少年陰陽師 〜幻絵巻〜

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1:咲夜:2016/02/11(木) 12:11 ID:K9I

こんにちは!咲夜(さくや)です!
ここは、少年陰陽師が大好きな人が、それぞれの夢を小説にするところです。
少年陰陽師好きなら誰でも大歓迎!

ルール
・荒らしは無し!
・悪口も無し!
・タメ&呼び捨てOK!
以上!

どんどん来てください!

46:咲夜:2016/05/06(金) 22:04 ID:Bv6

あー、暇が無い…。
………昌浩も紅蓮も六合も比古も風音も、
早く書きたいよお〜!
。・゜・(ノД`)・゜・。

47:咲夜:2016/05/10(火) 18:45 ID:Bv6

こんなに来れないとは…!忙しすぎる!
斎と益荒も好きだぞ!
…全然書けないけどっ!

48:咲夜:2016/05/12(木) 22:09 ID:Bv6

というか王道の昌彰はどうした!?
いつかちゃんとしたの書きたい。笑
純粋なやつ。


て言うか、誰か来て〜〜っっ!!!

49:咲夜:2016/05/14(土) 01:46 ID:Bv6

今日はもうこんな時間だから、寝よう。
今は、丑の刻かな…?貴船は大丈夫か!?笑

50:咲夜:2016/05/14(土) 01:47 ID:Bv6

あ、高龗神がいるから、大丈夫か。

51:咲夜:2016/05/14(土) 13:14 ID:Bv6

久しぶりに昼に来たな〜。
昼ごはんを食べねば。そして、昌浩を書くのだ!

52:咲夜:2016/05/16(月) 17:51 ID:Bv6

〜続き〜


六合の爆弾発言に、一瞬意識が飛びそうになった昌浩。
いやいやいや。俺、男だから。そりゃ、紅蓮も六合も青龍も太裳も玄武も、みんな大好きだけれども。
えっ、まさか俺、両方いけるとか!?
えっ、むしろ俺、女の子にはあんまり興味無いんですけど!?
それ、まずくないか!?

「昌浩、全部聞こえてる。」
「うわっ!?…え、うそぉ〜。」

突然の六合の呼びかけに、驚くもすぐにどよーんとした空気をその身に纏い始める。

なんでいつも俺、考えてること全部口に出ちゃうんだろう…。

これは何故か声には出ていない昌浩である。
声には出さずとも、表情でそれを読み取った六合が目元を微かに和ませる。
……その、瞬間だった。

……幾つもの神気が二人の周りを囲うようにして降り立ったのは。

……六合の腕から昌浩が掻っ攫われたのは。

……六合に敵意と殺気が突き刺さったのは。


「うわっ!…え、誰……?」

腕から腕へと攫われるのは、本日一体何回目だ。
神気の渦が晴れて戻った視界の中、昌浩は自分を抱きかかえているひとをみようとする。

「貴様か…。昌浩を返せ。」

六合がゆらりと、背後を振り返った。
その先に昌浩を抱えて佇むのは………?

53:咲夜:2016/05/16(月) 22:37 ID:Bv6

さあ、昌浩を奪った人物は誰なのか!?
そして、ついに六合が黒くなる!?


………ああ、私ってほんと、腐ってる……?

54:咲夜:2016/05/18(水) 00:20 ID:Bv6

毎日、書こう書こうと意気込んで、毎回書けない私。
………どうにかしたい。

55:咲夜:2016/05/18(水) 00:21 ID:Bv6

時間が欲しい〜っ!
(つД`)ノ

56:咲夜 風刃召喚:2016/05/20(金) 17:48 ID:Bv6

只今咲夜は、思考回路ショート中。
要は、「真っ白」という名の彫刻です。
六合、キレるのはちょっと待って下さい。笑

57:咲夜 風刃召喚:2016/05/20(金) 22:51 ID:Bv6

なんかオレンジ色の出るんだけど、
これは何なんだろう……。

取り敢えず、風音の「風刃召喚」を入れて
みた。

58:咲夜 烈破:2016/05/21(土) 17:09 ID:Bv6

思ったんだけど、天空のイントネーションが
私には分からない……。

59:咲夜 烈破:2016/05/29(日) 19:09 ID:Bv6

なんだかとっても久しぶりな咲夜です。

……一向に話が進みません。はい。
六合が殺気を発したところで止まってるー!
お相手が分かりませんっ!六合に殺られるのは誰だ!?(笑)
……頑張ります。はい。

60:咲夜 剛砕波:2016/05/29(日) 21:59 ID:Bv6

剛砕波って、青龍だっけ?
で、玄武が波流壁…?
ややこしいなあ。でも、やっぱ素敵!

…結局、私は少年陰陽師にどっぷり浸って
いるのです。
何があっても、少陰を否定する事なんて
出来ません。(苦笑)

61:貴璃:2016/06/16(木) 00:39 ID:XBw

初めまして!
見てらっしゃいますかね?
少年陰陽師大好きっ娘です!
全巻四回は読んでます。

ていうか、文才凄いです!
羨ましい………

今後も頑張ってくださいね!

62:咲夜:2016/06/16(木) 16:53 ID:Bv6

おお〜っ!
始めまして!咲夜(さくや)と申します!
しばらく来れてなかったけど、ほんっとーに
たまたま、「ああ、行かなくちゃ!」と思いたって来てみたところ、なんとお客様が!

嬉しい限りです!(≧∇≦)
少年陰陽師、好きなんですね!

……私の文才は、置いといて。内容も、めちゃくちゃだし。けど、次はちゃんとしたの(昌彰とか)書こうと思ってるんで、こんなので良かったら、これからも見てやって下さい…!

63:貴璃:2016/06/16(木) 18:58 ID:XBw

はい、勿論です!!

本当に、昌浩好きすぎてっ………!

常に脳内少年陰陽師の妄想でいっぱいです…w

64:咲夜:2016/06/16(木) 22:59 ID:Bv6

おお〜、脳内少年陰陽師っ!素晴らしいっ!
私もやってます!
昌浩かあ〜!いいよねえ〜!(≧∇≦)
好きすぎて、死にそう。(笑)

あ、タメでいいかな?あと、出来ればで良いんで、好きなキャラとかプロフィールがあると嬉しいです!私も出します!

ちなみに、私は夜行性です。明日、テストだけど。(苦笑)

65:咲夜:2016/06/17(金) 15:42 ID:Bv6

ん〜!テスト終わりました〜!
(いろんな意味で。)

では、私のプロフィ……じゃなかった。平安の都にそんな言葉なかった…。んー、じゃあ
自己紹介文を。



名前……………咲夜(さくや)
齢………………十五
好きなもの……少年陰陽師、昌浩、もっくん
、十二神将全員(!?)、彰子、風音………多すぎて、挙げられませんっ!笑

少年陰陽師との出会いは小4です。
結城先生をお慕いしております!

……一応こんな感じかな……?

66:貴璃:2016/06/17(金) 19:22 ID:XBw

じゃあ、私もタメでいいですか…?

名前………貴璃(きり)

齢………数えで16

好きなもの………最近の一番は少年陰陽師。
年中一番はマギ

好きな登場人物(神物含む)………昌浩、紅蓮、もっくん、天一、高龗神、じい様、脩子

出会い………中3の秋

結城先生の文才はどこから来てるのか不思議に思ってる今日この頃。

67:貴璃 がーんばれー、まーけるなー、晴明のー、孫ー:2016/06/17(金) 20:36 ID:XBw

これは、私とかも小説書いてもいいの…?

