此処が何かって?
にが〜いジメジメと、チョコみたいに暗い森林…
そうさ!チョコレイト・ジャングルさ!
夢を抱いて入り込んだやつは、みーんなビターな味を思い知って
逃げ帰って行く森さ!
『スイーツバイオーム 観光案内』より引用
「……うーん…やっぱりキミ、戦闘面で不安なのかな」
話された言葉から瞬間的に結果を構築して予想
……あー、いや、油断もしてたけど…ちょっと…
疲労が…だいぶ重なってて…
(何回も徹夜をしていて、ろくに飯も食えておらず、しかも血を捧げた)
……戦闘は、まあまあできるんだよ?ほんと…
「…ぅうーん…じゃあ、これとか…(ズルっ)利用してみる?」
義体ニャルの 頭 。
それも変身後のやつをマントの裏から引っ張り出す
「後でご飯も出せるけど、いる?」
……ぇ……ぁ…こ…これ…っ…な、なんで持って……
(後ずさり)
「…?あぁ、私たちは本体の活動に何かしら、能力やエネルギーの消費があって…
本体が動きたくない時はこんな風にそっくりさんの義体を作って動かしてる」
もう一体完璧な形の義体(ニャル)を出す ほら、そっくり
「義体って言ってもあの子の場合、更に凝って変な機能つけてたり…
ほら、こんなのとか…エネルギー不足なだけで機能は充分、どう?」
【要塞攻撃用兵器】と銘打たれた小型砲が義体の腕からこんにちは
…………まさか……?……いや、まさか…
……城を…俺達を襲ったのって…これじゃ……
「………え?」
半壊している方の頭部を調べ…
「…あぁ、なるほど…見て」
【敵味方識別コード】配線がめちゃくちゃ
「…あの子こういうの苦手だったか…」
………………いらぁ……!
なーるほど…?つまりあんの野郎のせいで俺達は死にかけたと…?
……ふーーーーん……??
(にこにこ笑っているが、とても怒って)
「……うん、騒ぎは起こさないで…それで、使う?いろいろ」
ヌルッと大量に義体を出す
……いーーらなぃ……そういやぁ…あいつにも約束果たしてもらわないと…
……お仕置きして…やんないとなぁ…スゥゥゥゥゥ…
…ニャァァァァァルゥゥッッ!!(大声で叫ぶ)
……後で、ぜぇったいしてやる……
・・・
「ま、まぁ…ザレッド…前みたいに….死なない程度…ね?」
心配なのか手を取る
「…下手したら君がやられる」
……違う違う…戦闘はしない…お仕置きするだけ…
…にひひ…ふぅ…落ち着いた…
……
「…とりあえず…寝場所、決める?
……しばらく此処にいるんだし…」
おどおど
……そうだな、今日は寝ようかな…疲れたし…眠いし
215:ナイ=ア◆.s:2019/09/16(月) 08:41 ………………
【 チョコレイト・ジャングル下層】《 ミルーキだいどうくつ 》
滑らかな肌触りの白い岩が作り出した 地下の銀世界
反射されて奥へと入り込む陽光が苔の群をこの地に呼び寄せるので
ただ幻想的なだけの地ではなく 確かな命の流れが確立されている…
「……ぁと………にじ かん………」
野外用睡眠ベッド、それを持ち込んで2人は眠っていたが…
しようのない事にこの黒は寝起きが悪く ザレッドの腕を引っ掴んで目を閉じ続け…
……あ、し、しまった…寝すぎた…
…う、うぐ…すぐに戻りたいんだが…俺の体にひっついてこれ取れないな…
はぁぁ…(諦めてため息を吐き、指を色々動かして遊ぶ)
・・・・
ふみい…ふみぃ…
(抱き着いた腕に安心しきった表情で熟睡…)
その寝顔はただのいたいけな小娘でしかなかった
(人は言う、どこが神だ)
……うーーん…まいったなぁ……
……別にいいけどさぁ…流石に…身動きが…
(そう言いつつ顔は嬉しそうで)
……眼福眼福……ふふ…
………
(さわっ)
寝心地の良きは続き、眠る時の不可抗力として腕の力は適当に動く
枕の腕を抱く力が上下するうち、ザレッドの指は偶然柔らかい黒の頬に触れて…
(きゅぷ)
寝たままの黒に指を咥えられた
……っぁ…あっ…や、柔らか…ぁっ!?
