは、少しの間動きを止められれば、その間に脱出に成功し、そうすればイライザは追ってくる、そうなれば自然と誘導は完了するだろうと霊夢は思っている・・・・・)

386:悪夢の女王 イライザ◆3.:2021/09/20(月) 13:28

魔理沙
「ははは、何だ策と呼べるほどのものじゃないな。
だけど、お前らしいっちゃお前らしいな!
よし、ありったけの力を貸してやるよ!
その代わり……高くつくぞ?」

魔理沙の顔は見えないものの、霊夢の策とも呼べない考えを聞いて笑っているように感じたその次の瞬間、イライザの半身たる巨大な肉塊が巨大な口を開けて避けることも逃れることもせずに立ち止まっていた霊夢達を呑み込む……

387:悪夢との対峙◆gI:2021/09/21(火) 05:44

安心なさい・・・・・十分承知よ・・・・・!!!!!

グォッ・・・・・!

(呑み込まれたと同時に、これ以上の至近距離もなければ、この距離からの攻撃を放てるチャンスはもう二度と訪れないであろうと思い、霊夢は魔理沙の力を借りた全身全霊の、全力のマスタースパークを放つ・・・・・

イライザ本体にダメージはなくとも、イライザはまず再生に時間を使うだろう・・・・・

その時を利用して脱出をするしかない・・・・・)

388:悪夢の女王 イライザ◆3.:2021/09/21(火) 07:29

イライザ
「クスクスクス……この私が何度も同じ手に引っ掛かると思う?」
《ヒュオッ》

霊夢の放ったマスタースパークがイライザの巨大な肉塊を呑み込み、イライザもろとも跡形もなく消滅する……と思いきや、次の瞬間にイライザは霊夢の背後に現れ、背中に生えた二本の翼腕の爪を用いて霊夢の体を切り刻もうとする……ここはイライザの支配空間……つまり、何処にでもイライザは瞬時に移動することが出来ると言うことを示している。

そんな絶体絶命の状況の中、消えた筈の霊夢の体に朦朧の巫女が降ろしていた神々の力の残滓が再び蘇り始める。

389:博麗の巫女 霊夢◆gI:2021/09/22(水) 05:53

・・・っ・・・・・!

(霊夢は自身の体に何かが宿るような感覚を感じると、ダメかもしれないが一か八かでイライザの攻撃を避けたところ、頬をかすっただけで何とか済む・・・・・

これが正真正銘、最後のチャンスというものだろうか・・・・・)

390:悪夢の女王 イライザ◆3.:2021/09/22(水) 07:07

イライザ
「あら?その力は……
……まあ、いいわ。どの道貴方の進む先は悪夢の中であるのに変わりは無い。」

イライザの振るり降ろした翼腕を霊夢が間一髪で回避するのを見て、先程の別人格の巫女の力を無意識に使い始めた霊夢を見て驚くものの、振り下ろした翼腕が激突し、爪が突き刺さった床を介して周囲の空間に干渉し、霊夢が避けた先の床に無数の牙を備えた口が瞬時に形成され、霊夢を足元から喰らおうとする。

391:始まりし終焉◆gI:2021/09/23(木) 10:44

口だけは達者な化物ね・・・・・

ダダダダダダダダダダダッ!!!!!

(霊夢は形成された口へと負けじと瞬時に弾幕を放ちながら応戦する・・・・・

ここは確かにイライザの支配する空間、例えるなら人間とアリのようなもの、それくらいの差がある・・・・・

しかし、力を得たアリは、時に人間にも対抗することが出来る・・・・・)

392:悪夢の女王 イライザ◆3.:2021/09/23(木) 13:29

イライザ
「クスクスクス……そう言う貴方は口も力も弱いわね?」

霊夢の挑発を聞いても、その言葉を逆手に取った言葉で挑発し返すと、床から引き抜いた右翼の爪を霊夢に向けて振るい、霊夢が攻撃した事で補食する事が阻まれ、ダメージを受けている巨大な口もろとも切り裂こうとする。

敵対するイライザは、言うなれば津波のようなものだ。
その津波を前に、蟻どころか、象や恐竜ですら成す術もなく呑み込まれ、弄ばれ、滅ぼされてしまう……抵抗や対抗をしようと言う事そのものが意味を成さない超常の存在、それがイライザを始めとする巨悪達(ヴァイスリゾーム)だ。
もっとも……その津波には明確に生命を貪ろうとする邪悪な意志が宿っているのだが……

393:博麗の巫女 霊夢◆gI:2021/09/24(金) 06:15

ザシュッ・・・・・!

ぐっ・・・・・!

(イライザは悪夢そのもの、夢、及び悪夢というものは概念でもあり、物理攻撃が効かないことは霊夢自身も百も承知の上だ・・・・・

だが、霊夢もただでは転ばない・・・・・

悪夢はイライザの右翼の爪に肩を切り裂かれるが、絶えず攻撃を続ける・・・・・)

394:悪夢の女王 イライザ◆3.:2021/09/24(金) 12:37

イライザ
「クスクスクス……さっき貴方は夢の住人の力を使ったみたいだけど……さっきの一撃で全て使いきり、今その身に宿している神々の力もそう長く維持することは出来ないのでしょう?」

イライザは一つずつ霊夢の力や策を潰して回っている……
霊夢の右翼を切り裂いた際に爪に付着した血を舐めながら霊夢の状況を見抜き、その力はもう限界を迎え始めており、力を使えなくなればもう逃げることさえ出来なくなると言うところまでイライザは把握している。



イライザ
「踊りなさい?その命が尽きるまで……この悪夢の世界で……!!」

霊夢の放った弾幕によって巨大な口が破壊されるものの、今度は霊夢の体を包み込もうとするかのように、周囲の床から幻魔カシキのものと酷似した無数の手と仮面のような頭が生え始め、全方位から霊夢を呑み込もうとする。

395:博麗の巫女 霊夢◆gI:2021/09/24(金) 13:00

・・・・・っ!!!!!

ズッ・・・・・

(肩を切り裂かれたことで動きが鈍り、反応が遅れる・・・・・

イライザのスピードに、対応しなければいけないということはわかっているのに、思うように動けない・・・・・

霊夢はイライザの思惑通り、呑み込まれてしまう・・・・・)

396:悪夢の女王 イライザ◆3.:2021/09/24(金) 14:22

イライザ
「あら?もうお仕舞いなのかしら?
クスクスクス、思ったよりも呆気なかったわね?」

無限に増殖を繰り返す悪夢の手と、骨肉を噛み砕き喰い千切る悪夢の頭に呑み込まれたのを見て、イライザは妖艶かつ不敵な笑みを浮かべながら、少し力を上げただけで容易く滅びたと思われる霊夢を見て小馬鹿にする。

397:博麗の巫女 霊夢◆gI:2021/09/25(土) 06:18

・・・・・

(いくら博麗の巫女といえども、手負いであり全力も出せない状態・・・・・

しかも、イライザにとって有利すぎる戦場での戦いときたものだ・・・・・

普通に考えて勝てるわけがない・・・・・)

398:悪夢の女王 イライザ◆3.:2021/09/25(土) 12:06

《ブチブチブチッ》
《バキッ ゴキッ 》

霊夢を呑み込んだ廉価版の悪意の手(カシキ・ヒェリ)の塊は不気味に蠢きながら、何かを擂り潰したり砕いたり、引き千切るような音をたて、時折その塊の中から血が流れているのが見える。

霊夢の中にはまだ神々の力が残っており、あと少しで悪夢の要塞の外へ逃れる事が出来るのだが、それを成すことなく悪夢に呑み込まれてしまうのだろうか……

399:博麗の巫女 霊夢◆gI:2021/09/25(土) 19:46

・・・・・

(死というものはこういうものなのか、と全身で感じる・・・・・

自分が捕食されてゆく様子を、ただただ抵抗もせずに・・・・・いや、できずに眺めるしかできないというのは、もはや悔しさを通り越して、受け入れることしか出来ないという感情が勝ってしまう・・・・・)

400:絶望と苦痛の淵◆3.:2021/09/25(土) 20:17

《ブチブチブチッ》

霊夢の実体……これは厳密には肉体を伴ったものではないのだが、その体が無数の悪意の手と頭によって貪られていくと、次第に霊夢の体も削り取られ、消滅していく……魂をも貪るその力が霊夢を完全に消滅させるのも時間の問題だ。

戦いとは常に非常かつ理不尽なもの。
その現実を前に……死や敗北を認めた者に勝利は訪れる程、命のやり取りは甘いものではない。このまま行けば幻想郷の崩壊は免れない……

401:絶望と苦痛の淵◆3.:2021/09/25(土) 20:25

イライザ
「クスクスクス……博麗の血筋と言うのも案外たいした事が無いわね?
千年以上前に"原初の悪意(マレヴォレンス)"を封印したと言うのも真実ではなさそうね?」

イライザは悪の源泉たる存在を口にする……
千年以上も昔に現世に現れ、その圧倒的な力によって数多の神々を滅ぼし、全世界の支配に王手をかけ、後のヴァイスリゾーム結成のきっかけともなった"原初の悪意(マレヴォレンス)"を封印した英雄の血筋……博麗の血も、時の流れにによる劣化には抗えないのだろう。

この霊夢程度の力しか無いと言うならば、もはや何も警戒する必要はない、ヴァルターが敗れたのも何かの偶然と奇跡が重なっただけであり、今となってはその偶然も奇跡も起こりはしないとイライザは勝利を確信し、不敵な笑みを浮かべながらゆっくりと両腕を広げて天を仰ぎ見る……

402:始まりし終焉◆gI:2021/09/26(日) 07:59

ボゴォオッ・・・・・!

(突如として、イライザの体内を、鋭利な刃物が細胞や内蔵を切り裂きながら焼き尽くしてゆくような感覚が全身に駆け巡ってゆく・・・・・

そして、イライザの体内に留まり切れずに、体外へと飛び出そうとしている・・・・・)

403:絶望と苦痛の淵◆3.:2021/09/26(日) 10:09

イライザ
「クスクスクス……へぇ?まだ楽しませてくれるのかしら?」

イライザは人間のような姿をしてはいるものの、その正体は悪夢の化身であり、通常の生命体のような細胞や内臓と言うものはおろか、痛覚すら存在しないものの、霊夢の方から感じられる違和感から彼女の方へ振り返る。

404:博麗の巫女 霊夢◆gI:2021/09/27(月) 05:42

ぐぐぐっ・・・・・!

ボォンッ・・・・・!

・・・・・

(霊夢はイライザの体内から抜け出すものの、体中のあちこちの骨が砕けており、霊夢の口からは吐血の跡のように血が垂れている・・・・・

どう見ても、ここから逆転できるようには見えなければ、思えない・・・・・)

405:悪夢の女王 イライザ◆3.:2021/09/27(月) 09:48

イライザ
「何度立ち上がっても、その度に勝機が無いと言うことを知るだけよ?」

霊夢の体を呑み込み、全方位から噛み付いていた悪意の手と頭から成る塊から抜け出した霊夢を見てイライザは首を横に振り、呆れたように言葉を紡ぐ。



イライザ
「いいわ……それなら、きっぱりと希望を捨てることが出来るように、どうしようもない絶望を……至高の悪夢を見せてあげる。」
《ザアァァァァァァァァァァァァァァァァァ…》

イライザはゆっくりと両腕を広げると、先程と同様に、幻想郷の住人達の精神から作り出された無数の刃を自分の背後の空間を埋め尽くすように大量に呼び寄せ、それらを津波のようにして押し寄せようとし始める……

この技が放たれれば、防御や相殺を試みれば具現化された精神が破壊されることで、例え勝利したとしても幻想郷の住人達の中で精神崩壊して廃人となる者が多数生まれてしまう……かと言って受けてしまえば、度重なる戦闘によって蓄積されたダメージと合わさり、耐えきることは出来ないと思われる……

まさに、どう足掻いても絶望的な状況となってしまっている……
だが、イライザは霊夢の能力について知らない……何故なら、霊夢はこれまで、真の意味で能力を使用した事が無かったからだ。

406:博麗の巫女 霊夢◆gI:2021/09/28(火) 05:54

・・・・・至高の悪夢、ねぇ・・・・・そっくりそのままその言葉、返してあげるわ・・・・・

(どこまでもイライザはクズ野郎だ・・・・・

万人の命を平気で己の好きなように弄んで、利用して、道具にする・・・・・

霊夢の顔には影がかかり、イライザの言った言葉をそっくりそのまま返すと言う・・・・・)

407:悪夢の女王 イライザ◆3.:2021/09/28(火) 06:06


イライザ
「クスクスクス……ばいばーい。」

イライザは不敵に微笑んだまま、横に広げた両手を霊夢に向けて伸ばし、自身の背後に展開していた無数の精神の刃から成る津波によって通路そのものを埋め尽くして逃げ場を奪うようにして霊夢を呑み込もうとする……

幻想郷の住人達の身を案じている事から防御不可、相殺不可、加えて通路を埋めて押し寄せる津波のようになっている事から回避も困難……まさに"詰み"と言う状況であり、何の策もなく呑み込まれてしまえば当然、命は助からないだろう……

