時を駆けて、初恋*します。

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1:リリカ@恋歌◆JA:2017/09/03(日) 16:18


*プロローグ*

出逢えたら良かった。
でも。

「私たちは出逢ったらいけなかった。すぐに、もとの世に戻れ」

私たちは逢ったらダメだった。
彼は、そう言った。

396:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/12(木) 21:12

>>395 ありがとう!弁慶さん、デカい感じするよね(笑)

397:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/12(木) 21:25

3,急接近!

平氏の船に、着物姿の女。
着物姿に変わってるけど、間違いなく、私のお母さん。

「・・・あの野郎!」

思わず、つぶやいて、義経さんが私を凝視。
ヤバッ!

「は、母上にそんな口を・・・!?」

私は、慌てて口を閉ざす。
でも、義経さんは面白がっているような表情。まるで、いたずらっ子みたい。

「面白いな。夏音、お前を俺の妾としても良いぞ。静みたいには、可愛がれるかは別としてな」

はぁぁ!?
妾!?
愛人!?
私、開いた口がふさがらない。
この人・・・。
ブラコンかと思ったけど、ロリコンだったりするの!?
私は、宇宙の果てまで引いた。

「・・殿。また、しょうもない悪戯を・・・」

ナイス、弁慶さん!
義経さんは、それはそれは魅力的な笑顔を浮かばせて、チャラチャラと手を振った。

「仕方ないな。そこの者に、免じて止めてやる」

そこの者、と指した先には、沖田さんと土方さん。
土方さんは、明らかに怒ってたし、沖田さんはにこにこ。
でも、背後からすごい殺気を感じるから、どれだけ怒ってるか、よくわかる。

「ただし、」

義経さん、またまた笑顔。

「我ら源氏に、平氏を討たせろ」

そんな事ぐらい、おやすいご用。
妾にされるよりは、嬉しいからね。  

398: アーヤ◆/E:2017/10/12(木) 21:46

土方はすぐに顔から出てきているのはお見通しだけど……、やっぱり沖田さんはね笑顔が黒く見えて笑っていないからオーラーが殺気で余計に怖く見えるからね苦笑だよ

この正反対な土方と沖田さんは夏音にって言うより関わると怒ってしまうことが、分かって面白そう二人は無器用ですね

399:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/13(金) 17:59

>>398 ありがとう!不器用だから、さらに面白いよね(笑)

400:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/13(金) 18:05

祝、400!
嬉しいです〜!
改めて、コメントくれた方々、ありがとうございます!

─────────────────────

「与一、矢を射ろ」

義経さんは、ある一人の武士に声をかけた。
武士は、それなりに整った顔立ち。

「はっ」

弓と矢を取って、矢を引き絞る。
緊張した空気。
ここで、ふざけた事言ったら、私が射られたり・・・。
なんてこと、考えていると。

ビュッ

音を立てて、矢は平氏の船に向けて、放たれた。

「きゃっほー☆」

お母さんの声が、聞こえる。
きゃっほー☆って、言ってる場合じゃないのに・・・。
殺意が当社比、120%増す。
義経さんが、

「あの平氏の女、面白い。あの女だけ、救ってやろうか」

義経さん・・・。
義経さんと、お母さん、同じ匂いがする。
その匂いってのは、“誰彼かまわず、迷惑をかける”匂い何だけどね。   

401: アーヤ◆TQ:2017/10/14(土) 06:20

だんだん夏音って本当に小学生なのって驚かせられるけど苦労人も大変だね…😓

同じ匂いだけど頑張って付き合って夏音

402:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/14(土) 07:43

>>401 ありがとう!義経さん+ハチャメチャお母さんが会ったら・・・夏音、さらに苦労人(笑)   

403:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/14(土) 09:38

ああ、頭が痛い・・・。

「なんで、私の周りには、迷惑を顧みないのが多いのよ〜〜!」

絶叫してしまうのも、仕方ないでしょ。
絶叫してしまい、源氏の船がぐらりと傾く。
嘘・・・。
海はもう目の前。
それが、ぐらっと傾いたら。
私、海に落ちちゃう!
ヤバい・・・。

「夏音さん!」

沖田さんの声が聞こえたけど、私は海にバッシャーン!
はっきり言って、私は、水が苦手。
プールでも、あんまし泳げないし・・・。
あーあ。
私、溺れ死んじゃうのかな・・・。
沖田さんに、好きって言えないまま?

ガシッ

え・・・?
私の手を、誰かがつかんだ。
私は、無我夢中でその人にしがみついた。 

404: アーヤ◆TQ:2017/10/14(土) 11:10

私の予想では、夏音を助けたのが沖田さんか土方かなっと思っています。
夏音にベタボレとはいかないけど大切にしたいって気持ちで助けてくれる人ってこの二人って思える、いつも助けてくれるからみるの楽しみ。

これで進展とかしたらもっと良い感じだね🎵

405:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/14(土) 15:14

>>404 ありがとう!予想は、当たってると思うよー(笑)
進展は、するね(*^^*)

406:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/14(土) 15:24

バシャッ

ん・・・。
此処は、船?
私・・・。
海に落ちたんだっけ!?
で、誰かに助けられて・・・。

「小童」

土方さんが、私を助けたの?
いや、違う。
髪が濡れてないもの。
って、事は・・・。

「良かったな、総司が救ってくれてな」

やっぱり!
沖田さんが、助けてくれたんだ!

「沖田さん、ありがとうございます!」

沖田さんは、濡れた髪を絞っていた。
私が礼をすると、沖田さんは、にっこり微笑んだ。

「良かったです」

あーん、沖田さん!!
私、何回、惚れ直したんだろ! 

407: アーヤ◆TQ:2017/10/14(土) 15:49

やっぱり沖田さんだった(*≧∀≦*)

何回沖田さんに惚れ直したって言っても数え切れないぐらいだよ、だって私も惚れ直してしまったからね🎵
沖田さんsideと土方sideの夏音が海に落ちていくのをどうみたか二人の視点でみたい。

408:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/14(土) 16:49

>>407 ありがとう!夏音、かなり、惚れ直してるもんね(笑)
沖田さんに、惚れ直してくれたら嬉しいです(笑)
よーし、沖田さんside、土方さんside、書いてみるね(笑)  

409:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/14(土) 17:00

4,守る ※沖田side

「なんで、私の周りには、迷惑を顧みないのが多いのよ〜〜!」

夏音さんの絶叫。
何となく、わかったので苦笑しかできない。
と・・・。
船がぐらりと、傾く。
夏音さんの顔が、真っ青になった。

「夏音さん!」

叫ぶけど、遅かった。
夏音さんが、海へと落ちていく。
考えるよりはやく、体が動いていた。

「総司!」

土方さんが、叫んだ気がした。
が、夏音さんの手をつかむ。
無我夢中でしがみつく夏音さんを支え、船へと戻る。
必ず、自分が守らなければいけない。
もう一度、決意して、船へとあがった。  

410: アーヤ◆TQ:2017/10/14(土) 17:23

沖田さんのそういう行動は、とっても素敵ですし夏音に対する想いがだんだん強くなっていく様に思います。
沖田さんの「必ず、自分が守らなければいけない」決意が強く感じて、沖田さんは夏音への想いが増しているけど最後は悲しい結末って分かっているからこその切なさですね……
夏音は幸せものです

411:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/14(土) 18:36

>>410 ありがとう!確かに、夏音はかなり幸せ者だよね(*´ω`*)

412:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/14(土) 18:47

5,自己嫌悪 ※土方side

「夏音さん!」

総司が、海へと飛び込む。

「総司!」

叫んでも、聞こえてないらしい。
いつも、屯所で見せていた、なよなよな姿は、何だったのか。
俺は、驚くと一緒に、悔しかった。
なんでだ。
いつも、総司はアイツを守れるのに、俺は・・・。
軽い自己嫌悪に陥りながら、しがみついているアイツを抱えている、総司を見ていた。

「ん・・・」

目を開けたアイツは、此処は何処か、確認するよう、あちこち見渡している。

「小童」

声をかければ、不思議そうに見上げられた。

「良かったな、総司が救ってくれてな」

若干、嫌味が入っているが、アイツは気にせず総司の所へ。
あぁ、むしゃくしゃする。
アイツを助けたのは、総司で。
アイツが感謝するのも、総司だ。
照れたような表情も、何かもが、嫌だ。
俺は、駄々っ子かよ・・・。 

413: アーヤ◆TQ:2017/10/14(土) 19:19

土方が駄々っ子って可笑しいけど始めから辿ってみると……うん!正直言って駄々っ子だけど、それはそれでツンデレと違うギャップに萌えるからね🎵
面白いよ本当に

414: ろぉ ◆ hoge:2017/10/14(土) 22:56

かっっっっっっっっっっっっわいい…



   リリカさん°ʚ(*´꒳`*)ɞ°.

 いきなりなんだと思ったと思いますが、土方さん可愛すぎるでしょおおおおおおお!!!!!!!!!何なんですか、もう!!!((あーもう可愛い、存在そのものが可愛い((
 新キャラ?の弁慶さんも中々のキャラですな…うむ((沖田さん、土方さん(個人的に斎藤さん)といい勝負!!また出てきて欲しいです((はい、無視でいいです。
 義経さんとお母さんの匂いはそんな匂いじゃないでしょ!!((お母さんのおかげで沖田さんと出会えたんだからね!?((←何様wきゃっほー☆ってw今更ながらもお母さん主人公で長編小説できるほど、キャラ濃いっすなwある意味怖い…

 ( >>390
 聖地なんですか!私もまた行きたいです。其所行って初めて知ったのですが、局中法度を破って切腹…って、いやいや、局中法度の1番?すごく抽象的ですよね。まあそこが、らしいと言えばらしいのですがw改善しても良かったのでは。まあそこがらしいと言えばらしいのですが((←2度目wはい、余談ですね。すみません; )


 

415:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/15(日) 08:59

>>413 ありがとう!駄々っ子というか、夏音に関すると、かなりギャップがあるよね(笑)

>>414

ありがとうございます!
土方さんのギャップ、ヤバくて、書いてても萌えました(笑)
斎藤さん、次こそは出ます(笑)
おまけで、番外編書こうかな・・・(*^^*)
確かに、あのいろんな意味で濃いお母さんがいないと、物語始まってませんね(笑)
キャラの濃さ、ほんと恐怖で・・・どう暴走するか、計り知れないです(笑)
切腹は、今じゃあり得ないし、ほんとびっくり。
その時代に生まれてなくて良かった(いや、生まれたかったかも)。
これから、時代ごとに、濃すぎるキャラがでるかもしれませんが、なにとぞよろしくお願いいたします。  

416:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/15(日) 09:06

6,悪戯大好き、義経さん

「夏音殿、助かって良かったです」

弁慶さん、ありがとう!
体格も大きいし、背もかなりあるから、ちょっと怖いけど、優しい人だね。

「落ちて、平家に拾われれば良かったのに」

酷薄な言葉を吐いてるのは、義経さん。
でも、顔は笑ってる。
子どもっぽくて、純真だな。
これに怒ったのが、弁慶さんで。

「殿!何を言ってるんですか!?」

「弁慶は、女には優しいもんな」

おちょくるように、義経さんが言う。
一言、多いな。
沖田さんが、クスッと吹き出す。

「土方さんみたいですね。一言多いところが」

確かに!
でも、沖田さん、義経さんみたいだな。
ごくふつうな感じで、土方さんをいじってるし。
やっぱり、最強はこの人だ!
私は、改めて感じた。 

417: アーヤ◆TQ:2017/10/15(日) 09:14

確かに最高だね🎵

斉藤さん早く出てきて欲しいですし、沖田さんと土方と良い勝負になりそう夏音好きの三人がね

あと更新したよ、仁湖に注目してね

418:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/15(日) 10:20

>>417 ありがとう!斎藤さん、番外編から出るよー(笑)
仁湖くん、いろいろクセがあって、おもしろいね!

419:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/15(日) 10:29

(おまけ)

7,留守番組の日常 ※斎藤side

あーあ、つまんねぇ。
副長も局長もいねえし、何よりも夏音がいない!
夏音がいないと、つまんないし、アレだな。
男所帯でむさ苦しい。

「なぁ、山南!つまんねぇよな!」

山南は、不思議な顔をした。

「・・何が?」

何ってなぁ、いろいろと。
あぁ、いじくるのが難しい。
仕方ねぇ。
左之さん、いじるか。

「なぁ、左之さん!」

「ん・・・。飯、食べてぇ。腹、減った」

此奴もか。
左之さんは、食べ物しか興味なかったっけ。

「つまんねぇ」

副長がいたらいたで、怖いけど、いなかったらさらにつまんねぇ。
山南が、   

「なら、寿司でも食べに「行くぜ!」

左之さん・・・。
食いつきがすごいな。
俺も、立ち上がった。
留守番組は、つまんねぇ。 

420:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/15(日) 10:32

8,弁慶さんの好きな人

義経さんが、さらにいじってる。

「建礼門院様だぞ!弁慶の・・・」

弁慶さんの・・・!?
気になる!
義経さん、ニヤリ。
弁慶さんは、顔を真っ赤にさせる。
もしや・・・。

「想いを寄せる、憧れの人だな」

つまり・・・。
弁慶さんは、建礼門院様が好きなんだ!

421: アーヤ◆TQ:2017/10/15(日) 10:36

夏音ってやっぱり凄いけど、斉藤さんがまず面白いことにツマンナイ発言で分かった。
土方も夏音が沖田さんを見つめているとツマンナイって思うことと一緒だって感じにモテている夏音は罪な乙女だよね?

422: アーヤ◆TQ:2017/10/15(日) 10:41

憧れの人がいるの弁慶!!

更に驚きだよ。
続きが気になるよ!

仁湖は今後ドンドン出す様にしてみます、解斗の弟だから兄弟関係もいずれ書きたいって思っているよ!

423:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/15(日) 11:49

>>421 ありがとう!夏音は、沖田さんloveだけど、まあモテて、罪だよね〜(笑)

>>422 兄弟関係、気になるよー(笑) 

424:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/15(日) 12:00

義経さん、さらにニヤッ。

「夏音、あっちの船を見ろ」

うん?
平氏の船?

「平氏の船に、弁慶の好きな建礼門院様が居るぞ」

そうなの!?
見たい。
弁慶さんが、どんな人を好いてるのか。

「でもな、建礼門院様は、帝の母で、清盛の娘だから、叶わぬ恋だ」

ええっ!?
よりによって、バリバリの平氏を!?
弁慶さん、赤くなって、いじいじ。
大きいのに、こういう時は、なんかね・・・。
恋する男って、感じで、微笑ましい。
弁慶さん、反撃に出た。

「そう言う殿こそ、静殿を放っておいて良いんですか?」

義経さんは、ハッと、

「静!心配だ・・・。そうだ!」

えっ・・・。
義経さんは、私を見てにこっ。
何々。
怖いんですけど・・・。

「夏音。静が心配だから、静のそばに居ろ」

ええっ!?
私が!?
って言うか、静さんは何処なのよ!
義経さん、またまたにこっ。

「京に居る。はやく、行ってこい」

失礼な!
か弱い乙女(一応、私よ!)を、京まで走らせるの!?
此処、何処かわかってる!?
壇ノ浦よ、壇ノ浦!
義経さん、まったく心配してない顔で、

「そのへんな物で行けば、良いだろう」

義経さんが指した先には、タイムスリップマシーン。
そういや、コレがあったんだ。
場所指定、できるのかな?
まあ良いや。
私は、タイムスリップマシーンに乗り込んだ。  

425: アーヤ◆TQ:2017/10/15(日) 12:55

義経やっぱり人使いが荒いよ、あとヘタレだって感じがする。

426: アーヤ◆TQ:2017/10/15(日) 14:01

女子と思っていないところも面白いね

427:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/15(日) 14:33

>>425 ありがとう!人使いの荒さは天下一品かもね(笑)

>>426 女子らしく・・・見えないからね(笑) 

428:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/15(日) 14:41

9,静御前

静さんに会うために、私は、タイムスリップマシーンに。
時代は・・・『平安時代後期』。
場所は・・・『京都』。
これらを押したら。

ブワンッ

スッゴい風圧。
今までにないほどで。
良かった、沖田さんや土方さんがいなくて。
変になった顔を見せることになるもの。

「着いた!」

私は、タイムスリップマシーンから降りて・・・。
ヤバい!
場所、聞いてくるの忘れた!
どうしよう・・・。
固まってると、一人の綺麗な女の人が。

「どうしたのですか?私で良ければ、何かお助けできるかも」

天使だぁ!
この時代に、天使がいるっ!

「じゃ、静御前って言う人を捜してるんですけど、わかりますか?」

女の人は、フフフッと微笑んだ。

「私が、静です」

何とっ!
いきなりどんぴしゃ。  

429:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/15(日) 16:04

10,静の悩み

静さんは、にこりと、

「静で良いわ。あなたは、どこから来たの?」

静さん────いや、静は、私に聞いた。
私は、

「壇ノ浦・・・義経さんに頼まれて」

静、微笑む。
花の咲くような温かい、笑顔。
花に見立てるなら、桜かな。
義経さんが惚れた理由、何となくわかるかも。

「そうなの。義経様が・・・」

ん?
どうしたんだろう?
義経様と言ったとき、静のキラキラ輝いていた目が陰った。

「どうしたの、静?」

静は慌てて、目線を上げた。
でもすぐに、視線を泳がせる。

「聞いてくれる・・・?あなたは?」

名乗るの忘れてた!

「私は、夏音」

静は、弱々しく笑った。  

430: アーヤ◆TQ:2017/10/15(日) 16:16

まさに着いてから探さないで、声をかけたのが静だったとは驚きだ❗

静の悩みは絶対に義経だって感じてしまうよ!
言って欲しい言葉を後先考えずに、やってしまうことかな私の予測では?

431:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/15(日) 16:57

>>430 ありがとう!静の悩み、義経の事だよ(笑)

432:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/15(日) 17:02

「義経様は、いつもいつも、頼朝様しか見なくて。私に素っ気なくて・・・」

恋する乙女!
静の悩みは、深刻だね。

「・・・軽率な行動は、あまり頼朝様に評価されないって何度も言ってるのに・・・。義経様は・・・」

聞き入れてくれないのかな。
ひどい。
それで、彼氏面なんて!
義経さん、最悪!

「頼朝様を、尊敬するのは、別に良いけれど・・」

「良くないよ!静が悩んでるもの!」

これは、義経さんが悪いパターンだから、あっちを反省させないと。
静はクスッと、

「ありがとう、夏音」

私は、ひたすら考える。
どうすれば良いかな・・・? 

433: アーヤ◆TQ:2017/10/15(日) 17:42

当たったけど予測が外れてしまうとは、でも義経酷いって思ってしまう。

反省させて罰を受けてもらわないといけないね😡

434:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/15(日) 18:08

>>433 ありがとう!義経さん、反省しないとね・・・?(黒笑い)
果たして、夏音は・・・? 

435:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/15(日) 18:13

11,作戦

義経さんの気を、静に向けないと。
このままじゃ、ただのチャラい義経さんになっちゃう。
うーん。
義経さんを嫉妬させる・・・とか?
案外、良いかも!

「ねぇ、静!義経さんを妬かせるのは!?」

静は、困ったように、首を傾げた。
いまいち、ピンときてないのかな?

「例えば、静が、義経さん以外に気がある素振りをすれば、義経さんも静を見てくれるよ!」

ただし、その後、私から、義経さんに罰を与えないとね。
静の顔が、パッと明るくなった。

「夏音、本当に良いのですか?」

「あったり前!おやすいご用だよ」

そのために、土方さんに協力を頼もう。
土方さんは、かなりの色男だもんね。
  

436:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/15(日) 18:18

沖田さんでも良いかもだけど、私が許せない。
たとえ、静だとしてもね。

「静、壇ノ浦に向かうよ〜」

「どっ、どうやって?」

私は、タイムスリップマシーンを指す。
これなら、すぐに壇ノ浦に行けるもんね!

「とりあえず、乗って〜〜」

「夏音!?」

戸惑う静を無理矢理押し込んで、私も乗り込む。
よぉし!
『平安時代後期』の『壇ノ浦』!

ブワンッ

「キャアッ、何です!?」

静の驚いた声を最後に、壇ノ浦に着いた!
ん?
沖田さんと土方さん、近藤さん、藤堂さん、永倉さんが刀を抜いてる!?
戦に参加しないと、いけなくなったの!? 

437:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/15(日) 19:59

土方さんがかったるそうに、

「めんどくせぇな。何故に、戦に加担しなければならない?」

言ってるのが、聞こえる。
義経さんが、またまたにこっ。
この人の笑顔、犯罪だよ。

「我ら源氏が勝たなければいけないからな」

あぁあ。
また、詐欺をしたんじゃない?
土方さん、返す言葉無く。
率直と言うか、軽率な義経さんにはみんなあんぐり。

「夏音。行きましょう・・・?」

「そだね、静!」

私は、静とタイムスリップマシーンを出た。
潮風が、寒くて滲みる。

「静!」

義経さんが、走ってくるけど。
静は、ぷいっと顔を背けた。
そして、土方さんの所へと走る。
静、女優になれるんじゃ?
スゴいなぁ・・・。

「義経様は、いつも私を見てくれませんわ!私、この方の方が・・・」

演技力と言うより、ホンネだったりして・・・。
義経さんが、がびーんとした顔で、

「静ァ・・・」

ドンマイ。
でも、私は、静に同情してるから、義経さんには同情できないな。     

438: ろぉ ◆ hoge:2017/10/15(日) 20:13




   リリカさん°ʚ(*´꒳`*)ɞ°.

 最近米の頻度上がってますが、大丈夫ですかね…
 わーお、斎藤さん出てる~!!うっし!((留守番組…どんまい!!まぁ屯所を守る役割として重要だからね?夏音さんが頭の中をぐるぐる回ってるのかもしれないけど…w書いてくださり、“誠”にありがとうございます!!(“”をつけた理由は分かりますよね~w)
 弁慶さんも一杯出てる~!!やった♪かっこいいですよね~!!立ったまま死んだりとか(これ弁慶さんですよね?違ったらごめんなさい;)もう凄いですよ。鑑真さん?もだっけ?座禅を組みながら死んだ人って。自分の好きなこと?というかそういう格好で死ぬ事が出来るっていいですよね、憧れます!
 義経さんを妬かせる…夏音さんの発想が現代すぎてwまぁ夏音さんは現代の方ですからね、まぁそれが吉と出るのか凶と出るのか…楽しみです!!
 えと…幕末を描いていた時って大体いつごろ、とか決まってますか?決まっていたら教えて欲しいです!!山南さんとか切腹ですからね…藤堂さんも…油小路事件(でしたっけ?)で…まぁ、敵味方関係ない!てところがいいといえば、いいのですがねw
 そういえばっ!源さんはっ!いつっ!出てくるのでしょうっ!(すみませんふざけました((殴)まぁスルーで宜しいので。なんか源さんだけ初期メンツで出てないなーって…(最近要望大杉)スルーでいいです、こんな馬鹿が見てるって思っておいてくれたら!
 まぁ、頑張ってください!!更新楽しみにしています!


 

439: アーヤ◆TQ:2017/10/15(日) 21:01

静の演技力凄い❗

けれども土方を使っては良いけど、沖田さんがやったら静でも許さないって本当沖田さんに惚れているね。
でも夏音が好きな土方が可哀想だって思ってしまう

440:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/15(日) 21:20

>>438

ありがとうございます!
斎藤さん、これから活躍しますからね!
“誠”の理由、分かりましたよ〜!
弁慶の立ち往生で、合ってますよ〜〜(笑)
自分の好きなことを、貫けるなんて憧れてます(笑)
果たして、吉か凶か!?(笑)
いつ頃かと言うと・・・1862年くらいですかね(笑)
まだ、みんな生きてるので(笑)
山南さんと藤堂さんは、案外早死になので、活躍させてあげたいと。
源さん、斎藤さんと一緒に出てくると思います(笑)
はい、頑張りまーす!

>>439 ありがとう!若干、土方さんは可哀想だけどね・・・。
でも、接近するかも・・・(笑)  

441:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/15(日) 21:25

12,予想外の食いつき

義経さん、がっくり。
そのがっくりした肩を、弁慶さんが優しく叩く。
うーん。
なんか、こっちが悪い気がしてきたよ。

「殿が改めれば、静殿は、また振り向いてくださりますよ」

それとなく、注意が入れていて、しっかり者の弁慶さんらしいな。

「・・・・・ん」

義経さん・・・泣いてる?
ちょっと悪いことしたかも・・・。

「ねぇ、静・・・って!?」

振り向いて、あんぐり。
演技のハズだったのに・・・本当に、土方さんとイチャイチャしてんじゃん!
イチャイチャって言っても、静が一方的に、だけど。

「歳三様ぁ♡♡」

あぁあ!
予想外に、静が土方さんに、食いついちゃった!    

442: アーヤ◆TQ:2017/10/15(日) 21:31

義経が何だか可哀想になってきた案外といけているけど……、土方に食い付きな静が以外だった。
土方sideみたいって思う

443:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/16(月) 17:22

>>442 ありがとう!イケメンのフェロモン、ヤバいからね(笑)
土方さんside、書くよ〜〜! 

444:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/16(月) 17:32

13,本当の気持ち

はぁ。
イケメンって、ヤバいな。
作戦のつもりが、本気で食いつくなんて。

「はぁぁ♡♡」

静・・・。
恋する乙女じゃない!
義経さんにではなく、土方さんに、だけど。
イチャイチャと言うか、静が土方さんに抱きついたり、しなだれかかったり。
義経さん、もう完全にがっくし。

「・・・あぁあ・・・」

義経さんが悪いのに、なんか静が悪いように見えてしまう。

「私の、恋人になってくださいまし♡」

目が、ハート。
静ァ。
本当に、それで良いのかな。
ジッと観察してると、僅かに静の視線がそれて。
義経さんのがっくしとした、背中を見ている。
静の本当の気持ち、義経さんに振り向いてほしいだけなのかもしれない。

「・・・それで良いのか?」

土方さんが、静に問いかけている。
私の所から、二人の話し声は聞こえなかった。
その間、私は沖田さんの所へ。

「沖田さんって、恋人欲しいですか?」

沖田さんは、ちょっと視線を下げてから、

「・・・今は、考えられないです」

そっかぁ・・・。
新撰組の事も、あるもんね。
それと、菊乃さんの事も。      

445:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/16(月) 18:52

14,認める気持ち ※土方side

静とかやらの女が、俺にまとわりつく。
正直、あんま嬉しくねぇ・・・。

「私の恋人になってくださいまし♡」

アイツに惚れなけりゃ、決めてやったかもしれねぇ。

「・・・それで良いのか?」

恋人になってくれと言うわりに、義経の方を見てるな。
もしかしなくてもな・・・。

「なんで、認めないんだ?」

静が、睨む。
あんまし、迫力ねぇな。

「・・・何を、ですか?」

あくまで、しらを切るつもりだな。

「義経を好いてる・・・だろ?」

頬が紅くなっている、当たりだ。
俺は、たたみかけるように、

「認めな。お前は、義経が好きだって事。あとさ、」

静が不思議そうに、見る。

「認める気持ちも、大切だと思うけどな」

「・・・ん。私は、勘違いしてましたわ。義経様は、私なんかを見てくれてないと思ってました。でも、そうじゃなくて」

良かった。
何故だろう、俺は、コイツと似てる。
そっから先の言葉を聞かなくても、すべてわかった。

「ありがとうございます、歳三様」

なんか良いことをした、のか?
静は、義経に向かっていった。        

446:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/16(月) 20:14

15,好きが募る

そうなんだね・・・。
ちょっと、しんみり。
沖田さんは、まだ恋人いらないんだ。
あわよくば、なろうと思ってたのになぁ。
なーんて。
沖田さんは、慌てて、

「いや、だからと言って、いらないわけじゃありませんからね!?」

ふふふ。
可愛い。
いつも、落ち着いてて、優しい沖田さんが、慌ててる。

「わかってますよ?それに私、沖田さんが好・・・」

ハッ!
私、何を言おうとしてた!?
告白紛いのを!?
いやだぁ!
急激に、頬が熱くなる。
沖田さんは、不思議そうに、

「私が、好・・・?どういうことですか?続き、教えてください」

「ムリですぅ!」

それこそ、本当の告白になっちゃうし!
それか、沖田さん、わざと!?
嫌々、そんなことない。
沖田さんは、プッと吹き出した。

「夏音さん、面白いですね」

良かった。
告白紛いのは、気づかれてなかったんだ。
それと同時に、だんだん、好きが募っていくのがわかった。

447: アーヤ◆TQ:2017/10/16(月) 20:23

土方鋭いって!!
夏音は本当に告白して、あと沖田さんわざとらしく夏音にもう一度聞いたな!

沖田さんside見てみたい

448:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/17(火) 18:06

>>447 ありがとう!沖田さん、隠れSだからね(笑)
良いね、書くよ〜(笑) 

449:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/17(火) 18:19

16,わざと ※沖田side

「わかってますよ?それに私、沖田さんが好・・・」

何となく、夏音さんの言いかけた先の言葉が、わかったような。
でも、言うのは無粋だから、あえて聞く。

「私が、好・・・?どういうことですか?続き、教えてください」

「ムリですぅ!」

顔が紅い夏音さんが、菊乃の恥じらう姿と見えて。
嫌々、そんな事はない。
否定し、思わず吹き出した。

「夏音さん、面白いですね」

僅かにこぼした笑みも、すべてが。
似ているけれど、どこか菊乃と違っている。
笑えるのは、反応。
すごく、いじってる土方さんの気持ちがわかった。
わざと、聞くのもありなのかもしれない。   

450:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/17(火) 19:43

17,相思相愛

ほっこりした空気。
そんな空気を変えたのは、静の一言。

「・・・義経様。本当は・・・」

義経さん、髪をくしゃっとさせて、フイッと顔を背けた。

「・・・大丈夫だ。はやく、京に戻れ。もう、関わらないから・・・」

義経さん・・・。
私、めちゃくちゃイライラ。
少しでも、静の話を聞いてあげても良いんじゃないの!?
そんな、勝手に決めつけるって・・・!

「義経さんって、案外、バカだったんですね」

私は、思わず言ってた。

「なんだと!?」

義経さんの顔が、一気に紅潮。
事実じゃん。

「静の考え、決めつけないでよ。どんだけ、静が悩んでたか、知らないくせに」

言った途端、義経さん、しょんぼり。

「だから、静。話して」

静の顔が、パアッと明るくなった。
義経さんは、顔を上げた。

「実は、私・・・」

静が、悩んでいた事をすべて話し始めた。
初めは、義経さんの顔が死んでた。
でもだんだん、ちょっと明るくなっていった。
極めつけは、

「私は、ずうっと、義経様のお側にいたいです!」

静のこの、言葉。
義経さんの顔が赤くなって、それから明るくなった。

「静・・・」

「義経様・・・」

あのねぇ。
此処で、抱き合わないで。
一応、壇ノ浦、戦の場なんだから。
って、言いたかったけど、止めた。
相思相愛になったから、それでいっか。
   

451: アーヤ◆TQ:2017/10/17(火) 19:48

やっぱりわざとらしく言ったね、土方の弄る気持ちが分かったとは凄い

452:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/17(火) 20:52

>>451 ありがとう!わざとな感じが良いよね(´V`)♪

453:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/17(火) 21:08

18,返品

「おいっ!源氏。コレを返しにきた」

あれ?
平氏の船?
船頭が、船を漕いで、言った。
コレって?
船を見て、納得。

「やっぱり、義経はイケメンね〜!」

この発言で、きっぱりわかった。
お母さんだ。
着物を着て、髪も流してるから、わかりにくかったけど、発言のおかげで、確認。

「・・・なんで、コレを返しに?」

来なくて良かったのに。
そんな気持ちを押し込めて、聞く。
船頭が、困ったように、

「建礼門院様は気に入られたのだが・・・。帝がその方の後を追って、海に落ちそうになり、やむなく返しに参った」

あぁあ!
またかよ!

「なんで、迷惑を顧みないのよ!?」

怒鳴れば、お母さんは飄々と、源氏の船に乗りながら、

「迷惑だったの?帝と触れ合ってただけなのに」

「だぁかぁら、それが迷惑なの!」

お母さんは、耳を貸さず、うっとりと、

「でもなぁ。やっぱり、フェルセンの方がカッコ良かったしなぁ・・・」

イケメンを批評している。

ブチッ

これは、私の頭の血管が切れたような音。

「イケメンを選ぶんじゃないわよ!そりゃあ、返品されるわよ!」

お母さんは、耳を後ろに向けた。
むっかぁ!
って言うか。

「桂さんは、放っていいの?」

お母さん、ハッ。

「やっぱし、小五郎さんよねぇ♡」

調子いい。
なんで、世の中は、こんなひどい奴がモテるのよ!?
不平等よ!
お母さんに向かって、睨む。
近藤さんと、永倉さん、藤堂さんが噂してるのが聞こえる。

「怖ぇなぁ」

「怒らしたら、かなり大変だな」

ムカムカムカ。
私は、じろっと、

「・・・なんか言いましたぁ?」

三人、慌てて首を振る。
沖田さんが、クスッ。

「局長が、夏音さんを恐れてる」

うわぁ。
笑顔、ヤバい!
また、胸がキュンって熱くなった。  

454:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/18(水) 06:34

19,わがまま

お母さんが、じとっとした目で、私と沖田さんの間に割り込む。

「此処で、イチャイチャするときじゃないのよねぇ・・・」

あんたが言うな!

「愛娘の恋路を邪魔するつもりないけど、」

いや、邪魔する気満々でしょ。
そのニヤッとした笑顔だもん。

「時と場所を考えて・・・」

なんで、あなたに注意されなきゃいけないんだろう。
お母さんは、ハッとした顔になって、

「小五郎さんは!?」

と、つかみかかって来た。
いい迷惑だわ。
私は、呆れかえりながら、

「現代に置いて来ちゃった」

仕方ないでしょ!
桂さんは、お母さんが浚われてから、全然、元気なかったもん。

「はやく、戻るわよ!夏音、みんなを集めてよ」

わがままを言うな!
って、言うか。

「どうやって、あの少年────結斗だっけ?の所から逃げてきたの?」

お母さんは、心此処にあらずと言った感じで、

「本能で逃げてきたのよ」

本能で逃げてきた!?
バカと言うか、獣みたいと言うか・・・。 

455:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/18(水) 18:28

20,源さん

呆れながら、新撰組に声をかけた。

「みなさん、そろそろ現代行きますよ〜」

それぞれが、わいわいとタイムスリップマシーンに乗る。
もちろん、静もね。

「義経様・・・」

ぐずる静を義経さんから引き離して、乗せる。
だってさ。
静と義経さんは、このあともずっとラブラブなんだから。
『平安時代』の『後期』の京都。

「夏音、ありがとうございます。私、これからは義経様としっかり向き合いますわ」

静の微笑みは、勝ち気でそれでいて、優しい笑み。
静を見送って、お母さんがなんかのボタンをポチッ。
風圧。

「幕末なう!」

お母さん、喜びようが・・・。
ってか、なんで此処に?

「新撰組の全員で行くのよ!」

全員はムリでしょ。
せめて、留守番組ぐらいかな。

「私、留守番組の人と会いたいわ〜」

・・・ハイハイ。
呼んでこいって事ね。
沖田さんたちと、屯所へ。

「山南さん、原田さん、斎藤さん、一緒に現代に行きましょう!」

屯所の奥から、喜んでる声が聞こえる。
斎藤さんだな。
いや、原田さんも?
出てきたのは、上品な山南さん。

「城里に紹介したい者がいるんだ」

あえて、城里なのは、その人にバレたらいけないから。
でもなぁ・・・。
すぐにバレそうなのは、気のせいかな。
斎藤さんと一緒に来たのは、顔はほんと武士らしくて、厳ついけど、優しい目。
体格もがっちり。

「井上源三郎だ。よろしくな、城里。・・・いや、夏音か?」

な、なぜ私の名を?

「一から聞いた」

斎藤さん!
あなたが言ったのね!?
ギッと睨めば、斎藤さんはどこ吹く風のように視線をそらした。
井上さんは、笑って、

「みんなからは、源さんって、呼ばれてるけどな」

じゃ、源さんで!   

456: アーヤ◆TQ:2017/10/18(水) 20:47

留守番組が来たよ、斉藤さん達一緒に行こう

457:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/18(水) 21:09

>>456 ありがとう!留守番組、久しぶりの登場〜(笑)

458:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/18(水) 21:23

21,摩訶不思議な二人

現代につく。
久しぶりだなぁー!
ここんところ、時代をたくさん行き来してたもの。

「茜!」

現代についたら、桂さんが一番に飛び込んできた。
綺麗な顔が、少し青ざめてたのは、お母さんが心配だったからかな。

「心配、したぞ・・・」

「あぁん♡小五郎さんったら、お上手!茜、惚れ直すわぁ」

話し方、変わったね。
いわゆる、ぶりっこって奴?
なんか、二人だけの世界に入っちゃってる。
会話が摩訶不思議だよ。
鈴ちゃんが、KIRURIのLIVEを観ながら、

「この人、夏音たちがどっか行った後、スッゴい心配してたよ?」

へぇぇ。
棒読み口調の鈴ちゃん。
棒読みじゃなかったら、ずいぶん良いんだけどな。
源さんが、視線をあちこち向けて、

「現代か・・・。面白いな」

沖田さんに話しかけてる。
沖田さんは、笑って受け流している。
いっぺん来てるもんね。
しばらく、このメンバーで過ごすのもありかもね。
もう少ししたら、桜星学園の学祭もあるし。
沖田さんと、そこで仲良くなれたら・・・!

「ねぇ、沖田さん。しばらく、此処で過ごしません?」

「そうですねぇ」

沖田さんとまったり、そんな事をしゃべっていたら。
近藤さんたちが割り込んできて、

「いいな!」

「そうしようぜ!」

えっ!?
意外と、良いの!?
って事で、私たちは、現代で過ごすことに!


(Eへ続く)  

459:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/18(水) 21:29

あとがき

はいっ、うやむやですね、D。
今回は、平安時代の後期を場所に設定しました!
有名な人と言えば・・・?
義経でしょ!
と言う事で(どういう事だよ)、義経と静御前の恋愛を書きました。
実は、続きも書きたかったんですけど・・・。安徳天皇が可哀想な事になるので、止めました。
そしてそして、初登場の源さんです!
新撰組は、いろんなキャラにしてみました。
好きなキャラがいたら、教えてください(ついでに、タイムスリップして欲しい時代などのリクエストも←)。
コメントくださった皆さま、ありがとうございます!
次も、よろしくお願いいたします。   

460:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/19(木) 06:35

『時を駆けて、初恋*します。』E

登場人物

城里 夏音
主人公。
明るい。
沖田さんに片想い。

沖田 総司
新撰組隊士。
優しい。
夏音への想いを自覚。

土方 歳三
新撰組副長。
“鬼”と言われているが、夏音に片想い中。

近藤 勇
新撰組局長。
おおらかな何事も気にしない性格。

永倉 新八
新撰組隊士。 
大食い。
好きなのは、女と食べ物。

藤堂 平助
新撰組隊士。
賢く、モテる。

斎藤 一
新撰組隊士。
明るく、大雑把。
口が軽い。
夏音に片想い中。

山南 敬助
新撰組隊士。
穏やかで、上品。
理知的。

原田 左之助
新撰組隊士。
大食らいで、妙に永倉さんと話が合う。

井上 源三郎
新撰組隊士。
夏音を妹のように思う。                   

461:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/19(木) 06:41

1,学祭

桜星学園の学祭は、毎年スゴいんだ。
高等部のお姉さまたちは、コスプレカフェしたり、いろんな内容の出し物をしてくれるの。
もちろん、小等部の私たちも、出し物は出すよ。
今年は、なんになるのかな。
そういや、高等部のお兄さまたちも、去年とか、女装コンテストとか開いてた。
今年もあるかな・・・。

「土方さん、女装したくないですか?」

私は、土方さんに聞いた。
土方さんは、驚いた顔で、

「なぜ、俺だ」

えへへ。
だって。

「土方さん、女装したらかなり綺麗だと思うんですけど」

イケメンなら、女装してもかなり似合うはず。
土方さんは、プイッと顔をそらした。

462:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/19(木) 18:11

2,久しぶりの学園

その日は、いやにうるさかった。
なんでかって?
男が5人以上いるのよ!
これが騒がずに、いられると思って?

「夏音、酒〜」

「飯も〜」

注文が多すぎる!
ご飯は作り置きして、はやく寝た。
鈴ちゃんは、ソファーで寝てたっけ。

翌朝

「何よ、コレッ!?」

私、思わず叫んでた。
だって、居間は、酒の缶が、そこらじゅうに、散らばっていたから。
ご飯のお皿とかは、水に浸けてあった。
誰かわかんないけど、嬉しいな。
しっかし・・・。
問題は・・・。

「沖田さんたち、おはようございます!」

酔っ払い男たち。
いい加減に、起きろ!
しっかし、見事なほどにみんな起きない。
沖田さんでさえも。

「どんだけ、飲んでたんだろ?」

疑問に思いながら、メモを書いておいた。
私は、学園に行かないといけないから。

「行ってきまーす」

寝ている新撰組に声をかけ、私は学祭へと向かった。

463:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/19(木) 18:19

×学祭へと向かった
○学園へと向かった

誤字、すいません。

────────────────────

「夏音、おはよー!」

蘭ちゃん!
私は、蘭ちゃんとクラスへ。

「夏音おはよう」

ゆのお姉さま!
穂乃佳お姉さままで!

「学祭まで、あとすこしだな!」

穂乃佳お姉さまは、にっこり。
快活な笑みが、スゴい似合ってる。

「ダンス部は、何をするの?」

ゆのお姉さまが、私と蘭ちゃんに聞く。
私も、蘭ちゃんも、ダンス部なんだ。

「そりゃあ、ダンスですよ!」

そのために、昼休み削って、練習してるもの。

「頑張ってね」

ゆのお姉さまと穂乃佳お姉さまは、微笑んで高等部へ向かっていった。
久しぶりの学園、かなり楽しい!  

464: アーヤ◆TQ:2017/10/19(木) 18:38

男はめんどくさいけど土方の女装ってやっぱりやって欲しい❗

鈴ちゃんが棒読み……
ある意味人の心配していないよなっと思う

465:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/19(木) 19:49

>>464 ありがとう!土方さんの女装、あるよ〜(笑)
鈴ちゃん、基本、まったり体質だもんね(笑)
お気楽と言うか・・・(*^^*)

466:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/19(木) 19:58

3,学祭の出し物

滞りなく、授業はあっという間に六時間目に。
学活だから、多分、学祭の出し物を決める。

「何か、いい案はありますか?」

司会は、白鳥真帆ちゃん。
学級委員でしっかりしてるんだ。

「はい」

蘭ちゃんが、手を挙げた。

「イケメンカフェはどうでしょうか!」

イケメンカフェ!?
新手のアイデアだね。
真帆ちゃんが、興味津々と言った感じで、

「それは、どういうことです?」

蘭ちゃんは、ニヤリと、

「イケメンを集めて、執事みたいにするんです!コレだったら、かなりいけると思います」

途端、女子が黄色い声。
私も、賛成かな。
真帆ちゃんが、

「イケメンは、どこから連れてくるの?」

「はーい!」

私は、手を挙げた。
イケメンなら!
私の家に、いるからね。

「私が、連れてきます!」

「おおー!」

みんなから、拍手をもらった。
どんなイケメンか知ったら、かなり喜ぶよ。
私は、ニヤッと笑った。
 

467: アーヤ◆TQ:2017/10/19(木) 20:30

沖田さん達がカフェをやるのってキュン死だね皆が、嫌がる土方が目に浮かぶよ( ̄▽ ̄)=3

468:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/19(木) 21:10

>>467 ありがとう!嫌がってるのも、さまになるかもね(笑)

469:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/19(木) 21:21

4,お願い

家に帰って、すぐ宿題。
さすがに、新撰組のみんなはもとに戻っていて、片付けをしていた。
缶はまとめられていて、皿も綺麗になっていた。
宿題を終わらせ、土方さんにすり寄る。

「ねぇ〜え、土方さん♡お願いがあるんですけど・・・」

語尾にハートを飛ばしたからか、土方さんが眉をひそめた。
そんなに怪しまなくても。

「今度、学祭でカッコイい人を中心にした、料亭をするんです。だから、カッコイい土方さんたちに手伝ってほしいんです」

「俺はやりたくない」

案の定、土方さんが即否定。
沖田さんが、

「それは、このみんなでですか?」

「はい、そうで〜す!」

私は、答えた。
沖田さんがにっこり。

「私たちで良かったら、手伝います」

イェーイ!
嫌がる土方さんを無視して、私はスゴく嬉しい。
もとからカッコイい沖田さんがさらにカッコよくなる!
はわわぁ♡♡
ヤバッ、鼻血出そう。

「嬉しい!ありがとうございます!沖田さん!」

私は、沖田さんに思わず抱きついた。
沖田さんの顔が、微かに赤くなった。

「夏音!」

わあっ、斎藤さん!?
なんで、抱きつくの!?   

470:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/20(金) 15:45

5,オムライス

斎藤さんは、興味津々と言った感じで、

「それは、夏音もなのか!?」

うーむ。
どうなんだろ?

「だったら、良いんだけどなぁ」

要望はようくわかったけど、なぜに抱きつくの?
斎藤さんも可愛い系だから、お姉さまたちに可愛がられそう。

「斎藤さんも、恋文もらいそうですね」

冷やかし半分に言うと、

「そんなのより、腹減った」

と、返された。
原田さんも、お腹をさすって、

「飯〜」

はいはい。
仕方ないな。
今日は、何にしようかな。
そうだ!
オムライスに決定。
手軽だし、美味しいし。
チキンライスさえ、多く作っておけば、男衆の腹も落ち着くでしょ。

「分かりました。ご飯、作りますよ」

原田さんの喜んだ声を聞きながら、私は、台所に立った。 

471:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/20(金) 17:24

野菜を切って、ご飯を炒める。
ケチャップで味をつけてっと・・・。

「できたっ!」

若干、お肉多めに入れたチキンライスの出来上がり!
後は・・・。
主賓の卵!

「美味そう!」

斎藤さん、つまみ食いは、止めてね。

「口に付いてますよ?」

ケチャップが。
私は、ティッシュを出して、斎藤さんの口を拭いてあげた。
なーんかさ。

「夫婦みたいですよね」

それも、新婚の。
斎藤さんは、めちゃくちゃニヤニヤ。
顔が溶けそうな感じ。

「夏音となら、夫婦になりてぇ・・・」

そんなに言われたら、照れるよ。
でもねぇ・・・。
斎藤さん、いい加減に沖田さんと土方さんの殺気に気づいてください。

「一さん・・・」

「斎藤・・・」

あーらら。
そうとう怒ってるよ、これは。

「一回、斬らせてください」

沖田さんが、最上級の笑顔を浮かべた。
でも、言葉と顔が合ってないから、スゴい迫力がある。

「いやいや、総司。こいつは、二百回斬らないと」

二百回!?
いやいやいや。
二百回斬られたら、流石の斎藤さんも・・・。

「いや、俺、それでも夏音と夫婦になる!」

えっ!?
どんな覚悟してるわけ・・・。       

472:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/20(金) 18:39

6,私は悪女?

私は、呆れかえると同時に、感心した。
沖田さんは、天使のような笑顔で、

「じゃあ、遠慮なく」

と、刀を抜いた。
土方さんも。
斎藤さんの顔に、縦線が入った。

「・・・本気?」

二人は答えないけど、本気だね。
斎藤さんは、慌てて、

「俺たち、仲間だよな・・・?な、副長、総司」

弁解するけど、沖田さんは何にも言わない。
斎藤さんは、話が合わないと知ると、逃げ始めた。
それと同じくして、沖田さんと土方さんが、斎藤さんを追い始める。
永倉さんが、ぼそりと、

「夏音、なかなかの悪女だな・・・」

私は、悪女なの!?