っ…く、くすぐっ…たぁいっ…
(必死に声を押し殺して)
困り声を他所に すやりと目を閉じている黒は遠慮なく眠りの良きに落ちる…
(きゅ)(ちゅる)(れろ)
人は本能として、眠りの最中に口に吸い付くものがある事で安心する…
この黒は人でもない割にそんな感覚があるのだ
(指を噛む[弱]吸う[無害]舐めるを人懐っこく繰り返す)
更に安心故か腕に抱きつく力も多少は緩み
程よい体の温かみがザレッド腕に自然と回る…
…っ…ぅ…なんか…あったかい…けど…こしょばいし…
…むぅ…後で怒るからね…はぅぅ…
……妹と違って優しくて…いいなぁ…はぁぁ…
…あ、やばい…また眠く…
(ウトウトし始める)
……(ぱち)
指を口から離す
…
まだまだ眠たそうな目を細々と開けて 凛としない黒が上体を上げる…
(「邪魔」と言いたげにザレッドの右腕を上側に退けて)
(ぎゅ)
……「…ー…ん……」
今度はザレッドの右腕を枕に寝転がると 胴に抱きついてまた寝息を立て始めた
心なしか先程よりも寝顔がやすらか…
…おい、起きたよな今…おぉい…身勝手ぇ…
……はぁ…全く…そっちの方が心地いいのか…?
(暇そうに、空を見上げる)
…よしよし…(腕を曲げて、頭を撫でる)
………
…すき
(頭を撫でられた途端にいっぱいの笑顔でザレッドの体に顔を埋めて
無意識のか弱い全力で抱きつく力を上げる…ただ黒の体温が心地良いだけ)
……
ぴこぴこと 後ろの腰辺りで衣がひとりでに動くように揺れる…
足では、無い
上ミス
227:ザレッド・イニール◆rDg 手腕の魔人:2019/09/16(月) 22:56 ……あぁっ…!?今なんてぇ………??
…う…ず、ずるいよこんなの…うぅ…
…(顔が少し赤くなっている)
……………
それには黒は一切答える気など見せず…
ただただ心地良い眠りに落ちるだけだった
(するり、と…後ろ腰辺りで動いていた物が衣からちらり…
…ふかふかな感じの、尻尾)
……一日中寝ちゃったなぁ…
…で、何これ、尻尾…?……ふーーん…?
(好奇心で手を伸ばし)
…(………)
無論、眠る黒は抵抗も勧める意思も見せない
ただ気持ち良さげに眠りながら尻尾を振るだけ…
(ザレッドの手が近寄ってもまるで抵抗なし)
……ぁ、結構もふもふしてる…柔らかい…
…(少し夢中になって優しく握る)
……ほんと、可愛い…はぁ…ふぅ…
……っ…ふ……
(埋めた顔から 反応するようにか細く声が漏れる)
眠る姿勢は変わらない しかし ぴくんっ と尻尾が張る
……ぁ…やばい…加虐心がくすぐられる…ちょっと…ドSになる…これは…
……これちょっ…可愛すぎて…
……(尻尾を優しく握り、くすぐるように触る)
…ん……っ
(目は覚めていない、しかし反応が本体にまで及ぶ…
仰向けになり、隠すように腕を目の上に置き、その体勢のまま反応が続く)
ひ…ぁ……
……っ…やばい…ってこんなの…
(ぎゅぅと体を抱きしめながら、尻尾を繊細に触る)
……ペットかよっ…可愛すぎて…やばい…
…ん…んぅ……っ
(目を隠す腕が外れ、赤っぽくなって汗が流れた黒の顔が露わに
抱きしめられた体は抵抗しようともせず 少しずつ 強くなる甘い声を漏らす)
ひ…っ……ぁ……ん…
………やばい…自制できなさそうだし…うぅ…や、やめとこ…
…っ…もふもふ…うぅ…あうぅ…
(名残惜しいが、手を一旦離す)
っっ……はぁ…はぁ……
(額に腕を置いた、その下の顔は赤みを帯び、頬は熱く…
荒い呼吸と少し野間を置いて流れる汗)
尻尾は、少しだけピンとした後で へにょりと動かなくなった
(…見れば、動いた影響で少し衣がずれ、うっすらと透ける胸元のシャツが露わに)
………アウトアウトぉっ!!だめだっ、ガチでダメなやつだぁっ!
