こんにちは。前回のいじめ~女子の修羅場~が終わったので、新しく作りました。今回は虐めの加害者目線で書いていこうと思います。
ちなみに今までで書き上げた作品は
・オタク女が恋を知るまで…
・いじめ~学校という空間~
・いじめ~女子の修羅場~
です。是非見て欲しいです。
「さ、里中さん……………終わりましたよ」
「は?遅かったじゃん。どうやったらこんなに遅くなるの?馬鹿じゃない?」
私は梨奈の髪をぐいっと引っ張った。梨奈は少し痛そうな顔をしたが、私は全く気にしない。
「まぁいいや。今度からはちゃんと早く終わらせてよね」
私はプリントを職員室へ届けるために、プリントを持って職員室へ向かった。
「先生!終わりましたよ」
私はにこやかな表情で先生に渡した。すると、先生がぱっと顔を明るくした。
「いつもありがとうございます。里中さんにばかりやらせて申し訳ないです」
「いえいえ!また困っていたら言ってください。失礼しました」
そうして私は教室へ向かった。
……ばーか。誰が本当にこんな馬鹿教師を助けると思ってるんだよ。いっつも私にやることが沢山あるからって雑用を押し付けやがってよ。自分のことは自分でやれよ、糞教師が。
「ねぇブス子、今日は私の仕事を手伝ってくれてありがとー」
私は教室へ戻り、にっこりと梨奈に話しかけた。梨奈は思わずびっくりとする。
「でね、そのお礼にさ、またあんたに告白させようと思ってるんだよねー。次に告白させようと思うのは既に彼女のいる、3組の佐藤にしようと思ってるんだー」
「あの……その………」
相変わらず梨奈は応えるのが遅い。なので私はまた梨奈の返事を聞かずに口を開く。
「はい、また応えられなかったから決まり!場所は、放課後の教室で。放課後に3階の多目的室で待っていてね。台詞の紙はまたあとで渡すからー!」
そう言って私は桜と澄恋の所へ行った。告白の時の台詞はいつも大体桜と澄恋に書かせている。桜の文章力と、澄恋の妄想力なら、きっと痛い告白の内容が生まれると思うからだ。
「桜、澄恋ー、また告白の台詞書いて。相手は既に彼女のいる佐藤で、告白の場所は放課後の多目的室だから。それに添った痛々しい告白の内容を書いて」
「うん、分かった!楽しみにしててね」
「じゃあブス子、頑張って。彼氏できるといいねー」
私は桜と澄恋に書かせた台詞を梨奈に渡した。
私はわざと嫌味らしい笑みを浮かべ、ヘラヘラと笑いながら紙を渡した。
しばらく私達は教卓にしゃがんで梨奈の様子を伺っていた。すると、佐藤が多目的室へやってきた。私はラインの録音ボタンを押した。
「あのさ、佐藤って彼女いるんだよね?なんであんなブスで何の取り柄もない子を選んだの?私のほうが可愛くて賢くて性格もいいんだよ?だからあんな彼女とは別れて、私と付き合おうよ」
桜と澄恋は、二人に気づかれないようにスマホで写真を撮った。
なんて素晴らしい光景なのだろう。
しばらくして佐藤が口を開いた。
「なんで俺の彼女をそんなに悪く言うの?お前は俺の彼女のことが嫌いなのかもしれない。でも俺にとってあんないい彼女は他にいないんだ。頼むから俺の彼女の悪口を俺の前で言わないでくれ。………あのさ、何の取り柄もないのは、お前のほうじゃないの?」
佐藤がいなくなり、私は録音ボタンを離した。そして私達は梨奈の所に行った。
「クスッ、また彼氏できなかったねー!」
「え、あ……………はい」
「大丈夫!次はもっとレベルの低い人を選んであげるからー!次こそ出来るといいね!」
私達は梨奈の肩を嫌味ったらしくポンポンと叩いた。
「皆ー、おっはよー!!」
「お、おはよう……」
皆の弱々しい挨拶が返ってきた。
「皆さーん、昨日のボイスメッセージは見ましたかー?昨日ブス子はー、既に彼女のいる佐藤に告白しましたー!」
すると、クラスからクスクスと笑い声が聞こえてきた。
「うわっ、そんな顔して彼女持ちの男に手を出すとか」
「どんだけ自分のこと勘違いしてんだよ」
あー、いい光景。弱いクラスメイトを見ているのはやはり飽きないなぁ。皆が梨奈を笑う度に人間の愚かさを感じる。
私は梨奈の机に近づき、梨奈の匂い付きの消しゴムを盗った。
「なーにブスの癖に調子こいてんの?ブース」
私は消しゴムを地面に落とし、踏みつけた。すると梨奈がばっと立ち上がった。
「や、やめてください……!この消しゴムは気に入っていて、そうやって踏んづけられると匂いが消えてしまいます……!」
梨奈がこんなに自分の言いたい事を言うところなんて初めて見た。
……ああ、いい気味。梨奈が本当に嫌がっていることをして梨奈のメンタルを鍛えてあげている私……なんて優しいのだろう。
もう匂いが消えたかな?と思い、私は消しゴムの匂いを嗅ぐ。
よっしゃ!匂いが消えてる。私の勝ちだ!
「ざんねーん!消しゴムの匂いは消えましたー」
「…………!?」
その瞬間、梨奈が涙を流した。梨奈の涙を見たのは初めてだ。
「あんた何泣いてんのー?ブスがもっとブスになってて笑えるー!」
私はお酒を飲んだおじさんぐらいのテンションで、大笑いをした。
たかが消しゴムでしょ?しかも匂いは消えたけど使えるし。バカバカしい。
「っ……………!」
梨奈は無言でどこかへ行った。
「あーあ、消しゴムごときで何泣いてんだか。アホらしい。メンタル弱すぎ」
私はため息を吐きながら梨奈が教室を出ていった方向を眺めていた。
その後、梨奈はどこかへ行ったきり帰ってこなかった。
アホらしい。たかが消しゴムでどこかに出ていきやがってよ……なんなの?アイツ。
私はイライラし、爪を強く噛む。親指の爪を凄い強く噛んだので、凄い痛いが気にしない。今は爪ではなく梨奈のことのほうが大事だ。
その時、誰かがポンポンと肩を叩いてきた。
「里中さん……隣のクラスのブス子と小学生が同じだった人が言ってたんだけど……」
クラスの女子が話しかけてきた。
「ブス子は、昔からお爺ちゃん子だったみたいなの。ブス子のお爺さんが消しゴムはんこを作る人でね、ブス子にも消しゴムはんこを結構プレゼントしていてさ、中でも気に入っていたのがさっき里中さんが踏んづけていた匂い付きの消しゴムはんこなんだって。そこにはお爺さんがブス子に書いたメッセージもあって……でもその消しゴムはんこをブス子にあげてすぐにお爺さんは死んじゃったみたいでさ……だからブス子はお爺さんの形見として大事に持っていたんだって」
なるほど、どうりでもう一つ消しゴムを持ってたわけだ。
「だから結構今回のは酷いんじゃない?」と、女子は付け加えた。
ハッ、それがなんだっていうんだよ。アイツの事情なんて私は知らないし。ていうかよく梨奈を「ブス子」って呼んでるお前が言えるな。
お前も同罪だろ?
私は女子の髪をぐいっと引っ張った。
「は?お前も見ていたんだから同罪だろ?ていうか『ブス子』って呼んでるあんたがよく言えるね」
「きゃあっ!」
そして私は女子をドンと付き倒した。そして私は女子の胸ぐらを掴んだ。
「今度私に逆らったら……次はお前を虐めるからな?この弱物が!」
「は、はい……」
そうして女子はびっくりした顔で走って逃げていった。
全く、弱い奴が。ちょっと髪を引っ張って脅した程度で逃げやがって……どいつもこいつも弱すぎる。ちっとも相手にならない。
まぁいいや。弱い奴らは皆私の下僕。一番強くて美人な私が一番上の立場にいるのは当たり前。この世は弱肉強食なんでしょ?
弱いクラスメイトはすぐに勝てるが、私の心を満たすのにはとても丁度いい道具だ。
全てが私を中心にして回っている……ああ、なんて素敵な世界なのだろう
私は帰りに梨奈の家に行った。梨奈を明日学校に行かせるためだ。このまま梨奈が不登校なんかになったら、次のターゲットを選ぶのに一苦労だ。散々皆で遊んだので、次のターゲットはいないに等しい。
えっと……梨奈の家はこのアパートの203号室だよね。
私は「佐崎」と書いてある表札の隣にあるインターホンをならした。しばらくして梨奈が出てきた。
「さ、里中……さん……」
梨奈は私の顔を見て少しびっくりとした。
「ほら、学校来なかったんだから一緒に太陽の光浴びよう!」
私は梨奈を外に出させてから、梨奈を階段から転げ落とさせた。
「う………………痛………………」
梨奈は地面に横たわった。私は階段を降り、梨奈のことをお構いなしに言葉を発した。
「あのさ、なんで今日消しゴムごときで休んだわけ?退屈だったんだけど」
「あのさぁ、あんたの家知ってるから。だから明日来なかったら無理矢理迎えに行くよ?だから明日は絶対来いよ?」
「は、はい……」
私は梨奈のお腹を強く蹴った。
「ったく……ほんとこのブス使えないわな」
さてと、言いたい事も言ったし、梨奈のことを蹴ってストレスも解消出来たから帰りますか!
ストレスが無くなり、るんるんとした気分で帰っていると、桜からラインが来た。
「ねぇ、明日の遊びを澄恋とラインで話してたんだけどさ、ブス子の顔を油性ペンで落書きするのはどう?私達じゃなくて、クラスの女子皆で!」
なるほど、キモい顔をもっとキモくするのか……中々いいではないか。その顔で誰かに告白させたら、更に面白くなりそうだよね。
私は桜に返信した。
「中々いいアイデアだね!その落書きさせた顔で誰かに告白させるのはどう?」
「わかった!じゃあ澄恋と告白の台詞とかを考えておくね!」
「桜、澄恋、おっはよー」
「おはよー」
「考えたんだけどさ、朝とか休み時間にブス子の顔に落書きしたら、授業の時に先生に落書きがバレちゃうからさ、帰りの会が終わってから女子を集めてブス子の顔に落書きしない?」
梨奈の顔の落書きが先生に見つかってもし梨奈が先生にチクるとかになったら、溜まったもんじゃないからね。
まぁそれでも私は美人で性格もいいからあの馬鹿教師は私のことを信じると思うけどね。でも桜とか澄恋とか特別可愛くない奴が可哀想だからわざわざ放課後にしてやってるけど。
「じゃあ落書きしたあと告白させるんだね?」
昨日言っただろ?ばーか。こいつらは私の遊びの内容を覚えることすら出来ないのかよ。
「うん、そうだよー」
「わかったー!じゃあ放課後楽しみにしているね」
「ねぇ梨奈、授業中にあんたにラインを送るから、着信音とか振動をつけたまま授業を受けて」
放課後まで待つのは退屈なので、私は梨奈に授業妨害をするように命令した。
つまらない授業……たまには授業妨害があってもいいのではないか。じゃないと退屈過ぎる。しかし、私が授業妨害をするとなると内申点に響くかも知れないので、梨奈に授業妨害を命令した。
「は、はい……………」
キーンコーンカーンコーン。国語の授業が始まった。私は早速梨奈にラインを送る。
ピコーん、ピコーん、ブーッ、ブーッ。「ブス」「しね」などと言った2文字で終わる言葉を連続で送っているので、かなり着信音や振動がなっている。
「誰ですか?携帯をマナーモードにしていないのは!」
「すみません、私止めたんですけど……佐崎さんがどうしてもマナーモードにしたくないとおっしゃったので……」
「佐崎さん、今すぐマナーモードに切り替えて下さい!」
クスッ、無駄無駄。だって梨奈には、何があっても着信音と振動を切るなと言ったのだから。
「嫌です、授業が眠くて仕方ないので眠気覚ましに使っているだけです」
すると、国語の先生は顔を真っ赤にして梨奈を怒鳴った。
「……まぁ!なんなんですか?その態度は!私の授業が嫌いなのかも知れない……ですが携帯の着信音を鳴らすのは立派な授業妨害です!」
あーあ、私の嘘にまんまと引っ掛かって。国語の先生も全く手応えがないわ、本当に。退屈過ぎる。
昼休み
私達は校庭で弁当を食べていると、校庭の隅で一人で弁当を食べている梨奈を見つけた。私達は梨奈の所に向かった。
「ブス子ー、そのお弁当不味そー!私が美味しそうにしてあげるー」
そうして私は梨奈の弁当を箸でぐちゃぐちゃにした。その横で桜と澄恋が笑っていた。
「ブス子ー、自分のお弁当がぐちゃぐちゃにされてるのに嫌といえないなんてダッサーい!」
「やっぱりダサい奴は心もダサいんだね!」
桜と澄恋が私の隣で好き勝手言ってる所で、私は「もういいかな?」と思ったので手を止めた。
「はい、終わったよー。ブスで汚いあんたの弁当をわざわざ綺麗にしてあげたんだから、感謝してよね!」
「あはは、茉莉やっさしー!」
そうして私達は笑いながらさっき食べていた場所へ戻っていった。
ようやく帰りの会が終わり、放課後になった。先生がいなくなったのを見ると、私は大声で叫んだ。
「女子の皆さーん!これからブス子の顔にマジックペンでブス子のキモい顔をメイクして可愛くしようと思いまーす!黒板の前に来てくださーい」
私と桜と澄恋は、梨奈の背中をぐいぐいと押して黒板の前で付き倒した。それに続いて、他の女子達も皆マジックペンを持って黒板の前にやってくる。
「制限時間は5分まで!それまで皆好きなようにメイクしてね」
私の合図で、皆は落書きを始めた。顔だけだと満員なので、私と桜と澄恋は首や腕などにも落書きをした。
「ブス」「キモい」などの悪口はもちろん、瞼を黒く塗りつぶしてアイシャドウのようにしたり、唇を黒く塗りつぶして口紅を塗ったような感じにしたりなど、本物のメイクみたいな落書きもあった。
楽しい時間はあっという間で、5分経ってしまった。
「あー、楽しかった。ノーメイクの時よりずっと可愛くなってんじゃん。まぁ告白頑張ってね」
「いや茉莉ー、どこが可愛いの?ブスがもっとブスになってるー」
澄恋が梨奈を指差して笑う。
「はっ、まぁブス子なんてメイクしててもしなくてもどっちにしろブスでしょ!」
「あっはははははははは!!!」
女子全員で梨奈を笑った。
流石にヤバイ気が………
でも面白い!更新楽しみにしてます!