408:博麗の巫女 霊夢◆gI:2021/09/29(水) 13:20

・・・・・

【夢想天生】

(最後の最後、この技に賭けるしかない・・・・・

霊夢はありとあらゆるものから浮き、イライザの技が命中することがなくなる・・・・・

当たる寸前で、まるでそこだけ時が止まったかのように精神の刃の動きが止まると、霊夢はそのまま無数の精神の刃を結界を張って守り始める・・・・・

そして、イライザへは今までの行動の跳ね返りとも言わんばかりに、無数の弾幕が迫り来る・・・・・)

409:悪夢の女王 イライザ◆3.:2021/09/29(水) 14:18

イライザ
「クスクスクス……
……………!!?」

押し寄せる無数の凶刃、もはや王手をかけたと思っていたものの、霊夢に向けられた

自分の攻撃は、あの朦朧の巫女との戦いでも見せたように、実体の無い存在にもダメージを与えることが出来るため、体を霊体に変えたところで逃れることは出来ない筈であるにも関わらず、霊夢へ向けられた精神の刃はその全てが、霊夢の体をすり抜けていく。

更に、霊夢の貼る結界の内側に封じられた精神の刃に対する操作が出来なくなり、再度利用する事が出来なくなり、驚愕のあまり隙が生じたところへ霊夢の放った色とりどりの弾幕が次々と着弾し、眩い純白の光が暗く閉ざされた悪夢の要塞全体を包み込んで行く……

410:博麗の巫女 霊夢◆gI:2021/09/30(木) 05:51

・・・・・イライザ・・・・・アンタさっき、私に至高の悪夢がどうたらこうたら言ってたわね・・・・・

(霊夢は弾幕が着弾して徐々に光に包まれて見えなくなってゆくイライザに対して、ゆっくりと歩きながら距離を詰めてゆき上記を言う・・・・・

ただ光に包まれて見えなくなっているだけであり、消滅したわけではない・・・・・

ここからが勝負だ、今の状態で、形勢逆転をしなければならない・・・・・)

411:悪夢の女王 イライザ◆3.:2021/09/30(木) 11:28

イライザ
「……クスクスクス……何をしたのかは知らないけれど……勝ち誇るにはまだ早いんじゃない?」

純白の光の中からイライザが飛び出し、翼腕が伸ばし、スペルの発動後を狙った不意討ちを仕掛けようとする。

体の随所が霊夢の放った特大の虹色光弾を受けて消滅したものの、致命傷にはなっておらず、消滅した箇所からは血の代わりに不気味な紫色のヘドロのようなものが流れ、そのヘドロがイライザの傷口を埋めて肉体の再生を始めている……

イライザに致命傷を与えることは出来なかったものの、周囲は階層を丸ごと浄化した事で最下層までの道が出来ており誘導もより容易なものとなっている。

412:始まりし終焉◆gI:2021/09/30(木) 18:20

・・・・・勝ち誇ってなんかいないわ、アンタじゃあるまいし・・・・・

スゥッ・・・・・

(イライザの不意打ちの攻撃すらも、霊夢をすり抜けるかのように当たらずに不発で終わる・・・・・

そして、霊夢は敢えて戦闘ではなく、誘導することを優先し、猛スピードで最下層まで落ちてゆくように飛び始める・・・・・

落下の速度と霊夢の飛行のスピードが合わさって、とてつもないスピードとなっている・・・・・)

413:悪夢の女王 イライザ◆3.:2021/09/30(木) 19:19

イライザ
「………なるほどね。
魂をも引き裂き、心を喰らう私の攻撃が一切通じていない……
これはなかなか厄介な力だわ。」

イライザは振るった翼腕が空振りし、霊夢の後方にあった建物の壁が引き裂かれるのを見て、少し思考を巡らせ、対抗策を練り始めると、即座に打開策を思い付く。




イライザ
「けれど、そうして守れるのは自分だけなのでしょう?」
《スッ》

イライザは先程展開された精神の刃が封じられた結界に向けて右手を翳し、その掌におぞましい魔力を集束させて結界もろとも幻想郷の住人達の精神を消し飛ばすそうとする。

敵は狡猾かつ悪辣なイライザだ……
その思考速度は非常に速く、霊夢の誘導にはまだ気付いていない筈だが、あと少しで悪夢の要塞から出られると言うところで次なる王手をかけようとする……

414:博麗の巫女 霊夢◆gI:2021/10/01(金) 05:53

やっぱりねぇ・・・・・アンタ、本当に救いようがないクズだわ・・・・・

ガッ・・・・・!

(イライザは悪知恵が異常なまでによく働く・・・・・きっと戦いの中でいずれかのタイミングで、精神の刃を人質のように取るだろう・・・・・

霊夢はその展開を常に考えながら戦っていたのか、イライザが消し飛ばそうとした瞬間に結界を移動させると同時にイライザの目の前に目にも止まらぬ速さで移動し、そのまま首を掴む・・・・・

霊夢の眼は獲物を捉えた猛獣の如く、情けも容赦もない眼をしていた・・・・・)

415:悪夢の女王 イライザ◆3.:2021/10/01(金) 07:30

イライザ
「クスクスクス……本当に私の思い通りに動いてくれるわね?」

イライザは自分の首を掴む霊夢を見て、そのまま幻想郷の住人達を見捨てて逃亡すれば霊夢一人だけでも助かったものを、結界を転移させた上で自分に接近して首を掴んだ様子を見て、口角を更に吊り上げ、耳元まで大きく口を曲げて笑いながら霊夢の行動は全て予想通りだと言うと、イライザの口から蠍の尾のような異様な舌を出し、その毒針で自分の首を掴む霊夢の手を刺そうとする。

イライザは人に近い姿をしているが、イライザは人間じゃないどころか、既存の生物ですらない……イライザの配下の幻魔達と同様に、その体はいかようにでも変化させる事が出来ると言う厄介な性質を持っている……

416:博麗の巫女 霊夢◆gI:2021/10/01(金) 17:04

あら、手伝ってくれるのね?

(そう言うと、霊夢は毒針を避けてイライザの舌を掴み、再び弾幕を放つ・・・・・

それも、さっき放った時にイライザの体の一部を消し飛ばしたのと同じものを、零距離で頭部へと放つ・・・・・

霊夢はイライザの考えるであろうことを先読みして戦いを続ける・・・・・

さて、次はどんな卑怯な手を使ってくるか・・・・・)

417:悪夢の女王 イライザ◆3.:2021/10/01(金) 17:48

イライザ
「クスクスクス……相手に直接触れるのは得策ではないわよ?
その相手が見知った生命体じゃないのなら尚更ね?」

霊夢が掴んだイライザの舌であったものの、その舌には肉眼ではほぼ確認することの出来ない微細な棘が生えており、それを握ってしまった事で霊夢の掌に無数の毒液が注入され始め、霊夢の手を介して魂そのものに激痛を走らせ、動きを封じようとする。

その激痛はあの皮膚の獣のものに近く、毒を介することで魂そのものダメージを与えようとする……また、あの威力の技を宣言無しで連発する事は難しく、加えてイライザ自身も同じ技は通じないように、再生する時に自身の身体の硬度を上げて弾幕が直撃しても顔の一部が吹き飛ぶだけに被害を抑えてしまう。

切り札とは使い道を誤れば、それだけ敵を強化することになる……迂闊な選択は自らの首を絞めることを意味してしまう……

418:博麗の巫女 霊夢◆gI:2021/10/02(土) 05:43

・・・・・っ・・・・・

(霊夢は魂に走る激痛に少々表情を歪めるが、反応らしい反応はそれだけであり、そして霊夢はイライザに告げる・・・・・

「アンタは私の掌の上で踊らされたのよ、イライザ・・・・・」

霊夢はこの瞬間を待っていたと言わんばかりに見下すような笑みを浮かべたまま、イライザを掴んだままそう告げる・・・・・)

419:悪夢の女王 イライザ◆3.:2021/10/02(土) 06:36

イライザ
「クスクスクス……それは楽しみだわ。
必死で命をかけて色々な枷を背負って戦う貴方に対して私は踊り遊ぶだけ。そう、貴方の命の灯火が消えるまでのね?」

イライザは口から伸ばした蠍の尾のような舌を蜥蜴の尻尾のように自切すると、自分を見下す霊夢に対して、首を掴む霊夢に対して姿勢や立ち位置等の物理的に霊夢を見下す他に、言葉遊びをするように霊夢の言葉に対して比喩で返す。

すると、イライザを掴む霊夢の手から徐々に感触が失われ、その視界もボヤけ始めてしまう……単純に激痛を与えるだけでなく、注入したイライザの一部……毒そのものにも強い幻覚が含まれており、このまま行けば、やがては全身に幻毒が回り、イライザに対抗する事さえ出来なくなってしまうだろう……

毒が注入された時点で……いや、イライザの舌を握った時点でイライザの勝利は確定してしまった……タイムリミットは幻毒により意識の昏倒が起こるまで。

420:博麗の巫女 霊夢◆gI:2021/10/03(日) 06:51

ぐらん・・・・・

・・・・・

(みるみるうちに視界がぼやけ、イライザの姿が歪んで見え始める・・・・・

こんな奴に、こんな下らない攻撃で敗北するなんて冗談じゃない・・・・・

そう思っていても、体に力が入らなくなってくる・・・・・)

421:悪夢の女王 イライザ◆3.:2021/10/03(日) 11:53

イライザ
「どうしたのかしら?何処か具合でも悪いの?」
《ヒュッ》
イライザは悪意に満ちた笑みを浮かべながら、自身の体を少し捻り、裏拳を放つように左翼の翼腕を横へ薙ぎ払うように振るう事で視界がぼやけ、意識が朦朧とし始める霊夢の体を弾き飛ばそうとする。

422:終焉の刻◆gI:2021/10/04(月) 04:00

・・・・・がっ・・・・・

スッ・・・・・

(霊夢はイライザの攻撃を受けてしまい、弾き飛ばされるものの、まだ抵抗しようとしているのかイライザへと向けて右手を翳す・・・・・

夢想天生状態でもここまで苦戦することになる相手なのは、イライザという存在が夢の世界だと無敵の状態・・・・・いわば、夢の一部のような存在でもあるからだろうか・・・・・

そこにあっても実態がないのと同じでは、あまり意味を成さない・・・・・)

423:悪夢の女王 イライザ◆3.:2021/10/04(月) 13:20

イライザ
「クスクスクス……私の思った通り、その無敵効果も長くは続かないようね?」

イライザは今の薙ぎ払いがすり抜けずに直撃し、吹き飛んだのを見て、もう夢想天生の効果が失われていると核心すると、今度は翼に付いた目玉から淡い紫色に光る槍状の魔力弾を放ち、弱った霊夢にトドメを刺そうとする。

424:終焉の刻◆gI:2021/10/05(火) 05:47

ビッ・・・・・!

・・・・・

(イライザの非情で冷徹な攻撃が、霊夢の心臓部分を貫く・・・・・

博麗の巫女ともいえど、どんなに覚醒しようとその覚醒には時間制限がある・・・・・

所詮限界を超えることは一時しのぎでしかない、ということだ・・・・・)

425:悪夢の女王 イライザ◆3.:2021/10/05(火) 06:24

イライザ
「クスクスクス……踊れなくなったのなら……退場するしか無いわね?」

イライザは霊夢の体を魔槍で貫くのを目視すると、今度は確実に相手の体を捉え、仕留めたと確信すると、自身の口元に手を当てながら悪意に満ちた冷徹な笑みを浮かべ、嘲笑う……

既に霊夢の攻撃により空いた大穴はその大半が埋もれてしまっており、逃げるにはあまりにも時間がかかり過ぎた……それに加え、例えこの状況を切り抜けられたとしても、既に霊夢の体内にはイライザの毒が入り込んでいるため、それを介して干渉することで如何様にもイライザは有利に立ち回れてしまう……

絶望を乗り越えた先にあるのは……また別の絶望……
終わること無き無限の螺旋、それこそが絶望をもたらす悪夢の女王、イライザの正体だ。

426:終焉の刻◆gI:2021/10/05(火) 23:10

スッ・・・・・

(イライザの勝利が確定したその時、イライザの攻撃が貫通した霊夢の姿がまるで幻覚だったかのように消える・・・・・)

哀れね・・・・・夢の中でなら自分をどんな風に強く作り上げられるんだもの・・・・・

(イライザの背後から、聞こえるはずのない声が聞こえてくる・・・・・

それは、紛れもなく始末したはずの、あの巫女の声・・・・・

いくら夢の中であろうと、もう聞こえてくるはずのないあの声が・・・・・)

427:悪夢の女王 イライザ◆3.:2021/10/05(火) 23:57

イライザ
「………クスクスクスクス、その夢の中でも私に勝てないのは誰かしらね?」

イライザは自身の放った魔光槍が不発した事がわかると、同じような展開ばかりの現状に対して飽きが生じ始め、この戦いを強制的に自分の勝利で終えるための舞台に作り替えることを決定する。