「自覚しないところとか」

うっ!
そうなの!?
私、案外、悪女だったんだ!?
ううう・・・。
かなり、ショック。
  

473: アーヤ◆TQ:2017/10/20(金) 18:54

>>469土方はやっぱり即否定していたね……
夏音が沖田さんに抱き付いたのは良いけど何故に、斉藤さんまで抱き付くの!?

>>470.>>471斉藤さん何ていう可愛さなの?
興味津々なところや夏音になついているところが、何だか仔犬みたい!!
それに夏音の冷やかしには(夏音にさえ惚れれば良いし、そう言うのは夏音から受け取る❗)って斉藤さんが言いそう。
それに、夏音の作ったのを斉藤さんだけ味見しているけど端からみれば新婚夫婦間だよね……
それに夏音の巡る争いがやっと観れるとは、斉藤さんも怖いもの知らず知らずだよね最強の二人の視線に気付かないってことは……
沖田さんの斬らせて下さいって怖いもの知らずの沖田さんΣ(゜Д゜)
土方は斬るの止めろって言うかと思えば200だよ、もうめっちゃ殺られているよ……
ってか最強の沖田さんと土方が言った言葉関係無しに本気で結婚って斉藤さんズレている!?

斉藤さんsideを何故抱き付いたのか何故結婚って言ったのか知りたい

474: アーヤ◆TQ:2017/10/20(金) 18:58

斉藤さんやっと二人の殺気に気付いたけど…、本当にズレすぎて追うほど怒らせたから遅いね
夏音は夏音で自覚していなかったら鬼にも見えるし小悪魔にも見えるよ……

475:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/20(金) 20:07

>>473 ありがとう!斎藤さん、天然キャラだね(笑)
ズレてるし、沖田さんと土方さんを着火させる能力はあるね(*^▽^*)
斎藤さんside、書くよ〜(笑)

>>474 斎藤さん、鈍いから(笑)
夏音、小悪魔系と言うか・・・かなりずる賢い感じ(笑)
ずる賢いけどそれは、天然(笑)     

476:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/20(金) 20:17

7,抱きしめたい ※斎藤side

「私たちで良かったら、手伝います」

「嬉しい!ありがとうございます!沖田さん!」

あーあ。
総司が、真っ赤になってんじゃねぇか。
ずるい。
しっかも、夏音は、総司に抱きついた。
むしゃくしゃ。
腹立つ。

「夏音!」

急に、抱きしめたい衝動に駆られた。
抱きしめてみれば、すごく柔らかい。
女を抱きしめた事はなかったから、驚いた。
驚いた夏音の顔が、可愛い。
なんで、総司しか見ねぇんだよ。
俺だけいれば、良いって思ってほしいのに・・・。     

477: ろぉ ◆:2017/10/20(金) 22:20

斎藤さああああああああああああああん!!!!!!!!!!



   りりかさん°ʚ(*´꒳`*)ɞ°.

 なんとっ!源さん出して下さったんですか!!ありがとうございます!!源さんは、あの土方さんを落ち着かせる?みたいな優しい方らしいのでそんなふうな感じが分かる話なども読んでみたいです。でも今はそんな感じの話じゃなさそうなので、もうお気になさらず。
 斎藤さんかわゆい°ʚ(*´꒳`*)ɞ°.やばすやばすーでもかわゆい面を持ちながらのかっこよさがあるからですね、ギャップ萌えっすわ。これぞ新撰組!(違います)
 沖田さんはみんなの標的ですね。沖田さんが切られそうで怖いですwまあ沖田さんもかなり強いので大丈夫そうですが。うーん…永倉さんと斎藤さん、近藤さん、原田さん、松原さん、服部さん、藤堂さん、大石さんなど集結すれば(しすぎw)…流石にこれ相手では無理ですよね。まあ術?などで色々変わりますからね(語彙力)実践とか、諸々込ではまぁ色々変わりますよね、練習と本番で人を切るのとではメンタル面などとか圧が違いそうですし。
 イケメン喫茶!おお!(普通に新撰組喫茶でいいのでは…((殴)楽しみです!私は斎藤さんと源さん希望です!!((殴
 まぁ色々リク出してくかもしれませんが、またこいつ…って思ってでも。更新頑張ってください!楽しみにしています~!


 

478: アーヤ◆TQ:2017/10/20(金) 22:43

斉藤さんも少し土方に似ているよね、夏音が沖田さんだけ見てムシャクシャするところがまあそこがギャップ萌えだから良いけどね。

沖田さんと土方が怒らせる場面も斉藤さんsideで見たいって思うので、書いてください

479:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/21(土) 14:19

>>477 
ありがとうございます!
源さん、中和できる感じになります(*^^*)
斎藤さん、ギャップが意外とありますし(笑)
可愛い系です(´V`)♪
沖田さん、土方さんと斎藤さんを敵に回しましたからね(笑)
これからどうなるんでしょ?(笑)
流石にそのメンツだったら・・・(笑)
斎藤さんと源さん、可愛い系と癒し系ですよね(*^^*)
案外、モテる人たちかも。
はい、頑張ります!

>>478 ありがとう!斎藤さん、土方さん要素が少なからずあるよ〜(笑)
怒ったところも、続きで書いていきま〜す!  

480:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/21(土) 14:29

8,怒らせたら大変な人 ※引き続き、斎藤side

「な、仲間だよな〜・・・」

期待しながら、怒りまくってる、総司と副長に聞く。
おそらく、

「仲間ですよ」

と、総司が言うはずだ。
なんとかなりそうだよな。
しかし、総司は平然と、

「仲間ですけど。二百回、斬らせてくださいね」

にっこりと言った。
嘘だろ・・・。
サッと青ざめ始めたと思わしき、頬。
総司は無理だ。
副長を説得しよう。

「副長・・・」

すがるように言えば、副長は冷徹に、

「いや、総司の言うとおりだ。斎藤、悪あがきはよせ」

言い切った。
血の気が失せてきた、顔を抑えながら、俺は逃げた。
ただひたすらに。
追いかけてくる、鬼のような二人をできる限り、見ないようにして。
 


 
  

481: アーヤ◆TQ:2017/10/21(土) 17:32

最強の鬼と最強に怒らせたら怖い二人を、怒らせるからだけど斉藤さん本当に悪あがきはよそうね……
少しだったら良いんだけど、かなり面白いから夏音を《独占したい隊》を作ったら良いかもね……(^-^;

482:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/21(土) 18:50

>>481 ありがとう!斎藤さん、悪あがきはよした方が良いかもね(笑)
真っ先に、斎藤さんが《独占したい隊》に入るね(≧∀≦) 

483:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/21(土) 18:59

9,永倉さんの良いところ

ショックでたじたじの私をよそに、永倉さんが肩を叩いてきた。

「飯〜!くれよ」

わがままな!
ムッとしたけど、一理ある。
仕方なく、私は、斎藤さんをじりじりと、壁に追い詰めて斬ろうとしている沖田さんと土方さんに声をかける。

「ご飯、できましたよ」

「本当か!?」

あのう・・・。
原田さん、素直なのは良いけどさ。
私は、沖田さんたちに声をかけたんだよ?
沖田さんと土方さんは、斎藤さんを睨んでから、食卓に着く。

「今日は、オムライスです!」

手抜きできたし、何よりも美味しいし。
お皿に盛り分けて、食卓に持って行く。

「すげぇ・・・」

永倉さん、目を真ん丸くしてる。
原田さんの口から、よだれがダラーッ。

「いただきます」

手を合わせて、オムライスにスプーンを入れる。
うむ!
うまく、ふんわりなってる!
永倉さんが、目を輝かせて、

「夏音!すげぇな!美味い!」

えへへ。
永倉さんの良いところは、素直だし、すぐ感想を言ってくれるよね。

「おかわり!」

原田さん!?
はやくない!?

「こっちも」

近藤さん、ちゃんと噛んでますか?
クスッと笑いながら、チキンライスをお皿に盛った。   

484: アーヤ◆TQ:2017/10/21(土) 20:32

原田さんの流しヨダレが凄い……
おかわりも凄い。

新しい小説を作ったので思い付きだけど前世と来世のストーリーです

485:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/21(土) 21:26

>>484 ありがとう!原田さん、大食らいだからね(笑)
新作、楽しみだよ(´V`)♪

486:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/21(土) 21:32

10,乱入者

「美味しかったです」

沖田さん!
嬉しい。
手作り料理、食べてくれるなんて、全女子の憧れだよ。
しかも、あの新撰組の天才剣士、沖田総司がだよ!
はぁあ。
死んでも、良いかも・・・♡

「ごちそうさまでした」

沖田さんが、手を合わせて、お皿を持って行った。
助かるなぁ。

「沖田さん、卵付いてます」

うっかりしていて、なんだか可愛いなぁ。
沖田さんは、慌てて頬を抑える。
子供っぽくて、愛らしい仕草。

「拭いてあげます!」

ティッシュで、沖田さんの頬に触れる。
ティッシュ越しでわかる、温かい体温。
ふふふ。
なんか、嬉しいな。 

487: アーヤ◆TQ:2017/10/21(土) 21:56

沖田さんにも可愛いところあったんだね🎵
でも惚れている二人の反応が気になるo(^o^)o

488:RINA:2017/10/22(日) 01:23

アーヤさん私と友達になりませんか?

489:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/22(日) 08:38

>>487 ありがとう!沖田さんのギャップは、案外ヤバいかも(笑)

>>488 すみません。此処は、私の小説スレなので、勧誘などは、おやめください。
それをするなら、アーヤの小説スレでお願いします。   

490: アーヤ◆TQ:2017/10/22(日) 09:34

可愛いギャップの沖田さんを、もっとみたいですし一番怖い人が急に可愛いって思うと本当にヤバイですけどもっとみたい

491:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/22(日) 11:08

>>490 ありがとう!沖田さん、ギャップ萌えするよね(●´∀`●) 

492:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/22(日) 11:15

めっちゃ、幸せ。
このまま死んでも、悔いはない!
むしろ、キュン死しちゃう。
イイ雰囲気になれた!
今まで、斎藤さんだの、土方さんが邪魔してたから。
私の目、ハートになってたりして。
ところがどっこい。
雰囲気を読まない、ヤツがいる。

「夏音〜。ご飯、ちょうだい」

お母さんだ。
私の目は、打って変わって、殺気を宿したと思う。
隣ですまなさそうにしてる、桂さんは兎も角。

「ちょうだいって。人にモノを頼む、言い方じゃないわよね?」

イイ雰囲気を壊された怒りと、調子いいお母さんへの怒りを込めて、言ったら。

「はいはい〜。じゃ、よろしくね」

むっかぁ!
乱入者のくせに!

「・・・仕方ない!やってやろうじゃないの!」

お母さんが、ニヤニヤと笑って、拍手した。     

493: アーヤ◆TQ:2017/10/22(日) 11:37

kYな一人はまたしてもおかわりする原田さんかと思ったらお母さんだったのね!!

それにしても邪魔する二人は酷いけど、邪魔じゃあなくって好きだからって二人告白せずに沖田さんに奪われて良いのもどかしいって毎回思う(/-\*)

494:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/22(日) 12:41

>>493 ありがとう!お母さん、KYだからね(笑) 
告白は・・・まだ難しかったり(笑)  
もどかしいのは、あるね(笑)  

495:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/22(日) 12:51

11,ショッピング

その後、私が苦労して二人分の昼飯を用意したかは、ご想像にお任せします。
お母さんがぺろりと、昼飯を食べ終えて、

「ねぇ。このあと、ショッピングしよ♪小五郎さんの服とか買いたいし」

うぬう。
お母さんにしては、説得力あるな。
確かに、今時、着物と袴の人、いないもの。

「わかった。いこう」

お金の問題は兎も角、行っといた方が良いに違いなく。

「車乗って!」

お金の車は、五人乗り。
つまり、何人かは残らないとダメで。
残るのは、原田さん、山南さん、源さん、永倉さん、藤堂さん、近藤さん。
もちろん、不平不満はタラタラ。  

496: アーヤ◆TQ:2017/10/22(日) 13:13

五人ってことは夏音、沖田さん、土方、斉藤さん、運転手は大人のお母さんかな?

これってお母さんは除外してみると、怖くない……夏音とお買い物で浮かれる四人が見てみたいね🎵
斉藤さんは絶対に何かしろ珍しいものをみたら騒ぎそうだって思う

497:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/22(日) 15:25

>>496 ありがとう!斎藤さん、絶対騒ぐね(笑) 

498:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/22(日) 15:35

「何で、局長が出てはいけないのだ!」

「イイ女を、捜したいのに」

「食い物が欲しいだけなのに」

他にも、たくさん不平不満を言われたけど。
結局は、沖田さんと土方さん、斎藤さんに、お母さんと私で決定。

「何で、桂さんを入れないの?」

って、聞いたら、お母さんは、澄ました顔で、

「取られたくないからよ♪」

ふぅん。
お母さんも、そんなこと言うんだ。
私は、ビニール袋を三人分用意。
お母さんの運転、荒いからね。

「行ってきまーす♪」

不満タラタラの人たちを置いて、いざ出発。
走り始めて、二分くらいで。

「う゛・・・」

沖田さんたちの顔が青くなり始めた。
ヤバいなぁ・・・。
お母さんは、そんなことに気づかず、

「イェーイ!」

なんて、言ってる。
私はと言えば、お母さんの運転には慣れてる。
小さいときから、乗ってるもん。
友達が毎回、お母さんが運転する車に乗る度、気分が悪くなってるから、もはやビニール袋は必需品。
沖田さんたちは、口元を抑えてる。
こみ上げてくるものがあるみたい。

「ヤッフー☆着いた!」

やっとだ。
沖田さんたちの顔は、真っ青を通り越して、真っ白。
ビニール袋を渡せば、三人ともあっちを向いて、ビニール袋を口元まで持って行った。
あーあ。

「なぁに。遅いわねぇ。はやく行くわよ〜」

あんたの運転が荒いんだよ!
ツッコミを入れながら、沖田さんたちの気分が良くなるまで待った。   

499: アーヤ◆TQ:2017/10/22(日) 15:47

…………何と酷い運転手ですなι(`ロ´)ノ

でも不平不満の人は、駄目なところがあるからね……言葉通りだって思うけどね?

私も更新しています。

500:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/22(日) 16:45

>>499 ありがとう!お母さんの運転、スゴい荒いからね(笑)
確かに、女と食べ物とかにしか興味ないからね(笑)
読むよ〜(*^^*) 

501:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/22(日) 16:55

祝、500!
これからも、頑張ろうと思います!
コメントをくれた方々、本当にありがとうございます!
感謝です!
────────────────────

12,興味津々

ショッピングモールの中に入る。
途端に、たくさんの女の人たちが、はぁっと溜め息。
何故か。
それは・・・。
土方さんがいるからだ!
イケメンのフェロモン、ヤバすぎ。

「マジイケメン♡」

「カッコ良すぎ〜」

モテまくってるじゃん。
そのくせ、本人は至って、冷たい。
気にしてないのか?

「なんだ、これ?」

あっ、斎藤さん。
冷たい土方さんとは反対に、斎藤さんは興味津々。

「それは、チークって言って、女の人のメイク・・・お化粧に使うんです」

「へぇ・・・」

斎藤さん、めっちゃ興味津々だね。
沖田さんが、

「進んでる世の中なんですね・・・」

しんみりと、言った。
確かに、江戸時代とはだいぶ変わってる。
スマホとか、チークとか。
SNSとかそういうのが、流行ってるし。
洋服売場に着くと。

「これ、小五郎さんに似合いそう!」

お母さん、大はしゃぎだねぇ。

「サイズ、わかるの?」

お母さんは、んんーっと唸って、

「何となくで良いでしょ。似合えば、それでよし!」

明るく笑った。
何となくで良いのかな。
ピチピチだったり、しないの?    

502: アーヤ◆TQ:2017/10/22(日) 17:10

斉藤さんが夏音に似合う洋服を選びそうですね、この状態だったら。

503:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/22(日) 18:17

>>502 ありがとう!たぶん、なるね・・・(笑)( ̄ー ̄) 

504:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/22(日) 18:25

13,バトル??

「すげぇ・・・」

斎藤さんの口、あんぐり。
顎が落っこちそう。
可愛い・・・。

「夏音なら、これ、似合いそうだな!」

斎藤さんが、可愛い服を持ってきた。
ふふっ。

「嬉しい・・・。ありがとう、斎藤さん」

お礼を言ったら、斎藤さんの顔が、緩んだ。
厳つい感じの顔が、デレーッてなって面白い。
しかも、服のデザインが良い。
レモンイエローで、可愛い。
肩出しで、今時って感じ。
センス、めっちゃあるじゃん、斎藤さん!

「こっちの方が、似合いますよ」

沖田さんも!?
嬉しいなぁ。
しかも何か、負けず嫌い感がスゴいある・・・。
ギャップ萌え!

「土方さんは、どれが・・・土方さん?」

土方さんの顔が、スゴくやりきれない切ない顔で、ドキッとした。  
 

505: アーヤ◆TQ:2017/10/22(日) 19:25

土方だけ参加しないってことは、やっぱり夏音が沖田さんが選ぶ服に?

でも斉藤さん可愛すぎですけどね
夏音初めて土方の切ない表情でドキっと高鳴ったって感じだよね……意外に強気でイジワルしているけどふとあんまり見せない表情を見せたら心配するよね……

夏音揺らいで欲しい沖田さんと土方にずっと一途だったら寂しいよ……
好きなのかなって戸惑って、土方はそんな切ない表情を一瞬で消えずに一人になりたいって弱音を誰かに吐いて欲しい。
私はいつも毎回我慢する土方の切ない表情を今はもう辛いよ見ていたら幸せになって欲しいよ夏音が気付いて欲しいね弱音に弱いところ見せたら良いんだよ……

506:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/22(日) 19:48

>>505 ありがとう!確かに、意地悪な人が、切ない顔になったら、少なからずドキッとなるよね(*´ω`*)
たぶん、本音を出せるのも、夏音にだけかも・・・。
素直になるのが、難しいのかも(笑)
  

507: アーヤ◆TQ:2017/10/22(日) 19:51

その前に何故土方が切なくしたのが気になるから、土方side見てみたい

508:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/22(日) 19:56

14,ホントの気持ち

「ね・・・ぇ・・・土方さん・・?」

どうしたんですか?なんて、言えなかった。
聞いたら、ダメかもしれないって思ったから。
僅かに、土方さんの眉が上がったけど・・・。瞳はずっと、翳りを見せたまま。
そんな哀しい目を見ていたら、周りの音も、景色の色も吸い込まれるように、見えなくなった。

「・・・・・どうしたんですか・・・?」

意を決して、聞いてみる。
そんなに哀しい顔、しないでよ。

「孤独感を感じるんだったら、私がずうっと、隣にいますよ?」

土方さん・・・。
何か言ってよ。
私は、いたたまれなくなってきた。

「・・・ホントの気持ち、教えてください」

私で良ければ。
一人で、抱え込まないでほしい。

「・・・・・・すまないな・・・」

なんで謝るの?
でも、土方さんの顔が少し明るくなったように見えたのは、気のせいじゃないよね。     

509:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/22(日) 19:56

>>507 ありがとう!書くよ〜(笑)

510:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/22(日) 21:19

15,この気持ちを ※土方side

「嬉しい・・・。ありがとう、斎藤さん」

アイツの顔は、嬉しかったのか、赤くなっていた。
それに競うよう、総司も、

「こっちの方が、似合いますよ」

と、口説いた。
刹那、どこか諦めてしまった。
俺は、素直になれない。
それは性でもあるし、これから先ずっとできない。
そんな事を、どこか遠くで感じている俺がいた。
アイツに想いは、伝えられるのか?
伝わるのか?
どっ、と力が抜けていく。

「孤独感を感じるんだったら、私がずうっと、隣にいますよ?」

優しいな・・・。
ずうっと、か・・・。
それだったら、良いな。

「・・・ホントの気持ち、教えてください」

気持ち、か・・・。
言えるわけない。
少なくとも、しばらくは。

「・・・・・・すまないな・・・」

何に向かって、謝ってるのだろう。
わからない。
アイツに気持ちを────この想いを伝えられるなら。
どれだけ、救われるんだろう。  

511: アーヤ◆TQ:2017/10/22(日) 21:26

やっぱり土方が刹那的に諦めてしまう人になる。
土方がこのままずっとこんな感じの状態だと、夏音から遠ざける形で避けるに違いない!!

幸せを祈っています

512:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/23(月) 18:18

>>511 ありがとう!土方さん、幸せにさせます(*^▽^*) 

513:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/23(月) 18:28

16,可愛い生き物

その後、近藤さんたちの分の服も買い、ショッピングは終了。
お母さんの運転にツッコミながら、心はどこかぼんやりしていた。
土方さんの事が、気になってしまって・・・。
これから、どう接すれば!?

「夏音さん、着きましたよ・・・う゛」

沖田さん、大丈夫ですか?
ビニール袋を差し出して、家へ。

「近藤さん・・・土方さん!?」

リビングに入ろうとすると、土方さんがぐったりと、私にもたれ掛かる。
汗、ヤバい。

「ちょっと、待ってください」

私は、体温計を使う。
土方さんの体温は・・・39°。
熱じゃん。

「ソファーに寝てください。お粥、作ります」

土方さんを横たわってもらって、私は、台所へ・・・。
って。
土方さんが、私の腰を掴む。

「・・・行く、な・・・」

きゅうん!
そんなに、トロンとした目で見ないでよ!
何、この可愛い生き物は!?    

514: アーヤ◆TQ:2017/10/23(月) 19:29

あの土方さんが熱を出したとは、驚きだよ!!
夏音にもたれているけど、「行くな」の一言で夏音には素直になって欲しいって思えるよ。

夏音も土方さんの事を、どうしても気にかかっているのは普段の土方さんじゃないからだよね?
沖田さんばっかり想って一途に考えていたけど、今度は土方の事を心配している夏音が可愛い生き物土方さんじゃなくって男性として見て欲しいねだんだんと異性としてね。

この展開は夏音の心が、揺れ動いているって思える二人に(斉藤さんも良いですけどね……(^_^;))楽しみにしてます。

515:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/23(月) 19:42

>>514 ありがとう!今回で、素直になれたりして(笑)
今は、生き物でも、異性として見るかもね(*^^*)
多少、揺れてるよ〜(笑)

516:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/23(月) 19:50

17,母性?本能

ヤバい・・・♡
トロンとしている、土方さんなんて稀の稀!
なかなか、見ることができないよ!
しかも、なんか子供っぽい、純真な目。
ヤバァイ・・・。
母性?本能が!

「土方さん、可愛すぎですっ!」

思わず、抱きしめちゃった。

「・・・行く、な・・・。夏音・・・」

今、夏音って言ったよね!?
嬉しい。
小童なんかより、夏音ってちゃんと言ってくれて、嬉しすぎる! 
膝枕、してあげよっかな。

「土方さん・・・」

言い掛けて、止めた。
もう、スースー寝ちゃってる。
よし。
その間に、お粥作ろ。
離れようとしたら、

「・・・んん」

ぎゅうっと、手を握られた。
無意識のハズなのに。
あぁ!
可愛すぎる〜♡  
   

517: アーヤ◆TQ:2017/10/23(月) 21:04

どっちも可愛いよ二人

518:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/23(月) 21:12

>>517 ありがとう!かわいい系でのほほんとしてるよね(笑)

519:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/23(月) 21:19

18,嫉妬心 ※沖田side

「土方さん、可愛すぎですっ!」

癪に障る。
理由は、言わずもがな。
夏音さんだ。

「行く、な・・・。夏音・・・」

土方さんも、土方さんだ。
胸の中が妙にもやもやして、霞がかかったようだった。
夏音さんの頬が、ほんのりと上気したように、紅くなった。

「総司ぃ。どうすんだよ」

永倉さんのにやにや笑い。
苛つく。

「どうも、しませんけど」

答えれば、永倉さんは更ににやにや。

「格好つけんなって」

いっぺん、一さんと一緒に斬ってやろうか、永倉さん。
・・・何回、嫉妬心を燃やしてるのだろう。
そっと、嘆息した。   

520:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/24(火) 17:59

19,大騒ぎ

土方さんが、寝落ちして、私は、台所へ。
お粥だから、お米の水を多くしてっと・・・。
炊くまで、まだまだ時間がある。
おかずは何にしよう。
玉子焼き?
うーむ・・・。

「沖田さん、土方さんの好きな食べ物、教えてください!」

それなら、土方さんも元気になるかも。
でも、沖田さんは、虚ろな感じで。
代わりに答えてくれたのは、源さん。

「副長が好きなのは、たくあんだよ」

へーっ!
意外。
買ってくるのが良いのかなぁ・・・。
考え込む私をよそに、近藤さんたちが騒ぎ始めた。

521:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/24(火) 19:51

「副長の分、食べてやる〜」

「歳、無理するなよ〜。飯は、有り難くいただくからな」

はぁぁ。
もう、ご飯の心配ですか。
土方さん、そっちのけじゃん。

「夏音〜」

斎藤さん!?
そんなに、すりすり寄らないで。
可愛いけどさ。

「飯は、やっぱりなぁ・・」

山南さん、この人たち止めてくださいよ。
原田さんと永倉さんが、肩を組む。

「綺麗な女と、食べるに限るよな〜」

むぅぅ。
どーせ、私は、綺麗な女じゃありませんよぅ。

「・・・ゴホッ、ゴホッ・・・」

土方さんが、咳をした。
汗、ヤバいよ。
さっきから、玉のような汗が流れてる。
こりゃあ、重症だなぁ。
と・・・。

ピーンポーン

ほへ?
誰かが、インターホンを押してる?
誰なんだろ?

「ハーイ」

外に出ると。
そこにいたのは・・・。   

522:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/24(火) 21:23

20,告白紛い?
 
廉(れん)だ。
幼なじみの、蓮井廉。
不良っぽくて、そこが良いというマニアックな子がいる。

「何、廉。私、用事あるんだけど」

無愛想に言えば、廉は真っ直ぐにこっちを見た。
そ、そんなに真っ直ぐ見ないでよ。

「・・・俺さ、・・・夏音が、好き・・・だったり」

だったり!?
何よ、それ!
はっきり、言い切ってよ。
スゴいイライラする。

「ねぇ。廉。今は、そんな事・・・」

突然、廉が怒ったように、私をみた。

「そんな事じゃない。夏音は、どうなんだよ!?」

どうなんだよ!?って、言われても。
別にねぇ・・・。

「私には、もう好きな人が・・・」

答えかけたとき、リビングから、

「夏音さん!土方さんが〜・・」

土方さんが!?
何があったの?
沖田さんに返事して、リビングへ向かいかける。

「夏音!」

あーあ。
コイツが居たんだった・・・。

「もうっ!めんどくさい。話したいんだったら、上がってよ!」

そう言いつけて、リビングへ向かった。              

523:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/25(水) 18:23

21,逆ハーレム?

沖田さんが、私に気づいてにっこり。
だけど、後ろの廉を見て固まる。
私は、ソファーに駆け寄った。
土方さんに顔が赤くなってて、更に熱い。

「冷えピタ・・・どこかなっ?」

あったあった。
棚の中から、冷えピタを取り出す。
土方さんの額に冷えピタを貼る。

「これってさ・・・。逆ハーレムじゃねぇの!?紅一点、ヤバくね?」

確かにねぇ。
逆ハーレムっちゃ、逆ハーレムだよね。
でも、ギリギリ、紅一点じゃない。

「お母さん、いるから紅一点じゃないよ」

廉は、首を傾げる。

「おばさん、女って言っていいのか?」

うーむ。
廉の言い方に、納得。

「それより、学祭のイケメンカフェ、この人たち─────新撰組が執事になるからね」

「嘘、かよ・・・」

何、廉は驚いてんの?
まあ良いや。        

524:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/25(水) 21:26

22,接近

土方さん、綺麗な顔だな〜。
そこいらのアイドルより、綺麗じゃない?
汗が浮かんでるのが、またさまになってる。

「・・・ん」

僅かに、目が開く。
ふう。
ちょっと、安心。

「はっ!ご飯・・・」

忘れた!
土方さんの目が、またまたトロン。

「・・・やっ・・」

ギャアァ♡
この人、男だよね!?
可愛すぎ〜♡♡
しかも、そのトロンとした目で、見上げないでよ!
キュン死・・・♡

「熱い・・・」

着物、脱いだ方が良いかな。
って・・・!
女の私に、やらせるつもり!?
なんか、照れる。

「永倉さん、お願いします」

私は、永倉さんにお願いして、今度こそ台所へ行った。 

525:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/26(木) 18:21

23,おかず作り

うーむ。
消化が良いものが、良いよねぇ。
玉子スープとか。
うん!
それが良いな。

「よっし!」

決意を固めた。
と・・・。

「夏音〜?何を作ってる?」

藤堂さんが、声をかけた。
ふふふっ。

「お味噌汁、作るんです」

藤堂さんの瞳が、キランと輝く。

「俺も手伝う!これでも、料理当番、してたんだぜ」

えへへ。
嬉しいな。
私は、藤堂さんとスープを作った。
と・・・。

「晋作ったらぁ♡」

む・・・。
聞き覚えのある声が。
しかもさ、♡が付いてるし。
振り向けば、面長の男の人と、手を組んでるお母さんがいた。 
 

526:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/26(木) 19:54

24,修羅場からの!

「・・・・・・茜!?」

あーあ!
此処に、今、きてほしくない人が来ちゃった。
私と、藤堂さんは顔を見合わせる。
よりによって、桂さんだし。

「・・・・まさか、俺を・・・」

ヤバい!
マジ切れしてる!
流石のお母さんも、慌てた顔。

「違うわ、小五郎さん!晋作とは、そんな仲じゃ・・・」

墓穴を掘ったね。
呼び捨てなんて、恋人にしかしないよ。

「小五郎・・・?」

晋作さん────後で知ったけど、高杉晋作の事────は、怪訝そうに見た。
知り合いなの?
だったら、なおさらヤバいやつじゃん。

「俺は、茜を愛してた。なのに・・・」

ヤバい、桂さんの顔が歪んでる。
逃げた方が良いかなぁ・・・。     

527:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/26(木) 21:20

「俺、帰るな・・・」

廉〜!!
一人で逃げんなぁ!!
と言う願いを無視で、廉は帰って行った。
はぁぁ・・・。

「茜は・・・」

大嵐が来るぞ!
逃げましょう!
何処に、逃げれば良いかなぁ・・・。

「沖田さん、近藤さんたちに伝えてください。・・・外に逃げま〜す!」

私は、それだけ伝えてもらった。
熱に唸る土方さんをよそに、私たちはとりあえず家を飛び出した。   

528:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/27(金) 19:05

25,沖田さんファンクラブ!?

はぁ・・・。
溜め息。
なんでかって?
それはね・・・。

「綺麗ですぅ・・♡」

「はぁん♡」

沖田さんの周りに群がってる、女の子たちのせいで。
なぜにこうなった・・・。

五分前

暇だなぁ。
なんて、思って近所を、新撰組(土方さん除く)と歩いていた。

「京より、安全なんだな・・・。今の世は」

源さんが、しみじみと言った。
幕末の京都って、かなり治安が悪かったらしいもんね。

「いっそ、此処で暮らすのはどうかね?新八っつぁん」

原田さんが、そんな事を言い出した。
永倉さんも、うなずく。
って、おい!
アンタら、新撰組だろ〜!
新撰組は、京都を守るためにあるんでしょ?

「俺は、賛成!夏音と居れるから!」

斎藤さん・・・。
素直に喜んで、良いのかなぁ?
と・・・。

「キャアッ」

ええっ!?
悲鳴!?
振り向けば、ポオッとした目の女の子たち。
スススと寄っていく。
その先には、沖田さん。

「カッコ良すぎ♡」

惚れちゃった系!?          
 
 

529:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/27(金) 21:18

「ウチらで、あなたのファンになります!」

げええっ。
沖田さん、めちゃくちゃ困った顔。
仕方ないよね。
でも、私は、止める気は毛頭無い。
一人の子が、

「名前を教えてください♡」

と言った。
沖田さんは、戸惑いながら、

「沖田総司ですが・・・」

女の子たちから、黄色い悲鳴が飛び出した。

「ヤッバーい!」

「沖田総司さまぁ♡♡♡」

さまぁ!?
ハハハ・・・。
私は、笑うことしかできなかった。   

530:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/27(金) 21:33

26,お父さんの思い出 

家に戻って、リビングへ入ると。

「だーかーらぁ!晋作とはぁ・・・」

お母さん、防御から一転、攻撃に行ってる。
桂さんの目は、つり上がったまま。

「その言い方が気に入らない!それと」

桂さんは、お父さんの写真を入れた、写真立てを指さす。

「・・・この男は何なのだ!?」

この男って、ひどい!
スッゴく、腹が立った。

「私の、元夫よ」

「・・・・・何が、元夫よ!」

ついに、私は、口火を切った。
お母さんの言い方も、ひどいし、お父さんに対する言い方が嫌だった。

「お母さんにとったら、お父さんはそんなのだったの!?・・・私にとったら、たった一人のお父さんなのに!」

沈黙が、あたりを包み込む。
お母さんと、桂さんは気まずそうに顔をそらした。
私は、フイッと顔をそらす。

「・・・もういい」

それだけ言って、私は、お父さんの写真を入れた、写真立てを胸に抱えて、リビングを出た。       

531:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/28(土) 09:13

あんな言い方、しなきゃ良かった。
自分の部屋に籠もりながら、ふと思う。

「どうすれば良いんだろ・・・」

一応、新撰組には私の部屋から出てもらってる。
仮にでも、乙女の部屋よ?

「・・・お父さん」

胸に抱えた、写真を見る。
穏和な顔で、少しふっくら。
目尻が少し垂れている、私のお父さん。

「なんで死んじゃったの・・・?」

お父さんが、死んだのは突然だった。
私が生まれて、一週間後のこと。
交通事故に巻き込まれて、死んでしまった。
事故を起こした犯人は、捕まったけれど・・・。
私は、許せない。
命日になれば、流石のお母さんも、涙ぐんでいる。

「お父さんが居れば、良かったのにな」

お母さんが、現を抜かすこともなかったし、何より、こんなケンカをしなかった。
唯一、お父さんとの思い出と言うか、記憶が残っている。

「夏音」

お父さんがそう言って、私を抱きしめたっけ。
それだけ。

「夏音〜・・・?」

斎藤さん・・・。
気遣ってくれてるのか、声に明るさはない。
ずうっと、引きこもってるのもアレだな。
私は、思い切ってドアを開けた。
目に飛び込んできたのは、永倉さん、原田さん、藤堂さんの驚いた顔。
続いて、沖田さん、近藤さん、斎藤さんの心配した顔。
源さんは、土方さんに付き添ってるのか、居なかった。

「泣いてた・・・?」

永倉さんの声に、ハッとした。
いつの間にやら、涙が頬を伝っていて。
私は、そうっと涙を拭った。     

532:アーヤ◆PY:2017/10/28(土) 09:58

なんだかお母さんにも色々事情があるんだね…
そして、土方さんの風邪が治ってほしいです

533:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/28(土) 13:29

>>532 ありがとう!治るよ〜(笑)
(支援あげ、ウザかったですよね。すみません<m(__)m>)  

534:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/28(土) 13:39

27,健康祈願

新撰組の優しさに触れ、ホッとした。
私は、一人じゃない。
安心して、リビングに戻る。
まだ、修羅場なのかなぁ・・・。
覚悟を決めて、リビングに入ると。
なに・・・これ・・・。
お母さんと、桂さんが泣きながら、抱き合ってる。

「・・・すまんな・・・」

「いえ、私こそ・・・」

いつもだったら、白々しいと思ってたけど。
ふぅ。
なんか、安心。
ただ、高杉さんがマヌケな顔をして、突っ立っていた。

「俺は、どうしたら良いんだ・・・?」

思わず、クスッと吹き出した。
高杉さんの顔が、面白くて。

「副長の熱、下がったぞ」

あっ、山南さん。
良かった。
源さんが、土方さんのそばで眠ってる。
あれ、眠かったの・・・?

「芹沢さん・・・止め・・・」

寝言?
芹沢さんって、誰?
でもあどけない顔で、スゴく可愛い。
土方さんが、微かに目を開けた。

「小童・・・」

あーあ、まぁた小童呼びに戻った。
夏音で良いのに。   

535:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/28(土) 15:26

「健康祈願って、事で、出掛けるわよっ!」

お母さん!?
桂さんと、手を繋いでるのは良いとして・・・。

「どこに?」

聞くと、お母さんはニヤリと笑みを浮かべた。怪しい・・・。
今まで、この笑顔で何回も騙されてるから。

「ナ・イ・ショ」

ナイショ!?
山南さんが、ニコニコと、

「行きたいなぁ」

と、恐ろしい事を言った。
ゲゲゲ。
そんな事、言っちゃって良いのかなぁ・・・。お母さんは、更にニヤニヤ。

「じゃ、発明室へlet's go☆☆」

ぬぬぬ・・・!!
コイツは、絶対にぃー!!!

「夏音ちゃん♪そっから先は、ナイショよん♪」

かぁぁー!
私の腕、鳥肌が立った。
ぞわわわ〜。
案の定、そこにはタイムスリップマシーン。

「嫌ぁ!」

悲鳴をあげる、私を、お母さんはタイムスリップマシーンに押し込む。
あがこうとしたら、じゃんじゃんと新撰組が乗り込んできた。
私は、溜め息を吐いた。                   

536:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/28(土) 18:19

28,故障

お母さんが、ルンルンと、鼻歌を歌いながら、ボタンを押そうとする。

「ちょっと待て!」

私は、ボタンを押そうとするお母さんを、止めた。
今までの経験と言うか、アレだけど・・・。

「どこの時代と、場所に行くつもりなの!?それだけ教えてよ」

と言うか、教えろ。
半強制的に、お母さんに突っ込む。
お母さんは、にっこり微笑む。
嫌な予感が、頭をよぎった。

「ナイショって、言ったじゃない♪楽しんだ方が、良いでしょう♪」

ピキッと、私の表情筋が、固まる。
怒りと、呆れが入り混じる。

「・・・なぁーにが、楽しんだ方が良いでしょうよ!」

怒鳴り散らすと、新撰組一同+高杉さんと桂さんが固まった。

「結局、困るのは私たちなのよ!」

お母さんは、耳をふさぐ。
ひどいな。
娘の忠告を、聞こうとすらしないなんて。

「ま☆行くわよ〜」

お母さんは、ニヤリと笑ってから、ボタンを押した。
いったい、どこに!?
風圧が・・・来なかった。
お母さんが、ニコッと、

「故障しちゃったみたい☆バラバラになる可能性あるから、誰かと近くにいた方が良いわ☆」

はぁー!?
故障!?

「どういう・・・」

事よ、と聞こうとしたとき。

ピカッ

「キャッ!?」

眩しい光が差して、私は、目を閉じた。


(Fへ続く)            
     

537:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/28(土) 21:10

あとがき

ハイッ!
これで、Eが終了です!
Eは、現代編で書いてみました。
もしも、新撰組が現代に行ったら・・・!? そんな突飛な考えで、生まれました(笑)
今回、夏音が少し土方さんを意識しました(笑)そう仕向けたのは、作者ですけど(笑)
Fでは、再びあの時代に。
悲劇の武将・・・(ネタバレ)
いろんな思いが交錯する、Fになったら嬉しいです。
恐らく、Fの後半から、学祭が始まります。
土方さんの女装、イケメンカフェ(新撰組カフェ)は成功するんでしょうか!?
刮目して待っていてください(←偉そう)
オシメンバーがいたら、教えてください(笑)
コメントをくださった方々、ありがとうございます。
Fでも、よろしくお願いします。           

538:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/28(土) 21:21

『時を駆けて、初恋*します。』F

登場人物

城里 夏音
主人公。
明るく、沖田さんに片想い中。
案外、男勝り・・・?

沖田 総司
新撰組隊士。
優しく、平等。
夏音とは、両片想い・・・?

土方 歳三
新撰組副長。
ドS、夏音に意地悪。
実は、夏音が好きな美男子。

近藤 勇
新撰組局長。
おおらか。
大食い。

永倉 新八
新撰組隊士。
おおざっぱ。
明るく、女と食事が好き。

藤堂 平助
新撰組隊士。
優しい。
夏音とは、苦労人と言う事で、共通するものがある。

原田 左之助
新撰組隊士。
明るい。
大食いで、夏音と平助を困らせる天才。

斎藤 一
新撰組隊士。
明るく、素直。
夏音が大好き。

山南 敬助
新撰組隊士。
上品。
優しく、良識がある。

井上 源三郎
新撰組隊士。
愛称、源さん。
明るく、あの土方を穏やかにさせるおっとり系。                    
            
 

539:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/28(土) 21:28

1,意外な時代にタイムスリップ!?

眩しい光が、消えた。
ふうっ。
私───城里夏音は、溜め息を吐いた。
なぜこんな事になったか。
ワケは・・・お母さんのせい。
それだけで、察してください!

「夏音さん」

あっ、沖田さん!
沖田さんが居てくれるだけで、かなり嬉しい〜!

「良かったな、小童」

相変わらずの意地悪っぷりを出してるのは、土方さんですねっ。

「三人だけ、ですね・・・」

沖田さんに言われて、気づいた。
確かに。
さっきまでは、新撰組+高杉さんと桂さんが居たのに。

「なんか、静かですね〜」

ワチャワチャしてた、斎藤さんや永倉さん、原田さんや近藤さんが居ないからね。
って言うか、どの時代にタイムスリップしちゃったんだろ!?              

540:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/29(日) 11:33

ドキドキと言うより、やっちゃった・・・って感じ。 
歴史を歪めないようにしつつ、またみんなと会わないといけないからなおのこと。
と・・・。

「ははっ・・・。面白いな」

男の人の声?
真っ暗で、すぐそばの沖田さんと土方さんの姿しか見えないから、ドキドキ。
しかも、なんか聞き覚えが・・・。

「月が綺麗だな」

へっ!?
最近、聞いたことがある。
ガラッと何かが開いて、外を見下ろすその人の姿が見えた。
ウッソ・・・。

「信長公だな・・・」

土方さんの漏らした声が聞こえたのか、信長さんがクルリとこっちを見た。

「おお!夏音ではないか!」

完全、信長さんじゃん。
細い目も、キュッと引き締まっ顔も、最近見た信長さんのまんま。
信長さんは、快活に笑った。

「入れ、入れ。外は、寒い」

こんな、気のいい人だったけ・・・?
どっかぶっ壊れたとか・・・?
頭のネジ、絶対外れてるよね。                

541:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/29(日) 11:46

誤字

キュッと引き締まっ顔×
キュッと引き締まった顔○

でした。

────────────────────

2,ご機嫌の理由

招かれて入ったのは、お寺。
信長さんとお寺と言えば・・・。

「此処、何処なんですか」

予想がついてたけど、聞くと。
信長さんはニコニコと、

「本能寺だ」

やっぱり!
恐らく、このあと本能寺の変があって・・・。

542:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/29(日) 12:59

信長さんが、自害しちゃう。
うーむ。
いくら、お市さまに対して、シスコンでも、知り合ってるから、なんかビミョー。

「なんで、信長さんはご機嫌なんですか?」

地球が滅んだ頃なら、ありそうな話だと思ってたけど。
まさか、此処で笑顔を見るなんて。
私が聞くと、信長さんはコロコロ笑った。
珍しいな・・・。

「碁を打ってたからだ」

囲碁をしてたからなんだ〜。
ゲームが好きなんだねぇ。
と、信長さんが言った。

「そなたたち、暇なら、光秀のところへ行ってやれ」

暇?ではないんだけどな。
私たちは、顔を見合わせた。

「行くのか?」

土方さんが、問うけど。
うーむ。
よし。

「行きます!」

信長さん、更ににっこり。
怪しすぎる・・・。
ヘンなキノコでも食べたの?
信長さんは、後ろを振り仰いだ。

「結斗。術を使ってやれ」

「御意」

現れたのは、白い水干姿の黒髪を結った少年。どっかで見たような・・・。
少年は、ニヤリと笑ってから、ヘンな呪文を唱える。
途端に。

ピカッ

また、眩しい光が差した。        
 

543:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/29(日) 14:25

3,側室騒ぎ

目を開けたら、さっきとは全然違う場所に。
外なのは変わりないけど。

「そこにいるのは、何者だ」

ギョッとして、振り向くと。
甲冑を着ている、涼やかな顔の人。
その人は、不思議そうに眉をひそめる。

「私は、城里夏音ですけど」

自己紹介をしたら、その人は更に眉をひそめた。
何にも言わないから、私は、しびれを切らして、聞く。

「あなたこそ、何者なんですか!」

その人はやっと、視線を上げた。

「明智光秀だ」

えっと・・・。
マジ・・・ですか?
本能寺の変を起こした人!?

「そっちの二人は何者」

光秀さんは、刀の刃を、沖田さんと土方さんに向けた。

「沖田総司です」

「土方歳三だ」

光秀さんは、首を傾げた。
知りっこないよね。
後の新撰組の、天才剣士と副長と知る由もないよね。
光秀さん、更に追及する。

「何処から来た?」

向こうからしてみれば、突然現れたんだもん。
ビックリして当然。

「ほ、本能寺から」

答えたら、光秀さんの頬が、ピクリと引きつった。
光秀さんが、口を開けたとき。

「殿ぉ〜!」

また甲冑を着た、人が駆け寄ってきた。
そして、私を見て目を丸くした。

「・・・殿の新しい側室ですか?」

ハァ!?

「そんなわけ・・・ムガッ」

光秀さんが、私の口を手で塞ぐ。
何をするのよ!
噛み付いてやろうかな。
光秀さんは、表情一つ崩さずに、

「ああ。もちろんだ」

と、答え、私を自分の腕の中に閉じ込めた。                      

544:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/29(日) 18:11

なぜに!?
驚く私をよそに、甲冑を着た人が、光秀さんに言う。

「なかなかのおなごですな」

「・・・うむ」

なかなかの!?
ちょっと憤慨しながら、私は、そうっと光秀さんを見上げた。
目には、なんの感情も浮かんでない。
武将が、チラリと光秀さんを見て、

「殿。羽柴殿のもとへ行きますか?」

光秀さんは、どこか茫洋とした目だった。

「あのっ・・・いい加減、離してくれません?」

私の言葉で、やっと光秀さんは、ハッとした顔になった。

「ああ。いや・・・皆に伝えよ」

そういや、なんか戦支度をしてる。
馬に乗ってる武士たちの、厳つい顔。
全権を、光秀さんに委ねてるんだ。
もしや・・・。
私は、光秀さんの腕の中から抜け出す。
よくよく思えば、沖田さんと土方さんは、光秀さんを睨んだまま。
そこいらの不良より、ヤバいな。

「本能寺の変が起こる・・・」

沖田さんが、ボソッとつぶやいた。
私は、ただただ、嫌な予感が当たってほしくないと祈った。   
        

545:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/29(日) 20:01

3,敵は本能寺にあり!?

でも、その予感は的中してしまう。
光秀さんが、カッと目を開ける。
え・・・?
一瞬、光秀さんの目が赤く光ったような・・・。
気のせいか。

「敵は本能寺にあり!」

始まってしまった!
私は、ゾワリと鳥肌が立つのを感じた。
武士たちが、どよめきながら、動いていく。
信長さん・・・!

