《 真昼の太陽が容赦なく降り注がせる熱射の地であり、
夜の冷気が静かに命を引き取って行く過酷な環境を持つ地帯
この地に迷い込み、死に臨んだ哀れな者たちの多くが
甘い幻想を追うかのように砂を口に含んだ事から、地帯の名が決まったとされる。
広大な死の地帯の何処かには旧き者が治めていた
【黒檀の帝国】なる大国の遺跡があるという伝説が
この地に根付いた少数民族に伝わっているが、真偽は不明 》
( 『腰を上げるものに捧ぐ 3巻』 24ページより引用 )
___おい …シャベルは何処だ?
___全員点呼! マトック、ピック、ツルハシ …
___"警備隊の状態"[異変:セキカ、未発見]
__キルカ!シャベル!…居ない …ヤツに通信は!?
__反応はある、6:B11で停止 …動いていない?
( 完璧だ、そう 判断せざるを得ない防衛が
僅かに揺らぐ。…赤仮が 筆者の確認出来ない
速度、及び地点に在り __手を打ったのでもな
ければこれは"無関係"が発生しつつある )
__スコップ!スキ(鋤)!シャベルの確認に向かえ、
残りは此処でゲートの防衛を続行しろ
…周りから目を離すな、発見次第拘束!
____"セキカの現在" ??
( 物事は、赤仮にとって絶望的な状況から一転
し、判断にあぐねるイレギュラーへ代わりつつ
ある。…だが、危機が不明へ変わっただけの今は
冷静に 的確な行動論理を練らねばならない。
___そしてまた1つ …問題が発生
…警備隊の異常は、赤仮と"無関係"
であること。… つまりは )
【赤城】にとっての"敵"が出現、
既に被害を受けた可能性がある
__________
[ザザザッ…]『(シャベルを発見!…倒れている…!?)』
『([チチチ]息はある、だが目立った外傷が見えん…
…あぁ 接近し救助する、敵影なし!)』
( __2人の警備兵は、異常が発生した仲間の地点へ
静かに駆け寄る …倒れた兵士に目立つ傷は見受
けられないが 苦しそうに悶えている…!
1人は周囲を警戒し、もう1人が救助を試みた )
_______
「ぅ …ぅぅ」 『大丈夫か!?…シャベルを確保!撤退す…』
「だめ…だ __に…げ …ろ」
ト"ト"ト"ッ___ あ"ぁっ… ___
( 警告間も無く …救助を試みた兵士は苦しそうに呻き
声を上げ 無防備に倒れた。見張るもう1人は、突然
の攻撃 そして、増えた救出対象に動揺する__ )
『 ッ!? …"こちらスキ(鋤)!"__攻撃を受けた!
スコップが負傷!…い、息は…っ 』
___倒れた兵士を仰向けに転がす…
『 …ある… !?胸に"トゲ"のようなものが2つ
刺さっている… 駄目だ、運べない…!撤退…を? 』
( 倒れた、…兵士が上を指差す。声を出す余裕も…無
いが __焦った様子で、天井を凝視している )
『 …う、上…? _____ ぅっ うわぁぁあぁぁあっ!! 』
[ バンッ!ババババババッ___ ] ぐあ"ぁっ …
______"狐輪付近の兵士たち"
『 …な、何が起こった! __スコップ!スキ!シャベル!…
応答なし…! 3人共6:B11で停止… 攻撃を
受けた様だ! …これは、まさか…っ 』
____待ち伏せされた …兵士達は直感で気付く。
『 …!! 本部へ、応援を頼む!シャベルの部隊がやられた…っ
一命は発砲したが返り討ちだ…!三名は負傷!息はあるが
長く持つかどうか分からん… 早急に応援を要請する! 』
___[ザザ…]
_____ゲートを囲み …兵士達は緊張に駆られ
暗闇へと銃口を向ける … "何か"が、居る。
_____"セキカの現在" ???
( …この状況に陥り、貴女は自由に行動し
遭遇したイレギュラーという事態を前に
__"行動"し …自分の答えを示さねばならない
… 逃走のチャンスが浮き彫りであり
赤城 …警備隊の ___危機でもある )
「 ( ...へ?な、何?何が起きてる ...の?
わ、私これ ...逃げられ ...る? ...のかな...?) 」
謎のイレギュラー 銃声 ...悲鳴 ...何が起きているかはさっぱり分からない ... 正体不明の襲撃者が赤城にて危害を加えている ..と言う事しか 理解は出来ず ...
今ならば狐輪へと帰る事もすんなりと出来ない事は無い ... ...彼等はそう言う 兵隊だ
優先するべきは帰る事 ...だから見捨てても良い、筈
______本当に?
_____私はヒーローになりたかった
____此処で見逃したら、他の皆にも被害が
____助けられる命を見捨てるの?
...ごめんね イリカちゃん
ノールちゃん
ネーリアちゃん
もう少し帰るの、遅くなりそうかもっ ...!