今日の告白の相手は学校1のブサイク、高橋だ。学年で一番のイケメンの常磐……既に彼女のいる佐藤……流石に難易度が高すぎだろうと思ったので、うんと難易度を下げてあげた。
「はいこれ、パパっと覚えて。今回の場所は屋上だから」
私は桜と澄恋に書いてもらった台詞の紙を梨奈に渡した。
この落書きされた顔で告白とか……絶対成功しないことが目に見える。
私達は梨奈を屋上に連れて行った。そして私達は端っこでスタンバイをする。しばらくして梨奈は口を開いた。
「あんたみたいな世界一の不細工には、私みたいな世界一の美人がお似合いだよ?そうすれば、私の可愛さが引き立つもん!」
梨奈が告白している最中、私達は顔を見合わせて笑っていた。
やばい、やばすぎる……。これは傑作だ。
あまりにも夢中になってしまって、私達はカメラで写真を撮るのをうっかりと忘れてしまった。
「興味ないから」
高橋は怒ったような表情で消えていった。
「うっわぁ、あんな不細工にも振られるなんて、だっさーい!」
「あー、おっかしー」
私達は大笑いをした。
「まぁいいや。可哀想だから一緒に帰ってあげる!」
そうして私達は梨奈に自分達の通学バッグを投げて渡した。梨奈は通学バッグも満足に受け取れなく、私達の通学バッグを床に落としたのだ。
その様子に私は苛立ち、梨奈の髪を引っ張った。
「は?振られた惨めなあんたと帰らせてあげてるって言うのに……何通学バッグもろくに取れないんだよ?早く拾えよ!」
そして梨奈は私達の通学バッグを拾い、それが重いのか凄いふらふらしている。
クスッ、いい気味だ。
「茉莉、やっさしー。こんなブスと一緒に帰ってあげてるなんてー」
「しかも荷物を持たせてブス子の握力を鍛えさせてあげてる」
「やっさしー!」
あーあ、こいつらも馬鹿だなぁ。私はこいつらの事を友達と思ったことは一度もないのに、こいつらは私のことを友達だと思ってる……こいつらも随分と傑作だ。
「ブス子ー、大丈夫ー?次はもっと難易度下げてあげるからねー」
「ほらほら、そんなに落ち込まないで」
私達は嫌味ったらしく梨奈をヘラヘラと笑いながら慰めてあげた。落書きされてもっとブスになった顔で落ち込み、私達の荷物を持ってる梨奈の顔が絶景すぎる。
しばらくすると、梨奈の家が見えた。
そうだった、私達四人だと梨奈が一番家が近くて私が一番遠いんだった……
私は梨奈の腕をぐいっと引っ張る。
「ブス子の家が見えたけど、まだ帰らせないからね!振られた惨めでブスなあんたを慰めてあげてるんだから、荷物ぐらい最後まで持ってよね!」
「は…………………はい…………………」
「あっはは!茉莉さっすがー」
わざわざこんなブスに付き合ってあげているんだから、このぐらいしてくれないと困る。そして桜と澄恋も、私のおかげで苛められなくて済んでいるのだから、私の言う事を聞いてくれないと困る。
ブスな梨奈や特別可愛くない桜と澄恋が美人な私の言う事を聞くのは当たり前。
しばらくして、桜と澄恋のマンションに着いた。二人は同じマンションに住んでいるのだ。
「じゃあ茉莉、あとはこのブスを宜しくねー!それじゃー」
「うん、バーバーイ」
くそっ、なんで引き立て役が二人もいなくなるんだよ!このブスがいるだけでも私の美しさは引き立つと思うが、特別可愛くないあいつらもいた方が、よっぽど引き立ってるに決まってる。
私は気持ちを切り替えて、人目のつかない道に入ると梨奈と背中をドカッと蹴った。そして梨奈がその場に倒れた。
はぁ、すぐに倒れるんからつまらないのなんのって。
「あっはっは!こんだけで倒れるとか弱ーい。私の家につくまでみっちり鍛えさせてあげる!」
そうして私は通学バッグを持ってる梨奈のことを叩いたり髪を引っ張ったりした。
楽しい時間はあっという間で、私の家が見えた。
「じゃっ、明日も遊んであげるから!じゃーねー」
「はい……………」
梨奈は弱々しく返事をした。
朝、梨奈がガラガラと教室のドアを開けて入ってきた。私は梨奈の方に行く。
「おっはよー!ブス子」
そう言って私は梨奈のお腹をグーでパンチした。そうたら梨奈は痛そうにお腹をさすった。
あーあ、すっかり弱っちゃって。いい光景だ。
私はトドメを刺すように、梨奈の腕を雑巾絞りにした。
あー、楽しー。人が苦しむ姿は実に美しい。
「あっはっは!随分と弱っちゃって笑えるー。まぁ、今日も面白い遊びを考えて来たから、今日もよろしくねー」
そうして私は自分の机に戻り、今日の遊びのメニューを一人で考えた。
はぁ、暴力とか悪口とか……ありきたりなものばっかでそろそろ飽きてきたわな。もっと梨奈を絶望の底に落とすような……自殺を考えるぐらいの遊びじゃないと私の心が満たされないわ。
そういうことを私は机にうつ伏せてぼーっと考えていた。
私は桜と澄恋の所に行った。
「あのさ、最近暴力とか悪口とか、ありきたりな遊びばかりでネタがなくなってきたんだよねー。何かアイデアとかある?」
すると、二人はしばらく首を傾げてからひらめいた様な顔をした。そして澄恋が口を開く。
「そうだ!ブス子の歌を作るのはどう?ブス子の欠点を並べた歌を作るの!」
なるほど。確かにそれは精神的に傷つくかもしれない。だって、自分が気にしているであろう欠点を歌にされてからかわれたら、誰だって嫌でしょ?
「私は賛成だよ。茉莉はどうするの?」
「私も賛成!」
「よかったー!結構自信あったんだよねー」
ばーか。お前が面白い遊びを考えるのは当たり前なんだよ。私のおかげで苛められなくて済んでるんだからさ。何回心の中でそう思わないといけないんだよ。
「じゃあ歌の内容は二人でまた考えておいてね。それじゃーまたあとで」
「うん、楽しみにしててね!」
「茉莉、出来上がったよー!」
しばらくして、桜と澄恋がやってきた。
「どれどれ?ちょっと歌ってみて」
「さーざき じーみこ ブースこ キーモイ……っていう短い歌なんだけどさ、どう?」
おお、結構梨奈に似合っている歌じゃないか。梨奈の名前と梨奈の悪口を並べた歌……まさに完璧だ。
私は思わず恐ろしい笑顔を顔に浮かべてしまう。
「いいね!大賛成。じゃあさ、桜と澄恋でこの歌を広めておいてよ。そして梨奈がうちらの近くに来る度にこの歌を歌おうよ!」
まぁ、所詮こいつらは私達の手下でしたないけれど。
「うん、わかった!じゃあ広めてくるね」
「うん、ありがとー」
そして桜と澄恋は私の元を去っていった。
「ありがとう」だなんて口だけで、本当は思ってもないんだけどね。
私は梨奈に近づき、背中をバシッと叩いた。
「何…………です……………か?」
「あんたに対しての歌を作ったのー。ぜひ聴いてねー。それでは行きまーす」
私はクラスの皆にも聞こえるように、わざと大きな声を出した。
「さーざき じーみこ ブースこ キーモイ」
すると、梨奈は暗い顔をして俯いた。しかし、私は構わず言葉を続ける。
「これから、あんたが教室に入ってきたりしたら毎回歌うつもりだから。よろしくー…………もちろん皆も歌ってよね?」
私はわざとらしく辺りを見回した。
まぁ、皆も歌うに決まってるけど。自分が苛められなければいいという愚か者ばかりなのだから。
ほら、予想通り……クラスメイトは多少戸惑いながらも教室にいるクラスメイトは皆こくりと頷いた。
教室にいないクラスメイトはまだ知らないけどまぁいいや。あとは桜と澄恋にひろめてもらおう。
私はポケットに忍ばせておいた鋏を取り出す。そして私はわざと怖い表情をした。
「その長くて緑色の髪がうざったいんだよ」
そうして私は梨奈の髪を耳辺りまで切り落とす。梨奈の髪の毛が床にパラパラと落ちていく。クラスメイトはこっちを見ていたが、何も言ってこない。
「里………中……………さん?!」
私はにこやかな笑顔を作る。
「いやぁ、そのうざったい髪を切ればブス子でもちょっとは可愛くなれると思ってさ。……ほーら、古風な感じの髪型でいいじゃん。感謝してほしいね」
本当は梨奈が可愛くなれるだなんて思ってないけど。本当はブスをもっとブスにしたかっただけだ。
「おっと、もうちょっとでチャイムなるじゃん。自分の髪なんだから自分で拾っといてねー」
「は、はい………」
そうして私は笑いながら自分の席へ戻った。
私は休み時間、梨奈の机に行った。
「ねぇー、あんたの携帯貸してよー。新作コスメが通販限定なんだよねー」
コスメは欲しいが、自分のお金でネットショッピングをするのは面倒な上に送料が掛かる。なので私は梨奈のお金でネットショッピングをしようと思った。
私は梨奈の返事を待たずに、無理矢理梨奈の携帯を取った。
何回も梨奈の携帯でネットショッピングをしているので、もう梨奈が携帯はポケットに入れてるということは把握済みだ。
「おっ、結構お金残ってんじゃんー。あはは、たくさん買っちゃおーっと」
私は梨奈のお金で高級の口紅やチークなどを沢山買った。
「あ…………あの………私のお金なので……………あまり………使いすぎないように…………」
その瞬間、私は梨奈の机をドカンと蹴った。
「は?今は私が携帯を持ってるんだから、私の携帯でしょ?何しようが勝手じゃん」
そうして私は気にせずに買い物を続けた。
やっぱりインターネットには可愛いコスメがいっぱいだなぁ。見逃せる訳がない。
なので私は、梨奈のことを気にせずにコスメを買うのだ。沢山買っていると、すぐに0円になってしまった。私はすかさず梨奈の胸ぐらを掴む。
「お前なんでこんだけなんだよ!もっと持っていろよ、貧乏女」
これだけで足りるわけがない。美人な私は普段からしっかりと美容やメイクに励まなければいけないのだ。
地味でブスで外見に気を使わなくて済むこいつとは違って、ね。
「あ、その………ごめ………」