「お前たちも、来い」

光秀さんの目が、心なしかギラッと光る。
私たちは、それぞれ武士たちの馬に乗せられた。
と・・・。

「あーあ。防げなかったね」

うそ。
空から、白い水干姿の少年が現れた。
しかも、その少年は・・・。

「結斗くん!」

私たちを、此処まで連れてきたあの少年───結斗くん。
結斗くんは、ニヤリと微笑んだ。

「明智光秀が、信長を裏切るように差し向けたのは、僕なんだよ。術を使ってね」

そんな!
結斗くんは、少し溜め息を吐いた。

「術の効果もあったし、光秀も信長を嫌っていたからね。予想外の効果があったよ」

ひどい。
光秀さんに術をかけたなんて・・・!
結斗くんは、クスッと笑った。
人を不安にさせる笑みだ。

「君たちにとっては、良いことじゃないかな。・・・歴史を変えれるんだよ」

それだけ言って、結斗くんとスウッと、空へと昇っていった。                 

546: アーヤ◆TQ:2017/10/29(日) 20:59

また、土方さんがSに戻って嬉しいけどやっぱり夏音呼びも良かったのでまた名前で呼ぶのを待ってます。
それに、夏音が揺れ動いていた時間が少なかったためにまた惚れて欲しい。

更新は明日になります

547:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/29(日) 21:20

>>546 ありがとう!夏音呼び、またあるよ〜(笑)
惚れ直し(?)もあると思うよ(*^^*)
更新、待ってまーす!(^^)!  

548:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/29(日) 21:30

4,命賭しても

「殿に続くぞぉ〜!」

「お〜!」

ヤバい。
武士たちが、最高潮に興奮してる。
光秀さんの目のギラギラも、更に増している。

「行くぞ〜!!」

私は、先頭に馬を走らせている、光秀さんのもとへと行こうと思ったから、馬から飛び降りる。
っぐ・・・!!
痛い・・・。

「小童!」

土方さん・・・。
土方さんまで、降りなくても・・・。
でも、私は、光秀さんの所へ走る。
武士たちの馬もいるから、走りにくい。
息が乱れる、疲れがドッと、押し寄せる。
それでもなんとか、走り寄ると。

「止めてっ、・・・ください・・・!本能寺に行かないでくださいっ・・・!」

道の真ん中に立って、手を広げた。
此処から先に、行かせたくない・・・!
光秀さんが、刀を抜いた。

「退け。退かなければ、斬るぞ」

その感情のこもってない、目が私を捉える。
怖い・・・!
でも、退くわけにはいかない。                   

549:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/30(月) 18:29

「そんなに、斬られたいのか。ならば、」

光秀さんの刀が、私の目の前に。
ううう・・・。
先端恐怖症になる・・・。

「望み通りにしてやろう」

私、死んじゃうのか・・・。
短い人生だったなぁ・・・。
痛みを覚悟して、目をつぶっても。
あれ・・・?
痛みがない。
目を開けたら、土方さんが、私の前にいた。

「光秀公、どうしても小童を斬るのか?」

土方さんが聞くと、光秀さんがニヤリと笑った。

「もちろん。此奴が、自分から望んだのだからな」

ああ・・・。
私、自分で墓穴を掘ってたんだ・・・。
土方さんは臆することなく、

「ならば、俺が命賭しても小童を守ると言ってもか?」

きゅうん。
こんな場合なのに、胸がキュンとなった。
私を、守ってくれるんだ・・・。
光秀さんは、また笑った。
でも、今度は嫌な笑い方じゃない。

「面白い。では、武力では止めよう。しかし」

何!?

「拙者の話を聞いてもらう」

斬られたくないから、聞いてあげよう。
光秀さんも、聞いてほしそうな顔してるしね。                        

550: アーヤ◆TQ:2017/10/30(月) 18:47

土方の命懸けが良い、夏音の胸キュンも最高だから揺れ動いて欲しいね。
ずっとこのまま二人に揺らいで欲しい。

551:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/30(月) 19:50

>>550 ありがとう!これからも、夏音は揺らぐと思う〜(笑)
  

552:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/30(月) 20:00

5,恨み

場所を改めて、私たちは光秀さんと向かい合う。
「はぁ」と、光秀さんが溜め息を漏らす。

「なぜに拙者は、殿に嫌われてるのだ」

早速の本題。
光秀さんが言う、殿は、信長さんね。
光秀さんが、涙目になりながら、

「何時も何時も、『金柑頭』と呼ばれるのだ・・・!」

金柑頭・・・。
そりゃ、怒るよね。
光秀さんは、怒りにワナワナと震える。

「拙者よりも、秀吉の方が金柑頭ではないのかっ!」

あーあ。
こりゃあ、何時、本能寺の変が起きてもおかしくないワケだったんだ。

「恨みますぞ・・・」

あわわ。
私を睨むなぁ!
と言うか、光秀さんのお怒りはかなり深いようで。
沖田さんが、ボソッと、

「どうしますか?」

と、聞く。
うーむ・・・。
歴史を変えたら、ダメなんだろうけど・・・。信長さんを、死なせたくない・・・。
ならばっ!

「光秀さん、思ってた事全部、信長さんに吐いてください」

それなら、互いにイライラする事もないよね〜。                      

553:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/30(月) 21:25

6,肝の据わった女

光秀さんが、眉をひそめる。
なっ、何よ。

「言えたら、こんな事になってはおらぬ」

ケチをつけるの!?
あんたの事を思って、ない頭を振り絞ったのに!?
私の怒りも、MAXに。

「ハァ!?光秀さん、意気地なしじゃん!」

少なくとも、教科書に載ってる光秀さんは、意志が強そうだなぁとか思ってたのに!
光秀さんの頬がピクッと、引きつる。

「意気地なし・・・だと!?」

全然、怖くないし。
沖田さんと土方さんの顔が、青ざめてるけど、私は気にしない。

「本当の事じゃない!怒られるって、恐れてるところが!」

「斬る!」

刀を抜かれても、私は、動じない。
こんな事で動じてたら、今まで生きてないわよ。
私と光秀さん、暫しにらみ合う。
先に視線を外したのは、光秀さん。

「妙に、肝の据わった女だな」

褒めてんの!?
それとも・・・。
クマとか、動物みたいって事!?
むうっと膨れる私を見、光秀さんがコロコロ笑い出した。   
                          

554:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/31(火) 18:40

7,お怒り

意外と、かわいい顔だなぁ・・・。
なーんて、のんびりと思ってたら。

「夏音さん・・・」

「小童・・・」

ひっ!
沖田さんと土方さんが、仁王立ちで私を睨む。
怖い怖い・・・!

「許されたから良かったですけど、斬られたらどうするんですか!」

ひぃぃ・・・!
そんな事、考えてなかった・・・。
土方さんが、ギロッと、

「そんな事、考えてないんだろうな。ったく、俺が守った意味がない」

呆れたように、言う。
うっ・・・。
図星で何にも言えない。

「すいません・・・」

謝ったら、もっと二人の目がつり上がった。
ヤバい・・・。

「謝ってすむわけない!」

「もうちょっと考えてくださいよっ!」

流石、鬼の副長と天才剣士。
お怒りが、激しいです・・・。
ひたすらに土下座する、私と、顔を背ける沖田さんと土方さんを見て、光秀さんが更に笑った。                               

555: アーヤ◆TQ:2017/10/31(火) 19:05

さすがの夏音も,この二人の言葉で動じるはずは無いよな。
心配させないことだよ!

あと斉藤さんもこの場に居るのであれば、出てきて欲しい

556:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/31(火) 21:18

>>555 ありがとう!二人を心配させたら、かなりヤバいよ(笑)
斎藤さんは、別のところにいるんだけど、それについては、おまけで書きます! 

557:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/31(火) 21:30

8,キュンキュン

何回、土下座したんだろう・・・。
頭を下げるのが、痛くなってきた。

「次は、ないですからねっ!」

「今度は、守れないぞ」

「はーい」

良かった。
お説教が終わった!
と・・・。

「まあ、総司が守らないなら、俺が夏音を守るぞ」

斎藤さん!?
なんで、此処に??
斎藤さんは、ニカッと笑った。

「なんか、眩しくなって、気づいたら夏音が居たな」

ええっ!?
そんな適当な!?

「近藤さんたちは、どうなんですか」

と聞くと、斎藤さんはまたまたニカッ。

「知らねえ」

ガクッ。
知らねえって。
適当と言うか、雑だね・・・。

「んな事より、」

近藤さんたちの事、『んな事』でまとめるなんて・・・。
ほっとかれた、近藤さんたちに合掌。

「俺は、夏音が好き!」

ほへっ!?
そんなに、まっすぐ見ないでよぅ。
照れるよ・・・。

「私は、」

答えようとしたとき。

「一さん・・・?何をしてるんですか!」

沖田さんが、ギュインッと目を吊り上げて、来た。
沖田さんと斎藤さんが、言い争ってる。
でも、私は、キュンキュンしてしまった。
斎藤さんのまっすぐな感じと、懇願するような、可愛い目に・・・。                        

558:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/01(水) 18:55

9,ドS?

私の頬が、火照る。
コクられた事、12年間なかったもの!
意識、しちゃうじゃん・・・。

「馬鹿か。何を、浮かれてる」

土方さん。
ちょっと、浮かれても良いじゃない。
土方さんが、ニヤリと笑う。

「想いを伝えられた事、ないんだろ」

しっ、失礼な!!
私は、ムキになって、反論。

「土方さんは、モテるんですか!」

絶対、モテないでしょ。
こんなに、意地悪でドSだし。
ヒョイッと、斎藤さんが入り込む。

「こう見えて、副長は女を釣るんだぜ〜」

うそでしょー。
信じないよ。

「まっ、夏音は落とせてないけどな」

斎藤さん、鈍感にもほどが・・・。
またまた、沖田さんと土方さんを敵に回したね。
お笑いかなぁ。                          

559:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/01(水) 21:18

10,和解

呆れながら、見てると。
光秀さんが、

「で?おまえは、何をしてほしい」

あっ!
そうだった。

「私がしてほしいのは、信長さんとの和解です!」

「はあ!?」

光秀さんが、口をあんぐり。
マンガだったら、下顎は床に落ちてる。
だってね・・・。

「信長さんなんかを殺したら、秀吉さんが絶対入ってきます。そんな事より、ついて行く方が楽じゃないですか?」

なんて言いながら。
本当は、本能寺の変を起こしてほしくないの。信長さんが・・・知り合った人が、死んでほしくないから。
光秀さんは、考え込んだ。

「だが・・・」

うーむ。
こやつ、なかなか頭が切れるな・・・。
言いくるめるのが大変だよ。                

560:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/02(木) 18:13

めんどくさぁい!
仕方ない。
話術公使!!

「だがも何もない!お願い。それとも・・・」

にっこり笑って、上目遣い。
必殺、乙女の上目遣い!!
ちょっとドスを利かせて、

「うら若き乙女の願いを、聞けないの・・・?」

言う。
後ろで、斎藤さんがボソッと、

「うら若き乙女って・・・」

クスッと笑ってる。
失礼なぁ!!
光秀さん、しばらく考え込む。
そして、にっこり。

「仕方ない。行ってやろう」

何よ、超上から目線!
と、内心ムカつきながら、それをおくびに出さないように、微笑む。

「ありがとうございます」

さぁて!
本能寺にlet's go!        
             
        

561:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/02(木) 19:42

11,火傷からの・・・?

「ちょっと待て。飯を食べてから」

ええっ!?
そんな事!?
光秀さん、ニヤリ。

「腹が減っては、戦はできぬ」

ぐぬぬ・・・っ!
仕方ないなぁ。

「私が、ご飯、手伝ってきます」

私が立ち上がると、斎藤さんも、立ち上がる。
ニコニコと、

「俺も行くぜ!」

ええっ!?
なぜに?
かく言う事で、私と斎藤さんは、台所へ。
昔の道具は、使いにくいな〜。
なーんて、思ってたら。

「キャッ」

火傷しちゃった。
むう、しかも、人差し指。
はああ。
やっちゃった〜。

「どうした、夏音」

斎藤さんが、ヒョイッとのぞき込む。

「火傷しちゃったんです〜」

ま、舐めときゃ治るかな。
斎藤さんが、ズイッと近づく。
どうしたの・・・?                     

562:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/02(木) 20:07

「俺、水汲んでくる!」

あっ・・・待ってよ!
って・・・。
聞いちゃいないし。
舐めときゃ治るかな発言が、アレだったのかな。
約七分後。
あっ、斎藤さん戻ってきた。

「斎藤さん〜・・・って!」

たらいいっぱいに、水汲んできた!
そんなにいらないよ。
とは、言えず・・・。

「指、水に浸けろ!」

ジーンときた。
斎藤さん・・・。
気にかけてくれて、嬉しい。
水に、人差し指を浸す。

パチャッ

私は、水をすくって、斎藤さんにかける。

「夏音!やったなぁ」

うわっ。
やり返されたぁ。             

563:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/02(木) 21:21

12,青春ぽい

そんなこんなで、水のかけあい。
顔に当たったり、着物に的中したり。
ハッとしたのは、少ししてから。

「ご飯作らないと!」

私と斎藤さんは、慌ててご飯を作る。
水遊びに、時間取られちゃった。
ご飯を作って、光秀さんと沖田さん、土方さんのいる部屋へ戻ると。

「わはは・・・」

なんか、談笑してるし。

「ご飯、出来ましたよ」

光秀さんは、手を合わせてから、ご飯に飛びつく。
その間、私は、沖田さんと土方さんから追及を受ける。

「・・・なんで、着物と袴が、濡れてる?」

「何をしてたんですか?」

怖い!
目が、笑ってないし。
そういや、青春ぽい水遊びだったなぁ・・・。MV(ミュージックビデオ)とか、CMでありそうな。
現実逃避しながら、私は、斎藤さんをチラリと伺う。

「総司ぃ・・・。べ、別にヘンな事はしてないし・・・。な、夏音!」

「あっ、・・・何ですか?」

聞いてなかった。
斎藤さんが、涙目になる。
はて?
土方さんの額に、青筋が浮き出る。

「斎藤・・・何をやった?」

「ひぃぃ!」

ドンマイ。
私は、アハハと苦笑いした。                              

564: アーヤ◆TQ:2017/11/03(金) 16:38

斉藤さん本当に大物ってキャラだよね天然だけど、夏音に惚れている土方達に本人目の前で惹かれていない発言している事や夏音のまさかのまさかって惚れてないって思える感じと土方がモテるのを否定的だってことに凄い

565:リリカ@恋歌◆JA 久しぶりの更新です(小声)  :2017/11/05(日) 07:19

>>564 ありがとう!天然はヤバいよね(いろんな意味で)(笑)
土方さん、モテるのを嫌がってるのが、なんか面白いよね(笑)     

566:リリカ@恋歌◆JA 久しぶりの更新です(小声)  :2017/11/05(日) 07:30

13,恋のライバルの名は・・・

沖田さんが呆れたように、

「本当、一さんは咲(さき)から好意を持たれてるのに、よくそんな事できますね」

むむっ!?
聞き慣れない名前が・・・。

「咲さんって、誰ですか!?」

聞くと、沖田さんはやっと笑った。

「隊内でも秘密の観察方で、夏音さんと同じく、女です。普段は、男装してます」

へええ・・・。
ちょっといや、だいぶ気になる。

「咲さんって、美人ですか?」

美人じゃないことを祈る。
沖田さんはにっこり微笑む。

「綺麗ですよ」

ガーーン!!
ソイツは、もしや・・・。
ショックを受ける私を、沖田さんは不思議そうに見る。

「でも、一さんとよく一緒に居ますよ。時々、私と出かけたりします」

ガーーン!!
斎藤さんは兎も角、沖田さんと出かける!?
土方さんが意地悪く、付け足す。

「隊内でも、有名な話だ。お似合いだとか言ってるのもいたな」

ガーーン!!
人生、終わった・・・。
咲さんは、十中八九、沖田さんが好きなんだ!
絶対に。
美人だろうし、私の恋のライバルだ・・・。                
                           

567: アーヤ◆TQ:2017/11/05(日) 07:58

新しいライバル出現

568:リリカ@恋歌◆JA 久しぶりの更新です(小声)  :2017/11/05(日) 11:54

>>567 ありがとう!咲さん、強敵だよ(笑)
ノンネちゃん(←覚えてる?)以上だよ!    

569:リリカ@恋歌◆JA   :2017/11/05(日) 12:52

14,敗北感

はぁあ。
勝てるわけないよぉぉ。
追い討ちをかけるように、斎藤さんが、

「気立ても良いし、そこいらの男より、剣術も立つし。文句なしのいい女だぜ」

『文句なしのいい女』・・・。
私は、気立ても良いとは思えないし、剣術も立たないし。
いい女の基準以下だよ・・・。
沖田さんが、ニコニコと笑う。

「そう言えば、咲になんやかやとかんざしをあげれなかったな」

ガーーーン!!
かんざし・・・。
好きな人に、プレゼントを貰うなんて・・・。憧れるよ。

「約束してたんですか?」

NOだと言って!!

「ええ。監察方の仕事をこなしたご褒美で」

ガーーーン!!
ウソだよねぇっ!?
土方さんが、

「ねんごろな仲だな」

と言う。
沖田さんが、反論したんだろうけど、私は、ショックのせいで聞こえなかった。
咲さん・・・。
そんな所まで、進んでたの!?
頭の中で、まだ見ぬ咲さんが沖田さんと、腕を組んで『ゴールイン』していた。
イヤだよぉぉ!          
                     

570: アーヤ◆TQ:2017/11/05(日) 13:52

夏音やっぱり土方さんがモテるってことに嫉妬じゃあないんだけど、ショックして嬉しいよ🎵
いまだに土方さんにまで揺れ動いているって自覚していないところが、夏音らしく思えて沖田さんにまで強敵ライバル咲といるって考えてしまう悪夢を見る夏音が最高😃⤴⤴

今のところの夏音が好きなのはまだやっぱり沖田さんですよね…?
土方さんにも揺れ動いている風に見えるけど、夏音の心で沖田さんは今はどのくらいで、土方さんはどのくらいなのか気になるっていうより気になり過ぎているのでもしも夏音が土方に好意的なのを持っているって自覚してくれると嬉しい異性としてね

571:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/05(日) 14:09

>>570 ありがとう!今の夏音、大荒れだよ(笑)
うん、咲と沖田さんが寄り添ってる悪夢が頭をよぎってるハズ(笑)
今のところは、沖田さん一筋だけど・・・。
沖田さんが七割、土方さんが三割かなぁ。
これからも、じゃんじゃん意識すると思うよ(笑)                

572:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/05(日) 14:15

グス。
ガチでショック!
見たくない、悪夢がさらに頭をよぎる。

『咲・・・』

『総司・・・』

そして二人が、ヒシッと抱き合う。
二人の顔が、だんだん、近付いていって・・・。

「イヤだぁぁ!」

好きな人が、別の人とキスするなんて!
誰も見たくない!
不思議そうに、沖田さんが私を見る。
咲さん・・・・。
黒い気持ちが、胸の中でうずく。

「苦しい・・・」

沖田さんが、咲さんと一緒にいる悪夢を見るだけで。
そんな私を知ってか否か、斎藤さんがにっこり笑う。

「本能寺に行くぞ、夏音。俺の後ろに乗れよ!」

嬉しいな。
私は、にっこり笑って、返事にかえた。                      

573: アーヤ◆TQ:2017/11/05(日) 14:32

夏音が初の我を忘れて悪夢に入ったね……

さてさて、夏音が斉藤さんに嬉しいっていう気持ちも少しは気になるけど弟って感じかな?
沖田さん、土方さん、斉藤さんの3人の視点が見てみたい夏音が壊れている感じをどう見ているか気になる。

574:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/05(日) 15:37

>>573 ありがとう!夏音は、嫉妬でちょっと壊れたね(笑)
三人sideもやるね(*^^*)    

575:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/05(日) 15:43

15,壊れた夏音T ※斎藤side

咲の話を始めたら、夏音の様子が変わった。
胸に何かがつっかえたような。
わかった!
総司と咲に対して、嫉妬してるのか!

「苦しい・・・」

嫉妬で苦しむ、夏音を見て、俺は、総司を睨んだ。
知っているはずなのに、何も声をかけないとか。
腹が立つ。
副長は副長で、やるせなさそうな顔だし。
自分と重ねているのか。
よし!
俺が、夏音をもとに戻してやる。
何せ、好きな女だからな。

「本能寺に行くぞなる夏音。俺の後ろに乗れよ!」

言ったら、やっと夏音の目に、光が見えた。
副長と総司ばっかりに、いい格好はさせないぜ。                       

 

576:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/05(日) 15:49

16,壊れた夏音U ※土方side

俺と同じだ。
そんな事をアイツを見て、思った。
咲の話で、堪えたのか。
俺と同じ─────嫉妬か。

「苦しい・・・」

歯痒かった。
アイツは、総司で苦しんでいる。
握った両の拳を、開けると、爪の痕がついていた。

「本能寺に行くぞ、夏音。俺の後ろに乗れよ!」

斎藤にいい格好をさせてしまった。
アイツの理解者面は、しなくていい。
どす黒い感情を閉ざして、斎藤とアイツの後ろについて行った。                 

577:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/05(日) 15:57

誤字

「本能寺に行くぞなる夏音。俺の後ろに乗れよ!」

ではなく、

「本能寺に行くぞ、夏音。俺の後ろに乗れよ!」

でした。

────────────────────

17,壊れた夏音さん ※沖田side

自分は、何もできなかった。
菊乃のときも、今の咲のときも。

『総司!沙羅って、誰よ!?』

『行かないで・・・』

菊乃も咲も、守れずに。
私は────いや、俺は。
やきもち妬かせてたのだろう。
夏音さんの気持ちは、わからないけれど、思い出すのは、菊乃と咲。

「苦しい・・・」

壊れたとかじゃない。
俺が、苦しくさせているのか。

「本能寺に行くぞ、夏音。俺の後ろに乗れよ!」

一さんのように、気が利かない。
俺に原因があるなら。
俺は、何ができるのだろう───────?                
 

578: ろぉ ◆:2017/11/05(日) 16:37




   リリカさん°ʚ(*´꒳`*)ɞ°.

 ちょっと(じゃないかも)来なくなって間に、斎藤さんがヒーロー的存在に躍り出てるー!!めっちゃかっこいいじゃないですかー!!さり気なくくっつこうと(「俺の後ろに乗れよ!」から)している所とかも、最高!今までの斎藤さんじゃないよね、本当にかっこいい。全然感想言えてなかったから、何処から言ったらいいのかわかんないから最近のやつだけになるんやけど、もう兎に角何話見てもかっこいいですなぁ..‧˚ このままその格好よさを貫いていって欲しいですね、でも、その前に土方さんとか沖田さんとかに、斬り殺されてしまいそうですけど。
 沖田さんと土方さんも可愛い..‧˚ ギャップ最高!!土方さんが熱を出した時はやばかった..‧˚ もっかい熱出してくれないかな((殴 次はインフルとか((蹴 沖田さん流石、よくモテてますね!身近に沖田さんのことを愛している(?)人がいるということを忘れないでいてほしいです、本当に。夏音さんの気持ちわかんないの!?((黙 乙女心が分からんやっちゃなぁ((黙 まぁ何となくそんな希ガス((おい 歩いていてファンクラブが出来るほどとはね、それくらいになったら乙女心くらい..‧˚
 源さんやばす(( ぴたーって、土方さんのそばにいるとことかやばい(語彙力)。可愛いし、優しい。まさに男子の鏡!(おい)その時の斎藤さんもよかったけどねー。やっぱり源さんと斎藤さん最高!!もう少し源さんの出番を..‧˚
 E完結おめでとうございます!続きめっちゃ楽しみだし、いつでも読んでいたくなるような話を、いつもありがとうございます!!謎すぎるリクとか、伝わらない感想とかが多いかもしれませんが、ざっと目を通していただければ幸いでございまする((殴 私が言えることではありませんが、更新頑張ってください!!


 

579:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/05(日) 17:29

>>578

ありがとうございます!
斎藤さん、ヒーローとして活躍します(笑)
今までどこか遠慮してた感があったけど、これを皮切りに、じゃんじゃんヒーローになりたがるかもです(笑)
斬り殺されるときは、夏音がストッパーになると思いますよ(恐らく)
乙女心に鈍感な沖田さんです(笑)
土方さんの熱話、書いててもヤバかったです(笑)
弱気になったり、意地悪になったりと、ギャップがヤバくなります(笑)
源さんもそれとなく、純粋なキャラですね(笑)
男子の鏡!
確かにです(笑)
周りにいないから(笑)
源さん、斎藤さんと一緒にこれから、活躍します(笑)
これからも、いつでも読んでみたくなるように、頑張ります!
期待に応えられよう、精進します(*^^*)         

580:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/05(日) 17:34

18,ありがとう

斎藤さん、優しいな・・・。
それとなく、話をそらしてくれて。
思いやりにキュン。
馬に乗るときも、

「手ぇ、掴め」

と、手を出してくれた。
おかげで、たいした苦労なく、馬に乗れた。
沖田さんや、土方さんと違った感じで、キュンキュンしてしまうよ。

「絶対、離すなよ」

「はい!」

私は、斎藤さんの背中にしがみついた。

「ありがとう、斎藤さん」

私が言えば、斎藤さんの顔が真っ赤になったように、チラッと見えた。

「行くぞ!」

光秀さんの声がして、私たちの乗る馬も、走り出す。
しがみつけば、斎藤さんのあったかい体温が伝わって、また嬉しくなった。              

581: アーヤ◆TQ:2017/11/05(日) 17:59

斉藤さんも異性として見ているのだったら何割ぐらい?

本当に今のところ斉藤さんがヒーローだね

582:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/05(日) 20:00

>>581 ありがとう!沖田さんと土方さん、斎藤さんの三人で分けたら・・・。
五割が沖田さん、三割が土方さん、二割が斎藤さんかなぁ。
今のところ、斎藤さんな回だよ(笑)      

583:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/05(日) 20:04

19,裏切り

ふわわぁ。
斎藤さんの体温を感じながら、眠くなる。
と・・・。

「着いたぞ」

もう着いたの??
斎藤さんが先に降りて、私を気遣って降ろしてくれた。

ガタリ

「夏音か。はやく入れ。・・・光秀?」

信長さんが顔を出して、私に笑顔を向ける。
でも、光秀さんを見た、瞬間に。
笑顔が凍り付いた。

「何用だ・・・?」

すごい迫力。
凄みがあって、こりゃ誰も逆らえないわけだ。             

584:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/06(月) 18:13

信長さんは、吐き捨てるように、

「金柑頭など見たくないわ!」

光秀さんの頬が、ピクリ。
ひどすぎる!
金柑頭!?
しかも、見たくないなんて!
私は、抗議。

「金柑頭ってひどくない!?」

信長さん、ニヤニヤ。
な、なによ・・・。

「事実じゃ」

いくら、事実としても!
・・・って、光秀さんは何にも言わない。
にっこり笑ってるだけ。

「・・・して、用は??」

「いえ、確認だけでございます」

信長さん、フンと鼻を鳴らした。
馬鹿にしたみたい。
かく言うわけで、和解とはいかず。
本能寺を出た瞬間。

「殿・・・!」

光秀さん!?
怖いよ。
光秀さんは、クルリと振り向いた。
今度は、赤い目じゃなかった。

「・・・本能寺に火を放て」

え!?
嘘・・・!?
私は、光秀さんにすがりつく。

「そんなの・・・!?」

時すでに遅し。
ボオオっと、火の手があがった。
真っ赤に燃える炎は、じわじわと本能寺にかかる。
見てられない。
私は、顔を覆った。                                  

585:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/06(月) 19:51

20,歴史は変わらない

光秀さんの顔は、無表情。
何を考えてるの・・・?
私は、光秀さんの真意が読み取れなかった。
と・・・。

「やっぱり、歴史は変わらないんだよ」

え?
空から、白い水干の子が降りてきた。
黒髪を後ろで結っていて、瞳の色は、深い翠色。
でも、その子の目は閉じていた。

「君たちも、結斗から逃げなよ。特別に、現代に戻してあげるから」

何なの・・・この子。
私の気持ちを知ってか、その子は微笑む。

「僕は翡翠。また、会うよ。絶対に」

翡翠くんが微笑み、その瞬間、眩しい光が差した。
私は、目を覆った。                                        

586:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/06(月) 20:06

21,学祭準備

目を開けると・・・。
わゎわぁ!
沖田さんの顔が、目の前にぃぃ!
ドキドキ。
心臓、壊れちゃいそう!

「現代ですね」

沖田さんの顔が、すうっと離れる。
ふぅ・・・。
ドキドキがおさまる。

「夏音〜。良かった、無事なのね♪」

ドキドキがおさまり、かわって憎たらしいほどのぶりっこ風の声。
毎日、聞いていたお母さんの声だ。

「無事よっっ!それより、お母さんたちは、何処に居たのよ!?」

お母さんののほほんとした顔を見て、憎しみや怒りと言った感情が沸く。

「うーん。幕末よっっ!芹沢さん、良かったわぁ♡」

また、浮気かぁ。
呆れるよ。
・・・って。
今日、何日なの!?
もしかして・・・。

「9月12よ!」

ぎゃああ!
学祭まで、後少し!
明日、はやく行かないとなのに。

「ごめん、夕食は、レトルトカレーね!」

「えぇえ!?レトルトカレー!?いやよぉ」

お母さんが、反論。
私は、バンッと机をたたく。
近藤さんたちが、ビクッとした。

「文句なしよ!」

私は、怒鳴りつけた。
うーん、学祭が楽しみぃぃ!


(Gへ続く)                 
                                 

587: アーヤ◆TQ:2017/11/06(月) 20:28

斉藤さんの回もっとして欲しい夏音とツーショットが欲しい。
斉藤さんも良いけど、土方さんの回をまたみたいので宜しくお願いします🙇⤵
斉藤さん男らしいよ🎵

あと思春期シンデレラも、更新しているよ

588:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/06(月) 21:13

>>587 ありがとう!斎藤さんと土方さんの回、Gで書くよ!
斎藤さん、夏音に関すると、男らしいよね(´V`)♪
読むよ(*^▽^*)      

589:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/06(月) 21:19

あとがき

ハイッ!
リリカです!
F完結です!
あっと言う間でしたね〜(遠い目)
今回、Bと同じく、幾度か迷走してしまい(苦笑)
ストーリーもあまり考えられなかったような。ぶっちゃけ、Gは私が学祭+新撰組の組み合わせをやってみたかったからです(キッパリ)
夏音と沖田さんの恋も進んだり・・・?
はたまた、斎藤さんや土方さんと接近したり。
ドキドキしてもらえたら、嬉しいです!
コメントしてくださった方々、本当に力になってます!
これからも、ばしばし意見してもらえたら助かります(笑)
では、Gで会いましょう〜(*^^*)                                

590:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/06(月) 21:30

『時を駆けて、初恋*します。』G

登場人物

城里 夏音
本作の主人公。
沖田さん一筋だが・・・?

沖田 総司
新撰組隊士。
新撰組きっての、天才剣士。
最近、やきもちをよく妬いてるが・・・?

土方 歳三
新撰組副長。
美男子。
意地悪だが、夏音一筋。

近藤 勇
新撰組局長。
人がいい。
大食漢。

永倉 新八
新撰組隊士。
豪快で、女と飯が大好き。

藤堂 平助
新撰組隊士。
優しく、夏音と同じく、大食いメンバーに困ってる。

斎藤 一
新撰組隊士。
夏音大好き。
最近、男らしく・・・?

山南 敬助
新撰組隊士。
知将。
上品な優しい人柄。

井上 源三郎
新撰組隊士。
通称、源さん。
穏やかで、癒し系。

ノンネ・ワーグナー
アメリカ人。
夏音のクラスメート。
沖田さんに一目惚れ。
夏音の恋敵。

小橋 蒼馬
夏音の先輩。
チャラい。
自称『夏音の恋人』。
夏音からは、嫌われている。         
                                     

591:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/06(月) 21:36

1,小橋先輩

「夏音、やるじゃん」

へへへ。
私────城里夏音は、陽菜子ちゃんに向かって微笑む。
理由は簡単。
みんなに、新撰組を紹介したの!

「スッゴい!」

「流石、城里博士!」

こんな時は、お母さんが居てくれて嬉しい。
他の時は、たいして役に立たないし。

「好きですっっ!」

あー、告白タイム?
土方さんにコクって、ふられてるクラスメートに呆れながら、私は、教室の内装を整える。
ノンネちゃんが、

「沖田さん、カッコいい。惚れちゃう」

惚れてるくせに!
ノンネちゃんの目は、ハート。
わかんなくもないよ、私だって、目がハートになるかもしれないよ。
沖田さんが、執事の格好!
何それ、萌える!!

「僕のマイハニー♡」

ぞわわっ。
私の後ろから聞こえる声は・・・。
小橋蒼馬先輩だ。            
                   

592:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/07(火) 17:37

茶髪でカッコいいのだけど・・・。

「陽菜子ちゃん、可愛いよっっ♪」

あっちの女子を口説いてみたり、チャラいのだ。

「夏音ちゃーん♪相変わらず、可愛・・・」

ドゴッと音がしたのは、私が先輩のお腹を殴ったから。
ヘンな事を、言わないで。
桜星学園は、“お姉さま”“お兄さま”が徹底してるけど。
私は、小橋先輩に対して、お兄さまなんて言いたくない。

「夏音さん・・・」

沖田さんが引いてる!?
ヤバい。
私は、慌てて作り笑い。

「それより、夏音ちゃーん。学祭、僕と回ろうよ〜」

「死んでもイヤです」

先輩となんか、行きたくないわ。
と言うか、沖田さんたちと行くつもりなのに。

「そーんなぁ・・・」

しょげ返る先輩の後ろから、のしのしと一華お姉さま。
目がスゴいつり上がってる。

「蒼馬は、私と学祭!って、約束したわね!?夏音ちゃんゴメンね。こんな奴をほっぽといて」

いえいえ。
助けてくださり、ありがとうございます。
先輩が帰った頃。

「やめろ!」

土方さんの悲鳴と言うか、絶叫?
見れば、女子たちが土方さんの着物を脱がそうとしている。

「実際に、服を着てもらいます!」

真帆ちゃんが、テキパキ指示。
土方さん、ドンマイです!                                                
                     

593:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/07(火) 19:48

2,グループ

「私の好きなタイプよねぇ〜」

蘭ちゃん・・・。
私は、思わずあんな意地悪野郎に惚れなくて良いんだよと忠告したくなった。

「蘭ちゃんにぴったりよ!」

「そーそー!」

里依紗ちゃんと実夢ちゃんが、ねぇとうなずきあう。
あう・・・。
私、里依紗ちゃんと実夢ちゃん、苦手なんだよね・・・。

「えぇ。そうよね。やっぱり、学祭は里依紗と実夢に決定!他の子は、なしね」

蘭ちゃん、ひどい!
・・・って、私はそんな約束してなかったし。仕方ないね。
陽菜子ちゃんが、

「夏音ちゃん。私と、学祭いこ!莉子ちゃんたちもいるけどいい?」

陽菜子ちゃん、天使!!
莉子ちゃんたち、私は好きだし!

「良いよ。それより、あの新撰組も一緒で・・・」

「いいよ!」

陽菜子ちゃんは即答。
イケメンパワー、スゴいなぁ。
と、蘭ちゃんと里依紗ちゃん、実夢ちゃんグループがこっちをチラチラ見ている。
なに・・・。

「・・・あっちのグループなんて、気にしなくて良いよ!」

陽菜子ちゃん・・・。

「そうよ。こっちの方が、団結力あるんだから!」

莉子ちゃん!?
珠希ちゃんと優衣香ちゃんも、うなずいてる。嬉しいな・・・。

「みんな、頑張るよ!」

真帆ちゃんの掛け声に、みんな一斉に、

「オーー!」

と、答えた。                                                     
            

594:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/07(火) 21:09

3,メイド服

その後、みんながそれぞれの役目を頑張ったおかげで内装は整った。
後は、服なんだよね。
イケメンカフェとは名ばかり。
新撰組カフェなのだ〜!!
女子も、メイド服を着るらしいけど。

「ダンス部の練習、行ってくるね!」

陽菜子ちゃんたちに言うと、四人はにっこり。

「楽しみにしてるからね〜」

「絶対見に行く〜!」

嬉しいな。
蘭ちゃんと居たのとは違う、ほっこり感。
私たちダンス部がおどるステージは、多目的ホールの舞台。
集合場所の使われなくなった、教室へ。

「夏音姉!ほら!できたよ」

桜ちゃん!
四、五年生の後輩がCD流して、ダンスをおどってる。
うんうん!

「夏音姉。蘭ちゃんは?」

んんん。
何にも、言えない。
私は、慌てて話題を打ち消す。

「それより、サビと場所カンペキ!私らの本気、見せてやるよ!」

「うんっ!」

可愛いな。
後輩たちが。
曲は、今話題のアイドルグループ。
恋愛について歌ってる。
沖田さんたち、見てくれるのかな?

「最後の練習、頑張るよ!」

ダンス部長の、花野志緒理ちゃんが明るく言う。
私たちはにっこり微笑む。

「YES!」

練習が終わっても、ついに蘭ちゃんは来なかった。                                                                 

595:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/08(水) 18:14

練習が終わり、再びクラスへ。
クラスへ戻ると、真っ白に燃え尽きた新撰組がいた。
燕尾服なのが、良いよね。

「夏音ちゃんも着替えて。女子全員参加だから」

陽菜子ちゃんが、私の分のメイド服を持ってくれていた。

「ありがとう。着替えてくるね!」

陽菜子ちゃんに礼を言い、更衣室へ。
裾が短い気がするけど・・・気のせいか。

「ハーイ。戻ったよ」

前日とは言え、雰囲気があって良い。
男子たちは裏方で、料理を作る役。
イケメンがいなかったのも理由のひとつ。
斎藤さんが、目の色を変えて、飛びついてきた。

「夏音!可愛いな!」

へへへ。
照れるよ〜。

「学祭まで後少し!やるわよ〜」

真帆ちゃん含め、女子たちが声を掛け合う。
私も、接客の練習しないとな。                                               

596: アーヤ◆TQ:2017/11/08(水) 19:23

絶対的にこの文化祭で、恋が進展しそうだね🎵

それよりあの先輩は……私も無理だね

597:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/08(水) 19:42

>>596 ありがとう!恋は絶対進展するよ( ̄ー ̄)ニヤリ☆
小橋先輩、かなりチャラいからねぇ(苦笑)    
   

598:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/08(水) 19:54

4,接客練習

「えーと、最初は・・・」

接客のマニュアルを読む。
『お帰りなさいませ、ご主人様』。
うぬぬ。
たとえ、どんなに個性的な人が来ても、コレを言わなきゃなんだよね。
いろいろ、複雑。
優衣香ちゃんが、

「優衣香、ムリ。オタクっぽい人とか、そんな個性的な人だったら」

賛成。
と言うか、同じ。
でも真帆ちゃんは、

「お客さまは神さまなのよ。オタクだ何だ言ってられないわ!!」

お客さまは神さま・・・。
よし、思いこもう。

「新撰組が、だらけてない?」

陽菜子ちゃんが、苦笑い。
確かにだよねぇ。
私は、のしのしと新撰組のところへ。
沖田さんなんか、目が虚ろ。
ダンス練習の間、恐怖体験をしたのかな・・・?
土方さんに至っては、魂が抜けてる。
ふぅ。
仕方ないな。
ここは、活を入れてやろうじゃない。

「皆さん、恥ずかしくないんですか?」

私が聞けば、土方さんがぼんやりと、

「いや・・・」

と、答える。
んもう!
鬼の副長が聞いてあきれるわ!

「新撰組じゃなくて、だらけ組ですね!」

途端、近藤さんの目が光り。

「だらけ組・・・!!歳、やるぞぉお!」

熱い熱い。
熱血タイプだったんだ。
しかし、土方さんはやる気なさそう。

「・・・俺は、やらねえ」

あーあ。
一番、女性客を呼びそうな人なのに。

「だらけ組で良いのか!?会津藩に知られたら・・・!!」

やっと、土方さんの目に輝きが戻る。
そして、沖田さんの肩をつつく。

「総司!!やるぞ!」

「あ・・・。はい」

沖田さんが、慌てて答える。
何はともあれ、新撰組がやる気になってくれて助かる!                                
          
    
                           

599: アーヤ◆TQ:2017/11/08(水) 20:15

やっぱり夏音は小学生とは思えないしっかりまとめ役だね、夏音の言葉は動くもの、動かないものがあるんだね……

600:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/08(水) 21:10

>>599 ありがとう!夏音の言葉で動くのは、単純な(?)近藤さんかなぁ〜(笑)
       

601:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/08(水) 21:21

祝!600
これからも頑張ります!
コメントくださった方々、これからもよろしくお願いします!   
───────────────────

「・・・注文は?」

土方さん、怖い怖い。
目つきがねぇ・・・。

「ヤクザに見えますよ?」

沖田さんが、クスッと笑いながらからかう。
確かに。

「あぁん?総司もやれっ!」

八つ当たりも良いとこだよ。
沖田さんは、わざと優雅な礼をした。
マニュアルどおりだね!

「良い女来るかな〜」

永倉さんが、ぼやく。
原田さんが、

「来るかもしれないけどさ、副長に惚れるに俺は賭けるぜ!」

と、突っ込む。
スゴいなぁ、土方さんの事、良く分かってらっしゃる。

「接客態度、土方さんひどすぎ!」

真帆ちゃんの檄が飛ぶ。
土方さんが、真帆ちゃんに噛みつく。

「あぁん?小娘!」

「小娘って!」

私は、二人の間に割って入って、ニヤニヤ笑う。

「仲、良いんですねぇ・・・。よっ!カップル!」

「仲良くない!」

声まで揃ってる。
ありゃあ?
絶対恋仲になりそうに見えるのになぁ?                     
          
           

602:ルナ◆t/k:2017/11/08(水) 21:52

リリカ!600おめ!
もうすぐで1000だね!
新作期待してます!

603: アーヤ◆TQ:2017/11/08(水) 21:55

土方さんが……とうとうヤクザになってしまって少し受けるけどショック😣
まあまだヤクザは良いけど、不良にはならないで欲しいって願ってしまっている。

あと土方さんに斉藤さんの回待ってます。

604:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/09(木) 16:27

>>602
ルナ、ありがとう!
新作も考えないとな・・・(←考えてない人)

>>603
ありがとう!
ヤクザと言うか・・・気難しい?だけだと思う(笑)
土方さん&斎藤さん回、そろそろ書くよ〜(*^^*)             

605:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/09(木) 16:39

5,恋のジンクス

莉子ちゃんが、ポオッと頬を染めながら、

「高等部の花火打ち上げのとき、キスしたカップルは結ばれるって言うウワサあるよね・・・」

と、言う。
もしや・・・?
珠希ちゃんが、莉子ちゃんをつつく。

「誰か、好きなの?」

莉子ちゃんは真っ赤になって。

「・・・山南さん・・・」

えええっ!?
すんごい驚き!
山南さんが好きだなんて!

「私、知的な人がタイプで・・・一目惚れしたの・・・」

莉子ちゃんは、恋する乙女の顔。
よっしゃ。
私が、二人の仲を取り持ってあげようかな。

「私が、仲介しよっか?」

しかし、莉子ちゃんは首を振る。

「私・・・自分で誘ってみる」

スゴすぎるよ!
ましてや、キスなんて。
もしそうなったら・・・。
キャーじゃなくて、ギャー!だなぁ。

「夏音ちゃんこそ、沖田さんと頑張れば?」

陽菜子ちゃん!?
なぜに、そんな事を!?

「乙女の顔で、分かるもん。だだ漏れ」

だだ漏れ!?
私は、分かりやすいタイプなの!?
優衣香ちゃんが、

「キスまで頑張れ〜♪」

気楽に言うけど。
その前に。
二人きりになれるのかな・・・?
斎藤さんやら、土方さんがいつもそばにいるもの。

「告白したい・・・って言えばなれると思うよ」

告白!?
ムリだよぅ・・・。                                                     

606:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/09(木) 18:02

6,どぎまぎ

「何が、無理なんですか?」

わゎわぁっ!
沖田さん!
心臓のドキドキが、バクバクに変わる。
聞かれちゃ困るよ!

「なっ、なんでも・・・」

答えかけたとき。
陽菜子ちゃんがにっこり、

「告白したいらしいでーす♪夏音ちゃんは」

ぎゃああ!
何ちゅー事を!!
沖田さんの瞳が翳った気がしたけど、沖田さんが聞いた。

「誰にですか・・・?」

うわあぁん!
言えるわけないじゃないですかっ!

「沖田さ・・・」

陽菜子ちゃんが、答えを言う。
私は、必死の思いで、陽菜子ちゃんの口を手で塞いだ。
でも、沖田さんの顔がちょっと赤くなっていた。
ヤバいよぉぉ・・・。

「ほら、私のおかげ〜♪」

おかげじゃない!
どぎまぎしたじゃん。

「沖田さん、気にしないでください!」

それだけ言って、私は、陽菜子ちゃんと一緒に、メイド服を着替えることにして、更衣室へ向かった。                              

607:瑞◆t/k ルナです!:2017/11/09(木) 18:21

新作も恋愛がいいな!とっても面白い!
あっ!もちろんリリカに任せる!

608:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/09(木) 19:39

>>607
じゃあ、新作も恋愛に決定!
面白くなるかなぁ・・・。
これが終わったら、になるかな。
(掛け持ちで失敗したこと多数なため)      

609:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/09(木) 19:47

7,当日

その日は、最終チェックして終わり。
滞りなく、一日が終わった。

学祭当日

朝の5:00です。
わぁぁん。
目が、ギンギンしてきちゃった。
仕方ない。
朝食準備。

「おはよーございます・・・って!?」

和室を覗くと、新撰組はみんな起きていた。

「まだ朝早いですよ!?」

聞くと、沖田さんがニコニコ笑って、

「緊張してる土方さんに、たたき起こされたんですよ」

そっかぁ・・・。
土方さん、それはプレッシャーですねっ。
ちなみに、どこにいるの?
沖田さんが指した先には、布団の山。
ハハーン。
引きこもってるのね。

「土方さん〜。おはよーございます〜」

って言いながら、布団の山へと向かう。
布団を引きはがそう。                           

610:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/09(木) 21:12

8,逆の床ドン

布団に手をかけようとした。
と・・・。

ズルッ

誰かの着物の袖に足をとられる。
ちょうど、土方さんが布団をあけた瞬間で。

「ギャーッ!土方さん・・・っ!」

土方さんになだれ込む感じで、倒れる。
必死に床に手をつくと。

「夏音・・・!」

斎藤さんの悲鳴が、聞こえる。
ん?
私は、何かをした?
って!
ちょうど手を置いたところが、土方さんの顔の横。
押し倒した感じになっていて。

「す、すいません・・・っ!」

謝るけど、土方さんの頬が赤く染まってる。
私は、退こうと起きようとしたとき・・・。

「小童・・・」

え?
土方さんが、グイッと私の腕をつかんだ。
そしてその勢いで、押し倒された。
形勢逆転。

「え?・・・土方さん・・・?」

ドキドキどころじゃない。
心臓が、ヤバい・・・!!                                                 

611: アーヤ◆TQ:2017/11/09(木) 21:29

凄い良い逆床ドンは、壁ドンは斉藤さんが良いかな😃
夏音ドキドキして欲しいよ🎵

新作は幼馴染み恋愛が良いかな😃

612:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/10(金) 18:05

>>611
ありがとう!
壁ドンもありかも(笑)←書く気まんまん
新作は、そうしよっかな〜(*^▽^*) 
  
 
 

613:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/10(金) 18:15

9,キス未満

しかも、顔が近づいてくる・・・!
私の心臓、バクバク音をたてる。
ひゃあぁ・・・。
キス、されちゃう系?!
私は、逃げたくても逃げれなかった。

「土方さん・・・。みんな、見てますけど!」

せめてもの反論。
しかし、土方さんは耳を貸さない。
ひゃあぁ・・・ヤバい・・・。

「歳!それは、まだはやい!」

近藤さん!
ホッと溜め息。
近藤さんが土方さんにヒシッと抱きついて、止める。
良かったぁ・・・。
キス未満と言うか、未遂で。

「接吻するなら、ちゃんと付き合ってからだ!あと、俺に報告してから!」

いやいや・・・。
怒るとこ、ソコなの?
脱力。
へたり込む私を、藤堂さんが助け起こす。
ふぅ。

「土方さん、斬りますね」

沖田さんが、にっこり言い放つ。
斎藤さんも、刀の柄に手をかけている。

「ここで斬らないでくださいよ!」

血が付いちゃう。
と言うより、歴史変わっちゃいますから。                                         

614:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/10(金) 19:45

10,学祭へ〜

って!
こんなことしてる場合じゃない!
学祭じゃん。

「みなさん、準備してください!朝ご飯、用意できないけどすみませんね!」

たたきつけるように言って、私も着替える。
朝ご飯、用意できるかな。
準備が終わったのは、6:30。
パンを焼くぐらいかな。
トーストを作って、食べてもらう。

「やりたくねぇな・・・」

土方さんが、ぼそりと言う。
今更!?