イライザ
「でも……いい加減この戦いにも飽きて来たわ。
そろそろ本当に終わらせましょうか。」
【貪夢「幻魔の箱庭」】

《メリメリメリメリメリ……》

イライザはゆっくりと両腕と翼を広げると、イライザから紫色の波動が放たれ、それに照らされた壁や天井、床が肉々しいモノへと変質し、更にそこから無数の触手や、それで捕らえた獲物を貪るための鋭利な牙を備えた口が開き始める……

今度はこの悪夢の空間そのものがイライザの一部。
何処へ逃げようと、何処へ逃れようと、決してイライザの術中からは逃れられない。空間そのものが敵となる以上、これまでのような幻影での誤魔化しは通用しない……

428:終焉の刻◆gI:2021/10/06(水) 15:59

・・・・・醜いわね・・・・・

(とうとう空間そのものとなって牙をむくイライザの姿を見れば、霊夢は醜いと一言ぶつける・・・・・

そして「どうやら、本当に無敵になったつもりのようね・・・・・」と、物理攻撃も意味をなさなければ、どう考えても詰みとしか考えられないこの状況で、落ち着いている・・・・・)

429:悪夢の女王 イライザ◆3.:2021/10/06(水) 16:26

イライザ
「クスクスクス……さあ……私と言う悪夢を前にどれだけ足掻けるのか……見せて頂戴?」
《ゴオッ》

イライザは不敵に微笑むと、イライザの背後の壁から巨大な口が現れ、イライザを呑み込む事でイライザの姿さえ完全に消えてしまう……もはや誘導は完全に失敗したと言わざるを得ない状態になってしまった。

そんな中、周囲の天井、床、壁とありとあらゆる方向から夥しい数の無数の触手が霊夢に向けて伸ばされ、先ずはその機動力を奪おうとする。

430:終焉の刻◆gI:2021/10/07(木) 05:40

ガシッ・・・・・

・・・・・

(霊夢は特に逃げもせず抵抗もせず、イライザの触手に捕らわれる・・・・・

霊夢は何か策があるのを隠しているのか、依然として落ち着いた状態を保っている・・・・・

しかし、状況は今までの中でも最悪とも言える・・・・・)

431:悪夢の女王 イライザ◆3.:2021/10/07(木) 05:51

イライザ
「クスクスクス……どうして私が触手を多用するのか……その理由がわかるかしら?」

周囲の空間そのものを自身の手足として使い、霊夢の手足を巻き取ると、霊夢の近くの触手の一本に口が作られ、その口からイライザの問いかけが聞こえてくる……



イライザ
「薙ぐ、払う、叩く、潰す、巻き取る……色々な用途に使えるのもそうだけれど……一番の理由は"苦痛と恥辱を与えられる"からよ。」

イライザは淡々と自分が触手を多用する理由について語り始める……イライザはかなりのサディストだ。相手が苦痛に歪む様子を見るのが大好きで、そのためならいかなる手段も厭わない……即座に相手の命を奪うのではなく、ジワジワと相手に苦痛と恥辱を与えた末にその全てを弄ぶ……



イライザ
「さあ……服を剥いで大衆の夢に投影してあげましょうか?
媚毒で脳を焼く快楽を与えてあげましょうか?
男達の精神体に実体を与えて陵辱してあげましょうか?
どれも楽しそうね?リクエストとかがあれば聞いてあげるわよ?
クスクスクスクスクス……クスクスクスクスクス」

イライザは相手の尊厳そのものを踏みにじる行為を好む性格をしており、もはや反撃の手も打てず、例え打ったとしても空間そのものを掌握した自分にはいかなる攻撃も通じず、容易く抑え込めると考えている。

432:夢の支配者◆3.:2021/10/08(金) 04:52

【???】

ドレミー
「イライザは悪夢の世界を介して
夢を使えば誰でも何にでもなれる……それを悪用し、他者の精神に干渉し、夢の世界だけでなく、現実世界をも牛耳ろうとしています。」

イライザと霊夢が死闘を繰り広げている最中、夢の支配者ドレミーと、"ある人物"が夢の世界の片隅にて、会談を開いている……夢の支配者であるドレミーだが、悪夢そのものを支配するイライザに干渉する事が出来ない……

小さな悪夢であればそれを食べることで消滅させることが出来るのだが、イライザはあまりにも力が強すぎる……周囲の夢にまで侵食し、自分の一部とする力を持ったイライザに対して攻めあぐねていたところ、イライザの方から大きく動いた事と、霊夢にイライザの夢幻術が効かなかった事でその停滞に終わりを告げてくれた。



ドレミー
「そうなれば……夢と現の狭間にある夢幻世界……貴方の世界にも手を伸ばしてくるでしょう……悪夢を現実のものとして現れ、直接現世を支配できるように……」

イライザの狙いは夢の世界と現の世界の双方を支配すること。
そのために、イライザは夢を介して現の世界に足掛かりを作った上で実体を持って現世に現れるために必要な夢幻世界への侵攻も狙っているのだと伝える。

イライザ単体であれば、キラークラウンのように実体を持って現世に顕現する事が出来るのだが、イライザの配下の幻魔達はそれが出来ない……かと言ってイライザとキラークラウンだけでは広大な現の世界の全てを支配するにはあまりにも手が足りない。

そこで悪夢の存在を現実の存在とするための道として夢と現の境界である夢幻世界への侵攻を狙うのは至極当然の事なのだろう。そして……ドレミーが助力を求めたのは他でもない夢幻世界の住人であり、幻想郷に住まう者……



幽香
「………貴方の言うことが本当なら……なかなか面白い事をしてくるわね。」

大妖怪にして、夢幻世界と幻想郷の狭間にある夢幻館の当主……風見幽香。
交渉が上手く進めば……夢の世界でも実体を持って動くことが出来るイライザに対抗する切り札となれるが……

霊夢が悪夢の要塞の外にまで誘導する事が出来なければ、幽香の接近に気付いたイライザは即座に悪夢の深奥へ逃げ込み、誰にも手出しすることが出来なくなってしまう。

それに……最大の問題として、幽香が素直に協力してくれるか……その確証が何処にも無い……幽香にとって幻想郷が滅びようと、夢の支配者がどうなろうと、自分にさえ関わって来なければ干渉するつもりない。
そんな彼女が、わざわざ危険を冒してまで協力してくれるのか……

433:終焉の刻◆gI:2021/10/08(金) 14:05

・・・・・アンタはどうやら私が屈服するとでも思っているみたいだけれど、アンタ何もわかっていないわね・・・・・?アンタみたいな夢の世界の奥底でひっそりと現実に怯えて生きているような小物とは違うのよ?

(イライザは夢の世界の支配者・・・・・

しかし、夢は現実とは違う・・・・・

イライザの能力ならば夢を現実に変えることも可能だろうが、夢を現実へと作り替えたところで、所詮はまやかしに過ぎない・・・・・

そして、夢という虚構の世界で好き勝手やっているイライザは、臆病者の小物だと霊夢は言う・・・・・

人間の強さというものは、どんなに夢であってもらいたい現実にも立ち向かう部分にあると霊夢は思う・・・・・)

434:悪夢の女王 イライザ◆3.:2021/10/08(金) 21:12

イライザ
「クスクスクス……そんなに怯えなくてもいいわよ?
貴方を殺しはしないわ……永遠に朽ちることも壊れる事も出来ないようにこの悪夢の世界で飼ってあげる。」

イライザは自身の邪な衝動と欲望を満たすことを何よりも優先すべき事であると考え、それを少しでも満たすために行動してきた。
そんな中で実体を持ってこの悪夢の世界に訪れる者はかなり稀有であり、ただの夢の住人や精神体であれば、触れても感触は無いし、面白味に欠けるが、相手は実体であり夢の存在とは明らかに違うし、その反応もより楽しいものになるだろう。




イライザ
「精神なんて何度でも治せる。
何度壊れても終わりなんて来させない……
実体の無いこの悪夢の世界を貴方の悲鳴と喘声で満たして頂戴?」

霊夢の四肢を拘束する触手の他に、霊夢の前に粘性の高い液体を滴らせる一本の触手が迫り、霊夢の尊厳を踏みにじろうとする……
イライザの言葉が正しければ……この悪夢の世界で、老いることも死ぬことも出来ずに、それこそ永遠に弄ばれ続けることになってしまうだろう……

435:終焉の刻◆gI:2021/10/09(土) 05:51

・・・・・このクズ・・・・・

(諦めるつもりは無い・・・・・だが、現状を打破することも出来ない・・・・・

霊夢は、イライザを睨みつけながら、ただ罵倒することしか出来ない・・・・・

自分に腹が立つほどの無力というのは、こういうことなのか・・・・・)

436:悪夢の女王 イライザ◆3.:2021/10/09(土) 14:58

イライザ
『さあ……沢山よがらせてあげ……』

《ザシュッ》
夢月
「……まったく、かつてこの私を倒した博麗の巫女がこの程度の奴を相手に翻弄されているだなんて悲劇的ね。」

イライザの操る触手が霊夢の体に触れようとした次の瞬間、不気味な紫色の肉塊に覆われたこの空間を引き裂くようにして吹き込んだ青白い光が現れると霊夢に迫る触手と、四肢を拘束していた触手が全て切り裂かれる。

そして得体の知れない触手の粘液が霊夢にかからないように、青いメイド服を着た金色の髪をした女……夢月が霊夢をお姫様抱っこするようにして抱えて避ける。

だが、夢月からはイライザにも並びうる強い闇の魔力を感じる……

437:終焉の刻◆gI:2021/10/10(日) 04:05

・・・・・アンタ、本物・・・・・?

(イライザの見せる悪夢は、現実のものと変わらないほどのリアルさを持つ・・・・・

イライザのことだ、誰かが助けに駆けつけたと自身を傷つけてまで希望を持たせた後にまた絶望にたたき落とすという手法を使ってくることも簡単に想像できる・・・・・

相手の種族も含めて、状況が状況だからか本物なのか偽物なのか判別ができない・・・・・)

438:二つの月と一つの悪夢◆3.:2021/10/10(日) 11:33

夢月
「さあ?悪夢の世界でその言葉は意味を成さないからね。
全てが幻であり、全てが現であるとも言える……
姉さん!!」

幻月
「よくわかんないけど、"アイツ"や夢月に任されたからね、やってやるわ!!」

霊夢の言葉に対して、深い意味を持っていそうではあるものの、曖昧な言葉を返すと、自分達に向かって伸びて来る触手を見て、姉の名前を呼ぶと、二人と触手の間に純白の翼を持った天使のような姿をした悪魔……幻月が現れる。

幻月もまた、一度博麗の巫女に敗れた闇の存在であるのだが、そんな彼女が今度はその血筋である霊夢を助けるべく、右手を翳し、迫り来る触手もろとも周囲の空間を侵食して生まれた分厚い肉の壁を消滅させる純白の極大光線を解き放ち、夢想天生に匹敵する大穴を開けて見せる。

439:終焉の刻◆gI:2021/10/10(日) 14:02

・・・・・一応、信じていいみたいね・・・・・

(抱き抱えられたまま、二人は助けに来てくれたのだろうということを確信すると、霊夢はひとまずホッとする・・・・・

が、霊夢の声が若干かすれるような声になっており、しかも息も若干荒くなっている・・・・・

戦いによる疲労だろうか・・・・・)

440:二つの月と一つの悪夢◆3.:2021/10/10(日) 14:52

夢月
「信じる?私達は悪魔。
悪魔を信じるだなんて巫女も随分と変わったのね?」

夢月は巧みにバラバラに引き裂かれて吹き飛ばされて来る肉片に跳び移り、そのまま幻月が開けた外へ繋がる大穴に向かって進んでいく。

自分達は悪魔であり、他種族とは決して相入れる事の無い存在であるにも関わらず、自分に対して信じると言う言葉を遣った事へ少し不思議に感じてしまう。

441:終焉の刻◆gI:2021/10/11(月) 04:08

・・・・・真の悪魔っていうのは、誰かを助けたりはしないのよ・・・・・まさにアイツがその真の悪魔よ・・・・・

(霊夢は、巫女も随分と変わったと言う夢月に、真の悪魔というのはどういうものなのか、イライザこそが真の悪魔だということを告げる・・・・・

イライザは捕らえた獲物を時と場合によっては生かす、だがそれは慈悲からくるものではなく、獲物を弄んで自身が優越感に浸るためであり、決して優しさなどは元より微塵も持ち合わせてなどいない・・・・・)

442:二つの月と一つの悪夢◆3.:2021/10/11(月) 05:54

イライザ
『目障りな小魔ごときが……この私の楽しみを奪うだなんて許さない……!!!』
《メキメキメキメキメキッ》

イライザによる空間操作がより強くなり、周囲の肉壁からおぞましい数の手と触手……今度は捕らえた相手で楽しむのではなく、明確に捕まえた相手を殺害するために、無数の手はその全てがナイフのような爪を持ち、伸ばされた触手はまるで茨のようにもなっている。



幻月
「あははは!
確かに……あんなにわかりやすい悪者はそうそういないもんね?」

押し寄せてくる無数の手と触手の全てを幻月は両手から放つ極大光線で薙ぎ払い、光線を潜り抜けて迫ってきたモノを、霊夢を抱えているため両手が塞がっている筈の夢月が切り裂いて吹き飛ばし、高速で出口である大穴の先に向かって進んでいく……



イライザ(毒干渉)
『戻りなさい……このまま私の手から逃れようと言うのなら……貴方の中に流し込んだ私の毒を介して貴方の体を内側から破壊する……!!!』
《ビキビキビキビキビキッ》

夢月と幻月の二人の出現によっていよいよ余裕が無くなって来たからなのか、博麗の巫女で弄ぶ事が余程楽しみだったからなのか、霊夢の体内へ流し込まれたイライザの一部……毒液を介して霊夢の体内の血管を通じて体の内側から霊夢の実体を崩壊させようとしている。

イライザの影響力は悪夢の世界の中であればこそであり、一度この悪夢の世界から脱出する事が出来れば、もうイライザからの干渉は直接干渉のみになり、毒液も効力を失うのだが、このまま行けば脱出する前に霊夢の体が破壊されてしまうだろう……

443:終焉の刻◆gI:2021/10/11(月) 06:21

・・・っ・・・・・!!!!!あぁぁああああああぁああぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!