「謝って終わりになんてさせるかよ!謝って終わりになんてしたら私が楽しめるわけないじゃない。……だから今回は許してあげる。次ブス子の携帯を借りる時までに今日の倍は持ってきて。そしたら許してあげてもいいかも」
「は、はい」
本当は許す気なんてない。だって、それで本当に許したりなんかしたら、ゲームが終わってしまう。私の負けだ。
今までこいつは、私が何人人を不登校にさせたり、学年の人を転校させたと思っているのだろう?……私の力はそこでは終わらないからな……
梨菜が手を洗い終わって、教室に戻ってきた。私は先生がいないことを確認する。
よかった、歌を唄う絶好のチャンスだ……
私は大きな声で歌を歌い始めた。
「さーざき じーみこ ブースこ キーモイ」
それに続いて、クラスの皆も歌い始めた。
「さーざき じーみこ ブースこ キーモイ」
梨奈は下を向いて落ち込んだような顔をした。おかげでブスな梨奈の顔がもっとブスになっている。
「ちょっとブス子ー、何下向いてんの?ブスがもっとブスになってるよー。ブスなんだからさ、せめて笑顔でいたほうがいいよー」
そうして私は梨奈のほっぺを両サイドに思いっきり引っ張った。そのまま縦や下に動かしたりと、梨奈のほっぺで私は遊んだ。
あー、やっぱりブスは何やってもブスなんだな。
「あ、笑顔になってるのにもっとブスになってるー。やっぱりブスは何やってもブスなんだねー。さーざき じーみこ ブースこ キーモイ」
……おっと、先生が来てしまった。
なので私は梨奈にあっかんべーをしてから自分の席へ戻った。
「梨奈ー、一緒に食べよー」
私達は、梨奈の机に向かった。
「は、はい……」
断ることも出来ないとか……どれだけ弱いのだろう。やっぱりブスは心までブスなんだな。
私達は先生のいない校舎裏で食べようとした。校舎裏につくと、私はどすんとピロティに体育座りをして座った。
「ねぇブス子ー、売店のフレンチトーストが凄い美味しいって噂でさー、私の分買ってきてよ」
そして私は、梨奈に聞こえないよう、桜と澄恋に小さい声で言った。
「ほら、あんたたちも何が梨奈に注文して」
すると、二人が口を開いた。
「じゃあ緑茶買ってきてー」
「私カレーパンー」
「は、はい………」
そうして梨奈は財布を持って売店の方に言った。
はーぁ、相変わらず私の言うことを何でも聞く下僕のこいつらは扱いが楽だなー。
梨菜がいなくなってから、桜と澄恋はクスクスと笑い始めた。
「それにしてもブス子って都合がいいよねー。まぁ、過去に茉莉が苛めていた人達よりは耐えている方だと思うけど!」
……確かに、な。最初に苛めをしたのは小学一年生の頃だ。今まで通算三十人ほどの人を苛めてきた。梨奈以外の人達は、苛められてニ、三ヶ月ほどで転校したり不登校になっていった。梨奈を苛めてかれこれ半年ぐらいか……結構手応えあるじゃないか。
「嫌々、ブス子の都合がいいのもあるけど、茉莉が強いからだよ!」
クスッ、いい事言ってくれるではないか。そうだ、私は何十人もの人を絶望の底に落とさせた、凄い人なんだ。
まぁ、はっきり言って、こいつらも何言ってもいいと言ってくれるイエスマンなので、梨奈と同じくらい都合がいいとこっちは思ってるが。
「ねぇねぇ、茉莉っ遊び相手が全員不登校になったり転校したりしていなくなったらどうするのー?」
澄恋が話しかけてきた。その様子に私は余裕ぶった表情で応える。
「その時は、さ。先生を苛めればいいじゃん」
私は話し終わると、梨奈の姿が見えた。
「あの、これ………」
そうして梨奈は私達が頼んだ食べ物を持ってきた。
遅い。遅すぎる。三分以上経ってるじゃないか。走れば三分ぐらいで買えるでしょう?
「は?持ってくるの遅すぎ。何やってんの?このブス!」
「それは…………あの……………今日はすこし売店が混んでいまして……」
私は更にイライラした。思わず眉間にシワが寄る。
は?ブスの癖に何言い訳してんの?そんな言い訳私は知らねぇよ。美人な私はブスな梨奈の言い分なんて聞かなくてもいいでしょ?
私は梨奈の背中を思いっきり蹴った。そして梨奈が床に倒れる。
「は?そんな言い訳聞くかよ。罰としてブス子の弁当は今日はなしだからね!」
そして私は梨奈のおにぎりを取った。私はおにぎりをペロリと食べた。
「あははっ、茉莉強ーい」
「ブス子ー、あんたメンタル弱いねー、かっわいそ!」
桜と澄恋の言葉に、私も続いて言葉を発する。
「大体、あんたは顔が可愛くないんだからさ、スタイルぐらいはよくしようよ。感謝してほしいね」
まぁ、ブスでスタイルがいいだなんてもっと笑い者にされるだけだと思うけど。
昼休み、私は担任に呼び出しをされた。なので、私は今職員室にいる。
まーた担任の雑用に使われるのかな。可愛い私はこういった雑用に使われるから嫌だね。
しかし、担任が口にした言葉は思いもよらない言葉だった。
「里中さん、クラスの女の子から、貴方が苛めをしているという話を聞いたのですが……」
誰がチクったんだよ……。
私の心臓の鼓動がドクドクと早くなっていく。
「成績優秀で正義感のある里中さんが苛めをしているだなんて、先生も信じたくないのですが……」
そうだ、私は担任から信頼されているんだ。ここはうまいこと言えばきっと免れるぞ……。
私は目に涙を浮かべた。
「う、うぅ……グスッ。先生は、私のことをうたがぅんですかぁ……?ヒクッ、私は、そんなこと………全然してないのにぃ……」
「っ、ごめんなさい!そうですよね、里中さんがそんなことする訳ないですよね……。本当にごめんなさい!」
担任が深々と頭を下げ、私は職員室を出ていった。
ばーか。涙なんかに騙されちゃって。まぁ、こういうのは泣いたもんがちですから。あーあ、大の大人が中学生なんかに、騙されちゃって。かっわいそ!
昼休み、私は担任に呼び出しをされた。なので、私は今職員室にいる。
まーた担任の雑用に使われるのかな。可愛い私はこういった雑用に使われるから嫌だね。
しかし、担任が口にした言葉は思いもよらない言葉だった。
「里中さん、クラスの女の子から、貴方が苛めをしているという話を聞いたのですが……」
誰がチクったんだよ……。
私の心臓の鼓動がドクドクと早くなっていく。
「成績優秀で正義感のある里中さんが苛めをしているだなんて、先生も信じたくないのですが……」
そうだ、私は担任から信頼されているんだ。ここはうまいこと言えばきっと免れるぞ……。
私は目に涙を浮かべた。
「う、うぅ……グスッ。先生は、私のことをうたがぅんですかぁ……?ヒクッ、私は、そんなこと………全然してないのにぃ……」
「っ、ごめんなさい!そうですよね、里中さんがそんなことする訳ないですよね……。本当にごめんなさい!」
担任が深々と頭を下げて、私は職員室を出ていった。
ばーか。涙なんかに騙されちゃって。まぁ、こういうのは泣いたもんがちですから。あーあ、大の大人が中学生なんかに、騙されちゃって。かっわいそ!
間違えて2回送ってしまいましたm(_ _;)m
76:みぃ◆VZbV1gU:2020/07/19(日) 19:29 「なんで……なんで騙されたんだよ………」
………ん?今誰かの声が聞こえた気が……。まぁいいや。さっさと教室に戻りますか!
私は教室に入って梨奈を見つけてから、梨奈の髪をぐいっと引っ張る。
「お前………何先生にチクったんだよ!」
私は自分でもびっくりするぐらいの声で叫んだ。
「あ、あの……なんのことですか………」
言い訳をする梨奈に、私はますます怒りが湧いてくる。私は更に大きな声で怒鳴る。
「とぼけんじゃねぇよ!お前担任に私が苛めをしているということをチクったんだろ?おかげでさっき職員室に呼び出されたんだわ!」
ところが梨奈はますます戸惑ったような表情になる。こうやって表情で自分のしたことを誤魔化そうとする人、私は嫌いだ。
「し、知りませ…………」
「そんな言い訳聞くかよ!!」
そうして私は怒りに狂って梨奈の机をガシャンとひっくり返す。周りのクラスメイト達はびっくりして呆然としているが、気にしない。
私はようやく我に返り、ハッとした。そこには机などが荒々しくひっくり返っている、無残な教室が見えた。クラスメイトが端っこで怯えながらこっちを見ていた。
だがしかし、この荒々しい教室を私一人で片付けるのは面倒くさい。しかもこれは梨奈がチクらなければ起きなかったことだし………。
「っ……お前がチクったから私が怒り狂ったんだろ?責任とってブス子が戻せよ!」
「は、はい…………」
そして私は梨奈に机などを戻させた。こいつがチクったのが悪いのだから、これぐらいしてもらわないと困る。
「あ、もちろんクラスメイト達に手伝わせるのは反則だからね?それじゃー昼休みまでにしっかりと、綺麗に教室を戻しておいてね?」
そうして私は廊下に行った。梨奈のあのキモい顔をずっと見ているとストレスが溜まるからだ。
ふーっ。暴れ回っちゃったのは失敗だが、チクリ野郎の梨奈を苛めることができてラッキー。
ふぅ、昨日は少しやり過ぎたかな。なので今日は何もしないであげておこう。やり過ぎた次の日に何もやらないて、軽い日はラッキーなんだと思わせるのだ。そして次の日からもっと苛めのレベルを上げて、もっと精神的に苦しませるんだ!
朝、教室に入ってから私は桜と澄恋の所に行った。
「ねぇ桜、澄恋。今日は軽い日はラッキーだと思わせたいからさ、何もしない日にしようと思ってるんだ」
すると二人は納得したように頷く。
「うん、分かった!何もしないときのブス子の様子を遠くからじっくりと見よう!」
「うん!分かってくれてありがとう!桜と澄恋は私の自慢の友達だよ!」
「いやいや、それはこっちの台詞だよ。だって、茉莉のおかげで私達も色々と楽しい思いをしているんだから、ね!」
なーんて、ね。こっちはあんたたちのことなんて都合のいい道具としか思ってないけれど。
すごい!
続き楽しみ‼
これからも応援しています!