「やってください!って言うか、やって!」

トーストにかぶりつきながら、怒鳴る。                

615:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/10(金) 21:20

準備完了。
9:00。
学祭へ〜let's go!
私たちは、一緒に学祭へ向かった。

「クレープいかがですか〜」

「ワッフルは、6ー2ですよ〜」

もう、客引きが始まってる。
人もまだまばらだけど、このあと、たくさん来るはずだ。
私たちは、クラスへ。

「夏音ちゃん、おはよう」

陽菜子ちゃんと、莉子ちゃん、優衣香ちゃん、珠希ちゃん。
私も、新撰組も服に着替えた。

「男子たち、めっちゃ眠そう」

優衣香ちゃんの一言。
確かに。

「マジ寝みぃ」

ぼやいてるけど、頑張ってね。
あっ。
お客さんが来た。                          

616: アーヤ◆TQ:2017/11/11(土) 07:56

キス未満で良かったね、何故良かったって言うと沖田さんからの殺気が来そうだからね。
でも近藤さん違う意味で夏音を助けたけど、斉藤さんの時はどうなるのだろうか気になるよ!?

617:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/11(土) 09:32

>>616
ありがとう!
土方さんのときは、止められたけど、果たして斎藤さんのときは・・・?!     

618:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/11(土) 09:41

11,モテる土方さん

入ってきたのは、二人の女性客。
その目が、土方さんを捉えて、ハートになった。

「キャ♡カッコ良くない!?」

「ヤバいよね・・・♡♡」

おおー。
土方さんは、モテるねぇ・・・。
接客してるのを見ていたら、一応土方さんはニコニコしてるけど、頬がピクピクしている。

「流石、イケメンはモテるねぇ〜」

珠希ちゃんが、感心したように言う。

「女性客の五割は土方さんが占めるんじゃない?」

そうかもね!
しかし、莉子ちゃんが、

「沖田さんと山南さん、藤堂さんや斎藤さん、モテるんじゃない?」

ええっ!?
ヤバいな・・・。
恋が進展するじゃなくて、ライバルが増えてしまう!!

「私、コクれるかな・・・」

莉子ちゃんが、心配そうに山南さんを見てる。私は、コクれるどころじゃない。
心配でしょ、普通に!!
取られたくないし!!                                     

619:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/12(日) 08:10

12,モテちゃう新撰組

しっかしぃぃ・・・!!
心配しても、事実は変わらないのね・・・。
新撰組、モテまくりでしょ!?
沖田さんと山南さん、藤堂さんに斎藤さんがモテてる。
主に、女性客ね。

「男にモテるって・・・」

陽菜子ちゃんが、感心したような引いたような声を出す。
ほんと。
近藤さん、原田さん、永倉さんはなんとね・・・。
男にモテてる!!

「ご指名が、男とはね・・・」

ビックリだよ。
男モテは、か・な・り、レアなのね。
まあ、極端に新撰組はモテちゃう!!
莉子ちゃんが、

「ヤバいよね・・・。山南さん指名する人たち・・・」

土方さんは、もう安定のモテまくり。
沖田さんも、指名する人が多いし・・・。                                  

620:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/12(日) 11:14

「格好良いわよね♡」

「優しそうな感じだし♡」

んんんっ!
奪われるなぁ・・・。
しかも、沖田さんは微笑んでるだけだし・・・。

「私ら、ヤバいね・・・」

「居場所がなくなるねっ・・・」

莉子ちゃんと、ひそひそ話してると。
お客さんだっ・・・。
私たちは、にっこり微笑んで営業スマーイル。

「お帰りなさいませ、ご主人様」

入ってきたのは、小橋先輩。
うわぁぁ・・・。
しかも、小橋先輩は私に向かって、手をクイクイ。

「注文は〜・・・」

よしよし。
まともな先輩だ。
でも、先輩は、天使の笑顔で、

「夏音ちゃんと二人で食べようぜ♡」

嫌だぁあぁ!!
しかし、次の瞬間、先輩の顔が凍った。
視線の先には・・・もみくちゃにされて、ボロボロの土方さん。
目が、笑ってないから怖い。

「俺で良ければ、相手をいたす」

ドスが利いてる!!
流石の小橋先輩も、引きつった顔で、

「いや。やっぱり、一人でいいよ・・・」

ふぅ。
なんか、土方さんのおかげで助かったなぁ!                                              

621:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/12(日) 13:18

13,告白

「ありがとうございます!!助かりました!」

私は、土方さんに礼を言った。
小橋先輩をすぐ追い払ってくれて。
土方さんは、首の後ろを掻いた。
耳が真っ赤で、可愛い。

「可愛い!!」

と言えば、土方さんの顔が更に真っ赤に。
照れなくても良いのに。        

622:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/12(日) 14:23

陽菜子ちゃんが、コソリと、

「何かさ、夏音ちゃんの前だと、すごく可愛くなるね」

ええっ!?
んなワケ・・・。
ところが、莉子ちゃんと珠希ちゃんも、果ては優衣香ちゃんまでもが、

「そんなワケがあるんだよねぇ。夏音ちゃん、魔性の女だね〜」

と、ニヤニヤ、冷やかす。
失礼な。
誰が、魔性の女よ!
珠希ちゃんが、

「こりゃあダブルで告白くると思うけどな〜」

えっ・・・と?
ダブルって・・・?

「まぁた、照れちゃって。土方さんと、沖田さんからよ!」

ええっ!?
って言うか、一応、沖田さんには私がコクる(予定)んだからね。
莉子ちゃんがうっとりと、

「コクられたら・・・♡」

うぬぬ。
コクられる前提だと、ダメだと思うけど・・・。

「優衣香、夏音がコクられたら、相談乗るからね」

優衣香ちゃん・・・。
嬉しいけどさ。

「コクられるワケ、ないから・・・」

「おいっ」

土方さんが、私に近づいてくる。
思いつめた顔をしてるけど・・・。

「ちょっと来い!」

ほへっ?!
土方さんが、私の腕をつかむ。
えっ・・・と?
陽菜子ちゃんたちが、ニヤニヤ。

「頑張れ〜」

うっそ!?                                               
    

623:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/12(日) 15:50

14,胸キュン

「どっ、どぉこに行く、んですか」

緊張。
だってさ、陽菜子ちゃんたちが言ったとおりになったら、って思うと・・・。
土方さんが、こっちを見た。
うん、すごく服が乱れてる。
女性客の人たちに、襲いかかられたからだもんね。

「服が乱れてる。直してくれ」

そんなこと。
良かったぁ・・・。
告白だったら、マジでどーすりゃ良いかわからないし。

「ってか、ムダな筋肉ついてないですね」

触りながら、言うと。
綺麗に切れ上がった目が、私を捉える。
なぜだろう。
ドキッとした。

「当たり前だ。咲と剣術をすれば、誰だってこうなる」

出た!
咲さん。
この際、聞いちゃえ。

「へぇー。咲さんって、そんなに魅力的何ですか?」

「いや。女としては、さして魅力的とか知らない。男色が好みな奴らには、魅力的だろうがな」

へ、へぇー。
ようし。
意地悪な質問をしてやろう!
お返しだ!

「かく言う土方さんに、好きな人いるんですか?」

いたら、その人はどんな人なのだろう。
土方さんは、軽く目を瞬かせた。

「・・・いる」

いるんだ!?
そっちにビックリ!

「その人と、どうしてたいですか?」

恋仲とかそういう感じなのかな。
しかし、土方さんは、

「ずうっとそばにいてもらいたい。・・・それだけで良い」

胸が、キュンと熱くなった。
私の事じゃないのに。
その人は、土方さんに想われていて、幸せだろうな。

「夏音!副長!」

斎藤さん。
斎藤さんが、なぜだか土方さんを睨みつけてる。
仕事に戻らないと。                                                                         

624:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/12(日) 19:38

15,宣戦布告 ※土方side

斎藤が、睨みつけてくる。
あからさまな嫉妬を感じるが。

「副長〜・・・。なんで夏音を攫ったんだ!」

こいつと恋敵になると、厄介だな・・・。
攫うなんて、大袈裟な。
斎藤が、睨みつつ、

「・・・ま、良いや。俺が、夏音を奪う」

さらりと変な事を言った。
奪う?
俺は、斎藤に向けて言った。

「俺が奪うから。斎藤は、無理だな」

斎藤の顔が、怒りで赤く染まる。
先に言ったのは、そっちだろうに。

「・・・流石女たらしの副長だな」

女たらし・・・。
たらしては、ないが。

「何してるんですか!!仕事してください!」

やけに、総司の言葉が空しく聞こえて。
アイツが好いてるのは、やはり総司だからか。だが・・・。
絶対に、アイツを奪うのは俺だ。
それに確信を抱き、仕事へ戻った。                                                      

625:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/13(月) 17:44

16,ダンスの本番

「夏音姉!ダンスの本番だよ!」

可愛い後輩たちが、呼びにきた。
そうかぁ、もう本番だぁ・・・。

「上手くできるかな・・・」

不安そうな、樹里ちゃん。
見渡せば自信たっぷりの、梨理華ちゃんも、美佳ちゃんも不安そうだった。

「頑張ろうよ。上手くできなくても、頑張るだけで良いと思うよ」

僅かに、梨理華ちゃんたちの顔が、明るくなった。
ダンス部の発表は、各クラスのテレビでも見られるから、ド緊張する!

「夏音姉が言うなら!」

ほんと、可愛いなぁ〜・・・。
樹里ちゃんが、

「蘭ちゃんは?出るの?」

ううむ。
実夢ちゃんや、里依紗ちゃんといるからね・・・。

「蘭ちゃんが来なくても、ウチらで頑張ろ」

答えると、樹里ちゃんの顔が曇った。
な、なに。

「私・・・蘭ちゃんも一緒に、おどりたい」

ええっ!?
もう、出演時間まであと少しだし・・・。
仕方ない!
私は、腹をくくった。

「蘭ちゃんに、言ってくるから!!先、待ってて」

梨理華ちゃんに言伝を頼み、私は、恐らく蘭ちゃんがいる場所へと急いだ。                                               
      

626:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/13(月) 21:19

17,迷惑じゃない!

蘭ちゃんと里依紗ちゃん、実夢ちゃんはクレープのところにいた。
そこだけ切り取ったように、異様な雰囲気があったから。

「蘭ちゃん・・・、ダンス、出ないの?」

途切れ途切れに聞くと、蘭ちゃんが振り向いた。
実夢ちゃんたちも。

「・・・は?出るわけないじゃん」

・・・何でなの?
今まで、一緒に頑張ってきたのに。
蘭ちゃんは、

「私は、迷惑なんじゃない。だったら、出ない方がいいに決まってる」

迷惑・・・。
思わず、叫んでいた。

「蘭ちゃんは、迷惑じゃない!」

里依紗ちゃんが、

「蘭ちゃんを除け者にしたじゃない。ダンス、一人でやれば」

ひどい。
そんな事・・・。
実夢ちゃんも、

「そうよ!蘭ちゃんの気持ち、知らないくせに」

私の血管、プッツーン!
ぶちキレてしまった。

「知るわけない!嫌だったんなら、言ってよ。蘭ちゃんの口から!!・・・ダンス、来てほしいって、樹里ちゃんが」

僅かに、蘭ちゃんの目が揺れた。
私は、それを見ないふりして、また走り出した。                   
                              

627:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/14(火) 16:27

18,斎藤さん、萌える

ふううっ。
ついたぁ!!
梨理華ちゃんが、駆け寄る。

「行こう、私たちの出番だようっ」

えっ、もう!?
そういや、風花のグループが終わってる。
よおっし。

「あっ、蘭ちゃん!」

樹里ちゃんが、言った。
振り向くと、居心地悪そうに、蘭ちゃんが佇んでいた。

「頑張ろうよ!」

声をかけたら、蘭ちゃんがうなずき返してくれた。
しかしなぁ・・・。
振り付けで、投げキスするとこあるんだけど。
憂鬱。

「あっ。沖田さんたち、いるよぉ!」

蘭ちゃん・・・。
一番、見られたくないのにっ!

『続いては、今、話題の・・・』

案内が、始まって。
私たちは、にっこり微笑みあう。

『では、どうぞっ!』

よおっし!
やってみせる!           
                  

628:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/14(火) 18:14

ううう・・・。
舞台に立つと、みんなの視線が集まるような気がして。
頑張れ、私。
勇気を奮い立たせ、音楽が鳴るのを待つ。

『♪loveormoon〜・・・♪』

曲が、鳴る。
とびっきりの笑顔で、真ん中へ。

『♪kissme〜♪』

ようし、恥ずかしながら、投げキスだぁ!
手のひらを、口元に近づけて、ゆっくり離して微笑む。

「夏音〜・・・♡」

バタリと、倒れる音。
誰・・・?
卒倒したのは、斎藤さん!?
なんか、身悶えしてるし・・・。

『♪知らんフリなんて、させない〜・・・♪』

サビがくるよ。

『♪kissmeormoon〜♪』

移動もして、踊り続ける。
大騒ぎしてる、新撰組を見ながら。
そして。

『♪loveplease♪』

終わったあ!
私たちは、にっこり笑って、舞台へ下がる。
みんなが来て、

「ありがとうございましたっっ!」

と、礼。
どっはぁぁ・・・。
終わったよ!
学祭のイベントが!!                             
    

629:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/14(火) 19:49

19,ドキドキ!?

その後、舞台を降りて解散。
真っ直ぐに、新撰組のもとへと急ぐ。

「困ったなあ・・・」

山南さんが、本当に困った顔で私を仰ぐ。
ん・・・??
見れば、まだ斎藤さんが悶えてる。

「夏音・・・可愛すぎだろっ・・・♡」

いやぁ・・・あのぅ・・・。
聞いてるこっちが、照れますけど・・・。

「夏音ちゃん欲しい症だな」

源さん!?
源さんの隣には、宮小瀬奈緒ちゃん。
いつも寝てばっかりの子なんだけど・・・。
めっちゃ、オシャレしてる。
もしや・・・?

「夏音〜っ!」

斎藤さん!?
抱きつかないで・・・。
ちょっと、いや、だいぶドキドキするんですけど!

「さっきのやつ、可愛かった!」

本当!?                         
      

630:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/15(水) 17:47

20,恋の打ち上げ花火

その後、土方さんが女装コンテストに出たり(案の定、ダントツで優勝)、斎藤さんがラブレターをもらったり。
私は、ラブレターをもらった斎藤さんに、ニヤニヤ。

「良かったですね。付き合ったら、どうですか?」

斎藤さんが、きっぱりと、

「付き合う気は、ないな。夏音一筋だし」

さらっと、おかしい事を言う。
まあまあ、みんなモテるんだね〜。
にしても。

「土方さんの女装、すごかったですねぇ」

沖田さんが、ニコニコ笑う。
確かに!
白粉塗って、口紅を塗って。
京風美人の出来上がり!
だったもん。

「総司・・・それは、言うな」

情けない顔の、土方さん。
男子票も女子票も獲得してて、スゴいなぁ。

「夏音ちゃん・・・!」

あっ、莉子ちゃん。
どうしたのかな。

「そろそろ、花火上がるって!」

そう言や、空も薄暗くなってる。
山の稜線に沿って、夕日が疎らに。
綺麗だなぁ・・・。

「あのジンクス、出来るって・・・」

ああっ!
あの、花火が上がったときに、キスしたら・・・って、ヤツ!?

「山南さんと、したいしさぁ・・・」

恥じらう莉子ちゃん。
私も、真っ赤になる。

「か、覚悟できてる・・・?莉子ちゃん・・・」

莉子ちゃんは、ううんと首を振る。
私も、だよな。                                                          
    

631:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/15(水) 21:09

私だって、覚悟できないしっっ!
キス・・・なんてさぁ!

「どうしよ!?」

「で、でもっ。ほら、近くを見て・・・」

莉子ちゃんの言うとおり、近くを見てみると。
うわぁ・・・。
なんか、イイ雰囲気のカップルが多いし!

「ねっ。カップル、もうキスしそうよね」

だよねぇ。
顔と顔が、スゴい近いし。

「あーあ。二人だけになって、告白したい・・・」

なーんて。
とか、思ってたら。

「夏音さん」

沖田さん!?
手を握られて、引き寄せられた。
まさかのっっ・・・!?      
                

632:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/16(木) 17:44

グッと顔が、近づいて・・・。
きゃっ、ファーストキッス・・・♡
ちょっと、期待しながら目を閉じる。
・・・しかしね、世の中には、空気を読むと言うことをもって生まれて来た人もいる。

「駄目だろ、こんな所で」

永倉さーん!
KY発言するなぁ・・・!!
ほぅら。
イイ雰囲気が、あっと言う間に砕けて。  

「すいませんね」

あぁあ!
沖田さんが何で謝るの!?
私は、ジトリと永倉さんを睨む。
せっかく、イイ雰囲気だったのに・・・。

「あのぅ・・・山南さん・・・。私・・・」

おお、莉子ちゃん。
ガンバ!
初々しい莉子ちゃんを見ていたら。                     
  
  

633:◆5YQ:2017/11/17(金) 11:18

3人にドキドキしながらいる夏音がカワユイ

634:◆5YQ:2017/11/17(金) 11:19

夏音は誰とキスするのかな

635:♯アーヤ:2017/11/17(金) 11:23

続き頑張ってね

一応アーヤです小説の更新が遅くなるかもしれません

636:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/17(金) 16:41

>>633
ありがとう(ございます)!
今は、スゴい揺れ動いてる感じ(´V`)♪

>>634
それは・・・?
まさかのまさかだったりして・・・( ̄ー ̄)

>>635
頑張るね!!
大丈夫。
ゆっくり、待ってまーす!p(^-^)q    

637:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/17(金) 16:52

「好きです、夏音さん」

ほぇえぇえ!?
今、何かスゴいこと言われたような・・・。
沖田さんの顔が、真剣だった。
うそぉ!?

「・・・・っっ!私も、・・・好きですよぅ!」

あぁ、スゴく頬が熱くなる。
恥ずかしくなって、顔が見れなくて。

ドーン

薄暗くなった、空に打ち上げ花火が輝く。

「ずっとそばに・・・」

言われなくても。
私は、微笑んで返事に変えた。

「絶対認めない!!」

「・・・斬ってやる!!」

後ろで、斎藤さんだか土方さんが、騒いでる。
こんな幸せ、ないっ!
色とりどりの花火が、空で美しく咲いた。
莉子ちゃんと山南さんペアを見れば、なんかイイ雰囲気。
恋の打ち上げ花火だなぁ。
と、思いながら、幸せに浸ってしまった。

──────そのときは、永遠の幸せを願っていた。
そう、彼ら新撰組の“本当”の姿を知るまでは。                                     
       

638:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/17(金) 17:00

21,エピローグ

恋をして良かった。
こんなにも、あなたの笑顔を愛しいと思えるのだから。

咲さんと言う、恋敵がいるけれど!

絶対に、付き合っちゃうから!
“誠”の旗のように、誠実な人を振り向かせる。

─────たとえ、この先離れ離れになっても─────


(Hへ続く)                   

639:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/17(金) 18:20

あとがき

ではでは。
Gのあとがきですね!!
何というか・・・。
感慨深いモノがありますね。

Gでは、かなり恋が進みました!!
両想いに・・・!?
果たして、その後はどうなるのでしょうか?!

Hのプチ情報を少し。←偉そうなヤツ
舞台は何度目かの、幕末!
好きすぎですが、すいません!

夏音と咲さんの初対面!?
夏音に幕末での友達ができたり!
はたまた、悲しい出来事があったり。
Hも、ぜひ読んでいただきたいです!

最後に、お礼を。
コメントしてくださった方々、本当にありがとうございます!
今後とも、よろしくお願いいたします。

ではでは、Hで会いましょう!             
                     

640:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/17(金) 18:32

『時を駆けて、初恋*します。』H

登場人物

城里 夏音
本作の主人公。
明るく、常に元気。
沖田さんと両想いになったけど・・・?

沖田 総司
新撰組隊士。
天才剣士。
夏音に想いを伝え・・・?

土方 歳三
新撰組副長。
かなりモテる。
夏音が好きで、夏音に関すると人が変わる。

近藤 勇
新撰組局長。
人情味がある、大食らい。
しかし・・・?

永倉 新八
新撰組隊士。
常に明るい!
しかし、女と酒が好き。

藤堂 平助
新撰組隊士。
優しい。
料理が得意。

原田 左之助
新撰組隊士。
大食らい。
永倉さんと話が合う。

山南 敬助
新撰組総長。
賢く、参謀。
莉子に想いを寄せられるが・・・?

斎藤 一
新撰組隊士。
夏音大好き。
明るく、まっすぐ。


新撰組の準隊士。
男装をしている。
沖田さんが好きで、夏音の恋敵。

芹沢 鴨
新撰組筆頭局長。
暴れん坊と有名だが・・・。

お梅
芹沢さんの愛人。
夏音と咲と女子として、仲良くなる。


新撰組を恨む、辻斬り。
しかし、夏音と仲良くなって・・・。                                                                  

641:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/17(金) 18:36

1,ソイツは現れた

学祭が終わって、数日後。
ソイツは現れた!

「うふふ♪忘れ物したわぁ」

言わずもがな。
ソイツの名は。

「お母さん!?」

お母さんは、桂さんと手を繋いで微笑んでる。
端から見れば、仲がよい夫婦だけど・・・。

「幕末に、忘れ物したわぁ♪みんな、来てよね♪」

迷惑を被るな!
怒鳴りたくなったけど、あえて堪える。    
          

642:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/17(金) 19:48

「・・・何を忘れたの?」

お母さんだけ、行けばと言う意味も込めて。
お母さんは、にっこり。

「簪よ!」

言ってしまった。
私は、

「たかが、簪でしょ!?そんなの、お母さんが行けば」

お母さんが、拗ねたように、

「だーめ。夏音来てよ。恋人の二、三人できるわよ」

二、三人!?
それって、浮気じゃ・・・。
沖田さんが、懐かしむように、

「屯所にも、戻りたいなぁ」

よし!
私は、コロッと態度を変える。
沖田さんが行きたいなら!
かく言う事で、幕末にタイムスリップする事に!        
                

643:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/17(金) 20:01

2,辻斬り燦ちゃん

ううう・・・。
思わず、体をブルリと震わす。
ちなみにね、幕末の京都ですよ、はい。

「前川邸は、隊士で手狭だ。芹沢さんに頼んで、八木邸に泊まれ」

うぬぬ。
土方さんめぇえ!
いくら近いとはいえ、充分に暗い夜道だし。
提灯の光を頼りに、歩いていると。

「天誅!」

ギャッ!
誰かの、声。
しかも、なぜかスゴく近い。
白刃が閃いた。

「お前・・・見たな」

ぬぅっと、暗がりから誰かの顔が覗く。
ギャーッ!!
つり上がった目が、僅かに見えた。
男が、ゆっくり近付いてくる。
恐怖で、動けなくて。

「先ほどから見ていたら、お前は浪士組と関係あるな」

ひいぃっ!

「名は?」

あなたこそ。
そう思って、恐る恐る男を睨む。

「あなたこそ。そっちから、名乗りなさいよ」

男の目が、見開かれた。
そして、いきなり男が笑った。

「ははは・・・。面白い女だ。俺のことを、燦と呼べ」

「燦ちゃんね〜。私は、夏音。友達だねっ!」

燦ちゃんが、目をぱちくり。
間抜けな顔で、つり上がった目が可愛く見えた。

「怖くないのか?」

ううん。
私は、首を振った。

「もう、友達だし。怖くないよ」

燦ちゃんがやっと、笑った。
笑ったら、スゴい可愛いな。
八木邸に着くのは、近くだったけれど、私と燦ちゃんは古くからの知り合いのように、しゃべったのだった。                    
                                          
                  

644:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/17(金) 21:20

3,お梅さんと芹沢さん

八木邸に着いて、燦ちゃんと別れた。
また、会える気がする。

「こんばんは〜。土方さんの紹介で、来ましたぁ」

戸を開けて、奥に声をかけると。

「こんな夜半に、誰?」

あれっ!?
女の人!?
現れたのは、スゴく色っぽい“オトナ”の女の人。

「私、城里夏音と言います。浪士組の土方さんの小姓として雇われました」

これは、あらかじめ土方さんに覚えろと言われた。
女の人は、奥に向かって、

「旦那様、どういたしましょ?」

奥から、野太いオッサンの声が返ってきた。

「上がらせろ」

女の人は、微笑んだ。

「私は、お梅。さ、夏音。上がりなさい」

お梅さんは、スゴく丁寧な物腰だった。
私は、思い切ってお梅さんに聞いた。

「旦那様って・・・?」

お梅さんは、ころころ笑って。
それもまた、色っぽかった。

「浪士組筆頭局長、芹沢鴨よ」

芹沢さんかぁ〜。
いい人なのかな。
不安を抱きながら、奥に向かう。                                                    

645:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/18(土) 15:24

「ほお、そっちが夏音か」

何、このオッサン・・・。
ガタイが良いって言うか、圧力的なのを感じる。
オッサンのそばには、目つきの鋭い人。
どことなく、燦ちゃんと似てる。

「俺が、芹沢だ」

オッサンが、名乗る。
オッサン─────否、芹沢さんがまじまじと私を見る。
変態か・・・?

「新見、部屋を当ててやれ」

新見と言われた人が、かしこまった。

「はっ」

こんなに芹沢さんが偉いのかな。
土方さんに聞いてたのは、京都の大店を脅して金を巻き上げてる悪人。
何のことはない。
ただの、酒好きな気のいい酒豪のオッサン。

「新見さん・・・でしたっけ?何で芹沢さんと仲が良いんですか?」

部屋に向かいながら、聞くと。
新見さんは、僅かに笑った。
燦ちゃんとめちゃくちゃ似てるじゃん!

「考えも似てるからだ」

素っ気ない言葉だったけど、心から信頼してるのがわかる。
よし!
あだ名を付けよっかな。

「新見さんの下の名前は?」

新見さんは、少し不審げな目で私を一瞥してから、

「錦だ」

ふうむ。
あだ名・・・。
決まり!

「しーちゃんね!よろしく!」

新見さん─────否、しーちゃんは照れたようにそっぽを向いた。

「私は、夏音で良いからね」

しーちゃんが、頷いて部屋の戸を開ける。
和室だ・・・。
当たり前か。

「風呂は、お梅さんと入れ」

ん!
わかった!

「近藤一派に、報告しなくて良いのか?」

近藤さん・・・?
って!
忘れてたぁ・・・。
土方さんに報告しないとダメだったぁ!

「行って来ます!」

私は、慌てて八木邸を出たのだった。                                                                                      

646:アーヤ◆PY:2017/11/18(土) 16:10

夏音と沖田さんが両想いになったのかこれからは切なくなりそうだね??

647:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/18(土) 17:24

>>646
ありがとう!
うん、スゴく切なくなりそう・・・。゚(゚´ω`゚)゚。  

648:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/18(土) 17:35

4,報告と悪評

「すいません!」

私は、土方さんの前で土下座をした。
しかし、土方さんの憤りはおさまらず。

「何故忘れんだ!!野良猫以下だな」

ガーーーン!
野良猫以下!?
普通にショック!!

「命令を忘れたら、切腹だ!わかったな!」

ひえぇぇ!
わかりませーん!
土方さん、嘆息する。

「おい、総司。咲を呼んでこい」

「わかりましたよ」

ええっ!?
いきなりの、恋敵と対面なの!?
うぬぬぅ。

「それより、芹沢さんの事だ」

不意に、土方さんがマジな顔になる。
芹沢さん・・・?

「どうだった」

どうだったって・・・。
ねぇ。

「普通の、酒豪で気のいいオッサンでしたけど・・・」

土方さんは、また嘆息した。
何を、あきれてるの?
私、何かした?

「お前、好かれたな。豪傑な奴として」

ひょえっ!?
芹沢さんに!?
豪傑な奴として・・・!?

「ってか、芹沢さんの悪評は何なんですか?」

ごくふつうに、聞いてみる。
土方さんが渋い顔で、

「・・・京都の大店を脅し、金を巻き上げた。でもって、その金で遊郭で豪遊」

うええっ!?
お金を取って、遊郭でめちゃくちゃ遊んだの!?
そりゃ、悪評だわ。

「だから、浪士組の悪評が広まったんだ!」

土方さんの目が、怒りでめらめら燃えてる。
芹沢さん・・・かぁ。
もしかして、しーちゃんもなのかな・・・。

「土方さん〜。咲を呼びましたよ」

咲さんと初対面だ!
ちょっと、怖い。
どれだけの美女なの!?     
                                                            

649:アーヤ◆PY:2017/11/18(土) 18:38

だんだん夏音も土方に逆らえなくなってきてない?

650:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/18(土) 18:52

>>649
ありがとう!
うん、確かにね(^^;)
それは、副長だからかな(笑)
  

651:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/18(土) 19:02

5,恋敵と初対面

沖田さんの後ろから、スススと入ってきたのは。
着物と袴姿のどうって事ない、普通の美少年。
美少年のまつげは長くて、それが目に影を落とし、どことなく色っぽい。
頬も赤らんでいて、パッと見、照れてるみたい。
この人が、咲さん・・・。
土方さんが、えらそうに、

「ほら、見て見ろ。咲の方が、男装上手いし命令もきくじゃねえか」

ふぬぬっ!
えらそうに!
土方さんが意地悪く、

「咲。お前と同じ、女だ」

途端に、咲さんの赤らんでいた頬が、さらに赤らむ。
えっ・・・と?

「嬉しい・・・。俺だけが女かと思ってたから」

“俺”!?
一人称が“俺”!?
でも、声はスゴく澄んでいて、綺麗で。
咲さんは、私の手を握って。

「よろしく、夏音!」

そして、耳元で。

「恋敵としても」

ええっ!?
もう、知られてるの・・・?
どうしてと言う顔をしてたからだろう、咲さんが微笑む。

「総司から聞いた。たとえ、共に想っていても、負けないからな」

ふええっ!?
沖田さんのバカ!
知らさなくても〜!!                                              
                 

652:アーヤ◆PY:2017/11/18(土) 20:33

恋敵強しだね1人称俺っていうのもいいね

653:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/18(土) 21:09

>>652
ありがとう!
咲さん、かなり強いよ(笑)
男っぽくて良いよね(*^^*)   

654:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/18(土) 21:23

6,認められない!?

「だっ・・・そんなんじゃ・・・」

照れてしまって、大声を出してしまう。
咲さんは、にっこり。

「そんなんって・・・?俺、わかんないよ」

あぁぁ、S!!
咲さん、Sだあぁ!
私は、こっそりと言った。

「沖田さん・・・との両想い・・・って事!!」

咲さんは、わざとらしく大声で、

「総司と恋仲!?」

ひいぃっ!
咲さん・・・!!
何を言っちゃってるんですかぁっっ・・・!!土方さんが眉間に皺を寄せる。
怖い!
ところが。

「咲っっ!!それは、本当か!?」

ほへ、近藤さん!?
なぜに・・・。
咲さんは、飄々とうなずく。

「夏音!総司は止めとけ!」

ええっ!?
認められない!?
何でよ!
近藤さんは、土方さんの背中をぐいぐい押す。

「歳の方が、良いぜ!これでも、何人も女を落としてるからな」

いやいや、そんなキラキラと言わないで・・・。
しかも、なぜに土方さん?

「はやく妻をもって、局長を安心させろ」

あぁ!
親心ね。
咲さんも、にっこりと耳元で囁く。

「恋敵が減るな」

腹黒い!!
そんな簡単に、諦めれないし!

「俺の養子にして、歳の嫁に出してやる!」

ええっ!?
近藤さん、いい加減に諦めてください。
沖田さんはにこにこ。
でも、目が笑ってないような・・・。
咲さんが、助け舟を出す。

「風呂、入ってこよう」

私は、藁にもすがる思いで、うなずいた。                                                                         

655:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/19(日) 12:29

7,お風呂でガールズトーク

私と咲さんは、着物を脱いでお風呂へ。
体を洗っていると。

「夏音さぁ。総司のどこが、好き?」

ほへー?
どこって・・・。
考えて、

「優しいところです」

無難な答えを口にした。
咲さんは、柔らかく微笑んだ。
美少女の微笑みって、スゴいんだよ。
同性でも、うっとりしちゃう。

「やっぱり?・・・私も、そこかな」

「えっ・・・。一人称、本当は“私”なんですか?」

咲さんは、ころころ笑った。
それは、花が咲き誇ったような感じで。

「ん。局長とかの幹部以外の前では、“俺”。一応、男になってるから」

へええ!
スゴいなぁ・・・。

「私も、“俺”にしたほうが良いですかね?」

咲さんは、にっこり。

「そっちが良いかもね。ここの野郎たちは、女に飢えててよく遊郭に行くから」

飢えてるの!?
それは、なんかドンマイ。
あっ。
咲さんに聞きたい事がある。

「菊乃さんの事、知ってましたか?」

沖田さんの元恋人の。
綺麗な印象を受けたっけ。

「・・・風の噂程度に、聞いてた。見たことは、なかったけど」

風の噂になってたんだ!?
発信元はたぶん、永倉さんあたりでしょ。
咲さんが、聞く。

「私に、勝てる?」

えっ・・・?
私は、風呂に浸かる咲さんを追って、入った。

「・・・自信、ないです。正直」

私は、顔をうつむかせた。                
            
                                                  

656:アーヤ◆PY:2017/11/19(日) 13:17

咲さんはSの腹黒なのに,やっぱり1人称は私を使っているのは良いけど近藤さんは少し親心が有ってビックリだね😅

657:アーヤ◆PY:2017/11/19(日) 13:21

咲さんはSの腹黒なのに,やっぱり1人称は私を使っているのは良いけど近藤さんは少し親心が有ってビックリだね😅

658:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/19(日) 14:33

>>656
>>657
ありがとう!
咲さん、Sなんだよね。
意外に(笑)
土方さんが心配で心配で・・・(笑)   
  

659:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/19(日) 14:39

「ふうん」

咲さんが、私の顔をのぞき込む。

「じゃ、私が奪うからね」

ええっ!?
それも何か・・・。
やきもきするよ。
でも、咲さんはにっこり。

「恋敵としても、隊士としてもよろしくね」

咲さん・・・!!
嬉しい。

「風呂は、一緒にこの時間帯に入ろう。他は、隊士たちが使う。女と知られても、困るだろう」

確かに。
私は、咲さんと仲良くなれた気がして、あったかい気持ちになった。
お風呂でのガールズトークは、その後もかなり続いた。

「お前ら、はやく上がれ!入るぞ!」

と言う、土方さんの脅しが聞こえるまで。                                     

660:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/19(日) 16:00

8,色気のなさ

ふうう。
暖かかったなぁ。
暖まったし、微妙に頬が熱いのがわかる。

「なんか、熱いね」

咲さんの頬も、赤い。
でも、咲さんの赤い顔が、さらに色気を増してるんだけどっ!?

「よぉ、咲」

原田さんが、咲さんに声をかけて、私と一瞥する。
何?!

「夏音と比べたら、咲の方が色気あるな」

むぅ!
どーせ私には、色気がありませんよっ!
永倉さんも来て、

「色気のなさは、天下一品だな」

と、貶す。
ふんっ!
知らないっっ!
原田さんが鼻の下を伸ばして、

「お梅さんの色気、すごいよな。ぱっつぁん」

永倉さんも、うなずく。

「大人な感じだよな。艶っぽくて」

お梅さんの事、そんな目で見てたの!?
芹沢さんに、怒られますよ?                                     

661:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/19(日) 17:28

9,お酒の力

「うめぇ!」

あれ、斎藤さんかな?
酔ったような声だけど・・・。
永倉さんと原田さんの目が、ピカーン。

「酒!」

はやいな、スゴい素早い。
咲さんとついて行けば、酔っている近藤さんと土方さん、沖田さんに斎藤さん、源さんが。
顔が、赤いね。

「酒臭い・・・」

咲さんの言うとおり、スゴイ酒臭い。
ツーンと鼻について、嫌な臭い。
いつだったっけ・・・・。
あっ。
信長さんや茶々ちゃんと会ったときだ。
あのときも、酒宴で・・・。

「お酌しろ〜・・・」

斎藤さんが、ベロベロに酔ってる。
稀だな。
銚子を持って、斎藤さんのところへ。
うっ・・・。
酒臭い・・・・。

「夏音〜」

はいはい。 
スゴイ酔ってんなぁ〜。

「夏音〜」

はいはい・・・って!
土方さんじゃない。
小童呼び、なくなって良かった。

「夏音さん・・・」

はいはい。
次は、沖田さんですかね。
半分疲れながら、向かう。
咲さんがお酌したほうが、 良いんじゃないの?
卑屈に思ってしまう。                                      

662:アーヤ◆PY:2017/11/19(日) 20:29

久々の斎藤さんに、久々の土方さんの夏音呼びきた〜

あとS差では土方さんと咲さんの二人だったらどっちがドがつくSですかね教えて下さい

663:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/19(日) 21:15

>>662
ありがとう!
確かに、斎藤さん久しぶりだね(*^^*)
うーん。
土方さんがドSかも(笑)
咲は、腹黒いかな(笑) 
    

664:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/19(日) 21:23

「咲に何か言われました?」

ひょえっ!
沖田さん、鋭いよっっ!
うーぬ。
これは、何か言われたって言った方が、得策かな?
でもなぁ・・・。
不安にさせたくないし、さして嫌なことじゃないし。

「何にもありませんよ」

沖田さんは、ちょっと私の顔を覗き込んでから、安心したように微笑んだ。

「良かった」

きゅん!
胸が高鳴る。

「八木邸で、新見さんとかに何かされてませんか?」

しーちゃんの事か。
えっと・・・。
うん、何にもない。

「大丈夫で〜す」

沖田さんが、私の髪に触れた。
仕草とか、全部にうるさいほど反応する私の心臓。

「悪い虫なんか、付けませんから」

お酒の力なのかな・・・?
スッゴい沖田さんが、ピュアな気が。
率直に心配されて、嬉しい。                                         

665:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/20(月) 19:00

10,恋する乙女のトーク

八木邸に戻ると。
お梅さんが、ぴったりくっついてきた。
何?

「あっちで、旦那様の噂、何か言われた?」

お梅さんは知ってるの・・・?
芹沢さんの悪評を・・・。

「いいえ」

答えると、お梅さんの顔が柔らかくなった。
安心したみたい。

「旦那様の悪評はなくて、良かったわ」

ズキッ。
嘘、言っちゃった・・・。
お梅さんが、私に向かってにこにこ。

「夏音は、誰が好きなの?」

ひえぇぇ!
突然!?
此処で!?

「夏音の部屋でしましょ」

そこは、良かった。
廊下でしーちゃんとすれ違った。
しーちゃんの目が、わずかに見開かれる。
お梅さんが隣にいるからだろう。                              

666:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/20(月) 21:11

「で、好きな人は?」

部屋に入るなり、お梅さんが聞く。
あのぅ・・・。
お梅さんの目が、めっちゃ輝いてるんですけど・・・。

「藤堂さん?可愛い人が好きなの?」

ちがーうっ!
確かに、可愛い人は嫌いじゃないけどさ・・・。

「あっ。咲?色気あるわよね」

咲さんでもない!
私が、男だったら惚れてたかもだけど。

「思い切って、土方さん?」

絶対ない!
あり得ません!
ってか、お梅さんかなりいい線言ってるけどなぁ・・・。

「あっ、沖田さんね」

そうですよっ!
お梅さんが納得したように、

「確かにね。優しいから、惚れるのね」

ん!
優しさが一番。
ドSは論外!!
でも、お梅さんは意味深な笑顔を浮かべていて。

「あの人、意外と意地悪かもよ?」

ええっ!?
・・・んーん。
でも、隠れSなら。
むしろ、魅力的かもなぁ・・・。

「思い切り、惚れてるのね・・・」

お梅さんが、クスリと微笑む。
綺麗だなぁ・・・。
こりゃああの変態コンビが噂するのも、わかる。
恋する乙女のトークは、深夜まで続いた。                    
                            

667:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/21(火) 18:26

11,かんざし

ふわわぁ〜。
眠い〜。
だって昨日、深夜まで恋する乙女のトークは続いたんだよ。
あくびをかみ殺しながら、居間に行くと。
あれっ?
何で隊士の人たちが・・・?

「夏音!はやく飯を!」

斎藤さん!?
何で私が、ご飯を・・・。
でも、隊士の人たちはマジメな顔で、

「城里。お願いだ!」

と、頼むもんだから。
仕方なく、台所に。
何で、私なんだろ?
私の心を知ってか、藤堂さんが言う。

「咲の料理は、腹痛がよく起こるからな」

ええっ!?
咲さんの手料理、そんなにヤバいの!?

「はーい。できましたよ、朝ご飯」

隊士の人たちが、早速食べ始める。
そんなに我慢してたの・・・?
しーちゃんが、目を丸くする。

「・・・夏音、すごいな」

へへっ。
そうですかぁ?

ガタッ

「城里。此処に、隊士たちが・・・居たな!」

咲さん!?
咲さんが、にっこり微笑む。
でも、心なしか黒い笑顔。

「俺が用意した物を、食べろよな・・・?」

「ひいぃっ!」

隊士たちが、悲鳴を上げる。
逃げ回っても、無駄。
咲さんが刀を抜く。

キラッ

白刃が閃く。
隊士たちが避けるけど、咲さんは追いかける。

「総司は食べたのに、お前らは食べねえのかよ!?」

ええっ!?
沖田さん、食べたの!?
姿を見せないって事は・・・。
咲さんがキョトンと、首を傾げながら、

「なぜか、厠に飛び込んだけど」

・・・ご愁傷様です・・・。
土方さん、近藤さん、変態コンビもかな・・・。                         
                                                            

668:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/21(火) 19:47

修羅場(?)な、朝ご飯も終わり。
なんかヒマ。
前川邸にいる、誰かに遊んでもらおっかな。

「・・・で?何で俺だっっ!」

土方さんが、吠える。
まあまあ。
そんなに、怒らなくても。

「ヒマですもん〜」

だだをこねてみる。
本当にヒマだし〜。

「団子でも買ってこい!」

えーっ。
お団子ぉ!?

「何なら、咲と行ってこい」

咲さんなら、沖田さんと出かけた。
かんざしを買って貰うとか。
うぬぬ。
妬ける!!
何時、そんな関係になったの!?

「わかりましたよ!しーちゃんと、行ってきます!」

叩きつけるように、言ったら。
土方さんが驚いたように、私を仰ぐ。
まっ。
良いや。

「しーちゃん。お団子買いにいこっ!」

「おっ、おいっ!」

戸惑うしーちゃんの腕を組んで、私は外に飛び出した。                                        

669:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/22(水) 17:53

12,デート阻止作戦

ふんっ!
私は、内心憤る。
咲さんめっ!
油断も隙もない。
不安なのは、咲さんが美形で、沖田さんとお似合いだからで。

「で?どこの団子屋に・・・?」

しーちゃんに突っ込まれて、私は、ハタと気づく。
そう言えば。
んんっ、団子と関係ないけど、京都だし私は、行きたいところがある。

「清水寺に行きたいな・・・」

「じゃ、行くか」

しーちゃん!?
あっさりと承諾され、驚く。
まっ。
良いか、気晴らしにでも・・・。

「清水寺に行きたい」

おっ。
私と同じ考えの人、いるんだ。
少し嬉しい。

「そうしましょう」

ぬっ!?
聞いたことがあるような声が・・・。
気のせいかな。                                  

670: アーヤ◆TQ:2017/11/22(水) 19:07

咲さんの手料理ってどれ程……なんだ?
デート気になるね

671:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/22(水) 19:35

>>670
ありがとう!
咲さんの手料理・・・ある意味必殺技(?)になりそうかも(笑)
剣じゃなくて料理で敵を倒す・・・みたいな?
デートで夏音はどう暴走するかな〜(他人事かよ)      
        

672:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/22(水) 19:50

「わあぁ!綺麗〜」

思わず、叫んだ。
周りの人たちが、何事かとこっちを見る。
やっちゃった。
てへっ。
しっかし・・・。
あそこの恋人(かな?)がスゴイ気になる。

「非番は少ないからな。来れて良かった」

「明日から、また隊務がありますし」

隊務・・・?
聞いたことが、あるな・・・。
女の人の方も、聞いたことがある・・・。
うっすらお化粧していて、頬を赤らめている綺麗な・・・。

「あーーっ!・・・モガガ!」

叫びかけた私の口を、しーちゃんが手で塞ぐ。
また周りの人が、怪訝そうに見る。

「しーちゃん。あれ、沖田さんと咲さんだよっ・・・!」

しーちゃんが、私の指した方を見て、うなずく。

「間違いないな」

ひえぇぇ!
こんな所で一番見たくないヤツ!
ちゃっかりと言うか、咲さんの武家の娘風に結った髪に、かんざしが。
絶対あれは・・・。

「あいつら、恋人らしい感じだな」

しーちゃん・・・。
トドメの一言を言わないでえぇ。
ぬうぅ。
咲さんのデート阻止してやる!
グッと力を込めて、欄干をつかむ。
手汗(?)なのか、手が少し滑った。

「ひゃあぁ・・・!!」

怖いよ!
落ちたら、ひとたまりもない。
しーちゃんの着物の袖がはためき、私の手を引き寄せる。
ふうう。
助かったぁ!

「ありがとう、しーちゃん!」

ぶわっと、しーちゃんの顔が赤くなった。
よぅし!
デート阻止作戦、実行だ!                    
                                                                 

673: アーヤ◆TQ:2017/11/22(水) 22:12

デート阻止ってやり過ぎだけど土方さんとデートする夏音も見てみたい

674:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/23(木) 08:29

>>673
ありがとう!
いいね(笑)
そのときの夏音、どうなるかな?(笑)   

675:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/23(木) 08:43

13,禁句

屯所に戻ったときは、くたくた。
精神的に・・・ね。
デート阻止するために、わざと咲さんにぶつかったりしたんだけど・・・。

『お前が見苦しくなるから、止めろ』

と、しーちゃんに止められた。
確かにね・・・。
私が、ヤキモチで見苦しくなる気がするし・・・。

「歳から聞いた!団子は!?」

近藤さん・・・。
ああ!
団子買い忘れた!!
まあ、団子屋には行ったんだけど・・・。

『やけ食いしてやる!』

って言って、やけ食いしてきちゃった。
結果、団子五本は食べた。
近藤さん、がっくし。
何か・・・・すみません。

「お前、やけ食いしただろ?」

ひゃあぁ!!
土方さん!?
わいて出てきた!!

「人を虫みたいに言うな!」

ひえぇぇ!
わかったから、鬼みたいな顔をしないでよぅ。

「って。何でやけ食いしたことを・・・?」

聞くと、土方さんはサラリと、

「口に団子のかすが、付いてる。その様子じゃ
五本食べたな」

ドキドキイッ!
当たってる・・・。
そこまでは言って良かったけど、土方さんは要らない一言を。

「太るぞ」

ひどい!
と言うか・・・。

「女に向かって、『太る』は、禁句です!ひどい!」

反論すれば。
土方さんは、唇の端を歪めて笑う。

「お前は、女のうちに入らん」

むっかあ!
失礼な。
そりゃ、自分でも女みたいとは言えないけど。
そんなにはっきり言わないでよ!

「そう言や、総司は?」

沖田さん・・・。
急にしょぼくれた私を見て、土方さんは大方察したらしい。                                                                           

676:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/23(木) 10:49

14,思い遣り

「端から見れば、衆道だな」

「衆道?」

何それ?

