>>5の続きから
「未来ってかわいいよね〜♪」
来たこれ……私が一番苦手な言葉。
私、相場未来[アイバミク]11歳、小学六年生。
正直、自分は特別だと思っている。
かわいいってよく言われるし、
頭がいいともよく言われる。
自惚れだってわかってるけどね。
そして本題に戻ると、私の一番苦手な言葉が「かわいいよね」。
うらやましいと思う人もいるかも知れないけど、正直反応に困る。
妹の未理なら笑って「ありがと〜♪」ですませるんだろうけど。
私にはそんな高等技術使えないよ。
だから笑って曖昧に「そんなことないよ〜!!」って誤魔化しておいた。
双子の妹の未理は、私とは全然違う。
明るくて、いつも元気で笑っていて、
いつでも友達に囲まれているような。
私はいつも真面目そうな堅苦しい感じの空気が漂っていると思う。
特定の友達は出来ず、いつも話しかけてくる子と適当に過ごしている。
これが、普通だと思っていた小学六年生、春___
>>8の続きから
「ただいま〜」
私は家に帰ると真っ先に自分の部屋へ向かった。
子供部屋で、姉妹共同だ。
部屋には、未果の姿しか見えなかった。
双子の妹、未理がいない理由は多分遊びに行ったからだろう。
実は、私にはもう一人妹がいる。それが未果だ。
未果は、私の一つ下で小学5年生。
正直、未果は苦手だ。
理由は、ひいきされているから。
私の家は母子家庭で、父親がいない。
母親は、女手一つで私達3姉妹を育ててきた。
私と未理は、ずっと公平に育てられてきた。
でも、未果だけはずっとひいきされている。
未果もそれを当たり前だと思っているから苦手だ。
未理が出掛けている今、部屋には私と未果しかいない。
私は仕方なく部屋の隅に座り本を開いた。
未果も宿題を始めた。見えない壁が貼られたようになる。
すると、未果は急に私に近付いてくると、私の顔の前に計算ドリルをつき出した。
「分からない、教えて」
無愛想にそう言った妹はなんてかわいくないのだろう。
仕方なく、私は教えることにした。
(未理、早く帰ってきて…)
そう、願いながら__