( お人好し 偽善 ...そう言われるかもしれない
それでもこのまま何もせずにただ帰るのは ...
なんか、気に食わないっ! )
しゃがみ ...赤く光る?マーカーとか色々探知して
.... ...気配を殺しながら、隠れながら
近付いて近付いて ... ... ...闇の中へと進む )
____ オルシルヴァリニア:ス 〖☆7〗
タクティクス:オーバー
戦略的:失敗 である選択肢。…等、不要
__回帰を果たしたは赤の"仮"のみなれど
廻り 再び彼女へ集えし勇気はしかと…
…今へ 至り ___勇気を以て賽を振る
__________
( 最早 …危機を伝え、導きを与え続けてく
れた あの声に期待は出来ない雰囲気だが
貴女には"理"を外れ、我流を行く決意に
溢れている ___進み …切り開くしかない )
_________"イレギュラー、発生地点付近"
( 倒れた3人を示す赤い矢印が近付くにつれ
…呻き声が聞こえ始め 未知の存在をセキカ
へ確信させていく。…其処に、あるという
確かで 大いなる"恐怖"の存在を… )
ゥ… うぅ… ___ 血… …ぅ…うぅ
(…異常、明らかなイレギュラーが発生している
倒れた兵士たちの傷は、浅い方だったが
__彼らから流れる血赤は空を漂うと…
…漆黒が染め上げる 天井へ吸い寄せられ
…ふっ、と消えるを繰り返しているのだ)
______キュキキキキキキキキキィッ![ ...急ブレーキ ]
「 到着っ ...ねぇちょっと!貴方!大丈夫?
... 大丈夫、傷は深くないっ ...落ち着いてっ
ゆっくり呼吸、してっ ..良い? 」
( 倒れた3人に近寄り 其々の傷の深さの確認 ..
...治療は間に合う ...一先ず ハンカチで傷口を拭いて タオルで巻いてって応急処置 ... ...本当に軽く
...問題は 流れた血の行き先
上を見上げれば ... ...消えていく )
「 ....そこに騒動の黒幕がいる、って事? 」
( ... ... ...恐怖はまだしていない
寧ろ 立ち向かう勇気に満ち溢れ続けている )
___結局私を助けてくれたあの声の存在は何だったのか、今となっては聞く事も出来ないけれど
逃げれるのに逃げなかった私の選択
...出来れば見てて欲しいけれど
「 待ってて、直ぐに倒して来る 」
( ... ...手を、ゆっくりと近付けて____ )
( 医療経験のないセキカには、兵士の無事を
確認する事も、確保する事も難しかったが
幸いにも"不自然な失血"を防ぎきり …
___"対敵"可能な距離へと、移動した )
__________
( …浮遊する失血が停止し、行き先は途切れ
天井に潜む ナニカ はセキカに視線を向ける
…そんな気配を感じ取るのは、貴女だった
違和感を感じる程の …野性的な勘の錬磨。
今も、潜む ナニカ へ自然と視線を促される… )
: その … 衣 … … … …
( 含みに含んだ 不気味で怪しい声が…奇妙な迄に
ゆっくり …ゆぅっ…くりと 深いシャドウの頂
から… ぼとり ぼとり、落ちるように響く…
…まるで、貴女の身に覚えがあるかのように )
: そうだ … その … 衣 … … …
「(…この者がそうだと? ククク…愉快な…
貴様の眼も落ちたなぁ… グラン:カリア …
吹けば飛ぶような小娘ではないか)」
_______________
: 暗闇は、ただ 暗いだけに留まらぬ"邪悪"を以て
そこにあるものを覆い隠す。…その様は、ただ在る
…だけで世に影響を与える上位の存在を確信させた
( そして …"存在"は姿を徐々に 揺らめきの中へと
優雅で ___不気味で … 冷酷な姿を象った )
「 聖宴に水を差す不敬者が誰かと思えば…
これはこれは。予言の聖女とはお見逸れした
… かねてより愚かな"三面"が寄越したか…
貴様、死衾に包めと …言伝てでも頼まれたか?
___"蒼い衣の女"よ 」
"顔の上半部に被る …不気味な死の仮面"
"優雅な銀色に、黒布を帯びる軽装の甲冑"
"全身を覆い隠す影を切り取ったようなマント"
… "赤"がまだ見ぬ"怪人"
ド ラ キ ュ ラ : 伯 爵
____天井を流れ落ちる… 謎の水流を渡り降り
"怪人"は相対した。…距離を遠く、セキカと。
「 …まずは名を伺おう 」
____....誰? ...何か、分からないけれどこの人 ...
“私”みたいに長い年月を生きてる ...強い人、かな
( ...それはそうと )
「 ____________カ ... カッコイイッ!! 」
( 正直何を言っているかは分からないけれど ...