今はネタないけどね………

68:咲夜 孫言うなーっ!笑:2016/06/18(土) 14:11 ID:Bv6

返事遅くなってごめん!部活が忙しいから…
勿論OKです!
むしろ書いてくれたら嬉しい…っ!
貴璃の小説、楽しみにしてますっ!

69:咲夜:2016/06/18(土) 14:14 ID:Bv6

と言うか貴璃、先輩だったの!?
今までの無礼、お許し下さいませ!笑

今更だけど、タメでいいよね…?

70:貴璃 今に見てろっ、クソじじいーーーー!!:2016/06/18(土) 17:51 ID:XBw

勿論!
咲夜ちゃんみたいな子と知り合えて嬉しい〜!

71:貴璃:2016/06/18(土) 21:16 ID:XBw

じゃあ、短編書いてみるね…








「じ〜さま〜!」

正月になればもう四つになる昌浩が、祖父の安倍晴明に飛びついた。

「おお、昌浩。どうした?」
「あのねぇ、ききたいことがあって、きたの!」

そこまで言うと、大きな瞳を少しだけ曇らせて俯きがちに言った。

「………あのね、ぐれんがどこにいるか、しらない?」
「………紅蓮?何故じゃ?」

聞き返すと、更に顔を曇らせる。

「だって、もうずっとあってないもん…。まさひろのことが、きらいになっちゃったのかな…」

成程、それでか。
晴明は、一つ頷くと昌浩に笑顔を向けた。

「…昌浩や、紅蓮はな、昌浩の事が嫌いになった訳ではないよ」
「………ほんと………?」
「ああ。ただなぁ、ちょぉっとばかしじい様のご用事で忙しくてな、暫くは会えないんじゃ。だから、また会えるようになるまで待っててくれないかのぅ?」
「………うん、わかった!じいさまがいうなら、まさひろちゃんといいこにまってるよ!」

晴明が言うと、昌浩はにっこりと微笑んで頷く。

その後、たたたーっ、と駆けて行ってしまった昌浩を見送ると、晴明は何もない方を見た。

「………すまないな、お前にもあの子にも辛い思いをさせてしまった」

話しかけると、それまで隠形していた紅蓮が顕現し、晴明の言葉に応える。

「別に、あの子のためだ。俺はどうって事ない。今、覚えててくれるだけで…」
「そうか…そう言ってくれると、有難いなぁ…。すまないな、紅蓮」
「お前が謝る必要はない」

紅蓮はそれだけ言うと、異界に戻って行った。





ーーー九年後。

ぽとりと、目の前に物の怪が落ちてきた。

その物の怪はこちらを見て言ったのだ。

「ーー見せもんじゃねぇぞ」




これが、昌浩と紅蓮の二度目の始まり。

ー完ー

72:貴璃 ーーー見せもんじゃねぇぞ:2016/06/18(土) 21:31 ID:XBw

なんか、ぐだぐだだね、ごめん…

73:咲夜:2016/06/18(土) 22:22 ID:Bv6

呼び捨てでいいよ!咲夜って呼んで!(*^o^*)

貴璃、上手いね〜!いーなー!
(なんか上から目線になってごめん!)
全然ぐだぐだじゃないし!

私も貴璃と知り合えて嬉しい!
今まで少年陰陽師好きな人、周りに居なかったからさ…。…>_<…

74:咲夜:2016/06/19(日) 00:32 ID:Bv6

ちょっと息抜きの番外編…ていうか、短編…?
昨日 螢を見に行って、ふと思いついたお話です。






じきに梅雨も終わり、もうすぐ暑い夏が来る。
そんなある日の事だったーーー。



陰陽寮の直丁である昌浩は、白い物の怪を引き連れ、大量の巻き物を抱えて、いつも通り忙しく駆け回っていた。


「おー、今日も精が出るねえ、晴明の孫や」
「孫言うなっ!物の怪のくせにっ!」
「俺は物の怪と違うっ!」


ああ、いつも通り。平和だ。
……些か、煩いが。

護衛として来ていた六合が、呆れながらも苦笑する。
もっとも、彼は表情の変化が乏しいから、誰もそれを見抜く事は出来ないのだが。

ぎゃんぎゃん騒ぎ続ける一人と一匹を、六合は目元を和ませ、いつまでも眺めていた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「今日は残業もなくすんなり退出できたな」
「うん。いつもより早く帰れるね」


最近は日も長くなってきたから、空は
まだ明るい。

物の怪を肩にのせて歩いていた昌浩だったが、あ、と声を上げてふと立ち止まった。


「あ、そうだ!」
「んー?どうしたー?」


怪訝に思った物の怪は、唐突に止まってしまった少年を見上げた。
ぽんと手を打ち合わせ、昌浩が顔を輝かせる。


「今日の夜、彰子を連れて貴船に螢を見に行こう!」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー



……なんか長くなっちゃったので、前編と後編に分けます!
めっちゃ中途半端…。しかも文がなんか変…。

多分、後編は明日書くよー!時間あればー!

75:咲夜:2016/06/19(日) 13:23 ID:Bv6

今日は忙しいから、小説の続きは夜になる……かな?

76:貴璃 急々如律令ーーー!!:2016/06/19(日) 17:40 ID:XBw

待ってるね!

えーと、じゃあ、咲夜…で、いいのかな…?

77:咲夜:2016/06/19(日) 17:44 ID:Bv6

ただいま部活から帰りました〜!

>>76、うん!そのほうが、嬉しい!

78:貴璃 オンアビラウンキャンシャラクタン!:2016/06/19(日) 18:27 ID:XBw

もう一個書いてみる。CM観て思いつきました!
現代版!!








大人しくテレビを観ていた昌浩が、急に近くにいた天一を振り返り、ニッコニコの笑顔で言った。

「てんいつ、てんいつ!!ねぇねぇ、すざくはどこにいるのー?」

穏やかに微笑みながら見守っていた天一は、少し驚いたような顔をして、首を傾げる。

「朱雀ですか?ええと…近くにいたと思うので、探して参りますね」
「うん!」

またにーこっり笑って頷く昌浩。
そんな子供に微笑み返し、天一は席を立った。


ーーーー数分後

「なんだ、昌浩。何の用だ?」
「あ、すざくー!!あのね、あのね、きいてほしいことがあるの!」
「なんだ?」

朱雀が抱き上げてやると、きゃっきゃっとはしゃぐ。

「あのね、ぐれんはぐれんでしょ?」
「………? ああ、そうだな」
「こうちんはけいとで、せいりゅうはしょうらんで、りくごうはさいきでしょ?」
「そうだな」
「だからね、すざくにもなまえかんがえたの!」

昌浩が笑顔で言うと、虚をつかれた顔をして自分の腕の中にいる昌浩をまじまじと見る。

「………俺の名前?」
「うん!ザックっていうの!」
「………………………は?」
「ザック!!」

何故ザック?と、朱雀と天一の頭にハテナが浮かぶ。

すざく→ざく→ザックだろうか………と、考えていると、ふと天一が微笑み、不思議に思った朱雀が視線をやると黙ってテレビを指差した。

ーーーZAQは見てるだけですがーーー

きゃっきゃっとはしゃいでる昌浩とテレビを何度も見て、頭を抱えたくなる。

つまりは、なにか。

「昌浩…ザックって………」

ZAQ→ざく→すざく

と、いうことか!!