「男同士の恋愛だ」

要は、ホモなのね!
ホモ要素はないけど、咲さんが女だと知らなかったら、そう見えるよね。

「・・・まあ。お似合いですよね・・・」

私なんかより。
卑屈だな。
私。
見苦しくなっちゃうよ・・・。
土方さんが、真顔で、

「じゃ、今度俺と出かけるか?」

わぁ!
嬉しい。
思い遣りだと思うけど、なんかキュンとなる。何やかんや気遣ってくれるし。
さりげない優しさが、沁みる・・・。

「はい!お団子、おごってください!」

「お前な・・・」

呆れたようだけど、なんだか嬉しそうに見える。

「帰ったよ〜」

咲さん。
沖田さんと手を組んでいる。
ふんっ!
知らん顔で私は、土方さんに笑いかけた。

「お団子だけじゃなくて、お饅頭も食べに行きましょうよ〜」

世の中、甘いものは別。
土方さんの財布が軽くなろうが気にならない。
おごられるからね。
私は、唖然とした顔の咲さんと沖田さんを放って、前川邸を出た。                                             

677: アーヤ◆TQ:2017/11/23(木) 11:27

夏音と土方さんのデートどうなるのか気になるよ!
でもって、やっぱり土方さんが奢るんだねまあ男だから当たり前……かな?

678:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/23(木) 14:32

>>677
ありがとう!
確かに、いろんなアクシデント(?)がありそうだし。
おごるのは当然だね(笑)     

679:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/23(木) 14:45

15,妬かせるのも恋のテクニック?

八木邸に帰ると。

「旦那様ったら〜・・・」

お梅さんと芹沢さんの笑い声。
仲良いなぁ〜・・・。
今の、咲さんと沖田さんみたいで。

「夏音。お帰りなさい」

「お梅さん、ただいま」

にっこり微笑むお梅さん。
オトナの女の人は、私と違うなぁ・・・。
余裕があるって感じで。

「どうしたの?何か、あったの」

お梅さんが、覗き込む。
私、どんよりした顔だったかな?

「ええっと・・・。今日、沖田さんと咲さんが二人だけで出かけてて。妬いたって言うか・・・。ヘンな気持ちになったんです」

答えると、お梅さんがまた微笑む。
オトナだからか、何でも相談できるな・・・。

「・・・それは、ヤキモチね。恋をすれば避けては通れぬ道よ」

へっ?
そうなの・・・?

「それより、夏音。沖田さんを妬かせましょう!」

ほへー?
沖田さんを妬かせる・・・??
お梅さんがにっこり笑う。

「夏音ばっかり妬くより、あっちに妬かせないと。押してだめなら、引いてみるのよ」

ふうん。
それも、恋のテクニックなの?

「何か、今度予定ある?」

予定ねぇ〜・・・。
あるっちゃあるね。

「土方さんと出かける事、ぐらいです」

お梅さんの目が、キラーンと光った。

「思い切りイチャイチャしなさいよ。間違いなく、妬かせる事ができるわ」

へっ?
そんな事で?
まあ・・・お梅さんが言うんだったら、そうなんだろうけど・・・。                             
                                               

680: アーヤ◆TQ:2017/11/23(木) 15:04

梅さんが言っている押して駄目なら引くをやるんだったら、夏音と土方さんの二人がイチャイチャするのであれば…逆に土方さんの甘い言葉が欲しいって思うよ🎵

夏音の思惑を通り越して先行きが見えない、逆に夏音が土方さんのエスコートに胸キュンして欲しいって思うよ❤
小説は更新しましたので👼

681:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/23(木) 16:11

>>680
ありがとう!
ツンデレ・・・最近、ツンツンばっかりだったからね(笑)
ここでデレが出るかな?(笑)
胸キュン絶対出すよ!(*^▽^*)
読んでるよ〜!
スゴイ楽しみ!       

682:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/23(木) 16:24

16,ドキドキのデート?

翌日

ふわわぁ。
眠いけど〜・・・。
今日は、土方さんとデート(?)だったっけ。
時間遅れたら、後々うるさそうだし。

「私が、髪を結うわ」

お梅さん。
おはようです〜・・・。
お梅さんの腕は、確かだった。
綺麗な武家娘風に、結われていて。

「夏音、似合うわ!後は、土方さんからかんざしをさしてもらうだけよ!」

ええっ!?
かんざしを・・・!?
うーん。
失礼ながら、私にかんざしをあげる、土方さんの姿が思い浮かばない。

「お梅さん。私に、甘い言葉を囁く土方さん、思い浮かびます?」

「ううん・・・」

だよね。
そんなの、ヘンなキノコを食べたら起こりうるかもだけど・・・。

「さっ。この着物を着て」

お梅さんが、綺麗な着物を私に着せる。
わぁ・・・。

「行ってらっしゃい!沖田さんには、私から言っておくわ」

お梅さんの笑顔に見送られ、私は八木邸を出発。
前川邸へ。

「土方さん〜。団子とお饅頭、食べに行きましょう!」

声をかけたら、うるさそうに土方さん登場。
目の下に隈があるような・・・。

「行くか」

まあ良いや。
お団子とお饅頭、食べにlet's go!                                                                 

683: アーヤ◆TQ:2017/11/23(木) 16:53

絶対に絶〜対に夏音とのデートが楽しみで眠れなかったパターンだよねきっと!
何かシチェーション無いかなぁ、土方さんの時に絶対お約束の邪魔者が来るから今回は、来ないで終始良い雰囲気にデートを楽しんで欲しいからkY来ないでね

684:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/23(木) 17:44

>>683
ありがとう!
恐らく、狂喜乱舞してた(笑)
もはやお約束に定着した、永倉さんor原田さん(笑)
KYは、出ないよ(*^^*)       

685:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/23(木) 18:07

17,新撰組のそばに居させて

はぁ・・・。
私は、恋文をもらってる土方さんを一瞥。
こんな時なのに、モテるんだ・・・。
呆れかえってしまう。

「お団子、食べに行きますよ!」

半強制的に、土方さんの腕を引っ張る。
デート(?)なのに、京美人をはべらせるなんて!
憤慨しながら、団子を食べる。

「おいしい!」

甘くて、それでいて食感も良いし。
この世に、こんなおいしいモノがあるなんて!

「あと、六本はいける!」

宣言したら、土方さんがため息。
はて?

「饅頭は・・・?」

あぁっ!
お饅頭があったんだ!
うーん。
まだまだ食べたいけど。

「”太る”から我慢します」

ちょっと皮肉る。
おっ。
土方さんの頬が、ひきつった。
そっちが言ったんだからね!
・・・とまあ。
お団子も食べたら、満腹。

「散歩してくか?」

「はい!」

なんかさぁ・・・。
今まで、永倉さんとかがいたから、イイ雰囲気になれなかったけど。
本当、今はイイ雰囲気。
再びの清水寺。
欄干に掴まりながら、京都の街を見下ろす。
─────この街で、人が斬られているのか。なんだか悲しくて。

「・・・新撰組は、この街をどうしたいですか・・・?」

質問になってるか、怪しいけど。

─────そのときの土方さんの顔は、ずうっと忘れられない。

真面目な顔だけれど、気負ってる感じでもない瞳で。
此処ではない、何処かを見ていて。

「守り抜く。・・・お前も、だけど」

えっ・・・。
さりげなく、スゴイ事を言われたような。
私が今、願うのは・・・。

「私は、新撰組のそばに居させてほしいです」

現代に今は、帰りたくなくて。
涼しい風が、私の頬を撫でた。
この先の新撰組を思うと、胸が切なくなる。
でも。
私は、そばに居させてもらいたい。
たとえどんな別れがあっても。


しかし。
その別れは、もう近くまで来ていた。                                                                                                                  

686: アーヤ◆TQ:2017/11/23(木) 20:38

キャー土方さんが初めての凄い台詞を言い放ったんだけど…、夏音を守るも付け加えたけど本人も「えっ👀⁉」になったけど……
やっぱり夏音の人生観が始めから今では、成長しているけれど夏音にとってはもうかけがえのない人になっていつでも傍に居たい願いってことよく伝わるよ!

もう終盤ってことになるのかな、別れってことは?
切ないけど夏音と新撰組達はどうなるの夏音と土方さんの平和にして守るが戦争に思えるよ………

687:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/23(木) 21:14

>>686
ありがとう!
ものすごい発言したよね(天然ぽい(笑)
最初は、最悪だったけど今は、大切な人かな。

まだ終わらないよ〜(*^^*)
一応、戊辰戦争まで書こうかと(マニアなヤツ)

この別れは、夏音と仲良くしてる人たちで・・・。
   
最後のストーリーは、どうなるかな(無責任な)      
          

688:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/23(木) 21:25

18,永遠の友達

ふふん〜。
楽しかったな〜・・・。
ルンルン気分で、土方さんと手を組んで帰ると。

「副長・・・っ!?」

ありゃ。
藤堂さんが、目をむいた。
まあ、端から見ればおかしいよね。

「総司〜、副長がついに、夏音に手をっ・・・あれ。どこ行った?」

藤堂さん・・・。
素直で可愛いけどさ。
沖田さんどこ行ったの?
でも、土方さんの顔がサッと強張った。

「藤堂!行くぞ。夏音、屯所で待ってろ」

ええっ!?
何が、あったの・・・!?

「はーい」

なんて答えたけど、ソッと後をつける。
気付かれないように。
そして・・・。
私は、見てしまった。
しーちゃんが、綺麗な人と、歩いていて。
隊士が、声をかけ。
スッとしーちゃんは、目線をあげた。
私、見つかった・・・?
しーちゃんの顔が、あどけなく崩れ。
そのまま、隊士の人たちと、何処かへと歩いていく。
追いたかった。
でも────────────。
足が、縫いつけられたように動かない。

「しーちゃん・・・」

あの瞳は、何だったの・・・?
覚悟の色が見えたけど。
嫌な予感を感じながら、屯所に戻った。


それが、私の見た、しーちゃんの最後の姿だった・・・。                                                       

689: アーヤ◆TQ:2017/11/24(金) 16:56

しーちゃんどうしたの?

あと一番気になることがあります、>>1プロローグの「私達は出逢ったらいけなかった。すぐに、もとの世に戻れ!」は誰が言うのか今からドキドキワクワクします。
沖田さんか土方さん辺りって思っていますけど発言的には土方さんが言うのかなぁ……なんて?

690:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/24(金) 17:25

>>689
ありがとう!
実は、しーちゃんは・・・。
プロローグの真相は、もう少し後かな(後回しすんな)
さて、どっちの発言でしょ?(笑)
今日、予定があってこのあと更新できないかもです(´-ω-`)              

691: アーヤ◆TQ:2017/11/24(金) 17:25

分かりました明日楽しみにしてます!

692:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/25(土) 17:14

>>691
ありがとう!
やっと落ち着いて更新できます(*^^*)
  

693:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/25(土) 17:28

「・・・なぁ。夏音。ちょっと、来てくれない?」

藤堂さんから呼び出された。
何・・・?
告白?
だったら、断るけど。
ちょっとウキウキしながら、藤堂さんの近くに行くと。

「来て」

それだけ言われて、手を握られた。
あれ?
このシチュエーションは・・・!?
若干のドキドキ感を隠せなかった。
屯所の裏。

「・・・実は。よぉく落ち着いて、聞いてくれ」

えっ・・・?
重苦しい雰囲気。
必死に絞り出そうと言葉を選んでる、藤堂さんの顔を見ていたら。
嫌な予感・・・。

「夏音の言うところの・・・しーちゃん・・・新見さんが、切腹した」

しーちゃん、が、切腹、した・・・。
頭の中が、真っ白になった。
クラリと軽いめまいを感じる。
嘘だ・・・・・・!
でも、藤堂さんの表情が、全てを物語っていた。
嘘じゃなくて・・・。

「ば、かぁぁ・・・・。しーちゃんの・・・」

そこから先は、言葉にならなかった。
あのときの。
あどけなく、澄んだ瞳が意味するのは。

『自分の死』。

嗚咽した。
こみ上げてくる涙を止められなかった。
なんで・・・。
切腹したの・・・!?

「おーい。平助、夏音を泣かせたな〜」

気楽な永倉さんの声。
聞きたくなかった。
藤堂さんは、それを無視して、私に紙を渡す。

「それは、新見さんから預かった文だ。夏音に渡せって」

しーちゃん・・・。
私は、ソッと礼をした。
ホッとした顔の藤堂さんを見てから、私は屯所に戻る。
パサッと広げた紙には、読めない字が。
お梅さんに読んでもらおう。
涙を拭って、空を見上げると。
綺麗な青空が広がっていた。                                                
                          
                  

694:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/25(土) 21:16

お梅さんに読んでもらうと。
内容は、

『もうそばには居られない。少しだけだが、夏音と居られて良かった。俺が行った事は許されない。だが。俺は、夏音とずっと友達でありたかった。
俺は、お前が』

そこで手紙は終わっていた。
そこから後は、何を書きたかったのか。
大方わかっていた。

「旦那様も、大荒れだわ・・・」

お梅さんが、悲しそうにつぶやいた。
芹沢さんが、しーちゃんを失って悲しんでいる。
それは、わかっていた。
酒のなくなりがはやいから。

カラン

えっ・・・?
手紙から、何かが落ちた。
それは・・・。

「まあ。綺麗な真珠のかんざしじゃない」

お梅さんが、驚いたように拾う。
確かにそれは、薄桃色で、綺麗な真珠のついたかんざしだった。

「これって・・・。しーちゃんが・・・」

私に、遺してくれたのだろうか。
また涙が、こみ上げてきた。

「夏音に、似合うわ」

お梅さんの言葉で、私は、そうっとかんざしを受け取った。
光を反射し、真珠は一層美しく見えた。

『さしてあげたかった』

そんな、しーちゃんの言葉まで聞こえた気がして。
頭の中に浮かんだしーちゃんは、強く笑っていた。

「しーちゃん・・・」

何度泣いたのだろうか。
しゃくりあげる私の背を、お梅さんが撫でてくれた。                                                                    
            

695: アーヤ◆TQ:2017/11/25(土) 22:36

悲しい別れだったんだ……

696:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/26(日) 07:27

>>695
ありがとう!
うん・・・。
切ないと言うか、悲しいんだよね。゚(゚´ω`゚)゚。  

697:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/26(日) 07:35

「うっ・・・うっ・・・ひっく・・・」

お梅さんには、大丈夫と言って、八木邸を出たけど。
青空が悲しく見えた。
もう二度と、しーちゃんとは空を見ることができない・・・。

「・・・しーちゃん・・・うっ・・・」

ギュッと、かんざしと手紙を持った手に、力を込める。
私と、しーちゃんは永遠に友達なんだ、って。もう会えないだけ・・・。
泣くつもりはないのに、涙が溢れる。

「夏音さん・・・」

沖田さん・・・。
ごめんなさい、今は、誰とも話したくない。
沖田さんの目が、かんざしに視線を向けている。
ん・・・?

「誰からもらったんです?」

「そ、れは・・・」

言えない。
しーちゃんがくれた事。
ゾッとするほど、沖田さんの目は、暗く光っていた。                               
                

698:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/26(日) 07:49

19,恐怖

「・・・なんで教えないんですか?」

えっと・・・。
これは、ヤキモチなのか・・・?
普段の沖田さんだったら。
私は、喜んでいたけど。
今は・・・。
何だか怖かった。

「・・・良いじゃないですか。・・・関係ないですし」

しーちゃんの想いを、教えたくないから。
私は、フイッと顔をそらす。

「関係ない・・・?」

ヤバい。
そう思ったのは、本能で。
逃げよう。
でも、もう遅かった。

「貸してください」

「ムリ・・・!!」

何となく、今の沖田さんに渡しちゃダメ。
そんな気がした。
ガッと音がして、壁と沖田さんの間に挟まれて。
いわゆる、壁ドン状態。
でも、ぜんぜん嬉しくない。

「やっ・・・!」

ドンッと、私は、沖田さんを突き飛ばした。                                   
 

699:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/26(日) 11:28

怖かった。
やるせなさそうで、切なく、暗く冷たい瞳が・・・。
私は、必死で逃げた。

ドンッ

誰かにぶつかってしまった。

「夏音・・・?」

斎藤さん・・・!
私は、恐怖と悲しみを交えた涙を流す。

「どうし・・・た!?」

驚く斎藤さんをよそに、私は抱きついた。
今は、誰かの胸にすがりつきたかった。
落ち着きたくて。
この気持ちを、整えたくて。

「大丈夫・・・か?」

戸惑う斎藤さんの顔が、涙でぼやけて見える。
ポンポンと、温かい斎藤さんの手が私の頭を撫でた。
優しい・・・。
嬉しい・・・。

「ありがとうございます・・・」

見上げると、赤くなった斎藤さんの顔が。
ふふふ。
可愛いな・・・。
やっと、私は、笑えた。
しーちゃんが切腹したり、怖い沖田さんを見たりで泣いていたのに。

「で、なんで泣いてたんだ?」

心配そうな顔で、斎藤さんが聞く。
私は、しーちゃんの事から、沖田さんの事まで話す。

「そっか・・・。夏音、泣きたいときは、俺の胸を貸すぞ」

マジですか。
なんだか、笑いがこみ上げてくる。
素直に嬉しかった。
優しさが、沁みる。

「じゃ、今度もよろしくお願いしますね」

私は、涙を拭って笑った。                                                                    

700:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/26(日) 11:35

20,部屋割り

その夜。
私は、土方さんに呼ばれた。

「失礼しま〜す」

一応、挨拶(?)をして部屋に入ると。
熱心に、文机に向かってる土方さんの後ろ姿が見えた。
はて?

「何、書いてるんですか?」

気になるなぁ。
もしやのラブレター??

「あぁ・・・って!いつ、入りやがった!?」

入りやがったって・・・。
挨拶したんですけどねぇ・・・。

「で、話って何です?」

用件によっちゃあ、すぐ帰りますけど。
土方さんが、真面目な顔で、

「お前は、八木邸じゃなく、こっちに泊まることになった」

ええっ!?
なんで、急に!?

「いや、芹沢さんがいつお前に乱暴するかで、心配だからだ」

ひぇ、乱暴!?
そんなのないハズだけどさぁ・・・。
部屋割りは?

「それを、今から考えるんだ」

なんだ、今か。                                      

701:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/26(日) 12:39

祝、700!
コメントくださった皆様、ありがとうございます!
これからも頑張ろうと思います!(1000いけたら良いなぁ。1000いっても終わんなかったらどうしよ←)

───────────────────

よって、呼ばれたのは。
斎藤さんに、沖田さん、山南さん、藤堂さん。原田さんと永倉さんがいないのは、私が即却下したから。
誰だって、却下するよ。
あの変態コンビは!

「で、夏音はどこの部屋に・・・」

「俺の部屋に決定!」

土方さんの言葉を遮り、斎藤さんがしゃしゃり出る。
にっこり私を見て、斎藤さんは笑った。

「いつでも、貸せるようにな!」

何を、とまでは言わなかったけど。
さっきのだな。
んー。
でも、私、さっきスゴイ気になる物を見ちゃったしなぁ・・・。

「土方さんの部屋にします!」

ギョッとしたような、顔をしたのが一名。
土方さんだ。

「さっきの、何書いてたのか気になるから!」

それと、安全面でもしっかりしてるだろうし・・・。
今、沖田さんと気まずいのもあるし・・・。

「あっ、私、寝相悪いんで。気をつけてくださいね!」

それを言うと、土方さんの顔が、少しだけ青ざめた。
なんで?
ハテナマークを浮かべながら、その日は終わった。                                                                           

702: アーヤ◆TQ:2017/11/26(日) 19:02

壁ドンは沖田さんだったけど夏音にとっては恐怖の壁ドンだったね、それにしてもある意味で怖いよ沖田さん色んな感情が出ていてだけど斉藤さんに抱き付いた夏音が悲しい感情に恐怖の感情が混じって安心させて頭ポンポンって逆に良いね慰めだから。
それにしても土方さんのアレはなんだったのか気になるから土方さんの部屋に決めたんだね、で変態コンビはね……ちょっとだけれど夏音と土方さん二人っきりってこれって密室じゃあないの!?

二人だけだから何かあるよね部屋中でシチューエションが、あって欲しいキスとか手紙みたいなのを見てみたいって奪い合いをしてハプニングって感じかな?

703:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/26(日) 19:47

>>702
ありがとう!
今のところ、ちょっと微妙な感じになっちゃったよね。
夏音と沖田さん。
斎藤さんは意外と、慰め役に徹すると言うか・・・(´V`)♪
確かに、密室だね!
いろいろハプニングが起こりそうだよねo(^-^)oワクワク              

704:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/26(日) 19:56

21,寝言にドキドキ

布団を敷いてっと・・・。
よぅし。
あとは、寝るだけだ〜!
でも、その前に・・・。
そーっと文机に忍び寄る。
どこにあるかな・・・?
ラブレターがでてきたら、どうしよ!
そのときは、そのときで言い訳しよう。
あさり始めたとき。

「何を探してる・・・?」

ギャーッ!
鬼だぁ!
妖怪だぁ!
ぬうっと、土方さんが姿を見せる。
ひゃあぁ・・・。

「何でも!別に、机をあさるつもりは・・・」

「あったんだな」

ひぃぃ!
バレたぁ・・・。
私は、諦めて手紙とかんざしを枕元に置く。
お守り代わりに。

「おやすみなさいっ!」

私は、布団を頭からかぶった。
思えば、密室じゃん!
二人きり・・・。
なんか起こりそうで、スゴイ緊張する・・・。まあ、土方さんの事だし、ヘンな事は考えないだろうけど・・・。
ちょっと、恥ずかしいような、緊張するような。                                               

705: アーヤ◆TQ:2017/11/26(日) 20:40

まあ緊張するからって油断は出来ないからね。
お互いに二人の寝顔が見えたり?
土方が寝言を言っていたり気になるよ

706:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/26(日) 21:10

>>705
ありがとう!
寝顔チャーンス!だね(笑)
夏音にとって、願ったり叶ったり(?)だよね(*^^*)       

707:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/26(日) 21:20

うう・・・。
私は、そうっと布団から顔を出す。
スースー眠っているであろう、土方さんがいることを意識してしまう。
よって。
わぁぁん。
寝れない・・・!!

「ヤバ・・・目が冴えてきちゃった・・・」

暗い部屋にも慣れてしまい、なぜだかドキドキする。
そうだっ・・・。
寝顔見るチャンスじゃないか。
よぅし。
寝顔を、拝ませてもらおう。

「マヌケな顔だったりして・・・」

若干のニヤニヤを抑えきれず、土方さんの布団に忍び寄る。
端から見れば、変態だよね・・・。
んー!
でも、見たい。

「どんな顔かな・・・」

ソッとのぞき込むと。
スゴイ穏やかな寝顔。
私に、あれこれ言ってるときと、別人みたいな。

「夏音・・・」

ほひゃ!?
バレたのかな!?
でも、目は開いてない。
寝言か・・・。

「離れる、な・・・」

えっ・・・?!
胸が、異様に高鳴る。
キュンとなって、頬が火照る。
照れてしまって、私は、自分の布団に潜り込んだ。
明日、どんな顔をすれば良いの・・・!?                                                       

708: アーヤ◆TQ:2017/11/26(日) 21:49

予想外に土方さんではなくって夏音から、土方さんの布団に忍び込んで来たのは予想外だったけど土方の寝顔を見てからの寝言も聞いてドキドキするかなぁ夏音

709:リリカ@恋歌◆JA 今日は、休みだ〜!イェイ!  :2017/11/27(月) 09:17

>>708
ありがとう!
夏音的にも、スゴイドキドキしてたと思うよ(笑)
夜這いしてるみたいだよね(笑)         

710:リリカ@恋歌◆JA 今日は、休みだ〜!イェイ!  :2017/11/27(月) 09:34

22,歯がゆさと愛しさ ※沖田side

「・・・しーちゃん・・・うっ・・・」

泣きじゃくる夏音さんに、声をかける。
そのかんざしは、誰からもらったのかと。
答えにつまっている。
苛々が溜まり、歯がゆかった。

「・・・良いじゃないですか。・・・関係ないですし」

その言葉に、胸が痛くなった。
拒絶された気がしたから。

「貸してください」

自分でも、ぞっとするほどの冷たい声だった。かんざしを貸してもらって、壊したい衝動に駆られる。

「ムリ・・・!!」

潤んだ瞳が、見上げる。
愛しさを感じる反面、嫌がられて困っていた。
力ずくで取ろう。
壁に押し付ける。

「やっ・・・!」

突き飛ばされたあとの事は、あんまり覚えていない。       
 
                          
          

711:リリカ@恋歌◆JA 今日は、休みだ〜!イェイ!  :2017/11/27(月) 16:46

23,私が男色!?

翌日

ううう・・・。
眠いなぁ・・・。
よぅし。
二度寝をしよーっと!
暖かい布団にくるまり、私はごろりと寝返りをうった。
だけど、寝返りをうったら・・・。

「ギャーッ!」

悲鳴をあげてしまった。
理由??
そんなの簡単。

「はやく起きろ!」

土方さんの顔が、近いから!
・・・って。
ここ、もしやの・・・。

「俺の布団を取るな!」

土方さんの布団!?
私、どんだけ寝相が悪いんだろ。
土方さんが、ギッと私の向こうを睨む。

「てめぇら・・・!!」

へっ!?
てめぇら・・・?
後ろを見ると、咲さんをはじめ、斎藤さんや変態コンビ、沖田さん、隊士たちが部屋をのぞき込んでいた。

「副長が・・・!」

「城里と男色!?」

へっ!?
もしや、ホモかと疑われてるの!?
私、男色しないし!
・・・ってか、私は、女だし。

「城里、副長と恋仲なのか〜?」

咲さん・・・。
絶対、知ってて言ってるよね・・・?                                
   
                   
         

712: アーヤ◆TQ:2017/11/27(月) 17:51

まさか夏音がそんなに寝相が悪いとは思わなかったよ……
でも顔の近さで「ギャっー」て悲鳴をあげたけど、夏音らしくってやり取りが二人らしいよ🎵
起きても夏音が土方さんの寝言を、どう受け止めるか気になるよ《冗談半分》とか思わないで土方さんに覚えているかって言って欲しいよ🎵

なので,土方さんsideを見てみたい

713:リリカ@恋歌◆JA   :2017/11/27(月) 18:06

>>712
ありがとう!
確かに、二人らしいよね(*^^*)
土方さんside、書くよ〜(*´ω`*)     

714:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/27(月) 18:21

24,アイツの寝顔 ※土方side

「ギャーッ!」

アイツが、悲鳴をあげた。
何だ?
朝っぱらからうるさい。

「はやく起きろ!」

急に、アイツの顔が真っ赤に。
まだ知らないのか。
と言うか、寒い。

「俺の布団を取るな!」

怒鳴れば、やっと気づいたらしい。
ん・・・?
視線を感じ、戸に目をやると。

「てめぇら・・・!!」

咲たちが、覗いている。
勝手に人の部屋を・・・。
変な噂をたてる、隊士を見て、アイツがまた真っ赤になった。
それを見ながら、アイツの寝顔を思い出す。



目を擦りながら、布団から起き上がる。
目が覚めてしまった。

「おい・・・」

思わず、つぶやいてしまう。
なぜなら。

「んにゃぁ〜・・・。いちご大福だぁ〜」

拳を固く握り締める。
アイツが、俺の布団に入り込んでいるからだ。
寝顔は、よだれが出そうなほど口が開いており、マヌケだった。

──────可愛いなどと思ったのは、秘密だ。                                     
                          
 

 

715: アーヤ◆TQ:2017/11/27(月) 18:30

土方さんが夏音の赤面の意味が分からないって、以外に土方は鋭いのにどこか鈍いんだね😃
それに土方さんらしく秘かにツンデレ出しているし、夏音の寝言も可愛いらしく思うよ🎵
やっぱり夏音色気っていうより食い気だね(*≧∀≦*)

716:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/27(月) 20:01

>>715
ありがとう!
うん、鋭いような鈍いようなだね(笑)
久しぶり(?)のツンデレだよ(笑)
確かに、色気より食い気だよねぇ(*^▽^*)         

717:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/27(月) 21:17

25,拉致からのタイムスリップ!?

あー。
朝から疲れたよぅ。
みんなの誤解を解くのが、ね。
特に、近藤さんが難しかった。

「そうか!良かったなぁ、歳。晴れて、嫁がもらえるなぁ」

もぅ!
勘違いは、怖いよぉ。
朝ご飯を食べた途端、私に訪問者が。

「きゃっほー☆久しぶり♪夏音。タイムスリップするわよぅ」

そう・・・。
よりによって、お母さんだったのよ!
タイムスリップ!?
そんなのしたくない。
この時代で、過ごしたいのに・・・。

「晋作、よろしくねっ♪」

えっ・・・!?
今、問題発言が・・・。
桂さんが、好きなんじゃ・・・?

「わかったぜ!すまんな、夏音」

高杉さん・・・。
謝られたけど、わからないな・・・。

ゴツッ

あ・・・。
ヤバい・・・。
意識、が・・・。
恐らく鳩尾を殴られた、と思う・・・。
呆気なく、私の視界は真っ暗になった。                       
              
    

718:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/27(月) 21:25

ん・・・。
ハッと、気がついて目を開ける。

「夏音さん。目、覚めましたか?」

沖田さん!?
そんな、に、顔が近いと・・・。
胸がキュンキュンして、ヤバいですって!!

「此処は・・・?」

私の問いに答えたのは、お母さん。

「タイムスリップマシーン内よ♪」

私を、拉致って?
タイムスリップしようとか、考えてるの!?
絶対反対!

「今まで、私に迷惑を被ったのは、どこの誰よ!?」

張本人は、キョロキョロ。
わざと・・・?
ああっ、腹立つ!

「だから、タイムスリップなんて・・・」

私の言葉は、そこで止まった。
なぜか。
それは、お母さんがタイムスリップマシーンのボタンを押したから。
激しい風圧で、私は、必死に沖田さんにしがみついた。


(Iへ続く)                                               

719:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/27(月) 21:33

あとがき

H完結です!
スゴイ嬉しいです!
回を重ねていくごとに、感慨深さが深くなっていくような・・・(笑)

さて。
今回は、切ない友情をテーマ(?)にしてみました。
夏音と、しーちゃん(新見さん)です!

史実通り、しーちゃんは切腹するのですが・・・。
夏音としーちゃんの絆の回、少なかったですけど、書けて良かったです。

文で、しーちゃんの夏音に対する、想いを描けて楽しかったですね。

恋も、進んだ気が。
ツンデレが書けて楽しかったし、良かったです(笑)

Iの舞台は、1000年前(平安時代)の日本です。楽しく書きたいなぁ〜。

いたらない点もありますが、よろしくお願いいたします。

コメントをくださった皆様、ありがとうございます!
語彙力はないに等しいリリカですが、これからもよろしくお願いいたします。

では。            
                          
             

720:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/28(火) 18:01

『時を駆けて、初恋*します。』I

登場人物

城里 夏音
本作の主人公。
明るく、しっかり者。
沖田さんが好きだけど・・・。

沖田 総司
新撰組隊士。
優しく、温和。
夏音と両想いだけど・・・?

土方 歳三
新撰組副長。
夏音に想いをよせる。
最近、接近してるけど・・・?

近藤 勇
新撰組局長。
大食いで明るい。
夏音と土方さんをくっつけようと、画策中。 

永倉 新八
新撰組隊士。
酒大好き。
夏音には、変態と認識されている。

藤堂 平助
新撰組隊士。
優しく、料理上手。
苦労人。

原田 左之助
新撰組隊士。
大食い。
夏音に変態と認識されている。

山南 敬助
新撰組隊士。
知性派。
みんなのストッパー。

斎藤 一
新撰組隊士。
明るい。
夏音大好きで、一途。

井上 源三郎
新撰組隊士。
穏和。
癒し系で、喧嘩もやんわり止める。

彰子
藤原道長の娘。
一条天皇に嫁ぐ。
夏音と出会って・・・?

紫式部
彰子に付き従う。
源氏物語の作者。
引っ込み思案だけど、夏音と出会い・・・?                                                   
        
    
      

721:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/28(火) 18:06

1,1000年前の日本!?

「着いたみたいですよ」

沖田さんの声。
私は、慌てて背中を掴んでいた手を離す。

「やった〜☆1000年前の日本に来ちゃった〜♪」

1000年前の日本!?
嘘でしょ!?
タイムスリップマシーンを出ると。

「わあぁ・・・」

思わず、溜め息。
うっとりしてしまう。
景色は、あんまし変わってないと思うけど、1000年前の日本だと思うと、感慨深いんだよね。

「場所、変えるわね☆」

へっ!?
私は、慌てて戻る。
また、風圧を感じて・・・。                            

722:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/29(水) 18:26

2,彰子さんと紫式部さん

「彰子さま。女官を呼んできます!」

誰・・・?
彰子さん・・・?

「此処に、突然現れるなんて。怪しいですわ!」

『彰子さん』に注意していた人の声。
わっ!?
私の顔をのぞき込んでる!?

「そぉ?紫、私、この子気に入ったわ」

別の声。
別の人が、私を抱きしめる。
艶やかな黒髪に、おっとりしたような感じの、優しい目。
気に入ったの、私なの!?

「彰子さまが、そこまで言うのなら・・・」

彰子さんと違う、人。
紫さん?
黒髪で、綺麗な目。

「私は、紫式部。あなたがたの名は?」

紫式部さん!?
社会の時間に、習った。
国風文化だっけ・・・。
源氏物語を書いた人なんだよね!

「私、城里夏音です!こっちの人たちは・・・」

全員を紹介。
彰子さんが、私の肩を抱く。

「夏音、可愛いわぁ・・・」

嬉しい。
そんなに、可愛がられるなんて。                       
              
                             

723:リリカ@恋歌◆JA:2017/11/30(木) 18:22

3,女の嫉妬は怖し

ところが・・・。
ちょっと照れてる私を、紫式部さんが睨むんだよぉ・・・。

「彰子さま。やはり、宮中にこんな身なりの者たちを連れ込むのは・・・。道長さまに、怒られますよ」

途端に、彰子さんはむううっ。
ふくれっ面で、

「紫は、いっつも父上父上・・・。父上がよほど好きなのね」

そしたら、紫式部さんが真っ赤になった。
あれ、図星?

「私は、夏音さえいればいいの」

彰子さんがまた、微笑む。
えっ・・・とぅ・・・?
どう対応すればいいの?
間違ったりして、紫式部さんの怒りをかうのはヤダからね。

「夏音〜・・・」

紫式部さん!?
そんなに、睨まないで・・・。
女の嫉妬は怖し!                                              

724:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/02(土) 20:03

4,ナルシスト系道長さん

「彰子〜」

御簾?の向こうから、男の人の声。
そのとたん、彰子さんの顔がげんなり。
対して、紫式部さんの顔が、明るくなった。

「父上・・・」

「開けるぞ!」

って、言いながら勝手に開けたし。
のぞき込んできたのは、ちょっとぽっちゃりだけど、ハンサムな人。
うぬぬ・・・。
土方さんの方が、カッコイいわ!

「なんだ、コヤツらは!」

コヤツら!?
ひどくない?!
彰子さんが、庇うように、

「父上。この者たちは、私の知り合いで・・」

道長さんが、彰子さんを一瞥した。

「なぜ、私以外の美男がいる!?」

指した先には、土方さん&沖田さん、藤堂さんに山南さん。
代わりに、近藤さんや原田さんが、がっくり。

「こいつ、自分以外の美形、認めないの?」

斎藤さんが、引いたように言う。
だよねぇ・・・。
完全な、ナルシスト系だ。                                
                   

725:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/03(日) 13:01

うーーん。
私、ナルシスト系と、変態は嫌いなんだよね。

「変だなぁ」

「キモいですよねっ!」

私は、斎藤さんとひそひそ。
ところが。
紫式部さんが、私たちの前に仁王立ち。

「道長さまに何てこと!」

ほへっ!?
”さま“!?
ギュインッと目を吊り上げた紫式部さんが、

「時の権力者に!」

ええっ!?
そんなに、惚れてるのかい!?

「よいよい。小童の戯れ言じゃ」

むううっ。
紫式部さんをたしなめてるように聞こえるけど、さり気なく私を、けなしてるよね!?
土方さんでさえ、言わなくなった”小童呼び“!?

「ひどいです!小童って!」

私が反論すれば、沖田さんが私をたしなめる。

「夏音さん。落ち着いて」

は、はいいぃ!
沖田さんの顔が、近いぃぃ!
よしっ。
けなした道長さん、許してあげようじゃないか〜!                                               

726:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/03(日) 16:06

5,恋い慕う

紫式部さんが、ポッと頬を染めた。
恋い慕う気持ちが、すごいわかりやすいなぁ。

「源氏物語、できました・・・」

おずおずと差し出したのは、本。
もしや!?
源氏物語!?
道長さんの顔が、パッと明るくなった。

「おお!借りるぞ」

紫式部さんの許可を取る前に、奪い取る。
私たちも、後ろからのぞき込むと。

「何これ!?」

読みにくい!
ってか、字なのかこれは。

「式部、次はどうなるのじゃ!?」

それを聞いたら、ダメでしょ。
紫式部さん、照れたように笑う。
ちょっと、はにかんでる。

「・・・秘密でございます」

道長さんが、大口を開けて笑った。
雰囲気が、近藤さんぽいぞ。

「続きが気になる」

言われた途端に、まぁた紫式部さん、真っ赤に。
恋い慕う気持ちが、だだ漏れだよ〜。
紫式部さんが、私を見る。

「夏音ほどではないわ」

えっ!
私も、だだ漏れなのかい!?       
                                        

727:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/04(月) 19:44

6,恋する乙女同盟

「何なら、伝えて・・・」

「ちょおおっ!」

私は、薄く笑んでいる紫式部さんの、着物の裾を掴む。
ダメでしょう!
そりゃ!

「私が、自分で伝えますから!」

紫式部さんが言ったら、勘違いが起こりそうだもの。
・・・とは言え、いつだったか沖田さんに、告白しそうになったよね、私。

「それよか、道長さんのどこが良いんですか?」

理解不能なんだけど。
紫式部さんが、頬を赤く染めた。
初々しくて、可愛い。
幸せですよオーラが、わいてる。

「優しいし、私なんかを気にかけてくれて・・・」

へぇ。
ナルシスト系なのに、優しいんだ?
ただ単にチャラいのでは?
でもなぁ・・・。
私は、紫式部さんを応援したくなっていた。
恋する乙女として、ね。

「紫式部さん、互いの恋に協力するのは、どうでしょう?」

そしたら、互いにとって、良いよね。
紫式部さんが、こくんとうなずく。
恋する乙女同盟が成立だ〜っ!                  
                                  

728:リリカ@恋歌◆JA 米がないと困るけど、コメントもないと生きてけない>_<病みリリカだぞ☆        :2017/12/04(月) 21:21

7,翳り

わきゃわきゃしてる私と、紫式部さんの背後から(!)彰子さんがぬううっ・・・。

「夏音〜・・・」

わひゃ!?
抱きつかれても、困るんだけど!

「好き〜・・・」

ガチですか?
私、そっち系の趣味ないんだけど・・・。

「って、あっちの男たちが言ってたわ〜」

えっ!?
指した先には、沖田さんたち!?
本当ですかね・・・。
みんな、照れたように目をそらしてる。
怪しいな〜・・・。

「俺は、夏音が好き!」

斎藤さん!?
後ろから、抱きすくめられるとは、予定外だよ。
まぁ。
斎藤さんは可愛いから、許そう。
まっすぐ想いを伝えてくれて、嬉しいしさ。

「斎藤さんは、人斬りにはならないですよね?」

純粋に聞くと、斎藤さんだけでなく、みんな一斉に目を翳りを浮かべた。
私は、あえて見ないふりをした。                                                     

729:リリカ@恋歌◆JA 夢に捕らわれたいの…。永遠の夢に。醒めることない、永遠の夢に。          :2017/12/05(火) 19:50

8,幸せになりたいから・・・

「父上。なぜ、私が帝に嫁がなければならないのですか!?」

急に、彰子さんが声を荒げる。
どうしたの・・・?

「夏音や、紫は幸せになれるのに。何故、私は・・・」

当然の事だった。
普通の女の子なら、誰もが望むこと。
それなのに・・・。
いきなり、妃になるとか、考えられないだろうに。

「仕方ないだろう。藤原家のためなのだからな」

ブチッ

何かが切れる音。
何よ!
家のためだとか!!

「そんな事・・・!!」

反論しかかると。
彰子さんが、私を制す。
きっ、と道長さんを睨み上げて。

「父上のもとになど、帰りませぬ!」

それだけを言って、部屋を飛び出した。                                      

730:リリカ@恋歌◆JA 私は、要らない人…。       :2017/12/05(火) 21:16

私は、スッと立ち上がった。
沖田さんが、立ち上がる。
私は、それを制す。

「女同士の、話ですから」

私は、ひらりと御簾を押し開けて出た。
彰子さんは・・・?
近くの、女官にたずねる。

「彰子さんは・・・?!」

女官は、戸惑ったように、先の廊下を指す。

「あちらに・・・」

「ありがとうございます」

簡単に礼を言って、駆け出す。
この際、廊下を走るな!のルールは、無視ね。                           

731:リリカ@恋歌◆JA    :2017/12/05(火) 21:25

走っていくと、泣きじゃくる彰子さんを発見。
重たそうな着物なのに、案外素速いんだね・・・。
彰子さんが、クルリと振り返る。

「・・・夏音・・・」

そう言って、私の腕の中にダイブ。
私は、恐る恐るその震えている背を、抱きしめるように撫でた。

「幸せに、なりたいのに・・・」

胸が、どっくんと跳ねた。
この人は・・・。

「幸せに、なりたいから・・・」

抱えきれないほどの、悩みや怖さを抱えている・・・。
幸せになる資格なんて。
みんなあるハズなのに・・・。

「そーだっ!入れ替わりますか!?それとも、私が帝に嫁ぎましょうか?」

そうすれば、彰子さんは幸せになるし。
彰子さんが、ふんわり笑った。
そこいらの花より、綺麗で。
淡くて、儚い。

「少しだけ、お願いできる?」

もち!
大丈夫です。
どうか、1日でも彰子さんが救われたら。
私は、にっこり微笑んだ。                                                     

732:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/05(火) 21:30

9,十二単

「重い!」

私は、思わず悲鳴をあげた。
だってさ・・・。
十二単が重いんだよ!
これで、素速いって・・・。
彰子さん、すごいよ!

「夏音、似合うわ〜」

えへへ。
嬉しいな。       

733:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/06(水) 21:19

ふふふーん。
鼻歌を歌いながら、歩いていると。

「彰子さま!」

誰だ?
束帯姿の、貴族と思しき男性が。
ううむ。 
土方さんの足下にも及ばないな!
しいて言うなら、近藤さんあたりかな。

「道長さまに、よろしくと・・・」

はぁ?
媚びるためなの?

「私は、父上の犬ではございません。では」

興味なく言って、立ち去ろうとしたら。

「彰子さま!ずっと恋い慕っておりました!」

別の男性が現れた。
えっ・・・?!
恋い慕って!?
と、思ううちに。                             

734:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/07(木) 16:51

10,私は誰の物!?

ドンッと壁に押し付けられ。
ほへ・・・!?
怖いのに。
声も出せない・・・。

「彰子さま!」

嫌だ・・・。
気持ち、悪い・・・。
と。

「・・・人の物に、手を出しましたか?」

わぎゃあ! 
沖田さん・・・。
大魔王が降臨してます・・・!!

「・・・斬ろうか」

土方さん!?
恐ろしいよ・・・。
二人を怒らせたら、この人の命が吹っ飛ぶよ!

「夏音!無事か!?」

斎藤さんまで・・・。
ってか、私、バラしたっけ・・・?
おわっ・・・。
大魔王が一気に、三人に増えたよ!?
ご愁傷様・・・。

「斬ります」

笑顔が!
超!怖いよぉ・・・。 
                       

735:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/07(木) 21:06

「逃げた方が・・・」

私が、そっとささやくと。
この人、斬られて天国行っちゃうよ!?

「彰子さま〜」

ほひゃ!?
抱きついたら、逆効果だって!

「んもう!止めて」

それを言っても、やめてくれない。
仕方ない。
こういう時、時の権力者の名は役に立つ。

「父上に申しつけますよ」

道長さんの名前を使ったら、やっとその人は逃げていった。
ふうぅ・・・。

「夏音〜!!」

大魔王の顔を崩して、斎藤さんが抱きつく。
嬉しいよ。
しかもさ、可愛くて。
萌えちゃう!

「あれは、何だったんだ?」

土方さんの言うとおり。
何だったの、あれ。

「ともかく、“私の”夏音さんが無事で、良かったです」

さりげなく、問題発言をさらっと・・・。
案の定、斎藤さんと土方さんがかみつく。

「いつから、総司のだよ!」

「俺のだ」

えっと・・・??
別な意味で、修羅場かも・・・。                                         

736: アーヤ◆TQ 体調が悪かったコメ出来なく&:2017/12/08(金) 14:29

沖田さんに土方さんに斉藤さん達が魔王になったよ!
そして夏音が単純な性格だって分かったよ……、沖田さんの恐ろしさで避けたのはどこに飛んで行ったのやら❔

737: アーヤ◆TQ:2017/12/08(金) 14:30

あと、明日小説更新せれたらします

738:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/08(金) 17:20

>>736
お久しぶり!
体調、大丈夫!?
最近、風邪が流行ってきたよね・・・。
魔王化した三人を止めれるのは、夏音くらいかも(笑)
良くも悪くも、単純なんだよね(*^^*)
確かに。
どこへ飛んでいったんだろ?
宇宙の果てかな(笑)

>>737
楽しみにしてる!!
すごい気になるもん(*^▽^*)                 

739:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/08(金) 17:28

無意味な押し問答が続いてて。
その間、私は、どんな顔をしたら良いんだろう?

「私のです!」

「俺のだ!」

「違う!俺のだよ!」

あはは・・・。
苦笑するしかないね。

「だから!」

聞いてるうちに、すごいイライラが溜まってきた。
私が誰の物かって・・・。
私に、拒否権とかないのか!

「あのぅ・・・!」

とりあえず、此処で喧嘩するのはやめよっ。
貴族たちの視線が痛いから・・・!
喧嘩してる三人の背中を押して、彰子さんと紫式部さんのいる部屋へ戻ると。

「書けない!私、『源氏物語』書けないわ!」

ヒステリックな、紫式部さんの声が届いた。
何!?
私は、三人を押しのけて、入ると。
そこには・・・。                                               

740:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/08(金) 18:47

11,代筆!?

ペタンと座り込んでる紫式部さんが。
よよよと彰子さんに泣きついてる。
あれ、主従関係だよね・・・?

「紫が、『源氏物語』を書けないと・・・」

彰子さん、戸惑ってる。
当たり前だよね。
ようは、ネタが尽きたって事ね。

「夏音〜・・・。私の代わりに、代筆して〜・・・」

ええっ!?
ダメでしょ!?
あとさ、私、『源氏物語』読んだことがないしさぁ・・・。

「それでもいい!お願い」

ええっ!?
嘘でしょう!?

「無理でしょ!?紫式部さんが、考えたストーリー・・・話どおりにいくか、わかんないよ」

第一、道長さんをモデルにしてるんだったら、無理だよ。
道長さんの良いところばっかり、書けるわけない・・・。                                       

741:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/08(金) 21:28

12,反則笑顔

「って事で、無理です!頑張ってくださいね」

そうじゃないと、社会の教科書に載らないからね。
困っちゃうよ。

「お願い!」

だから。
それが無理なの!
押しが強すぎるな・・・。

「やってあげたらどうですか?」

ぐぬぬぬ・・・。
好きな人に、それを言われたら。
女子なら、反対できないよ!

