ここは明確スイーツ研究部!

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1:モンブラン:2017/01/27(金) 22:06

文才とかないですけど、
見てくださったら嬉しいです。

201:まい◆8Q:2017/07/15(土) 22:21

3.まーちゃんとふーちゃん
「真美先輩かわいいですね〜。わたしも、明日はシェリーメイちゃんにしようかな〜」

シェリーメイもかわいいよね!
わたしの部屋に、ダッフィーのとなりで座ってるよ〜!

「真美先輩は、明日の弁当どんなのにするんですか?」

「あ、明日からは、学食のにするの。いつもおばあちゃんが大変だから」

莉保子ちゃんは、ふーんというように鼻を鳴らす。
そいえば、さっきからふみちゃんが話してないや。

「ふみちゃん、五時間目なんだっけ?わたし、忘れちゃった〜」

「五時間目は、話書か小書よ。真美ちゃんは、小書でしょ?」

うん、そうだった。
さっきから、話書、小書、でしょって、しょが多いっ!
あ、小書って、小説を書くこと。
話書は、絵本を描くこと。
この前の、佐藤ななみちゃんの続きを書くつもりなんだっ!

「あ、ごめんなさい。そろそろ行かなくちゃ。五時間目、校外学習なんですよね。失礼しました」

莉保子ちゃんが行ってちょっとすると、ふみちゃんが特大のため息をついた。
ど、どうしたの!?

「わたし、河合さん苦手かも。かわりほって呼ぶので精一杯。河合さんの前以外は、かわりほって呼ばないよ」

莉保子ちゃんのこと、苦手かあ。
いい子だとは思うんだけどね。
嬉しくなると、テンションマックスになっちゃうんだものね。
まあ、仕方ないとするか。

「ねえ。わたしたち、呼び方変えない?真美ちゃんのこと、まーちゃんって呼んでいい?」

「いいよ!」

まーちゃん。
やっぱりネーミングセンスあるなぁ。
えっと、ふみちゃんのことは…。

「わたし、小さい頃からふーちゃんって呼ばれてるの。ふーちゃんでいいから」

ふーちゃん。
かわいいニックネーム。
まーちゃんとふーちゃん。
ずっとマミだったけど、何となくイメチェンしたみたいだ。

「ねえ、まーちゃん。わたしも小書にするから、一緒にやらない?」

「いいよ、ふーちゃん!」

ふーちゃんと顔を見合わせて笑い、弁当の巾着袋を握りしめた。

202:まい◆8Q:2017/07/16(日) 17:44

4.小書
前に立っているのは、晴奈ちゃんがラブな藤本先生。
今は、五時間目、小書、話書の、書練の先生だ。
書練とは、物語を書く練習。
彦宮学園で作った国語の勉強法。

「話書こっち。小書こっちに集まってもらいます。一番良かった作品は、市の私立物語コンクールに出します。藤本先生が決めますからね。ファンタジーでも、恋愛でも、何でもいいです。さあ、書いてください」

藤本先生が言って、わたしたちは小説か絵本を書き始めた。
わたしは、佐藤ななみちゃんのを書いたノートに続きを書いた。

「まーちゃん、主人公とか決まっているの?」

「うん。ちょっと前に書いた続きから書くから」

ふーちゃんは、へ〜と言って、紙と1対1で見つめあっている。
藤本先生が来て、「多田本さんたくさん書いてありますね。佐藤さんって子が主人公なんですね。ふーん」

ちょっと、藤本先生声大きい!
バレちゃうでしょ!

「多田本さん、佐藤って名字の子が主人公なの?わたしは、鐘餅望(カネモチ ノゾミ)が主人公よ」

美華ちゃんが大きい態度で言った。
鐘餅望って。
どれだけお金持ちを望んでるの。

「まーちゃん、わたし、戸部田優っていう男の子の物語にする。男の子の気持ちを考えて、児童会長と学級委員長をやることにするの」

ふーちゃん偉いな。
男の子の気持ちを考えるなんて。
ななみちゃんの気持ち、かあ。
考えて書かないと入賞できないよねっ!

203:まい◆8Q:2017/07/16(日) 18:08

5.毎日コース
「ただいまー」

制服のスカートを押さえながら、家に入る。
10月という季節なのに、まだまだ暑い日が続いてっ!

「真美ちゃん、彦宮テスト、あんまりいい結果じゃなかったって言ってたでしょ?中間テストは、気合いを入れていきなさいね。だから、中間テストが終わるまで、明スイ活動禁止ね」

ええええ〜!
明スイ禁止〜?
そんな〜!

「だって真美ちゃん、いいの?勉強に専念するなら、明確ゼミの日付を毎日コースにして、家でも勉強を続けてほしいものよ」

はーい。
わたしより、おばあちゃんの方がやる気に満ち溢れているかも。
いやいや、わたしがやる気がなくてどうするのっ!
頑張って勉強を続けるんだ。

「真美ちゃん、毎日コースにする?」

「します」

おばあちゃんはにっこり笑って、明確ゼミに電話していた。
毎日コースってことは、日付問わず、毎日あるんだ。
宿題も、1日の時間も一時間増える。

「さあ。おばあちゃんが送ってあげるから、行きましょう。今日から毎日だからね。毎日コースは、教室が4階だから、間違えて行かないようにね。公衆電話で電話してくれたら、おばあちゃん行くから」

手短に説明されて、わたしはあたふたした。
だって、多すぎ。
難しすぎ。
どうしてこんなに変わるのっ?
教室が変わるって、綾と離れるんだ。
残念。


明確ゼミの玄関に着くと、新しい見習い先生、尾原先生がいた。

「多田本さん。こっちよ」

尾原先生に着いていくと、毎日室という看板の部屋に入った。
みんな静かな子ばかりで、ちょっとタイプの違う綾すぐ気付いた。

「あ、真美ちゃん。毎日コース?」

「うん。綾も?」

綾はうなずいて、となりの席に案内してくれた。
尾原先生はにっこり笑って、前の教卓に立った。

「毎日コースで先生になる、尾原先生です。見習いですが、よろしく。ここは、全て尾原先生がやりますので」

へ〜。
わたしが毎日コースじゃなかった時の担任が尾原先生で、綾とわたしが毎日コースに変わったから、尾原先生に変わったという。

「新しい子がふたり来たので紹介しますね。はい、ふたり、前」

わたしと綾は、ふたりで前に出た。

204:まい◆8Q:2017/07/16(日) 18:26

6.ファンたち
「わたし、美先綾南です。元気な時、静かな時って様々ですけど、分かってください。よろしく!」

6年生ばかりの受験する子、成績をアップすることに熱を入れている人たちは、綾を冷たい目で見る。
確かに、騒がしくされたらって思うのかな。

「わたし、多田本真美です。明確スイーツ研究部のメンバーです。よろしくお願いします」

みんなは、にっこり笑ってくれた。
優しい子たちばかりだなあ。

「多田本さんと、美先さんは、席に座ってください。今、6時30分ですが、9時45分まであるので、頑張っていきましょう」

 キーンコーンカーンコーン
チャイムが鳴り、あいさつをして、国語の準備をする。
教科書は変わらないから、ホッ。
すると、いろんな子たちがわたしの机に集まってきた。

「わたし、明スイファンなのー!」

「次の活動は?」

「僕、真美さんのファン。サイン」

ここにも、明スイのファンが!?
でも、明スイ活動禁止令出てるから。
わたしのところに寄ってくるのは、明スイメンバーであるだけで、普通の子だったら無視だろう。

「次の活動は、隅木田くんが検討中なので、ちょっと今は分かりません」

なーんて。
いつも検討してくれているから、隅木田くんに押し付けちゃった〜!

「真美ちゃんいる?」

隅木田くん!
救世主だ〜!

「はい!」

「今日、8時から談話室。いつもなら放課後だけど。真美ちゃん、毎日コースにしたの?何かあった?」

う、受験のこと言うのか。
後から言えば、いいよね。
みんなの前で言えば。

「後で言います。では」

そう言って戻ると、みんなニヤニヤしていた。

205:レミリア◆63Y 名前かえました。:2017/07/17(月) 16:47

200おめでとうございます!元レミリです。いやー!凄いね!私のやつなんて、これっぽっち続いてない…でも、考えてる!…かな…?←レスが進むとネタ切れになる。100になったのが初めてだから。これからも、続けてね!

元レミリ レミリアより

206:まい◆8Q:2017/07/17(月) 19:23

レミリア、ありがとう!
本当に嬉しい気持ちでいっぱい。
コメントしてくれて、おめでたい言葉をいただいて、本当にありがとうございました。
共に頑張っていこうね!

207:リリカ@恋歌◆JA:2017/07/17(月) 19:31

まい様
私の小説にコメしてくださり、ありがとうございます!
明スイを読むと、ワクワクします!
これからも微力ながら、応援しております。

208:まい◆8Q:2017/07/17(月) 19:49

7.身近な教師
初めて会ったとき、矢本くんはルービックキューブをいじっていた。
今も、いろいろ回している。
隅木田くんは、問題集をひたすら解いてて。
坂宮は、サッカーがあとちょっとらしい。

「ただいま来ました、坂宮です!」

坂宮が談話室に、サッカーボールを片手に。
ユニフォームを汗でヒタヒタにして入ってきた。

「じゃ、始めようか。…まず、真美ちゃんが、塾を毎日コースにしたらしいんだ。何かあったのか聞こう」

隅木田くんが、わたしに視線を流しながら言うと、坂宮たちもこちらに視線を流す。

「えっと、わたし、中学校を受験することに決めたから、勉強をたくさんしようと思いまして」

改まった感じで言うと、矢本くん以外が唖然、呆然。
どうしてそんなにビックリするのかな。不思議。
ただ、受験するってだけなのに。

「明スイ活動は、受験するまでどうするの?そこの中学校に決まったら?」

続けて、坂宮も質問してくる。

「俺が真美のこと好きなの知ってるだろ。俺を捨てる気なのか!?」

うっ!
わたしが受験することって、多くの人に影響を与えるわけっ?

「明スイは、おばあちゃんには禁止って言われてます。ですが、時間を見付けてやっていくつもりです。あと、坂宮。わたしは、坂宮を捨てたわけではないよ。将来のことをいろいろ考えての上だから、理解してほしい」

隅木田くんは、「本当に大丈夫?」と言い、坂宮は、「良かった〜」とつぶやいた。

「真美ちゃん。僕、勉強教えてあげようか?受験、成功させたいでしょ?」

「い、いいんですか!?」

「うん。放課とか、いつでもどうぞ」

好きな人がわたしの教師っ!
嬉しい〜!