(霊夢はとてつもない激痛に、思わず悲鳴を上げる・・・・・

自身の体が明確に崩壊し始めているのがわかる・・・・・

これが他の人物ではなく、自分の体で起きていること、というのがせめてもの救いか・・・・・)

444:二つの月と一つの悪夢◆3.:2021/10/11(月) 07:28

イライザ(毒干渉)
『抵抗は無意味よ?逃がしはしない……脱出するより前に貴方の体を崩壊させる。そして……ここでの死は貴方の魂の死を意味する……死が怖いのなら、私の元へ戻りなさい?』

イライザは霊夢の体内にある毒液による干渉を続け、あの皮膚の獣との戦いの時をも遥かに越える激しい痛みに苛まれている中、イライザは自分の手元へ戻るように言葉を囁いていく……

イライザは魂や精神と言った実体の無いものを直接破壊することが出来る……このまま行けば脱出するよりも先に霊夢の絶命は免れないだろう……

445:終焉の刻◆gI:2021/10/11(月) 19:07

はぁっ・・・・・!はぁっ・・・・・!

(霊夢の呼吸が徐々に乱れ始める・・・・・

本格的な命の危険というものは、こういうものなのかと激痛の中感じ始める・・・・・

しかし、霊夢も幻想郷を守るためにイライザと戦いに来た身、それに、ここでイライザの言うとおりにすれば、助けに来てくれた夢月と幻月を裏切ることになってしまう・・・・・)

446:二つの月と一つの悪夢◆3.:2021/10/11(月) 19:46

イライザ(毒干渉)
『……そう、戻らないのなら……苦痛の中で果てるがいいわ……!!』

霊夢が取り込んでしまった毒液が霊夢の身体中に広がる血管を介して全身の細胞を破壊し始め、徐々にその体を激痛と共に蝕んでいく……もはやイライザは霊夢で弄ぶことをやめ、本格的に霊夢を始末することを考えていく。

447:終焉の刻◆gI:2021/10/11(月) 21:46

がっ・・・・・!ぼっ・・・・・

(霊夢は体を震わせながら、目を見開いて吐血する・・・・・

どんなに目が渇こうと瞬きすらできず、呼吸すらできないほどの苦しみ・・・・・

博麗の巫女が鮮血に染まってゆく・・・・・)

448:二つの月と一つの悪夢◆3.:2021/10/11(月) 23:18

夢月
「……どうするの?姉さん。」

幻月
「私達には対応のしようがない……ま、これにやられるようなら、その程度だったって事になるだけよ。」

苦しむ霊夢を見ても、夢月と幻月の二人は自分達には対応する事が出来ないことから、ただ自分達の役割を全うするために継続して出口に向かって進んで行く…

449:終焉の刻◆gI:2021/10/12(火) 05:55

ぶらん・・・・・

・・・・・

(霊夢の手が力なくだらんと下がる・・・・・

言葉では表すことが出来ないほどの激痛に耐えただけでも、まだ健闘した方だろうか・・・・・

霊夢はさっきまでの苦痛による叫びから一転して、急に静かになる・・・・・)

450:二つの月と一つの悪夢◆3.:2021/10/12(火) 07:06

夢月
「……あれ?動かなくなった?」

幻月
「ほんと?それじゃもういらないかな?」

霊夢の体から力が抜け、静かになったのを見て、思わず二人は顔を見合わせる。

迫るイライザの無数の腕を器用に必要最低限の動きだけで避け出口まで残り100mをきったところまで進むことが出来たのだが、本当に霊夢が死亡したのであれば、何の躊躇いもなく霊夢を捨てるだろう……

451:終焉の刻◆gI:2021/10/13(水) 06:20

・・・・・

オオォォォオオオオ・・・・・

(霊夢の体が突然、白いオーラのようなものに包まれ始める・・・・・

それは力尽きたと思われる霊夢の再起の可能性か・・・・・

はたまた、魂の終焉か・・・・・)

452:二つの月と一つの悪夢◆3.:2021/10/13(水) 07:29

夢月
「うわ!なにこれ……?」

幻月
「白い羽根を持つ私が言うのも可笑しいかもだけど……このオーラは私達にとってはあまりありがたいものじゃないわ。」

イライザ
『(たかがオーラ程度でどうこうできるものじゃない事は相手が知っているし、あの巫女の実力は既に測りおえておえてある……どの道あの二人の悪魔さえ潰せばなし崩し的に全滅させることが出来る!!!)』

霊夢を抱えていた夢月は突然、霊夢が白いオーラを纏い始めたのを見て驚き、イライザは霊夢の異常に対して警戒を抱くものの、それを意にも介さず夢月達もろとも霊夢を呑み込もうと三人が進む方向から無数のデスワーム状の触手を伸ばして正面から三人へ攻撃を仕掛けようとする。

453:終焉の刻◆gI:2021/10/13(水) 13:46

バシュンッ・・・・・!

ボトッ・・・・・ボトッ・・・・・

(イライザの伸ばしてきた触手が、夢月も幻月も何も攻撃をしていないのに何かに突然切断され、ボトボトと落ちてゆく・・・・・

夢月と幻月の二人が何もしていないとなれば、残るは博麗の巫女ただ一人しかいないが、博麗の巫女はさっき確実にイライザの毒液によって事尽きたはず・・・・・

何か見えない力が働いているとでもいうのか、それとも・・・・・)

454:二つの月と一つの悪夢◆3.:2021/10/13(水) 18:26

イライザ
『(!!?
あの2人乗り攻撃じゃない……となるとあの巫女の攻撃……?
……まあ、いいわ。まだ生きているというのなら、今度は確実に毒で仕留めてあげる……!!)』

夢月と幻月の2人が攻撃した様子は無かった事から霊夢によって切り裂かれたとわかると、イライザは先ほど霊夢を追い詰めたように、再度霊夢の体内に注入された毒液を霊夢の全身の細胞を蝕み、内部から破壊するように浸透させようとする。

455:終焉の刻◆gI:2021/10/14(木) 06:21

できるといいわね・・・・・

(いつの間にか、イライザの背後に霊夢はいた・・・・・

時を止めたとかではなく、本当にいつの間にか背後にいた・・・・・

イライザの思惑などすべて見切っているといわんばかりに、霊夢はできるといいわね、と呟く・・・・・)

456:二つの月と一つの悪夢◆3.:2021/10/14(木) 12:49

夢月
「あれ?脱出するんじゃないの?」

イライザは悪夢の空間そのものと同化しているため、背後と言うものが存在しないため、結果的に脱出口とは反対にある無数の触手と爪手が蠢く場所に向かうことになってしまう……

霊夢の体内に流し込まれた毒液が霊夢の全身を破壊するのが先か、悪夢の空間を満たすように蠢く夥しい数の魔手に引き裂かれるのが先か……

夢月と幻月は少し止まって霊夢に何か策があるのかとも考えるが、脱出用の穴は縮小を開始しており、あまり悠長にはしていられない。

457:二つの月と一つの悪夢◆3.:2021/10/14(木) 16:33

イライザ
『愚かな愚かな人の子。
私の手の中へ戻ろうというのなら、その死を持って私は赦してあげるわ。』

《グアッ》

霊夢が夢月の腕から出て悪夢の深奥(こちら)へ来るのを見て、イライザは霊夢の体を蝕んでいる毒の侵食を一時的に止め、その代わりとして自身と同一化した夥しい数の魔手と触手を霊夢の全方位から掴みかからせようと伸ばす……

夢月と幻月は黙って霊夢の様子を見ているが、このままイライザに時間稼ぎをされてしまえば、自分達でさえも脱出出来ないように空間そのものを組み替えられてしまう関係上、わざわざ危険を覚悟してまで霊夢を助けに行くことはしないだろう……

脱出不可能になるまで、残り3分……

458:終焉の刻◆gI:2021/10/15(金) 06:13

勿論脱出するわよ・・・・・ただ、まだ時間がある今の内に、コイツをできるだけ追い詰める必要があるわ・・・・・

(夢月の問いかけに対し、霊夢は勿論脱出はするが、その前にはまず目の前にいるこの悪魔をできるだけ追い詰めてからだと言い切る・・・・・

つまり、ここですべてを終わらせるわけではなくとも、脱出後にイライザを倒しやすくできるように今のこの限られた時間の中でしておく必要があると霊夢は言う・・・・・)

459:二つの月と一つの悪夢◆3.:2021/10/15(金) 06:30

幻月
「へぇ?言うじゃん。
それじゃ、お手並み拝見といかせてもらおうかな?」

イライザ
『クスクスクスクス……さっきまで手も足も出なかったのに今なら勝てるとでも思っているのかしら?どうやって身体の崩壊を止めているのかは知らないけれど……あまり図には乗らないことね。』
《ザアァァァァァァァァァァァァァァァァッ》

回避する素振りさえ見せない霊夢に向けて無数の茨のような触手と鉤爪を備えた手があらゆる方向から霊夢に迫り、まるで彼女を圧砕するようにして一ヶ所へ押し寄せて行く……

何故か、霊夢の体を蝕んでいたイライザの毒による侵食が止まっており、更に霊夢の体に影響を及ぼさず、それどころか回復さえしているものの、その理由は謎に包まれている……

460:終焉の刻◆gI:2021/10/16(土) 04:32

もし脱出が厳しいと思ったら、アンタ達だけでも先に逃げなさいよ?

ダッ・・・・・!

(霊夢はもし脱出が厳しいと判断したら、夢月と幻月の二人だけでも先に逃げるように予め伝えておく・・・・・

そして、そう言い残すと霊夢はイライザの攻撃を、あらゆる僅かな隙間から、しかし表情一つ変えることなく、むしろ余裕と言わんばかりに、もしくはイライザの攻撃を既に見切った上で行動しているかのように、猛スピードでイライザへと迫り来る・・・・・

つい先程も霊夢は一度覚醒したが、その時とはまた違ってイライザの攻撃に対する対応力が格段と上がりつつある・・・・・

今の霊夢を簡単に言い表すならば、絶対に獲物を仕留めるまでは止まることのない狩人、といったところだろうか・・・・・)

461:二つの月と一つの悪夢◆3.:2021/10/16(土) 06:35

イライザ
『………!!?』

イライザ
『(動きが明らかに違う……私の攻撃は確実に最初よりも速く、数も多くなっているのに当たらない……!?)』

イライザの伸ばす夥しい数の茨と腕を巧みに掻い潜り進む霊夢の様子を見てイライザは驚愕する。それはまるで何度も倒される(コンティニュー)を繰り返す事でより強くなっていくような……

そんな感覚をイライザは覚え、周囲の肉塊のような悪夢の空間から茨のような触手や無数の腕に加え、新たに目の無い巨大な肉塊の蛙のような化物を生み出し、霊夢を呑み込もうとする。

だが、イライザは無限とも言える悪夢の世界と完全に融合しているため、その実体は何処にも存在していないため、何処を攻撃しても弱点にもダメージにもならないと思われる。

462:終焉の刻◆gI:2021/10/16(土) 19:28

ぐちゃぁっ!!!!!

(霊夢は蛙のような化け物を避けることもなく呑み込まれるも、そのまま化け物の喉元を突き破ってイライザへと向かってくる・・・・・

霊夢自身も、イライザには攻撃が通用しないことなど今までの戦いの中で百も承知、ならば本来の目的であるイライザの誘導・・・・・いや、無理矢理にでも首根っこ掴んで連れて行くのみ・・・・・

霊夢は、イライザの真ん前、激突寸前で止まって見開いた目でイライザを見つめる・・・・・)

463:終わり無き悪夢◆3.:2021/10/16(土) 20:20

イライザ
『クスクスクスクス……本当に逃げ足だけは優れていると言っても差し支えがないわね?』
《ギョロギョロギョロギョロギョロ》

通路の最奥に到着すると、そこは広間のようになっており、霊夢が入ってきた瞬間、夥しい数の子 血走った赤黒い目玉が見開き、一斉に霊夢を見ると、目から血管のような微細な触手が大量に霊夢目掛けて伸ばされる。

それはもはや弾幕と呼べるような代物ではなく、任官の体が通り抜けられるような隙間が一切無い、赤い壁のようになっており、空間そのものと同化した事で得た圧倒的な物量による波状攻撃を行おうとする。

464:終焉の刻◆gI:2021/10/17(日) 05:56

邪魔よ・・・・・

グォアッ!!!!!