...それ以上に見た目が赤仮にとってはドンピシャ
被った仮面や羽織るマントは親近感、甲冑は騎士感もあって... ...悪なのは分かっているけれど 好かれ易い感じが ...赤仮にとっては羨ましいみたいで 眼をキラキラと輝かせる )
「 ...はっ、いけないいけない ...ダメダメ
あの人は悪い人なんだから ... ...うん、駄目 .. 」
( ...赤仮は 精神年齢的にはJKと言う物になる ...だから、こうなっちゃうのも ...若干、仕方無い? )
...相対した“敵”に向かい 指を差して
「 ...貴方みたいな怪人に ..私の名前を
名乗る必要なんて無い!...さて
...私は私を正義だなんて言うつもりはないけれど ...こんな事になったのは私の責任!だから ...私がケジメをつけるのっ!覚悟してよ ...!」
___仮面を半分で割り ...双刃へと変えて片方を向けながら 宣戦布告 ...!
...血を操る?能力か何かは分からないけれど ...どうやら、私と ..さっきまで私の心の中に聞こえてた声の人との関係者ではあるっぽい ...なんにせよ
_____みんなを、守る!
「礼節を弁えずして "王衣" を纏う…か
無礼を弁え!
"乙女"が立場を穢すなど愚の骨頂
見苦しい真似はそうあってはならん…
___失礼を働く言葉が分からぬなら
先を名乗らせて頂こう… "姫"よ 」
:"騎士の礼節"。…衣を巻いた籠手を下に
貴族へ殉ずる一礼にこうべを垂れ、…して
"深く"…"深く"__重たらしい声が響く
______________
( 静寂が __重さを増して、…"声"が圧し掛かる
波のように … 重く …高低が絶妙に繰り返す )
我らが名は… __我らが名は… … ___
ヴァンプ… … ヴァンプ… …ヴァァァ…ン… プ
ヴァァァァ __… ァ…ンプ … ヴァ…ンプ… __
【 (夜 贄 の 勧 誘) 】
:…"冷酷"なドラキュラは、既に小娘の青さに…
"未熟"に気付いていた。__…年上の礼節を…
__"装い"…巧妙な言葉の催眠が響く
ヴァァァァ… …ァンプ… __ヴァァ…ァァァンプ…
___"気"を…磨耗する感覚
眠くなる事を誤認させる
… 違和感のない言葉
響く度に __奪われる
(冷酷にして巧妙の …"前触"なき罠
__段々と…"犠牲"へと、変える罠)
「 ...えっと、貴方もしかして ...私をイリカちゃんと勘違いしてる?
私は別にお姫様でも ...その、王衣?でも無いし ...本当何処にでもいる様な一般人 ...では無いけど!
と、兎に角私は面皮赤仮! ....んと、えっと
....こ、この城には手出しさせないから! 」
( ...困惑気味 口調や仕草が丁寧過ぎて 敵だと思えない ... 罠かもしれないと 脳裏には過るけれど
不思議と体に力が入らない 対抗する様に自身の名も告げはした ...が それでも心は揺らいで ...それも これも 特徴的で ...何処か頭に残りやすい“声”の所為 ... )
_________がたんっ ...うとうとしてきたのか頭が大きく揺る ...“異常”に気付く
______あ、れ? ...な、んで .....
( 既に術中に嵌っている と気付いた時には
...既に手遅れ.... 足元がふらつき 壁に手を突いて ...
平衡感覚は不安定 ... 視界も揺らぎ ...と言うか
瞼が徐々に 徐々に ...重さを増していく ...
思考も纏まらなくなって来た ... それ、即ち
敵の前で 無防備を晒し ...カモと言わざるを得ない状況が出来上がる ...! )
「 ...だ、め ...ねたら、だめ ....! ...っ あ .... 」
( 例えそう考えたとしても ...肉体は抗えない
襲い掛かる眠気には ...逆らえずに ... )
____カランッ ...双刃を落として 頭は下向き ...棒立ちに
いとも簡単 ...それが不思議な位に 簡単に ...
“赤仮”は ...眠った、様子 ...
「 エェェェブル… エレェェェ… タス
サァァァァクリス ヴィィィ…リォル
__"マァァァァ… リアァー…ス" 」
________
(__術中に嵌めた小娘。…"聖餐"を以て一瞥し
無防備を晒し、愚かにも眠る犠牲を前に
"ドラキュラ"は悠々と 人影を越え、歩み寄る)
「:ウル・バルドラク=アーヴェ:… 今、此処に
愛しき…"サンタ・マリア"__おまえの加護を
… 摘み取り、貴女へと捧げん… …[さぁ…]」
[シャキッ]__籠手先 …指先に、鋭い長爪が伸び…
「[汝よ … 君を手招く声に__さぁ… …]」
____セキカ、…彼女の喉元へ僅か …"二歩"
「 [さぁ…] 」
____"一歩"…
「 [さぁ…] 」
[ジャキンッ!]
「[…]む…? 」 ____うおぉぉぉぉっっ!!!