「あのね、てれびですざくのことよんでるみたいだったから!」
「………そうか」
「昌浩様………可愛いとは思うのですが、ザックは少しどうかと…」
「えー、なんで??」
「あのな、昌浩。ザックはな、ZAQの名前だから、勝手に他の奴につけてはいけないんだ」
「そうなの?」
「ええ。ですから、朱雀は朱雀で良いのではないでしょうか」
「うん、わかった!」

元気に頷く。
ほっと息を吐き、
「ほらまだテレビ見るんだろう」
と言ってやると、慌ててテレビに向き直り、また元気な笑い声が響いた。





ー完ー







今度こそ本当に意味不明…

79:貴璃 オンアビラウンキャンシャラクタン!:2016/06/19(日) 18:49 ID:XBw

そういえば、贄…もとい、えんぎょうは何処へ?

80:咲夜:2016/06/19(日) 23:25 ID:Bv6

ぷっ……ぷはっ!>>78読んで、本気で笑いを堪えるのに苦労した……。笑

あー、篶嶤さんですねー。笑
えっと、このお話の中では、
「篶嶤」=「蠍」=「妖」。
つまり篶嶤さんは、>>23で、紅蓮達の手によって、「お亡くなりになられて」おります。ああ、篶嶤よ、君の事は忘れない…

って言うか、分かりにくくてごめん!

81:貴璃 オンアビラウンキャンシャラクタン!:2016/06/20(月) 00:14 ID:XBw

あ、ううん!平気ー!

ザック?あれね、あのCM観て、「書きたい。でもなぁ………あの時代にありえないあだ名だよなぁ…」と思い、普段は絶対やらない現代パラレルにしたの。

面白かった?

82:貴璃:2016/06/20(月) 00:18 ID:XBw

にしても………イラスト変わっちゃうのはこの世の終わりくらいにショックだったなぁ………。今でもだけど………。

咲夜は、どう思う?やっぱり、あさぎ桜さん派?

83:咲夜:2016/06/20(月) 01:27 ID:Bv6

うん。第一巻からあさぎ先生だったし、あの絵がかなり好きだったからなあ…。やっぱりショック。でも、交代する先生の絵も気になってたりする…。昌浩は!?もっくんは!?
彰子は!?じい様は!?その他たくさんの人達は、一体どうなるの!?……みたいな。

84:貴璃:2016/06/20(月) 07:25 ID:XBw

あー、なんか、わかる気がする………。

でもね、お話もほんとにすごく好きなんだけど、私はあさぎ桜さんの絵から少年陰陽師に入ったから…

すごく寂しいなぁ………て、思っちゃうの…

85:咲夜:2016/06/20(月) 20:21

……てことで、悲しいけど、気分を変えましょう!

一応、前回の続きです!






「ああ、なるほどな」

昌浩の発言を聞き、物の怪は納得した風情を見せた。その視線の先では、昌浩が拳を握りしめ、うんうんと頷いている。


「うん。きっと今の貴船は、螢がたくさんいるだろうから」


彼はふと、懐かしげに目を細めた。

そう、あれは、彰子が安倍の邸に来る前。左大臣である藤原道長の娘として、入内をする事が決まるよりも前のことだった。


「一緒に螢を見に行こう」


約束を、したのだ。

触れることなど許されない、自分とは程遠い存在なのだと。まだあの頃は、ちゃんとわかっていなかったから。
心配しなくていい、俺が連れて行ってあげるよと、無邪気に約束をした。

それは未だに、果たせていない。

幸い、今日は早く退出する事ができた。最近は不穏な噂も聞かないし、一日くらい夜警をしなくても大丈夫だろう。


「よし、そうと決まったら、今すぐ帰らなくちゃ!行くよ、もっくん!」

「え?あ、おい、ちょっと待て!昌浩!」


昌浩がさっさと歩き出す。
置いて行かれた物の怪は、慌てて駆け出したのだった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「ねえ、太陰。今日も昌浩、帰りは遅くなるのかしら」

やる事も無く、気分転換にと簀子にでて風にあたっていた彰子が、物憂げに呟く。
呼ばれた太陰は、ふわりと風に乗り、彰子の隣に腰を降ろした。


「そうねえ。まあ、昌浩が仕事をちゃちゃっと終わらせたら、早く帰って来られるかもね」


ちゃちゃっと、か。太陰らしい物言いだ。
苦笑した彰子は、ふと考えをめぐらせる。

ーーーーー最近の昌浩は、帰りが遅いのだ。どうやら直丁の一人が物忌みにあたったらしく、その分を周りが受け持たないといけなくなったそうだ。
昌浩が、他の人の分まで仕事を頑張っているのは知っている。もちろん彰子も、そんな昌浩の力になれたら、と思っている。
けれど。
やっぱり、早く帰って来て欲しいと、願ってしまうのだ。

はあ、と息をついた彰子を心配そうに見つめながら、太陰は悩んでいた。
どうしたら、この少女を慰めてあげられるだろう。自分は、このような事には向いていない。天一や太裳だったら、優しい言葉をかけてあげられるのだが。

ぐるぐると考え事をしていた太陰だったが、突然ぱっと顔をあげた。


「昌浩達が帰ってきたわ!」

「え、本当?」

「ええ。気配がしたもの。もうすぐ門の前に着くはずよ」


太陰の言葉に即座に反応し、彰子がぱたぱたと走り出す。
その姿を見て、太陰はため息をついた。

あんなに想いあっているのだから、早く恋仲になってしまえば良いのに。


「二人とも、本当に奥手なんだから…………って、ええっ!?」


昌浩の近くに騰蛇の神気を感じ、太陰は慌てて異界に戻って行った。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「彰子、喜んでくれるかなあ…」


何を今さら。
急におろおろしだした昌浩を、半眼になった物の怪がじっとりと睨めつける。
つい先程まで、輝かんばかりの笑顔で闊歩していたくせに。


「おお〜?どうしたどうした、昌浩くん。
自信がなくなってきたのか〜?」

「違うやいっ!だいたい、自信って何だよ」

「そりゃあもちろん、螢の群舞で彰子の心を鷲掴みにする自信……?」

「黙れいっ!そんな事考えてないしっ!」


物の怪は昌浩に見られないようにしてひっそりと微笑む。
よし。もとの昌浩に戻った。

そんな事をしているうちに、安倍邸の門に着いた。

すう、と深呼吸をして、門に手を伸ばす。


「うおっ!?」

「きゃあっ!」


ぺたん。昌浩は思い切り尻餅をついた。

昌浩が門を開けようとするのと、彰子が門を勢いよく開けたのが同時だったのだ。


「…っ!ごめんなさい、昌浩!怪我はしていない!?」


驚いた彰子が慌てて駆け寄る。
昌浩は、安心させるように笑った。


「大丈夫だよ。ちょっとびっくりしただけ」
「ごめんなさい…。私がもっと気をつけていれば…」


しおしおとうなだれる彰子に、今度は昌浩が慌てた。

86:咲夜:2016/06/20(月) 20:23

なんかきり悪いけど、許して〜!

計画変更!なんか長くなってきたので、「短編」じゃなくなるかも!
やたら長くて、分かりにくくて、ごめん!

それと、昨日寝落ちして、これ出すの遅くなってごめん!

87:貴璃:2016/06/20(月) 20:54

全然平気!

やっぱり、咲夜の文才すごいよ〜!!

88:咲夜:2016/06/20(月) 22:22

そんな事ない!(>人<;)
私なんかまだまだだから、小説の書き方教えて欲しいよ〜!
誰か教えて〜!

89:貴璃 おいっ!byもっくん:2016/06/20(月) 22:50

………ノリ?