209:まい◆8Q:2017/07/17(月) 21:40

8.イベントに明スイ
「本題は、明スイの方針。今後は、学校のイベントにも出すことにしたんだよ。彦宮先生の許可も降りた」

へ〜、隅木田くん、行動が早いな。
わたしなら、みんなの確認をとってからなのに。
こういうと、説得力とかあるよね。
根拠とか、許可を得たら、理解できるけど。
知らないとか、忘れたって言われると、嘘に聞こえてしまうもの。
まあ、わたしの言ってることが嘘って思わないでね。
わたし、嘘はあんまり言わないから。

「最近は、中間テストを控えている。クラスごと、教室で泊まり、勉強をするというイベントをすることにしたらしい。だから、その合間に作り、合間に食べてもらうことにしたんだ」

中間テストでイベントかあ。
」勉強は、ひとりでするべし!』という合言葉を胸に、彦宮学園は勉強している。
なのに、果たしてそれで伸びるのか。

「朝食、昼食、夕食は、全て自分たちで作り、団結する心を強め、勉強をして、運動も休憩もするというシステムのイベントだ。企画は、彦宮先生と杉田さんだって。すごいね、杉田さん」

ふみちゃんが!?
さすが秀才。
考えることが違うね。
勉強しながらも、違うことも強くしていくなんて、素敵。

「この休憩で作ろうとしている。反対意見は?」

隅木田くんは、結末を言い、みんなが何も言わなかったため、先へ進める。
日付は、10月7日から10月9日の二泊三日。
これまでに、スイーツを決め、研究しなければならない。
今日は___3日だ!
あと4日しかない。
毎日ここに集まって会議だ!
よし、頑張ってやるぞ!

210:まい◆8Q:2017/07/17(月) 21:53

9.サイテイ
「時間はないから、僕から案を持ってきた。これだ」

紙を見ると、女の子、男の子と別れている。
女の子の方は、美・スイーツと書かれており、男の子の方は、運動後のさっぱりスイーツと書かれている。
美・スイーツ、いいなあ。
さっぱりスイーツも、新しい。

「僕、女の子の悩みが分からなくて。美・スイーツって、真美ちゃんどう?由里歌ちゃんは、賛成してるんだけど」

由里歌ちゃん…!
そう言えば、隅木田くんと由里歌ちゃんは付き合ってるんだ。
忘れてた、忘れてた。
でも、隅木田くんにも、ちゃんと頼れる女の子がいるのに。

「いいと思います。由里歌ちゃんが賛成するんですから、素晴らしいスイーツになりますよ」

ほぼボー読みで言い、うっすら笑って見せた。
でも、わたしの心は全然笑ってない。
いや、笑えない。
好きな人の口から、自分の彼女の名前が出るなんてね。
わたし、ちょっと辛かった、今。

「書記の真美ちゃん、これ、まとめてノートに書いておいてくれる?じゃあ、明日この時間」

隅木田くんが言い残して立ち去ると、わたしは矢本くんと坂宮に言う。

「隅木田くんって、彼女いると思う?わたしと遊んでた由里歌ちゃんが彼女なの」

と、真実を言ってしまった。
すると、ふたりは驚いた。
予想通りのリアクション。

「由里歌ちゃんって、利等万さん?」

「隅木田のやつ…バカ野郎」

ああ、言うんじゃなかった。
でもね、わたしの口は止まらなかったの。

「本当に。わたし、どうしてわたしたちに内緒にしてたのか許せない。隅木田くんって、メンバーの気持ち考えない人なの?」

何でこんなこと言ったのっ!
でも、もうダメだ。

「ごめんなさい、真美ちゃん。由里歌ちゃんが隠すって言ったものだから」

「わたしたちに内緒で付き合ってて、こっそり会うなんて。サイテイ」

いや、わたしがサイテイッ!

211:まい◆8Q:2017/07/21(金) 14:39

10.一粒の涙
「真美ッ!言いすぎだろ。でも、隅木田も言うべきだよな。どういう経路で付き合うことになったか、言ってもらおうか」

坂宮のバカッ!
言い過ぎなんかじゃないよ。
黙ってるのがいけないでしょ!?

「お前らには関係ない。由里歌ちゃんとは、恋人としか言えない」

「いいですよ、もう。隅木田くん、キツいこと言ってすみませんでした。わたし、授業の予習に戻ります」

ちょっとイライラしながら談話室を出て、瞬きする。
涙が頬を伝い、首筋に流れる。
ヒッ!


「まみちゃんさぁ、見てるとイライラするのよね。顔、声、体、全てが」

伝った涙。
今と似ている。
みゆさん、さとこさん、かんなさん、あこちゃんがクスクス笑っている。
辛く、苦しく…。
悲しい。
この時の涙と、今とは同じ。


わたし、もしかしたら友達を失ったのかもしれない。
すると、ちょうど梨歩佳さんが通り、泣いているところを見られた。

「真美ちゃんっ?大丈夫っ?」

梨歩佳さんが背中をさすってくれながら、わたしたちは毎日コースの教室に来た。
その間に、今あったことを話して。
梨歩佳さんは、ずっと聞いててくれたんだけど、わたしは、何とも変わりはなかった。

「真美ちゃんっ!あれ、どうしたの?大丈夫〜?」

綾〜。
大丈夫じゃないよ〜。

「真美ちゃん、とりあえず授業に集中すること。頑張って!」

梨歩佳さんは、わたしにエールを送ってくれて、自分たちの教室へ帰っていった。

212:まい◆8Q:2017/07/21(金) 14:49

11.好きです
授業には集中し、すぐに公衆電話で電話をかけた。
眠たいよ〜。
あくびすると、前を隅木田くんが通ったんだ。
わたしは、あわてて目をそらしたんだけど、隅木田くんはこっちに歩いてくるの!
来ないで、ちょっと!
とも言えず、公衆電話の近くで立っていると、やっぱり隅木田くんに呼び止められた。

「真美ちゃん、本当にごめんなさい。僕、由里歌ちゃんとは別れるよ」

ふーん。
先輩に対して、この言い方は悪いですけど。
勝手にしたらいいじゃないですか。
そういう視線を送る。

「僕からの告白だったんだ。すごくかわいい子だ。って、一目惚れで。僕の初恋が由里歌ちゃん」

あ、そうですか。
どうせわたしは平凡人だから。って言いたいんでしょ。
分かってますよ、それくらい。

「でも、由里歌ちゃん、キラキラしているから、僕みたいな人は合わないかもって思い始めて」

じゃあ、別れてください。
わたしは関係ないんだから、わたしに言わなければいいのに。
違いますか。

「僕がこんなに恋したのは初めてなんだけど。真美ちゃん。僕、真美ちゃんが好きです」

ハッ?
いきなりのことでビックリしながらも、隅木田くんの方を見つめた。

「返事、まだいいよ。僕の気持ち、伝わったかな?」

「は、い。どんな答えを考えたらいいんですか」

隅木田くんは、「付き合うか付き合わないか」と言って、その場を去った。

213:まい◆8Q:2017/07/21(金) 15:14

12.ダブルの好きです
「真美、大丈夫か。隅木田とのこと。…なんか、隅木田告白してたよな」

うっ。
坂宮に聞かれてたのか。
しかも、あれって、やっぱり告白だったのかあ。
初めての経験で、意味不でした。
坂宮から言われてるのは、本気だと思ってないし。

「真美」

「はいぃっ!」

何、この展開。
さっき、隅木田くんに告白されたときと流れが似てる…!
って、もしかしてっ!

「真美のことが好きです。付き合ってください!」

ふ、ふたりにーっ?
1日でふたりに告白された!?
ど、どうしたらいいのよ!

「返事、明日よろしく。学校で」

はあっ?
そして、坂宮はその場を後にした。
どうしてこうなっちゃうの!?
わたし、どうしたらいいのか分からないんだけど!
…そうだ。
京香ちゃんーーー夢花見さんの孫に電話してみよう。
京香ちゃんは、かわいくて、清楚で、運動も出来て秀才。
この子なら、一度は告白経験があるよねっ!
そうして、おばあちゃんが来るまで公衆電話で京香ちゃんに電話した。

「もしもし。夢花見です」

「もしもし。多田本真美です。京香さんに用事があって電話をかけました。京香さんいますか?」

お母さんだったらしく、「京ちゃーん、多田本さんよーっ!」と聞こえて、京香ちゃんが出た。

「もしもし、京香です」

「多田本真美です。京香ちゃんに相談があるんだけど」

京香ちゃんはキョトンとし、わたしの相談に乗ってくれた。
全部話すと、京香ちゃんはとても驚いていた。

「真美ちゃん、なかなかやるじゃないの。陽都と隅木田先輩の心を射止めたなんて」

確かに、そういう意味では、わたしすごいかもしれない。
京香ちゃんからしたら、そんなことなかったりして。

「わたし、何度かされてるけど、全て断ってきたの。付き合うの、わたし苦手だから」

なるほどね。
わたし、隅木田くん好きなんだよね。
好きだった…かも。

「わたしに相談しても、その答えは真美ちゃんだよ。また困ったら電話して。じゃね」

そうして、電話を切った。

214:まい◆8Q:2017/07/21(金) 15:49

13.中間テスト
遅刻する遅刻する!
家のドアを閉めて、ジャージで自転車に飛び乗る。
わたしの場合、徒歩か自転車通学。
いつもは、いろんな時間の短縮で、徒歩通学だけどっ!
そんなのしたら遅刻するっ!
急いで自転車をこいで、何とか到着。
すると、同じく自転車で来た坂宮と鉢合わせ!
わたしの生命、ここで途絶えたか。
まるで、金魚が太陽に囲まれているかのようだった。

「真美。結果、教えて」

「無理よ、今は。時間ヤバイもの。後でね」

坂宮に言い残して、初等部玄関へダッシュ!
そこから、6年1組の4階へダッシュ!
教室に着くとっ!
 キーンコーンカーンコーン
間に合った〜。

「まーちゃんセーフ。あ、涼太遅い。遅刻ね〜」

涼太くん、遅刻か。
わたし、ギリギリセーフ!
涼太くんが、羨ましそうな目で見てくる。
前田先生、怒ったら恐いから、気を付けてね、涼太くん。

「Good morning every one」

前田先生が教室に入ってくる。
どうして前田先生まで英語でっ?

「前田先生、Englishありがとうございます」

晴奈ちゃんが頼んだってことね。
そういうことか。
前田先生まで、毎日英語喋ってきたら困るったらありゃしない。

「いいですか。そろそろ中間テストがあります。今日からテスト期間ですので、しっかり勉強するように」

うんうん。
今回は、気合い充分。
だって、明確ゼミでは、テスト期間の1週間前テスト期間というのを企画している。
その企画で、わたしは勉強勉強勉強なんだ!