(霊夢は全身に白いオーラを纏った状態で、右手にオーラを集中させ始め、そのまま壁のようなものへと拳を全力でぶつける・・・・・

拳をぶつけるまでの過程で、触手は霊夢のオーラに弾かれるように、どんなに迫ってきても霊夢が通った空間のみ道のようにオーラの残像が見える・・・・・

そして、霊夢が拳をぶつけると、赤い壁はそのままオーラに耐えきれなくなったかのように徐々に跡形もなく崩れ始める・・・・・)

465:終わり無き悪夢◆3.:2021/10/17(日) 11:30

イライザ
『!!』

無数の血管状の触手から成るまともな隙間の無い逃げ場を奪う壁のような密度の弾幕と霊夢が放った白いオーラがぶつかると、ボロボロに崩れ、それ見たイライザは、まさか悪夢の体現者たる自分の力が夢に干渉する力を持っていない筈の霊夢に消されている事に驚く。



イライザ
『面白い……本当に面白いわ、貴方……!!』
《メキメキメキメキメキ……》

霊夢の周囲の悪夢の空間、広場の更に奥、霊夢から30m先にて、肉塊の壁からイライザの上半身が現れると悪意に満ちた笑みを浮かべながら、ゆっくりと両腕を広げる……

すると、それに呼応するようにイライザの周囲にある肉塊から三本指の巨大な腕が六本、イライザの周りから生える。

操作する数を六本に絞ることで、オーラによる消滅までの猶予を高めると同時に攻撃の威力と速度を引き上げる事で霊夢に対抗する事を考えている。

イライザは時間を稼ぐだけでいい。
長くこの場に霊夢を留めておくだけで霊夢は外に出ることも、外から脱出させる事も出来ない隔絶された悪夢の空間に閉じ込める出来るだろう……

466:終焉の刻◆gI:2021/10/17(日) 18:48

アンタ、中身だけじゃなく見た目も本当に気持ち悪いわね・・・・・

(霊夢はイライザのさらなる変貌を見て、本当に気持ちが悪いと呟く・・・・・

しかも、霊夢は依然としてかかってこいと言わんばかりの表情を見せている・・・・・

無論、霊夢はイライザのなるべく時間稼ぎをしてここに留ませておくという計画なんて見通している・・・・・)

467:終わり無き悪夢◆3.:2021/10/17(日) 19:24

イライザ
『クスクスクスクス……そんなに褒めても何も出ないわよ?』

肉塊から生えたイライザの半身は最初と同じ人間と遜色無い……強いて言うのならば死人のような肌色をしている以外は変わらない姿をしているものの、半身は周囲の肉壁と完全に同化している。

そんな中でもイライザはイライザの周りを取り囲むようにして生えた六本の三本指の巨腕を霊夢に向けて伸ばし、掴みかかろうとする……

伸ばされた巨腕は間接や骨と言うものが存在しないのか、まるで宙をのたうち回る大蛇のように先読みが困難な不規則な動きをしながら迫る。

イライザの策を見抜いたところで対処できなければ意味はなく、その対処方法も今となっては存在し得ないと言ってもいいだろう……相手が博麗霊夢でなければ。

468:終焉の刻◆gI:2021/10/18(月) 02:55

今のうちに言っておいてやるわ、消滅したらもう罵倒も聞けないでしょ?

ダダダダダダダダダダダダダダダダッ!!!!!

(霊夢はどの段階で、どのタイミングでどれくらい先までイライザの行動パターンを読んでいるのか、イライザが巨腕を霊夢へと伸ばしたその時にはもう既に、いつの間にかイライザの目の前に移動していた上に、イライザが霊夢の接近に対応する前に拳にオーラを纏い、イライザが自身特有の物理攻撃が通用しないことや即座に対応してダメージを受けないということ、それらが通用しないほどの目にも止まらぬスピードでイライザの全身へと、人間で言うならば立て続けに巨大な鉄球を複数落とされたような威力のパンチを絶え間なく撃ち込む・・・・・

イライザが攻撃に対応する前に次の一撃を打ち込み、ダメージを受ける前に(受けるかどうかはまだ霊夢にもわからないが)また次の一撃を撃ち込む・・・・・

恐らくは、接近から攻撃、そして攻撃が終了するまではイライザがその状況に気づくことすらも難しいと思われるほどの、言わば本当の意味での目にも止まらぬ速さで霊夢は動いている・・・・・

そして、次にイライザが霊夢に気づいた時は、通用しないはずの霊夢の物理攻撃が全てのパンチの威力を一斉に全身に叩き込まれる時だろう・・・・・)

469:終わり無き悪夢◆3.:2021/10/18(月) 03:23

イライザ
『あら、私は一度も罵倒したつもりなんてないわよ?
だって……玩具を相手に本気で怒る阿呆なんていないでしょう?』

《ドプッ》





イライザ
『それに……貴方も学習をしないのね?』
《ヒュオッ》

速度も威力も単なるブラフに過ぎない。
イライザの狙いは相手が物理攻撃を仕掛けて来た際にその攻撃を受け、相手の動きを止めること……

鉄球をどれだけ叩き付けようと大海が吹き飛ぶことが無いように……
霊夢の繰り出した拳がイライザに腹部に突き刺さるが、それはまるでダメージにはならず、繰り出した霊夢の腕がイライザの体内にて止められ、動きを封じられた状態で、イライザは自身もろとも周囲に生えた巨腕を持って霊夢をバラバラに引き裂こうとする。

そもそも、イライザには実体と言うものは存在せず、こうして敢えて姿を見せたのも、霊夢の攻撃を誘発し、その動きを止めるためのものだ……悪夢そのものであるイライザにはどれだけの攻撃を繰り出そうと、何処からでも"本体"を生み出すことが出来る……勝機は限り無く低く、これまで夢に干渉する事が出来る夢月や幻月でさえ倒しきれずに撤退を選んだ程の相手だ……

唯一の脱出口が閉じるまで残り3分……

470:終焉の刻◆gI:2021/10/18(月) 06:18

残念だったわね、人間は学習する生き物なのよ・・・・・?

バシィッ・・・・・!

(イライザの攻撃は、先ほど壁が霊夢のオーラによって崩れたのと同じように、イライザの巨腕を弾き飛ばす・・・・・

霊夢だってイライザに物理攻撃が通用しないことは知っている、だが、だからこそ近づいたのだ・・・・・

近づくことでやっとできる攻撃もある・・・・・)

471:終わり無き悪夢◆3.:2021/10/18(月) 07:00

イライザ
『クスクスクスクス……人間は変わらないわ。
昔からずっと愚かで、脆くて……弄び甲斐がある。』

《メキメキメキメキメキ……》

イライザは六方向から迫る巨腕が全て弾き飛ばされると、今度はイライザが口を大きく開け、口内に何重にも無数のナイフのような牙を剥き出しにして霊夢を呑み込もうとする。

ほぼ零距離にある事から、その距離の近さを活かして霊夢を貪り喰らおうとするのだが、イライザの肌が死人のような肌色から、少し紫色に変色し始めており、単に喰らおうとするだけでなく、もう一つ何かを考えている。

472:終焉の刻◆gI:2021/10/18(月) 19:30

その口閉じてくれない?臭くてかなわないわ・・・・・

(霊夢はイライザの大きく開かれた口が近づくのを見れば、口が臭いから閉じろと罵倒する・・・・・

このままじゃ十中八九食われるが、霊夢も無策で呑み込まれる訳では無い・・・・・

残り時間はわずか、イライザに少しでもダメージを与えてここから脱出するために、霊夢はタイミングを伺っている・・・・・)

473:終わり無き悪夢◆3.:2021/10/18(月) 23:53

イライザ
『クスクスクスクス……易い挑発ね?』
《バグンッ》

イライザの開いた巨大な口が霊夢を呑み込むべく喰らいつく……
先程の攻撃で片腕をイライザの液状化した胴体に捕まえられた霊夢には回避する術は無い……

唯一の脱出口が閉じるまで残り1分……

474:終焉の刻◆gI:2021/10/19(火) 05:45

《・・・・・さて、残り時間もそう長くはなさそうね・・・・・早くしないと・・・・・》

(イライザの体内、まさしく悪夢の中とも呼べるような空間・・・・・

いや、悪夢というよりかは、状況的には地獄とも呼べるだろうか・・・・・

霊夢は何か策があるのか、早くしなければと心の中で呟く・・・・・)

475:終わり無き悪夢◆3.:2021/10/19(火) 06:24

イライザ(分裂体)
『クスクスクスクス……時間を稼ぐまでも無かったかしら?』
《バリバリバリバリバリ……》

イライザの開いた巨大な口が霊夢を呑み込むと、バリバリと音を立てながら租借し始めると、霊夢を補食しているイライザは喋れなくなっている事から、隣にて新しいイライザの半身が現れる……

新たに出現したイライザは右手を口許に当てて微笑みながら時間を稼ぐまでもなく霊夢を仕留めたと呟く。

イライザの本体が二体に増えたように見えるが、悪夢そのものであるイライザにとって、自分の体の複製など容易い……イライザを滅ぼすためにはこの悪夢の世界そのものを消滅させる必要があるのだが、それだけの力を持った者はそうそう存在しない……

だからこそ、夢月や幻月と言う単純な戦闘力で勝る存在がいながら、これまでイライザが悪事の限りを尽くせて来たのだろう。

476:終焉の刻◆gI:2021/10/19(火) 20:50

・・・・・

(咀嚼音の中に霊夢は消えてゆく・・・・・

当たり前だが、イライザのような化け物に捕食されたら、一溜りもない・・・・・

そう、博麗の巫女じゃなければ・・・・・)

477:終わり無き悪夢◆3.:2021/10/19(火) 21:33

イライザ
『クスクスクスクス……唯一の脱出口はもう閉じた。たとえ生き残っていたり、回避できていたとしても、もう逃げられないわよ?』

イライザの視線の先では幻月が開けた脱出用の大穴が完全に閉じきり、例えこれで霊夢が生き残っていようと、タイムオーバー……つまり、もう逆転の目は残されていない……

悪夢の支配するこの世界で奇跡は起こらない……
ただただ非情なまでの必然のみがここにある……

478:二つの月◆3.:2021/10/19(火) 21:54

夢月
「あーあ、完全に閉じちゃったね、姉さん。」

幻月
「人間って本当に愚かだと思うわ、あのまま逃げていればよかったのに。」

イライザの策謀により、悪夢の世界から逃れる唯一の脱出口が閉じてしまうのを見て、結局霊夢が脱出することが出来なかったと言うことを呆れながら二人は呟く。

再度幻月が攻撃すれば悪夢の世界の壁を破壊できるかもしれないが……相手はイライザだ。幻月の放った攻撃を誘導して霊夢にぶつけて潰し合わせると言うことをしてくるだろう。

迂闊に手助けしようと手を伸ばせば、それをイライザに利用されるし、かと言って自分達の危険を冒してまで助けに向かおう理由も意味も見出だしていない……ここでやられるようなら、どの道、この先の戦いで生き残ることは出来ないのだから……

479:終焉の刻◆gI:2021/10/20(水) 05:58

その時・・・・・

スウウゥゥゥゥゥウウ・・・・・

(イライザの体が、霊夢がまとっていたものと同じと思われるオーラに包まれ始める・・・・・

霊夢を捕食したことにより霊夢の戦闘力が上乗せされた、ということか・・・・・

それとも・・・・・)

480:悪夢の女王 イライザ◆3.:2021/10/20(水) 11:37

イライザ
『(…………!
これは……!?)』

イライザは自分の性質が"悪夢"である事から、例え対象を吸収したとしても、それを発動して完全に制御下に置くためには自分と同じ属性へと変換しなければならない……それをしなければ思わぬ暴発を起こしたり、放った技の影響や残滓で自分の首を絞めることになるからだ。

だからこそ、吸収した力を使用していないにも関わらず、オーラが現れたのを見て二体のイライザは驚愕する。

481:終焉の刻◆gI:2021/10/21(木) 00:31

ズズズズズズズズズ・・・・・!