__"足元に転がる一人の兵士が…銃を手に…!"
[ Dang!!__[カチッ!]dadadadadadadada!!! ]
( 兵士は兵士。…とて、それは赤城の強き"衛兵"たち
50の時も寝ていれば…胆力次第で立ち上がることは
不可能ではない…!__ふらつく照準を…"ドラキュラ"に
必死で合わせ、躊躇なく引き金を引き続けたのだ!)
[カンッ!]___カキンッ! カカンッ!
「 無粋な真似をする… 」
___"セキカの精神を殴打する程の轟音"
( 距離のないまま放たれた弾丸の嵐。…意識の外より
来たる攻撃に、マントと籠手で弾きながらも…
"ドラキュラ"は もと居た位置へと後退せざるを得ない
___よろめきながらも…他の兵士も意識を戻す…!)
…ッ!
「[本部!本部へ!…謎の怪人から攻撃を受けた!
現在、"赤城住居者"の赤仮氏と共に交戦中!
___至急、援軍を寄越してくれ…敵、"ドラキュラ"!]」
___ゴーッ!ゴーッ!__赤仮氏は…眠っているのかっ!?
__カバーしろっ!___全隊!あの怪人を撃て〜っ!
(______気が付けば、…其処に在ったのは )
[ジャキンッ!][ダンッ!ダンダンダンダンダン!]
「 近寄らせるなッ 退路を確保しろっ! 」
"当たり前"のように。…"貴女"をガードする兵士たち
__"赤の者たち"を守り、…仕える彼らに__守られている。
「[………]…… [(__銃弾を…纏ったマントで弾き…)]
(…成る程 __"運命"。愛しき、サンタ・マリア…
この夜宴に…餓えた爪牙を前にこう応えたか
___"本物"。か …運命に固く、護られている) 」
____面皮赤仮は視覚の魔物
_____強制的な眠りは ....
ふらりふらり、よろめきながらも顔を上げて .....口角を歪ませる
んははっ ...オッケェオッケー!
良いよ皆、下がっててぇ ...
後は “赤仮” に任せてねぇ! ...んひははは!
___消えかけていた“闇”を呼び覚ます ...だが、それはもう ...かつて、危害を加えた ...事件を犯した
皆が知っている者では無い
赤仮は...砂姫達により本当の愛を知る、感情を知る。 ....それは奇しくも ...精神を、人格を、全て正常へと戻していく ...つまりは
既に頼もしい味方となった人格の仮面を被った “赤仮”が其処に居た!!!
[ ビュンッ __! ] 風が吹く程素早く加速し ...背後へと、回り込み ...!兵士達の熱に当てられたのか ...胆力尽くして ...
仮面の刃を 首元へ____!!!
「 … [ズズ…]____[靄が…赤黒く身を包む]
( "運命"は固く、…我を阻み牙を剥いた
今、この場を離れるは容易い … 容易いが… ) 」
( 吸血鬼:バルドラク …マントへ身を包みながらも
視力 感応で尋常を外れた存在に曇りなど有り得ない
… __銃撃を弾き …思慮を組む最中の奇襲であれ )
__此処で逃すは余りに惜しい…
:…"捕食"を第一へ据えた獣すらも稚戯。
例え、強者でさえそう評せざるを得ない
… "冷たい声" … "凝視"
____"消失"____
( … 威圧感の三重苦、まるで己を驚異と認識せず
ただ、"詰む"と冷酷な宣言を受け。__まなこに
捉えられ …起死回生の奇襲は、…意味の分からぬ
瞬時の移動によって ____失敗した … そして )
____っ 後ろだ…っ!
「 いつの間に…?!何かする気だ…!撃てーっ! 」
___兵士達の構える背後…
セキカの … 遥か、前方
"黒衣"を __篭手に纏わせ…
"ドラキュラ"
___その、…高貴な佇む姿で宙に浮かび…
[ゾクッ]__その場の… 全員が凍り付く
… 篭手 黒衣 __腕が集約する
__冷酷なる高貴。… " 妖魔城 "の主
【♪︎ 朱に染むる夜宴 】
(:"翼腕"と集約された腕を __翼を
外套のように …ゆったりと開いた
____暗銀の十字が胸に
___翼膜は血赤に染まり
__仮面に鋭利な牙が揃い
_何より … "暗黒" に満ち溢れ)
〖 "ドラキュラ" 〗
_____此処に… "降臨"す。
… ぁ … ぁぁっ ……!?