「しっかり勉強して、いい結果を出すために、杉田さんと校長先生が、このような企画を考えました」

そして、ふーちゃんが前で隅木田くんが話していたことを話した。
みんなの目には活気が見られる。
わたしも、がぜんやる気が出てきた。

「ということですので、みんなで中間テスト頑張りましょう」

はーい!
わたしは、元気よく心の中で言った。

215:まい◆8Q:2017/07/22(土) 14:35

14.わたしの気持ち
「まーちゃん。この企画では、明スイも参加してくれるって話だけど、どうなってるのか、少しでも決まり次第、わたしに報告してね」

ふーちゃんが振り返って来て、わたしはうなずく。
わたし、隅木田くんにあんなこと言っちゃったけど、戻れるのかな?
常識的に、ダメだよね。
ちょっと落ち込んでいると、ふーちゃんが「大丈夫?まーちゃん」と声をかけてくれる。
ふーちゃん、優しくしてくれてありがとね〜。

「隅木田優斗です。多田本真美さんいますか」

うっ、隅木田くんじゃん。
でも、空気を読めなかったふーちゃんが片手を挙げる。

「こちらは隅木田先輩。真美さんはこちらにおります」

ふーちゃん、空気読んでっ!
渋々隅木田くんの方へ行くと、いつものにっこり笑顔だった。

「由里歌ちゃんとは、別れたよ。僕、しっかり自分の気持ち受け止められたから、真美ちゃんの気持ちも、受け止めるつもり」

わたし、結局どうするんだろ。
隅木田くんのこと好きだったから、付き合う?
それとも、フッちゃう?

「真美ちゃんの気持ち、教えて」

「すみません。わたし、まだ決められてません」

本当のことを言い切ると、隅木田くんは天を仰いだ。
悲しそうな瞳。
顔はまるで、猫に負けた犬みたい。

「いいよ。僕も、最悪なことしちゃったしね。フラれちゃったけど、明スイやっていってくれるよね」

「はい。これからは、明スイのメンバー、友達でいていいですか!?」

隅木田くんは、綺麗な顔に微笑みを見せて、中等部へ帰っていった。
残されたわたしは、坂宮の教室へ行った。

「真美、決めてくれたか」

わたしは、大きくうなずいた。
隅木田くんの時みたいに、わたしの気持ち、しっかり言うんだ。

「わたし、さっき隅木田くんに返事してきたの。それで、坂宮にも言う決意をしたんだ」

「溜めなくていいから、ねっ!ねっ!結論はっ?」

ああ、こんなにも期待されてるっぽいのに、言いづらい。

「ごめんなさい、坂宮。明スイって、ファンもいるし、それに、わたしは、受験と明スイを両立させたい。だから、坂宮とは、友達でいてほしい」

これが、わたしの気持ち。
どうか坂宮。
受け止めてくださいぃ!

216:まい◆8Q:2017/07/22(土) 14:48

15.みんな笑顔
坂宮は一度大きな息をして、わたしを見つめ直した。
お願いします神様。
わたしの気持ち、坂宮に届けて!
すると、わたしのお願いが叶ったのか、坂宮はゆっくり笑った。

「友達な。…これからも、友達でいてほしいけど。でも、俺はあきらめないからな。それ、覚えとけよ」

坂宮は、またにっこり笑い、教室に戻った。
わたしも、つい笑顔になる。
何もかも良かったんだ。
これで。
教室に帰ると、京香ちゃんが待っていてくれた。

「真美ちゃん、お疲れ様です。みんながイヤな思いをしなくて、いい返事だったと思う。聞いて、ごめん」

京香ちゃん、聞いてたのぉ!?
聞いちゃダメでしょ!
笑いを含んで京香ちゃんをにらむ。

「真美ちゃんったら〜!さあ、次は美術だから、美術室行くよ!」

京香ちゃんとふーちゃんが一緒に来てくれて、美術室へ行く。
途中、坂宮とも会ったけど、にっこり笑って素通り。
これが一番良かったんだ、よね?

「ね、美術の山野先生、怖いでしょ。早く行きましょう」

ふーちゃんがちょっと早歩きしたので、わたしと京香ちゃんも早歩きする。
山野先生、怖いっていうの忘れてた!

「走ったら、学級委員長としても、児童会長としても。許しませんからね」

ふーちゃん、分かってますーっ!
みんなで、美術室へ早歩きしたのだった。

217:まい◆8Q:2017/07/24(月) 15:46

16.中間テスト勉強お泊まり会
よし、全部ある!
リュック、旅行バッグを持って一階へ行く。
今日は、待ちに待った中間テスト勉強お泊まり会。(って名前になったんだってね。)

「おばあちゃん、また、明後日?ね」

家を飛び出して、ふーちゃんと学校へ向かう。
知らなかったんだけど、ふーちゃん、電車でこの辺りまで来て、わたしの家の前を通って学校行ってたんだって。
だから、一緒に行くことになったの。

「まーちゃん、おはよ」

ふーちゃんがリュックを担ぎ直す。
ずいぶん大きなカバン。
前のめりになっちゃってるよ。
わたしがクスッっと笑うと、ふーちゃんが「何よーっ!」と笑った。
ヘンなおしゃべりをしていると、もう学校に着いていた。
辺りには、制服、ジャージに重たそうなカバンを持ってる人ばかり。

「みんな、笑ってるから、この企画、成功かしら」

「うん。大成功だよっ!団結、絆。全てが成長するよ!」

本当にそうだよね。
きっと、ふーちゃんや、他の子とも仲良くなれるし。
勉強も出来るし、団結力深められそうだもんねっ!

「6年1組到着ー!」

わたしがジャンプして教室に入る。
みんな、「おはよー」ってあいさつしてくれて。
わたしもみんなに「おはよう!」って返した。

「皆さんおはようございます。荷物を自分のロッカーに入れて、多目的ホールへ移動しましょう」

わたしがみんなとおしゃべりしている間に、ふーちゃん。
放送室へ移動してたんだね。
早い早い。
多目的ホールへ行くのは、怪盗日本が来たとき以来かも。
七井さんとおしゃべりしながら多目的ホールへ行く。

「適当に空いている席に座ってください。早く来た人から黙って待ちましょう」

ふーちゃんがマイクで呼びかける。
みんな、座ったら一瞬でシーンとなる。こういうところ、彦宮学園のいいとこだよね。
初等部みんなが集まると、ふーちゃんが前に出てお辞儀する。
わたしたちも、それに合わせてお辞儀した。

「今日は、中間テスト勉強お泊まり会です。初等部がお休み0で、とても嬉しく思います。一年生も、初めての中間テストですが、楽しみながらやっていきましょう」

ふーちゃんが言い切ると、各クラスの男の子が「おー!」とか「イェーイ!」って言って叫んでる。
楽しみだな〜!
早く、教室へ戻りたいっ!

218:まい◆8Q:2017/07/24(月) 17:03

17.放課に
まずは、30分間の放課。
長いから、いろんなことが出来るんだよね!
図書室、学食、購買、カフェが開いているんだ!
中等部や高等部が、下の部に来るのは良いけど、わたしたちが上の部へ行くのは禁止。
これを守れば、何をしてもオーケーなんだよっ!

「真美ちゃん、こっち」

隅木田くんに呼ばれて、初等部料理部のキッチンを借りることにした。
今からも、作れるものは作る。

「まず、分担。真美ちゃんと矢本ペアと、僕と坂宮ペアね」

もしかしたら、隅木田くん。
坂宮がわたしに告白してきたこと知ってるのかな?
だから、気を使って、何もない矢本くんとペアにしたのかな?

「真美ちゃんたちは、ケーキを作ってほしい。大きなケーキだ。僕たちは、チョコレートクッキー二枚の間に、生クリームを挟む。これを作る」

これは、みんなが食べるものだよね。
美・スイーツとかじゃなさそう。

「じゃあ、スタート」

隅木田くんが手を打って、矢本くんと一緒にケーキを作る。
ボウル、泡だて器、包丁、あとは…。

「多田本。生クリーム作ってもらってもいいか」

矢本くんが手を止めずにボウルと泡だて器をこちらに突き出す。
何となく、耳が真っ赤。
どうしたんだろう、矢本くん。

「おい、さっさと受けとれ」

は、はい。
ごめんなさい!
ボウルと泡だて器を受け取り、冷蔵庫の中から材料を取り出す。
線を繋いで、材料もあるし。
オーケー。
泡だて器で、ガーッっと生クリームを作る。
このまま、わたしはほぼ静止状態。
隅木田くんと坂宮を見ると、案外仲良くやってる。
ふふん。
告白の話は切り出さないんだね。
っていうか、切り出さなくて良かったよ、本当!

219:まい◆8Q:2017/07/24(月) 17:16

18.時間がっ!
 カチカチカチカチ
生クリームを作り終わって、スポンジを作っているところ。
時計の針の音がやけに大きく聞こえて時計を見上げる。
放課、あと5分じゃん!

「みんな、切りつけて教室行こう!」

隅木田くんは、時計を見て目を見開く。坂宮も、急いで材料を片付け始めた。

「矢本くん、片付けよ!時間がっ」

「うん」

返事はしてくれるけど、スポンジから目を離さず、わたしが言ったことは気にしてなさそうな…。
大丈夫なのっ?

「早くしないとっ!」

わたしが矢本くんを焦らせると、ようやく目を上げてくれた。
ふう。
もっと早く上げてくれたら、寿命も縮まないのにさっ。

「じゃあ、次の30分の放課に、各自ここに集まるように。解散」

隅木田くんが走りながら言い、みんな全力で走る。
ふーちゃんに見つかったら怒られちゃうよーっ!
6年1組に帰ると同時にっ。
 キーンコーンカーンコーン
隅木田くんや矢本くん、間に合えたかな?
ちょっと心配しつつ、椅子に座る。

「教科書、ノート、筆記用具を持って、図書室へ行きますよ」

前田先生が大きな声で指示して、急いで教科書類を引っ張り出した。
そして、背の順で並び、図書室へ移動する。

「はい、着席ーっ」

図書室のカウンターのところに前田先生が立ち、みんなを見回す。
わたしも目が合った。
でも、すぐにそらされちゃった。

「理科で分からないところ。本を使って調べながら解いていきます。この問題用紙と解答用紙は違うので、問題用紙に書き込まないでください」

へー。
そういう勉強法かぁ。

「分からないところは、友達と教えあってもいいですが、写したり、紙を見せてはいけません。いいですか?では始めましょう」

よーし!
秀才なふーちゃんに教えてもらうぞ!

220:まい◆8Q:2017/07/24(月) 17:32

19.秀花さん
理解が終わり、地理、歴史、数学も終わった。
今のところ、特別に10分放課があるんだよっ!
でも、このあとは、外でスポーツ。
学年で、中間テスト勉強お泊まり会オリンピックをやるんだって。
得意な分野のスポーツの代表になるとかならないとか。
わたしは、1000mに出るよっ!
ジャージに着替えて、グラウンドに飛び出る。
すると、グラウンドを走っている女の子を見かけた。
放課なのにスポーツかぁ。
その女の子は6年生だった。
人数が多いから、知らない子もいるわけだし、名前も知らない子がいる。
その女の子は、胸に杉田と刺繍があった。
杉田さんなんだ。
杉田さんは、わたしのとなりにいた女の子たちのところに来た。

「秀花、疲れないの?」

杉田さんは、へへへ。
と笑って、男の子のところに行く。

「秀花、すごいでしょ!」

うっ。
こういうのって、リア充が目立つよね。わたし、苦手かも。

「まーちゃん。あの子、秀花。わたしの双子の妹だよ。見た通り、美少女で秀才で、スポーツ出来る。あの男の子とは、付き合ってんのよ」

ええ、やっぱり。
ふーちゃんの双子の妹なんだ。
でも、美少女だなあ、かわいい。

221:まい◆8Q:2017/07/24(月) 17:50

20.オリンピック
ふーちゃんは、杉田さん(だと分かりにくいかなっ?)の話になると、ちょっと顔を沈める。
でも、ふーちゃんは学年1位。
すごいすごぉい!