(慌てて目を逸らす)
こんなんだめだめっ、ガチでだめっ!
(手で隠し)
(ぐっ)
隠そうと出された腕を 押し退けられ、逆にザレッドの両肩が掴まれる
「…,…ふーっ…ふー…」
…怒り、というのは不適切…深く燃えるような目の黒は
少し落ち着いてはいるものの変わらず荒い呼吸、そしてじっと相手の目を見る
「…,……ザレ…っどぉ…」
……あ、な、ナイアさん…?お、おはようございます…
…そ、その、何か変ですよぉ…?俺凄い嫌な予感が…しますんですけど…
……(焦って逃げようとする)
………
[ ばっっ ]
肩を掴んでいた黒は強引にザレッドを引き寄せ…
【 んっ… 】
……前よりも、とても激しく唇を重ねて ザレッドの背に回った腕がより強く抱き締める
色に燃える目を細め、まるで違うような長い時、唇を重ねた
「………………ーっ」
(…)
……〜〜〜っ!!?
っ、っ、っっっ!!!
(慌ててジタバタあたふた)
ーーーーーーーっっ
【 はっ 】
「ーはっ はぁ ふっ…はぁ」
3分の間にようやく顔を離し 荒げた呼吸を整え…
「ーーーっ ふー・・・」
落ち着いた呼吸へ戻ると 黒は戸惑うように
色に燃えた目をザレッドへ向けた…
(頭の中は 真っ白だった)
…はぁっ…はひゅ…まっ…たく…その…えと…
…なんて、言えばいいんだろ…あの…
…うぅ…あ、ありがと…////
(顔を赤くしながら小さく呟く)
・・・・・・
【 かくっ 】
ぱたっ
(何が引き金かは分からない、が…
確かにザレッドの言葉の後、目を回したようにふらつき 仰向けに倒れる)
…………
わたし なにやったの
……………お、覚えてないんだぁ…へ、へぇぇ…///
……教えなーい…♪
(少し意地悪に笑い)
《ミルキーだいどうくつ》
………………………………
(頭を抱えて低く唸りながらうずくまり続ける)
このわけのわからないザレッドに対しての恥ずかしさは…?
(ただひたすらにそれだけ)
………ふぅぅぅ……ぁぁぁぁっ…!!
(頭を抱えて転げ回る)
……だめだって、あんなん…ほんと…だめでしょ…
反則だし…うぅぁぁぁっ…!!
(叫びながら少し葛藤)
……ふぅぅぅ…よし…な、ナイア…い、いぃ…?
何したか…話すよ…?
(覚悟を決めた様子)
【 ジ ーーーーー 】
「……落ち着いて…君も、少しは腹が減ってる…だろう」
迷ってばかりでは体がもたない、とりあえず 腹を満たす為に焚き火を…
([可食処理済み『マシロオオコウモリ』の串、焼きリンゴ
毒抜き『ベニサカサ』(茸)、『翡翠魚』の串…この森特有の食物を炙る)
「…もうすぐ、焼ける……から…転げ回るのは、後に…しない?」
口調からして落ち着いていないのは…
……いや、でも、先に言って、その後落ち着いて、飯、でいいんじゃないかな?
というか、早く言っておきたいっ!
流石に早く言いたいの俺はっ…!!
(少しあたふた焦りながら、大きな声で)
(そう言いつつお腹からきゅるると鳴り)
【 ぎゅむ 】
「……育ち盛りがご飯を先延ばしにする事はご法度」
こんがぁりと焼けたコウモリ串を開かれていた口にさっと押し込む
(果肉を好んで食べるオオコウモリ特有の悪くない味が広がる…
焼きたての歯ごたえ、臭みを感じさせない強い風味)
「……ね?」
……んぐ…わ、わかった…飯食ったてからな…?