____ば、…っ
「 化物…ッ!? 」
____兵士達は、…赤と共にありながら
そう評し 畏れ、怯まざるを、得ない
… "暗黒"、__その支配者たる
絶望的なまでの戦力差を__…
「 ....( 速い? ...いや、それ以上に ...? ) 」
( 虚しく空を切った刃 ....腕を引いて構え直し
...奇襲をしたと言えど 生半可な攻撃は通じないと ...いやでも理解をしてしまう ...瞬間移動先に対して 睨みを効かせて ...力の差はやはり大きい
...だからと言って、諦める選択肢は未だに無い )
[ スタ スタ ... ]
( 威圧に負けずに ... ...生唾を飲み込み 感情を押し殺して ...優雅に広がる翼や生えた牙
禍々しい暗闇へ包まれても ...眼の光は輝き )
____恐れないで ...私がいる
私にどうか任せて ___少し貰うけど
( “化物”と過ごして来た彼女からすれば ...もっと深い 濃い 絶望や悪は感じて来た ...吸血鬼からは、不思議と感じない ...遮る勇気が体中に漲っている
ゆっくり、歩いて向かっては ...兵士達に対して後ろから仮面を向ける... )
___恐怖 恐縮 ...其れらの負の色とは
魔反対に ...八眼全てが橙色に光り ...彼等の体から 薄暗い紫や黒の様な色の煙に近い薄いモヤが吸い取られ 仮面に吸収されては ...仮面の糧として
「 化物はあなただけじゃ無いからぁ ...
その気取った雰囲気ごとぜ〜んぶ ...
崩してあげちゃおうかぁ〜 ...んひははっ 」
_____仮面、装着 ...
【 copy:炎操 】 [ ボゥッ ]...八眼から其々 火の玉が装填されて ...放たれる!
:… [闇より出でるは朱の光輝]
___[血赤を蓄え 不気味に輝く瞳が覗く…!]
: 闘いつくろわんとす __君らよ
我が夜持て余すにあらぬ事を…!
[ゴゥゥ―――――ンッ!]___… [ドォッ!]
( 僅かに身を引き __絞り、前方を目掛けて
〖翼〗を廻す… 空気を砕き "ドラキュラ" は
飛来せし〖炎〗、合間へ廻転し…飛来する!
… 兵士に迫る"爆音"の翼、… しかし超常
更には高速 __脳の処理は既に限界に接近
だぁが__そこは"現実"、御構い無しだと… )
_____________(モド=シエ:ウルト)______________
――――――――――【 解き放つ疾風 】――――――――――――
[凶風__"砕かれた空気"を翼に捕らえ…隷属に染る風
兵士らが頭上に浮かび … 翼を一手に渾身の力を込め
… 容赦なく解放された __人体を容易く吹き飛ばし
〖暗黒〗を以て"空気"を支配するが 王の妙技]
_______ド" … グァ__ ォ … ____ンッ
: 兵士らは血赤を流し … 地に伏し、呻く
数十秒前に見たか、かくも呆れに畏れを含み
放たれた八の焔も"魔公"の背後に儚く散る
_____ 威圧多分に …"冷酷"をスパイスに
ガードを無くしたセキカへ 悠々と歩く ___
『: 夜韻に囁くに等しき挑戦だと知りたまえ
夜な夜な…響けし我が名は "ドラキュラ"
… それでも解せんと、抗い続けるか
よかろう … 死を以て思い知れ! 』
(歩みを途切り、距離は詰まらぬままだが…
それゆえに …衰えぬ、"威圧"が安堵を裂く)
【 イグニ:グル=ラ・ヴェルデ 】
[翼を翻し __血赤の翼膜は輝きを増して
突如…輝きは"火赤"。激しい炎と燃え上がり
三つの"火炎弾"へと変わり果て… 飛来する…っ]
[ヴォォオン!] [ヴォォオン!] [ヴォォオン!]
___ムカつく位に優雅で ...強い
自覚させるには充分な実力 ...勇に満ちた兵達も地に伏して ...血を流す ___私には守れないと嘲笑うかの様に ... ...現実は非情にも 事実のみを映し出す
...迫る圧 迫る熱 迫る炎弾 ...結局
ただの夢見か、ただのごっこか ... ...なんて
「 そんな諦めの境地に至るにはまだまだ早いっての!!
抗う事が生きる本質! ...逃げる事が正しいとも悪いとも言わないけど ... ...絶対にっ!!! 」
____此処で死を受け入れる事は 間違ってる!
恐れを、捨てろ ...『私』!!!
〔 表裏が 合体しました 〕
〔 本人の精神性 向上 〕
〔 仮面のグレードアップ 〕
_______〔 オリジンの開放 〕
【 付喪十情・楽笑可楽憧 】
( 赤火炎弾向かう中 ...被っている仮面は何処か変化していた ...今迄は連なる様に左右四つだった物が ...口の部分と、額の部分に、眼が増えている ...十眼が鮮やかな緑色に光を放つ ...! )
[ ドドドドドドンッ! ] __炎弾直撃 ...!土煙が起こり ...
ダッダッダッダダダダダ ... ...駆け込む、音 ...?
「 こぉ〜〜んなの、全然っ!!
痛くも、痒くも ...なんともないっ!
ら〜〜くしょう、だよっ ...ねぇ!
____ドラキュラッ!!! 」
( ... 黒煙が節々から上がっているものの、無傷の登場 ...! ...片手には片刃 ...ただし__緑色のオーラを纏い 射程は伸びて ...見た目以上の “圧”が篭っている! )
「 この城は ...貴方の場所じゃ無い ...