「秀花の話なんてやめましょ。わたしなんて、どうせ地味、秀才かもしれないけど、運動出来ないから」

ごめんなさい、ふーちゃん。
なんか気分落ち込ませちゃって。
すると、ふーちゃんは前に出てマイクで話始めた。

「ただいまから、中間テスト勉強お泊まり会オリンピックを始めます」

ふーちゃんの司会で、オリンピックが開催される。
わたしたちはい組。
『いろはにほへと』の、『い』。
みんなが走っている時とか、高跳びで跳んでる時とかも。
体育祭の時にみんなが応援してた言葉を使って応援する。

「い組ーっ!優勝ーっ!ファイトファイトファイトファイト!い組ーっ!」

これを続けるっ!

「い組ーっ!優勝ーっ!ファイトファイトファイトファイト!い組ーっ!」


制服にエプロンを付けて、美・スイーツを作る。
ゼリー、かわいく出来るといいけど。
デコレーションして、最後。
イチゴをそのまま上に、ポン。

「ゼリー完成しましたー!」

隅木田くんが拍手してくれた。
あ、ありがとうございます。
次の作業。
ええっと…。

「真美ちゃん。多目的ホールへゼリーとケーキをこれで運んで」

隅木田くんに、台車のような物を渡される。
あちらこちらに、ゼリー、ケーキを入れて、エレベーターで多目的ホールへ行く。
ああ、楽しみだな、るんるんるんっ!

222:まい◆8Q:2017/07/24(月) 18:03

21.報酬が
「初等部から高等部の皆さん。僕たち明確スイーツ研究部メンバーで作った、このスイーツを食べていってください。各種そろえてあります。質問は、僕たちメンバー、隅木田優斗」

「矢本拓斗」

「坂宮陽都」

「多田本真美まで申し付けてください。では、どうぞ」

メンバー紹介もふくめて言い切ると、全校のみんながドッっと前に来る。
報酬ゲットだよーっ!
これで、わたしたちの仕事は終了になるね!
洗い物はあるけど。

「多田本さん、ありがとうございました」

彦宮先生が歩いてきて握手を求めてきた。
わたしは、満面の笑みで握手し返す。

「わたしたち、明確スイーツ研究部に、このようなチャンスをくださり、本当にありがとうございました」

彦宮先生は、次に坂宮、矢本くん、隅木田くんと握手する。
よし、あとは勉強を頑張れば!
中間テストの、お泊まり会も楽しむよっ!


みんな、家から持ってきたパジャマに着替える。
みんなが寝られて、教室は広く感じる。
前田先生は、家に帰っちゃったけど。

「まーちゃん、恋バナしよーっ!」

パジャマパーティーみたい!
休憩タイムだから、うるさくしてもいいんだよね。
マクラ投げ合ったり。
おしゃべりしたり。
プロレスごっこしたり。
その他みんないろんなことしてる。

「好きな人は?」

ふーちゃん、いません。
わたしの初恋終わったもん。
それより、ふーちゃんは?
首を横に振って、期待の目でふーちゃんを見る。

「はぁ〜。まーちゃんには叶わないのかしら。涼太よ、涼太」

えーっ?
涼太くんだったのぉー!?

223:まい◆8Q:2017/07/24(月) 18:07

22.最後に
「ちょっと、まーちゃん」

あの、ふーちゃんの幼なじみの、涼太くんだったんだね!
ふ〜ん。

「絶対ナイショよ」

うん、分かってるって。
 ピーンポーパーンポーン

「消灯時間5分前です。布団に入り、寝る準備をしましょう」

放送が入り、あたりがシーンと静まる。こんなに騒がしかったのにね。
ふーちゃんと目を見合わせて笑う。
涼太くんが電気を消し、教室が真っ暗になった!
怖いからっ!
ふーちゃんの腕を掴んで、ふたりで寝る。
この日は、月も綺麗に見えた。

             (つづく)

224:まい◆8Q:2017/07/24(月) 18:18

あとがき
               まい

こんにちは。
『ここは明確スイーツ研究部!』略して明スイいかがですか?
ちょっと、面白くなかった?
なんて思ってドキドキしてます。
オリンピックが短かったり。
この8巻を終わらせ、新刊を書きたかったんだZE!
カッコつけてごめんなさい。
忘れてください。

皆さんは、中間テストでイヤな思いしたことありませんか?
わたしはあります。
終わってから失うものって多いので、初めからしっかりやることが大切になってくると思います。
(まいさん。カッコいいこと言わないことですよ。       byふみ)
わーん。
分かってるよお。

夏休み楽しいですよねー。
でも大変。
体に気を付けながら生活してくださいねーっ!
(まいさん、やめてください。あなた、カンペ読んでるだけでしょ。
             byふみ)
うっ。

っということで。
コメントをくださった方々、本当にありがとうございました!
質問、感想、受け付けます!
ではでは。
次回9巻の予告と行きましょう。
合唱コンクールが近づいているのに、6年1組で不登校が多発!?
明スイ解散!?
わたしと、真美ちゃんと。
応援してください。
お楽しみに!

225:まい◆8Q:2017/07/25(火) 09:28

『ここは明確スイーツ研究部!9』

人物紹介

多田本 真美
目立ちたくないを意識している小学6年生。
明確ゼミナールに通う。

坂宮 陽都
サッカー少年。
明確ゼミナールに通う小学6年生。
真美が好き。

矢本 拓斗
野球少年。
明確ゼミナールに通う中学3年生。

隅木田 優斗
勉強得意な少年。
明確ゼミナールに通う中学2年生。

226:まい◆8Q:2017/07/25(火) 10:30

1.児童会長へ!
七井さんに、一票!
ただいま、後期学級委員を決めてる。
ふーちゃんこと杉田ふみちゃん。
ふーちゃんは、前期学級委員長。
みんなの頼りになるふーちゃんがいないときも、率先して物事をやっていたから。

「多くの票を集めた、七井さんに、学級委員長になってもらいます」

辺りから、拍手が流れる。
七井さんは、立ってお辞儀した。
礼儀正しいところも、素晴らしい。

「学級委員を、大橋くんにお願いしたいと思います」

また、辺りから拍手が流れる。
七井さんと大橋くんかあ。
となりの席の根本くん、大橋くんと仲良しだから、わたしの席で何かが行われるかも?
ゾークゾクゾク。

「次に、後期児童会選挙に出たい人、挙手をお願いします」

わたしは、まっすぐ手を挙げる。
児童会長に、立候補するんだ。

わたしは、多田本真美。
ここ、私立彦宮学園に通う小学6年生だよっ!

すると、前田先生が原稿用紙を2枚持ってきた。

「ここに、選挙で読むことを書いてください。推薦者も探すように」

はい、分かりました。
そこに、大橋くんも立候補し、そこに乗った根本くんも手を挙げた。

「あと女の子ひとり。やれる人いませんか?」

前田先生が辺りを見回すと、手を挙げた女の子がひとりいた。
その子は…陽茉理ちゃんじゃん!

「わたしやりたいです!」

前田先生は、陽茉理ちゃんにも原稿用紙を渡して、手を打つ。

「じゃあ、原稿用紙を書いてくるようにすること。明日までに」

明日!?
児童会選挙って、明明後日だよね。
練習時間もふくめるから、明日ってこと!?
やっぱり、ちがうな。
公立は、もっと遅いのに。
わたしのいとこ、葉金井睦美ちゃんは、類木川小学校の児童会長。
原稿は、3日後までだったのに。
私立って、どうしてこんなに早いの!?

227:まい◆8Q:2017/07/25(火) 13:25

2.明確ゼミ
家に帰ると、明確ゼミナールという塾の準備をした。
わたしは、私立青山野学園に受験するつもり。
だから、明確ゼミを毎日コースにしたんだ。
だけど、今日は別。
原稿用紙を仕上げるから、ちょっと時間を短くするんだ。

「行ってきます」

家を出て、私服のスカートをなびかせて歩く。
そろそろ11月ということもあって、さすがにちょっと寒い。
明確ゼミのスクールバッグを片手に、電車に乗る。
いつもなら、自転車で行ったり、ウォーキングのために歩いたり。
おばあちゃんの車で乗せてもらったりしてね。
でも、受験、青山野学園に通うとしたら、電車を利用しないといけない。
それに、本を見ながら原稿の書き方を学んでいくんだ。

「あれ、真美ちゃん。明確ゼミへ向かってる途中?」

「うん。香音ちゃんって、明確ゼミに通ってるっけ?」

そう。
わたしのとなりに座っているのは、矢本香音ちゃん。
陽茉理ちゃんの、双子の妹。
私立百合千学園に通ってるらしい。

「陽茉理は、頭良いからいいけど、わたしはバカだから、通わされたの」

香音ちゃん、頑張ろうね。
晴奈ちゃんが言ってたけど、香音ちゃんも、陽茉理ちゃんと同じ学校に受験するんだよね。
偏差値の高い。

「わたし、前の車両行くから。バイバイ、真美ちゃん」

バイバイ。
心の中で言って、本に集中する。

「真美ちゃんですか、あなた」

228:まい◆8Q:2017/07/26(水) 08:30

3.女の子の正体は?
椅子がたくさん空いているのに、吊革に掴まってわたしの前に立つ子。
それは____み、実柚乃ちゃん!?