…
(味わうようにゆっくり食べ)
…おぃし…
「……」
【がぶ】
(ザレッドが食べ始めたのを見て、自分も静かに焼きリンゴを齧る)
…まだまだ焚き火の串は残っている
「…たんと食べるの、キミは力つけなきゃいけない身だし」
(…言いつつ、よく見れば黒の顔も妙に赤い)
………もう、大丈夫だし…身体を治ったし…
すぐにでも…いける…から…うん…
…(チラチラ顔の様子を見ながら串にかぶりつき)
…ぅー…モヤモヤする…言いたい…
………………
「……いゃ、もういい…」
(噛み砕いた果肉を飲み込み 歯切れ悪く切り出す)
顔は先ほどより赤らんだ
……んぁ…?なんて…んぐっ…
(少し食べるのに夢中で聞こえてなかった様子)
……
「思い出しちゃった」
直後 火が出そうなくらいに顔を真っ赤にして
手で顔を隠しながらそれでも恥じらいが凄まじく 下の方を向く
「……っ」
(わぁーーーっ!)
……あ、そっか…うん…そっか…言う手間がはぶけた…
…いや、自分も悪いよ…?尻尾いじったのは……
でも…あれは…その…うぅ…//
(そっぽを向かながら小さく飯を食べ進め)
「っっっっっ・・・・」
遂には下向きでも抑えられず 縮こまって腕で顔を覆ったまま
後ろを向いて恥じらいを堪える…
(集中の対象外である尻尾は衣の下からだらりと垂れた)
「……ぃ…よ」
ぼそぼそ と…
……んぐ…なん…て…?
(聞こえなく、近づいて耳をすまし)
………
腕を少しだけずらして 翡翠色の片目が恥ずかしげな色を持って見やる
…
(か細く 掠れた声が少し響いた…が)
「…き 気に入ったなら…
気に入ったなら わ 私…また さわって…」
ぷるぷると体を震わせ…
「…さわって いいよ」
……………(ぷい
(そっぽを向いて見ないようにしているが、顔はかなり赤くなっている)
…だめだよ…ほんと…(小声)
…………………
(「何言っちゃってるのぉぉぉ!!!?」
心の中で混乱とともに怒号が木霊する…暴走しかけた一言だが、凄まじい
黒歴史と心が強く認識、更に縮こまった姿を維持する…)
きまずい!
……!…ちょっとだけ…
(能力を使い透明な手を浮かせ、ナイアの尻尾に優しく触れる)
【 びくっ 】
「ひゃぅっ !?」
弾けた様に前のめりで 四つん這いに倒れる
「ち''ょっ…いき''な''りぃっ…」
もう呼吸は荒げ 頬は赤く染まり
尻尾はびくっと震える
……にひ…なんのことかなぁ…?
(意地悪に笑い、透明の手で尻尾を握る)
「なっ…!! ゃめっ」
【 ぎゅ 】
ひゃ''ああ''ぁあぁ あ あぁあ''あぁ
四つん這いの上体ががくんと落ち、何かに悶える様に黒は甘く悲鳴を上げる
足は膝が付いて小刻みに震え 下半身から伝わる様に悶える様な震えが広がって行く
「ゃ''ぁっ・・だめ''えぇッ!!体 っ から だあつ''いよぉ''っ」
(目が潤み 混乱した頭がめちゃくちゃに大声を叫ばせた)
…………うわぁ…すっげぇ…誤解されそう…
……でも、もうちょっと、うん…もうちょっと…
(ビデオを回しながら、透明な手で、尻尾をさする)
「!!!! も''うた''めっ や''めっ・・おか''しく''な''っち''ゃっ
(さわ)
ゃ''ぁああぁあ''あ''ぁああ''ッッッ 」
下も回らなくなり 伝わる刺激が口の中から舌を外へ追いやる
上体から下半身までがピンと張り 小刻みな震えが身体中を這う様に駆け巡る
あ''っ
【 フッ… 】
【バテ】
刺激が 極に達する…脳の処理が限界を超過し、信号伝達が麻痺する…
つまり 気絶して倒れた
……オッオォぅ…どう見てもあれじゃん…アウト…
(ビデオカメラをしまいながら)
…大丈夫……?