と、直感??

みたいので書いてる。わたしはだよ?

90:咲夜:2016/06/20(月) 23:04

ノ、ノリだと……!それであんなのが書けるのか!すごい!
直感は大事だって言うもんね〜。どっかの物の怪さんも、「直感を甘く見るな」って言ってたし。

よし!私もノリと直感で書いてみるよ!
ありがとう!*\(^o^)/*

91:咲夜:2016/06/21(火) 23:36

テストの点数が落ちて、母上に怒られました!…>_<…

ということで、今日は寝る……かも。

92:咲夜:2016/06/21(火) 23:37

短編とか言っときながら、結構長くなっている…!

まあ、いいや。多分。(半分投げやり)

93:匿名さん:2016/06/22(水) 00:18

割り込み失礼します。最近少年陰陽師を読んで、たまたまここを見たら二次創作があり、思わず書き込んでしまいました。
文も台本書きや顔文字もなく、とっても読みやすくてキャラも生き生きとしてて…何だか偉そうですみません><
六合好きなので読んでてわくわくします。
上手く言えませんが、ひそかに応援しています!

94:貴璃 おいっ!byもっくん:2016/06/22(水) 06:41

咲夜よかったね!

ほら〜、今のままで充分だよ〜

95:咲夜:2016/06/23(木) 02:01

おわあ〜!ありがとうございます!
こんなので良かったら、これからも応援をよろしくお願いします!

貴璃がくるまで(ほとんど)一人で進めてたけど、最近ちょっと賑やかになって嬉しい!
よし、これからも小説頑張ろう!

96:咲夜:2016/06/23(木) 02:01

と、決意を新たにした咲夜であった。笑

97:貴璃 まーさっひーろっ、まーさひーろくんっ。………こら、昌浩やこっち向け:2016/06/23(木) 17:28

咲夜がそう思ってくれるのは嬉しい(*^_^*)

私にも書かせてくれるし、私もすっごく楽しいよ!



………ところで、本編のほうの六合はどうなったの?キレて終わってるけど…

98:貴璃:2016/06/23(木) 18:03

昌浩))咲夜〜! 俺どうなっちゃうの〜!?

六合))待ってろ、昌浩。今取り返す

紅蓮))とりあえず、俺を忘れるな

99:咲夜:2016/06/23(木) 23:38

ん……と。
咲夜、同時進行なんて器用な事出来ないから、六合にはちょ〜っとだけ待っててもらおうかな?てへっ!(←きもい!無視して、というか逃げて!)

…お待たせしてすみませんっ!(>人<;)

100:咲夜:2016/06/23(木) 23:44

昌浩・え〜っ!まだなの〜?でも、彰子と螢見に行けるから、いっか!

六合・早く昌浩のもとに行かせろ…!

紅蓮・忘れないでくれ、頼むから…!

咲夜・という訳で、番外編が終わってから、あのお話を再開、という事になります!
こんな作者だけど、辛抱強く待っててね!

101:咲夜:2016/06/23(木) 23:45

………はっ!
そんなこんなでついに100!
おめでとう!そして、これからもよろしく!

102:貴璃:2016/06/23(木) 23:51

うん!よろしくね!!

騒がしいし、うっとおしいかもだけど…w

103:咲夜:2016/06/24(金) 01:06

ええっ!?そんなことない!
貴璃がいてくれて本当に嬉しいよ!
なんか上から目線になっちゃったけど。w

104:貴璃 ばーい、晴明:2016/06/24(金) 06:45

よかったー………

というわけで、今後もよろしくね♪

105:咲夜:2016/06/24(金) 18:11

Yes,of course!(笑)

106:咲夜:2016/06/24(金) 18:12

これから塾だから、小説は夜になります!

107:貴璃:2016/06/24(金) 22:33

ねぇねぇ、ツイッターやってるー??

108:貴璃:2016/06/24(金) 22:33

ごめんね、どうでもいいこといきなり…

109:咲夜:2016/06/25(土) 00:43

あ〜。ツイッターかあ〜。私iPodからここに来てるんだよね〜。だから、やってません!
ちなみに、LINEもメールもFacebookもやってないですよ〜!ちょっと悲しい…。

なんか、ごめん…

110:咲夜:2016/06/25(土) 01:38

短編の続きいきます!

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「だ、大丈夫だって!ほら、どこも痛くないよ!ね?」


自分の前でくるりと一周して見せた昌浩に、彰子はようやく安心したようだった。

それを見ていた物の怪は、昌浩の袖を軽く引っ張る。

まったく、いつになったら話を切り出すのか。一番大切な事が、頭から抜け落ちてしまっている。


「…あっ!」


物の怪の動作と視線で思い出したのか、昌浩は慌てて彰子を振り返った。


「…?どうしたの、昌浩?」


軽く小首を傾げた彰子に、昌浩は微笑んで言った。


「今夜、貴船に螢を見に行かないか?」


彰子は顔を綻ばせた。が、すぐに俯いてしまう。


「でも…。昌浩は、夜警に行かなければいけないのでしょう?だったら、無理に行くことはないわ。私は、いつでもいいから」


微笑んだ彰子の瞳に、一瞬さびしさが過ぎったのを、昌浩は見逃さなかった。

自分は、彰子との約束をまだ一つも守れていない。

彼女は笑顔を装っているが、本当は寂しいのだ。
出仕する自分を見送ったあと、いつも一人で露樹の手伝いをしている。神将達がついてくれているから本当に一人という訳ではないのだが、やはり。

そんな考えを打ち消すように軽く頭を振り、昌浩はもう一度、彰子に笑顔を向けた。


「ううん、いいんだ。今夜はもう開けてあるから。彰子さえ良ければ、一緒に行こう?」

「…ええ!嬉しい!ありがとう、昌浩」


彰子は、最高の笑みを昌浩に返した。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

戌の刻。

晴明に事情を話し、『物の怪付き』という条件で、出掛けても良いという許可をもらった。
もちろん二人とも物の怪を連れて行く予定だったので、すんなり了承した。


「彰子、準備は出来た?」

「ええ。もう出掛けられるわ」

「じゃあ、行こっか」


門を出た先には、車之輔が待機していた。

貴船は遠い。彰子を連れて行くから、歩いて行くのは不可能だ。だから、車之輔に頼んで、乗せてもらうことにしたのだ。


「そう言えば、彰子は車之輔に乗るのは初めてだよね?」

「そうよ。いつも話に聞いているけど、乗った事はないわ。」


昌浩が見ると、彼女は嬉しそうに頷いた。

妖に乗るのだ。普通の姫なら悲鳴を上げて卒倒するのだろうが、彰子は違う。
楽しそうに、嬉しそうに、笑っていた。

昌浩もそれに応えるように笑い返す。

そんな二人を邪魔したくなくて、物の怪は苦笑しながら屋根の上へと移動した。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー



今日はもう遅いから、ここまで!

…今更だけど、この短編は本編とは全く関係ありません!だから、このお話は、『昌彰』になります!
そこんとこ、よろしく!

じゃ、おやすみ〜!

111:貴璃:2016/06/25(土) 06:27


ーーーーつらい

あの、感情を映さない眼差しが

あの、氷のような声音が

あの、冴え冴えとした態度が

ーーーー全てが、つらい

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

唐突に小説書くね…!