「あぁ、真美ちゃんかぁ。よかった。実柚乃、間違えたかと思ったぁ」

実柚乃ちゃんは、わたしのとなりに黙って腰掛け、持っていたトートバッグを膝に置く。

「真美ちゃんは塾行きでしょ?明確ゼミ?実柚乃、明確ゼミのとなりの、お料理教室に今日から通うの」

実柚乃ちゃんは、トートバッグの中身を見せてくれて、ふふふと笑った。

「実柚乃、真美ちゃんみたいに頭よくないから、副教科でカバーするの」

副教科とは、技術アンド家庭科。
美術。
音楽。
最後に保健アンド体育。
お料理教室って言ったら、家庭科。
わたし、自分で言うのもあれだけど、家庭科も技術も結構得意っ!
ただ、ちょっと苦手なところも…。

「実柚乃さぁ、お料理得意だから、とにかくお料理の腕を極めるの!」

へぇ、カッコいい。
わたしとは全然違うな。

「実柚乃と、帰り一緒かなあ?9時の電車に乗るんだけど」

「同じ時間だよ。実柚乃ちゃんと」

わたしが、実柚乃ちゃんの方を向いてにっこり笑うと、実柚乃ちゃんは手を合わせた。

「わぁー、本当〜?じゃあ、お料理教室の前で待ち合わせて、実柚乃と一緒に帰ろう」

初めてのことだったから、わたしの目は点、点、点っ!
みんな、わたしのこと知らなくて、明スイでようやく気づいてもらえたのに、近付いてくるのは明スイめあて。
うぅ、友達として来てくれるのは、実柚乃ちゃん、久しぶり。
ありがとう。

『次は〜、大見〜大見〜』

電車のアナウンスが入って、降りる準備をする。
ここ、大見駅から、歩いて3分のところに、明確ゼミがある(はず)。

「実柚乃と一緒に行こ!」

誘ってくれて、雑談を交わしながら明確ゼミへ向かう。
こんなに足取り軽やかなのは、初めてと言っても過言じゃない。

「じゃあ、真美ちゃんバイバイ。後でここ集合ね!」

「んっ!実柚乃ちゃん、バイバイ!」

229:まい◆8Q:2017/07/26(水) 12:57

4.ケンカ!
実柚乃ちゃんと別れて、明確ゼミへ行く。
玄関の、多田本真美と書かれたロッカーに靴をしまい、上靴に履き替える。

「真美ちゃん、実柚乃ちゃんと仲良しなの?」

え、誰が話してるの?
今日は、知らないところで話したり、謎の人が話しかけたり、多いなあ。

「どちら様ですか?」

誰もいないところに話しかけると、壁に持たれていた隅木田くんがいた。
気付かなくて、すみません。
ペコリと謝ると、クスッっと隅木田くんは笑った。

「今日の一時間目が終わったら、毎日コース相談室へ来て。絶対来てね。これで終わりだ」

『終わりだ。』
その言葉の意味はふたつに別れる。
ひとつ目は、これで話は終わりってこと。
ふたつ目は、集まるのが終わりということ。
うーん、どっちだろう。
ふたつ目であってほしくないけど。
隅木田くん、ボンヤリしてて、悲しげだったもんな〜。
いやいや、そんなことないよ。
だってまだ、明スイの活動、8回しかしてないじゃん。
わたし、ヘンにとらえちゃダメじゃないの!

「真美ちゃん、聞いてっ!クラスの子の様子が、何かヘンなのっ!」

綾が飛ぶようにやって来る。
様子が、ヘン?

「真美ちゃん、とりあえず来てっ!」

う、うん。
詳しく、どういう風にヘンなの?
浮いてるとか?
みんなひとりぼっちとか?
ケンカしちゃったりした?
あとはぁ、嫉妬したり?

「真美ちゃんが開けて。わたし、もう怖くて開けられない」

綾に言われて、毎日コース室を開け、教室に入る。
別に、変わった様子はないけど。
綾の方を見ると、ビクッっとしている。

「さっきまで、ずっとケンカしてたのよ!きっと、みんなプンプンしてる」

ケンカしちゃったの!?
確かに、みんなそっぽ向いて、ツンツンしてる。
鉛筆を持ってきてる人は、鉛筆の芯をバキバキ折ったり。
シャーペンの人なんかは、シャーペンを解体して、バネで遊んだり。
消しゴムを小さく、何個かに分けて、ゴミ箱に捨てたり。
文房具勿体ないよっ!
あわてて、すぐ近くにいた子に聞いてみた。

「わたし、もう、明確ゼミやめるよ。こんなところで勉強したくないもん」

ええええーーっ!
すぐ近くの子にも聞いてみる。

「僕、もう絶対ここの教室来ない。違う教室に変えてやる」

どうしてみんな!?
先生が入ってきて、「こんばんは」とあいさつされるけど。

「…ん…は」

って、声ちっちゃい!
本当にみんな、どうしてケンカなんてしちゃったの!?

230:まい◆8Q:2017/07/26(水) 13:11

5.児童会長への道
「声が小さいですね。どうしたんですか?」

みんな、シーンとなっちゃう。
出来るだけ、目を合わせないようにしてね。
そして、綾が手を挙げる。
当然、先生は綾を指すよね。

「ちょっと、いろいろあったみたいですから。わたしたちで何とかするので、先生は気にしないでください」

おおぉ、綾偉い!
確かにその通りだよね。
って!
実感しているだけじゃ、児童会長になんかなれっこない。

「先生。連絡をお願いします。美先さんが言ったように、わたしたちのことは、わたしたちで引き取ります」

となりに座っていた綾が、親指を上げる。
グッドって意味。
わたしも、綾にグッドをし返す。
ちょっとは、児童会長への道が開けたかもしれないよね。
多分。

「じゃあ、美先さんと多田本さんがそう言うので、みんなで何とかしてくださいね。はい、連絡するよ!」

先生がいろいろ連絡している時も、みんな先生の方を見ていない。
外見てたり。
爪を見てたり。
友達見てたり。
はたまた、ドアを見てたり。
先生を見ている人は、わたしと綾しかいない。
どうすれば、みんなが仲直りできるんだろう。
うーん?

「では、15分休憩です」

先生が手を打ち、教室から出る。
綾が前に出たから、わたしも一緒に前に出ることにした。

「みんな、どうしたの?仲良く楽しくやっていこうよ!ね、真美ちゃん」

綾に言われて、わたしは大きくうなずいた。

「わたし、勉強って、心と心をつなぐ魔法だと思うの。将来への道でもあるんだけどね。みんなでやろう」

みんなに訴えるように、見回して言うけど、聞いてくれる人なんていない。
聞いてくれなかったら、言っても無意味だし。

「聞いて…!お願い、聞いて!」

綾が大きな声で言って、ようやくみんな顔を上げてくれた。
よし、この調子っ!

231:まい◆8Q:2017/07/26(水) 17:01

6.決死の結論
「みんな、勉強は楽しくやろうよ!未来、夢がある?それはみんな一緒!みんなの夢をみんなで叶えていこう」

綾が訴えるようにみんなを見回す。
すると、クラスで一番静かな子が手を挙げる。
綾はその子を指す。
まるで授業みたいだなぁ。
その子は立つ。

「未来は、自分で変えるもの。他の人が絡んできては、素晴らしい未来にはなりません」

まあ、自分で変えるものって言いますけど、それは努力次第でしょ?
楽しむと努力は違うんじゃ。

「とりあえず、仲直りしませんか?」

綾が言うと、また辺りはシーンとなりそうな中。
わたしの後ろの席の子が手を挙げる。
綾は、もちろんその子を指すよね。
そしたらその子、こう言ったのよ。

「さっきのAグループとBグループで別れて、クラスにしちゃいましょう。毎日コースA室、B室にするのよ」

ええええ!?
別れちゃうの?
そんな報告、先生に出来ないよ!
すると、みんな「そうしましょう」とか、「それでいい」って!
いやいや、よくないよっ!

「もういいだろ。それで」

男の子が席を立って、「Aグループ集合!」なんて手を挙げてる。
Aグループらしき子たちは、そこに集まるでしょう?
すると、やっぱりBグループも集合しちゃうのよ。
所属していないのは、わたしと綾。

「真美ちゃん、どっち入る?」

Aグループの女の子が、肩をトントンと叩いてきて、わたしはまたもうーんと唸る。
人数も同じくらい。

「真美ちゃん、わたし、Bグループ入るから」

綾は、Bグループの方へ歩み寄る。
ずっと訴えてたのに、綾。
もう別れるのに賛成なの?

「この流れで、真美ちゃんもBグループ来ちゃえば」

「人数合わせるために、Aだろ!」

「人数なんて関係ないわ」

あわわわわ。
どうしたらいいの〜?
すると、救世主様、先生が来た。

「結論はどうなったの?多田本さん」

わたしは、ふたつのグループに別れてしまったことを話した。
すると、先生は特大ため息。
何度もため息、出るよね。
わたしも、小さいため息してるもの。

「毎日コースは、受験や、学力急アップのため。それが出来ないようじゃ、意味がないわ。普通のクラスへ戻ってもらいますよ」

ああぁ、それはそれで困るぅ。
すると、先生は突き放すように言ってしまったの。

「もういいわっ!毎日コースはもうおしまいよっ!」

えええええええええ!

232:まい◆8Q:2017/07/26(水) 17:14

7.昔の友達
そして、わたしは普通のクラスの教科書が家にあるし、親のハンコで普通コースに戻るから暇だった。
帰っても、おばあちゃんいないし。
早く帰ったとしても、実柚乃ちゃんを置いていきたくないし。
明スイの用事があるし。
だから、わたしは先に相談室で待っていることにした。
ちょうど原稿用紙も持ってるから、原稿を書きながらね。
毎日コースの教科書、高かったのに。
一冊5500円が五冊。
つまり、27500円だったのに。
ま、受験の時使えばいいか。
おばあちゃん、わたしの説得が上手くなくて、ごめんなさい。

「あれ、多田本さん」

相談室の入り口を見ると、6年2組の、ずーっと前に遊んでいたっ!

「亜子ちゃん!?」

その後ろには、みゆさん、かんなさんにさとこさん。
ちょっと、五年の時を思い出すっ!

「やっぱり真美ちゃんか」

「亜子ちゃんたちも、明確ゼミ入ったの?」

ちょっと怯えながら聞くと、4人は顔を見合わせた。
何?
イヤな予感?
でも、全然ヘンな予感はしない。

「真美ちゃんと仲直りしたかったの」

えっ?
わたしと、ナカナオリ?
どうして今?

「わたし、真美ちゃんの幼なじみの晴奈ちゃんまで仲間にして、わたしダメだなって思ってた」

思ってくれてたんだ、一応。
そこは微妙に嬉しいかも。
当時は思わないと思うけどっ!

「ごめんなさい!」

亜子ちゃん、みゆさん、かんなさん、さとこさんが声を合わせて謝った。

233:まい◆8Q:2017/07/26(水) 17:34

8.最後の約束
わたしは、ちょっとビクンとする。
これがワナだったら、どうなるのかって、ビクビクする!

「お願い、許してっ!このまま卒業するなんて絶対イヤ!」

亜子ちゃんは、イヤ、イヤ!って言うけど、ちょっと許せない。
わたしが学校に行きたくなくなって、イヤだったのに、憧れのバドミントンも出来なくなったのに!
亜子ちゃんの口から『イヤ』って言葉が出てくるんだもの。

「真美ちゃん、お願いしますっ!わたし、本当に後悔したんだよ!反省して仲良くするって誓うから!お願い!」

亜子ちゃんは、目に涙を浮かべている。そんなに苦しいことか。
そんなにしなくちゃいけないことか。
亜子ちゃんが、それくらいで泣いて、わたしはいじめられて泣かなかった。
もう、ワナにしか聞こえない。

「多田本さん、亜子を信じて。わたしも反省したよ」

みゆさん…、本当?
すると、次はかんなさん。

「わたし、亜子とみゆとさとこと、泣きながら心の中で謝ったの。ね?」

最後にさとこさん。

「本当に、ごめんなさい!」

もう、ワナじゃない気も、してきた。
本当に反省してくれて、仲良くしたいって、心から思ってくれてるって。

「わたし、辛かった。すごく。楽しい生活が送りたかった。わたしと、ずっと仲良くして償ってくれる?」

わたしが四人に聞くと、すごい早さでうなずいてくれた。
わたしも、原稿用紙に涙を流して、みんなで泣いた。

「最後の約束、いい?ずっと仲良くして、償うことね!」

234:レミリア◆63Y:2017/07/26(水) 19:05

来たよ!最近、来なくてごめんね!
原稿用紙に涙?!私も涙がぁ……

235:まい◆8Q:2017/07/26(水) 20:38

いえいえ。大丈夫。
レミリアも小説書いてるもんね。
原稿用紙が濡れるくらいの涙。
(まいさん、そんなに泣いてません。
             by真美)
わーん、ごめんなさぁい。
お互い頑張ってこーね!