頑張って👍
あーあ、梨奈に何もしない日は本当に退屈だなぁ。本当にストレスが溜まる。
「それでは皆さん、さようなら」
ふーっ、やっと終わった。退屈だったー。
今日の梨奈の様子は極々普通で、私と遊んでいるときと対して変わらない感じだった。正直、もっとのびのびとしていると思った。
まぁいいや。明日からもっと苛めのレベルをあげるんだから。今日は一秒でも早く帰って明日からどんな風に苛めのレベルアップをするのか考えないと。
「茉莉ー、帰ろー」
桜と澄恋がよってきた。
はーぁ、いつもいつも私の所に来てうざいんだよね。
「ごめんね、今日は明日からの苛めの内容を考えたいからまた明日ね!」
すると、二人は少し残念な顔をした。そしてその後二人は小さく頷いた。
「うん、分かった!じゃあ明日、どんな風にレベルアップしているのか楽しみにしているから!」
「うん、じゃあねー」
私は家に帰ってから、携帯をいじった。そして私は本当にあった苛め事件を調べた。
ふーん、苛め自殺って学生が多いんだなぁ。今まであまりそういうのを参考にしてなかったからびっくりとした。
ぼーっと記事を見ていると、面白そうな苛めの内容を見つけた。
何これ、葬式ごっこ……?ははっ、確かにこれは精神的に来るねぇ。これを梨奈にやったら、流石に梨奈の心も折れるかなぁ。……ふーん、結構楽しそうじゃん。
私は桜と澄恋との三人のグループラインにメッセージを打つ。
「桜、澄恋!ネットの苛め事件を調べていたら、凄い面白そうな内容の苛めを見つけたんだよね!」
数分後、二人から返信が来た。
「え、なになに?!」
「聞きたい!!」
私は素早くメッセージを打つ。
「葬式ごっこっていうやつでさ……まだあまり記事は詳しく見ていないんだけど、結構面白そうだったよ!」
「そうなの?じゃあその記事を詳しく見てから内容を教えてよ!」
「うん、じゃあ詳しく内容を見てみるね!」
私はその事件の内容が詳しく書かれているサイトを見つけた。
なるほど、色紙にメッセージを書いて葬式のようにしたのか……。それだけじゃあ地味だから、花瓶とか写真も添えてもっと派手にしたいな。
私はクラスのグループラインにメッセージを送った。
「ねぇねぇ、明日はこの遊びをして梨奈を可愛がろうよ!」
私はその記事のサイトのリンクを貼った。
「でさ、これだけじゃ地味だから、写真とか花瓶とかも用意して本格的にやりたいから。明日皆色紙を書かないといけないんだから早く来てね?」
そして次に、私は三人の方のグループラインにメッセージを送った。
「あのさ、さっき葬式ごっこの遊びの内容をクラスラインで説明したじゃん?桜と澄恋が色紙とか買ってきてくれない?」
苛めをする為に自分がお金を払うのか絶対にごめんだ。お金の掛かる時は桜と澄恋が負担するのが当たり前。
「うん、分かった!うちらで買っておくね」
ほーら、やっぱり私の思い通りじゃん。
次の日、私はワクワクした気持ちでベッドから起き上がり、クラスラインにメッセージを送った。
「今日、皆七時半に学校集合ね。よろしく」
よし、送信っと。楽しみだなぁ、葬式ごっこ。
「……何?こんな早く起きてきて。貴方の顔なんて朝っぱらから見たくないんだよね。早く起きたんだったら早く行って下さいな」
うるっせーな。言われなくてもこっちから早く学校に行くわ。こんな大嫌いな親のいる家なんて一秒でも早く抜け出したいわ。
私の両親は、昔から私に無関心だ。なので、小さいころも親とは全く話さなかった。親と一緒にどこかへ行った思い出もない。そんな時、私は小学校に入学して直ぐに桜と澄恋と出会い、学校に居場所を見つけた。二人と一緒に苛めをして、家でのストレスが発散された。
そうだ、親の愛情を受けてぬくぬくと育って……何のストレスもなくのうのうと生きている奴らを私が苛めて何が悪いんだ……。
私は朝御飯を食べ終わり、いつもの通り何も言わずに家を、出ていった。
教室を開けると、既にクラスの皆は教室にいた。桜と澄恋が私に気づき、話しかけてきた。
「おっはよー。もう皆色紙にメッセージ書き終わったよ?だから茉莉、書いて」
おー、皆準備が早くて使い勝手がいいじゃないか。どれどれ?皆なんて書いてあるんだろう。
そこには、「さようなら」「今までありがとう」と言った、嫌味ったらしい慰め言葉や「うざかったです」「最後までブスだったな」などの煽ってある言葉など、色々な言葉が踊っている。
私は元々昨日メッセージを決めてきたので、どんなメッセージを書くか迷うことはなかった。
えーっと、「私に苛められた分強くなれたんだから、天国でも私にずっと感謝しなよ?」っと。よし、書けた。
「桜、澄恋、終わったよー」
「おーっ。茉莉は早くて要領がいいねー」
ははっ、言ってくれるじゃないか。まぁ、この二人が私のことを褒めるのは当たり前。
そうして桜と澄恋は花瓶が沢山、梨奈の顔写真一枚が置いてある梨奈の机の真ん中に、色紙を置いた。
ああ、楽しみだなぁ。どんな反応を梨奈はするのだろう。
しばらくして、梨奈が教室に入って来た。梨奈は、自分の机を見てびっくりしていた。そこにクラスの皆が集まる。
「あっれー、なんでブス子来てるのー?」
「ブス子って死んだんじゃないの?」
「じゃあここにいるのはブス子の幽霊かな?」
私がそう言葉を発すると、クラスメイトはクスクスと笑う。
私は梨奈に近づき、わざと怖い顔を作って梨奈の前に立つ。
「あのさぁ、なんでまだ生きてるの?ブス子がいたらブスが感染るから早く死んで欲しいんだよね」
そうして私は梨奈に花瓶の水をバシャンとかけた。その横でクラスメイト達が嫌味ったらしくヘラヘラと笑っている。
はーぁ、一緒になって遊んでも遊ばなくても、梨奈が学校に来なかったら誰にだって選ばれる可能性はあるのに。なんて愚かなのだろう。
……あ、もうすぐ先生来ちゃうじゃないか。もう少し葬式ごっこで遊びたかったな。
「あんたの為に立派な葬式をたててあげたんだから、あんたが先生来るまでにちゃんと片付けておいてよね」
先生が来るまであと少し時間があるかな……。私は机を立ち上がり、みんなの方を向いて口を開いた。
「今日から、ブス子のことはクラス全員で遊ぼうと思いまーす。基本的には遊びには自由参加ですが、私が全員で遊ぼうと言ったら皆で遊びましょうねー!」
クラスメイト達は、私に合わせて笑っている人もいれば、私に見えないようこっそりと近くの人とヒソヒソと何かを話している人など、沢山いた。
まぁ、どっちにしろ次のターゲットはランダムに選ぶからどんな態度してようが関係ないんだけどね。
「あれー、皆ー。返事はどうしたの?」
私はにこやかに笑いながら行った。
「は、はい……」
クラスメイト達は皆、弱々しい罪悪感のある声で言った。
そうやって弱々しい声を出して「自分はやらされてるアピール」をしてるつもりなのかな?私はこいつらも苛めに参加しているのだから同じだと思うけど。
まぁいいや。私は前の席の梨奈にしか聞こえない声で梨奈に話しかける。
「皆から苛められるようになったら、流石にあんたの精神も限界になるでしょ。早く学校からいなくなれよ」
「おはようございます」
ちぇっ、なんで今担任が入ってくるんだよ。もっと梨奈の悪口沢山言いたかったのに。
それょりも、、サンシャイン様のすばらしさぉかたるべき!
みゅうなんとかゎくずだけどね、、、サンシャイン様ゎぇーぇんのぅつくしさぉほこる、、ゎら
>>87
関係のないレスは送らないで下さい。迷惑です
朝自習が終わり、私と桜と澄恋は梨奈を体育館に連れて行った。
一時間目は私の嫌いな理科の授業……サボりたかったからちょうど良かった。先生から信頼されている私なのだから、上手いこと言えば許してくれるだろう。
私達は体育館に入り、倉庫にあるロープを取った。そして端っこにある階段を昇りバスケットゴールにロープを吊るした。私はロープの先を輪っか状にした。
よしよし、こんな感じかな……。
「ねぇブス子ー、今から首吊してしんでよ」
私の隣で、桜と澄恋がニヤリと笑った。梨奈は驚いたような顔をした。
「な、なんでそんな事をしないといけないのですか?」
つまらないなぁ。すっかり喋る速度が遅くなっちゃって。
まぁいいや。話を続けよう。
「は?そんなのお前がこの世にいる意味がないからだろ?ブスで根暗で、勉強も運動もそれほど得意じゃない。そんなあんたが生きる価値なんてないだろ?」
「そうだよ、ブス子!」
「はやく自殺しろよ!」
そうして私は梨奈の首をロープに掛ける。
まぁ、もちろん自分の手は汚したくないので本気でころす事はしないけどね。ただ単に、梨奈の精神を傷つけたいだけなんだけど。
「ほら、早くしにな!」
私は怖い笑顔を作り、叫んだ。すると梨奈が泣きそうな顔をした。
「い、嫌です!しにたくないです!やめてください!」
すると、私は梨奈の体をパッと離した。私の隣で梨奈を抑えていた桜と澄恋も、梨奈の体をパッと離す。
「しょうがないなぁ。じゃあやめてあげるよー」
自分の手を汚すことだけは御免だからね。
「そのかわり……」と、私は続ける。
「あのさぁ、そんなに嫌だったら学校来ないでくれる?あんたがいるとブスが感染るんだよね」
すると梨奈は、首を大きく横に振った。
「私の親は……世間体を気にする人なので、不登校なんて許されません……」
ふーん。私と同じような親か。……許せない、こんな身近に同じような境遇な人がいるなんて。ますます親のことを考えちゃうじゃないか。
親のことを思い出したくないから、私はなんとしてでも梨奈を不登校にさせる。私はそう思った。
神小説
92:みぃ◆VZbV1gU:2020/08/03(月) 07:35 >>91 ありがとうございます!
