「色山羊に妄呵責」
それは人であり
人間でなかった
皮を被った
色欲の山羊なり
欲の侭に
私の体に触れ
口付けを交わそうとした
其の時の感触は
今でも残りたり
己は私に問ふ
されし事を黙るのは
己の罪なりや?
周囲に助けを求むる事せず
只 己が内に閉じ込めて
過ぎ去る時が流してくれると
お思いか?
私は己に云った
若し願いが
叶うと云うのならば
私は
色欲の山羊に
呵責をしたい
生きた侭 皮を剥ぎ
癒えぬ 責め苦を与え
そして“_”したいと思う私は
罪なりや?
思ふ事は罪では無い
するとならば罪だがな
第玖部
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