(イライザを包み込むオーラの勢いが徐々に強まってゆく・・・・・

それどころか、むしろイライザの体のみに留まらずにこの空間の四方八方へと広がりながら、オーラが徐々に勢いに加速をつけてゆく・・・・・)

482:悪夢の女王 イライザ◆3.:2021/10/21(木) 01:06

イライザ
『(………触れてもダメージが無い……となると、浄化や攻撃系統ではない。となると、さしずめ私の能力の緩和による空間掌握を阻もうとしている訳ね?)』

紫色に変色したイライザが警戒し、敢えて動きを止めている中、死人のような肌色をしたイライザは代わりに周囲の肉壁から無数の腕を伸ばして白いオーラに触れるが、弾かれる訳でも消えるわけでも無い…

触れたものに干渉する力であるのならば、空間そのものがイライザの一部となったこの場においてその効果は直ぐに現れるのだが、待っていても何も起こらないどころか、こちらから触れに行っても何も起こらないことでただのこけおどしであると断定する。



イライザ
『(クスクスクスクス、私(悪夢)を包み込もうとしているようだけれど、悪夢とは元々内面に存在していたもの。内側から全てを侵食して悪夢で塗り潰してあげる)』

二体のイライザは同じタイミングで悪意に満ちた笑みを浮かべると、二体のイライザがそれぞれ触れたエネルギー体を蝕み、吸収する黒い波動……可視化された悪意を解き放つ事で周囲に広がる白いオーラを黒で塗り潰そうとし始める。

483:終焉の刻◆gI:2021/10/21(木) 05:57

ズズズズッ・・・・・!

(霊夢の白いオーラが、イライザの黒い波動に呑み込まれ始める・・・・・

やはり、イライザの予想通り、ただのこけおどし、もしくは悪あがきだったか・・・・・

所詮、人間の力なんて小さなものだ、それがたとえ博麗の巫女であろうとも・・・・・)

484:二つの月◆3.:2021/10/21(木) 09:00

夢月
「姉さんはあの巫女がイライザに勝てると思う?
私は無理だと思う……魔力的に見ても種族的に見てもイライザに優っている要素があるとは思えない。」

幻月
「……それはわからないわ、単なる身体的な強さだけが全てじゃない。
だって、此処は夢の世界。意思や想いの強さが現世以上に大きな影響を引き起こすのだから。」

イライザの放った醜悪な悪意の波動が霊夢の白いオーラを内側から蝕み、染め上げていく中、悪夢の要塞の外に脱出した夢月と幻月の二人が霊夢とイライザの戦いの結末について考察している。

夢月は純粋な戦闘力で考えた結果、勝ち目が無いと思っているのに対して幻月は夢の世界と言うこの世界の性質や、人間の未知数の可能性を考えた結果、結末を推測することが難しいと考えている……

485:終焉の刻◆gI:2021/10/22(金) 05:48

ズオォォォォォォォォォッ・・・・・!!!!!

(イライザに呑み込まれていた霊夢の白いオーラが、再びイライザの波動を猛スピードで包み込み始める・・・・・

しかも、今度は今まで以上にイライザの波動よりも力が強くなり始めており、どんどん包み込んでゆく・・・・・

いよいよ、形勢逆転及び最終決戦の幕開けだ・・・・・)

486:悪夢の女王 イライザ◆3.:2021/10/22(金) 07:28

イライザ
『(…………!!?)』

自分が支配するこの悪夢の世界では全てが自分の思い通りになると思い、事実これまでその通りになって来ていたのだが、今回の霊夢が展開した白いオーラに自身の放つどす黒い悪意のオーラが押されている事に困惑を覚えている。

二体のイライザ達は肉壁から突き出るようにして生えた上半身のみであはあるものの、予想外の出来事を前に思わず次の手を講じるまでに大きなラグが発生してしまう。

霊夢の実体は確かに紫色の皮膚色をしたイライザが喰らったばかりであり、霊夢の魂や精神体は完全に滅びた筈であるため、イライザ達の混乱はより強くなっている。



イライザ(紫体)
『目障りな濃霧ね……』

そんな中、困惑しながらも、幾分かの冷静さを取り戻した紫色の体色をしたイライザが背中から生えた翼腕を用いて白いオーラそのものを切り裂き消滅させようとする。

イライザは神降ろしの巫女との戦いの時にも見せたように、実体の無い存在にも干渉し、消滅させる事が可能な特殊能力を持っているため、白いオーラの正体が何にせよ、実体の有無に関わらず切り裂き消滅させる事が出来るだろうと考えている。

487:終焉の刻◆gI:2021/10/23(土) 06:19

グォォォオオオオオッ!!!!!

(イライザが白いオーラを切り裂こうとすると、切り裂こうとしたイライザの体を徐々に包み込み始め、紫体のイライザを消滅させ始める・・・・・

そして、霊夢はイライザの体を突き破るかのように無傷で白いオーラを纏いながら登場する・・・・・)

488:悪夢の女王 イライザ◆3.:2021/10/23(土) 10:27

イライザ
『クスクスクスクス……なかなか面白い性質の技ね?
それも……おおよそ白からは連想しにくい外道の力……いえ、私達に近い力を感じられるわね?』

紫体のイライザが消滅し、もう片方のイライザの体を突き破り、咆哮をあげながら再び現れた霊夢に対して、肉々しい天井を覆うようにして巨大なイライザの目が現れる。

現れた巨大なイライザの目から、あの他者を見下し、小馬鹿にするイライザの特徴的な笑い声と共に、今の霊夢の力は自分達に近い邪悪な性質の力を感じられると言う……

現に今の霊夢は、おおよそこれまで異変解決の際に使ってきた力や技からあまりにもかけ離れたものであり、霊夢自身、イライザを通じて博麗の巫女から悪の存在へと変質し始めているのかもしれない……

489:終焉の刻◆gI:2021/10/25(月) 05:30

あらそう?それはとても心外だわ・・・・・

グォオッ・・・・・!

(咆哮だとおもっていたのは、実は咆哮ではなくオーラの勢いによって生じた突風の勢いによって生まれる風の音だった・・・・・

イライザの言う通り、確かにこの力は悪に近いものがあるかもしれない、霊夢自身絶体絶命の状態からここまで這い上がれたのも不思議でしかなく、この力が何なのかは正直わからない・・・・・

だが、今するべきことは一つ・・・・・)

もう終わりよ、イライザ・・・・・

グググッ・・・・・

(霊夢は自分の能力を使って、イライザをお得意の悪夢という存在そのものから分離させ始める・・・・・)

490:悪夢の女王 イライザ◆3.:2021/10/25(月) 06:46

イライザ
『クスクスクスクス……』

天井を覆うようにして出現した巨大なイライザの目は霊夢が向かって来るのを見て、不敵な笑みを溢しながら、目を大きく見開くと、尖端が鋭利に尖った無数の血管のような管を伸ばし、それで霊夢の体を刺し貫こうとする。



イライザ
『この私を悪夢から引き剥がすつもり?
だけど……貴方の触れているものが本体なのかしらね?』

更に、霊夢の向かう先にあるイライザは、本体なのかどうかと問い、その攻撃や行動は不発に終わるだろうと声をかける。

イライザの言葉も当然であり、無限に等しい悪夢の世界において、イライザの本体を正確に見つけ出して切り離すなど、砂漠に落ちた硝子……大海の塵を見付けるよりも遥かに難しい。

気配で探ろうにも、空間そのものがイライザの魔力で満たされており感知することは不可能……広範囲に能力を向けたとしても無限に等しい悪夢の世界全てに行き渡らせるなど強力な力を持った神であっても困難なものであり、とても人間の霊夢一人ではどうにも出来ない事であると断定している。

491:終焉の刻◆gI:2021/10/25(月) 19:34

言ったでしょ?終わりだって・・・・・

(イライザの攻撃は霊夢の体を貫くことなく、霊夢はイライザに対して終わりと言ったはずだと告げる・・・・・

「アンタは自分以外の存在なんてちっぽけな下等生物にしか見えないのだろうけれど、夢を見る者が存在しなければ悪夢は生まれないのよ・・・・・?」

霊夢はイライザを見ながら、所詮イライザは夢を見る誰かがいてこそ存在できる偽りであるということを暗に告げる・・・・・)

492:悪夢の女王 イライザ◆3.:2021/10/25(月) 23:58

イライザ
『………クスクスクスクス、また避けるつもり?』

イライザ
『(私の本体がある位置は感知や予知を誰にも出来ない。たかだか人間一匹ごとき私の居場所がわかる筈も無い。例え一時的に攻撃が届かなくなろうとも、攻撃が当たらない以上、私の優位性が揺らぐことは永遠に無い。次にこの能力が切れた時が終わりの時よ?)』

これまでの戦闘から、霊夢の夢想天生には時間制限があると言うことを知っていたため、伸ばした管がすり抜け、避けられるものの、最初ほど驚きはせず、継続して管を伸ばし続けることで霊夢の行動範囲を限定してその行動を先読みしやすくしようとする。

霊夢の能力維持が限界を迎えた時にそのまま跡形もなく消し飛ばせるように、巨大な目玉の瞳に魔力を集束させ、その隙を伺う。

幻想郷の住人達の精神を具現化した精神の刃は霊夢が結界で干渉できないようにしていて、霊夢の体内に流し込んだ筈の毒液も何故か効力を失っているものの、悪夢と同化しているイライザにはどれだけの攻撃や技も届かない……本体の位置を掴むことなど出来る筈がないと断言している。

493:終焉の刻◆gI:2021/10/26(火) 05:32

《考えろ・・・・・考えるのよ、私・・・・・イライザの本体は絶対にどこかに存在する・・・・・思考を止めるな、考えろ・・・・・》

(霊夢は限られた時間の中、残り少ない中でイライザの本体を感覚を研ぎ澄ませて見つけ出そうとする・・・・・

本体が近くにいるのか、それとも今戦っているイライザをどこか遠くから操作しているのかはわからないが、憶測ではあるが言える事は一つある・・・・・

本体があるということは、その本体がある場所には一際力が強く集中しているのではなかろうか、と・・・・・)

494:脳裏を過るモノ◆3.:2021/10/26(火) 06:57

霊夢に似た巫女
『なーにウジウジ考えてんのよ?
アンタの感じたものが正解でしょ?
それは今回も変わらない、何時もの勘が教えてくれる。』

もはや打つ手はない、どれだけ攻撃しようと、相手は無限に等しい悪夢の世界と同化しているため、力の無駄な浪費で終わってしまう……無限の力があったとしても、イライザを完全に討ち滅ぼすのは不可能だ……

だが……これまで霊夢は敵について深く考える必要はなかった。
巫女の勘が答えを教えてくれる……少し勘を研ぎ澄ませれば、イライザの本体が何処に潜んでいるのかも見抜ける。

そして……霊夢の"浮く"力を用いて悪夢の底に潜むイライザを地上まで引き摺り出してやればいい。イライザの力が悪夢によるものならば、悪夢から引き剥がせば実質的に無効化させる事も出来るだろう。

その事を、霊夢の背に現れた巫女が教えてくれる……
イライザの見せた悪夢から出してくれた存在……
何処かで会った事があるような……不思議な感覚を覚えるその巫女の導きがどのような結果を生むのかはやってみなくてはわからない。

495:終焉の刻◆gI:2021/10/26(火) 19:48

・・・・・

(霊夢は確信した・・・・・そう、全てはそこまで深く考える必要は無い・・・・・

自分に似た謎の巫女と思われる人物の言う通り、少し勘を研ぎ澄ませれば本体がどこにあるかわかるはず・・・・・

霊夢は、瞳を開けると、イライザを見て怪しげな笑みを浮かべる・・・・・)

496:悪夢の女王 イライザ◆3.:2021/10/26(火) 19:59

《コオォォォォォォォォ》

霊夢の視線の先にある見開かれた巨大な目玉のその先……
幾層にも重なった肉壁と肉塊の向こうにイライザの本体がいると言うことを勘が教えてくれる。

理論や理屈じゃない、超感知や未来予知でも無い……
第六感をも超えた博麗の巫女としての勘がハッキリとイライザの本体を把握することが出来ている。

497:終焉の刻◆gI:2021/10/27(水) 05:46

そこよっ・・・・・!!!!!

ぼちゅっ・・・・・!

ずぶずぶずぶぶっ・・・・・!

(霊夢は、見開かれた巨大な目玉の表面を突き破り、本体を守るようにして立ちはだかる気持ちの悪い肉壁と肉塊を猛スピードで突破してゆくと、そのまま奥の方に潜んでいるイライザの本体を視界に捉える・・・・・

もう、イライザにはどこにも逃げ場はない・・・・・)

498:悪夢の女王 イライザ◆3.:2021/10/27(水) 11:16

イライザ
『!!?
私が見えていると言うの……!?』

本来ならば何人にも感知できる筈の無い自分の居場所を正確に把握した上で肉塊の中を突っ込んで一直線に向かってくる霊夢を見て、イライザはまるで水中を漂うクラゲのように肉壁の中を移動して霊夢の追跡から逃れようとする。

依然としてイライザの気配や魔力は感知できていないものの、霊夢の勘はイライザが移動している事や、その移動先についても教えてくれている。

499:終焉の刻◆gI:2021/10/27(水) 14:50

ガシッ・・・・・

どこ行くのよ・・・・・?アンタ、まだ逃げられるとでも思っているの・・・・・?