⚠下手、文才ゼロ、意味不、内容的に、天狐編一巻あたり⚠

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

まだ、夜明け前なのに。

そう思いながらも、目を覚ましてしまった昌浩は、袿を羽織って外へ出た。
まだ、夜は冷える。
自分の腕を抱くようにしながら空を見上げた昌浩は、そのまま近くに気配を感じて振り返った。

「…っ、とう…だ」

まだ、慣れない。
これが自分の選んだ道のはずなのに。なのにどうしてあの優しい眼差しを探しているのだ。あの優しい声を探しているのだ。
もう、二度と戻らないのに。

「………なんだ」

冴え冴えと響く声。
冷たい眼差し。

思わず目をそらしたくなりながら、昌浩はしかしそれだけはしなかった。

「………ぁ…、ぁ…の………」
「用がないなら声をかけるな、うっとおしい」
「っ!」

騰蛇の言葉が、深く深く胸に突き刺さる。

つらいつらいつらい。

苦しい。つらい。ーーー悲しい。

でも、耐えなければ、ならない。
今後は、これがずっと続くのだから。

「ぁ…ごめ…ん……」
「………」

なんとか謝ると、しかし騰蛇はそれにまるで興味がないとでもいうかのように、顔をそらして姿を消した。

つきりと痛むものがある。それは心。消せない、己の弱い心。
弱いから痛むのだ。弱いから、未だにあの優しい神将を 探してる。

「駄目だ………忘れろ………」

俯き、小さく呟く声は誰にも聞こえない。

嗚呼、どうせなら。
夢でもいいから戻ってこいよ………。

それは、我が儘だろうか。
わからない。

傷ついた心が思考を鈍らせ、弱い心が答えを求める。

嗚呼、何故俺は戻ってきた。
戻ってこなければ、こんな思いをせずに済んだのに。
嗚呼、つらい。

一度でいいから名を呼んでほしい、呼ばせて欲しい。

それは、二度と叶わぬ願いだけれども。

ふと、さわりと風が動いた。

「………昌浩。夜気は体に障るだろう。そろそろ戻れ」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ごめんなさい、一旦ここですとっぷ!

112:貴璃:2016/06/25(土) 06:30

109〉〉ううん! どうでもいいことなのに律儀にありがとう!!

113:咲夜:2016/06/25(土) 09:24

貴璃、やっぱりすごい!(≧∇≦)
ていうか、切ない!
いいなあ。切なくてシリアスなの、書けないんだ〜。…他も書けないけど。笑

114:咲夜:2016/06/25(土) 09:25

思わず続きが気になる!

115:貴璃:2016/06/25(土) 17:33

時間が出来れば書く!!

116:貴璃:2016/06/25(土) 20:17

続き。

どうなることやら、さっぱりわからない…!!←オイ

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「………勾陣」

振り向けば、いささか心配げな色を瞳に宿した神将が立っていた。

「…まだ夜明けには遠い。もう一眠りしろ、そんな顔をしているのだから」
「え、そんなにひどい顔してる?」
「ああ」

思わず聞き返せば、即答で肯定が返る。
まいったなぁとぼやいていると、勾陣がもう一度名を呼んだ。

「昌浩。今はとりあえず眠れ。お前が褥に戻らないと、あれらが落ち着かなくてこちらが困る」

ちらと後ろを見やる勾陣に倣い振り向けば、心配げにこちらを見つめる二対の視線と目が合う。
軽く肩をすくめ、こちらを見つめる勾陣に、昌浩は泣きそうな顔で笑った。

「………ほんとだね。心配させちゃ、駄目だよね…」

その瞳を見て、思わず心の中でひとりごちてしまう。

嗚呼、何故この子にばかりこんな試練が待ち受ける。
まだ、子供なのに。
騰蛇、騰蛇よ、前のお前が今のこの子を見たなら、お前は一体どう思う。
お前は一体、何をする。

答えの返らない問いだ。
無駄なことは、わかっている。
だから、今は昌浩を休まることを一番に考えなければならない。

「………昌浩、早く褥に戻りなさいっ」
「そうだぞ、さっき勾陣も夜気は体に障ると言っていたではないか」
「う、うん、そうだね。でも、もうちょっとだけ空見てちゃ駄目かな」
「駄目よっ!そんなに顔色悪いんだから!…それとも、私の言う事聞けないってわけなの!?
「違うよっ、ぅー、じゃあしょうがないかなぁ…」

漸く折れた昌浩が小屋に戻るのを見届けて、勾陣は屋根の上を見上げた。

「勾陣?どうした?」
「いや、気にするな。私は暫く席を外す」
「??うん、わかった………」

ついてこないので不思議に思った昌浩が声をかけるも、明確な答えは返ってこない。

昌浩はそのまま玄武たちに誘われるまま、褥に潜り込んだ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
次は、勾陣さんが中心に話が回るかなぁ………。
もっくんとの会話。

まぁ、殆ど本編と同じだけどね、妖無しで記憶取り戻せたらなぁ………と思ってる。
もしくは、シリアスで終わるか。

そこは、成り行き次第さっ☆

がんばれ、姐さん。


そうそう、好きなキャラ追加で、行成様も!
もっくんに昌浩がよく不憫だ不憫だ言われてたけどさ、一番の不憫は行成様だと思うんだよね………。

怪我したり、呪詛されたり、呪詛されたり。

あ、それだけです!

117:貴璃:2016/06/25(土) 22:51

そして、また続きかきます!

頑張れっ、勾陣姐さん!!

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ーーーなんだ、勾」

屋根の上に居る物の怪のすぐ後ろに立った瞬間、彼は少し鬱陶しげに声をかけた。

「なんだはないだろう、相も変わらず愛想の欠片もない奴だ」
「嫌味を言うために来たのか?」
「いいや?そんなわけはないだろう」

一つ嘆息すると、勾陣は前髪をかきあげて、物の怪と目線を合わせるために座り込んだ。

「騰蛇、あまりあの子にひどい事を言ってやるな。まだ、傷つきやすい子供なのだから」
「その必要性を感じないな。勾、これでも俺は気を使っている」
「それくらいは知っているさ。だが、あの子を傷つける事を言うのとは別物だ」
「………結局何が言いたい」

なかなか要領を得ない勾陣にいらいらしながら、顔を上げる。
ーーーと、そこにあったのは、静かな怒りに満ちた黒曜の瞳だった。

怒っている。
それはわかる。だが、何故怒っているのか、皆目見当がつかない。

ーーー全く、何に怒っているのか。女というのはつくづく面倒だ。

そう思いつつ、目を合わせる。

「私が言いたいのは、あの子を傷つけるなということだけだ。こちらが見ていられないほどに、最近の昌浩の雰囲気は痛々しい」
「だからって、俺には関係無い」
「…そう言うだろうことも、知っていたさ…。しかし、覚えておけ。あの子を泣かせるようなことがあったなら」

そこで一旦言葉を区切り、真っ直ぐに、燃える瞳で夕焼け色の瞳を見返した。

「ーーー晴明が、悲しむだろう。そして、怒る。無論、私達もだ」

そう言うと、軽やかに屋根から飛び降りる。
静かに着地すると、もう一度屋根を見上げて言った。

「騰蛇。その姿でなくとも、本性に戻っていても問題無いと思うぞ?」

その瞬間、ほんの一瞬だけ、逡巡の色が見えた。

「そう…だな。たしかに、この姿は嫌いだ」
「そうか」
「………だが………、この姿なら………」
「?? なんだ、聞こえない」
「………いや、気にするな。さっさと戻れ」