「し、仕方ないですね!」

あっ。
私、ツンデレ化してしまった?
紫式部さんが、にっこり笑った。
さっきの泣きついてたのは、何なのよ!!

「よろしくね」

あぁぁ・・・。
断れない・・・。              
       

742:◆5YQ:2017/12/09(土) 09:57

3人には段々と呆れるぐらいに独占欲に1人占めがあって、夏音病にもなったね

743:◆0pk:2017/12/09(土) 09:59

上の私です
パソコンからです

744:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/09(土) 13:25

>>742
ありがとう!
夏音病・・・(笑)
確かに、発症してるね(*^^*)
独占欲がスゴいよね(笑)

>>743
了解でっす!     

745:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/09(土) 13:34

「何なのよ!」

私は、思い切りグチる。
誰だってそうでしょ。
嫌な、わかりもしない物語を代筆しろなんて言われたらさ。

「道長さまぁぁ!」

と、萌えてるのは紫式部さん。
ちょっとさ・・・!
私に押しつけといて、勝手に萌えるのはやめてよね!

「って言うか。恋愛でしょ、これ。私、光源氏みたいな人いないよ。付き合ったことすらないし」

12年間、彼氏いないし。
逆を言うと、お母さんのせいで彼氏を作れないんだけど。

「少しは、協力を・・・」

しかし、紫式部さんは聞く耳を持たず。
彰子さんに至っては、けらけら笑うばかりで。こんな中で、書けるかっての!!

「しますよ」

協力しますよ・・・?
沖田さん!?
嬉しいけど、心臓がうるさくなるよ。

「どういう事をすれば?」

いやいやいや。 
その笑顔、ヤバい!
反則笑顔だよ!!
・・・なーんて思う私は、恋の病にかかってるかも。                                                                       

746:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/09(土) 15:05

13,私が遊女?

「そう思えばさぁ」

なぁに?
斎藤さん。
さっきの大魔王が消え去っていて、良かったよ。
子どもっぽいから。

「夏音って・・・」

何々?
ためないでよ。
ドキンッとするじゃんか。

「遊女に変装できそうじゃない?」

遊女!?
って。
そんなに、まじまじと見ないでよ。
恥ずかしい・・・。

「幼女趣味なら落ちるぜ」

ロリコンを落とせる!?
そんなの、確定しないでよ!
しっかし、なぜかみんながうなずいてる。

「監察方に加わってもらいましょう」

ひょえ!?
沖田さんまで?

「“野良猫”以上の仕事をしろ」

むうう。
しつこいなぁ、土方さん。
いつだったかの、からかいを蒸し返さないでよっ。

「あっち(幕末)に行ったときですよ」

マジでやりたくないけどさ。
鬼気迫ってる勢いを、斎藤さんから感じたから、くぎを差した。                                          

747:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/09(土) 16:31

14,恋する乙女は強い

「道長さまぁぁ!お慕いしておりますうぅ♡」

あはっ。
そんなに、道長さんが好きなんだ。
オタク化してるよ・・・。

「父上を呼ぶわ」

彰子さん、ニヤッ。
途端に、紫式部さんが赤くなる。
代筆を頼んどいてえぇぇ!!
思いつかない物書きほど、怖い物はないよ。

「これだから、書けないんじゃ?」

我ながら、当たってるよね。
道長さんの一挙一動にキュンキュンしてるようじゃ、書き進まないよ。

「道長さまが、かっこいいからよ♡♡」

当たりだぁ!
恋する乙女は、強いと言うか。
物思いにふける事が多いし。

「清少納言さんに、負ける・・・」

言い掛けたら、強い殺気を感じる。
殺気を発してるのは、紫式部さん。

「清少納言・・・・・??!!」

あわわ。
マズいこと、言っちゃった・・・??                                                        

748:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/09(土) 18:12

15,好きになってほしいから

でも、違った。
少し涙を浮かべた、紫式部さんが私に言う。

「・・・はは。皆、私より・・・。清少納言が好きなのね・・・。皆・・・」

えっと・・・??
どういうこと・・・。

「帝も・・・。清少納言の仕えた、定子さまが一番だと」

そんな。
垣間見えた、紫式部さんの闇。
宮廷に入ったとたん、言われたんだろうな。

『清少納言がいた頃が、懐かしい』

とか。
皆が知ってて、自分が知らない。
比べられているように、思えたのだろう。

「・・・だから。『源氏物語』も書けない」

っ!
それは、違うのに。
なのに、紫式部さんが吐き出す闇を否定できなかった。

「・・・里に下がらせていただきます」

「それは・・・!!」

彰子さんの瞳が、揺れる。
私は、もう黙っていられなかった。

「それで良いんですか。道長さんに、好きになってもらわなくて」

僅かに、瞳が揺れて。

「私も、好きになってほしいから、頑張ってますよ。私なりに、だけど」

空回りになったり、だけど。
にっこり、笑う。
それに、さ。
決めたじゃない。

「『恋する乙女同盟』、破棄するんですか?」

紫式部さんが、私に抱きつく。
おわっ!
ただでさえ、自分の十二単で重いのに、紫式部さんのもかかってきて。

「『恋する乙女同盟』って、何です?」

あわわっ!
沖田さん・・・。
それはですねぇっ・・・。
無理です!
言ったら、パーになっちゃうし。
第一、恥ずかしいですよぅ。                                                                                                    

749:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/09(土) 21:26

16,大好き

紫式部さんと、顔を見合わせて、笑いあう。
可笑しくって。

「代筆、しなくて良いわ。私、自分で書くから」

良かった!
紫式部さんが、自分で書くと決意したから。
歴史が変わることも、なくなるね。

「道長さまの事も、頑張ろうと思うわ」

うん!
私も、恋する乙女として、応援するから。
彰子さんが、

「着替えたらどうかしら〜」

のんびりと言う。
確かに。
いつまでも、十二単着てるの、辛いから。

「似合うと思うんですけどね」

ほひゃ!?
そ、そんな無邪気な笑顔で見られたら・・・。沖田さんへの恋心、当社比、一・五倍増したよ!

「き、着替えるんで、あっち向いててください!」

ちょっと照れたように、私は言った。
みんなあっちを向いたから、彰子さんと紫式部さんに手伝ってもらって、十二単を脱ぐ。
あぁ、軽くなった。
服に着替えて、みんなに戻って良いと声をかけた。
にしても・・・。

「さっきの・・・」

無邪気すぎて、胸がキュンキュンとしてしまうよ!
ヤバい!  
心臓、持たないよ〜・・・。
好きなんか通り越して。

「大好き・・・」

改めて口にすると、頬にじんわり熱を感じる。
本当に、大好きなんだよね・・・。
私は、沖田さんが好きで好きで・・・。

「仕方ないんだね」

出逢う前には、絶対なかった。
こんな、温かくて切ない感情。                                                                     
                    
    

750:アーヤ◆PY:2017/12/09(土) 22:42

時代が同じ時代だったら良かったのにね、本当に切なく想う

751:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/10(日) 08:29

>>750
ありがとう!
だよね・・・。
時代が時代なだけに、末路がわかってしまって、切ないんだよね(*_*)
       

752:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/10(日) 08:37

17,君がいて良かった ※沖田side

夏音さんが着替えてる間、少し俺は切なくなった。
菊乃のときから、ずっとそばにいたから。

「思えば、不思議だな」

一さんが、言う。

「俺らが夏音に出逢ったのって・・・」

確か。
夏音さんの母上の何かとかで。
突然、現れたっけ。
そして。
心引かれるのもあっという間で・・・。

「いろんな所に、行きましたね」

「そうだな」

今、振り返れば可笑しな話だ。
でも。
何度だって思う。
君がいて、良かった。

「こっち向いて、良いですよ〜」

振り向けば、明るい笑みをたたえた、夏音さんがいた。
この笑顔を、忘れることはないんだろうな。                                                   

753:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/10(日) 12:26

18,おんぶ!?

私は、自分の高鳴る心臓の鼓動を抑えながら、苦笑い。 
だってさ。
私が生きる『時代』と、新撰組の生きる『時代』は違うから。
どう足掻いても、それは超えられないんだよね。

「夏音」
 
紫式部さん?
どうしたの?
そんなに、思いつめた顔して。

「『源氏物語』、私が死んだあとも、読まれるのかしら?」

なんだぁ。
そんなこと。
私は、にっこり笑った。

「当たり前じゃないですか」

じゃないと、社会の教科書に載んないよ。  ホッと安堵したような、紫式部さんが御簾を開ける。
庭には、蹴鞠をしてる人たち。
と・・・。

ボカッ

ほひゃ!?
鞠が、私に向かって飛んできた。
勢いは止まらず・・・。

「いったぁ!」

足に、当たって止まる。
ちょっと痛いわ。

「ううう・・」

ヤバい。
私は、思わず屈む。
と。
ヒョイと抱え上げられた。
斎藤さんに。

「夏音〜」

わぁ。
おぶわれて、なんだか。
おんぶ!?
うわわぁ。
赤ちゃんのとき以来だよ。
おんぶなんて。                                                   
              

754:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/10(日) 18:03

19,監察方

恐らくにやけてるであろう、斎藤さんの背中にもたれながら、ぼんやり。
赤ちゃんのとき・・・・か・・・。

「お父さん・・・」

つぶやいた私に驚いたのか、斎藤さんが聞く。

「俺が、お父さん?」

あっ。
そう言う意味じゃあ・・・。

「おぶわれるのって、お父さんにされたのかなって。懐かしくなって」

記憶が、ないけどね。
斎藤さんが、

「そう言や、夏音の父上って・・・」

話してなかったっけ。
今でも、あのときの衝撃が忘れられない。

「事故で亡くなったの。私が生まれて、しばらくしてね」

声のトーンが低くならないよう、ちょっと笑った。                            
            
       

755:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/11(月) 21:25

って!
何々。
この、『いけないことを聞いちゃった・・・シーン』は!?
しんみりしなくて、良いのに。
同情なんかいらない。

「それより!私、紫式部さんの『源氏物語』絶対読みます!楽しみにしてますから」

うん、これは絶対。
紫式部さんが、微笑んだ。
何も言わなかったけど、私には汲み取れた。

「Hello☆夏音〜!」

しっかし・・・。
ヤツ(お母さん)は、殺意がわくほどののほほんとした顔でタイムスリップマシーンに乗って現れた。

「お楽しみのとこ、悪いけど♪次、行くよ〜っ!」

はぁ!?
私、唖然。
次って!?

「お楽しみの、幕末♪♪」

私の、握った拳を見て、彰子さんと紫式部さんがふるふるとふるえ出す。
私の目に、暗い光が宿っているだろう。

「・・・一発殴らせろ〜っ!」

「きゃは☆」

ヤツは、私の攻撃を避け、タイムスリップマシーンに。
つられて、乗り込む。
あっ、はめられた。
そう気づいたときには、新選組と私はタイムスリップしていた。                                                                                   

756:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/14(木) 21:35

お知らせ

明日、更新できないかも(*_*;
最近、更新できてないし・・・。
土日に乞うご期待←おい
来週からは、またいつもどおりできると思います。            

757:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/16(土) 09:17

はぁぁ。
相変わらずのハチャメチャなお母さんだわ・・・。
私に、この人の血が流れているとは到底思えず。

「やっぱさぁ〜、このドキドキ感が良いのよね♪」

あのねぇ・・・。
沖田さんはじめ、みんなから殺気がわいてるよ?

「お母さん・・・。斬られてあっさり逝くよ?いつか」

断定するように、言えばお母さんは二ヒヒと笑った。
不気味!

「私には、長州がついてるから♪」

だからそれがヤバいの!!
とまあ、賑やかに(?)屯所に着いた。
お母さんは、なぜだか沖田さんの部屋に居座るって。
良いなぁ!

「おい、今から夏音の仕事について、教えてやる。咲と山崎を呼んでこい」

久しぶりだな、咲さん。
土方さんの部屋に残って、咲さんを待っていると。

「副長〜・・・。夏音が監察方、できますか?」

ぬぬぬっ。
咲さんめぇ!
やっぱり腹黒いよぉ・・・。
私が、恋敵だから?
うーん。
それだけじゃないような・・・。
なんて、気のせいかな。                                                                            
  

758:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/16(土) 12:45

20,バレるのはこりごり

すすっと障子が開いて、咲さんと知らない人。
この人が、山崎さんかぁ。

「監察方の仕事について、説明する・・・」

土方さんが言うけど、あんまり聞いてない。
だってさ。
山崎さん、美丈夫だもん。
浮気する意味とかじゃなくて、普通に思っただけ。
目が澄んでいて、綺麗。

「・・・わかったか?」

はっ。
聞いてない・・・。
んん〜。
聞いてないのバレたら、切腹になりそうだし。

「あはっ。大丈夫ですよ〜」

土方さんが、怪訝そうに見る。
怪しまれてる!
咲さんが、

「俺が注意しときます、手取り足取り教えときますから」

と、ニヤリ。
怪しいや。
咲さんは腹黒いし・・・。           
                                

759: アーヤ◆TQ:2017/12/16(土) 13:25

なんだか行き先が危ういよ!

760:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/16(土) 18:07

>>759
ありがとう!
確かに、色々危なさそうだよね(*^o^*)    

761:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/16(土) 18:21

手取り足取りって・・・。
危ない気がするし。
山崎さんが、グイッと身を乗り出す。
美丈夫に見られたら、困るよ〜。

「・・・女々しい」

ありゃあ・・・。
やっぱり、女々しいよねぇ・・・。
斎藤さんのときと良い、私って女々しいんだね・・・。

「女装なら上手いんじゃないか?」

咲さん・・・。
知ってて言ってる感満載だよ。

「・・・女装は、頼む」

はぁ!?
断定されたよ!?
土方さんが、くつくつと笑った。
でも。
山崎さんにバレるのはこりごりだよ。                           
        

762: アーヤ◆TQ:2017/12/16(土) 18:56

バレるかは時間の問題

763:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/17(日) 12:18

>>762
ありがとう!
時間の問題だよね(*´ω`*) 

764:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/17(日) 12:22

21,終焉へのエピローグ

────和やかなままだと思ってた。

みんなの目が、“鬼”の凄絶な光を放つ、までは。
でも・・・。

しーちゃんのときのような、別れが密かに近づいていた。                  

765:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/17(日) 12:27

あとがき

はいっ!
I完結で〜す!
今までこんなに続けられた作品は初めてなので、すごい嬉しいです。

今回は、前半平安時代にタイムスリップしました!
あの紫式部と夏音が対面!

後半は、いつもの(?)幕末へ。
最近、別ればかり書いてるような・・・(汗)
あの人との別れです。

新キャラも出てきましたね。
注目してみてくださいね(*´ω`*)

コメントくださった方々、ありがとうございます!
こんなに続けられたのは、みなさんのおかげです。

これからも頑張ろうと思います。

        リリカ                                  

766:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/17(日) 14:02

『時を駆けて、初恋*します。』J

登場人物

城里 夏音
本作の主人公。 
明るい。
裁縫などのチマチマ作業が得意で、沖田さんに想いを寄せている。

沖田 総司
新撰組隊士。
優しく、剣の腕が立つ。
夏音と両想い。

土方 歳三
新撰組副長。
S気質。
夏音が好き。

近藤 勇
新撰組局長。
大柄。
大食漢。
 
永倉 新八
新撰組隊士。 
明るい。
チャラい。

藤堂 平助
新撰組隊士。
優しく思いやりがある。
苦労人。

原田 左之助
新撰組隊士。
大食らい。
明るい。

山南 敬助
新撰組隊士。
穏和。
知的で頼りにされている。

斎藤 一
新撰組隊士。
子どもっぽく純粋。
夏音が好き。

井上 源三郎
新撰組隊士。
穏和。
ある意味最強。

山崎 蒸
新撰組隊士。
監察方で夏音の先輩。
夏音が女だと気づいてる・・・?


新撰組隊士。
夏音と同じく女。
腹黒いが、沖田さんが好きで夏音の恋敵。

花(はる)
夏音に惚れた女の子。        
                        

    

767:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/17(日) 14:07

1,お梅さんの悩み

ふあ〜・・・。
幕末にタイムスリップして1日めの夜。
眠い〜・・・。
布団に潜り込んで、はたと気づく。
前の時、土方さんの布団に入っちゃったよね!うわぁ・・・。
今、同室の土方さんはいないけど、ドキドキする・・・。
なんて思うのは、私だけ?

「あっ。前の、あの気になってた物・・・」

白い帳面みたいだったよね。
気になるから、探そうっと。

「よぅし・・・」

二ヒヒと笑って、文机に近づく。
秘密、見つけちゃうぜ〜・・・!!                                

768: アーヤ◆TQ:2017/12/17(日) 15:00

土方さんの布団にデシャウで潜ったね、あとまた目的の土方さん宛てのラブレター諦めてなかったんだ

769:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/17(日) 16:02

>>768
ありがとう!
夏音、諦めない質だからね(笑)  

770:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/17(日) 16:06

しっかし!!
タイミング悪かった・・・。
文机の持ち主=同室の方がギラギラした目で、私を見下ろしていた。

「・・・何をしていた?」

地の底から響いてくるような、低い声。
ゾワワッと背中の毛が、逆立つ。

「あはは。別に・・・」

愛想笑いして、そうっと布団に潜り込もうとしたら。
首根っこを掴まれた。
笑い事じゃない〜!!

「・・・全部吐け。拷問するぞ?」

いやだぁぁ!!
私、今日が命日かも・・・。                                   

771: アーヤ◆TQ:2017/12/17(日) 17:45

土方さんに見つかるとは運が悪いね夏音……
でも吐かなかったら強引にでも攻めて来そうだから、早くも言ったら夏音命拾いするからね。

772:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/17(日) 17:59

>>771
ありがとう!
いろんな意味で、吐かないと危ないね(笑)
不運なのも夏音の特徴だよね(笑)     

773:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/17(日) 18:06

「・・・すいません、ラブレターが気になって・・・」

人間、素直が一番よね。
私が言うのも、何だけど。
土方さんが、首を傾げる。

「らぶれたー?」

ああっ。
この時代、ラブレターなんて言葉ないか。
 
「恋文ってことです。で、誰宛なんですか?」

謝るのは後でね。
気になることを、聞いとこう。
土方さんが、不思議そうに、

「恋文・・・?そんなの送らないが」

はい!?
じゃ、あれは・・・。
何なの!?
ところが、土方さんが怒ったように(完全に怒ってる)、

「人の文机を、荒らすな・・・」

ひぃぃ!!
ごめんなさい〜!!                                

774:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/17(日) 21:25

うわぁ・・・。
お怒りになってる・・・!!
ヘルプミー!
沖田さんでも、誰でも良いから!
しかし・・・。
祈りむなしく、襲いかかられる。
ギャーーッ!

「お邪魔するね」

と、障子が開く。
障子の向こうから、山南さんの仏のような後光が眩しい笑顔が覗く。
助かった・・・?
ところが、山南さんは襲っている土方さんと、襲われている私を一瞥して、

「・・・邪魔してすまないね」

相変わらずの笑顔で、するするっと障子を閉めた。
あぁ!
神様〜!!
なんで唯一の神様が去っていったのよぅ!                                       

775: アーヤ◆TQ:2017/12/18(月) 18:31

勘違い夏音と冷静土方さん最高に面白可笑しく夫婦関係に見えるよ(*ノ▽ノ)

776: アーヤ◆TQ:2017/12/18(月) 18:33

やっぱり山南さんグッとタイミングってえっ👀⁉
何故か閉めた?

777:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/19(火) 17:00

>>775
ありがとう!
夫婦漫才みたいな(笑)
コンビ組んでも良いかもね(笑)

>>776
そりゃ・・・。
大人だし、察したんだよ(笑)   

778:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/19(火) 17:03

私は、障子にすがりつく。
ガバッと開けて、

「助けて!」

誰かに抱きついた。
だってさ、後ろに危ないヤツがいるもん・・・。

「夏音?」

斎藤さん!
助かった〜・・・!!     

779:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/20(水) 18:40

斎藤さんが、なぜか目をそらす。
はて?

「・・・目のやり場に困る」

んっ?
そうっと、視線を下げると。
わぁ!
着物が、はだけてて。
私の頬が、熱くなる。

「すいません!」

斎藤さんが、耳まで真っ赤にさせて、

「そう言や、お梅さんが悩んでる風情だったぞ」

お梅さんが??
何を、悩んでるのかな。

「ありがとうございます」

お礼を言って、八木邸に向かおうと後ろを向くと、斎藤さんが声をかける。

「着物、正せよ〜。平山さんに叱られるぞ」

平山さんに会ったことはないけど、口うるさそうな人なんだな〜。                           

780:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/21(木) 14:25

八木邸に着いて、戸をガラッと開け放つ。

「こんにちは〜!お梅さん〜?」

そう言いながら、入っていく。
珍しく、芹沢さんの声が聞こえない。
前だったら、大声が響いてたのに。

「・・・あぁ、夏音・・・」

お梅さん!?
現れたお梅さんの髪も、着物も乱れていた。
泣きじゃくったのか、頬に涙の後。

「・・・聞いちゃったの」

ほへ?   
何を?
まさかの芹沢さんが別の女の人を、妾にしようとか?
土方さんじゃあるまいし。

「・・・旦那様の、暗.殺計画を・・・」

芹沢さんの!?
どこで!?
それとなく、なんだかみんなが隠れて何かしてるな、とは感じてたけど。

「・・・夏音・・・。どう、すれば・・・」

良いの、という声は、掠れていた。
お梅さんの悩みと言うより、悲しみは深い。
私は、ただお梅さんの肩を抱いていることしかできなかった・・・。                            
                            

781:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/21(木) 14:32

2,為くん

「────お姉ちゃん!遊んでよ」 

為くんの声に、私はハッとした。
お梅さんの聞いた、あのことが気になって仕方なくて。
私は、笑って、

「わかったよ。他の子は、呼ばなくて良いの?」

為くんはにっこり笑った。
おおっ!
天使の微笑み〜。
癒される〜。

「もう呼んでるよ。お姉ちゃん、しっかりしてよ」

あはは。
ホントだ。
私が、物思いにふけってて、見てなかったけど近所の子が来ていた。

「じゃ、遊ぼっか」

為くんが、またまたにっこり。

「うん!」

鬼ごっこや、かくれんぼをしてしばらく遊んでいた。
和やかな、ひととき。
少しの間だけでも、芹沢さんの話を忘れることができて、良かった。                                             

782:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/21(木) 14:40

3,怪しい人影 

「ありがとう、お姉ちゃん!」

為くんが、近所の子たちと、にっこり笑って礼をした。
えへへ。
お礼言われるまでの事、ないけどな〜。

「お姉ちゃん」

為くんがいきなり、思い出したかのように真面目な顔に。
したがって、私も真面目に。

「今日、お姉ちゃんがぼんやりしてたときに」

ぼんやりしてたのか、私は。
ちょっとショック。

「変な男の人がね、見てたの」

誰を?
為くんを?
それか、近所の子たち?

「お姉ちゃんを」

えっ、私を!?
為くんが、真剣な面持ちで、

「じいっと見てて、僕たちが『お姉ちゃんに用事?』って、聞いたらね」

そこで、別の近所の女の子が、口を挟む。

「逃げてったよ。刀を持ってたから、お侍さんだよ」

逃げてったの?? 
そう言えば、ちょっと怪しい視線を感じた気が、したけど・・・。

「ありがとう、為くん。暗くならないうちに、帰ってね」

怪しい人が、為くんたちに手を出す確率も、高いしさ。
私は、為くんたちに手を振って、屯所に戻った。                                                                  

783:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/21(木) 16:24

4,「守れなくて、ごめんね」

その夜の事、だった・・・。

「夏音!」

斎藤さん?
どうしたの?
私は、お風呂から上がって、髪を少しだけ布で拭いていると。
斎藤さんと、沖田さんが部屋に入ってきた。

「この子たちが・・・」

二人の後ろからは、近所の子たち。
泣いてる?

「為くんが、いないの・・・」

はぁ!?
いない!?
もしかして・・・。
私は、考えるより先に飛び出す。
夜の風が、冷たい。

「来たか」

ゾッとするほど冷たい、声。
振り向けば、切れ上がった目の男の人が為くんの背に刀の刃を当てていた。

「為くんを返して」

「新撰組の情報を流してくれたらな」

えっ・・・。
それは・・・。
無理だよ・・・。
でも。

「わかった」

私は、わかっていた。
この人は、為くんも斬って私も斬るつもりだって。
為くんがこっちに、走ってくる。
それと同時に、白刃が閃く。

「守れなくて、ごめんね」

私は、そうっと為くんを抱きしめた。
刀が一閃。
熱い。
そう思った時、視界に沖田さんが駆け寄ってきたのが見えた。
私の意識が、闇に消えた。                 
              
                           

784:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/21(木) 16:34

5,お父さん

濃い霧が、私の周りを包んでいた。
此処は・・・?
私、斬られたハズだよね・・・?
私は、知らない間に歩いていた。
花が咲き乱れる、不思議な野原に来ていた。

「夏音」

ほえ?
誰?
濃い霧の合間を縫うように、誰かが来た。
ふっくらした、顔にどこか鋭さを秘めたような切れ長の目。
私と、そっくりで───────・・・。

「お父さん・・・?」

その人は、やんわり微笑んだ。
信じられない・・・。
涙が、流れる。
だって───────────・・・。

「ホントなの・・・?」

私が、小さい頃に死んじゃったから・・・。
でも、幻には見えなくて。
恐る恐る伸ばした手に、触れた温度。
温かい・・・。

「お父さん・・・!!」

見間違うことない。
写真で見ている、私のお父さん・・・。

「お父さん・・・。お父さん・・・!!」

抱きついて、泣いた。
今まで、お母さんが教えてくれた話でしか、わからなかったのに。
目の前にいるなんて───────・・・。                           
    

785:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/22(金) 14:28

ふと見れば、小川が流れている。

「夏音、行こっか」

お父さんが、ニコッと笑う。
えくぼができて、愛嬌がさらに溢れる。

「うんっ!」

しばらく戻りたくない。
これが夢ならば。
いっそ、覚めてほしくない。

「おいで」

お父さんが、先に向こう岸に行く。
私も、小川に足を突っ込んで、岸に上がろうとすると。
向こうの霧が深いところから、ぬうっと誰か現れた。

「お父さん・・・!?」

現れたのは、お父さんで。
お父さんが二人!?
でも、向こう岸から現れたお父さんは、厳しい顔。

「戻れ」

えっ!?
どういう・・・。
すると、優しい顔だったお父さんの顔が、般若のように歪んだ。

「邪魔するな!」

発せられた声は、さっきとは打って変わって地獄のそこから聞こえてきそうな声。
厳しい顔のお父さんが、般若顔のお父さんを止める。

「夏音!戻るんだ!」

ひょえ?
私は、止めているお父さんの言う通りに、来た道を戻る。
般若顔が、鬼の姿に変わって。

「振り返らずに戻るんだ!」

お父さんの声。
私は、必死に顔を覆って走る。
絶叫が聞こえた気がしたけど、振り返らずに走った。                  
                               

786:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/22(金) 14:38

6,あの世?

うっ・・・。
私は、恐る恐る開けた目に、眩しさを感じてゆっくり目を開ける。
お父さんは・・・?
般若顔、否、鬼は・・・?
どうなってるの・・・?

「夏音が目を覚ましたぞ!」

斎藤さんの声が、遠く聞こえる。
私・・・。
着られたんじゃ・・・?
生きてるの・・・?
ゆっくりと、目の前に手を動かす。
生きてる・・・。

「私、・・・生きてる・・・!」

背中に、ピリッとした痛みを感じる。
でも、それが生きてる証で。
そっと傷口が開かないよう、座る。

「夏音!」

「意識戻ったんですか!?」

ドタドタと音が聞こえる。
心配性(?)だなぁ。
クスッと笑っていると。
ガラッと戸があいて、沖田さんと土方さんが駆け込んできた。

「あはは。元気ですよ〜」

ちょっと心配かけたくないから、嘘言っちゃった。                                       
      

787:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/22(金) 19:55

そうだ。
お父さんの事も、言っとこう。

「実は、夢なんですかね?どこかの花が咲き乱れていた野原に私、いたんです。そしたら、お父さんに会っちゃったんですよ!でね・・・」

と、さっき見た出来事を言うと。
沖田さんが、ニコニコと、

「あの世に渡りかけたのでは?」

と、土方さんを見やる。
当の土方さんはどうともしてない感じ、だけど。
額から汗が流れたのを、私は見逃さなかった。

「あれぇ?怖がりなんですかぁ?」

「なっ!んなわけねぇ!」

じゃ、なんで焦ってるの?
私と、沖田さんと斎藤さんはニヤニヤ笑った。
からかえるし!

「そーだ!今度、お化けが出ないか、確かめてみません?」

いっそ、みんなで。
そしたら、誰が一番ビビってるかも、よぅくわかるし。
って言っても、ビビってる人、もうわかっちゃった。

「そう言や、傷口、お医者さんに・・・」

見せたのかな。
斎藤さんが、

「ああ。咲が、サラシを巻かせてな」

そう言う事ね。
女だとバレたらアレだし。
咲さんに見られたくらいなら、大した問題ないや。

「咲が名乗り出なかったら、俺がやるつもりだったけどな」

土方さんが、ぼそりと聞き捨てならない事を言う。
ダメだろ、それ!
現代だったら、犯.罪だぞ!?

「さすが、女には手が早いですねぇ〜」

「女に好かれるからな、副長は」

あはは。
確かに、二枚目だし手も早そう。
そう言えば、前、好きな人がいるって言ってたよね。

「前に、好きな人がいるって言ってましたよね。その人と、どうなったんですか?」

もう恋仲に?
ちなみに、その人は誰なんだ?                                      
                                                                 

788:リリカ@恋歌<偽者>JA:2017/12/22(金) 20:31

その相手は…ノンスタイル井上だった。

789:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/22(金) 21:24

>>788
止めてくれますか?
一応、削除依頼出しました。
これ以上するようでしたら、アク禁出しますので。    

790:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/22(金) 21:32

7,肝試し

ん?
私、可笑しな事言ったか?
土方さん、真っ赤。

「・・・それは・・・」

無理には聞かないけどね。
私が、そう言うと、がっくりと肩が垂れた。
ありゃ?
悪いこと、言っちゃった?

「それよか、肝試ししません?二人一組になって」

途端、沖田さんの目が輝く。
子供みたい。
ふふっ、可愛い〜。

「どうやって決めますか?」

妥当な、じゃんけんとか。
じゃんけんの仕方を教えて、やってみる。

「最初はグー・・・じゃんけんぽい!」

私・・・パー。
沖田さん・・・チョキ。
土方さん・・・パー。
斎藤さん・・・チョキ。

「見事に分かれましたし、これでやりましょ!」

心中、ビビる土方さんを見たくてうずうず。
・・・なんて、私はSかも。                                    

791:アーヤ◆PY:2017/12/22(金) 21:59

夏音と土方さんのハプニングお化け屋敷見てみたい

792:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/23(土) 08:18

>>791
ありがとう!
いろんな意味でのハプニング、ありそうだよね(*^▽^*)

793:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/23(土) 08:33

8,お墓

「って事で、近くのお墓に、おぼん借りてきたので、これを取りに行ってもらいま〜す!」

私は、ジャンッとおぼんを見せる。
用意周到なのだ!
おぼん借りる際、近藤さんたちも参加したいって言ってたし、OKした。
人数が一気に増えたけど、なおさら楽しそう!

「じゃあ、沖田さんたちから!」

「行ってきます」

にっこり笑って、沖田さんたちが出発。

「楽しみですね〜!お化け、出たら良いなあ〜」

スリルとか出そうじゃん!
反対に、土方さんは真っ青。
あはっ!
鬼がお化けを怖がってる!
面白すぎる!

「ギャーー!」 

ありゃ?
斎藤さんの悲鳴だ。
お化けが出たとかっ!?
しかし、ウキウキする私と反対に、顔を白くする土方さん。
これが、演技だったら、相当な役者だよ〜。                                                             

794:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/23(土) 10:34

9,女の子

しばらくして。

「こぇぇ〜!」

「そうでしたか?」

ちょっと青い顔になった、斎藤さんと飄々としている沖田さんが戻ってきた。
演技じゃなかったんだ。
さっきの悲鳴。

「何か、出たんですか?」

ワクワク。
出たんなら、さらにビビる土方さんを見れるし。

「いやいや、雰囲気が怖くてな・・・」

斎藤さん、ブルブル震えた。
それを聞いたら、一気に土方さんが青ざめる。
私は、にっこり笑って腕をとる。

「行きますよ〜」

「行かねえぇぇ!」

絶叫する土方さん。
山南さんが、仏の笑顔でその肩を叩く。

「土方くん、人間、諦めが肝心だよ」

そうそう!
私は、にっこり笑う。

「行って来まーす!!」                                          

795:アーヤ◆We.:2017/12/23(土) 11:34

完全なる夏音がドSになっているけれども、土方さん以上じゃあなくって安心だよ。
相当なハプニングでキスをしたりとか?
夏音の胸を触ってとかのハラハラドキドキのハプニングが好きです

796:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/23(土) 12:48

>>795
ありがとう!
ハプニング、楽しみだな〜←他人事
書いてても、ハラハラする(*´ω`*)  

797:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/23(土) 12:59

私は、さっき沖田さんから聞いておいた話を思い出す。
ふふっ、どんな反応するかなぁ?

「そう言えば、昔、ここらへんで家族が斬られたって事件があったらしいですねぇ。女の子の幽霊でも出るんですかね」

思い切りニヤニヤ言うと。
おおっ、怖い!
睨まれたよ。
怖くなっての、逆ギレ!?

「その子、絶対土方さんに惚れますって、沖田さんが言ってました〜」

私も、そう思う。
あわわ。
土方さんからピリピリした殺気を感じるよ。

「総司、絶対斬る!」

うわーん、怖いよ。
・・・なぁんて茶番は止めて、真面目に歩こ。

「・・・お姉ちゃん、亜依のお母さん、知らない?」

ひょえ?
いきなり、背後から声をかけられる。
振り向くと、黒髪を結った、女の子が立っていた。
為くんの友達かなぁ?

「見てないよ。じゃ、一緒に探してあげる」

女の子────話からして、亜依ちゃん───は、ニコッと笑った。
かく言う事で、肝試ししながらの亜依ちゃんのお母さんを探していると。

「亜依!」

綺麗な女の人が、現れた。
髪には薄紅色の簪が。

「お母さん!」

良かったね、亜依ちゃん。
亜依ちゃんは笑って、

「ありがとう、お姉ちゃん!」

ふふっ、良かったぁ!
土方さんを見やれば、プルプル震えている。
どうしたの?
亜依ちゃんが、お母さんと手を取って歩き出す。
いたって、いい光景じゃん。                                                          
                              

798:&◆Sg:2017/12/23(土) 14:01

バカな光景じゃ。

799:アーヤ◆We.:2017/12/23(土) 14:47

まさかの幽霊だからか2人して何かが起こりそう

800:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/23(土) 14:50

>>798
あのう…。
批判、誹謗中傷はやめてください。

>>799
ありがとう!
ありそうだよね( ̄ー ̄)ニヤリ

800行くよ〜!
応援してくれて、ありがとうございます!(*^-^*)  
   

801:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/23(土) 14:57

土方さんが、震えながら、

「あの薄紅色の簪・・・。総司の言ってた事件のとき、親子の母親が付けていたそうだ・・・」

ひぃ!?
まさか・・・。

「亜依ちゃんが、幽霊・・・!?」

さっきまでのルンルン気分はどこへやら。
私も、すうっと血の気が失せる。
振り返れば、もう亜依ちゃん親子の姿は見えず。

「ギャーー!」

悲鳴をあげたのは、私。
まさかの亜依ちゃんが幽霊だったなんて・・・。

「怖いです!はやくおぼん取って、帰りましょ!」

焦った私は、そのままずっこける。
足元が暗くて見えない!

「焦るんじゃねぇ!」

そう言う土方さんこそ、めちゃくちゃ焦ってるじゃないか。
私は、急いでおぼんを取って、土方さんと屯所へ駆け戻る。
着物の前がはだけるのにもかまわず。                                                   

802:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/23(土) 15:11

10,ハプニングハプニング!?

ふうっ・・・。
やっとついたぁ!
気付けば、全身びっしょり。
汗か、これは。

「夏音!幽霊は、出なかったか〜・・・。・・・どうした、その格好!?」

へ?
格好??
着物と袴だけど・・・。
タイミング良く(?)土方さん到着。
着物、乱れて・・・。
って、私もじゃん!

「手が早い人は、さすがですねぇ・・・」

「許さないぜ、俺の夏音に手を出しやがって!」

あれ?
なんか、勘違いしてない?
私は、慌てて否定しようと、

「違いますって!」

と、三人の間に割り込む。
途端に、と言うか、偶然に、土方さんが斎藤さんの胸ぐらを掴もうとし、間に私が割り込んだもんだから、従って私の鎖骨あたりを掴んでしまい。
指が、下に動こうと・・・。

「・・・ギャーー!」

私の悲鳴があがった。                                                        

803:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/23(土) 16:31

頬に熱を感じる。
いやいやいや・・・!
ハプニングとは言え、超恥ずかしい。
騒ぎを聞きつけてか、咲さんが来た。

「何々?夏音、どうした?」

同じ女とは言え、今は・・・。
ハプニングで、胸に・・・。
いやだぁ!
すごい照れるし、恥ずかしいし!

「・・・一さん、斬りましょう」

「だな!副長、覚悟。あんまし痛くないように、一発で斬るからな」

うぅぅ!
もう、土方さんが斬られようが煮られようが知らない!
偶然とは言え、自業自得だからね!
私は、熱を持った頬を押さえるようにして、屯所の中に戻った。                                  

804:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/23(土) 16:40

11,ギスギス

うぅうぅ・・・。
気まずいよぉ。
ハプニングの元凶(?)と同室だなんて。

「おおおお、おやすみなさいっ!」

やたらに“お”が多かったけど、なんとか就寝の挨拶。
向こうの顔を見ずに、布団にくるまる。
あーあ。
咲さんと寝た方がまだマシだよ〜・・・。

「悪かったな」

突然、そんなことを言われる。
なんて顔をすれば・・・?
って、布団にくるまってるから、わかんないか。

「良いですよ、別に。ハプニング・・・偶然だったですし・・・」

確信犯なら、話は別だけどっ!
文机をあさりだい!
けど・・・。
こんな、ギスギスしてるときなんて、もってのほかだよね・・・。

「明日、何か予定ありますか?」

聞いて後悔。
副長だもの、仕事よね。

「いや、明日は、清算するだけだ」

何を?
しかし、土方さんは寝たみたい。
スースー寝息が聞こえる。

「ふわぁ・・・」

私も、欠伸。
寝とかないと明日、困るもんね。                                                  

805:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/23(土) 18:22

12,恋人役

ふわぁ〜・・・。
相変わらず、眩しい朝だな。
眠い目を擦りつつ、布団から立ち上がる。

「ん〜っ!」

思いっきり伸びをして、寝間着を着替えようと帯に手をかける。
あっ!
はたと土方さんの存在に気付き、見ると。

「良かった、寝てた」

そりゃもう、可愛い寝顔でね。
スースー寝てて、S心がわく。
イタズラ・・・する暇もないな。
急いで、着物と袴に着替える。

「夏音〜。朝食食べようぜ〜」

斎藤さんが、声をかける。
でも、土方さん起こさないと。
そっと鼻を掴んで、ひたすらに待つだけ。

「・・・〜っ!っが!」

息苦しそうに土方さん、起床。
しばらく苦しそうにしてから、土方さんは私を睨む。

「やめろ!」

はいはい。
ごめんなさい。                                             

806:匿名:2017/12/23(土) 18:47

許さない。

807:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/23(土) 20:54

>>806
他のスレでも荒らさないでください。
不快です。  

808:リリカ@恋歌◆JA:2017/12/23(土) 20:57

にしても。
箸を動かしながら、考える。
清算って、何を?

「夏音。今日、暇か」

えっ?
暇、だけど。

「都に用があるからな」

ん??
どんな用なんだ?
若干ドキドキしながら、朝食を終えた。        

809:リリカ@恋歌◆Wg:2017/12/23(土) 21:29

だって!
デートとかだったら・・・。
なぁんて期待する私、乙女みたい。

「簪・・・」

しーちゃんがくれた物しかないや。
でも、とっておきの宝物。
お梅さんに髪を結ってもらおっと。             

810:匿名:2017/12/24(日) 11:45

自分で髪結えないの!?クズじゃんw

811:リリカ@恋歌◆Wg:2017/12/24(日) 13:26

>>810
時代なので…。
仕方ないです。
ですので、クズwは、ちょっと。  

812:リリカ@恋歌◆Wg:2017/12/24(日) 13:28

髪が結えないのは、この時代の髪型は難しいから。
なんて。
お梅さんに習っとかないと。

「お梅さん、今度、結い方を教えてくれませんか?」

お梅さんはにっこり。

「良いわよ」

良かった。
お梅さんが優しい人で。          

813:匿名:2017/12/24(日) 16:22

あなたの小説誰も見てないよ?悲しいね〜w

814:リリカ@恋歌◆Wg:2017/12/24(日) 18:07

>>813
そうですか。

815:ゆかこ (ノ>_<)ノ ≡dice5:2017/12/24(日) 18:15

リリカさん私は見てますよ!!めちゃくちゃ面白いです。荒しの言葉真に受けないでください!!私リリカさんの小説大好きですよ?
あ、更新毎日楽しみに待ってます!頑張って下さいね〜!

816:匿名:2017/12/24(日) 19:37

↑だったらコメしろよまぎらわしーんだよ。あと、顔文字って古いから。

817:ゆかこ (=゚ω゚)ノ ―===≡≡≡ dice2:2017/12/24(日) 19:51

あ、はいそうですか。
いや古いもなにも私の自由じゃないですか?なんであなたに言われなきゃなんですか?
これ以上はリリカさんの迷惑になるのでもうコメントしません。匿名さんも止めてください。
匿名さん荒い言葉使いでごめんなさい

818:リリカ@恋歌◆Wg:2017/12/24(日) 21:02

>>815
ありがとうございます!
はい、気にしません。
気にするだけムダですよね。
頑張ります!
  

819:匿名:2017/12/25(月) 12:44

黙れよ二次元オタクw

820:リリカ@恋歌◆Wg hoge:2017/12/26(火) 21:12

>>812

結い方がわからないと困る。
万が一───そう、万が一、お梅さんがいなくなったら。
そんなことないと、思うけど。

「頼りきりは、だめだよね・・・」

じゃないと!
馬鹿にされるもの。        

821:薫+*Mio+*◆v. 久しぶり!:2017/12/27(水) 07:52

リリカ!久しぶり!
葉っぱに来れなくなった薫です!
今はいろいろあって、書き込みできてるの。
多分、次来れるのは何ヵ月も先だけど……。
小説も、応援してる!
解フル☆もね、パワーアップさせるから!(葉っぱ来れなくなってから、手書きで別の物語書いてたんだ)
じゃ、またね!(よいお年を!)

822:リリカ@恋歌◆Wg hoge:2017/12/27(水) 11:07

>>821
薫!
おひさ〜(≧▽≦)
何ヶ月でも待ってます(*^▽^*)
解フル☆超楽しみだよ〜(*^o^*)
よいお年を〜(*´ω`*)  

823:リリカ@恋歌◆Wg hoge:2017/12/27(水) 11:14

恥ずかしながら、私、いろんな意味ですごい人との知り合いだもの。
恥かかせたくない。

「夏音、行くぞ」

はいはーい。
都に出ると、着飾った綺麗な芸子さんたちがちらほら。

「今から、人に会う。おまえは、俺の恋人役な」

はぁ!?
恋人役〜!
待ち合わせ場所(?)に着いて、少し待つと。

「歳さま、今日は何のご用で?」

はんなりとした、綺麗な女の人が現れる。
化粧もしているから、恐らく恋人。
土方さんの恋人が、私を見て固まる。

「・・・どなた?この小娘は」

ひぇ!?
いきなりドスが利いてるよ!                                   

824:リリカ@恋歌◆Wg hoge:2017/12/27(水) 18:33

土方さん、下手なこと言わないで。
この人、ヤバい目をしてるもん!

「俺の恋人だ」

「こんな、小娘が?」

ひょえ!
”小娘“のところで、憎悪が見えたような。

「悪いが、これで終わりだ」

はんなり美人、土方さんにすがろうとするけど、スルリと逃げられた。
そしたら。

「泥棒猫!人のモノを、盗らないで!!」

パシンッ。
へっ・・・。
何を、されたの・・・??                 

825:リリカ@恋歌◆Wg:2017/12/29(金) 10:26

ジンジンと頬が熱くなる。
やっと、気がついた。
叩かれたの〜!?
女の人は、ちょっと泣きながら、

「小娘のくせに・・・。私の、歳さまを奪うから・・・」

あはは。
痛いけど、苦笑い。
そんなに好かれてんだね。
土方さんって。

「帰るぞ」

ちょっ!?
泣いてる人が、可哀想だよ!

「先、帰っててください!私、この人送ってくるんで!!」

ハッとしたように、女の人が顔を上げる。
私は、女の人の手を取って歩き出す。
いくら何でも、放っとくのはひどいもん。                       

826:リリカ@恋歌◆Wg:2017/12/30(土) 08:02

13,花ちゃんに惚れられる!?

「あの、名前は?」

一応というか、聞いてみると。
女の人は、頬を染めた。
うっわぁ・・・。
かわいい!
モテるよ、この人!

「花ですっ。数えで、12」

ってことは、同い年!?
さり気なく、土方さん、ロリコン・・・。

「ろり・・・?私が、歳を偽ったから・・」

何で?
偽る必要性が?

「だって。12じゃ、相手されないもの。これも、化粧してて誤魔化してるだけ」

化粧とったら、美人だと思うのに〜。
花ちゃんが、私を見て頬を赤らめる。

「良かったら、名前を・・・」

そう言や、名乗ってなかったね。                         

827:リリカ@恋歌◆Wg:2017/12/30(土) 17:31

「城里夏音ですっ。よろしくお願いしますね」

ぽおっと、花ちゃんの顔が、一層赤くなる。

「夏音・・・。良かったら、お茶しない?」

振り絞るように、花ちゃんが聞く。
この後かぁ・・・。
土方さんに、先帰っててもらったからなぁ・・・。

「良いですよ、行きましょう」

花ちゃんの顔が、パアッと明るくなった。

「うれしい!私、夏音に惚れたかも・・・」

ええっ!?
それは、冗談で言ったら、だめだよ?
私、そっち系じゃないからね?                        

828:アーヤ◆We.:2017/12/31(日) 09:33

やっぱりお化け屋敷で、幽霊に会ったんだね…

それにしても2人の服がはだけたのは意外と驚いた!!!
土方さんってマジでロリコンじゃあないんだよね?
ロリコンだったらショックだよ

829:リリカ@恋歌◆Wg:2017/12/31(日) 10:28

>>828
ありがとう!
うん、意外な形で幽霊と遭遇した(笑)
ロリコンではないよ!
たまたま、好きになった(好かれた?)子が、年下過ぎただけ(笑)      
      

830:リリカ@恋歌◆Wg:2017/12/31(日) 10:38

14,バレる?

花ちゃんとお茶して、屯所に帰る。
帰路につきながら、お団子美味しかったな〜と、思い出す。
今度、沖田さんと行きたいな〜。

「帰りました〜」

声をかけると、奥から、

「城里ってさ、女みたいじゃねぇ?」

と、ドキリとする声が聞こえた。
嘘でしょ?!
耳を澄ませば、

「だよなぁ!」

「今度、こっそり風呂を・・・」

ヘンな事を考えているのが、聞こえる。
誰だ?
こんな、噂をたててるのは?

「夏音・・・?」

ひょあっ!?
誰!?
振り向くと、小首を傾げた咲さん。

「あのっ。噂をたててるのは、誰ですか!?」

聞くと、咲さんは奥に行って、戻ってきた。

「暇な隊士たちだ。何なら、一緒に風呂行くか?今日から」

神様仏様、咲様!
助かるよ〜!
バレるなんてことは、もうイヤだし。
何より、迷惑がかかるから。                                                     

831:リリカ@恋歌◆Wg:2017/12/31(日) 15:54

15,双子の弟と妹!?

