「赤クレヨンと少年」
暗い 暗い
部屋の中
真ん中にぽつりと少年
右の手には
赤のクレヨン
そして今日も描く
助けてと
何して
閉じ込められた
皿を割った
云う事を聞かなかった
目障りだった
只の理不尽も
少年にとっては
理由となる
子供であるがゆへに
どんな暴力も
愛として
受け止めるしかなひ
壁に助けてと
出して下さいと
無き声で叫ぶ
やがて忘れ去らるる
見つかつた少年
白骸となりて
手に握りめたるは
赤ひ小さな欠片
第玖部
『南瓜の報復』
>>14
『小箱親』
>>15
『鶏絞』
>>17
『林檎化族』
>>21
『一夜限道化』
>>60
『氷女王』
>>72
『華汚』
>>79
『赤クレヨンと少年』
>>80
『色山羊に妄呵責』
>>81
『吉遊情事』