はたはたと手を振り、物の怪は東の空を見つめ続ける。
その姿を見つめ、勾陣は瞑目した。

嗚呼、お前は。
お前の、心は。
何処に消えた。
何故消えた。
あの子の前での微笑みは、本物だったはずなのに。
あの子のおかげで変わったはずなのに。

あの子の泣く姿を見たく無いと言ったのはお前だ、騰蛇。
だが、今は、お前があの子を泣かしている。

嗚呼、世の中理不尽だ。
何故、彼らにばかり、試練が降り注ぐのだーーー



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「…ぁ、勾陣。おかえり」
「………まて、昌浩。私は頭痛を禁じ得ないんだが」

小屋に入ると同時に聞こえた寝ていなくてはならないはずの少年の声に思わず額に手を当てる。

「だって、眠くならないから」
「ちょっと、昌浩起きてたのっ!?もう…っ!!」
「昌浩………我もそろそろ本気で寝て欲しいのだが」

どうやら、玄武と太陰も気づいてなかったらしい。
呆れたような声音で声をかける。
そして、とどめの寡黙な六合の声が低く響いた。

「…昌浩、寝ろ」

ぐうの音も出ない。普段喋らないからこそ、彼の言葉には不思議と逆らい難い響きがある。

「………わかった。努力は、する」
「努力じゃなくて、寝るのよっ!!」

昌浩の返事に間髪入れず、きゃんきゃんと甲高い声が言った。

「うむ。我も太陰の意見に賛成だ」
「昌浩、お前の負けだな」

神将からの総攻撃にため息を漏らし、渋々と目を瞑ったのだった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
対談終わり。
こんな感じで平気かな??

118:咲夜:2016/06/26(日) 17:19

ごめん!
来ようと思ったんだけど、なんか開けなくて……。昨日の夜からiPodと格闘してた…。
ちなみに今日は部活が一日練習でした!

>>117、平気どころか、喜んで跳ね回るくらいだよ!(*^o^*)

119:貴璃:2016/06/26(日) 17:35

お疲れ様………。

ふぅぅ、良かったぁ…!

まだ、続くからね♪

今夜書けるかなぁ………??くらいです!

120:咲夜:2016/06/26(日) 17:58

了解です!( ̄^ ̄)ゞ

121:貴璃:2016/06/26(日) 17:59

咲夜も小説頑張ってよ〜??

貴璃は待ってるからね?

122:咲夜:2016/06/26(日) 19:58

YES!
けどちょっと待って!咲夜は完全なる夜行性なのです〜!(もう夜だけど)

そう言えば、貴璃の名前って、高淤の神っぽいよね〜。
「『貴』船の祭神」とか、「瑠『璃』の双眸」とか。初めて見た時から思ってた〜!

123:咲夜 …あまねき諸仏に帰依したてまつる、ーー除災の、星宿に:2016/06/27(月) 01:46

遅れました、続きです!
やっぱり、この話長くなる…。
短編じゃ、ないね。(^_^;)

今回は、ちょっと短いかも。



ーーーーーーーーーーーーーーー


がたん、ごとん。がたん、ごとん。
貴船への道程が、少しづつ険しくなってきた。
心優しい妖である車之輔は、出来るだけ揺らさないように慎重に進んでいた。


「ふふっ、車之輔に乗るのって、こんなに楽しいのね。羨ましいわ。昌浩は、いつも乗っているんでしょう?」

「う、うん。急いでいる時とか、夜警とかではよく乗るかな」


妖に乗っているこの状況をかなり楽しんでいる彰子に、軽く戸惑いながら答える。

この姫、いつも言っているがなんて順応性が高いんだ。

それでも、本人は本当に楽しそうにしているので、こちらとしては嬉しい限りなのだが。

ーーー突然、車之輔が軛をぎしぎしと鳴らした。
その言葉を理解する事は出来ないが、勘で何かを訴えているということが分かる。

彰子も車之輔の焦りを感じとった様だ。
屋根の上で、物の怪が動いた気配がした。


「車之輔!?一体何が…」


昌浩が立ち上がり、声をかけたその瞬間。

ぎぎ、がったんっ!


「え?うわっ!」

「きゃあっ!?」


大きな岩に乗り上げたのか、車体が大きく揺れた。
立っていた昌浩や咄嗟に動けなかった彰子は、当然対応出来ない。


「いっつう……」


倒れる際にしたたか肘を打った昌浩は、呻きながら顔を上げた。


「え?」


何故か目の前にある、彰子の驚いた顔。
ぬばたまの髪が、艶やかにたっぷりと広がっている。
開いた隙間から入ってきた月光に照らされ、白い肌と漆黒の瞳、微かに染まった頬と唇が、やけに眩しかった。


「おい!大丈夫か、まさ……!?」


飛び込んできた物の怪は、目を見開いた。

ーーー昌浩が、彰子を押し倒している。

あまりの衝撃に、かぱっと開いてしまった口が塞がらない。

そんな物の怪に気づきもせず、昌浩は慌ててその場を飛び退いた。


「ご、ごめんっ…!」

「こ、こっちこそ、ごめんなさい!昌浩はなにも悪くないわ…!」


顔を合わせないようにしている二人は、共に顔を真っ赤にしていて、動きもぎこちない。


「この二人も、これくらいの進展が無くちゃなあ……。青春だねえ〜」


ようやく状況を理解した物の怪は、一人で深く頷いていたのだった。



ーーーーーーーーーーーーー


とりあえずこんな感じで!
何故かまだまだ続きます。本編は遠くなりそう…。…>_<…

124:貴璃 雷神、召喚!:2016/06/27(月) 21:22

122〉〉貴璃の貴はね、本名からとったの。璃は、高龗神の瑠璃の瞳からだよ!お察しの通り!
あ、生まれた頃の名前の候補にあったから、きり、です。

うー、なんか、しばらくかけるかわからなくなった…。でも、あの二人の進展はワクワクしますな!

咲夜大好き…!

125:咲夜:2016/06/27(月) 21:35

ははっ!(*^o^*)
私も貴璃のこと大好きだよ!
ちょっとやり過ぎたかなって思ったんだけど、ワクワクしてもらえてよかった〜

そーなんだー!本名からとったのね!
私、『貴』っていう字、好きなんだ〜!

126:貴璃:2016/06/27(月) 22:06

貴族の貴っ!

うちの家族はね、お父さんもお母さんもおねぇちゃんも弟も妹も貴が入ってるの。

苗字もねぇ、変わってるよー!
だいたい、さいしょは『なまこ』と、よまれる。

127:貴璃:2016/06/27(月) 22:40

よし、書けるうちに続き書く!

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「………ねぇ、玄武?」

昌浩が漸く本当に眠ったのを確認して、太陰は切り出す。

「なんだ」
「私達、何ができるの…?」

それは、誰かに向けた問いかけのようでもあり、また自分への問いのようでもあった。

「さぁ…我には答えられない。………いきなりどうした」
「………うん」

それっきり、太陰は口を開かない。

答えなんて、知っている。
玄武は心の中で呟いた。
太陰がいきなりあんなことを言い出した原因は、十中八九、昌浩だ。
誰よりも明るく振る舞う太陰は、実は誰よりも昌浩を心配している。ーーー失うのが、怖いのだ。
一度、何よりも大切なものを失いかけたから。
それは玄武も同じだけれど、太陰よりもまだ冷静でいられるだろう。実際、五十余年前もそうだった。

「…十二神将なんて言ったって、実際は無力だ」
「………うん」
「昔から、わかりきってたことではないか」
「………そうよ、わかってたわ。でも、何かしたいのも、できなくて嘆きたくなるのもほんとなのよ?」
「………それは…我も、そうだが………」
「………」
「………」

重苦しい沈黙が再び場を支配する。

ーーーせめて、騰蛇に記憶があれば。

こんなことを願うのは初めてだし、昌浩の意に背くことになることはわかっている。

それでも、それが一番彼が楽になることを知っている玄武は、やるせなさで口を完全に閉ざした。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ーーーなによ、もう

黙り込んだ玄武をちらっと見ると、膝を強く抱えて俯いた。

ーーー困らせるつもりは、無かったのだ。ただ、この疑問に答えてくれる人がいないか気になっただけで。

でも、結果は見事に自爆と言えるだろう。

なによ、なによ、なによっ!
私なんかに何ができるっていうのっ!?
ただの役立たずじゃないっ。
何にもできないで、日に日に昌浩の疲労だけが増えていくのよ?
それでも、私達の前ではいつも通りに笑おうとするの。

こっちが、切なくなるじゃない………


泣きそうな表情で、しかし言葉にはせずに心の中で騒ぎ続ける。

ーーー嗚呼、なんで昌浩なのよっ?