私達は教室に戻った。とっくに授業は始まっており、私達は皆に一斉に見られた。そして教師が怒ったような顔をして口を開いた。
「里中さん、高梨さん、橘さん、佐崎さん。どうして教室から抜け出していたのですか?」
まぁ、そうなるのも無理ないか。まぁ、教師から信頼されている私がうまいこと言えば、なんとかなるだろう。
さて、どんな言い訳をしようかな。保健室に梨奈を連れて行ったとかだとつまらない。私の影響で、梨奈は教師から信頼されてないから……どうせならもっと梨奈の評価を落とそうかな。
「すみません、私達は嫌と言ったのですが……佐崎さんがどうしても授業中に抜け出したいと言ったので、仕方なく従ってしまって……本当にすみませんでした!」
そうして私達は深々と頭を下げる。
「佐崎さん、何回里中さんに迷惑をかけていると思ってるのですか?これに懲りてもう里中さんに迷惑をかけるのはやめてください!」
「はい……」
なーんてね。バーカ。お前の授業がつまらないからだよ。全く、どの先生も中学生に騙されちゃって。つまらないなぁ。
退屈な理科の授業が終わり、私は理科の教師がいなくなったのを確認すると、大きな声を出した。
「三年一組の女子ー、女子トイレに集合ー!」
理科の授業中、私は新しい遊びのネタを思いついた。私達だけだとつまらないので、一組の女子全員で苛めようと思った。
味方は多い方がいいに越したことはないからね……。
私達は先に梨奈と一緒にトイレに入った。そして私はにこやかに梨奈に笑いかけた。
「ねぇブス子ー、新しい遊びを思いついたんだー。クラスの女子全員で遊ぶから楽しみにしててよ」
「は、はい……」
横から澄恋が私の肩をトントンと叩いた。
「何?澄恋」
私は梨奈に聞こえない声で言った。
「あのさ、私達は何をすればいいの?」
「それは後でのお楽しみ、ね?」
「そっか、じゃあ皆来たら教えてね!」
私は小さく頷いた。
あぁ、早く皆来てくれないかなぁ。
澄恋と話し終わると、クラスの女子がぞろぞろと入って来た。
「ルール説明!今からブス子の制服をビリビリにしようと思いまーす!」
そして私は家や教室からから持ち出した鋏やカッターを入れた入れ物を皆に見せた。
「制限時間は休み時間が終わるまで!それまでブス子の制服を皆で好きなようにアレンジしましょう!数は人数分なかったから仲良く使ってね」
私が手をパンと叩いて合図すると、皆一斉に入れ物から鋏やカッターを取り出し、梨奈の制服をズタズタにしていく。
私は一歩下がってその様子を楽しんでいた。
ああ、なんて見苦しい……。私に遊ばれるのが嫌だからって私に従っちゃって。とても見苦しいが、とても美しい。
可愛い私は自分の肌を切りたくないんでね。だから特別可愛くないこいつらに任せればいいんだよ。
女子全員でやっているので、いつの間にか梨奈の制服はボロボロになっていた。
私はこっそりと女子トイレを抜け出し、時計を確認した。
……楽しい時間はあっという間だなぁ。もうあと二分ぐらいしかないじゃん。
「みんな、そろそろ終わり。あと二分でチャイムなるから」
「そっか。ありがとう、里中さん」
「皆は先帰っててよ。私達で後は処理するから」
そうして女子達が帰っていき、トイレには私と桜と澄恋と梨奈だけになった。私達は梨奈を指差して爆笑した。
「あはは、だっさーい!露出狂じゃん。男子の目狙ってるの?」
私達は笑い続ける。私の視界の真ん中で、悲しそうな目をしている梨奈。その光景が凄い美しい。
「あ、これじゃ恥ずかしくて授業出れないよね。今私達と一緒に教室に戻ったら私達が怪しまれるからさー、二時間目は出なくていいよー」
「あはは、茉莉やっさしー」
クスッ、相変わらず言ってくれるなぁ。
「茉莉、大丈夫?もうあと一分ないんじゃない?」
そうだった。つい夢中になっていた。先生を味方につけたい私にとって、チャイム着席を守らないだなんてもっての外なのに。
「じゃあブス子、二時間目はずっとここにいてね。じゃーねー」
結局、私は二時間目が終わっても梨奈を出さずに、トイレ用具を梨奈の入ってる個室にかけて梨奈をトイレに閉じ込めた。
クスッ、梨奈は今頃どんな気持ちになっているんだろう……。想像しただけで胸がゾクゾクする。
放課後、私と桜と澄恋は今一緒に帰っている。
「茉莉ー、ブス子のこと出さなくていいのー?」
「は、いいでしょ。そのうちすぐ先公に見つかるに決まっているし」
その瞬間、私達三人の中で笑いが起きた。
「だってさー、やじゃん?あんなブスで露出狂のブス子を私達が出すなんて、さ」
「ははっ、だよねー。ブスはブスらしく、私達の言いなりになっていないと!」
私から見たら、梨奈よりあんたたちの方が私の言いなりに見えるんだけどね。その自覚がないとか本当に馬鹿だなー。
しばらく話しているうちに、桜と澄恋と別れる道になった。
「じゃあ茉莉、また明日ね」
「うん!またねー」
私は公園の時計をちらりと見た。
……よかった、今この時間帯ならきっと絶対に間に合うよね。
ガチャ。私は家の窓を開ける。その瞬間、お酒の瓶がバリンとこっちに来た。しばらくしたら、酔っ払って顔が梅干しのように真っ赤になった男がいた。
「おい、下僕!今日酒買うって約束だったろ!何遅れてんだよ!」
約束の時間より、私は早く帰ってきた。なのに瓶を投げつけて怒鳴るこの男。
こいつらは、私を「モノ」「下僕」などと言う。こいつらにとって、私は召使いのロボットでしかないのだ。
「すぐ行きます」
「父親が待ってるんだぞ!とっとと行って来い!」
対して親らしいことをしてない癖に、こんなときだけ自分のことを「父親」と呼ぶんじゃねぇよ。人前にいるときだけしか私の名前を呼ばない癖に。
酔っ払いすぎて床で爆睡している男に対して、私はまた思う。
私はこいつみたいに、落ちぶれた人生なんて送らない。折角苛めをして学校で居場所を見つけて、ストレスも発散できてるんだから……絶対こんな男を人生の見本になんてしない。
そう思いながら私は酒を買いに家を出た。
「はい、お父さん」
私はお酒を買い、男に酒を渡した。男は乱暴に酒を取る。
「あ?なんでこんなに遅いんだよ!待ちくたびれたわ!」
男は私に蹴りを入れた。
時計をちらりと見るが、全く遅くない。近くのスーパーで買ったので、十五分ぐらいしか経ってない。それなのにこの男は私に暴力を奮ったのだ。
キッチンにいる女は見てみぬふり。
人間なんて結局その程度の生物なんだ。
私は二階に上がり、自分の部屋のベットに通学バッグを乱暴に叩きつけた。
はぁ、だから家に帰りたくないんだよ。どうせならずっと学校で、皆が寝ようとする時間になっても梨奈を寝かせずに二十四時間ずっと苛めたい。
はぁ、こんな時はインターネットで歴代の苛め自殺事件でも調べて、苛めの資料を探しますか。
冬休み明け。うちらの学年は受験間近で皆忙しそうだった。
まぁ、私は推薦入試でもう受かっているから関係ないんだけどね。受験間近でも変わらず苛めができて嬉しい。桜と澄恋も推薦で受かっているので、私達三人揃って苛めができる。
さーてと、今日はどんな苛めをしようかな……。……そうだ、受験間近なのだし、梨奈の筆記用具とかを壊して勉強の邪魔をするのはどうだろう。……あと、先生に根も葉もないことを言って、梨奈の内申点を下げるのもいいかもね。
「ブス子、おっはよー。明けましておめでとうー」
「明けましておめでとうございます……」
梨奈は俯きながら挨拶した。
私は梨奈の筆箱からシャーペンを取り出す。
「年賀状もらってなかったから年賀状代わりにシャーペンちょーだい!」
私は梨奈のシャーペンを窓から投げた。
「あんたみたいなブスに、あんな可愛いシャーペンは似合わないよー」
私は、また遊びのネタを思いついた。ちょうど梨奈と話している最中だったので、私はついでに言おうとした。
「ねぇブス子、あんたまた授業妨害してよ。先生に『教え方が悪い』とか『声が小さい』とかの文句を言ってね」
「そ、そんな……!」
今回はどの先公をターゲットにしよう……。国語と理科の教師はあっさりと騙されて、梨奈の国語と理科の成績は下がっただろうし……。
今日の時間割を確認する為に、私はちらりと後ろの黒板を見る。
「じゃあさ、三時間目の数学の時に授業妨害してよ。まだブス子に数学の授業の妨害をさせてないからね」
「………………」
「何?やらないって言うの?」
私は梨奈を睨み、指を梨奈の顎に乗せて顔を近づける。
私の思い通りにならないなんて許さない。私は学校の女王様なのだから。
「はい、わかりました……」
はぁ、やっぱり私の思い通りじゃないとね。
数学の授業中。私は梨奈に合図を送るように梨奈に向かってニヤリと笑う。
「先生、声が小さいです!それと、全然授業が分かりません!」
梨奈が先生に苦情を言い始めた。
あーあ、いい気味。受験間近で成績が落ちるなんて。なんて面白い。
「こ、このぐらいで聞こえますか?佐崎さん」
先生が梨奈に戸惑ったような声で問いかける。
あーあ、どいつもこいつも私が全て操っていると知らずに梨奈だけを疑っちゃって。馬鹿だなぁ。
「全っ然聞こえません!先公、もっとゆっくり、大きな声で!このブス教師!」
はっ、梨奈も随分とやってくれるではないか。
教師が怒りと羞恥で顔を赤くする。
「なっ……。使っていい言葉といけない言葉があります!佐崎さんの言動は、非常に失礼ですし立派な授業妨害です!」
その後の数学の授業は、梨奈と先生の言い争いで終わった。
こんな退屈な授業、推薦でもう受かってる私には関係ないんだよね。だから私が梨奈のようなろくに勉強が得意じゃない奴に授業妨害をさせるのは当たり前。
休み時間、私は梨奈の机に向かった。桜と澄恋、そして近くにいたクラスメイトも私によって来る。
「ブス子ー、さっきは授業妨害してくれてありがとー。お礼にいいことしてあげるー」
そうして私は梨奈の椅子を引き、梨奈は地面に転げ落ちた。その様子を見ているクラスメイト達が、一斉に笑う。
「ははっ、本気でやるとか馬鹿だねー。こんな受験間近な時に自分の成績を下げるようなことなんてして。でもあんたのおかげで暇潰しが出来たからさー、お礼にメンタルを鍛えてあげる」
私は梨奈のお腹を力強く蹴った。
「あんたみたいな馬鹿な奴には、こういった無様な姿がお似合いだよー」
梨奈とやりとりをしている間に、休み時間が残り二分程度になっていたので、私は机に戻った。
今日も帰りの会が終わり、退屈な学校生活が終わった。
……ったく、梨奈を苛めることしか楽しいことがないんだから。卒業まであと三ヶ月ぐらいしかないっていうのに。
私は退屈なので、暇潰しに梨奈と遊ぼうと思い、梨奈の机に向かった。そして、私は梨奈の社会の教科書をビリビリに破いた。
「あ、ごっめーん!ちょっと手が滑っちゃったー。でもこれじゃ受験間近なのにろくに社会の勉強が出来ないよねー。まぁ頑張ってねー」
梨奈はただただ呆然とこちらを見ている。その反応に私は苛立ったので、梨奈の髪をぐいっと引っ張った。
「あのさぁ、そうやって教科書や参考書を学校に持ってこられると、つい破きたくなるんだよねー。だからさ、明日は受験用の参考書とか持ってきてよー。………まぁ、今日の遊びはこれで最後にしてあげる。じゃーねー」
私は笑顔で言いながら、桜と澄恋と一緒に帰るために二人の机に向かった。
あれ?桜と澄恋がいない。……ったく、下僕の癖に先に帰りやがって。私のおかげで苛められないですんでるんだから、毎日一緒に帰ることぐらい当然だろ?ったく、この恩知らず共が!
私はイライラし、ドスドスと階段を鳴らしながら下駄箱に向かった。私は自分のロッカーを見つけ、靴を取り出そうとする。すると、そこにはパソコンで文字が印刷されている紙切れが入っていた。
……ん?なんだろう?手紙?
私は、私の靴の中に入っていた紙切れを心の中で読む。
「里中さんに伝えたいことがあります。体育館で待っています」
ふーん、誰からだろう。もしかして、可愛い私に誰かが思いを伝えようとしている……?
私の心臓の鼓動が早くなっていく。
誰が相手なのかなぁ?……やっぱり美人な私に告白するのは文武両道で顔も性格もいい完璧な男子……?あぁ、楽しみ。
私はウキウキした気持ちで、階段を下っている時とは対照的な、軽やかな足取りで体育館に向かった。
私は体育館の扉を開ける。だがしかし、そこには誰もいなかった。
もしかして、いきなり出てきて私を驚かせて告白するのかな……?更に胸がドキドキしてきた。
どんな人なんだろう?同学年?それとも一年か二年の後輩?……顔が良ければ何歳でもいいや。性格は後で変えられても、顔は変えられないからね。それに、私みたいな美人の隣は、やっぱり格好いい相手を歩かせておかないと!
そんな妄想をしていても、誰も来ない。色々と妄想をしているうちに、七分ぐらい経っただろうか。
「すみませーん!誰かいますかー?」
私は大きな声で叫んでみた。
パシャンッ。私の背中に水がかかったような気がした。後ろを見てみると……。
何これ?水風船?!なんでこんな……。誰がやったの!?
「あっはははは!!派手に当たっちゃってのろまだなー。バーカ!」
体育館の舞台から、聞き覚えのある声がした。
後ろを振り向いてみると、そこには思いもよらない人達が私を見て笑っていた。
「まんまと引っかかっちゃって。茉莉のバーカ」
「う、嘘……?なんであんた達が?」
そこにいたのは、桜と澄恋だった。
「嘘でしょ……?なんで……」
「は?私達が、あんたなんかに本気で協力すると思ってた?本当の友達だと思ってたと思う?最初からあんたなんて、暇潰しに都合のいい道具としてしか見てなかったんだよ!」
は?なんで?都合のいい道具?こいつらは私の恩を忘れた訳?私の下僕でいるから、苛めのターゲットにされないですんでるのに。
私は脚をダンと強く鳴らす。
「あんた達……ふざけないでよ!誰のおかげで今までいい思いしていられたと思っているの?」
すると、二人は呆れたようにため息をつく。
「何?茉莉のおかげとでもいいたいの?最初からあんただって、私達の事を下僕としか見てないくせに。バーカ」
なっ……。私は馬鹿じゃない!私の顔は、怒りと羞恥で一気に赤くなる。
「私は馬鹿じゃない!成績も良くて、こんなに長く苛めの内容を考えることができて……馬鹿じゃない!」
「いーや、馬鹿だよ」と、澄恋が首を横に降る。私は訳がわからなくなった。
「だってさ、この間私達が茉莉の苛めの内容を担任にチクった時さ、私達だって気づかなかったじゃん?」
私は驚いた。
え、あれって梨奈じゃなかったの?う、嘘でしょ……?