(近づいてぺちぺち頭を叩き)
【 ガッ 】【メ''リバギッ】
横から伸びるは腕、ザレッドの黒を叩く手を握り 容赦無く折る腕
………
「殺されますか」
白黒が笑って隣に立ってた
……………(冷や汗)
…ちがう、違うんです、ガチで、これは…
…あの、おはなし、ガチでお話だけ聞いてください…
(誤魔化しようのない現場)
……これは、あの…ほんと、違うんです…
(後ずさり)
【ボキッ ボキッ】
「………」
笑顔を崩さずに腕を鳴らして白黒は近寄る
【ガ】喉元を掴み…
「汝が業、一切弁解の余地なく極刑を言い渡す」
顔は変わらない
(薄く目を開けた以外…)
「…死ィッ!」
【ス''ト'ォッ】
ザレッドの頭に鉄拳一発!
更には…
『貴様には 死んだことを後悔する暇をも 与えんッ』
白黒の背後より怒りを体現する様に幽波紋出現ッ
【 拳を振り上げたっ 】
いだぁぁっ!!?歯がっ、俺の歯がァァァァっ…!
腕っ、俺の腕がぁぁぁぁぁァァァァ!!
あぁんまりぃだぁぁぁぁぁっ!!!
(阿鼻叫喚)
・・・・・・・
ぱち
刺激の波から解放されて 私はよろめきながら体を起こす
(“今の出来事“に顔を隠したくなるが 妙な静けさに気付いて周りを見渡…)
磔になった四肢、強烈な殴打で骨諸共グチャグチャになった全身
極め付けに重量感満載の重機で叩き潰された現場…
(………ぇ?)
「…ざ……ざ…れ…っ……ど……」
惨殺死体のボロ切れタンカスの様になった彼を見て
私は全身の血の気が引く思いがした
…………ぁ…んにゃろ…ゆるさね…がちで…
…ふざけ…んなよ…ガチで…やる気じゃねぇか…
…っ…死ぬ…ガチ…で…目が見えなくなってきた……
(ボソボソ今にも消えそうな声で復讐の目をしている)
「っっっ」
(慌てるよりも先に、体は動いた)
衣が強靭な腕の様に蠢き 重機を払い除けて磔を外す
(気が落ちつかせ 本体がザレッドに走り寄る)
「……(無事…な訳がない…!えぇっと…まずは…)」
妹よりも手際は悪かった
(全身に刺さったナイフを引き抜くと同時に止血、傷を塞ぐ)
ぇぇっと…次…
……ぁーー…大丈夫だよ…ナイア……死なない…と思うから…多分…
…えほっ…げほっ…おえぇっ…
(吐血)
「!!!!!」
顔が青ざめ 血の気が引く…
(自らの指の一部を『真化』してザレッドの腹に突き刺す…
指を通じて広がる触手が瞬時に最良の状態へ内臓等の器官を復活させ)
『コダイ復骨法!!!』
(全身の骨を復活させるが、予め忍ばせた触手で
痛みを感じる事なく元の骨格へ戻される…)
【ズルッ】
「…あと少し…!もう少し辛抱して!ザレッド!」
指を引き抜いて 焦るままに私は呼び掛ける
さぁ次だ…!
…っ…いいって…いってるのに…はぁ…えふ…
…あ、やばい…ちょっと…寝るね…?