と。

「夏音!」

お母さん?
振り向くと、ニヤニヤ笑ってるお母さんと、緊張したような桂さん。
暇な隊士たちが、飛び出してくる。

「桂ーー!」

お母さんが、きょるーんと色目を使って、

「今日だけ、桂さんを捕まえないで」

バカな隊士たちは、あっさりノックアウト。
で?
知らせって?
そう言えば、ちょっとお腹、膨らんでない?
食べ過ぎ?
ダイエットしないとね。

「違うわ。なぁんとね!」

何?
ヘンな予感。

「あなたに、双子の弟と妹ができたのよ!」

・・・・・そのときの心情は、書ききれないくらい。
五秒くらいして。

「はぁぁぁぁ!?」

私の、絶叫と言うか悲鳴が、屯所に響いた。                           

832:リリカ@恋歌◆Wg:2017/12/31(日) 18:13

「名前は、雪哉と、香里ね」

はぁぁぁぁ!?
現実味がないと思ってたけど!
名前まで!
お母さんは、愛おしそうな、慈しんでる目で、お腹を撫でる。

「雪哉、香里。元気に、生まれてきてね」

ズキッ。
変なの・・・。
私に、そんな目を向けてないのに。

「でもさ、私と父親が違うよ?私・・・」

うまく接することができるか、わかんないのに。
って、言いたかった。

「大丈夫よ?そんなこと気にしなくて良いわ」

カッチーン。
そんなこと・・・!?
お父さんが違う、重大な問題だと思うのに。

「・・・あっそう。私、その子たちに会いたくない。頑張ってね」

他人事のように。
淡々と言い放てば、お母さんたちが固まった。
私は、くるりと踵をかえして、土方さんの部屋に向かった。                               
              

833:リリカ@恋歌◆Wg:2017/12/31(日) 18:21

16,喜べない理由

そっと部屋の戸を開ければ、土方さんは留守だった。
良かった。
居たら、困る。

「はぁ・・・。変なの・・・」

お母さんと桂さんに子供ができると言うのに。素直に喜べない。
喜べない理由、か・・・。

「お父さんの事、なのかな」

私にとったら、雪哉と香里は、異母兄弟になる。
私が、居たたまれなくなりそうで・・・。

「・・・喜べないよ・・・」

ちょっと涙が、盛り上がってきた。
世界がゆがんで見える。

「夏音さん?帰ったんですか〜?」

わっ、沖田さん。
そう言や、顔を見てなかった。
目尻の涙を拭って、部屋を出た。                               

834:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/01(月) 11:07

こんなこと見せちゃいけない。
私は、ニコッと笑った。

「ただいま、沖田さん」

沖田さんが、不思議そうに見る。
ドキイッ!
泣いてたの、バレた?

「そこで、夏音さんの母上と会ったんですが。どうしたんですか?」

はぁ・・・。
お母さんの名前を聞いたら、またじわっと涙が盛り上がってきた。

「夏音さん?聞きますから、部屋に入りましょう」

ぐすっと涙を拭いて、沖田さんの部屋に入った。
私は、雪哉と香里の事、父親が違うことを話した。
話してるうちに、また悲しくなってきた。

「どう、せ。私だけ、お父さんが違う。結局、雪哉と香里も大きくなったら、わかるよ。そしたら、私は・・・一人」

あんな目を私に、向けたことなんてないのに。
もう涙すら出なくなった。                                                   

835:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/01(月) 12:51

今更ですが、新年明けましておめでとうございます。
今年も、こんな駄作に目をかけてくださるとうれしいです!
よろしくお願いします!

         ☆

やっかんでるし、そんな自分が嫌だ。

「どうぞ嫌いになってください。私、生まれてくる妹たちが嫌いな、心が狭い女ですよ」

いっそ、大嫌いと言っても良いかもしれない。
そんなことを求めるのも心が狭いからかもしれなくて。

「嫌いになんて、なれないですよ。好きな女の子を、嫌いになんてならないです」

ありゃ、ちょっと怒ってる?
と・・・。

「総司、時間だ」

戸があいて、土方さんが顔を覗かす。
私がいるのに驚いたのか、眉をはね上げる。

「夏音は、部屋に戻るか平助といろ」

ええっ!?
どこか、出かけるの?

「はいはーい。やりたくないですよ・・・」

沖田さんが、愚痴をこぼす。
ん?
何を、しに行くんだろ?       
                                            

836: アーヤ◆TQ:2018/01/01(月) 15:14

またやらかしたけど、どうなる?

夏音を一番大切にしてあげてまだ小さいけど中身はちょっとだけ大人なだけで本当は寂しいってこと気付いてあげて産まれるこにもだけどもね……

837:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/01(月) 17:09

>>836
ありがとう!
お母さんちょっと鈍感だからね。 
夏音も大人びているせいだからかね?
本当は寂しがりだしね…。      

838:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/01(月) 17:18

17,悪い予感

仕方なく、部屋を出て、藤堂さんの部屋に。

「藤堂さん〜?」

ガラッと開ければ、藤堂さんの他に、永倉さんと原田さんがいた。

「どうした?夏音」

あっ!
お菓子食べてる!
ズルい。

「暇です!それと、夕食前はお菓子食べないでくださーい。私が、もらいます」

「あっ!とるな!それ・・・」

言いかける前に、私はお菓子を取り上げる。
ん〜っ!
美味しい〜!

「近藤さんのだぞ」

げっ!
近藤さんの!?
勝手に!? 
食べてるの!?                                 

839: アーヤ◆TQ:2018/01/02(火) 08:46

夏音の行動が少しだけなんだけど、やっぱり何か仕出かす夏音って感じだね……😅
さすがあの自己中の親の娘だね……😅

840:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/02(火) 10:26

>>839
ありがとう!
うん、なんか仕出かすよ‥(苦笑)
さすがと言うか、親がアレだしね…(*_*;     

841:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/02(火) 10:37

原田さんが、

「ちょっと用があるから、行くな」

と、部屋を出る。
用?
うーん。
沖田さんと、どっかに行くのかな。

「いーなー、遊郭かよぅ。行きたいな〜」

藤堂さん、永倉さん・・・。
女好きだねぇ・・・。
ってか、風呂入ろうかな。
咲さん、いるかなぁ・・・?

「ちょっと、お梅さん、探して来ますね」

八木邸に向かって、外へ出る。
寒い・・・。
でも、悪い予感がする・・・。
なぁんて思うのは、沖田さんたちが居ないからかな・・・。  
    
                 

842: アーヤ◆TQ:2018/01/02(火) 10:47

その悪い予感が悲しい結末じゃあない方向になら良いって思う。

もう少しで切ない方向に行くっていう感じだから800いっているからね😣

843:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/02(火) 12:06

>>842
ありがとう!
ちょっと悲しい結末かな…。
800内で、主な事件を書ききれると良いな←書ききらないとダメだな。          

844:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/02(火) 12:19

18,終焉

あれ?
八木邸の戸を開けて、不審に思う。
いつもなら、何かしら声がするのに。

「お梅さん・・・?」

用事かな?
一室の扉を開けると。

「ぁ・・・キャーーーー!」

目の前に広がっていたのは。
血の赤。
いや、赤黒い血が、そこら中に飛び散っていた。
そして、部屋の中に横たわっていたのは・・・。

「お梅さん・・・芹沢さん・・・!?」

血まみれの芹沢さんと、首の皮一枚で繋がっている、お梅さん・・・。
嫌だ嫌だ、こんな変わり果てたお梅さんの姿なんて!

「いやーーーーーーーーー!」

でも、もっと衝撃的だったのは。

「ぁ・・・あっ・・・なんで・・・」

返り血を浴びたのか、真っ赤に染まった沖田さんたち─────────。                                
         

845: アーヤ◆TQ:2018/01/02(火) 14:38

新撰組も浴びたの!!?

846: くろーばー ◆Ms:2018/01/02(火) 14:51


 ……やっぱ、すごい……リリィ凄いよ!!これからもq(*・ω・*)pファイト!


847: アーヤ◆TQ:2018/01/02(火) 17:05

真っ赤に染まった沖田さん達ってことは、土方さんに斉藤さんだね

848:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/03(水) 07:49

>>845
ありがとう!
実行犯(?)みたいなモンだし……。

>>846
ありがとう!
むぅも頑張ってね!
小説応援してますp(^-^)q

>>847
斎藤さんは……どうかな? 
いたりいなかったり(←どっちだ)だし。             

849:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/03(水) 08:00

私も、みんなも何も言わない。
いや、言えない。

「・・・・何で、ここにいる?」

土方さんが聞く。

「お風呂、お梅さんと入ろうかなって・・・」

あぁ、また泣いちゃう。
お梅さんを思い出して。
それと同時に、ムラムラとした怒りがこみ上げてきた。

「あなたたちは・・・鬼なんですか?・・そりゃ、芹沢さんも悪いところはありましたよ、でも・・・」

暴力(?)で片付けるのはひどい。
そして、何よりも。

「関係ないお梅さんを、巻き込まないで・・・ほしかった」

色んな感情が、はじけてきている。
雪哉と香里の事、今のお梅さんの事────。
お梅さんの体を触っても、ひんやりと冷たくて。
その顔も、白く生きている感じではなかった。

「今回の事は─────」

誰かが、口を開く。
途端、私の中でプツンと何かが切れた。

「人の命をないがしろにした、あなたたち、鬼の仕業でしょう!?」

そして、私は外に飛び出した。
もう、どこに行って誰を頼れば良いのか、わからない。
そこから先の記憶は、途切れてしまった。                                 
                                           

850: アーヤ◆TQ:2018/01/03(水) 09:43

確かに度が過ぎている感じだね……😅

夏音はもう沖田さんと、土方さん達にはどう接して良いのかもわからないままなのかな本当に怖いね二人はね……・゜・(つД`)・゜・

851:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/03(水) 10:35

>>850
ありがとう!
今、すごい困惑してるし、接し方も変わるかな…?
いろんな意味で怖いよね(*_*;     

852:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/03(水) 10:48

19,価値観の違い

記憶が戻ってきたのは、約二日後。
気付けば、布団の中にいて。

「・・・・あ。私、どこに行ってたの・・」

ふと、視線に気がつく。
振り向けば、困ったように笑っている、斎藤さん。

「夏音、雨の中、長州藩邸まで行ってたらしいぞ。最終的には、総司が見つけたが」

「は、い・・・」

結構遠くまで、走ってたのか。
どうりで風邪っぽい。
未だに頭に残ってるのは、お梅さんの悲しい姿。
価値観の違いが、なんとなくわかってしまった。
みんなにとったら、命なんて終わってしまえばそれだけ。
でも、私は・・・。
命が大切だと、学校で教わったから。
今も、泣いてしまうのだろう。

「少し、寝ますね。あと、良かったら部屋を変えたいです」

それだけ言って、私は寝返りを打って斎藤さんに背を向けた。
──────今は、鬼の姿すら見たくなくて。                                                           

853: アーヤ◆TQ:2018/01/03(水) 14:39

本当に変わっている感じが,見えるよ

沖田さんsideと土方さんsideの二人を見てみたいです。

854:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/03(水) 16:16

>>853 
ありがとう!
ちょっと悲しいよね……。
沖田さんside書くね。    

855:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/03(水) 16:24

20,鬼 ※沖田side

「ぁ・・・あっ・・・なんで・・・」

耳慣れた声が、聞こえる。
今、一番聞きたくなかった声なのに。

「何で、ここにいる?」

土方さんが聞く。
聞けば、お梅さんと風呂に入ろうか決めかねていたと言う。 
鬼、か・・・。
畏怖を抱かれても、仕方ない。

「人の命をないがしろにした、あなたたち、鬼の仕業でしょう!?」

言われた。
途端に、夏音さんが飛び出した。
考える前に、体が動いていた。
夏音さんの手を捕まえる。

「離して!」

拒絶されて、仕方ない。                         

856:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/03(水) 21:13

スルリと、白い手が離れる。

「駄目だ。此処から逃げたら、夏音さんは切腹しないといけない」

それを言ったら、やっと夏音さんが落ち着いた。
と、思ったら。

「いやーーーー!」

逃げられた。
見ず知らずの京だと言うのに、夏音さんは走っている。
長州藩邸近くにつき。

「離してよっ!あんなの、ひどいよ・・・」

微かな吐息とともに、そんな言葉が漏れた。
それには、答えられなかった。

「ぅっ・・・あっ・・」

必死に、言葉を紡ごうとしている夏音さんの目尻には、涙が浮かんでいた。
そんな姿が、愛しく思えて。
ぎゅっと、抱きしめた。
腕の中で、震える夏音さんの温もりを、感じながら。                                             

857:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/04(木) 13:49

21,それでも好きだから

んっ・・・。
眠りから目覚め、体を起こす。
ちょっとさっぱりできたかも。

「あっ、夏音!」

斎藤さん・・・。
私は、明るく笑って、

「ありがとうございます。よく、寝れました」

斎藤さんが耳まで真っ赤になった。
ふふふ。
可愛い・・・。

「お茶、汲んでくるからな」

はーい。
少し待つと、斎藤さんがお茶を持ってきた。
あったかい・・・。

「斎藤!城里は、目覚めたか?」

あっ・・・。
聞こえてきたのは、土方さんの声で。
斎藤さんが、機転を利かせて、

「いや、熱っぽいんでまだ寝てます」

と、答える。
ナイス、斎藤さん!

「・・・そうか」

あれ?
なんか、がっかりしてない?
でも、今だけでも土方さんと沖田さんには会いたくない。                                      

858:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/04(木) 17:08

「・・・答えにくいかも、しれないけどさ。夏音は、総司が嫌いに、なったか?」

ん〜・・・。
的確に、答えられない質問だね。

「・・・どうでしょうね。怖かっただけ、で。完全に、嫌いにはなれません」

事実だった。
恋愛って、先に好きになった方の負けだと思う。
だって、嫌いになれないもの。

「・・・また、こんなことがあっても、か?」

うーん。
でも・・・。

「それでも好きだと思います。・・・初恋の人ですから」

うわっ、思い切り恥ずかしいことを口走っちゃった!
だけど、言ったとおりだ。

私は、どんなことがあっても沖田さんが好きだから────────。                                        

859:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/05(金) 08:34

22,剣術の稽古と師匠?

ちょっとセンチメンタルな気分だったけど、それはすぐに消えた。
だって、私も剣術の稽古をする事になったから。

「師匠は、今の俺らは忙しいからさ。京都見廻り組の佐々木さんが受けるってさ」

へぇー。
斎藤さん、不機嫌そうだね。

「当たり前だろっ。どこの馬の骨に夏音を奪われるかひやひやするだろ!」

えっと・・・?
まあ、そんなことはないと思う。
とか言い合いながら、稽古場についた。
練習している人たちに迷惑をかけないよう、かいくぐりながら、佐々木さん(らしき居心地悪そうな人)のもとに。                                             

860:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/05(金) 10:32

「弟子(?)になる城里夏音です!」

ペコンッと礼をすると、佐々木さんが照れたように顔を背ける。
そして、私を二度見する。
なぜ!?
変なもの、ついてた!?

「・・・可愛い」

はぁ!?
可愛い!?
・・・って、それよりも。

「さっそくお願いします!」

「ああ」

ってなことで、木刀を持ってみたけど・・・。重い!
何コレ!?

「素振りを100回」

ええっ!?
素振りを100回!?
無理だよ〜!                   

861:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/05(金) 14:37

「99・・・100!」

あーっ!
やっと、100回!
疲れたぁ・・・。

「次。切りかかってみろ」

はぁ!?
佐々木さん、あなたは鬼ですか・・・?
こぉんなに疲れてるのに・・・。
ん、でも。
やってやる!

「たぁっ!」

恐る恐る、佐々木さんに切りかかるけど、あっという間にかわされて、気付けば倒れていた。

「腰が引けている。立て」

ひゃあ!?
んんん・・・。
佐々木さんが、私の後ろにまわって、木刀を持つ。

「こうやって、やれ」

うんっ!
わかったけど、汗臭い〜・・・。
その日の練習は、夜遅くまで続いた。                     
    

862:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/06(土) 08:44

23,藤子おばあちゃんが来る!?

疲れたぁ・・・。
お風呂もあがって、ふとそんなことを思う。
慣れてきたけどね、幕末(ここ)での暮らし。

「たいへーん!夏音〜」

うぁ!?
お母さん!?
どうしたの、そんなに慌てて。

「お義母さまが来るって、手紙が届いてたのよぅ!」

ええっ!?
藤子おばあちゃんが!?
おばあちゃん、メールじゃなくて手紙をしたためる、古風な人なんだよね〜。

「って事で、いっぺん現代に戻るわよ!」

うんっ!
じゃないと、

『あら、茜さん。もしかして、手紙を見ていない?ごめんなさいねぇ。メールじゃなくて』

とか、皮肉る。
絶対!
まぁ、嫁姑だからね?
そんなバトルがあるのは、知ってたけど。

「めんどくさいから、一斉に行くわよ!」

はい!?
一斉に行く!?
どういうことなの!?

「いつものメンバーとよ!」

あぁ・・・。
なら、問題じゃないか。
ピカッとあたりに光が差して、強い風に煽られる。
そして、沖田さんと土方さんと仲直りできないまま、現代に。                                                
           

863:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/06(土) 08:55

あとがき

はい!
J完結です。
あっという間に終わった気が・・・毎回ですけどね。

新キャラ登場!
にしても、すごい鬼だなぁ〜・・・。

そして!
お梅さんと芹沢さんとの別れ。
作者的には、ちょっと悲しいですけど、物語としてやっとここまで来れたような気がしてます。

史実では、9月の16日あたりですね(粛正が)。
物語では、そこらへんやんわり通り過ぎてるので、気になった方はぜひ調べてみてください。

では、Kの詳しい情報を。←

舞台は現代。
藤子おばあちゃんによって、夏音の婚約者(?)が判明?
嫁姑バトルあり?
そして、仲直りとついに沖田さんと恋人に!?
(?多いな)

とまあ、楽しみにしていてください!
では、Kで会いましょう!

        リリカ      
                                    

864:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/06(土) 13:39

『時を駆けて、初恋*します。』K

登場人物(今回主要な人物だけに絞ります。)

城里 夏音
主人公。
明るく優しい。
沖田さんに恋してるが、婚約者がいるらしい?

沖田 総司
新撰組隊士。
優しく剣術以外では穏やか。
剣術に関すると変わる。
夏音が好き。

土方 歳三
新撰組副長。
ドS。
夏音が好き。

斎藤 一
新撰組隊士。
明るい。
夏音が好きで、よく相談に乗ったりする。

城里 茜
夏音の母。
お茶目でよく、タイムスリップする。
破天荒。

城里 藤子
夏音の祖母。
茜の義母。
茜と悠(夏音の父、茜の夫)の結婚を未だに認めていない。
城里本家の長。

倉知 琥珀
藤子公認の、夏音の婚約者(?)。
まっすぐな性格。
悠の昔の研究仲間。                  
     
                                          

865:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/06(土) 13:47

1,藤子おばあちゃん 

わあっ。
懐かしいな、現代。
相変わらずソファには鈴ちゃん。
あきないねぇ〜。

「夏音!何か、変なところない?」

お母さんが珍しく、着る物にこだわる。
斎藤さんが、不思議そうに、

「どうしたんだ?」

と、聞く。
それで、藤子おばあちゃんが来る事を言うと、

「そんなに怖いのか?」

うんっ!
そりゃ、もう。
年がら年中和服だし。
スマホとか、そう言う俗っぽい(おばあちゃん曰わく)モノは持たない主義らしいし。

「前なんか、いとこの夏帆ちゃんが礼儀よくなかったから、叱りつけてたし・・・」

厳密に言えば、夏帆ちゃんが悪いんだけどね。
まあ、人一倍作法に厳しいわけで。

ピーンポーン

うわっ!
おばあちゃんが来たよ!
私が、玄関のドアを開けると。

「こんにちは、夏音ちゃん」

あっ。
倉知さん。
倉知さんの後ろには、銀縁の眼鏡(老眼鏡?)の髪をお団子にまとめて髪を一房だけ藤色に染めたおばあちゃんがいた。                                                           

866: アーヤ◆TQ:2018/01/06(土) 15:14

沖田さんが拒絶されてショック受けたの、たぶんこれで二回だよね……
そして沖田さんと土方さんが喧嘩って想像すると何とも言えない恐ろしく怖いよ😣

867:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/06(土) 17:51

>>866
ありがとう!
たぶんね。
まあ・・・結果を考えたら・・ねぇ?
ちょっと怖いよね(笑)   

868:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/06(土) 18:07

おばあちゃんは、藤色の和服を着こなしている。
白髪と似合ってるって言うか・・・。

「夏音、茜さん。お邪魔しますわね」

おばあちゃんと倉知さんは、ちょっと礼をして上がる。

「それでね、茜さん」

話し方は柔らかくて優しいけど、目つきが鋭い。
怖い。
嫁姑バトル始まる!?

「話というのは、城里本家の後継ぎについての事です」

「はっ、はあ」

お母さんとおばあちゃんの間の、緊張感が、増す。
ここでといっては何だけど、沖田さんたちには、私の部屋にいてもらっている。
おばあちゃんは、私が淹れた紅茶を飲む。
すごい優雅〜。

「・・・悠が生きていたなら、話すこともなかったでしょうね。・・・以前から、進めていたでしょう?倉知さんと夏音の婚約話」

私も、有り得ないって思ってた。
フツウの女の子で、好きな人と結婚できるって。
でも、いろんな偶然が重なって、婚約者ができて。

「・・・付け足しがあるの。夏音と倉知さんの正式な婚約は、16と決めていたでしょう?」

まさか、縮むとか?

「18に決めたの」

なぁんだ。
延びたんだ。
それだけ?

「そして、これは関係ないわ。私、健一郎さんと喧嘩したの。しばらく、お世話になるわ」

ええっ!?
家に住むの!?

「ちょっと待って!おばあちゃん。家に、もう一団体住んでる人たちがいるの!」

おばあちゃんの目が、キラリと光った。                                                                                           

869: アーヤ◆TQ:2018/01/06(土) 18:17

もしかして夏音ってお嬢様育ち?
婚約って大きく行ったね……

870:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/06(土) 21:15

>>869
ありがとう!
お嬢様っていうか・・・華道の家元だったりするからね(笑)
ストーリー展開が難しくなるね←無責任な       

871: アーヤ◆TQ:2018/01/06(土) 21:20

私も更新しました

872:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/06(土) 21:25

2,私の彼氏審査!? 

「夏音、この人たちで全員ね?」

おばあちゃん・・・。
厳格かと思ってたけど、案外男好き?
だって、こぉんなに目をキラキラさせてるの初めて見たし・・・。

「では、夏音の彼氏審査を始めます」

ええっ!?
彼氏審査・・・!?
何それ!?
ってか、倉知さんの立場ないよ!?

「いいよいいよ、夏音ちゃん。僕は、待ってるから」

いや、そーいう問題じゃ・・・。
そんなんだったら、婚約者いらないよね!?

「いるわ。結婚を確実にするために」

確実にするために・・・?
それって・・・。
おばあちゃんが、

「茜さんじゃあるまいし。男っ気ないから。ちゃんと結婚できるかわからないじゃない」

ほほぅ。
って、さらっと皮肉ってるね〜・・・。
お母さんしょぼーん。

「とにかく。始めるわ」

いやいや!
とにかくじゃなーい!
おばあちゃん、ちょっと楽しんでない?
口元が笑ってるし。
ん・・・。
まぁ、イケメン見てニヤニヤしない方が珍しいし・・・。

「でも、おばあちゃん。何も、私にこだわらなくても。お母さんのお腹に、雪哉と香里って、弟と妹がいるのに」

あっ、やっちゃった。
爆弾発言。
その瞬間、ただでさえ冷え切っていた空気が、さらにピキンと凍った。                                                                       

873:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/06(土) 21:25

>>871
楽しみだよ! 

874:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/07(日) 11:06

3,恋人になりたい

お母さんとおばあちゃんのバトルを横目に見つつ、ぼうっと考える。
彼氏=恋人かぁ・・・。
そんなこと、考えたことなかったなぁ。
でも、私と沖田さんって両想いだよね!?

『両想い=恋人だよっ!』

って、優衣香ちゃんいつか、言ってたし。
だけど、変だよね?
恋人らしいこと、してないし・・・。
よし。
優衣香ちゃんに電話して、聞こう。

プルルル・・・プルルル・・・

何コール目かに、ガチャッと音がして。

「はーい。坂下です」

優衣香ちゃんだ!

「こんにちは、城里です!」

途端、優衣香ちゃんの声が明るくなった。

「なぁんだ。夏音ちゃんか。で、何か用?恋のお話なら、私が聞くよ」

ほっ。
優衣香ちゃん、聞く気満々だ。
そして、私の両想いだけど恋人じゃないはどういうことなのか、聞くと。

「うーん・・・。優衣香にも、わかんないし、あんまりいい答えとは言えないけど」

と、優衣香ちゃんは断ってから、

「夏音ちゃんから切り出せば?両想いなんだし、おかしくないよ」

ほえっ!?
私から・・・。
恥ずかしくないっ!?

「大丈夫!あっ、優衣香、これから兄貴の試合見に行かないとだから、とりあえずガンバ!」

ええっ!?
無責任な!
私は、優衣香ちゃんに礼を言い、電話を切った。                                                                                               

875:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/07(日) 13:48

無理でしょ〜!

『私の、恋人になってください♡』

で、上手くいったら良いけど・・・。
もしも・・・。

『無理です』

なんて言われたら!
大ショックなんてモンじゃない!
私、生きてけるかわかんない。

「優衣香ちゃん・・・。無理無理!沖田さんに恋人になってほしいなんて、言えるわけないよ〜・・・」

あっ、声に出しちゃった・・・。
みんなが、こっちをみるのがわかる。
私は、恥ずかしくなった。
うわぁん!
これぞ、顔から火が出るよ〜。
でも・・・。
言うにしたって、仲直りしてなくない!?

「ん〜・・・。どうしよう・・・」

私は、悪くない・・・よね?
お梅さんたちを斬ったのは、向こうなんだし。ちょっと釈然としない。
ん。
よしっ!
私から、声をかけよう。
そしたら、どうにかなるでしょ。                                                

876:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/07(日) 19:49

4,仲直り

・・・とか、思ったものの!
どう、切り出せば・・・?

「あのっ。ちょっと、話したいことが・・」

よしっ!
まずまずの切り出し方じゃない?

「・・・はい、良いですけど」

あれ?
間があったよね。
もしやの・・・!?
嫌われちゃった、とか!?
ええっ!?
そんなのだったら・・・。
ううん、妄想しない!
ポジティブに考えよっ。

「あのですね・・・。こないだの、お梅さんのことで・・」

ビリッと空気が震えた気がした。                     

877:萌恵◆1w:2018/01/07(日) 21:23

面白い(^o^)/~~~
頑張ってください!

878:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/07(日) 21:27

>>877
ありがとうございます!
萌恵さんも頑張ってください!
(萌恵さんの小説、毎回チェックしてるなんて言えない…)     

879:萌恵◆1w:2018/01/07(日) 21:37

>>878聞こえてるぞっw(▼∀▼)
今からかくんで、何十分後かには出します(^o^)/~~~

880:アーヤ◆PY:2018/01/08(月) 09:15

早く沖田さんと土方さんとも仲直りして欲しいけど、どうなるのかが心配です。

881:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/08(月) 10:46

>>879
バレたかw
楽しみで〜す!

>>880
ありがとう!
なんか別の意味で、バトル勃発するかもしれないし(苦笑)      

882:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/08(月) 10:53

ああ・・・。
言いにくい・・・。
土方さんも呼んだら、なおさら!
言いにくい!
あぁ、もう。
ツンデレで行くっきゃない。

「・・・許してあげても良いですよ・・」

我ながら悲しい〜。
超!
上から目線だしっ。
嫌われても、仕方ないよね〜・・・。
半分自分に呆れ、半分悲しくなりながら、うつむくと。

「良かった」

えっ・・・?
最初、聞き間違いかと思った。
恐る恐る見上げると、笑ってる二人の顔。

「清々しいな」

ええっ!?
あんな、超!上から目線で!?

「嫌われたかと思いましたし」

ええっ!?
私と、同じこと!?
驚愕すること約2分。

「クスッ・・・」

私が吹き出したのをきっかけに、三人で笑った。
仲直り完了!
気分がすっきり。
これから、いつも通りに話せるよね。                                                 

883: アーヤ◆TQ:2018/01/08(月) 11:06

良かった,良かった三人が仲直りしていつもの関係が戻って良かったよ。
でも沖田さんsideも仲直りする直前前から仲直りしたあとを見てみたいかな!

884:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/08(月) 14:34

>>883
ありがとう!
やっと、仲直り完了!
沖田さんsideは番外編で書くね〜!     

885:アーヤ◆PY:2018/01/08(月) 14:41

私も二作品の小説書けました。

「思春期シンデレラ」は時折更新しているけど、「物知り」が曖昧に更新しているのを今日やっと更新しましたのでみてね

886:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/08(月) 14:50

5,何気ない幸せ

はぁ・・・。
すごい、嬉しい。

「だからやはり!私が夏音を引き取ります!」

「お義母さまと言えど、譲れません!」

お母さんとおばあちゃんのバトルも、耳に入らない。
仲直りできた〜!
その感慨に、ふけっている。

「怖いな、夏音のおばあさまは・・・」

「夏音と似ていてな」

はっ!?
今、失礼なことを言ってない?!
私は、原田さんを睨んだ。

「おばあちゃんと似てないわよ!」

ひいっと原田さんが悲鳴。
んー、気性が激しいって、言いたかったの?
・・・どっちにしろ失礼には違いない!

「夕食抜き!決定!」

反論が飛ぶけど、笑って無視。
自業自得じゃない?
何気ない幸せだって、思う。
仲直りしてなくても、楽しいとは思えるだろうけど、心からは笑えてないと思う。

「すいませんでした!」

土下座された。
さすがに、考えないといけない。

「よろしい!夕食抜きはなし!」

歓喜の声が、原田さんからあがった。
こんな時間が、続けば良いのにな・・・。                                    
  
   
                  

887:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/08(月) 14:51

>>885
うん!
すごい楽しみ!
掛け持ち、これからも頑張ってね!    

888:アーヤ◆PY:2018/01/08(月) 15:08

似ているってまあね

889:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/08(月) 16:45

>>888
ありがとう!
まあ、祖母だから、似てるっちゃ似てるかな?
気性が激しいところとか(しっかり者とか)?        

890:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/08(月) 16:52

6,久しぶりの学校

翌日。
わぁ、明るい。
日の光が差して、綺麗。
朝ご飯の用意と、学校の準備をした。

「はぁ。久しぶりの学校かぁ〜・・・。この間の学祭以来で、懐かしいな」

女装コンテストの結果と、女装した土方さんを思い出して、ニヤニヤ笑ってしまう。
ぐうぐう眠ってる遅起きのみんなを見ながら、
朝ご飯を食べた。
幕末(あっち)での日頃の疲れとか、あるのかも。

「可愛いなぁ・・・」

寝顔が。 
癒される。
微笑ましく思いながら、

「行ってきまーす」

と、小声で、言って、学校へと向かった。               
                           

891:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/08(月) 17:02

もう10月か。
学祭で忙しかったけど、この時期、桜星学園のメイン(?)イベント、桜星集会がある。
学年でわかれて、それぞれ劇や、コントをして競い合う。
奇数学年と、偶数学年にわかれてね。

「今年は、6年としてふさわしい、日本の古典をもとにした、劇または、コントをしようと思います」

おおっ。
桜木先生の言葉に、さっそくみんながわいた。ちなみに、今は学年集会中。

「何か、良い意見はありますか?」

「ハーイ!」

ええっ!?
もう意見が?
陽菜子ちゃんが、ニコニコと、

「『かぐや姫』をテーマに、アナザー『かぐや姫』をしたいと思います」

アナザー『かぐや姫』ね。
良いね。
その後、大した意見もなく。

「では、今年は、アナザー『かぐや姫』に決定します。シナリオは、陽菜子さんお願いします。かぐや姫役は、推薦などでも良いです。もちろん、やりたい人も、応募してくださいね」

桜木先生の言葉で、学年集会は締めくくられた。                                                                                   

892:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/08(月) 18:43

7,アナザー『かぐや姫』に立候補!?

「一応、ミュージカル風にしたいんだよね」

休み時間。
陽菜子ちゃんの席に集まって、話す。
シナリオ作るのも、大変だろうね〜。

「アナザーだから、男女逆転とかは?」

珠希ちゃんが、案を立てる。
男女逆転?
面白いかもっ!

「つまり、求婚するのが女子で、『かぐや姫』が男子ってこと?面白い!もらったわ!」

だよね〜。
かぐや“姫”にはならないけどね。                              

893:萌恵:2018/01/08(月) 19:10

おー、お疲れ様です!

次がきになる(^o^)

894:アーヤ◆PY:2018/01/08(月) 21:39

新たなる物語の展開に入ったよ‼️

895:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/09(火) 18:19

>>893
ありがとう!
萌恵さんも頑張ってくださいね!

>>894
ありがとう!
新展開になったかも!
頑張るね!  

896:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/09(火) 18:25

昼休み。
『かぐや姫』のオーディションがあるらしい。
私は、立候補するつもりは・・・。
桜木先生が、ニコニコと笑んだ。

「あら。城里さん。オーディション、行きましょう」

ええっ!?
私、立候補してないのに!?
と・こ・ろ・が!

「あらぁ?推薦されてるわ」

ええっ!?
誰が・・・。
思い当たる人物が4、5人ほど。
あいつらめ!

「オーディション、一緒に行きましょう?」

ううう・・・。
先生も陽菜子ちゃんたちも意地悪!      
     
                 

897:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/09(火) 20:02

8,かぐや姫(皇子?)は誰?

「城里です。精一杯頑張ります、望む役は、求婚者5です」

私が言うと、まばらにパチパチと拍手。
女子は少ないな〜。
審査員は、皮肉なことに陽菜子ちゃん。

「ハーイ、夏音ちゃん決定、次・・・。蓮井くん」

あっさり!?
求婚者5、かぐや姫の望むプレゼントをゲットできず、怪我で亡くなった、唯一かぐや姫の心動かした人物だ。

「蓮井です。望む役はかぐや姫です、頑張ります」

廉!?
まさかの、かぐや姫!?
んん〜。
悪くはないよね、美形だし。

「イケる!蓮井くん決定!じゃ、台本作り次第渡すね」

陽菜子ちゃん・・・。
超!ウキウキしてるね・・・。
まあ、私も楽しみだし!
今年最後の桜星集会、頑張るぞ〜っ!                                                    

898:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/09(火) 21:19

9,私は天然?

ふぅ・・・。
1日の授業が終わって。
ひとつ溜め息。

「疲れた・・・」

気のせいか、寒い。
悪寒?
まだ冬じゃないのに。

「じゃあね、夏音!」

あっ、莉子ちゃん。

「goodbye、夏音」

ノンネちゃん。
みんな、元気だね・・・。
ちょっとフラフラしながら、なんとか帰宅。

「ただいま〜・・・」

頭痛い。
お薬飲まないと。
ん?
なんか、騒いでない?

「好きな女の好み、変わってるよな〜。副長は」

はいっ?
なぜに、土方さんの好みが疑われてるんだ?
んー、気になるけど入らないと。                                 

899:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/10(水) 17:43

あわゎ・・・。
世界がぐるりと回って見える。 

「た、ただいま〜・・・。ごめんなさい、ちょっと寝ます・・・」
 
倒れ込むように、ソファに寝転がる。
熱い。

『夏音さん・・・』

あれ?
沖田さん?
もしやの、もしかして!

「私、大好きです!恋人になってください!」

待ちきれないもん。
ところが、耳に入ってきたのは。

「・・・斬ります!」

地の底から聞こえてきそうな、怒声。
ええっ!?
そんなに、気に入られてないの?
重い瞼を必死に持ち上げると。

「相手、間違えてるな〜」

「寄りによって副長かよ」

ええっ!?
私・・・。
間違えた?!
寝言なのに!? 
                             
       

900:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/10(水) 21:21

しっかり見ると、私は驚いてしまった。 
だって・・・。
私、抱きついてたもん。 
思い切り、土方さんに。

「夏音さぁ、天然?」

イヤーッ!
そんなの、断定しないでよ!

「すいません。・・・あっ、ご飯」

作れるかな?
だるいし。
頭痛も激しくなってくる。

「ごめ、なさい・・・」

微かに、言えた。
私は、重い瞼を閉じた。
はやく、元気になってご飯作らないと、と思いながら。

───────────────────
はい。
リリカです。
あっという間に900!
終わるかな?
終わる気がしな((殴
はい、これからもよろしくお願いします。
頑張ります(*´ω`*)                                  

901:萌恵:2018/01/10(水) 22:01

頑張れー!
自分のやつも、ちゃんとやらないと…。

902:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/11(木) 17:13

>>901
ありがとう!
萌恵さんも頑張ってね! 

903:萌恵◆1w 色々大変。:2018/01/11(木) 17:31

ん、今からかいてみようかな(*ゝω・*)ノ

↑調子に乗る

904:瑞◆MIZU/j3v.s:2018/01/11(木) 17:34

リリカ久しぶり!ルナだよ〜!
一番進んでるのはリリカの小説だな!
9月から始まったのにもう!?って思ったな!リリカにはたくさんのファンがいて良いね!私なんかネタ切れで終わりだからね……(笑)
新作楽しみにしてます!

905:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/11(木) 19:59

>>903
頑張って!
ファイトp(^-^)q

>>904
ありがとう!
だよね、4ヶ月、弱?ぐらいだよね。
あっという間過ぎて感覚なしっ!(キリッ)
いやいやいや!
瑞の小説もファン多いから!
絶対に多いよっ!
ネタ切れ、よくある〜。
ありがとう!
新作も、頑張るね。
瑞も頑張ってね!
応援してます!                  

906:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/11(木) 20:07

10,来世の記憶?

『・・・巡り逢えた』

誰?
この、優しい声は。
沖田さんなの?
でも、私は夢を見てるハズ。

『やっと・・・。もう、離れない』

ふぁ?
やっぱり、沖田さんだよね?
離れないって・・・。
私たち、離れるの?
いつか?

『前世に、あなたと逢えた』

前世?
どういうこと・・・?

『200年の時を超えて・・・』

200年?
って、ことは。
恐らく、これは来世?の記憶?
おかしな話。
普通、見るとしたら前世でしょう?

『大好き』

また、ふわあっと白い霧がかかって。
姿すら見えなかった。
私たち、離れ離れに・・・?
そんなことない。
それだけを祈って、目を開けた。                                             

907:アーヤ◆PY:2018/01/11(木) 21:53

ちょっとちょっと、リリカさんどうやって夏音が土方さんに間違い告白してからの―
沖田さんとの来世って何!!??

908:匿名:2018/01/13(土) 10:30

今日思ったんだけど、もしかしたら夏音って前世の記憶もあったりするの?

909:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/13(土) 12:20

>>907
ありがとう!
ある種の伏線だよ( ̄ー ̄)ニヤリ
クライマックスに向けて(まだクライマックスじゃないよ)、解き明かして(?)いくかも。

>>908
うーん。
あるってわけじゃなくて・・・ひょんな事から、ですね。
            
   

910:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/13(土) 12:33

11,仲間として“好き”

騒がしい。
耳元で騒がれたら。

「今からご飯作りますからっ!静かにしてください」

立ち上がりながら、言うと。
むくれたように斎藤さんが、

「さっきの副長への想いを教えてくれたら、な」

さっきの?
告白紛い(?)の!?
深い意味はないけど・・・。
って言うか、寝言ですって。
でも、みんなから食い入るように見られる。
言わないと、ダメなの?

「寝言ですっ!」

「それだけじゃないでしょう?」

ひぇ!?
ドスが利いた沖田さんの声!
怖い!

「・・・仲間として好きですよ?嫌いじゃないです」

はぁ。
何、これ。
寝言からいきなり本音を言わないといけなくなるなんて。

「良かった!」

斎藤さん・・・。
声に出さないで。
私だって、恥ずかしいんだからね!?

「それだけのワケないと思います」

ひぃ!
沖田さん・・・。
止めてぇ・・・。
もうヤケになった。
なるようになれ!

「頼りになるカッコイい人だと思いますよ!?土方さんのこと!」

途端に、空気が変わった。
何・・・?

「良かったな、歳。報われるな」

はぁ?
近藤さん、嬉し泣き?
当の土方さんは、顔を赤くする。
へっ?

「・・・カッコイい?」

「斬ろうぜ・・・」

うぁ・・・。
怖いよ・・・。
沖田さんと斎藤さんからスッゴい殺気を感じるけど・・・。                                  
                                                            

911: アーヤ◆TQ:2018/01/13(土) 12:58

もう夏音止めてあげてよ!
これだから天然は何を言うかが怖いよなぁ😓
それにしても沖田さんが可哀想だ、有る意味で怖いから孤独感があるからね沖田さんはね、だからってえっ沖田さんが好きだったけれども,土方さんのことが好きになったのを自覚したの異性としてなのかな?

土方さんが真っ赤になったあとの恨みの二人が凄く怖いけども近藤さん応援していたっけ?
からかう感じだった様に応援していたけどまあいまのところは上昇なのかな?


私の小説も更新したよ

912:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/13(土) 14:07

>>911
ありがとう!
天然の爆弾発言はねぇ…(笑)
異性と言うか、人としてかな?
局長として、だよ。

応援してます!p(^-^)qファイト☆   
       

 

913:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/13(土) 14:25

12,世界で一番好きな人

ここで斬り合うのはね、いただけない。
 
「ダメですよ!これ以上やるんだったら、夕食抜きで」

途端に、静まる。
ふぅ。
と・・・。

「なんで副長が“カッコイい”んだ?」

へっ?
斎藤さん?
すごいまじめな顔。
マジの話?

「・・ん〜。前の、あのヘンな三人組が屯所を襲って、私をさらおうとしたとき、とか。デート・・・じゃない、逢い引きのときの話がすごい・・・」

なんて言うか。

「強い信念があって、男前でカッコ良かったと思いましたから」

人として、ね・・・。
決意があって。
信念を貫き通す、すごい人だと思った。
あれ?
また空気変わった・・・?
注釈しよう。

「でも、私には他に世界で一番好きな人がいますよ?だから、斬るとかそんな危ない話は・・・」

「誰だ、そいつ!?」

はっ?
誰って?
私の、世界で一番好きな人?
決まってる。

「言えませんよ」

「ええっ!?」

驚いてる斎藤さん。
でも、ごめんなさい。
私が好きな人は、沖田さんだもん。
ちょっと沖田さんを見やれば、浮かない顔をしていた。
ドキッ
すごく、切なさそうな顔。
以前も、土方さんがそんな顔してたよね・・。

「よぅし。今日の夕食は、パスタ!」

わざと明るく言った。
その場の雰囲気を変えるように。                                                                                                     

914: アーヤ◆TQ:2018/01/13(土) 14:58

土方さんと全く一緒の表情するとは,切ないね……
でも斉藤さんの斬るの発言には焦ったけど,好きな人がいると話したら誰だって叫んだのは男らしさがあるよ!
前よりもイケるよ斉藤さん格好いいよ😉👍

915:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/13(土) 15:44

>>914
ありがとう!
斎藤さんのはただの嫉妬な気が((殴
男気はあるよね(*´ω`*)       

916:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/13(土) 15:56

13,変わらないキモチ

はぁ・・・。
吐き出した溜め息。
ずうっとあんな感じだし、沖田さん。

「なんだ、この麺?」

原田さん。
いかにも興味津々と言った感じで。

「これは、パスタって言って、スッゴく美味しいですよ」

「美味そう!」

純真だなぁ・・・。
はやく食べたくて仕方ないらしく、原田さんが藤堂さんにからむ。

「平助、作れよう!あっちでも!」

「ええっ!?こんなの、ないし、ムリですって」

もっともな正論。 
作りながら、私は耳を澄ます。

「それをするのが平助だっ!」

ありゃ・・・。
ムチャクチャ言ってるよ・・・。

「皿、洗います」

ええっ!?
藤堂さん、良いの??
って、指が綺麗。

「指、綺麗ですね」

良いなぁ・・・。
まじまじと指を見ていたら。

「あの・・・。そんなに見られると・・・」

あっ!
ごめんなさい。                                          
                

917: アーヤ◆TQ:2018/01/13(土) 16:17

食い意地が久々にやって来たよ、あの時代はさすがに無いからねって言っている間にも沖田さんのテンションっていうよりも切なさ度が上昇してない!!?
悲しさにちゃんと素直に言わないとあれだよ夏音と沖田さん。

まあ沖田さんsideも見てみたい、あの切なさが…ちょっとね……

918:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/13(土) 17:12

>>917
ありがとう!
原田さんの食い意地は、ヤバいからね(笑)
切なさは結構増えたし(*_*;
向き合わないと解決しない(キリッ)
では、書きま〜す!       

919:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/13(土) 17:20

「藤堂さん、初ちゃんと会いたいですか?」

ちょっといじりたくなって。
だって、あれっきり会ってないし。
藤堂さんの顔が、複雑そうな表情になった。

「・・・叶わないですよ。今では、そう思ってます」

そうなんだ・・・。
胸が、キュッと締め付けられた。

「それより。夏音も、総司と向き合ってくださいよ。あんなにしょぼくれたの見たことありませんよっ!」

話をそらされた。
でも、一理ある。
実際、沖田さんの周りがどよーんと沈んでいる。

「“カッコイい”発言の後からですよ。ほら。はやく」

ええっ!?
藤堂さんに急かされ、料理を作っている最中ながら、沖田さんのところへ。

「さっ、頑張ってください」

そんな無責任な!
発言の謝罪をしよう、取りあえず。
そっから先は、謝ってから考えよう。                                                  
       

920: アーヤ◆TQ:2018/01/13(土) 17:29

藤堂さんそれ良い安だったよ、沖田さんの周りがどんより空気ってことは土方さんと斉藤さんがな
やっぱりこの二人も落ち込んでいたり(^^)

921:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/13(土) 18:37

>>920
ありがとう!
たぶんね(笑)
果たして、どうなるのやら←おい     

922:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/13(土) 18:49

「・・えっと・・・あの。さっきの、“カッコイい”発言なんですけど・・・」

言い掛けると、やっと顔が上がった。
すごく沈んでる。
それは、一目瞭然だった。

「すみま・・・」

「平助でしょう?」

ええっ!?
藤堂さんの案だって、わかったの?
エスパー?
ちょっと半笑いで沖田さんは、

「さっきの『世界で一番好きな人』の事です」

あぁ・・・。
じゃない!
私が好きな人が、藤堂さん!?
全然違う。

「わかります。あの、雰囲気で」

でも。
雰囲気でしょ?
私は、口を開いた。
勘違いを止めないと。

「だからっ・・・」

「間違いない、でしょう?」

私の言葉に被せるように、そんな言葉がもれた。
私の話、聞いてほしいのにっ・・・。
大声で、

「だからっ・・・私の大好きな人は、沖田さんですっ!変わらないキモチです!」

あれ?
キモチは変わらないだっけ?
ところが、リビング中が静まり返った。
へっ?
じんわり頬が熱くなる。
公開告白だ・・・。
黙ってちゃダメだ。
耐えきれない。

「っ!いっ、今は返事しなくて良いですよ?」

わざとらしく忙しいとつぶやきながら、台所に立った。                                   
                                                   

923: アーヤ◆TQ:2018/01/13(土) 19:13

夏音って何勝負なの?