私達の場所だから ...で、てけぇっ!!! 」
( 真正面 ...ドラキュラに向かい 振り下ろす ...気高く、陽に満ち ...楽園へと誘う ___鋭い刃 )
『: ・・・・・・・・ 』
______スルリッ… [コンッ!]
(迫る切先。…大して、録な感情を示さずして 伯爵は
只、二手でその"無謀"を捌いた。それも呆れる様な…
横歩き ___空かさずの足掛け… 足払い
"あまりにもくだらない"迎撃方法であった。)
_________
: … 得物の刃渡りは肉断ちと踏み込みを見え(まみえ)
然るべき"技法"を吟味し、しかと"叩切ら"ねばならぬ
(__転けたか 崩れたか、…少女を一瞥するまでもなく
彼(か)は翼を装衣に等しき様相に纏い、腕を組む…
… ひととき静寂を迎え 声は厳かな響きを含めた)
『: 我が[聖贄]に毅然と向かう君よ …勇を奮うは
勝手と存じよう… だが無様な"行き当たり"等を
振り回してくれるな __そう 今のような…
刃渡り[3歩]に等しく…エレガントな筈であった
起死回生の1打を[5歩]で繰り出す愚行などは…な 』
(それは[経験]の一言。__侮辱の謂れは微塵も感じぬ
寧ろ師が"叱って"、"正す"ような調子で響く。…当然
状況からしてそれは 伯爵の[余裕]に等しいのだろうが)
『: … 平伏すとあらば面と向かいたまえ
気が無く、足掻くと在るなら休む手前に
その意思を示して見せるがいい ……… 』
(…腕を組み、翼を装衣とし纏い __公爵は見下ろす)
___ザザザッ ....ズ ...
( 足を掛けられ ...バランスを崩すも即座に反対の足で地面を突き ... ...跳ねて 次に天井に足を掛けて ...再び、片手を地面に、刃を向けながら ...向かい合い )
____転けた事をダサいとは思わない ...簡単に躱された事を辛いとは思わない
「 それ以上に ___ ...届かないのが悔しい ...っ!
貴方は倒すべき ...倒すべき 悪い奴なのに ....なんでだろうね、ふふ ...
平伏なんか、絶対しないよ、...それでも 」
__何処か吸血鬼に、感謝をしている ...この武闘の一挙一動が自分の糧になる事を感じている ....楽しく、感じている ...
まだまだ遠い、追いかける段階? ...徐々に詰めよう、その距離を ...追いついて ___追い越す勢いで
【 付喪十情・喜転嬉焉天 】
___出し惜しみはせずに、新しい力を次々と ...
また雰囲気ががらりと変わる ... ...笑みが止まらない
「 優雅に、 ...ふふっ ...うん
なんだかとっても ...面白いっ! 」
( 全身・片刃に纏うオーラは白色に ...
... ...身体がとっても軽くて ___心地良い 気分 ...
刃先を向ければ ...吸血鬼を囲む様に “転移陣”を展開する ...前後左右上下 死角は無く ...取り囲み逃がさない
片刃が振られる ____斬撃が吸血鬼の肩へ、薄く斬られるれる...つまりは、[ 何処へとダメージが飛んで来るかは分からない ] ... ただし、仮面の顔色が少し悪い ...どうにも__賭けに近い技 )
「 さぁ、行く ....よっ!!! 」
ザザザザザザザザザザザザザンッ!!!
( 一発一発は軽い 量で責めた ...斬撃の陣 )
スロォッ ____ググググググ…!!
『 浅はかな知謀取るに足らず …!
__知れ!! 我 バルドラクは公爵なり
夜幕を握りし"王"へと示す、力に技は
そも[浅はかに]届くなど …
過ぎた夢現に等しく憐れなモノ…!!』
( 縦横無尽に飛来する刃 __まるで襲い来る蜂の群、
だがすぐに全身を硬質の〖腕翼〗が覆う … それは
もはや "鎧" に等しく、軽い刃など容易く弾く…!!)
____加え 翼の内側へ… 先程の"黒い風"を溜め込み…!
______モド=シエ:ウルト_______
____〖解き放つ疾風〗____
ドッ … グァ__ォ … ____ンッ
( 十全に集めた風を __腕翼を大きく広げ…解放!!
爆発的な風圧、[黒い風]の蝕む魔力の奔流は …
__包囲する魔方陣の四方八方を吹き飛ばす…!! )
『 足掻くもこれまで。__わが[技]、[力]を示さん
… 君よ しかと思い知れ 』
_____カシャシャ…
【淵に掛かるは蜘蛛の糸】
: 翼を突き止め、歯牙を避け…手傷を返し啖呵を切る
だがッ 怯まず!退かず! 総 じ て 揺 ら が ず !!
さしたる"糸口"も救いの"蜘蛛糸"も … 圧 倒 的
上位の公爵を前、ひとすじすらも見えぬまま…
宣言は …打ち震える空気を伝い__響き渡る。
『: 我が従える風 …ひとたびならず2度までもを
見据えた君よ、この風は【死】に等しいのだよ
アビスへ導く黒き風。… 果たしてみたび為るか
然り、いよいよ以て儚く散るか。…さぁ運命よ!