(霊夢は的確にイライザの移動場所を把握し、逃げられないように足を掴む・・・・・

夢、もといこの悪夢の世界に果てはない・・・・・無限にどこまでも広がっている、正に夢ならではのなせる世界・・・・・

だが、本体をとっ捕まえさえすれば、あとはただイライザへ終焉への引導を渡すだけだ・・・・・

霊夢の目は、確実にイライザを消し去るハンターともいうような目をしていた・・・・・)

500:悪夢の女王 イライザ◆3.:2021/10/27(水) 15:23

イライザ
『!!?!?』

イライザ
『………ク……クスクスクスクス……!
私を掴まえただけで勝てるとでも思っているのかしら?
私は実体無き幻魔の女王。姿形なんて幾らでも変えられるのよ……!!』
《メキメキメキメキメキッ》

イライザは冷や汗を流しながらもまだ笑い続け、体が徐々に5mもの巨大な体へと巨大化すると同時に、自身の身体中から無数の腕を生やし、背中から生えた翼腕も二枚から四枚へ増え、変貌し始める。
それはあの悪夢の処刑者のように急速に自身の姿を変化させている。

イライザに接触する事が出来たはいいものの、このままでは無限に悪夢から力を得ることの出来るイライザを前に、最初と同じように全ての攻撃を無効化され、逆に追い詰められ、全て無駄になってしまうだろう……

傷だらけの一人の狼(霊夢)の対峙する相手は山の如く巨大な娥……
全てにおいて不利なこの状況を打破する事が出来なければ、このチャンスを活かしきることは出来ない……

501:終焉の刻◆gI:2021/10/27(水) 23:46

でしょうね、この世界はアンタの思い通りになる世界、私に勝ち目なんてもとよりありゃあしないのは百も承知の上よ・・・・・

(霊夢はイライザが変身する際も尚その手を離さずに、何としてでも捕らえたまま絶対に逃さないようにしている・・・・・

イライザは悪夢の女王、そして、自身の作り上げた世界とも言えるこの悪夢の世界でならば、全てはイライザの思い通りとなる・・・・・

そう、この世界でなら・・・・・)

502:悪夢の女王 イライザ◆3.:2021/10/28(木) 01:33

イライザ
『クスクスクスクス……よぉくわかっているじゃない?
でも後悔してももう遅い、誰の手も届かぬ悪夢の中で永遠の恐怖を与えてあげるわ。』

イライザの身体中から生えた大小様々な夥しい数の手が霊夢の手足や服を掴み、更に二本の腕が霊夢の首に向かい、その首を締めて意識を奪おうと襲い掛かる……

イライザの力は自分が直接戦わなければならないとわかると、空間変化や空間操作から自己の強化へと力を回し始めた事で刻一刻とその力が増して行っている。

今この状態で反撃してもイライザには一切ダメージを与えることは出来ないが、逆にそれを逆手に取ることでこの悪夢の外へ吹き飛ばすことなら可能だと思われる。

503:終焉の刻◆gI:2021/10/28(木) 05:47

・・・・・永遠の恐怖、ねぇ・・・・・その言葉、アンタにそっくりそのまま返してあげるわ・・・・・

(霊夢はどんなものにも縛られない・・・・・たとえそれが、永遠の悪夢にもなりうる世界であろうと・・・・・

霊夢は一度イライザの繰り出した手に捕まるも、あっという間にすり抜けるようにして抜け出す・・・・・

そして「さぁ、覚悟はできた・・・・・?」と、イライザに一言告げる・・・・・)

504:悪夢の女王 イライザ◆3.:2021/10/28(木) 12:14

《ザアァァァァァァァァァァァ……》

霊夢がすり抜けると言うのなら、その空間そのものを埋め尽くしてすり抜けた先にも手が存在するようにしておけば回避しようが無くなるだろうと判断したイライザはすり抜けた霊夢の周辺まで無数の手を伸ばして完全に埋め尽くそうとする。

霊夢にはあまり時間も余裕もない、下手にイライザに時間を与えてしまえば、全ての策が無駄にされてしまう恐れもある……迅速にイライザを排斥しなければ、再びイライザは体勢を整えてしまうだろう。

例えば……純粋に霊夢が追い付けない速度で逃げ出したり、無数に本体を分裂させてバラバラの方向へ逃れたりと、イライザが冷静さを取り戻してしまえば打ってくるであろう、対抗策の無い手段はそれこそ無数に存在している。

それらを打たせないようにするためには、冷静さを失っている今のうちに手を打つしかない。

505:終焉の刻◆gI:2021/10/28(木) 20:55

イライザ・・・・・残り30秒、30秒でアンタとの決着をつけてやるわ・・・・・

(霊夢は、先程と比べると断然有利とも言えるが、それでもやはりまだイライザの方が圧倒的に有利だ・・・・・

そんな中、霊夢はイライザとの勝負をあと30秒でカタをつけると言い出す・・・・・

勝利の女神が微笑むのは博麗の巫女霊夢か・・・・・

それとも、悪夢の女王・イライザか・・・・・)

506:悪夢の女王 イライザ◆3.:2021/10/28(木) 21:27

イライザ
『クスクスクスクス……随分と大きく出たわね?
それなら……三十秒と言わず五秒で終わらせてあげるわ……!!』
【夢幻「微睡みの悪夢」】
《ゴオォォォォォォォォォォォォ……》

イライザは背中から生えた双翼に生えた眼を大きく見開いて霊夢を見ると、霊夢の意識を奪い去って無力化しようとする。

目が合わずとも、此方から凝視するだけで対象を強制的に昏睡させる事が出来る理不尽きわまりない力なのだが、これが通じずとも、周囲の空間は既にイライザがクモの巣のように張り巡らせた無数の手で覆うことで術の発動限界を迎えた瞬間に捉えようとする。

507:終焉の刻◆gI:2021/10/29(金) 05:44

アンタも随分と大きく出るじゃない・・・・・?

(霊夢は、先程イライザの本体へとたどり着いた時と同様、無数の手の僅かな隙間を掻い潜り、イライザの目の前まで移動する・・・・・

今の霊夢は、何ものにも縛られない・・・・・たとえそれがイライザの特殊能力であろうと、今の霊夢には通じない・・・・・

唯一今の霊夢を縛り付けるものは、この悪夢の世界とイライザの執念・・・・・)

508:悪夢の女王 イライザ◆3.:2021/10/29(金) 09:32

イライザ
『………仕方がない……まさかたかだか一介の人間ごときにこの術を使わされることになるなんて屈辱だわ……だけど、人間ごときに舐められるのはもっと屈辱。』

イライザは霊夢に夢幻術が通じず、伸ばした手を避けられ、眼前にまで移動したのを見て、もはや打つ手は一つしかないと忌々しそうに呟く……ここで霊夢が渾身の一撃を繰り出していればイライザは切り札を使う隙もなく倒すことが出来ていただろう……だが、霊夢自身の尊大な物言いからもわかるように、何処か相手を見下し過小評価してしまったが故にそれをしなかった事がイライザに逆転の手を打つ隙を与えてしまう。

霊夢は忘れていた。
かつてこの幻想郷に二度現れた不死王の切り札を……
存在そのものを貪り喰らう夥しい数の亡者を召喚する暗黒禁術"タナトス"を……



イライザ
『いいわ……その存在そのものを永劫に消滅させてあげる……!』
【暗黒禁術「ヒュプノス」】
《ズオォォォォォォォォォォォォォォ……》

イライザは霊夢が自分の前に移動したものの、攻撃を繰り出して来ないことを利用して、切り札である暗黒禁術を発動させると、大きく広げた翼と両手から万物を塗り潰す漆黒の闇を周囲一帯を包み込むようにして広げ、瞬く間にイライザの周囲が墨のような闇に包まれていく……

この世の理から逸脱した異質なエネルギー……
"暗黒魔力"を用いた外道の術。この力によって召喚された闇は周囲一帯の空間そのものを塗り潰し、無条件に全てを消失させる……

この漆黒の闇に塗り潰された中には、悪夢でさえ存在する事が出来ず、伸ばしたイライザの無数の手や、悪夢の肉壁すらも急速に朽ち果てて消滅する……ある種、霊夢の夢想天生をとことん悪意で歪めたような効果となっている……

509:終焉の刻◆gI:2021/10/29(金) 12:55

・・・っ!!!!!

(霊夢はイライザの懇親の一撃・・・・・それも、今まで展開していた自身の攻撃すらも自ら消滅させるほどの強硬手段に、一瞬動きが止まる・・・・・

そして、その一瞬こそが命取り・・・・・

霊夢自身は自惚れていたわけではない・・・・・

だが、イライザを少しずつ追い詰め始めていたことで、どこか油断が生じていたのだろう・・・・・)

510:悪夢の女王 イライザ◆3.:2021/10/29(金) 13:54

イライザ
『クスクスクスクス……形勢逆転……いえ、最初から貴方に勝ち目なんて無かったのよ?』
《ズアァァァァァァァァァァ……》

イライザは右腕を大きく霊夢に向けて振り下ろすと、それに連動するように漆黒の闇の塊が霊夢の頭上から悪夢の世界をも呑み込み、消滅させながら迫る……

大振りになっているため、隙は大きいが、それを補ってありあまる規模と威力を有しており、この闇に触れてしまえば今の霊夢でも存在を削り取られ消滅してしまう事を、霊夢の勘は教えている……

最初から大きな力の差があり、底無しの悪意を持つ相手に対して一時的に優勢になった事で相手に対する決定打を打つチャンスを無駄にする霊夢の戦いかたはあまりにも甘かったとしか言えないだろう……

ようやく見えた勝ち筋を……様々な奇跡が重なって生まれたチャンスを……霊夢は無駄にしてしまった……

511:終焉の刻◆gI:2021/10/29(金) 14:50

・・・・・それはどうかしらね?

ゴォッ!!!!!

(イライザが最初から霊夢には勝ち目なんてなかったという言葉を告げたその時、霊夢は冷や汗を流しながらもニヤリと笑みを浮かべながら上記を告げる・・・・・

霊夢の頭上から迫り来る闇と同様に、イライザの頭上から・・・・・いや、悪夢の世界そのものをすべて呑み込まんとするほどの威力を見せつけながら謎の白い光が広がってゆく・・・・・

そう、霊夢はこの時を待っていた・・・・・)

512:悪夢の女王 イライザ◆3.:2021/10/29(金) 16:35

イライザ
『…………!!
……何をしたのかは知らないけれど……この闇は全てを呑み込み等しく滅する。善も悪も、生も死も、魔も神も……!!』

イライザの展開した漆黒の闇へ霊夢の放つ光が降り注ぐものの、その光でさえも闇を照らし出す事は出来ず、大きな影となってしまっている……

そんな中でイライザの振り下ろした漆黒の闇は既に眼前にまで迫っており、そのまま霊夢を呑み込もうとする……

全てにおいて打つ手が遅すぎる。
常にイライザに先手を取られ、優位性を奪われ続けている中では多少のイレギュラー程度では戦況を覆すことは出来ない……それは霊夢が昏睡状態に陥った時に代わりに霊夢の体を動かして様々な神の力をその身に宿し、戦っていた神降ろしの巫女が体現してしまっていた。

そして………絶望は重なる。
これまで数多の幻魔との戦い、そしてイライザとの長期戦による影響で霊夢の体からは体力も霊力も大きく消耗し、一時的な強化もタイムリミットを迎え、霊夢の体に注入されていた毒液が再び霊夢の体を内側から蝕み始めてしまう……

513:終焉の刻◆gI:2021/10/29(金) 20:32

っ!!!!!