それに続くように、桜が言葉を発する。
「それにさ、茉莉って自分の居場所を見つける為に苛めをしたんでしょ?弱い者を苛めて自分の地位を高めて居場所を求めてもさ、それって本当に居場所を見つけたわけじゃなくない?」
……だって、他の奴らは私と違って親の愛情を受けて育ってきたから!だから愛情のない生活を味わってほしくてやったこと。ただそれだけなのに!
「だからさ、もう私達はあんたに付き合わされるのは限界なんだよね。だからさ……明日から私達があんたがしてきたことをそっくりそのままやるつもりだから」
それって苛めを受けることでしょ?……許せない。私なんて、美人で勝ち組な筈なのに。私が苛められる意味なんてない!
「なんで……酷いよ!」
「あんたが苛めをしてきた年月と比べたら、私達の苛めなんて比にならないでしょ」
「や、やだ!私は……」
「あ、嫌なら私達を苛めたらー?まぁどうせ無理だよねぇ。だって、一人だと何も出来ないから私達を下僕にしたんでしょ?」
「違う!違うってば!」
二人は、私の意見を聞かずに笑いながら帰っていった。
私はしばらく体育館でぽつんと一人で立っていると、ようやく我に返り私はゆっくりと歩きながら家に向かった。
あまりにも突然のことで動きはかなりゆっくりとしているが、頭の中はとても焦っていた。
嘘でしょ?私が……苛められる?しかも下僕だったあいつらに?!
意味がわからない。なんで……なんであいつらは私を裏切ったんだ?私はあの二人を下僕にして、苛めのターゲットから外してやったのに。
裏切ったな、あいつら……絶対に許さない。
本当は、あの二人をこの手でころしたいぐらいだ。しかし、そんな事がバレたら私は先生から信頼されなくなり、折角推薦で高校を合格出来たのに、高校にバレて推薦を取り止められるかも知れない。
大体、私が苛められるなんておかしすぎる。私は顔も可愛くて、頭も良くて、苛めで皆のメンタルを鍛えてあげた……。こんなのおかしすぎる!
私の心の中は、二人への怒りと恨みでいっぱいになった。
あいつら……覚えておけよ!!!!!
私は家に帰り、怒りをぶちまけるように通学バッグを床に置いた。
私は携帯を開き、二人に文句を言う為に桜と澄恋との三人のグループラインを開こうとした。……しかし、澄恋によって私はグループを退会させられていた。
ふんっ。まだ個人の方があるんだから。文句なんていくらでも言える。
私は桜との個人のラインを開いた。そして、今の心の感情を表すかのように乱暴に文字を打つ。
「なんであんたなんかが私を苛めるわけ?意味わかんない!」
すると、タイミングが良かったのかすぐに返信が来た。
「なら、なんであんたが苛めをするのかもわからない」
わからない?なんで?私はただ、楽しいからやっていただけ。自分のやりたいことをして、何が悪いの?
私が返信する前に、桜から新しいメッセージが来た。
「とにかく、私はあんたに今までやられた借りを返すだけだから。そんなに苛められたくなかったなら、そもそもあんたが苛めをしなければ良かったんじゃない?」
「まぁ、そういうことだから。じゃあね」
うるさい。意味わかんない。なんで?私は苛めをしてもいい立場なのに。
桜とは話にならない。澄恋に文句を言おう。
「なんであんたが私を苛めるの?意味わかんない」
私は澄恋にイライラした気持ちをぶちまけるように乱暴にラインを送信した。
「意味わかんないのはこっちなんだけど。あんたがストレス発散の為に私達を利用した方が意味わかんない」
は?桜も澄恋も一体なんなの?私のおかげで今までいい思いしてきたっていうのに。
更にイライラしてきた私は、じっと携帯を見ているとますます落ち着かなってきたので、激しく貧乏ゆすりをし、ギュッと唇を強く噛んだ。
「今まで私のおかげでいい思いしてこれたのに?」
「こっちは頼んでないし。お願いしてきたのはそっちでしょ?」
何なの?それに賛同したのはこいつらなのに……。私は何も悪くない!!
「あーもう、あんたと話しているだけ時間の無駄だから。とにかく明日楽しみにしててね」
私のイライラは頂点に達し、私は通学バッグを強く蹴った。
何なの……?意味わかんない。あいつらなんて……消えろ!!
翌日、私はようやく冷静さを取り戻した。普通に考えて、まずあり得ない話だと思ったからだ。何故なら、あの二人は何も断れない人だから、苛めをする勇気なんてないに決まっているだろうからだ。
落ち着け、私……。あんな勇気のない奴に、苛めなんてできる筈がない。私は自分に強く言い聞かせた。
登校中。今日は天気がよく、冬だけど上着がいらなそうな気温だった。
ふーっ、今日も青い空が広がっていて、絶好の苛め日和だなぁ。清々しい天気を横に、梨奈の心はどんどん曇っていく……。クスッ、考えただけでニヤニヤしてくるなぁ。
まぁ、昨日のことは忘れて、今日の遊びの内容でも考えますか。………そうだ、桜と澄恋に痛い目を見させて、他の人を下僕にするのもいいかも。そして梨奈から桜達にターゲットを移すのもいいかもね。梨奈を苛めてもう一年ぐらい経ってるし……そろそろ変え時だろうし。
そんなことを考えている内に、校舎が見えてきた。
「里中さん、おはようございます」
「おはようございます」
私は深々とお辞儀をして校舎を通る。
私の裏の顔も知らないで私のことを信頼しちゃって……可哀想だなぁ。
教室の前に着き、私は自身に満ち溢れた顔でドアをガラッと開けた。
葬式ごっこの話実話なんだよね...
113:AL ◆6.:2020/09/05(土) 10:04凄く面白い!続き期待です!
114:みぃ◆VZbV1gU:2020/09/05(土) 20:19 >>112
はい、実話の話を元にして書きました。
>>113
ありがとうございます!
しかし、私の希望は次で一瞬で消された。
バシャッ。何これ?バケツ?嘘でしょ、まさか……。
私はびっくりして前をよく見ると、桜や澄恋を先頭に、クラスメイト全員が私の前に立ちふさがっていた。
「ばーか。昨日忠告したのにまさか本当に来るとはね。度胸のある人だねー」
「さ、桜!なんで、本当に……」
「え?昨日忠告したでしょ?明日からあんたに仕返しをするって。ついさっき、あんたが来る前にクラスの全員に伝えておいたから」
な、なんで……。なんでこいつらなんかに苛めができるの?何も断れない気の弱い人達なのに……。
クラスの皆が、勝ち誇ったような表情で私を見ている。
こんなの、卑怯だ……。顔もそこまで可愛くないこいつらが、クラスの人全員を味方につけるなんて。
「私達に今までしてきたこと、反省してよ!」
「そうだよ、バーカ」
皆が、私に色々な悪口を言ってくる。
こんなの……酷い。一人で味方のいないことを良い事に、皆で悪口を言うなんて。……こういうことをしていいのは、私だけなのに!!
思い切り叫びたいが、桜と澄恋がいないせいか、全く声がでない。
その瞬間、澄恋がニヤリと笑いながら声を発した。
「味方のいない茉莉なんて、全く怖くないね。さぁ皆、遠慮しないでこいつと遊ぼー」
その瞬間、澄恋が私のお腹を力強く蹴ってきた。私はその痛さで、その場にしゃがみこんだ。しかし、澄恋と桜がぐいっと私の腕を引っ張り、無理矢理立たせた。
痛い、酷すぎる……。
「あんたなんかに休ませるかっての。あんたなんかに休む権利なんてないんだよ!」
「私達がこいつのこと抑えてるからー、こいつに恨みのある人、どんどん殴っちゃってー」
二人が言葉を発してから、私が今まで苛めてきた人達が私のことを殴ったり髪を引っ張ったりした。
「いや、痛い。やめて……」
私がそう言っても、クラスの皆はやめない。
なんで……。私がクラスの女王様なのに……。私の言う事は絶対な筈なのに……。
「ふん、あんたが今までしてきた事に比べたら、今あんたが喰らっている痛みなんて、比にならないよ!」
クラスメイトは、皆私への恨みを晴らすように私への暴力をやめない。
嫌だ嫌だ。こんなのおかしすぎる!……でも、なんで……?言葉が出ない。
「おっと、もうすぐ先生来るし、続きは学級会の後にしますか」
「そうだね、じゃあまた後でこいつに仕返しをしよー」
皆はつかつかと自分の席に戻っていく。
嘘でしょ?まだ続くの……?
「結局あんたって、一人じゃ何もできない弱い奴なんだね」
桜がそう吐き捨てて席に戻っていった。
学級会が終わり、担任がいなくなると、皆は自分のロッカーから教科書を取ろうとしていく。
皆が取りに行っているところで取りに行くと、また何かされそうだな……。
「何やってんの?早く取りに行きなよ」
私は人が減っていくのを見ていると、後ろから背中をドンと押された。そのせいで私は思うように立ち止まれなく、教科書を取り出しているクラスメイトに思い切りぶつかった。そのクラスメイトは、私を睨んでガッと私の胸ぐらを掴む。
「お前、何ぶつかってんだよ。危ないじゃないか」
「こ、これは、その……」
私は手で腰を押されて、地面に付き倒された。
「お前の言うことなんて聞くかよ、この弱虫!!」
弱虫?私が?こんなに皆のことを支配していたのに?なんで?意味わかんない。……きっとこいつの頭が悪いだけだよね。
そのクラスメイトは、私の髪をぐいっと引っ張って自分の席に戻っていった。その様子を見ていたクラスメイト達が、こちらを見てクスクスと笑っていた。
>>114 そうなんですね、
こわい、、、
>>117 コメントありがとうございます
痛い……。さっき髪を引っ張られた所の頭が、まだ痛みを感じる。
まぁいいや。今は授業中。私は教師から好かれているので、誰かが私に嫌がらせをしていることがバレたら、その人は間違いなく先生から目をつけられるだろう。
そう思い、私は自分のノートを開いた。しかし、そこには思いもよらない物があった。
何これ、落書き……?酷い、なんでこんなことするの?!
ノートには、「しね」や「いじめ大好き野郎」や「迷惑者」などのあまりにも酷い内容の落書きでニページ分埋め尽くされていた。そのうえ、油性ペンで書かれているので消すことができない。
(もしかして……)と思い、私は他のページも見てみると、私が綺麗に板書していた所は全て油性ペンて塗りつぶされていた。
折角綺麗に板書していたのに……。これじゃあノートを提出できないじゃないか。学年末テストの後に、ノートを提出しないといけないのいうのに。なんてことをしてくれるんだ。
続き気になります!
120:みぃ◆VZbV1gU:2020/09/10(木) 17:23 >>119 ありがとうございます
キーンコーンカーンコーン。私が落書きに気を取られている間に、いつの間にか授業が終わっていた。
まぁ、もう推薦で合格しているから、一回ノートを出し忘れたぐらいどうってことないかも知れない。桜も澄恋も甘いのなんのって。これだから初心者は嫌なんだよ。
その瞬間、誰かが私の椅子を引いた。そのせいで私は椅子から転げ落ちた。
痛い、誰がやったの……?そう思い後ろを振り返ってみると、小学校の頃からずっと私の苛めを遠くから見ていた女子二人が立っていた。
「あはは、良い気味!ノートもあんなふうにしちゃってさ。ブース」
嘘?桜と澄恋がやったんじゃなかったの?……こいつら……今まで見ているだけだった癖に。調子乗るんじゃねぇよ……と、言いたい気持ちなのに、また何故か口に出せない。何故だ、何故なんだ……。
「やっぱりあんたってさ、一人じゃ何も言えない弱虫なんだね」
二人は私に指を指して馬鹿にしたように笑った。
な、何言ってんの……?いきなりこうなってびっくりしたから言えないだけで……そのうちまた私が学校の女王様になるに決まっている。
女王様は、私しかいないんだから。
毎回続きが楽しみです!