他の誰かじゃ駄目なの?
力を持たない誰かじゃ駄目なの?

なんで、いつもいつも、昌浩ばかりがつらいのよっ!


だんだん混乱してきて、遂には頭をガシガシと掻きむしる。
その動きを目に留めて、玄武は静かに言った。

「その動きと音で昌浩が目を覚ますのでは?」
「うっ………」

二の句が続けずに黙り込むと、すぐ間近に慣れた神気が現れた。

「それくらい、平気だろうさ」

涼やかに微笑む顔は、いつも穏やかで優しい。

ーーー彼女なら、私の疑問を解決してくれるだろうか?

一瞬の逡巡のあと、太陰が意を決して勾陣にたずねた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

眠いから、続きはまた明日。

128:咲夜:2016/06/27(月) 23:48

>>126、な、なまこ…!?それは…凄い…!
家族全員「貴」が入ってるんだ〜!え、お父さんとお母さんも…?凄い偶然!

うちはね〜。お母さんと妹と私に、色の名前が入ってるの。ちなみに私の名前には、『碧』が入ってます!

129:貴璃:2016/06/28(火) 06:18

綺麗な名前………。いいねっ!

はぅぅ、色も綺麗なの多いからいいよねぇ♪

130:咲夜:2016/06/28(火) 17:40

そーかな?ありがとう!
「瑞碧の海」とか、「出雲の碧色の石」とか、たま〜に出てくるから、なんかちょっと嬉しかったりする…。(苦笑)

131:貴璃:2016/06/28(火) 18:09

綺麗な色だしね、いいよねっ!

自分の名前と近かったりすると嬉しいよね♪

132:咲夜:2016/06/28(火) 18:38

うん!(*^o^*)

そう言えば、今日も塾だった…。
…最近忙しすぎるよ!(涙)

133:貴璃:2016/06/28(火) 18:44

頑張って………!!

私はそろそろテストだよ…来週………。

134:貴璃 悪しき夢…幾たび見ても、身におわじ………:2016/06/28(火) 21:37

続き

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「勾陣、昌浩このままじゃ壊れちゃうわ」
「………ああ、そうだな」
「………私達に、何ができるの?勾陣はわかる?」

自然と早口になってしまう。
必死な様子で問う太陰を宥めるように、勾陣は片手を太陰の頭に乗せた。

「落ち着け、太陰。…私達は、無力だ。昌浩が壊れてしまったとしても、何もできない。だが、これは、あれが選んだ道だ」
「それはっ、わかってるけどっ………!」
「………それに、真実昌浩の傷を癒せるのは、一人だけなんだよ…」

勾陣のその言葉に思わず黙り込み、俯いてしまう。

勾陣の言いたいことはわかる。痛い程に。そして、それは沈黙を守っている玄武も、隠形している六合も同じだった。


ーーーそして、そのやり取りを、寝たふりをしながら昌浩は聞いていた。

嗚呼、結局心配させてしまっている。
いつもいつも明るい太陰の声が、あんなに沈んでいる。
玄武の沈黙が、あんなに重い。
六合の纏う空気が硬い。
勾陣の言葉に感情が揺れ惑っているのがわかる。

俺は、心配させたくないのに。

無意識に体が硬くなる。

しかし、神将達はそんな昌浩の様子に気付かずに、隠形してしまった。


「だめ…だよ…、しんぱいさせちゃ………」

気配が完全に消えたのを確認して、小さく呟いた。
それは、昌浩の心の声でもあった。

“心配させたくない”

「はやく………なれるんだ………」

ぎゅっと、目を瞑る。
実は、勾陣が声を上げたあたりから起きているのだ。
でも、今までだって、あまりまともに寝ていない。
そろそろ寝なくては。

「…夢………いいのだと、いいなぁ………」

最近は、いい夢なんて、見ないから。

「………めん…、…ごめん……」

紅蓮の心を傷つけるようなことをして。
紅蓮を孤独にしてしまって。

ーーー俺が、戻ってきてしまって。

「…ごめん………なさい………」

閉じた眦から、涙が溢れそうになるものの、それでも決して泣かないように、気を張り続けた。


ーーー気がつけば、いつものように太陰がきゃんきゃんと騒いで、玄武が辟易していて、六合と勾陣が呆れたような空気を出しているいつもの朝になっていると信じて、ゆっくりとゆっくりと、深淵の闇に呑まれていった。







「ーーーーお前は、一体、誰なんだ?」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

はい、今日の続き終わり。

書けたら、また明日やりまする。

昌浩〉〉早く紅蓮を返せよぉっ、馬鹿貴璃!!

太陰〉〉そうよっ!早くしなさいよ!

貴璃〉〉ごっ、ごめんねごめんね!!なるべく努力するからぁ!

玄武〉〉努力じゃ駄目だと言ってるだろう!結果を残せ!

貴璃〉〉が、頑張ります………。

135:貴璃:2016/06/28(火) 23:06

ねぇねぇ、Googleとか、Yahoo!とかから占いツクールって所検索していけたりしない?

私、そこで小説書いたり絵を描いたりしてるんだけど…。

あ、名前は同じだけどね!

螢を見に行く流れのようなものを絵にしてみたの。
簡単にだけど。で、咲夜がそれを見れたらいいなぁと思って、もしも行けたら載せようと思ってます!

無理だったら、ごめんなさい、だ…。

136:咲夜:2016/06/29(水) 00:46

あ、行けるかも!
ちょっと探しに行ってくるね!

話の続きは…えっと、また今度!

昌浩))もう!早くしてよ!全然 彰子と蛍を見に行けないんだけどー!?

137:咲夜:2016/06/29(水) 01:09

探してきたよー!
えっと、小説・『光の御霊を守り抜け』であってる?
とことん探して、最終的に「貴璃」で検索したら出てきたんだけど…。

今日はもう遅いから、明日とかに読んでみるね〜!(*^o^*)

138:貴璃:2016/06/29(水) 06:43

あってるよ!

139:貴璃:2016/06/29(水) 18:33

でも、小説読まれるのなんか………急激に恥ずかしい…!!

140:貴璃 オン、アジャラセンダ、ソワタヤウン………!:2016/06/29(水) 21:29

そして、今日の続きですです(・ω・)ノ

だんだん意味不明になっていく………。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

お前は誰なんだ?

俺はお前の事を、知らない、見たことも無い。

知らない間に生まれた子供。

他の神将達と馴染んだ子供。

だが、俺はお前の事を、何も知らない。

お前の名前は、何だ?
何度聞いても残らない。

お前はどんな顔をしている?
その目で見ても、すぐ消える。

嗚呼、一体、何なんだ。

晴明、お前の仕業なのか?

