このスレッドは、怪盗レッドのオリジナルの小説を書く所。
オリジナルキャラクターを使うもよし、本家のキャラ崩壊がないかぎり、基本的にどんなネタでもいい
でも、他人のパクりなど、そういうネタはやめましょう。
そして荒らし、暴言などはやめましょう。
と、堅苦しく挨拶したところで、このスレッドは開始だぜ!
真面目な小説を書いてみる
アスカ視点
・・・私が目を覚ましたのは、薄暗くて若干ホコリっぽい場所。周囲を見回すと、飛び箱やマット、バレーボールなど、学校の体育の授業などで使うようなものがそろっている場所。学校の体育館倉庫だろうけど、私の通っている春が丘学園の体育館倉庫じゃないことがわかるけど、正直こんなに冷静な私は初めて。いったいなんで?
「やぁ、お気づきかい?にしても、案外可愛い顔じゃないか。」
そこに現れたのは、金髪で、いかにも悪いことをしてそうな顔の人。若いから、多分二十歳くらい・・・だと思う。で、隣にいるのは、ペンキを塗りたくったような凄い赤色の髪の女の人だった。美人・・・なんだろうけど、二人とも日本人じゃないってことはわかる。
「褒めたって何も出ませんよ・・・」
私は言って見るけれど、レッドのユニフォームもないのに脱出する方法がわからない。まず絶望なんだろうけれど、蒼太にも言われた。”窮地な時には冷静になれ。焦りは判断力を鈍らせる。”
「ん〜・・・連れないねぇ。”お友達”もさらって来たのにね。」
友達・・・?まさか優月や実咲!?
私は驚いて目を見開く。すると金髪の男性は笑って言った。
「この銀髪の子さ。」
そう言って金髪の人の前に出たのは、ややちゃん・・・・・じゃなくてコルウスだった。しかも無表情。
私はチョイチョイと手招きをして、コルウスをこっちまで寄せて、耳元でささやく。
「なんでアンタが捕まってんの!?」
「食い物をやると言われて連れてこられた。美味かったけどな」
ああ、睡眠薬盛られたの・・・・
「まぁ、彼は大人しくついて来たし、君の携帯から電話をかけさせてもらうか。」
すると金髪の人は私のスマホを操作し始めて、赤髪の人が私の首にナイフをトン、と当てた。
『今から言う通りに喋って』
彼女の言った言葉は英語で、私にわかるはずがない。というか、理解できたらノーベル賞だよ。
「今から言う通りに喋れ・・・だそうだ」
コルウスが翻訳するけど、納得がいかなさ過ぎてますます苛立ってくる。
「『お父さん、今から帰りが少し遅くなるけど許してね』と喋ればいいよ。」
金髪の人がスマホを私に向けながら言って来る。
『アスカか。どうした?』
「あ、お父さん・・・・今から帰りがおそくなるけど・・・許し」
『アスカ、誘拐されてんのか。じゃあ行くから待ってろ』
「え?」
プツッ
電話は一方的に切られた。でも、一つだけわかった。電話の向こうには、千桜くんがいたってこと。
「チッ、誰だ?まったくヒヤカシのような電話を入れて・・・」
金髪の人がドン!と床を強く踏んで、金髪の人の物と思えるスマホを取り出して、電話し始めた。
「俺だ。早く来い。例の女を連れてきた。”生物兵器”にする価値はありそうだが」
”生物兵器”という単語を聞いて、私の顔は真っ青になった。私が生物兵器になってしまうかもしれないということ、そしてこんなときでもコルウスが半分寝そうな目でいることが。
「なぁアスカ・・・これはコイツらを倒せばいいのか?」
「で、でも私今動いたら死ぬんだよ!?」
「そんな玩具で人を殺せるってのは馬鹿の発想だな」
コルウスは手馴れた手つきなのか、私の首に当てられているナイフを、ポッキーでも折るかのように折って、折った部分を金髪の人の首に投げた。
「ぐっ・・・・」
金髪の人は血を流しながら倒れた。
「致命傷じゃあないが、もう動くのは無理だろうな」
コルウスは血を指に当てて、ペロッ、と舐めた。
「マズっ」
コルウスはそう呟いて赤髪の女の人の後ろに回りこんで、手刀を食らわせて気絶させた。
「今のうちに逃げるぞ」
コルウスと私は倉庫の扉を開けて逃げ出そうとすると、そこには数人の男がいた。多分さっきの男が呼んだ人だろうけど。
「ったく・・・・邪魔なんだよなぁ」
コルウスはどんどん黒服の人を殴って倒すけれど、倒し損ねた黒服の男が何かスプレーみたいなのをコルウスに吹きかけた。
「ッ・・・・・・!!」
コルウスは一瞬で表情を変えて、ショックでもしたのか、そのまま気絶した。
「コルウス!」
「へっ、手間取らせやがって!さぁ連れてくぞ!」
黒服の男の手が私に伸びた瞬間―
その手は止まった。
「何をやってんだ?」
そこには、目が殺意に満ちたお父さんだった。いつも熊みたいに大きい体が、一回りも二周りも大きく見える状態だった。
「ウチの娘に手を出したあげく・・・また連れて行こうとはな。相手も自分も無傷―今はその掟を捨てる。容赦ない処刑を見せてやる」
お父さんは、私が目で追えない速度で黒服の男達の頭を叩き潰していた。お父さんと一緒に来た千桜くんと、蒼太も目を見開いていた。きっと目で追えなかったんだと思うけれど。
「さぁアスカ、帰るぞ。」
お父さんは、まるで修羅のようだった・・・・それが私の感じたことだった。
終わり(なんだったんだいったい)