直球勝負なのか変化球勝負どっち!!
実って欲しいよ😉

924:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/13(土) 21:17

>>923
ありがとう!
直球勝負かな?
いや、変化球かも。←どっちだ
やっと実るかも(*^-^*)  

925:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/14(日) 08:10

14,鈴ちゃんに見られる

あぅ・・・。
めっちゃ気まずい。
斎藤さんとしゃべってるけど、キモチが入ってこない。

「どう思う?夏音は」

へっ?
ん〜・・・?

「私は、粒あんです」

答えたら、困ったように斎藤さんが、のぞき込む。

「大丈夫か?」

はっ?
返答を間違えた?
そしてなぜか急に、あたりが(と言うか全員)静まる。

「お風呂、沸かしますね」

なんとかそれを言って、立ち上がる。
絶対、さっきの公開告白のせいだよね・・・。はあ・・・。

「食べ終わったら、流し台に入れといてください」

それを言って、お風呂に入る準備を始めた。                                          

926:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/14(日) 10:33

「はあ・・・」

頭と体を洗い、ゆっくり湯船に浸かる。
一気に疲れがとれそう・・・。

「私ったら・・・」

よりによって公開告白なんか・・・。
そりゃあ、マンガとかだったら、多少憧れるけど。
現実だと・・・。

「言いにくいよ〜・・」

『返事は?』ってさ。
もうイヤだよ・・・。
あぅ・・・。
のぼせたかも・・・。

「上がろう」

上がって、体を拭く。
パジャマに着替えて。
お風呂場を出て、すぐ。

「わっ・・・?沖田さん?!」

マジメな顔をした、沖田さんが。
私、上がるの遅かった?

「あぁ、ごめんなさい。遅くて。すぐ代わります・・・」

ドンッ
へっ?
あの・・・。
壁ドン!
前のは怖かったけど、今のはドキドキしてたまらない。

「さっきの返事ですけど・・・」

心臓がバクバク。
断られるの・・・!?                                            
       

927:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/14(日) 18:48

ギュッと目をつぶる。

「好きです」

ええっ!?
まさかの、OK??
私は、また熱を帯びてきた頬を触りながら、そっと見上げる。

「その・・・恋人になってくれませんか?」

もちろん、答えは!

「はいっ・・・!」

夢みたい。
いつもなら誰かが邪魔したりするのに。
今日は、誰も邪魔しなくて。
最高だ。
だから、沖田さんの顔が近付いてきても、拒まなかった。
キス・・・。

「・・・わっ・・・」

ん?
今、私たち以外の声が聞こえた。
あたりを見回すと。

「す、鈴ちゃん!?」

真っ赤な顔で、こっちを凝視している鈴ちゃんを発見。
視線に耐えきれないのか、鈴ちゃんが慌てて、

「わざとじゃないの・・・。夏音、上がったかな〜って思って・・・」

途端に私たちは、赤くなる。
鈴ちゃんは、くるっと後ろを向く。
あっ・・・。
嫌な予感・・・。

「夏音がぁ〜!」

わぎゃっ!
そんな事、大声で叫ばないでっ!   
                                                          

928:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/14(日) 21:22

15,“大切な人”と“好きな人”の違い

あぅぅ・・・。
何なの、この状況・・・。
私と沖田さんは、二人して神妙な顔をして、正座。

「確かだな、鈴ちゃん」

「うん!私、見たもの」

ひぁ・・・。
ひどい、鈴ちゃん。
寝返るなんて。
私たち、尋問されるかな?
だって、今の斎藤さんと土方さんの様子だと、そんな感じがするもの。

「・・・で、接吻しそうだったのよう。ドキドキした」

私は、素直に吐いてる鈴ちゃんをギンッと睨み付ける。
要らないことを・・・!

「別に、良いじゃないですか!恋人になったんですから!」

全くもう。
当たり前のことなのに。
鈴ちゃんのせいで、余計な事件に発展したし。

「良くない!」

あれ?
何で、斎藤さんと土方さんの声がハモるの?                                                     

929:萌恵:2018/01/14(日) 21:26

すっごくいつもキュンキュンする☆〜(ゝ。∂)
私の方の小説再開しました!←宣伝野郎


てへ!頑張れー

930:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/15(月) 18:09

>>929
ありがとう!
キュンキュンする?文才ないけどw
宣伝じゃんじゃんしちゃってw←おい
萌恵(タメOK?)さんも頑張ってね!           

931:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/15(月) 18:19

「俺らは、どうなんだよ?」

へっ?
斎藤さん?
『どうなんだよ?』って?
何?

「相手として不足か?」

うぁ・・・。
土方さん、マジのドスを利かせた声はやめて・・・。
不足って・・・。
違うけど・・・。

「“大切な人”ですよ!」

って、前もこんなくだり、なかった?
斎藤さんが、聞く。

「じゃあ、“大切な人”と“好きな人”の違いは?」

ええっ!?
難しいな〜・・・。
でも、私なりに答えはあるんだよね。

「愛しいって言うか・・・。特別なキモチなんです」

ホントだ。
大切な人、だったらそれだけの一括りだけどなぁ・・・。
ん〜。
難しい。

「まあ、恋人って認めてくれますよね・・?」

ちょっと上目遣いで。
途端、斎藤さんと土方さん、真っ赤に。
そして。

「認めん!」

ええっ!?
認められないの?!
そりゃないよ・・・。   
                                     
             

932:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/15(月) 21:19

16,手を繋ぐT

えっと・・・?
私は、そぉっと手をみる。
だって、今、温かいモノを感じたから。
そして、モノの正体を知り、赤くなった。

「・・・ん?おいっ」

ええっ!?
バレたよね・・・。
私と、沖田さんが手を繋いでるところ・・・。

「阿呆かっ」

ひぇ?!
そんな、怒らないでよ、土方さん。

「器、ちっさ・・・」

確かに。
私は、つぶやいた沖田さんと顔を見合わせた。こんなのモテる人が妬く、ところじゃないよね。

「あぁん?」

わぎゃっ!
そんなに睨まないで・・・。
怖いよぉ・・・。
ん〜。
解決策は・・・?
ハッ。
めっちゃ簡単な、解決策があるじゃん!
私は、ニコッと笑いかけた。                                    

933:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/15(月) 21:27

17,手を繋ぐU

私は、笑顔のままで、優しく土方さんの手を繋ぐ。
めっちゃ驚いてる顔だね。

「ほら、これなら。妬かなくて良いでしょう?」

二人分(三人分だっけ?)の温もり。
温かい・・・。
もちろん、斎藤さんが黙ってる訳なく。

「俺も!」

へへ。
めっちゃ温かいね・・・。
次々と、

「俺も」

「私も」

とかで、あっと言う間に全員で温まる。
温もりが通っていて、お梅さん事件の怖いみんなが、優しくなって戻ってきた気がした。

「・・・ふわぁ」

誰かのあくびをきっかけに、あたりは猛烈な眠気に包まれた。                                        

934:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/16(火) 17:52

18,やっとの初キス

白い靄みたいなモノが、ふわんと揺れ。
また、あのときみたいな、あの世に渡りそうなの?
でも、今は斬られてないし・・・。

『夏音』

ええっ!?
靄みたいなモノが色を宿す。
現れたのは、画像(動画?)。
そこに、若いお母さん。
腕の中には、赤ちゃんの私。

『悠・・・見てる?夏音、大切に育てるから』

お父さんの名前?
ってことは、お父さんはもう亡くなってる・・・。

『元気になってね。・・・しがないお母さんだけどね。必ず、幸せになってもらうから』

キュッと胸が締め付けられた。
普段、お母さんは破天荒でよくわかんないけど、ホントは・・・。
なぜかわからないけど、私にはこういう夢を見るときがある。

「ありがとう、お母さん」

それをつぶやくと、白い靄みたいなモノがあっと言う間に遠ざかる。                  
                                        

935:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/16(火) 21:25

ふぁっ!
眠ってた・・・。
あたりでは、みんなが手を繋いで寝てる。

「フフッ・・・可愛い光景」

和むよ。
いっそ、このままで。
争いとかそう言ったモノとかけ離れていてほしい。
・・・って、ぼんやりしてるヒマはないよ。
洗濯物干さないと。

「はぁ・・・」

ちょっと嘆息し、立ち上がる。
迷ってから、みんなに毛布をかけた。
立ち上がるだけで寒い。

「はやく終わろっ・・・ひぁ!?」

つぶやきかけてヘンな声が出た。
なぜか?
だって・・・後ろから抱き締められた。
誰か?
振り向かなくてもわかった。

「・・・やっと、二人きりになれた」

沖田さん・・・。
耳元に感じる、吐息。
ヤバい、この状況は・・・。
こんな時、寝静まってるみんなが羨ましいような、気がする。

「恋人ですから・・・」

あぅぅ!
ヤバい・・・。
心臓がもたない・・・。
私の手から、洗濯物が落ちた。                                                            

936:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/17(水) 17:50

19,綺麗な光景 ※鈴side

ふわぁ・・・。
目が、覚めちゃった。
まだはやいよね・・・。
夏音にイタズラしようかな・・・。
あれ?
私は、首を傾げた。
夏音が眠っていたところは、もぬけのから。

「夏音・・・どこ・・!?」

探して私は、驚きの光景を目にする。
夏音が、沖田(とやら)と接吻をしていた。

「・・・ん。あ、のっ・・」

夏音が、唇を離して何か、言ってる。
気になる。
でも、ついさっきからかってしまったし。
これは、内緒にしよう。
私は、心に決めてもう一度眠りについた。                                         

937:アーヤ◆PY:2018/01/17(水) 21:33

キスだよ、kiss
妬いてた二人も可愛いよ

938:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/18(木) 17:24

>>937
ありがとう!
やっとだけどね(^^;)
やきもちも(嫉妬中)も案外萌える・・・(*´ω`*)      

939:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/18(木) 17:28

20,演技の指導

朝。
うわ・・・。
私は、目をバチバチする。
だって、昨日のキスから眠れなかったから。
目がギンギンしちゃって。

「おはよー、夏音」

鈴ちゃん。
あれ?
何か、顔が赤くない?
・・・って、そんな事より。
今日は、アナザー『かぐや姫』の演技指導があるんだった。

「ごめん。ご飯、パパっと作るから」

はやく行かないと。
私は、眠りこけてるみんなを横目で見ながら、台所に立った。                                  

940:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/18(木) 21:16

「行ってきまーす」

鈴ちゃんに言って、学校へ。
着いてすぐ、多目的ホールに。
そこには、廉をはじめ、いろんな人がいた。

「夏音。遅かったな」

廉に、言っちゃおうか。
ちょっと寝過ごしたこと。
ん〜。
やっぱり、止めよ。
恥ずかしくなるし・・・・。

「では、演技指導と台本を渡します。自主練しといてくださいね」

桜木先生が、優しく微笑む。
隣で、陽菜子ちゃんニンマリ。
ちょっと不安・・・。
だけど、頑張らないと。

「最後の桜星会だもん。頑張ろ、廉」

笑いかけると、廉は顔を背けた。                                   

941:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/19(金) 18:15

21,放課後のヒミツレッスン

「夏音ちゃーん。もうちょっと、演技頑張れない?なんて言うか・・・棒読みみたいに思うし」

陽菜子ちゃん・・・。
私、慣れてないよ、演技なんて。

「夏音」

ええっ!?
廉、どうしたの・・・?
めちゃめちゃマジな顔。

「放課後、多目的ホールな」

ひぇ?!
なんか、勝手に決められたよ!
ん・・・。
帰るの、遅くなりそうだけど・・・。

「わかった!」

みんなに、恥をかかせたくないものっ!                         

942:アーヤ◆PY:2018/01/19(金) 20:10

鈴の無愛想だつたイメージがグッと変わったね、照れているところ可愛いよね😆

943:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/19(金) 21:14

>>942
ありがとう!
鈴ちゃん意外と優しい←
案外可愛いよね←    

944:リリカ@恋歌◆Wg 浅黄に恋する   :2018/01/19(金) 21:24

「ですから、私は結婚などしません!」

廉かぐや姫、かっわいい〜。
でも、私もセリフは忘れたらダメだよね。

「そこを、なんとか・・・」

廉が、考え込む仕草をする。
演技力、ヤバい・・・。
・・・と、話が進んでいき。

「あぁ・・・かぐや姫・・・」

と、求婚者(私)が命果てる。
珍しく廉が、

「上手かったな、夏音」

と、褒めてくれる。
わぁい!
・・・って、私は幼稚園児か。
レッスンも終わりにかかった頃。

「・・・入れろ!俺らは、夏音の保護者だ!」

・・・ん?
斎藤さんの声か?
多目的ホールは一階で、玄関にわりと近い。
私は、恐る恐る近付く。

「あれ?斎藤さん・・・と、みんな??」

インターホンに苦戦してる。
斎藤さんと沖田さん、土方さんがまなじりを吊り上げる。

「帰りますよ!」

いやに不機嫌だね・・・。
ちょっと不審に思いながら、廉の方に向かい合う。

「明日も、よろしくね」

「お、おう」

ぎこちない廉の返事を聞いて、私たちは外に出た。                                                                               

945:アーヤ◆PY:2018/01/19(金) 21:37

兼がかぐや姫でその相手役が夏音だつたんだね、それにしても斎藤さんが夏音の保護者って初耳だったんだけど(^人^)
まあ、今では新撰組の皆が夏音の家族って感じで保護者っというより「家族」だよ😆

946:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/20(土) 06:32

>>945
ありがとう!
幼なじみのくくり以上の想いがあるからね、廉は(^^;)
まあ自称.保護者なワケで(*^-^*) 
他人だけど、今は家族みたいで温かいよね(*´ω`*)               

947:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/20(土) 06:43

22,幼なじみの関係性&嫉妬のワケ

歩きながら、私は、沖田さんに聞く。

「なんで不機嫌そうなんですか??」

沖田さんが、額に皺を寄せる。
まさかの怒らせちゃった・・・?

「だってさ、さっきのアイツと行き過ぎてねぇ?しかもアイツ、さり気なく夏音の手を触ってたぜ」

ええっ!?
触ってたっけ?
まあ、あったかもしれない。
でも、沖田さんの代わりに斎藤さんが答えたけど、めっちゃ不機嫌。

「廉(れん)は、ただの幼なじみですよ」

答えれば、斎藤さんが噛みつくように、

「それが問題だっ!絶対、夏音を好いてるぜ・・・」

私は、思わず笑ってしまった。
廉が私を好いてる?
嘘みたい。
・・・って、嘘だよね。
爆笑する私を見、土方さんが、ボソリ。

「阿呆か」

私は、阿呆じゃない!                                                     
                  

948:アーヤ◆PY:2018/01/20(土) 07:15

やっぱり夏音って自分の恋には疎いんだね…
まあ沖田さんと付き合ってる事を言ったら、すぐにも解決だけどね😅

949:さくら:2018/01/20(土) 07:58

おはようございます("⌒∇⌒")
もしよかったら見てもらえたらうれしいです
ご本尊さまと題目がすごいから、ご本尊さまに題目するといっぱい叶ったり治ったり一番よい方向に進みます
ご本尊さまと題目と創価学会のみんなと池田先生がすごいです
「必ず治る」と思って「前 南無妙法蓮華経 全力」って唱えるとどんどん治る方向に進みます
きいてくれてほんとうにありがとうございます

950:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/20(土) 09:40

>>948
ありがとう!
意外と疎いし天然だよね(^^;)
廉が失恋でね(笑)

>>949
チェンメはお控えください。      

951:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/20(土) 09:49

「仕方ないですね。今度、廉に言ってやりますよ!」

とっておきの切り札を。
不思議そうな顔をしたみんなに、私はにっこり微笑む。

「私が沖田さんと付き合ってる事ですよ。そしたら、諦めるでしょう?」

途端に、雰囲気が悪化。
私は、慌てて二人の顔(土方さんと斎藤さん)を振り仰ぐ。
一層不機嫌ですけど!?

「・・・って、嘘ですよ?」

慌てて打ち消すと、一気に空気が緩んだ。
と・・・。

「夏音!幕末(あっち)行くよ!さぁ、乗って!」

お母さん!?
なんで慌ててるの??
しかも、タイムスリップマシーンで来たし。

「良いのよ、取り敢えず!」

なんか怪しい。
でも、みんなが乗っていったので、仕方なく私も乗り込んだ。                                                        

952:アーヤ◆PY:2018/01/20(土) 10:47

まだタイムマシンに乗るってことは、もしかしたらこれがラストってこと?
だって最後辺りだよね!?

あと半分頑張って下さい🙇

953:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/20(土) 14:23

>>952
ありがとう!
うん、最後のタイムスリップだと。
でも、大きな事件があったり・・・(*^-^*)
頑張ります!(書ききれるか不安)         

954:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/20(土) 14:27

23,Kのエピローグ

神様─────。
私、離れたくないの────。

私と、沖田さんを──────。
ねぇ、ちゃんと結ばれたいの。
愛しさも、恋も、全部知ったのに。

時の流れは、残酷に。
私たちを引き離す─────────。               

955:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/20(土) 14:37

あとがき

さてさて。
K完結です!
いろいろ伏線を張ってみました!

次作に繋げたいな〜とか、思いましたが、やめました。

やっと!
夏音の初恋が実りました!
作者としてもホッとしてます(笑)
嫉妬中の二人も可愛かったですよね〜。

さて、Lで今作は完結する予定ですが、いろいろ詰め込むかと。
場合により、詳しく触れられない事件等が、あるかもしれません。

Lのストーリーは!
激闘の有名な事件、二人の恋、そして最愛の人との別れ、咲さんとも別れる!?
仲間との永遠の別れ、等。

比較的悲しい話ばかりかもしれません。
Lで終わらなければ、Mへ。
(レスがあるかな・・・)

最後になりました、応援してくださった、アーヤさん。
いつも励みになります!
ありがとうございます!
そして、最後まで読んでくれたら嬉しいです。

では、Lで。

         リリカ                                                                  

956:瑞◆MIZU/j3v.s:2018/01/20(土) 14:42

リリカ〜!もうすぐだね!最近見れなくてごめんね!(´・ω・)
リリカのこの小説が終わったらゆっくり読ませて貰うね!
私は下手だけど頑張ってリリカみたいな小説を書けるように頑張る!
一生応援します!

by 瑞

957:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/20(土) 14:43

『時を駆けて、初恋*します。』L

登場人物(Kと同じく、主要な人だけに限ります、新撰組は変わらずあのメンバーです)

城里 夏音
本作の主人公。
優しく、明るい。
沖田の恋人。

沖田 総司
新撰組の天才剣士。
優しいが、病気がちで・・・。
夏音の恋人。

土方 歳三
新撰組副長。
一見、意地悪だが根は、優しい。
夏音に想いを寄せる。


新撰組隊士。
女だが、男装。
剣の腕が立ち、沖田に想いを寄せる。
ライバルだが、夏音と仲がよい(?)。                                                

958:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/20(土) 14:45

>>956
ありがとう!
瑞も頑張って〜←気楽な
・・・じゃなくて、いえいえ、ヒマなときでも(*´ω`*)
私、文才ないよ?
私こそ、瑞みたいな小説書きたいし!
ってことで、お互い頑張ろ〜←どういう事だ                

959:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/20(土) 14:50

1,私だって!

こんにちは(?)、城里夏音です!
私は、ただいま幕末におります。
新撰組の屯所にいるのだけど─────。

「私だって!役に立ちますよ!」

ただいま、鬼の副長こと、土方さんとバトルをしてる!
なぜか?
理由は簡単!

「んなあぶねぇとこに、女を行かせるかっ!」

倒幕を考える、浪士と戦うらしいけど・・・。役に立ちたいのが本心だ!

「私だけ、へなちょこなんだ・・・。へなちょこだから、出て行きます〜」

ちょっと嘘泣きをすれば、慌てたように土方さんが、

「わかった!考えておく」

と、言った。
ふんっ!
確定じゃないんだっ!                                         

960:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/20(土) 17:05

2,女だから!?

プンプン。
何よ、『考えておく』って。
私は、不機嫌にそっぽを向いた。

「・・・なんで、私は役に立っちゃいけないんですか??」

私だって、佐々木さんから教えてもらった、剣術がある。
多少────咲さんには劣るけど、役に立つのに。

「おまえ、女だろ」

憐れむように、土方さんが言う。
女だから!?
何それ!
差別だよ!

「女だから!?酷いです!」

思い切り非難すると、土方さんは溜め息を吐いた。
何?

「軟弱だろ、人を斬るんだぞ、俺らは」

そっかぁ・・・。
私は、ちょっと顔をうつむかせた。
でも、諦めてはないからね!                                              

961:アーヤ◆PY:2018/01/21(日) 07:00

私もリリカさんの言葉が励みになります🙇
だけどこれからという切ない別れがやって来るのか悲しいって感じですね

962:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/21(日) 07:05

>>961
ありがとう!
励みになっていたらすごい嬉しいです(*´ω`*)
めっちゃ切なくなる。゚(゚´ω`゚)゚。
いろんな人たちと別れるからね(T_T)     

963:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/21(日) 07:20

3,守られるだけじゃない

まだ諦めきってない、私を見て、土方さんはマジな顔になった。
 
「・・・斬るのと、稽古は違う」

そんなの。

「わかってますよ」

感覚とか、だいぶ違うだろうし。
また、土方さんは深い溜め息を吐いた。

「おまえ・・・血に染まったあとの、気持ちはわかるか?・・・決して楽しいとか、嬉しいとかの気持ちではないぞ」

そこだけ、悲しみが垣間見えた。
うろたえる私を見、土方さんは続ける。

「いつだったか、言ったよな。『人斬り』だと。・・・俺には、おまえが斬りたがってるように思える」

私・・・・斬りたがってるの・・・?
私も、役に立ちたいと願ったのに。
表向きは、『役に立ちたい』で、裏は、もしかしたら───────。
話を聞いていた、沖田さんが、

「斬られたら、それでお終いです。そんな残忍なこと、できますか?」

と、聞く。
ムリだ。
人の命を奪う、残酷なこと。
私は、しぶしぶ認めなければいけなかった。

「・・・ムリを言って、すいません。私、『みんなに守られるだけじゃない』って、認められたかったと思います・・・」

言ってるうちに、情けなくなった。
お梅さんのときには、みんなを避けたくせに。今になって、そんなことを言い出すとは。

「私、屯所を守ります。だから・・・」

私は、ちょっと微笑みながら、祈った。
どうか─────。

「みなさん、無事に戻ってくると約束して、戦ってくださいね」

私が一番、不安で仕方ない。
決行の日は、もうすぐだ。

「約束する」

「約束します」

沖田さんと、土方さんの声が重なった。                                                                                                                         

964:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/21(日) 11:18

4,花ちゃんとお団子

決行の日まで、あと1日。
・・・にもかかわらず、私はのんびり。
散歩がてらに外を出ると、花ちゃんが。

「ん?どうした?」

花ちゃんは、こないだ土方さんに振られた女の子だ。
このあいだみたいな、ケバケバした化粧はしていない。
年相応で可愛らしい。

「あの・・・。あなたは?」

あぁ。
あのときは、女の子の姿をしてたからね。
名字で良いか。

「城里です」

花ちゃんが、ポオッと頬を染める。
熱かな?

「城里さん・・・。ちょ、ちょっと私とお団子食べに行きませんか?!」

花ちゃんが、言う。
お団子・・・久しぶりだなぁ・・・。
私は、にっこり微笑む。

「行く!あっ、私がおごるから」

途端、花ちゃんが照れたようにうつむく。
お団子、美味しいよね〜。                                 
                      

965:アーヤ◆PY:2018/01/21(日) 18:07

戦いで何か起こちゃうの!!??

966:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/21(日) 18:10

「お団子くださーい」

「あいよう」

ふぅ・・・。
お団子、楽しみ〜。
のどかな時間だな。

「花ちゃん、美味しいね〜」

ところが、花ちゃんはポオッと、

「・・・名前、教えましたっけ・・・?」

と、ちょっと不安な面もち。
そう言や、あのときは女の子姿だったっけ。

「い、いや。可愛いと有名だから」

花ちゃんは、赤くなってうつむいた。
おや・・・?
お団子、美味しいな〜。

「花ちゃんと食べてたら、さらに美味しいよ」

我ながらチャラい。
と、お団子を食べて、花ちゃんとまったりして、その日は終わった。                                           

967:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/21(日) 18:11

>>965
ありがとう!
けっこう危ない事件が起こるかも(*_*;   

968:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/21(日) 18:22

5,池田屋事件@

そして。
ついに、決行の日。
しっかりと鎖帷子に身を固めた、みんなを見ていた。

「ご武運を・・・」

密かにかけた願い。
緊張気味の私を見て、土方さんがニヤリと笑う。

「“野良猫”に負けないようにな」

むっかあ!
イライラ!
私は、思わず食ってかかる。

「何ですか!そんな言い方・・・」

と、いきなり土方さんに髪をクシャリとされた。
あぁっ、髪型が〜。
でも、安心させてるのがわかったから、にっこり笑った。

「わかりました!ですから、“野良猫”に負けない仕事ぶりをお願いします!」

ピクッと、土方さんの顔がひきつる。
ニヒヒ。
姿が見えない、沖田さんを心配したけど、私は信じて、みんなを見送った。                                                        

969:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/21(日) 21:18

屯所に戻り、ちょっと暇を持て余す。
でも、みんなは真面目だし・・・。
私は、今朝もらった、浅葱色の隊服に身を包む。

「なかなか、似合うんじゃない〜?」

姿見がないのが、残念だけど。
私は、腰に刀を差す。
いっちょ前なサムライに見えるよね?

「むふふ。私も、手伝いたいなぁ・・・」

活躍を見たい。
そおっと屯所を抜け出そうと・・・。

「城里!どこ、行くんだ?」

げええっ! 
まずい、よりによって面倒くさい隊士にバレるとは・・・。

「ど、どこも・・・」

隊士は、ニカッと笑った。

「茶を、飲もうぜ」

ふぅ・・・。
案外単純な奴で、助かった・・・。
私は、今度こそ屯所を抜け出して、京の町を走る。                                                   

970:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/22(月) 17:41

6,池田屋事件A

はぁっ・・・はぁっ・・・。
めっちゃ走った。
息が上がって、苦しい。
なのに、みんなの姿が見えない。

「どこなの・・・??」

仕方ない。
至る所をすべて捜さないと。
ちょっと溜め息を吐いて、また走り出す。
と・・・。

「クソッ」

悪態をつきながら、走ってきた侍がいた。
抜刀していた。
血走った目が、私を見つける。

「・・・新撰組の仲間かぁ!」

えっ!?
私が、この隊服を着てるせい?
私は、迫ってくる男の間をすり抜け、男が走ってきた方へと駆け出した。                                        

971:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/23(火) 18:32

人をかき分け、辿り着いた先には・・・。
『池田屋』という、旅館(旅籠)。
キーンッと金属が交わる音。

「やーーーっ!」

叫んで、中に入り込む。
血の臭い。
私は、戦ってるみんなに迷惑をかけないように、二階へと向かう。

ビシャッ

頬に、垂れてきた血が、まとわりつく。
味方の血なのか、はたまた敵の血か。
もしくは、沖田さんのモノか・・・。

「やーーーっ!」

叫び、抜刀する。
今まで助けられてきた。
今は、今こそは、私も力になりたい────。

「夏音さん!?」

敵と向かい合っている、沖田さんが振り向く。私は、返事の代わりに、ズザッと斬り込む。
敵が倒れた。
それと同じく、私は敵に押され、階段から転がり落ちた。

「・・・っ!夏音さんっ・・・」

沖田さんの声が聞こえ、私は意識を失った。                                                                  

972:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/24(水) 19:38

7,池田屋事件B

再び目を開けると、荒い息遣いが聞こえる。
見上げれば、敵に押し倒されていた。
そして、敵の刀が光った・・・みたいに思えたけど。
実際、その刀の刃が、首に当てられていた。

「何・・・?!」

聞けば、名も知らぬ浪士がニヤリと笑った。
ゾッとする笑みだった。

「首を掻ききってやる・・・土産にな」

ええっ!?
と、驚く間もない。
ジワリと、血が出た気がする。
あぁっ、私は、ここで死んじゃうの────?                          

973:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/25(木) 21:14

でも、私の中の、“ナニカ”が目覚めた。
怒りとか、そう言ったモノ・・・。
だから、土方さんの隊が、来たことも知らずに刀をヒュイッと敵に回す。

「・・・アンタなんかに、負けない」

自分でも、ゾッとする声色だった。
すうっと刀の刃を、敵の首へと当てる。
私の刀の刃を当てられた恐怖も、こいつはすぐ感じたみたい。

「お、おい・・・」

焦ったような、敵の声。
だんだん、身体が汗ばんできた。
でも、ここで情けなんかかけられない───。

「夏音さん!?」

沖田さんの驚いた声。
私は、ちょっと刀から力を抜いた。                                     

974:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/26(金) 17:30

「冥土の土産になるのは、そっちだから」

冷酷に言い放ち、刀をしまう。
敵は、青ざめて背中を向け、走り出した。
後ろを、斎藤さんが追う。

「大丈夫でしたか!?」

沖田さん・・・。
ん、なんとかね。
池田屋を出、あたりを見回して、愕然とした。

「これって・・・」

血だらけで、真っ赤。
そして、真っ赤に染まったみんなが戦っていた。

「おい、夏音。おまえは、先に戻れ」

いつの間にやら来た、土方さんに声をかけられた。

「わかりました」

今は、従った方が良さそうだ。                                  

975:アーヤ◆PY:2018/01/26(金) 20:02

夏音って沖田さんと一緒ぐらいに、敵に回したら怖いってことだけだよ…

976:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/26(金) 21:13

>>975
ありがとう!
怒ったらヤバいからね(*_*;
敵に回したら、もうそこでアウト(笑)     

977:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/26(金) 21:18

8,組み紐と多色な布

ふうぁ・・・。
池田屋事件後の、昼。
そろそろ戻ってくるかな・・・。

「あの、布と組み紐を買いに行ってきて良いですか?」

私は、良いことを思いついて、山南さんに聞く。

「なぜ?」

んー。
山南さんになら、教えても良いかな。
私は、山南さんの耳元に口を寄せる。
伝えると、山南さんが微笑んだ。

「尚更、みんなが帰ってくるのを待ちましょう」

うん!
だって、今、不安だもの。
いつまで一緒にいられるのか。
それだったら、せめてみんなの想いを繋ぎ合わせたいの。                                   

978:リリカ@恋歌◆Wg 短編小説板も見てください☆:2018/01/27(土) 11:30

みんなが戻ってきたのは、昼の遅く。
血を浴びた、無敵のカッコイいみんなが。

「お帰りなさい!」

急いで、みんなのもとへ。
斎藤さんが、嬉しそうな顔でニコニコ。

「ただいま、夏音〜」

あっ、出迎えに気をよくしたの?
・・・それよりも!
私は、

「あの、ちょっとみんなで行きたいところがあるんです!今じゃなくて良いから、暇なとき、一緒に来てくれませんか??」

みんなと言っても、幹部だけど。
みんなは、にっこり笑った。
良かった〜。
そして、沖田さんを探す。

「顔色、大丈夫ですか!?」

だって、沖田さんの顔は真っ青だったの。
でも、沖田さんは凛々しく、

「大丈夫です」

と、答えた。
そして、私に聞いた。

「さっきの、提案って・・・?」

私は、笑って、

「みんなの想いを、多色な布と組み紐で結びあわせるんです」

沖田さんは、不可解そうに首を傾げた。
だよね。
でも、きっとその繋ぎ合わせて作った、鉢巻きは一生の宝物になると思う。                                                                    

979:アーヤ◆We.:2018/01/27(土) 18:30

もうクライマックスが迫っているね

980:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/28(日) 06:22

>>979
ありがとう!
ほんと、クライマックスだよ(*^^*)
(そしてマジメに終わるか心配←)
コメント、いつもありがとう!
『思春期シンデレラ』頑張って(≧▽≦)
応援してます!           

981:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/28(日) 06:40

そして!
ついにその、暇なときが来た!
みんなで、布を買いに行く。

「ひとり一色選んでくださいね」

呼びかけて、咲さんに肩を叩かれる。
何?

「夏音は、この色だろ?」

手には、なぜか黒色!
ええっ!?

「咲さんらしく、ないですよっ!」

言い返すと、咲さんが驚いた。
そして、しぶしぶ布を変える。
よしよし。
私は、その間に組み紐を選ぶ。

「みんな、買えたみたいですよ」

沖田さんに言われ、私はまた、声をかける。

「じゃ、ちょっと私に貸してください」

みんなに、手渡された布の色をチェック。
紺色、藍色、山吹色、真紅に桜色。
同じ色が何色かあったけど、私的には満足だ。屯所に戻り、私は、裁縫道具を貸してもらう。 
「何をするんだ?」

土方さんが聞くけど、私は笑って答えない。
部屋に行き、縫い合わせる。
針が、チクッと指に刺さった。

「いたっ」

あぁあ、舐めたら治るかな?
この時代に、絆創膏なんてないし。
代わりに、土方さんが水で冷やしてくれた。

「ありがとうございます!」

マジで喜んだら、土方さんがぶわっと赤くなった。
そして、ちまちま作業が続き、深夜。

「できたっ!」

ついに!
多色な布で、ちょっと長い鉢巻きができた。
ホントは、この時代でのみんなの優しさを信じようと作ったけどね。
宝物には変わりない。
喜んで、小躍りしてたら、

「・・・夜中に躍るヤツがいるか!」

と、眠りを妨げられ、不機嫌な土方さんに怒鳴られた。
仕方ないじゃん、嬉しかったもん。

────私は、ずうっと信じていた。
こんな和やかな、新選組を・・・。
悲しみと裏切りに包まれるまでは─────。                                                                                                              
               

982:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/28(日) 06:53

9,山南さん切腹

その日の、その朝。
屯所がうるさかった。
昼近くでも。
何でも、山南さんが脱走したらしい。

「ええっ!?そんなこと・・・!?」

あり得ない。
池田屋事件後に、鉢巻きのことについて話してたのに。

「俺もだ」

苦虫を200匹ぐらい噛み潰したような、渋い顔をした、土方さん。
信じてたのに・・・。
このままでいくと、切腹だ。
隊を脱走したら切腹が、ひとつの決まりだ。

「私、京に残っていないか、探してきます!」

ところが、土方さんは冷たく言い放った。

「おまえは、明里に話してこい」

明里さん??
誰だ、その人?
あっ、わかった。

「土方さんの好きな・・・イテッ!」

言い掛けて、頭を小突かれた。
痛い。

「バカか。山南さんの恋人だ」

へえっ!? 
山南さん、恋人いたんだ!
びっくり。

「カッコイいし、優しいですもんね〜」

なんか納得。
土方さんに明里さんの居場所を聞き、支度をすると。

「山南さん・・・」

放心状態の沖田さんがいた。
何か言ってあげなきゃ、と思ったけど、土方さんの怒鳴り声が耳に飛び込んできた。

「はやく行け!!」

ひぃぃ!
私は、仕方なく屯所を飛び出したのだった。                                                                        

983:アーヤ◆PY:2018/01/28(日) 12:17

切腹って山南さん斬られるの⁉️

984:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/28(日) 13:48

>>983
ありがとう!
うん、切腹という形でね…。   

985:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/28(日) 13:58

明里さんは、綺麗な女の人だった。
仕草とか優美で、美しい。
こりゃあ、山南さんが好きになるよね。
女の私でも、惚れ惚れしちゃうもの。
でも、私は山南さんが切腹すると、伝えないといけないんだ・・・。

「明里さん、ですね。俺、新選組隊士、城里です。実は・・・」

明里さんが、美しい仕草で、じいっと聞き入る。
私が、山南さんが脱走したこと、切腹しなくちゃいけないことを伝えると。

「あぁ・・・ぅっ、・・・嫌!!」

明里さんが、倒れ込む。
私は、とっさに明里さんを抱え込む。
泣き崩れた明里さんを、抱えて家まで送っていった。

「ありがとうございます・・・」

目が真っ赤になった、明里さんに見送られ、私は屯所に戻る。
暗い気持ちだった。
山南さんが、切腹しなくちゃなんて・・・。
いつだったか、土方さんに教えてもらった。

『切腹のときには、介錯をするヤツがいる』

介錯と言うのは、切腹した人が苦しまないように、首を斬り.落とす役目の人だ。

「ただいま・・・」

私は、暗い面もちで、帰った。
沖田さんに、なんか声をかけようかな。
しかし、沖田さんの姿が見えない。
斎藤さんに、聞くと。

「山南さんを、追って出掛けた」

とのこと。
山南さんが抵抗することは、ないと思うけど、無事に帰って来れますように。
どうか、山南さんが切腹しなくてすみますように。
私は、祈りながら部屋に戻った。                  
                                                                 
           

986:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/28(日) 19:53

そんな祈りも虚しく。
ついに、山南さん切腹の日が、きてしまった。
あぁ・・・。
私は、涙をこらえてその光景を見ることとなった。
戒めるためだ。
脱走したら、どうなるか。
それを見せつけるため──────・・・。

「ひっく・・・」

まだ切腹してないのに、私は泣きじゃくってしまった。
皮肉にも、山南さんの介錯は沖田さんだ。

「夏音・・・」

斎藤さんが、私を抱きしめた。
それと同じくして、ジャッという、肉を切り裂く鈍い音と、何かが落ちた音がした。

「斎藤さんっっ・・・山南さんが・・・」

言葉にならないくらいの、悲しみが押し寄せてきた。
一番苦しいのは、他でもない。
沖田さんだ。

「・・・っ、ひっく・・・」

泣いていても生き返らないのに。 
私は、悲しむのはこの事件だけで充分だと思っていた。

しかし、まだ裏切りと悲しみは終わってくれなかった。                                                            

987:アーヤ◆PY:2018/01/28(日) 21:43

誰か斬ったのか気になるけど、新撰組の皆じゃあないことを祈ります。
夏音は心が強くなって尊敬するよ、悲しいことなのにね…
頑張ってね

988:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/29(月) 19:46

>>987
ありがとう!
ホントに、新選組と出会う前より、強くなったよね(*^^*)
アーヤも頑張ってね!!    

989:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/29(月) 19:53

10,藤堂さん討ち取られる

私は、山南さんがいなくなってしばらく、泣いて過ごしていた。
でも、思えば明里さんの苦しいハズだ。

「泣いてたらダメだ」

この先、誰かが死なないとも限らない。
ずうっと泣いてても埒があかない。

「よしっ、気分変えて沖田さんとデートでも!」

息巻いて、屯所を探すと。
えっと・・・。
沖田さんと、咲さんが向き合っていた。
いつになく、咲さんの顔が真面目だ。
ちょっと訝しげに見てると・・・。

「夏音、伊東さんの話、聞きませんか?」

藤堂さんに話しかけられた。
伊東さん・・・?
イマイチわかんない。

「ごめんなさい」

断って、私は食い入るように沖田さんと咲さんを見る。                                        

990:アーヤ◆PY:2018/01/29(月) 21:22

だんだん気になってくるよクライマックス終盤が。

991:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/30(火) 17:56

>>990
ありがとう!
ホント、終盤だしね…。
スレで間に合わなくなったら、二弾としてスレ立てるね。

          ☆

どうやら、咲さんが告白してるみたい。
うん、邪魔しちゃ悪いよね。

「ごめんなさい」

沖田さんが、断った。
ホッとして、胸をなで下ろす。
それ以外、大したことは何ヶ月かなかった。

けれど────────・・・。

伊東さん率いるグループが、独立し、近藤さんを暗殺しようとしているらしい。
藤堂さんがそんなこと考えるわけない!

「絶対、違いますよ!」 

私が、ずうっと否定していても、最後まで聞き入れられなかった。
そして・・・。

油小路で、伊東さんグループの藤堂さんが、討ち取られた。

「嘘だ!」

私は、グッと唇を噛んだ。
血が出るくらい。
そうしないと、泣いてしまうから・・・。

「どうか、もうみんなが死なないでほしい・・」

祈っても、無駄で。
ある人との、別れが刻一刻と近付いてきた。                                         

992:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/30(火) 18:08

11,さようなら咲さん

鳥羽・伏見の戦いで、新選組が駆り出された。
そんなにみんなを死なせたい幕府なら、滅びてしまえば良いのに・・・。

「行ってくるな、夏音」

咲さんが、男装して刀を持った。
なんだか、咲さんが帰って来ないような───・・・。

そして、私は沖田さんから重要な話を持ち掛けられた。

「これからは、土方さんについて行ってください」

それは、病気のせいなの?
それとも、私が嫌いなの・・・?
沖田さんが、顔を強ばらせた。

「私たちは、出逢ってはいけなかった。もとの世に戻れ」

えっ・・・。
沖田さんは、続ける。

「はやく。もう、二度と逢えるか不安ですけど・・・」

良かった。
私は、嫌われてなかった。

その夜。

訃報が入った。
ひとつは、原田さんが戦死したこと。
もうひとつは、咲さんも戦死したこと。

「これが、夏音宛てに・・・」

私は、届けられた手紙を開く。
達筆に、

『今までありがとう。会津に行くとしたら、私の妹、お雪に「生きて」と伝えてくれないか?それだけで良い。どうか、総司と幸せに。 咲』

と、書かれていた。
さようなら、咲さん─────。
まだ泣いちゃいけない。

私は、零れる涙を拭った。                                                                                 

993:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/31(水) 18:51

12,別れと二つの死

しばらくして、私は蝦夷地に行くことになった。
もちろん、土方さんについて行ってね。

「寒そうですね!」

こんな場合だけど、私はニコッと笑った。
じゃないと、今までの悲しみが零れてしまうから・・・。
 
「だな、防寒をしろ」

だよね、防寒対策しないと!
私は、いつの日も一日一日を大切に、沖田さんと話していた。
手をつないだり、慈しみながら。

別れの日。
私は、少し泣いてしまった。

なぜか、もう二度と会えないような、戻って来れない気がするの・・・。

「大好きです」

二人して視線を絡ませて、キスして。
私は、泣く泣く沖田さんと別れ、蝦夷地へと向かった。                                             

994:アーヤ◆PY:2018/01/31(水) 20:26

また二人戦死してしまったね…
沖田さんとの別れが辛いね。

あと少し頑張って下さい🙇

995:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/31(水) 21:13

>>994
ありがとう!
ついに別れがね…。゚(゚´ω`゚)゚。
はいっ、頑張りま〜す!   

996:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/31(水) 21:23

はぁ・・・。
私は、蝦夷地に着いてから何度目かの溜め息を吐いた。

「安心しろ。便りも届いてる、だろう」

土方さんの言うとおりだけどさ・・・。
と・・・。

「副長!局長が!」

兵士が、ある手紙を渡した。
それに目を通した、土方さんが石化した。

「あぁ・・・」

私は、その手紙を奪い取って見た。
そこには、局長が処されたと・・・。
私は、目の前が暗くなるのがわかった。

その後。

慟哭する土方さんをなだめすかすのがひどく難しかった。
ひと月経った、頃か。
私に、最悪の悲報が入った。

「嘘でしょう・・・!?」

沖田さんが、亡くなった、と。
今度は私が泣きわめき、しばらく誰も手を着けられなかった。
心の一部が欠けたような気がして、ずうっとずうっと泣いた。

「俺は、戦う」

土方さんの決意を聞いて、私は心を決めた。
私だって、戦ってやる。

もう二度と、誰も死なないように───・・。                                                            

997:アーヤ◆PY オンディーヌ(初音)said:2018/01/31(水) 21:52

もう夏音と土方さんだけが残ったの?
斎藤さんはどうなったのか心配だね…

私も更新しました。

998:リリカ@恋歌◆Wg >>999はレス禁!:2018/02/01(木) 19:35

>>997
ありがとう!
斎藤さんは、生きてるよ(*^^*)
頑張ってね!!

※長レスかも 
         ☆
13,戦死と気付いたキモチ 

私は、鉢巻きを巻いて、刀を抜く。
艶やかに濡れたように光った、美しい刀身をスッと前に出す。
よしっ!
シミュレーションはばっちり。

「行ってきます!」

開戦とともに、私は走って敵を斬りつける。
飛び散る血飛沫に知らんぷりして、次の敵へとかかる。
ゾクゾクする喜びに、胸をおどらせてる自分に戸惑いながら。
何時間経ったのか。
私に、不幸の報せが入ってきた。

「嘘だっ!」

私は、なりふり構わず駆け出した。
着いた先に、斎藤さんの姿が見えた。
顔を綻ばせる暇なく、私は横たわってる土方さんに寄る。

「土方さんっっ!死なないでくださいよっ!」

青白い顔が、いや、そのまぶたが震えた。
僅かに目が開いた。

「・・・すまない・・・」

今は、謝る場合じゃないよ! 
私は、必死に止血する。
もう間に合わないと知っていても。
土方さんが、私に向けて、

「・・・俺は、・・・夏音が・・・好きだ・・・」

ああっ!
そんな言葉は、生き抜いてから言ってよ!
私は、涙がこぼれるのも構わず、体を揺する。

「・・・生きろ」

それだけ聞こえて、今度こそ土方さんはまぶたを開けなくなった。
次第に、息すらしなくなって────・・・。

「ああっ!・・・嘘よ!!」

みんな、死んじゃった。
私は、慟哭した。

そして、やっと気付いた。
私、たぶん心のどこかで恋愛感情に似た、感情で土方さんが好きだったんだね・・・。
もう、このキモチは伝えられない。

私は、むせび泣いた。

14,時空のはざまで愛を囁いて

ふいっと、誰かが私の前にたつ。
水干姿の、黒髪の男の子。

「君のお母さんが作った、マシーンは壊れたよ。だから、君も帰るんだ」

帰るの・・・?
その子は、ニコリと笑った。

「最後に、時空を結んであげる。沖田総司に挨拶しにいきなよ」

私の視界が揺らいで、目の前に、沖田さんが!恐らく、元気な頃の。

「約150年後に、また逢いましょうよ、沖田さん!」

声がかれても良い。
私は、離れ離れになるのを覚悟し、叫ぶ。
沖田さんが、ふわっと微笑んだ。

「約束ですね。愛してます」

そして、私たちは時空のはざまで愛を囁いた。                                                                                                                                                   

999:リリカ@恋歌◆Wg >>999はレス禁!:2018/02/01(木) 19:55

15,約束とエピローグ

私は、家の中にいた。
お母さんがいて、いつものように実験室から叫んだり。
そんな、日常の切れ端が見える。

「お母さん・・・マシーンは?」

お母さんは、笑った。
そのお腹は、少し膨らんでる。

「壊れた。直るまで、数年かかるわね」

私は、泣きたいようなそれでいて、笑いたいようなキモチになった。
ちゃんと、約束したよね。
未来(イマ)でまた巡り逢うって・・・。

私は、確かに時を駆けて、初恋*した。
ううん、初恋*したんだよ、絶対に。

時を駆けて、初恋*します。

永遠に、あなたと巡り逢うそのときまで、そのときから───────・・・。

私が再び、沖田さんと巡り逢うのは二年後・・・。

『時を駆けて、初恋*します。』end


あとがき

はいっ!
リリカです。

なんと!
祝!『時を駆けて、初恋*します。』が完結しました!

始まってから約5ヵ月。

いろんな方からの、コメントでここまで来れました。

最後のほう、めちゃくちゃかもしれません、自分で書いといてですね!

私的に、すごくうれしいです!
実は、この後の話を、短編小説板で書こうかと考えてます。
良ければ、そちらも(*^^*)

*thanks*

アーヤ
(いろいろコメントくれてありがとね!励みになったよ(*´ω`*))

ろぉ様
(的確なコメントありがとうございます!また、新選組トークしてみたいです(´V`)♪)


(コメントありがとう!瑞の小説、大好きだよ〜!)

梨子
(コメントありがとね!私も、梨子の文章に憧れてるよ(*^o^*))

むぅ
(コメントありがとね!むぅ、これからも仲良くしようね(´V`)♪)

他にも、読んでくださった方々、ありがとうございました!
>>1000は、感想などで埋めてくださって結構です。
※荒らし厳禁!!!

では、新作で会いましょう。                                                                                                                          

1000:MIA:2018/02/01(木) 21:02

皆さんすごいですね!

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