それとも俺に問題があるのか?

“お前は一体誰なんだ?”

晴明の孫だという、あの子供。
ーーーー後継だという、あの子供。

俺の知らない間に何があったんだ。

誰か、誰か、教えてくれよ………。

誰も何も言わないけれど、あの子供の眼は真っ直ぐ俺を見る。
見ても、泣きそうに、揺れる。

だから俺は関わらない。

泣かれるのは面倒だ。

会話するのも面倒だ。


嗚呼、成程、関わらないから知らないんだな?

だったら、泣かれるのは面倒だし、このまま知らないままでもいいのかもしれない。

お前は誰か、気にならないわけでは無い。

だが。

今は、知る必要は無いんだろう?

そうだ、皆、いつもそう言ってるじゃ無いかーーー。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

紅蓮視点だよ!

ちょっと、私にしては短めかな。

次回は普通に内容進めると思う!!

今日は書かないけどw

141:咲夜:2016/06/30(木) 23:34

おお!紅蓮の葛藤!素敵です、貴璃様!
(≧∇≦)

最近忙しいよぉ…。助けて…。
まあ、生徒会長と応援団を何も考えずに掛け持ちしちゃった私が悪い…。(涙)

貴璃の小説、明日読むね!

142:咲夜:2016/06/30(木) 23:34

そして、私のお話も明日 進めます!

143:貴璃:2016/07/01(金) 16:31

頑張れ、咲夜…!!

しょ、小説、文がいろいろおかしいからっ、流すように読んでっ………!!

144:貴璃:2016/07/01(金) 20:33




まるで、溺れているみたいーーーー。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

紅蓮の前のやつの続きだよ!
はてさて…どうやって、終わったっけ…?

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「昌浩っ! いつまで寝てるの、そろそろ起きなさい!」

きゃんきゃんと甲高く響く声がする。
その声に誘われて、昌浩の思惟は浮上した。

「………ぁ…おはよう…、太陰………」
「………もうっ、いつまで寝惚けてるのよっ!大体ーーー」
「昌浩、起きたか。では、朝餉にするぞ」

このままではいつまでも続きそうな雰囲気の太陰の文句を綺麗に無視した玄武が、声を上げた。

「うん。玄武もおはよう」
「うむ。おはよう」
「ちょっと、無視しないでよっ!!」

朝から元気だなぁとぼんやり考える。
でも、なんだか体に力が入らない。
頭がぼうっとしている気がする。

上手く働かない頭で太陰と玄武のやりとりを見ていると、六合が異変を感じて顕現した。

「………昌浩。俺の手を握ってみろ」
「………ぇ?あ、うん…」

差し出された手を、言われた通りに握る。

「わっ、六合の手、冷たいねぇ」
「…やはりな。昌浩お前、熱があるだろう」
『えっ!?』

手を握る昌浩の手が熱い事に、六合は嘆息した。そして、その言葉に反応したのは子供の姿をした神将二人だ。
昌浩は不思議そうに首を傾げている。

「二人とも、どうしたんだ?」
「どうした、じゃないわよっ!!大丈夫なの!?」
「昌浩っ、無理などしてないだろうな!!」
「へ?え、俺元気だけど………?」

ますます訝しる昌浩だ。
そこに見かねた勾陣が顕現し、とりなすように声を掛けた。

「玄武、とりあえず朝餉の準備はしておけ。少しは食べさせないといけないだろう」
「む………それもそうだな。心得た」
「太陰は、昌浩を見張っとけ。朝餉まで無理しないように寝かせておくんだ、重要だぞ」
「わかったわ!任せて!」

その言葉に合わせて、それぞれ言い渡されたことを始める。

「というわけでっ、寝るのよ、昌浩!」
「え、やだよ。眠くないもん」
「『眠くないもん』、じゃないのっ!熱あるんだから!!」
「うー………」
「ほらっ、朝餉まで横になってればいいのよ!」
「わかったよ………」

渋々、褥に横になる。
そして、ぼんやりと梁を見上げて、考える。

ーーーああ、今日もあの夢を見てしまったな…

物の怪が、いくら呼んでも振り返らない。
そのうち見えない壁に阻まれて、力の限り叫びながらその壁を叩くのだ。
最後に漸く、何の感情も映さない、夕焼け色の瞳が振り返るーーー。

毎日毎日、これの繰り返し。

だんだん、深い湖に沈んでいってるみたいだ。

終わりのない、螺旋階段。
自分が選んだ道。

毎日同じ思考をぐるぐる回っている。


だんだん、思惟が混濁してきたーーー。










ふと気がつくと、辺りは何も見えない暗闇だった。

「……ゆめ…だよね……」

言いさして、唐突に顔を歪める。

苦しい。

「がぼっ…!ん、み…ず………!?」

暗闇だと思ったのは、深くて何も見えなかったから。
………夢だったから。

でも気がついてしまえば、苦しみが押し寄せてくる。


苦しい苦しい苦しい

助けて、誰か…!

勾陣………六合………太陰………玄武………!

紅蓮ーーーーーーーーーーーー!!

しかし、はっと目を見開く。

ーーー紅蓮には、頼れない
だって、今は俺にとっての“紅蓮”じゃなくて、“騰蛇”だから。
だから、頼っては、いけないーーーー。

じわりと、涙が滲む。

水の中で目を開けているためか、それとも。

ーーー(つらいよ)

ーーー(苦しいんだ。助けて)


この声は二度と届かない。

ーーーー(助けてよ………紅蓮………!!)




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きりが悪いけど、一旦終わりね

145:咲夜:2016/07/02(土) 02:05

ではでは、久しぶりに書きます!
眠いから、ちょっと文章おかしいかも…


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……かなりいろいろあったが、車之輔は貴船の結界の前まで無事に着くことが出来た。
車之輔は一応妖なので、ここから先に立ち入る事は出来ない。


「ありがとう、車之輔!一刻くらいしたら戻ってくるから、それまで待っててくれる?」


昌浩が訊ねると、心優しい妖はぎしぎしと音を立てて軛を振る。言葉を理解する事は出来ない昌浩は、物の怪を振り返った。


「ご主人様の為なら何なりと、だとさ。よかったなあ、昌浩や」


物の怪が通訳すると、彰子は嬉しそうに車之輔の顔(?)を覗き込んだ。


「ありがとう!…車之輔も、蛍を見る事が出来たら良かったのにね…。残念だわ」


ぎしぎし。がっくん。


「いいのです!お二人でゆっくりと楽しんで来てください!だとよ」


さりげなく自分が抜けている事に不満を覚えたが、物の怪は車之輔の言葉を二人に伝えた。


「うん!じゃあ、行こっか、彰子」

「ええ!楽しみだわ!」


ごく自然に差し出されたその手に、彰子は微笑んで自分の手を委ねた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーー

「大丈夫?辛くない?」

「私は大丈夫よ。昌浩は?」

「ん、俺も平気。あ、もうすぐだよ」


歩き進めて行くうちに、川の近くまできた。
彰子に目隠しをし、そっと近づいて行く。


「よし!ここでいいや」


ある場所まで彰子を誘導し、目隠しを外す。


「まあ…!」


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眠すぎるから、ここまで!許してね〜!
文章も変だけど、無視して下さい〜!
…まだ、終わりません。はい。
…かなり遅いです、はい。
続きはまた明日!*\(^o^)/*
明日


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