これからも頑張ってください!
応援しています!
あ、ごめんね乱入みたいになっちゃうけど、
専スレ来てくれる?
みぃちゃん!
>>122
うん、分かった
私は教室にいると四六時中苛められると思ったので、女子トイレに向かった。個室に入れば誰も来ないと思ったのだ。
椅子を引かれて転んで足が痛いが、今は足の痛さなど気にしてはならないのだ。ここにいると皆が私を苛めて来る。一秒でも早く逃げなければ。
トイレは教室のすぐそばにあるので、さほど距離はない。しかし、椅子から転げ落ちるというのは本当に痛い。遊び半分で皆やりがちだが、意識してないで突然転げ落ちるというのはやっている人たちが思っている以上にびっくりする。本当にこういうこと、やめてほしい。
それにしても、皆考えが甘いんだな。個室に入っちゃえば終わりなのに。やっぱり私の苛めを見ているだけじゃ駄目なんだね。苛めをしていいのはやはり私だけなんだな。
これで休み時間の逃げ方は分かった。授業が終われば、一刻も早くトイレに逃げ込めば良いだけだ。こんなにも早く答えが見つかるなんて……皆弱い弱い。
さて、あとは登下校の時と授業中の逃げ方だろうか。………まぁ、登下校中と授業中は先生達がいるので、そこで苛められる可能性は低いと考えよう。先生のいる前で先生から信頼されている私を苛めるほど、皆馬鹿ではないだろう。
そんなことを考え、足の痛さを我慢しながらなんとかトイレに辿り着いた。いつもは全く時間が掛からないのに、足が痛いせいか結構な時間が掛かった気がした。何も考えないで呑気に歩いていた方がもう少し早く感じただろうか。
そんなことはどうでもいい。もう休み時間に苛められることはなくなるんだから。ふふっ、随分と短い遊びだったなぁ。
ガチャリ。私はトイレのドアを開ける。すると、クラスの女子達が沢山溜まっていた。そのうち何人かの女子が私に気づき、驚いた表情で私に指を指し、私を見る。
「本当だー、高梨と橘の言ったとおりだ」
「あっははは!本当に来たー!!」
一時的に皆同じ表情をしたが、その後の皆の表情は、私をからかう様な笑顔を浮かべたり、驚いたままだったり、私を睨んだりと十人十色になった。
な、何……?本当に来た?桜と澄恋の言った通り……?もしかしてあいつら、クラスの奴らに口裏を合わせていたのか?……嘘だろ、信じられない……。
そっか、クラスで一番頭のいい桜の仕業か。ただ勉強ができるだけの頭でっかちな奴ではなかったのか……。私の行動や心理もしっかりと読むことのできる人だったのか……。
すると、女子トイレにいるクラスメイト達がいつの間にか私を囲んでいた。
「私達さぁ、高梨達にあんたがここに来たら苛めるように頼まれているんだよ」
くそっ、やっぱりあいつらが仕込んでおいたのか。頭のいい桜と計算高い澄恋を下僕にしておいたのが駄目だったか………。なんであの時の私はあの二人を下僕にしたのだろう……。
すると、前の方にいた女子が私を壁に追い詰めた。その女子は私を壁に追いつめると、壁を力強くグーでパンチする。
「私達さぁ、あんたには昔から借りがあるんだよ。その借り、少しずつ返してもらうよ?」
「そうだ、そうだ!私だって返して貰う!」
……ごちゃごちゃうるさいなぁ。私が一人でいることを良い事に皆好き勝手言いやがって。皆でいないと何もできない奴の集まりな癖に。
すると、後ろの方にいた女子が掃除用具入れからバケツとモップを取り出してきた。ここにいる女子は私を入れないで三人なので、十分に数は足りた。
こいつらは、バケツの水を掛けたりして私を汚そうとしているつもりだな……!?なんてことをしようとしてるんだ!可愛い私の外見を汚そうとするなんて……。
絶対こいつらは美人な私に嫉妬しているんだな?この嫉妬野郎共め!ただの嫉妬で私の外見を汚そうとするなんて……酷すぎる。
言いたい事は沢山あるのに、やはり口にする事が出来ない。
すると、三人の中の一人が私にバケツの水を思い切り掛けてきた。そのおかげで、私は体中ずぶ濡れになった。
ずぶ濡れになった私を見て、皆はこちらを指差して笑っている。
「あっははは!良い気味。皆、もっとやっちゃおうよ!」
すると今度は雑巾とモップで私の顔や制服を濡らしてきた。
おぇ……トイレの掃除に使われている雑巾とモップは自分の思っている以上に臭い。私の綺麗な顔にこんなことしやがって……。ふざけるなよ?
しかし、顔につけられている雑巾やモップのせいで、一言も話せない。こいつらは、雑巾とモップを交互に顔に当て、もう一つは制服に当てている。
数分経つと、今度は手の開いている一人がトイレの便器からバケツで水を組み、その水を私にバシャバシャとかけてきた。バケツの水が無くなると組み、またなくなると組む……そんなことを繰り返された。
「あっははは!!やれ、やれー!」
私はただ、時間が経つのを待っている。
「ねぇねぇ、あと三分だよ?」
……よかった、終わったのか……。ようやく解放される……。自分が苛めをしていたときはあまりにも楽しくて、直ぐに時間が経っていたが……自分がやられると長く感じる。
しかし、私の制服などは池に飛び込んだかのように、非常に水浸しになっていた。今までの人生でこんなに水に濡れたのは初めてだ。
まともに水にかかったことなんて、小学二年生の頃に遊びで当時のターゼットにバケツの水をかけたときにたまたまその水が少しかかった程度だ。
どうしてくれるんだよ。可愛い私の姿をこんな風にしやがって。これじゃあ授業に出れないじゃないか!
私の席は、後ろの方にあるので水に濡れた程度ではあまり気づかれないだろう。しかし、優等生で美人でクラスの女王様な私が、こんな姿で授業に受けるだなんて有り得ないのだ。
全部こいつらのせいだ!片付けぐらいはこいつらにやってもらわなくては……。
すると、私を苛めていた女子一人が私の背中を蹴ってきた。
「何のんびりしてんの?あんたがこれを片付けるんだよ!」
なんで私が片付けないといけないの?こいつらが掃除用具を出したのに。それに……私はクラスの女王様なんだぞ?なんで私がこいつらの言う事を聞かないといけないの?
「は?もたもたしてないでさっさと片付けろよ!」
「は?」と言いたいのはこっちだ。
「あんたが最初から苛めなんかしなければ、こうなることもなかった。だから、お前がこうやって少しずつ皆に謝罪するのは当然でしょ?」
「ほら、早く片付けろよ!おい!」
私をもて遊んでいた女子は、私を蹴り飛ばして脅してきた。
私が、謝罪……?どうして?私はただ、自分のやりたいことをやっていただけなのに。なんで私が皆に謝罪しないといけないの?
今すぐ文句を言いたい所だが、授業をさぼると先生からの信用が失われるので、ここは従っておいたほうがいいか。気持ちに余裕が出て来たら、その時に倍に返せばいい。
私は嫌嫌こいつらに従ってやった。渋々と乾いた雑巾を手に取り、床の水を拭いていく。
「ほら、もっと早く!早くしないと休み時間終わるんだよ!」
後ろからモップの先で私を思い切り叩いてきた。
……ごちゃごちゃうるせぇな。私の下僕である筈のこいつらの言う事を仕方なく聞いてやってるのに。先生から嫌われたくないから、言われなくても従うっての。
「ねぇねぇ、ちょっと時間見てきてよ」
そう命令された女は、床を拭いている私の頭のを軽く踏んづけ、時計を見に行った。
軽々と踏むんじゃねぇよ。あっちは軽い気持ちかも知れないが、こっちは十分痛いんだよ。何更に私を汚してくれてんだよ。
「あと二分だったよ」
時計を見に行った女が帰ってきた。
「そっかぁ。じゃあうちらはもう帰ろう。……あ、あんたはしっかりと掃除しといてよね」
は?なんでこいつら、私を置いていくの?意味分からないんですけど……。
ええい!なんで水をばら撒いたあいつらは私より先に戻るのに、私は戻れないのだ!こんなのはおかし過ぎる。私も戻ろう。もし掃除していないのがバレても、トイレに行かなければいいだけだ。
あの女……あと残り二分と言っていただろうか。そうするとあと一分ぐらいか。あらかじめ授業の用意はしてあるので、おそらく急げば間に合うだろう。
私は、いつもより気持ち早めに教室に向かった。できるだけ早く着きたかったが、脚も痛いので脚にも気を配りながら、早く丁寧に向かった。
私をこうやって急がさせたのも、全部あいつらのせいだ!あいつら……あとで覚悟しておけよ。何百倍にも返してやるからよぉ。
ガラッ。私は教室のドアを開けた。
よかった、間に合った……!
まぁいいや。あいつらにまだ苛立つ気持ちはあるが、今は早く自分の席に着くのが最優先だ。あいつらへの復讐方法は授業中に考えるとしよう。成績優秀な私なのだから、少し授業を聞かなくてもなんとかなるだろう。
キーンコーンカーンコーン。私が席に座ったのと同時に、授業が始まるチャイムがなった。
さてと、あいつらへの復讐方法を考えますか。
どんな風に倍に返してやろう……。ありきたりな苛めだとつまらないからなぁ。どうせなら自殺に追い込むぐらい復讐してやらないと。下僕の身分で私に逆らったぐらいのことをしたのだから。しんで償って貰わないと。でも自分の手は汚したくないから新しい下僕に全部やらせるか。その時までに新しい下僕を見つけ出さないとな……。
いや待てよ、新しい下僕が私に命令されたとか言ったら最終的に自分の手が汚れてしまうぞ……。自分の手が汚れてしまったら終わりだからな……。
そうだ、いっそのこと一定の期間は抵抗せずに大人しく苛められて、こっそりと証拠の写真を集めて校長やあいつらの親に渡すのもいい手だな……。そうすれば皆から冷たい目で見られて精神的に追い込まれる筈だ。
……あ、桜と澄恋にも復讐しないと駄目だな。元はと言えばあの二人が私を裏切ったからなのだから。それと、私が独りになってから手のひらを返してきたクラスメイト達も。
……そうだな、そいつらも証拠写真を集めて精神的に追い込むとしよう。それが一番無難で自分の手も汚れないやり方だろう。
授業が終わり、私は教科書をロッカーに入れようとした。すると、後ろから桜と澄恋に腕をがしりと掴まれた。
「あのさぁ、あんた授業妨害してくれない?私達、もう推薦で受かっているから退屈なんだよねぇ」
授業妨害………?ふざけるな。授業妨害なんてしたら、先生からの信頼が落ちるじゃないか。何故散々いじめられている上に、先生から嫌われなくてはいけないのか。
今まであまりにも衝突なことが続いて何も言い返せなかったが、これだけは断らなくてはいけない。そう思った。
「嫌に決まってんだろ?私は先生から信頼されてんだよ……。その信頼を失ってたまるか!」
この二人が私を裏切った時に私に反発したように、私もこの二人に反発する。
すると、二人は参ったかのように残念な表情を浮かべ、やがて仕方のないようにため息を吐きながら言葉を述べた。
「そっかぁ、信頼されている人からの信頼を失うのは流石に嫌かぁ」
「茉莉を信頼している人が可哀想だしね」
フッ、ようやく分かったか。この馬鹿共が。
そもそもこいつらは、本来なら私の一番の下僕でいなくてはならない存在なのだ。あんたらの命令なんて聞けるかよ!
「今回はあんたの言う事を聞いてあげる。感謝しろよ?」
そう言って二人は私の前から去っていった。
給食の時間になった。私達はいつものようにグループを作り、皆楽しそうに話しながら食事をしている。
私達の班の皆も、楽しそうに会話をしている。
よし、私もいつものように会話に混ざりますか!
