皆さま、こんにちは、フフフ、今宵は月が綺麗でございますね。
こんな夜は、是非とも聖神教会を足をお運びくださいませ。
我らの神が必ずやあなたを導いてくれることでしょう。
今宵は静かですわね…我らの父に祈りを捧げましょう
3:ナイ=ア◆.s:2021/02/15(月) 22:36
あら あら ……仮に同じ"神"の類いが訪れる …そんな時…
( 静寂は今宵の中に消え 軽々しい 不敬の声は響く )
___響く元 …協会によくある長椅子の一つより…
「 あなたの父はどう導いて下さるのかしらぁ? 」
…あら…あなたも導かれたのですね、お客人。
(突如その姿を現したナイアに目線を向け、コツリと音を立てて踵を返す。
背後には色とりどりにそびえ立つステンドグラス。月の光に妖しく光る。)
わたくしの父、すなわち我らの神でございます。
神はこの世の混沌を鎮め、悪を制し、生きとし生けるものを正しく導いてくださるでしょう。
「 良い信徒ですわねぇ …愚直な 人間の在り方。
…けれど そんな所だから
わたくしも足を運びましたのですわぁ 」
( 改まる気配もなく 不敬を散りばめた声は
より一層の声高さを含んで協会の中に響く )
「 ……さて、何かしら… 矛盾の元に否定したくもあって
けれど意味もない口の叩き方をするのも困りもの、ふふ 」
愚直…しかし、それこそが人間の真髄ですわ。
己が信じた道を踏み外すことなく、まさに敬虔なる信徒でしょう。
…あなたも人間ならば、理解なさる筈ですが?
( 次いで響く拍手の音… 嘲るようなリズムで手を鳴らす )
「 わたくしが問いたのならば、一部にして正しい言葉ね
神聖とはそうやって紡がれるものなのですわぁ?…あら
そんな人物がねじ曲げて残すと言った方が正しいかしら 」
_______蝋燭の火… 安定を知らず 不規則に揺れ動く…
「 ……ただ、"人の真髄"については貴方…大分間違った
見解を抱える様子ですわね…良くない 良くないですわぁ 」
とっても
では、あなたは神が間違っていると?
神の尊さを知らぬ哀れな人間よ…わたくしが懺悔を聞いてさしあげましょうか?
「 あらあら、あらあらあら… とんでもない 」
「 神に"間違い"なんてありませんわよぉ?
やることなす事、定めて行った後に残る"結果"。
運命そのものが神なんですもの!…少なくとも
人間が用いるべき神、という言葉はそんな感じですわ 」
( 椅子からは声のみが響く …立つ影も 何もない )
「 ……人、それをそれたらしめるもの…
それが、何なのかわかりまして? 」
神を尊び精進し、されど届かない。
儚く限られた時の中で生きる。その概念こそが人間を形成しているのですよ。
分かりますか? …人ならざる者よ。
「 人に …限りなどありえませんわ…ふふ 」
( 静けさ ___充ちる空間に響く小さな声
凍り付いたような 無音の時が部屋を覆う )
「 さぁ?…ただ、その考え方に理解を示すことは
"決して"出来ませんわぁ? …神、悪魔、怪物…
揺らがぬ強者も 万物の知恵者も 全能なる者も 」
ひとすじ …そう、ただのひとすじしかない
突破、乗り越え… 無し得る事の出来ぬモノを
無くしてしまう 神も悪魔も何者も抗えぬ力。
「 …逆に問わせていただきますわぁ…
人にしか持ち得ない、唯一にして無二の力
……例えるなら …そう、貴方の場合 」
[ ゴトンッ ]
女神像の 首が落ちる
「 …神でも、殺してしまえる力…お分かりかしらぁ? 」
……
(女神像の首が地に落ちた時、蝋燭の光がフッと消えた。
より一層月明かりが輝きを増し、教会内の崩れた女神像を照らす)
その問いに答える術を、わたくしはどうやら持ち得ていないようです。
あなたは一体…何者ですか?
( 長い 長い沈黙の後… ソレ は 答える )
「 …さぁ? 確定を求めるのはわたくしに近しくある
心を持つもののみが叶うる話。…ただ、貴方に関しては
確定的な事… それが、一つだけありますのよ 」
席を立つ … 暗くはない…ただ 黒い 黒い影が見えた
「 知れないこと この事のわたくしが拒否した結果… 」
「 ねじ曲げられる程 貴方は運が良くなかったのですわ 」
( …小さくも 大きくもない影が扉へ向かう )
…お帰りになるのですか? お客人。
どうやらわたくしは、あなたの存在を認識するに値しないようですね。
人々の魂を導く使命の放棄です。
それは禁忌ですが…神はお許しになるでしょう。
(崩れた女神像を一瞥する。
神殺しの力。それはすなわち、人ならざる者を表す証明。)
…さようなら、人ならざる者よ。
どうかあなたの魂にも安寧があらんことを。
…
(掃き掃除中。黙々と女神像の破片を片付ける)
少しばかり疲れますわね…箒を掃くということは、想像以上に体力を消耗するようです。
はぁ…さて、そろそろ片付いてきましたし、朝のお祈りといたしましょう。
我らの父、救世の神よ。
この世を、迷える生命を導き、どうかお救いになってください。
その為ならばこの命捧げ、あなたの御心のもとにわたくしは使命を遂行いたしましょう。
さあ…今日はどなたかいらっしゃるでしょうか?
救世の礎となる新たな信徒が…
今日はオレが来たよ。オレは回帰教の信徒で、
お前らとはまた別の存在になる。
お前らと違って、オレたちは
今の世の中は救えないと考える。
ぜんぶクソだ。神に頼っても助けてくれないし。
ちゅか、神はとっくの昔に死んだんだよ。
目の前に広がってるのは灰色の光景だけ。
お前は本当で現状が変えられると思ってるのか?
あら、お客様ですね。ごきげんよう。
うふふ、それはね、頼る神を間違えているのですよ。
空虚に救いを求めても無駄なことでしょう?
我らの神によって世界が一変するのは、確定事項ですわ。
あなたも導かれてみませんこと?
どうせつまらない人生なのでしょう?