236:まい◆8Q:2017/07/26(水) 20:52

9.お出掛け!
わたしが持っている原稿用紙を見て、亜子ちゃんたちは気付いたみたい。

「児童会選挙に出るの?」

亜子ちゃんに聞かれて、照れながらうなずいた。
そしたら、さとこさんが手を打った。

「償いその1。原稿を手伝おう!」

「さとこさん、待って。原稿は、ひとりで書く」

「そうだね、多田本さんの想いを乗せて、だもんね」

かんなさんも、うなずいてくれた。
わたし、多田本さんって呼ばれてる。
亜子ちゃんには、真美ちゃんなのに。
みんなに、思いきって提案しよう。

「亜子ちゃんたち!名前で、呼び合わない?わたし、みゆちゃん、かんなちゃん、さとこちゃんでいい?」

3人に聞くと、みんなうんうんってうなずいてくれたし。
亜子ちゃんなんかは、「絆誕生でござる」なんて言って。

「真美ちゃん、児童会の役割、何がやりたいの?」

みゆちゃんが身を乗り出す。
かんなちゃんとさとこちゃんがじゃれあいながら身を乗り出してきて。
最後に、亜子ちゃんがふふふと笑いながら身をよじる。

「児童、会長だよっ」

上目使いにすると、3人はテンションマックスで笑い出す。
何が面白いんだか、さっぱり。

「亜子、みゆ、さとこ、真美ちゃん。また今度遊ばない?」

「いいよ!わたし、スミレッチカフェ行ってみたい」

わたしがみんなに提案すると、またまたテンションマックス。
はあ、笑う時間、長いんだよねえ。

237:まい◆8Q:2017/07/26(水) 21:38

10.突然の出来事
 キーンコーンカーンコーン
「亜子ちゃんたち。明確生じゃないなら、出た方がいいよ!ここ、利用者いるから」

亜子ちゃんは、わたしに手を振って、走るように帰っていった。
これで、みんなとケンカしない限り、卒業しても心残りはないよね。

「失礼します。隅木田です」

あ、隅木田くんが来た。
わたしは、スクールバッグに原稿用紙を突っ込む。
坂宮と矢本くんも来て、明スイ活動が始まる。
今回はどんなことするの?
ワクワク。
でも、隅木田くん話し出さなくて。
何が言いたいのか、さっぱり。

「どうして集まったんだ」

坂宮が、隅木田くんをにらむ。
矢本くんとわたしは、顔を見合わせる。だって、坂宮の意地っぱり。
すぐそうやってにらむんだから。

「今日で、明スイは終わりだ。開催。今までご苦労だった。これからは楽になるといいよ。じゃ、それだけ」

そう言い残して、相談室を…立ち去るつもりっ?
わたし許さないよっ!
坂宮たちも同じ気持ちだったらしく、代表して坂宮が前に出た。

「どうしてだよ。お前」

今度は、別にちょっとくらいにらんでいいよっ!
そういう目で坂宮と隅木田くんを見る。隅木田くんは、ため息をつく。

「もう、明スイがウンザリだよ。この気持ちをみんなにも味あわせたくないんだ。もうやめよう」

ウンザリ?
明スイが?
どうしてそんなのになっちゃったの!?
わたしが隅木田くんを見ると、隅木田くんと目があった。
どうしたんだろう。
悲しげで、うつろ。
目が泳いでいる。

「隅木田先輩って呼んでほしい。多田本さん」

え…何で。
突然のことで、意味が分からなかったんだけど。
わたし、意味が分かった。
それは、もう僕とは関わらないで。
ってことだと思う。
本当に悲しかった。
明スイも、わたしも捨てられた気がして、情けなかった。
わたしたちって、小さいんだ…。

238:まい◆8Q:2017/07/26(水) 22:00

11.メガネファッション
隅木田くんが帰った後は、坂宮はサッカーへ。
矢本くんは野球へ行ってしまった。
ひとりぼっちで、今日二度目の涙を流した。
どうして解散なの!?
わたし、明スイが大好きだったのに。
その日、実柚乃ちゃんと約束した時間までずーっと泣いていた。
気付けば、目の下はパンパンッ!
これじゃあ、実柚乃ちゃんにバレちゃうし、おばあちゃんにもっ!
慌てたわたしは、明確ゼミのおしゃれメガネっていう女の子向けのコーナーへ行ってみた。
ドが入ってない、かわいいやつ。
それでかけたのが、赤い縁あり明確。
これで、痛くてふくれたって言えば証拠隠滅っ!
わたしは、メガネをかけてお料理教室へ!
もう、実柚乃ちゃんは待っていた。

「ごめんなさい、遅れて」

「うんん。いいの。あれ、メガネ。真美ちゃん付けてたっけ?でも、かわいいメガネ〜!」

でしょでしょ!
実柚乃ちゃんに、メガネを外して見せた。
、、、あああ!
メガネ取っちゃった!
慌てて実柚乃ちゃんからメガネを奪い取る。

「ああ、ごめん。いつもコンタクトだから、メガネないと見えなくて」

ウソ言ってごめんなさい!
でも、実柚乃ちゃんは見逃さなかったのよ!

「このメガネ、ド、入ってる?」

「あ、視力いい人でも、メガネによって合うのもあるの。きっとそれよ」

うんうん。
メガネをかけ直して、電車に乗る。
実柚乃ちゃんお願い。
気付かないでえ!

239:まい◆8Q:2017/07/26(水) 22:01

皆さんに連絡です。
コメントをくださった方へのコメントは、あとがきで紹介させていただきますので、お願いします。

240:まい◆8Q:2017/07/27(木) 08:45

12.ゆびきりげんまん
「まあいいや。コンタクトだなんて知らなかった。実柚乃、いつもメガネかけてるけど、こんなにボヤけたメガネ初めてだったから。実柚乃って目、悪くなったな。メガネになるのギリギリだったのに」

あー、それ以上言わないで!
わたしが目が悪くないことバレちゃうからっ!

「真美ちゃん聞いて!わたし、私立青山野学園に受験するの」

「え、実柚乃ちゃんも?」

「真美ちゃんも青山野受験するの!?」

わたしは、縦に首をブンブン振るっ!
だって、仲間がいるし、安心っ!
実柚乃ちゃんも同じ気持ちだったらしく、にっこり笑った。

「真美ちゃんが一緒なら、実柚乃、安心して青山野受けれる!一緒に頑張ろうね!」

実柚乃ちゃんと、絶対ふたりで青山野に受験するゆびきりげんまんをする。
久しぶりだなあ。
ゆびきりげんまんしたの。
確か、前にしたのは…。


「まみちゃん、まみちゃん!これからず〜っと仲良くするって、約束!」

「いいよ!はるなちゃん。せえの!」

「ゆびきりげんまん。ウソついたらハリセンボンの〜ますっ!ゆびきった」

はるなちゃんと保育園のときにやったゆびきりげんまん。
ふふふ、実柚乃ちゃんとゆびきりげんまんしたの、初めて!
あ、当たり前か。

「真美ちゃん、ごめん。実柚乃、もう降りないと。バイバイ」

「バイバイ!」

実柚乃ちゃんが降りて、スクールバッグに突っ込んだ原稿用紙を出す。
涙で濡れたのもあるけど、グシャグシャになっちゃった。
ガーン。
どうしよう!
もう、文房具屋は閉まってる。
だけど、このまま書いたら破れそう。
ううぅ。

「次は、彦宮〜。彦宮〜」

あ、そうそう。
彦宮学園の校長先生、彦宮先生が、ここを彦宮駅にしたんだって。
だから、わたしが利用するのは彦宮駅になるんだ。
電車から降りて、まっすぐ歩けば家。
わたしは、原稿用紙を握りしめて家まで走った。

241:まい◆8Q:2017/07/27(木) 09:03

13.あら、そんな機器を
家に入り、手を洗って、スクールバッグの中から原稿用紙を出す。
おばあちゃんに見せて、どうにかしなければ。

「おばあちゃん」

グシャグシャの原稿用紙を見せて、うつむく。
メガネをかけてることは、気付いてるだろうけど…。

「そのメガネどうしたんだい?」

「ああ、ちょっとかけてみようと思って、明確ゼミのおしゃれメガネをかけてみたの」

おばあちゃんは、ため息をつく。
いけないことだったかな?
ちょっと先へ行ってみる。
受験勉強に専念しなさいってことだよね、多分。
おばあちゃん、ごめんなさい。

「ちょっと、中学校へ行ってかけるようになっても、慣れてるようにするためだよ。ちょっとお試し!」

ウソがバレたかなぁ?
おばあちゃんはホッっと息をつき、にっこり笑った。

「そのグシャグシャの原稿用紙はなんだい?」

「ああ。わたし、児童会選挙に出るから、原稿用紙を明日までに仕上げないといけないの。その原稿用紙がグシャグシャになっちゃって」

おばあちゃんに原稿用紙2枚を渡すと、なぜかクスッっと笑うっ!
亜子ちゃんたちと言い、おばあちゃんと言い、何が面白いのっ!

「真美ちゃんは、もうちょっと周りが見えたらいいねえ。コピーしたらいいんじゃないかい?」

おばあちゃんがコピー機を指差す。
そ、そんな手が!
おばあちゃんは、失敗したときように、3枚印刷してくれた。
グシャグシャのは捨てて、計4枚。

「本当にありがとう!わたし、原稿書いてくる!」

部屋に行って、原稿用紙、シャーペンに消しゴム、わたしの対決。

「真美ちゃ〜ん」

「はい」

開始早々おばあちゃんに呼ばれる。
おばあちゃんは電話機を握りしめている。
戦い中によくある、電話が来る!

「代わりました、真美です」

「わたし、陽茉理。原稿ってどんなこと書くの?」

あ、陽茉理ちゃんか。
これを言ったら、間違いなくネタバレだよね。

「わたし、分かんなくて。教えて」

「ごめんね。わたしも、今から書くものだから」

「そっか〜。ごめんね〜」

 ピッ
よし、戰開始だ〜!