(ゆっくり目を瞑る)
…………ぁ…やっぱ寝れない……何か…体寒い…
…ごめん、迷惑ばっかかけて…
(にこっと弱く微笑み)
「それってただ寝るって意味だったらいいけどっ…!」
【ギャムッ】
(全身に流れ込んでいるナイフに仕込まれたであろう毒素を噛み付いて啜り抜く
結構な量の血を吸い込んでしまったが構わず 吸いきり、口を離す)
……えぇっと、あと…
「…ぅ…ぇぇっ!!」
【ビチャッ】
『肉錬金術!!』
ザレッドの血液を地面に吐き それを用いた円陣を書き上げてそれを召喚する…
(ザレッドそっくりだが、万全で頭のない肉体)
「…悪いけど…っ!」
【ドドスドスドスドスドスッ】
(触手を管の様にして、義体とザレッドを繋ぎ
一気に義体から万全な血液をザレッドの方へ流し込む…)
「………っふぅ…」
全てをやり終えて、私はザレッドのそばに座り込む…
「…疲れた」
………ぁー…ほんと…ありがと…ごめん…迷惑ばっか…ほんと…何回も…かけちゃって…
……自分が、悪いのに…ねぇ…
(少し泣きそうになりながら、顔を伏せて)
・・・・・
【ひしっ】
「………わかってないなぁ…キミは」
(少し顔を見たあと、遠慮なくザレッドの胸に上体を乗せる
さっきまで忙しくしていたからか、黒の体は熱い)
………は、は…ほんと…なんで俺が代理魔王だったんだろうね…はぁ…
…ほんと、全部ダメなのに…っ…
(フラフラしながら立とうとする)
「……」
【スコンッ】【ボフッ】
(立とうとするザレッドに足払いをかけ…
瞬時に自らの“衣”を脱いで倒れる前に下に敷く)
「本当、分かってないよ キミは」
……あ…?な…んで…おれもう…大丈夫……だよ…?
…もう、帰っても…大丈夫…だよ…?
(少し痙攣しながら、腕を伸ばし)
「…やーだ、キミこのまま帰ったらまたすぐ無茶するでしょ」
(制服の様な私服姿でザレッドの隣に座って背中を押さえる)
「私は気に掛けたら良くなるまで絶対に離さないの、
だからキミはまだ帰れないよ?」
……これ以上…迷惑…かけれないし…もう…帰らないと…ダメでしょ…?
…俺は、ちゃんと…体…治った…し…
(ナイアに困惑の目を向けながら、腕を伸ばして立とうとする)
【がじっ】
(ザレッドの耳に噛みつき、 触手で脇をくすぐる)
「…(このやろ、このやろ)」
んしぃっ!?っ…ふふっ…ち、ちょっ、やめっ…く、くすぐりほんと久しぶりだからっ…
またあれになっちゃうからだめっ…くひひっ…
(脇をくすぐられると、油断はしていたのか、大きく笑い)
……ん
(ザレッドの背に馬乗りになったまま)
「…キミね?今の自分を卑下し過ぎなの」
少し広い背中を撫でながら 私は言う
…っ…ふぅ…はぁぁっ……んぇ…?
……だ、だって事実だよっ…?
…何もできていない…し…ほんと…
(弱く声を出し、手を組んで)
…魔物だから、強いのが全てって思ってたんだよね…今も昔もだけど…
…心もいるけど、どこか足りてない…から
…ふ
「…強くなくて、悪い?心無くて、強くなくて…
それで今、私といて楽しくない?」
(ザレッドの背の上でごろんっと寝転がる…
尻尾はザレッドの足辺りでぺしぺし)
……楽しいけど…さぁ…俺、自分でどこかに枷作ってるっぽくて……何か、日に日に弱くなってる気がして…
……楽しいから、いいけど…
(どこからかビデオカメラを取り出して、録画を見ている)
…こんな記録というか情報も撮れたし…
「!!!!!……っ…」
(顔が真っ赤)
「……ぅ、ぅぅんっ!…そう!楽しいからいいの!
…キミがね?キミがそうだったからこそ、どこか足りないキミだから私と居る
日々があるの、どこか足りないキミだから私は楽しい」
「…生きる価値って、なんだと思う?
それは君が決める事だろうけど…今を楽しく生きる為にある価値っていうのも
君にとって悪くないものだと、今日から思ってみる気はない?」
………ん?………あ、う、うん!そうだねっ!!
(ビデオに夢中で聞いていなかった様子)
うんっ、俺頑張る…ぞ?うん…
(自信なさげに)
「……はぁ」
【 ぐっ 】
(ザレッドの胴あたりに抱きつく、衣が無いので
若干別の柔らかさがある)
「…しっかりしてよ、私に好きって言わせてるんだから」