「ねぇねぇ、何話しているの?」
私は笑顔で皆に聞こえる声で話しかけた。しかし、私の言葉はあっけなく無視された。
会話をしている所だったので聞こえなかったのだろうか?……まぁいい。もう一度話しかければいいだけだ。
「あの、聞こえないの?!私の言葉!!」
さっきより大きい声で言ったつもりだが、誰も返事をしてくれない。
「ねぇ、さっきいじめっ子の声がしなかった?」
「うん。でも無視していいでしょ。だっていじめっ子はクラスで不要な人物なんだから」
私が、クラスで不要……?ふざけるな!成績優秀で美人な女王様だぞ?なのに何故このクラスで不要な人物と言われなくてはならないのだ!何故無視されなければならない!
「それにさぁ、私達もいじめっ子に散々無視されたしね」
「今度は私達の番、だよね」
何が、「今度は私達の番」だ。私は苛めをしてもいい人だからやっているだけなのだぞ?こいつらは私のおかげでメンタルが強くなったのに……恩を仇で返すとは、まさにこのこと!
皆、私を無視したまま笑いながら給食を食べている。
酷い、私を無視するなんて……。私は女王様なのに。
「あっははは!!!」
私の隣の人が、突然私の方に顔を向けて大笑いをしてきた。そのせいで、私の顔は牛乳だらけになった。さっき濡らされた制服もまだ乾いておらず、私の姿はびしょ濡れになった。
何をしてくれるんだ。皆好き勝手やりやがって。今に見てろよ……。絶対に見返してやる!
「ねぇねぇ、なんか牛乳が宙に浮いていない?」
「本当だー。ここに人なんて居る筈がないのにね!なんだか怖いから拭かないと」
見えているくせに。見えているくせに私がいないように振る舞いやがって。これは立派な人権侵害だ。
私に牛乳を吹きかけた奴は、廊下で雑巾を取りに行き、その雑巾で私の顔をごしごしと力強く拭いてきた。
「あれ?苛めっ子、そこにいたんだー。要らなすぎて全然気づかなかったー」
さっきから気づいていたから私をそんな乱暴に扱った癖に。雑巾と牛乳で顔を汚された私の気持ちを考えろ。
昼休み。先生がいなくなると、桜と澄恋が自分の席から立ち上がった。
「皆で、茉莉のあだ名を考えようと思いまーす!!今から投票用紙を配るので、今日の放課後までにこの投票箱に入れてくださーい」
「発表は、明日の朝の学級会の後にしまーす!」
そうして、桜は投票用紙を皆に見れるようにビラビラと見せ、澄恋も投票箱が皆に見えるように投票箱を持っている腕を頭の上まで伸ばした。
「私も散々茉莉に嫌なあだ名で呼ばれたからね」
「嫌なあだ名で呼ばれた分、こっちも嫌なあだ名で呼ばないとね」
クラスメイト達は、皆ニヤリとした表情を浮かべながらヒソヒソと話している。私を悪者のように見る目で……。
何故、下僕であるあいつらに変なあだ名をつけられなくてはならないのだ。私が今まで皆にあだ名をつけてきたのは、私があいつらに嫌なあだ名をつけてもいい立場だからなのに……。何故下僕共が私に反発をしてくるのだ。
私が孤立した瞬間調子に乗りやがって……どいつもこいつも最低だ!下僕共が調子に乗らなければこんなことにならなかったのによぉ。
私はその場にいてもたってもいられなくて、思わず廊下へ走り出した。
ようやく六時間目が終わり、今までで一番辛い一日が終わった。
学級会が終わり、担任がいなくなると、私は逃げるように教室から素早く出ようとした。しかし、後ろからがしっと桜と澄恋に両腕を掴まれた。
「はい、まだ帰っちゃ駄目だよー?」
「放課後は、あんたへのお仕置きの時間なんだから。………はい、皆集まってー」
すると、皆が一斉に私の方へ来た。私は桜と澄恋から腕を離されて付き倒され、皆に囲まれた。
何をしようとしているのだ。散々私で遊んだ挙げ句、お仕置きと称した苛めをまだやるなんて!
「まだ反省してないの?仕方ないねぇ。こんな奴にはみっちりとお仕置きしないと」
私は思い切りお腹を叩かれた。それから一秒もしないうちに髪を引っ張られ、それからも次々と暴力を振るわれた。
一つの暴力をしている最中にもう一つの新しい暴力が跳んできて……親から暴力を振るわれている時より痛い。
手だけでなく、鞄や本でも殴ってくる。きっと、私の体は痣だらけだ。
「そろそろこいつの限界が来てるんじゃないか?」
「いやいや、精神的に追い詰められたうちらの痛みからしたら全然比にならないでしょう。だから、もっとやっちゃえー!!」
一人がそう言ってから、皆は更に殴る力が強くなっていった。
「あ、もうすぐ部活の時間になるよー」
一人がそう言い、皆は次々と暴力をやめていく。
よかった、これで解放される……。
「また明日…………」
私は解放されたのが非常に嬉しく、暴力が止んでから素早く帰った。最後に誰かが私に何か言っていたが、全く覚えていない。
私は家に帰ってから、すぐに着替えて家電屋に向かった。苛めの証拠を集める小型カメラと録音機とカメラのフィルムを買う為だ。携帯だと写真や動画を撮るときに音がなってしまうので、カメラと録音機を持っていこうと思った。
あったあった……。これぐらい小さければバレないだろう。
私は一番小さいカメラと録音機とフィルムを手に取り、会計に行った。値段は中々高かったが、これで苛めから解放できると思うと、全く高く思わなかった。
桜も澄恋も、他のクラスメイトも、今に見ていろ。あんたらが酷いことをする度に、その分後であんたたちの方が痛い目を見るんだから。
私には先生という強い味方がいる。お気に入りの生徒が苛められていると知ったら、先生達は絶対にクラスメイト達に激怒するだろう。
家に帰ったら、まずはこの痣だらけの体をカメラに納めよう。さっき制服から私服に着替えたとき、案の定私の体は痣だらけだったのだ。
私は家に帰ってカメラにフィルムを入れると、早速服を脱いで体中にある痣をバシャバシャと撮った。
私の綺麗な体をこんな風に汚しやがって。なんてことをしてくれたんだ、と、以前の私は怒りの気持ちしかなかったが、今は苛めのいい証拠になるので、むしろ痣が多くて嬉しい。
あ、ついでに親から殴られた所もクラスメイト達にやられたように撮ってしまおう。そうすれば更に証拠が増えるぞ。……そうだ、今度から当分の間親に殴られたらクラスメイト達のせいにしよう。そうすれば早く証拠の写真が集まって、苛められる日数が減るではないか。まぁ、あえて長く苛められて、その分多くの写真を集めるのも手だが……それだと私の体が持たないのでやめておこう。
それにしても、よくもやってくれたな……。痣の写真で中々の枚数が撮れたぞ。どれだけ殴ってくれたんだ、ニ、三ケ所同時に写っているものもあるので、枚数よりいくらか痣は多いだろう。
写真を取り終わると、私は自分でも気持ち悪くて体の痣を見たくないので、速やかに部屋着に着替えた。
大して偉くもないただのクラスメイト達が、よくもまぁ私の体を傷つけてくれたと。あいつら、私の体を汚した罪は思いぞ……。覚悟しておけ。
次の日、私はカメラと録音機を制服のポケットに入れて登校した。
桜も澄恋も他のクラスメイト達も、好き勝手やりやがって!許せない……。
まぁいい。今は我慢してやる。最後に勝つのはこの私なのだから。あいつら……見ていろよ。
これから苛められるという覚悟を決めて、教室に入った。その瞬間、桜と澄恋が待ち構えていたように教室の前に立っており、私の両腕をがしっと掴まれた。私はポケットに入れている録音機のボタンを押す。
「はい、今日も茉莉が来たので、お仕置きの始まりー」
「茉莉の一日は、お仕置きから始めないと!」
その瞬間、クラスメイト達が一斉に私を殴り始めた。
……痛っ!!この痛さ、素手ではないぞ。一体何で殴られたのだ?
私は隙をついて、チラリと周りをみる。すると、そこにはバレーボールが転がっていた。
なんて物で殴ってくるんだ!バレーボールだなんて……危ないだろ!しかし、今は我慢だ……。
「茉莉に対してのお仕置きなんて、素手では足りないね!」
そう言って皆は、私を素手でなく物で殴ってくる。しかも、ボールや棒などを、結構な強さでだ。
「あ、今日は茉莉のあだ名を発表するのでこのぐらいにして下さーい」
あだ名、だと……?ああ、そういえば昨日そんなことを言っていたな。
何故だ、何故私がこいつらにあだ名をつけられなくてはならないのだ。おかしすぎる。
皆が暴力をやめると、桜が声を発した。
「一番多かったのは……二十票の『奴隷』でーす!私達も今まで茉莉に散々奴隷のように扱われてきたので、私はこれでいいと思うのですが……どうですかね?」
何が奴隷だ!!私は女王様だぞ?奴隷なのはこいつらの筈だ。何故皆こんなに狂っているのだ。
皆は桜の言葉に大きく賛成していることを表しているように、素早く手をビシッと挙げた。
私は納得していないぞ。何故私が奴隷と呼ばれなくてはならないのだ。
どれもこれも、桜と澄恋が私を裏切ったからこうなったのだ。……桜、澄恋……………許さんぞ。
「じゃあ、今日からこのいじめっ子は『里中茉莉』から『奴隷』という名前に改名しまーす!」
澄恋が私の意志を無視して私を煽るかのような笑顔で言った。
「こいつを奴隷にして、今までのことを反省してもらう!」
「ああ、俺らも随分と奴隷のようにされてきたからな」
皆が私を白い目で見ている。
何だ、これは……。当の本人の意志を無視して変なあだ名をつけるとは……嫌がらせの他の何でもない。
「一点ー、二点ー」
休み時間、誰かが私にゴミを投げてきた。
私はまた苛めが始まると思い、録音機のボタンを押す。
誰がやったのか気になり後ろを振り向く。
全然話したことのない男子達じゃないか……。何故こいつらにゴミを投げつけられなくてはならない。
「おい、お前は奴隷なんだから、動かないで大人しく的あての的になれよ!」
「そうだよ、この奴隷野郎!」
くそっ、奴隷奴隷とうるさいな。奴隷という名前はお前らが嫌がらせでつけただけだろ?……私は「奴隷」ではない。「茉莉」だ!
「私は……茉莉だ!」
昨日と今日とストレスが溜まってきたので、私は大きな声で吐き出した。
「奴隷だなんて……そんなのお前らが勝手につけた名前だろ?本人の意志を無視して勝手にあだ名をつけるだなんて……そんなの拷問だよ!」
男子達は私の大きな声に一瞬だけ怯んだが、すぐに私を馬鹿にしたような笑顔を作った。そして、笑いながら声を発した。
「ぷっ、自分だって今まで散々人に嫌なあだ名をつけてきた癖によく言えるね」
近くにいたクラスメイト達も加勢してきた。
「私達の身にもなってよね」
「それとも、自分は何をしもいい女王様だとでも思ってるの?」
「うっわー、偉そうー」
何が偉そう、だ。女王様だから偉そうにしているだけだぞ。女王様なんだから何をしてもいいじゃないか。
「てかさ、的あてが出来ないんだから早く止まれよ、奴隷!!」
そうして男子達はまたゴミを投げつけてきた。主にティッシュなどのゴミなので全く痛くなかったか、自分の体にゴミを投げつけられるというのは精神的に大きく傷ついた。
「奴隷、こっち向け」
なんだ、女王様に向かってその口調は。本当に皆正確悪い。だから皆嫌いなんだよね。
今は従っておいた方がいいのだろうか。最後に私が勝つために。
私が体を向ける前に、近くにいたクラスメイトが私の体を男子達と向き合うように私の体の向きを動かした。
「顔に当てたほうが面白いじゃないか!」
「ああ。じゃあ奴隷の顔にゴミを当てた奴は五点手に入れられることにしよう」
男子達は、私の顔めがけてゴミを投げてきた。
くそっ、今は我慢してやる!そのかわり、覚えておけ。最後に勝つのはこの私なのだ!
私は自分にそう言い聞かせた。
怖っ…!でも面白い!
ちぃさん、頑張ってください!
すみません、ちぃじゃなくてみぃでした!
画像|お絵かき|長文/一行モード|自動更新