242:まい◆8Q:2017/07/27(木) 18:26

14.秀花さんをかばって
 ピーンポーン
ドアフォンが鳴って、おばあちゃんが出た。
秋の風が入ってきて…。
寒いよぉっ!
あわててカーディガンをギュッっと握る。

「真美ちゃん、杉田さんよ」

「はいはーい」

髪の毛をキュッっと縛る。
わたし、髪の毛短いけど、やっとポニーテール出来るようになったの。
だから、ポニーテール。
カバンを引っ付かんで、外に出る。
ふーちゃんが、いつもの児童会長様じゃなくて、かわいい女の子で立って待っていた。

「お待たせしました!おばあちゃん、行ってきます」

今日は、わたしの大好きな彦宮特別日なの。
必ず私服登校。
カバンも、ランドセル、スクールバッグは禁止。
ちょっとは学校でも休もうという企画なんだよっ!
教科書は持ってくんだけどね。

「まーちゃんかわいい!カーディガンが、色合い鮮やかで素敵ね」

「ふーちゃんこそ。パーカーによくあった短パン。おしゃれは我慢だね」

目がふくれてない今日は、メガネはもうかけてない。
ふーちゃんにもバレないから、ホッ。

「あ、まーちゃん、カバンかわいい。これって、最新ドラマで使ってるってウワサのトートバックじゃん!」

「ふーちゃん、よく気付いたね。おばあちゃんが、そのドラマハマったらしくて。応募したら当たったんだって。わたしにくれたの」

ふーちゃんは、羨ましそうにわたしのトートバックを見た。
おばあちゃん、わたしにくれたけど、ミシンでもうひとつ作ってるんだ。
飾り用って。
おばあちゃんに教えてもらって、わたしがふーちゃんにプレゼントするぞ。

「ふーちゃんって誕生日いつ?」

「わたし?12月31日。大みそかだから、ちゃんと祝えないのよね。だから毎年、おせち食べるとき」

大みそか。
それはそれで、ちょっとイヤかも。
わたしの誕生日は、3月11日。
東日本大震災が起こった日。
わたしが祝われる日は、毎年黙祷するんだ。

「真美ちゃ〜ん!ふみ会長、おはようございま〜す」

実柚乃ちゃんが駅から走ってきた。
そう言えば、実柚乃ちゃんは電車通学かぁ。
いつも、わたしの家の前通ってたんだね。

「実柚乃も一緒にいい?」

わたしがうなずくと、ワンピースをなびかせてとなりに並ぶ。
ふーちゃんは、実柚乃ちゃんのワンピースのキジに反応。

「これって、秀花が持ってるワンピースにそっくりね」

「へ〜。シュークリームと一緒なんだ。実柚乃、やだ〜」

「実柚乃さん。シュークリームって?いやってどういうこと?」

ふーちゃんが顔を険しくして聞くと、実柚乃ちゃんは人差し指を口元にあてた。

「シュークリームって秀花ちゃん。ふみ会長と違ってウザいじゃん?プライド高いんだよね、いちいち。そんな人と一緒って、やだ〜」

やっぱりと思ったけど、もう遅かったんだ。
ふーちゃんは、実柚乃ちゃんをにらみ、こう言ったんだ。

「秀花の悪口言うなら、わたしの悪口言えば。お願いだから秀花を汚さないで!」

ビックリした。
こんなに勢いがあって。
そして、ふーちゃんはすぐ走って学校へ行ってしまった。

243:まい◆8Q:2017/07/28(金) 15:34

15.気さくな子
実柚乃ちゃんはハッっとして、駅の方へ走っていってしまう。

「実柚乃ちゃん!」

でも、振り向いてくれない。
晴奈ちゃんが、わたしと実柚乃ちゃんの様子を、顔をしかめて見ている。
でも、もう今は気にしちゃいられない。わたしは、実柚乃ちゃんを追いかけようと、したの。

「ねえ、あなたが、多田本さん?」

って、秀花さんに腕を掴まれたの。
わたしの腕って細いから、秀花さんの大きな手の中にカッポリ。

「そうですけど。秀花さんですよね」

秀花さんはニヤッっと笑いながらうなずいた。
電柱のそばから、秀花さん出てきたから、聞かれてたっ?
秀花さんの方を見ると、ちょうど目が合った。

「実柚乃がそう思ってるとは思わなかった。わたし、ずぅっと実柚乃と遊んでたのに、シュークリームって」

秀花さんは、遠くをボオッっと見つめながら、瞳に涙をふくませる。
わたしのせいかもっ!
そう思ったから、トートバッグからハンカチを出す。

「秀花さん、これ」

「ありがとう。多田本さん。ふみが言ってた通り、いい子なのね」

ふーちゃん、秀花さんにもわたしのこと話してたんだ。
何か、嬉しいなっ!

「多田本さん、仲良くしましょう。秀花って呼んでね」

「はいっ!わたし、真美って呼んでくださいっ!」

ふたりで、並んで学校へ向かう。
足取りが軽い。
実柚乃ちゃんと一緒に電車で帰ることになって、明確ゼミへ行くときも、足取り軽やかだったのに。
でも、実柚乃ちゃんのことなんて、今言えないよね。

「真美ちゃんってさ、付き合ってる?わたし、付き合ってないけど」

「ええ?付き合ってないんですか!?」

わたしは、オリンピックの時を思い出した。
あれは、中間テストのオリンピックって企画だったんだけど。
秀花さん、すごく仲良しな男の子いたのに。

「わたし、受験するから別れたのよ。だって、付き合ってる暇ないし、寸前で別れるのもイヤじゃん?だから」

だけどわたしは、あえて相手を聞かなかった。
秀花さんの瞳に映っているのは、悲しげな気持ちだったから。
もしかしたら、秀花さんの心かなって思ってしまったの。
実柚乃ちゃんにシュークリームって言われて、悲しいに決まってるもの。

「真美ちゃん受験する?」

「はい。私立青山野学園です」

「マジか!わたしと一緒じゃ〜ん!タメ口でいいからさ。ね?」

タメ口って、敬語じゃないののことだよね。
何だか、嬉しい。
今日初めて話したのに、タメ口で仲良くさせてくれるんだもの。

「秀花、その子誰?」

あ、オリンピックの時にわたしのとなりにいた子だ。
もう、学校着いたんだ〜。

「初めまして。多田本真美です」

244:まい◆8Q:2017/07/28(金) 15:57

16.ふたりともかばう!
出席確認の時、ようやく実柚乃ちゃんが来た。
ふーちゃんは、実柚乃ちゃんだと分かった瞬間目をそらすっ!
わたしも、ちょっと目をプイッってやっちゃったから。
みんなが、わたしとふーちゃんと実柚乃ちゃんに注目っ!
晴奈ちゃんは、あったこと知ってると思うんだけど。

「杉田さん、多田本さん、川西さん。後から先生のところへ来なさい」

すると、実柚乃ちゃんの表情はひきつるばかりっ!
だって、この原因って実柚乃ちゃんだもんね。
本当のことを話さなくちゃいけないとなると、実柚乃ちゃんは泣き出した。

「川西さん、とりあえず座って。後から聞くから」

前田先生は、実柚乃ちゃんをなだめるんだけど、実柚乃ちゃんは、わたしとふーちゃんを指差す。

「あのふたりがいじめてきてっ!わたし、怖かったから家に帰ってっ!」

いじめですって?
わたしもふーちゃんも、いじめてはないでしょ。
どうしていじめなんかに…。

「皆さんは、放課にしていてください。三人の人たち、相談室へ」

それでわたしたちは、6年相談室へ移動することになった。
前田先生は、思いっきり手を机にドンと叩く!

「まずは杉田さんから聞きますよ」

「はい。わたしは、いじめたつもりはありませんでした。ただ、実柚乃さんに、双子の妹の悪口を言われたので、カッっとなってしまいました。多田本さんは、一緒にいただけです」

いやいやいや、違うよ!
ふーちゃんだけに責任を負わせるようなこと出来ませんからっ!

「本当なの?多田本さん」

「はい。多田本さんは、全く関係ありませんから」

ちょっ、実柚乃ちゃん?
わたしを、ふーちゃんも実柚乃ちゃんもかばった。
どうして?

「多田本さん出なさい」

わたしの話も聞いてもらえず、わたしは相談室から出された。

245:まい◆8Q:2017/07/29(土) 10:35

17.涙、涙、涙っ!
教室へ戻ると、涼太くんが飛ぶように走ってきた。

「多田本さん、ふみちゃんは、大丈夫なのか?」

わたしは、追い出されたこと、ふーちゃんがかばったことを説明した。
すると、やっぱり涼太くんは冷や汗。
だってねぇ。
ふーちゃんの味方のわたしが、追い出されたんだものね。

「誰か、証人になる子いないの?」

わたしは、頭をフル回転させた。
今までにないくらい。
これが、テストでも出来たらいいんだけど。
…って!
そんなこと考えてる場合じゃない。

「いないんなら、多田本さん相談室へ行って!ふみちゃん、優しいから負けちゃうだろ!」

仲間、仲間…。
あ、あの人だ!
わたしは、秀花さんの教室に思いっきり走った。

「あ、真美ちゃん」

秀花さんが手を振ったけど、降り返さずに腕をガシッ!
ピンチだから、来てっ!
目線で伝えて、相談室に走る。

「証人を連れてきました。わたし、関係ないくらい普通の人じゃありませんからっ!」

わたしが叫ぶように言うと、秀花さんには熱気が伝わった、よね?
秀花さんは、わたしが元座っていた椅子に座った。
わたしは、椅子がなかったので立ったまま。
秀花さんが、本当のことをどんどん話していく。
ふーちゃんは泣いてるし。
実柚乃ちゃんはうつむいてる。
自分が嘘ついたってバレるもんね。

「ふみは悪くありません」

前田先生は、実柚乃ちゃんと話をするようで、わたしたちは相談室を出た。
瞬間のことで分からなかったけど、双子の絆ってことかな。
すごく秀花さん、かっこよかった。

「秀花ありがとう。本当に」

ここはふたりにしてあげよう。
と思って、教室に帰ろうとしたけど、わたしの頬にも涙っ?
とりあえず、顔を洗うけどっ!
全然落ちない。
どうして!?
とめどなく涙が出てくる。
グスン、グスン。

「まぁちゃぁん」

「ふぅちゃぁん」

わたしは、ずっと廊下でふーちゃんと泣いた。

246:Seira◆V6:2017/07/29(土) 12:44

まいちゃん、せいらだよ!教えてくれてありがとね。

全部読んだよ!
17話、私も涙、涙、涙っ!
続きが、た・の・し・み♡

247:まい◆8Q:2017/07/29(土) 12:48

いえいえ。
読んでくれてありがとー!
じゃあ、話し合いますか。

248:Seira◆V6:2017/07/29(土) 12:50

いーえ、読んでて楽しかった!
ん、そだね!

249:まい◆8Q:2017/07/29(土) 12:57

ありがとう!
ちなみに、誰推し?
リレー小説進行にする?