___或いはこの風 … その者をどう逃す?』
( 前方 __"射程距離"に彼女は居る。…言葉の羅列が
進むたび 掛る重圧は増していく __まるで、静かに
燃え盛る夜火のように。…黒き風が、腕翼を染め上げ
… 貴女へ構えた頃には 空気が荒れ狂っていた ___
____だがその時 …貴女は、しかと見た )
_______前方 …というには近過ぎる"目の前"
… ゆらり、ゆらりと誘うように揺れる【蜘蛛の糸】。
…頑丈で 手触り良く… どこか黄色い __糸!
【 射程距離内最大威力 】
_____モド=シエ:ウルト____
___〖解き放つ疾風〗__
[ ズッ__ボオオオ"オ"オオオ"ム"!! ]
(__"黒き風"が。みたびの爆発を起こす。…だが
先の二発とは… 威力、様子が明らかに違う__!)
[空気の砲弾]が迫る。
[黄蜘蛛糸]が揺れる _____!
「 ...うん、知ってた ...これで仕留められたりしたら私が苦戦なんかしないもん ...さっきまでの私でも充分戦えてたもん ...ふふ、だから言わせて貰うね ...
ありがとう ___まだまだ成長も改良も余地がある ...次会うまで果たしてお互い生きてるかは、分からないけれどっ 」
( ...少しばかり浪費をし過ぎたか、体に疲れがどっと襲い掛かる ... __成果は得れた、これで良い ...
魔法陣が消え去る前に ...最後の抵抗と言わんばかりに ...抗い、横たわる兵士達を風の範囲外へと運ぶ
...強く有る事、それ即ち 笑顔で有る事 ...皮肉混じりに言い放ち 、一か八かに賭けるとしよう )
迫る黒き風 ...髪が揺らいで、__圧されて
“当たったら絶対死ぬ”ってイメージが脳裏に簡単に過る ...
「 知らないのっ ...二度ある事はぁ〜〜〜 ...!!3度有る ッ!!! 」
捨て台詞になるかどうかはいざ知らず
藁にも縋る想いで ...助けを求めて
両手で垂れ下がる蜘蛛糸を ...鷲掴み!!
....そう、良く考えたら
___最初から私は一人じゃなかった!!!
[ カシャシャシャシャ____ッ ]
: ねばねばとした感触が、…しっかりとセキカの
握る手を捕えて、__"引く糸"が強く体を引っ張る…!
くるり、くるりと巻かれる糸は"いと"も容易く。
… 助けを求めた__彼女を、真っ暗な宙へと浮かばせ
__そのまま… 尻もち着かせる勢いで [吊り上げ]!
【おきつねの輪】の… 隣にまで"翔糸"でひとっ飛びっ!
_________
[ ぽすんっ__…ねばっ ]
( 余りの勢い!__お尻を痛めそうなシチュだったけれど
受け止めるのはまたもや"黄蜘蛛糸"… 柔く編み巡らせた
【クッション】によって、落下の衝撃は無いも同然。そして… )
… キシキシキシ … キキキ
___ "物々しい"甲殻の蜘蛛が、…前へと進み出る。
『:ホウ… 【サンドゥルチュラ】か。それも …見覚えがある 』
__みたび仕留め損ね、更には邪魔者までもが現る
… 伯爵は愉快な気分だった。…"確信"したのだ
『:(これで【三度目】、…もはや疑うまでもあるまい
"青き衣の乙女"__ 大役を担いし、運命の落とし子。
そして… 固く"運命"に護られし、人輪の愛し子 …
美しき…サンタ・マリアよ いずれ__あの娘へ何を課す?
ククク… ___その使命 …我が見届けるに相応しかろう)』
________________
( 思惑は腹の底、…遂に現れるは[舞踏]へ至るに添う相手
[サブレアス]。__砂蜘蛛、…進み出ては中距離を保ち …
___威嚇する。鎌状の前足を蟷螂の如く振り上げ、…唸る)
[ … シャァァァ____! ]
『: 貴公、__研がれた"技"を得るに至ったか
爪、脚、甲の鎧。…歴戦の風を肌に感じるぞ!
__果たして "舞う" に相応しくあるか …
此処で見定める事としよう … [ 構え! ]』
( 伯爵、翼腕をマタドールの如く構え …反対の手を
弓引くように後頭部へ回し … 気高く"戦意"を示す
___対する、…砂蜘蛛。… 威嚇の様子は激しい )
【縄張り争い】[ピコーン]
・砂丘士/ サブレアス
・魔公爵/ バルドラク
[ ぽよん、ぽよん ... ]
「 ___フニャガッ ...あ、思ったより柔らかいっ
...たす、かったぁっ ...ありがとねっ ...って
...いく、んだ ...サブレアスちゃん、もう 」
( ...強く引っ張られて 逃げ道はしっかり確保されていて ... ..気が付けば直ぐにでも脱出可能
助かった安心感に包まれながら、直ぐにでもお礼を言いたい気持ちに駆られる ...