(あまかった・・・・・もっと早い内にケリをつけるべきだった・・・・・

イライザの有利な状況は依然として変わりなく、霊夢はどんどん追い詰められる・・・・・

人間の限界というものを、ここまで来て思い知らされる・・・・・)

514:希望の終焉◆3.:2021/10/29(金) 21:31

《ズズズズズズズズ……》

霊夢の甘さがイライザに反撃する隙を与え、切り札を誘発してしまった結果、イライザが振り下ろした右腕に伴い霊夢の頭上から迫った闇の塊がその体を呑み込む……

一切の情けも容赦も無く理不尽なまでの絶望をもたらし、悪夢さえも存在する事が出来ない漆黒の闇に包まれた以上、生存する事は絶望的だろう……

515:終焉の刻◆gI:2021/10/30(土) 05:56

・・・・・

《私・・・・・ここで死ぬの・・・・・?こんな最悪の場所で・・・・・最悪な形で・・・・・》

(薄れゆく意識の中、悪夢の世界の一部すらも呑み込み消滅させるほどの威力を誇る闇の中、霊夢はこんなところで自分はこのまま死ぬのかと嘆く・・・・・

しかし、イライザに反撃できるチャンスを逃してしまったのも揺るぎない事実・・・・・)

516:霞む世界◆3.:2021/10/30(土) 11:47

【「虹霊撃」】
《バチィッ》

全てを蝕み無へ塗り潰す漆黒の闇が霊夢の体を包み込み、その存在そのものを虚空の彼方へと消し去ろうとした次の瞬間、無意識に霊夢の体が動き、両手を合わせ、周囲に虹色に神々しい閃光が広がる。

虹色の光は、先程の霊夢の白い光を呑み込んだ漆黒の闇をも照らし出し、イライザの切り札である暗黒禁術そのものを浄化し消滅させる……

霊夢の意識は残ってはいるものの、その力は明らかに霊夢のものではなく、より強大な光の力となっている……その証拠に通常の霊夢も霊撃そのものは使えるものの、これほどの威力では出来ない……

517:霞む世界◆3.:2021/10/30(土) 16:57

イライザ
『………!!?』

霊夢の放った虹色の光はまるで太陽に強く輝き、再度漆黒の闇を発動させようとしたイライザの集束させた暗黒魔力そのものを瞬く間に浄化し、更には周囲に広げていた無数の腕も、虹色の光に照らされた途端に力を失い、灰のようにボロボロと崩れて消えていく……



イライザ
『(光さえ呑む冥府の闇が払われた……!?
そんな馬鹿な事が……これはまるで………いえ、アイツはもう存在しない、原初之悪意(マレヴォレンス)様に滅ぼされた筈……!!)』

言うなれば神さえ浄化する穢れ無き純光とも呼べるこの光をイライザは知っていた。イライザはかつて今と同じ状況になり、この力を行使する者を見たことがある……

だが、その行使者は自分達の主であるマレヴォレンスによって葬られた筈であるため、今こうして自分の前にいる筈など無い……

518:霞む世界◆3.:2021/10/31(日) 00:51

霊夢?
『……どうしてアンタらは奪う?
それだけの力があるのなら、奪わなくとも自分達だけで欲しいものが手に入る。どうして何時までも無意味で無差別な略奪と殺戮を繰り返す?』

霊夢の口からは次々と言葉が出てくる……
それは全て霊夢の言葉でありながら、霊夢の言葉ではない……
漆黒の闇を剥がされ、丸腰状態になったイライザに対して油断や満身をせず、常にその一挙手一投足を見逃さずに警戒しながらも、その戦う理由を問いかけている……

相手が明らかな悪であろうとも、思考停止的に無条件に滅ぼそうとするのではなく、話し合いにより、その心情や価値観を理解しよう、歩み寄ろうと言う姿勢が見えており、その姿は数々の異変を解決してきた霊夢にも通じる……



イライザ
『クスクスクスクス……何を言うかと思えば……楽しいからに決まっているでしょう?
他者を奪い、踏みにじる。奪ったモノに価値はない、奪い取ったら直ぐに捨てているわ。私にとっての幸福……それは奪い続け、壊し続ける行為そのものよ!』

歩み寄ろうとした霊夢に対してイライザの返した言葉……それは霊夢の行為そのものを踏みにじるようなものであるが、その言葉に虚偽は無い……
イライザにとって他者とは自分が弄ぶために存在する玩具に過ぎず、その苦痛も恐怖も全ては自分の悪意を満たすための事なのだろう。
生まれついて強者であったイライザには他者への同情や共感と言うものが欠如し、それ故に支配や従属以外での関係を結ぶことが出来なかったと言う、哀れな存在……

519:終焉の刻◆gI:2021/10/31(日) 05:57

《・・・・・私・・・・・生きているの・・・・・?》

(霊夢は依然として意識が朦朧と、視界がぼんやりとしたままではあるが、辛うじて目の前の後継が見えている・・・・・

わずかに感じる感覚としては、何者かが自分の体に入り込んでいるような、不思議な感覚・・・・・

霊夢自身は、自分が今生きている、ということを認識するのもやっとの状態だった・・・・・)

520:神降ろしの巫女◆3.:2021/10/31(日) 10:14

神降ろしの巫女
『無茶ばかりするなぁ、当代の巫女は……
ま、私も人の事は言えないか……』

霊夢の意識とは別に動き、話す肉体に宿った者とは別の存在……イライザに眠らされていた時に霊夢を助け、その後も霊夢がイライザの魔の手から逃していた神降ろしの巫女の声が聞こえてくる……

521:終焉の刻◆gI:2021/10/31(日) 12:52

《・・・・・ほんと、異変ばかりで困っちゃうわ・・・・・》

(霊夢は、聞こえてくる声に対して、心の声で返答する・・・・・

だが、異変ばかり起きても、やはり幻想郷は自分の居場所でもあり、同時に守らなければならない場所でもある・・・・・

だからこそ、今ここでイライザは完全に消し去らなければならない・・・・・)

522:神降ろしの巫女◆3.:2021/10/31(日) 13:07

神降ろしの巫女
『……貴方に憑依してそんなに時間も経っていないけどさ、不思議に思っていることがあるんだよね……貴方は悪は無条件で滅ぼすの?
立場が違えば自分が悪になるかもしれないと言うのに?』

ふと、霊夢の視界が切り替わり、霊夢の放っていた光やオーラと同じ真っ白い何もない空間に移動すると、あの血の巨人の腕の座っていた巫女……神降ろしの巫女が右腕を失った状態であるもののその姿を見せる。



神降ろしの巫女
『そもそも"悪"とは何なのか貴方は本当にわかっているの?』

その巫女は"悪は滅ぼす"と言うある意味単純な思考を語る霊夢に対して、自分が相手と同じ種族、立場、環境で生まれ育っても今と同じことが言えるのかと問いかける……

イライザは同情の余地も無い極悪人である事は先程の問答からもわかるが……ある種、思考停止的かつ盲目的に戦おうとする霊夢に対して、譲れぬもの、信念があるのかどうかを問いかける。

自分の心に芯の無いものは弱く、危うい……
それを危惧した事で神降ろしの巫女はイライザに消されずに残った残滓を介して問いかけている。

523:終焉の刻◆gI:2021/10/31(日) 14:27

《・・・・・確かに、悪というだけで滅ぼすという考えは正義に偏りすぎているとは思うわ・・・・・もしかしたら話し合えば分かり合えるかもしれない、理解できるかもしれない、そう思うことも大事だとは思う・・・・・

けれど、根っこが腐りきった悪、誰かの全てを踏みにじるのが生き甲斐のどうしようもない悪は分かり合えない、理解出来ない、そもそも話が通じない・・・・・

悪というよりかは、この世の全てのものが存続していくにあたって大きな障害となる存在してはいけない害そのもの、ってところかしらね・・・・・》

(霊夢は、神降ろしの巫女の言う通り、悪というだけで滅ぼすという考えは逆に自分が悪になりうる可能性を秘めているということを理解している・・・・・

だが、目の前にいるのはもはや悪を超えて害であると霊夢は返す・・・・・

全てのもの、生き物であろうとなかろうと全てに害となる存在、それがイライザ・・・・・)

524:神降ろしの巫女◆3.:2021/10/31(日) 15:26

神降ろしの巫女
『……その考え方は少し危険。
相手が呼吸するだけで周囲の命を奪う存在だったら?
存在するだけで周囲を不幸する存在だったら?
外道の世界で生まれ落ちた光を知らない存在だったら?
善悪を知らない無垢な存在だったら?
貴方はそれら全てを滅ぼして回るの?』

神降ろしの巫女
『貴方のその考えの先にあるのは無人の荒野。
共存から最も遠い排他の世界。
見方が変われば、立場が変われば容易く揺らいでしまう価値観であるとも言えるわ。』

神降ろしの巫女は霊夢の"存在悪"に関する考えに対して、その考えでは常識の外にいる存在は全て滅さなければならなくなってしまうと言う……
かくいう妖怪や神も人々の恐れ(畏れ)が無ければその存在を維持することは出来ない。人間でさえ自然を破壊し、無自覚に世界を蝕んで生きている。

考え方や種族は違えど、妖怪や神は全てイライザに等しい存在であるとも言えるし、かつてのレミリア達のように意図的に他者への害を及ぼす事もあるだろう。

それらに対して存在そのものが危険だと言ったり、周囲への害を考えて悪と断定してしまえば、その先にあるのは人も妖も神も居ない、誰も存在出来ない世界になってしまうだろうと指摘する……

525:終焉の刻◆gI:2021/10/31(日) 17:47

《・・・・・アンタの言い分にあれが当てはまるの?今目の前にいるのは、アンタのような考えの持ち主の言い分も込みで何もかも見越してでも誰かの命を奪って数多の悲劇を生み出すことを生き甲斐とした悪魔、アンタの言い分だとそれらは全て明確な純粋な悪意というものを知らない場合の相手にのみ通用するものだけれど、コイツの場合は違う・・・・・

明確に、故意に悪意を持って全てを踏み躙る最凶の悪魔、明確な悪を滅ぼすのとこのまま多くの命が犠牲になるの、アンタならどっちを選ぶの・・・・・?》

(神降ろしの巫女の問いかけに対し、逆に霊夢は神降ろしの巫女だったら明確な悪を滅ぼすのと多くの命を犠牲にするのどちらを選ぶのかと問いかける・・・・・

神降ろしの巫女の考え方だと、純粋な悪意というものを知らない相手にのみ当てはまる考えだとも霊夢は言う・・・・・)

526:神降ろしの巫女◆3.:2021/10/31(日) 21:12

神降ろしの巫女
『何も相手を滅ぼすのを否定している訳じゃない……
だから貴方の問いに対する私の答えは"滅ぼす"
私が言いたいのは善悪と言う限られた範囲だけで物事を考えるんじゃなくて、相手と言う存在の目的や存在を理解した上でその本質を読み、戦う。
貴方の言葉では他に害を成すものは無差別に滅ぼすように感じられる。』

神降ろしの巫女
『私は相手を滅ぼす間際まで……妥協点を探り続ける。
互いが互いに妥協点を見付け、互いの存在出来る領域を侵さないようにする共存の道を探し続けてきた。
それに対して貴方は他者を滅ぼす事、敵を打ち負かす事だけを望んでいるように見えた……』

巫女は霊夢の考えや、これまでのイライザを見下すような言動を取ったり、挑発を重ねて相手を追い込み反撃の隙を与えたりと、その言動から霊夢は異変の解決や幻想郷の守護ではなく、単なる破壊や殺戮を好む通り魔的な性格であり、正義や使命はそれを美化するための装飾であるようにしか感じられないと応える。

それに対して神降ろしの巫女は相手との戦いの中で妥協点を探して語りかけつつ、油断も慢心もしない、妥協点を探ろうとしても理解し合えない、共存する道はなく、相手もそれを望まないと言うのであれば殲滅する。

霊夢の姿勢や態度について神降ろしの巫女は問いかけ続けている。

527:女王と巫女◆3.:2021/11/01(月) 04:23

イライザ
『御託を並べるつもりなんてないわよ?
何よりも強く、老いて弱まることも、醜く朽ちる事も無い私こそ世界の支配者に相応しい。強い者は何をしても許される。その邪魔をするのなら貴方もゼノンも滅ぼしてやるわ!!』
【幻魔「禍災の爪剣」】


霊夢(初代憑依)
『……………………。』
【「神威」】

イライザは両腕を広げ、自身の周囲の周囲の悪夢の空間から槍か剣のように巨大かつ鋭利な爪を生やした無数の巨大な腕を出現させ、それを霊夢に向けて伸ばすものの、霊夢はその爪撃の軌道を読み取り、微かな隙間に体を捩じ込み、弾丸以上の速さで向かって来る巨腕を避け、そのまま神気を纏ったままイライザに向かって衝突し、イライザを弾き飛ばしていく。




イライザ
『ぐ……ッ……!!』

イライザ
『(明らかに動きが変わった……?また別の奴を憑依させたようだけれど……さっきの奴と同じようにその精神体そのものを破壊してやれば………)』
《ドゴオォォォォッ》

イライザは弾き飛ばされつつ、弾き飛ばされた先にあった悪夢の肉壁に入り込み、そのまま後方に下がる事で術の発動までの時間を稼ごうとするものの、霊夢はまるで悪夢の肉塊を何の障壁ともせずに突っ込み、神気
纏ったままイライザの元まで移動すると、イライザが回避や防御をするよりも速くイライザの腹部を拳で撃ち抜き、更に奥まで殴り飛ばす。

先程までどれだけ攻撃しても無傷であったイライザが明確にダメージを受けているどころか、イライザの自慢の術や能力をまともに使う暇さえ与えずに攻撃を重ねていく。
この"神威"と称された技は自身の体に神すら浄化できる程の強力な神力を纏い、自身の身体能力を極限にまで高め、光に匹敵する速さで攻撃と移動を行う事で対象にまともな反撃すらさせずに追い詰める技となっているけど

だが、初代巫女の操る力は今の霊夢の肉体にはあまりにも過剰な力であるため、少しずつ霊夢の肉体には強い負担がかかってしまっている……

528:終焉の刻◆gI:2021/11/01(月) 05:58

《今、アイツが言ったのが聞こえなかったの・・・・・?力を持つ者ならば何をしても許される、アイツは今そう言ったのよ・・・・・?》

(イライザは、純粋な悪意の持ち主・・・・・

今こうしてイライザを滅ぼす滅ぼさないの話し合いをしている内に万が一自分がやられてしまったら、世界は間違いなく破滅へと向かうだろう・・・・・

そうなってしまえば、もっと多くの犠牲が出てしまう・・・・・

大きくなりすぎた悪というものは、もはや災害なのだ・・・・・

自然災害とは違う、明確な悪意のもと行われる人災なのだ・・・・・)


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