...黄蜘蛛の糸の柔らかさで飛んだ後での怪我は無い
...堂々と接敵して、遠くでも迫力を放っているのな分かる砂蜘蛛が見える ... 勇敢さは、見習うべきかも
直ぐに自分も立ち上がって脱出しようとした所で ...ふと、気が付く )
___自分は果たして、...吸血鬼に何か傷を負わせられた?
___あのまましていたら ...本当に、死んで、いた?
...強くなったと思い込んでいた、...勝てる筈だった
「 (『私』をもっと理解しなくちゃ ...精密に力は使えない ... ) 」
...余裕そうな吸血鬼が、まだちょっぴり腹立たしくて ...何より悔しい ....必ず吠え面をかかせてみせる
...今回は弄ばれた、まだまだ未知数の力を隠しているのも明白
軽い傷で済んだのは奇跡 ... ...やっぱり、この程度だと次はもう ...!
だから此処は ... ...認めたくは無いが、力量の差的にも ...逃げるしか無い
( ぐるぐると色々悩んだ末に、ごちゃっとした精神 ...裏も克服したとは言え、それでも思う所はまだまだあり ...無意識に強く唇を噛みながら、吸血鬼に対して ...鋭い眼差しが向けられる ...視線は若干下がり、砂蜘蛛 ...
___柔らかく ...“友達”として見る眼差しが送られて )
「 頑張ってね___サブレアスちゃん 」
( ...健闘を祈れば ..未練はたっぷりあるものの
即座に、その身を【おきつねの輪】へと投げ込んで入った____ )
: 面皮赤仮 【一時撤退】
[ガキンッ]____鳴らす鋏爪
[__ィィ… ン]____潜む裂爪
( 片や怪異、化物の如し "大蜘蛛" 。…蟷螂の斧かと
愚かしき嘲り __やがて物言わぬ "骸" の定めと心得よ
… 掻き鳴らし、火花は散り 固く鋭利な "刃" の爪なり )
『/ …… [ククク] 』
( 他方 __"伯爵"の知が、…構える蜘蛛を侮るなどと
慢心へ踏み入る愚行を許さず __マタドールの如き構えを
… "先制"、譲る姿勢を崩すへ至ることはない。…そう
"筋"を見極め __確かな立回りと距離を定めていく
… 劣る相手にかのような真似は出ない … "強者"相手。
___それゆえ、…先手を譲る "優位" に近付くのだ )
[___長く続くと思われた悶着と 灰色の緊張感 …]
[ ギジャァ――――ッッ!! ]
( 先手に乗り … 沈黙を砂蜘蛛が破る )
[ ピュンッ ピュンッ ピュンッ ]
プツッ __シュルッ フパァンッ!!
( 鋏爪を鳴らし蜘蛛は "糸玉" を吐き出し飛ばすも
対し余裕の伯爵、…手遊ぶが如く爪を揺らさば ___!
飛来する糸玉を残らず優雅な糸クズへ捌き …っ
透かさず伯爵__翼を纏いて"血赤"を霧に撒く__)
[ズゥッ___] 【 疾走する影 [ヴォル=シィス:バル] 】
〖__〗
_____伯爵の "瞬間移動"。… "勘"を巡らせる蜘蛛
ボゥンッ ____[ ズォッ!! ]
グリィンッ!! 〖 ギジャァァッ!! 〗
( いとも容易く背後へ廻る"伯爵"!__死角を取りっ
先程のマタドール姿勢に … 振り下ろすは "左腕"の
【 岩盤砕き 】!! )
ボ"ッ!! ゴォッ ________…… ン
〖/……〗
: __城を震撼させた"拳"を、…瓦礫がパラパラと振る中で
引き抜く伯爵 … 着弾地点に、"死骸"はない。
… 爆発のような衝撃波で消し飛んだか?__それとも
____ギジャァ"ア" … ッ!! [ガチンッ!ガチンッ!]
〖/ … 素晴らしい。なんと素晴らしいことか!
我が渾身のパンチを避け __続く衝撃に … 〗
( ___吹き上がる砂埃 … 鋏を掻き鳴らし )
"無傷"の砂蜘蛛!! ___物陰より姿を現す…!
〖/ 全くの ___無傷とは!! … これでは
自身喪失といった所だよ。…並びに、貴公。
認めよう ____"君の、… 更なる力"を…! 〗
_____あの一瞬 …
: 背後を取られた蜘蛛は、…鋏爪を片方地面に叩き付け
【岩盤砕き】が下る前に __"爪"を軸にして回転し …
着弾寸前に後方へ飛び退いていた…っ!__物陰にも
すぐに隠れ、… 全くと言って良い程。…ダメージや
欠損も負わないまましのぎ切ったのである…っ!!