250:Seira◆V6:2017/07/29(土) 13:03

やっぱり無難に真美ちゃんかなぁ〜
可愛いしぃ〜健気だしぃ〜

251:Seira◆V6:2017/07/29(土) 13:05

コラボのやつ?いいんじゃないかな?
たぶん、リレーが一番やりやすいと思う。
…コラボって4人の小説を、ってこと?だよね?
レミちゃんは読んでくれたけど…まいちゃんとリリカちゃんは…読んだ?

252:まい◆8Q:2017/07/29(土) 13:07

やっぱり真美ちゃん!

リレーだよねぇ。
何を読めばいいの?
教えて教えて!(知らなくてごめんなさい)

253:Seira◆V6:2017/07/29(土) 13:09

私の小説だよ!

254:まい◆8Q:2017/07/29(土) 13:14

オーケー、みるみる!

255:まい◆8Q:2017/07/29(土) 13:15

ごめん、題名教えてもらってもいい?
ごめんなさい!

256:Seira◆V6:2017/07/29(土) 13:35

>>255
分かった、かな?

257:まい◆8Q:2017/07/29(土) 13:45

わかったよ!
すっごく自然で、続きが楽しみ。

258:Seira◆V6:2017/07/29(土) 13:49

なら、よかった!
…お、お褒めのお言葉、有り難く頂戴致しますわ、オホホホ…。

259:Seira◆V6:2017/07/29(土) 13:50

>>258
ごめん、照れ隠し…///

260:まい◆8Q:2017/07/29(土) 13:57

セイラちゃんカワイイ!
リレー小説って、私達が書いてるストーリーをコラボ?
それとも、新ストーリー?

261:まい◆8Q:2017/07/29(土) 14:07

18.驚きの関係
実柚乃ちゃんは、反省したらしくて、渋々か知らないけど、ふーちゃんと秀花さんに謝ったんだって。
よかったのかな?

「ふみちゃん!」

涼太くんが、泣き止んで、わたしのとなりにいるふーちゃんのところに飛ぶようにして来る。
みんな、もちろんこっち見るよね。
涼太くんって、ふーちゃん好きなのかな?
幼なじみにしても、この心配よう。
ねえ。

「真美ちゃん、ごめんなさい。実柚乃のせいでこんな風になって」

「大丈夫。反省したらいいよ」

実柚乃ちゃんはまだ泣いていたけど、わたしはふーちゃんが気になってたまらなかった。
顔が赤いふーちゃん。
そんなふーちゃんを心配する涼太くん。

「お似合いカップルよねぇ」

え?
カップル?
わたしは、ゆっくり実柚乃ちゃんを見つめる。

「真美ちゃん知らなかったの?ふたりが付き合ってること」

…えーーー?
全然知らなかったよ!

「昨日、涼太くんからふみ会長に告ったんだって」

そうだったのぉーー!?
ふーちゃん、教えてよ〜。
でも、わたしが知らないのに、どうして実柚乃ちゃん知ってるの?
もう一度、実柚乃ちゃんを見つめる。

「昨日、みんな大騒ぎだったよ。真美ちゃんに電車で言わなかったっけ」

言ってない、言ってない。
わたし知らないもの。
カップルだと思ってふたりを見ると。

「大丈夫よ。気にしてくれてありがとう」

ふーちゃん、顔真っ赤ーっ!

262:Seira◆V6:2017/07/29(土) 14:29

>>260
かわいくなんてないよぉ〜!///
ん〜、私はどっちでもいいけど…。

>>261
え!!!!!
しょ、ショーゲキ!!!これは、ビックリするね…!

263:まい◆8Q:2017/07/29(土) 17:02

レミリアたちにも聞かなきゃだよね。
とりあえず、レミリア呼ぼう!

感想ありがとう!

264:Seira◆V6:2017/07/29(土) 17:07

そだね。
うん、レミちゃん呼ぼうっ!

いえいえ〜

265:まい◆8Q:2017/07/29(土) 17:11

セイラちゃんたちの感想で元気付けられるよ〜。
ガルト(ガールズトーク)のところで、レミリア呼んできたよ!

266:Seira◆V6:2017/07/29(土) 20:55

>>265
そんなぁ…思ったことそのまま言ってるだけだから!v(*'-^*)b

267:まい◆8Q:2017/07/29(土) 22:10

そう思っててくれて嬉しい(涙)

268:Seira◆V6:2017/07/30(日) 08:54

>>267
あはは、そんな感涙するほどじゃ…笑

269:まい◆8Q:2017/07/30(日) 17:13

いえいえ、励みになりますから〜

270:レミリア◆3es:2017/07/30(日) 17:38

ヤッホー!もう少しで、>>300だね!頑張ってね!

271:まい◆8Q:2017/07/30(日) 19:24

レミリア、ありがとー!
もうすぐ、レミリアのスレも200じゃん!
レミリアも頑張ってね!

272:まい◆8Q:2017/07/30(日) 19:46

19.スマフェスの力で
部活の時間。
文化部だけは私服で出来るけど、運動部は部T(部活Tシャツ)だから、運動部は今日ないんだ。

「ふーちゃん、教えてくれればいいのに。わたし、涼太くんと付き合ってるなんて知らなかったよ」

ふーちゃんが、スマホを片手にわたしを見る。
最近、ふーちゃんはスマホを買ってもらったらしいんだけど、スマホでフェスティバルやってるんだって。

「でもさぁ、帰ってからのことで、真美ちゃんがね?みんなにバレたから、きっと真美ちゃんも知ってるかと」

全然知らないよ〜。
チロッっとふーちゃんのスマホを覗き込むと、スマフェス争いと書いてあり、ルールが書いてあった。
明確スイーツ研究部、解散?
解散しない?
とあった。
明スイがスマフェスで争われるの?

「隅木田先輩が、明スイ解散って言ったから、みんなが騒いでて、このニャンニャンフェスティバルってアプリで、争うの。わたしは、もちろん続行を願うわ」

これって、スマフェスって言われてるのもあるけど、ニャンフェスって呼ばれてるのもあるんだよね。
スマフェスで、明スイ解散か決められるなんてイヤだ。

「ふーちゃん、勝ってほしいけど、わたし、絶対解散させないから」

強い目線でふーちゃんに言うと、わたしは中等部料理部へ行った。
隅木田くんに、しっかり話すために。

「失礼します。隅木田先輩いますか?ちょっとうかがいたいことがあって来ました」

料理部の部員さんの中に、隅木田くんがいて、一瞬こちらを振り返った。
となりの子に何かを話して、道具を置いてこっちに来てくれた。

「隅木田先輩、ちょっとこちらに来ていただいてもいいですか」

部員さんがいたので、敬語で話す。
料理部前ラウンジに移動すると、わたしはきっとみすえた。

「どうして明スイ解散になっているのか、詳しくお願いします」

「ごめんなさい、僕、明スイに迷惑かけてばかり。多田本さんといる資格なんて、ないよ」

「資格ですか?あります!わたし、隅木田くんといたいです。ずっと!」

わたし、隅木田くんや坂宮、矢本くんがいてこそ。
明スイが成り立っていると思う。
わたしはいなくてもいいかもだけど、隅木田くんはいなきゃ…!

「お願いします!わたしにチャンスをもう一度ください!戻ってきてください、お願いします!」

わたしが何秒か頭を下げていると、隅木田くんが鼻をすすった。
ちょっと顔を上げると、目にちょっと涙を浮かべてる。

「一度じゃなくていいよ。明スイに、戻っていい?…またつくって」

「はい!」

わたしたちが、ハッピーエンドになっているところで、気付かなかったけど、料理部でひとり、バッドエンドになっている人がいた。

「チッ、せっかく解散するところだったのに」

273:まい◆8Q:2017/07/30(日) 20:21

20.元に戻って
その日、また普通クラスに戻って授業を受けた。
教科書とか元に戻してね。
だから、難しくなくて発言できるっ!
今日は明スイの集合もかかってるわけだから、すっごく嬉しい。

「真美ちゃん、スマフェスで、明スイ解散か、解散しないかってフェスしそうだったけど、解散しないって明スイで決めたらしいね。さすがっ!」

わたしは、明スイを改めて誇りに思うようになったんだ。
隅木田くんとの話し合いを通してね。
きっと、もうこんな風になったりしないから。
そう断言できる。

「ありがとうございましたっ!」

授業が終わり、談話室へ飛んでいくように走っていくと、もうみんなが座っていた。
矢本くんは、ルービックキューブやってて、隅木田くんはスマホ。
坂宮はサッカーボールを足でコロコロ転がして。

「多田本ですっ!遅れてごめん」

隅木田くんが、となりに置いてあったクッションを退かしてくれた。
わたしは、頭を下げながら隅木田くんが空けてくれたところに座る。

「みんな、本当にごめんなさい。好き勝手に解散なんて。でも、絶対もうしないから」

隅木田くんがみんなを見回すと、わたしたちは大きくうなずく。

「ここで、だ。明スイ始動だ。何をするかと言うと。第1弾明スイパーティーだ」

第1弾明スイパーティー?
それは、参加者を集めて、明確ゼミの5階のパーティー会場でパーティーを行うんだって。

「わたし、賛成です!」

気付かなかったけど、談話室にひとりでいる女の子。
この子がボソッっとつぶやいた。

『わたし、反対』

274:まい◆8Q:2017/08/01(火) 13:14

21.チラシ事件
それから、チラシを明確ゼミのカウンターに置かせてもらった。
安心して、実柚乃ちゃんと電車に乗る。

「実柚乃は行けないの?実柚乃、明スイのパーティー行ってみたい!」

「いいと思う。実柚乃ちゃんも、チラシあげるね」


そして、翌日。
明確ゼミのカウンターは騒ぎになっていた。
明スイのチラシの取り合い?と思って、チロッっと覗いてみたの。
そしたら、『明スイ解散』と書かれたチラシが入っていた。
ええ?
わたしは、カウンターへ行って確かめてみた。

「皆さん、どういうことですか?明スイは解散しません!チラシをすり替えた人は誰ですか?」

すると、わたしと同じように、坂宮も駆けつけてくれた。

「お前ら、誰がやったんだ!」

坂宮は、鬼の形相でみんなを見回す。
みんな、ビクン!
もちろんわたしも、ビクン!

「ごめんなさい、わたしです。明スイが解散するって悲しくて、みんなに伝えたくて」

坂宮は、その人をにらんだ。
そういうことなら、別に怒らなくてもいいんじゃないの。

「お前、俺らが作ったチラシ捨てただろ!」

「だからぁ、ちょっと前に作ったのかと思ったからぁ」

あ、そういうことね。
わたしは、その女の子ににっこり笑いかけたのに。
坂宮ったら、その女の子をにらむっ!

「ウソツキ。いいか?明後日、5階のパーティー会場で明スイパーティー第1弾を行う。来たい人は、明スイメンバーの誰かに言うこと」

坂宮が説明している時、女の子はすごく笑っていた。
クスクスクスクスって。
何が面白いのか分からないけど、坂宮が可笑しかった、の?


後日。

「明確スイーツ研究部メンバーです!皆さん、拍手!」

パーティー会場で、隅木田くんを先頭に行進。
うーん、カッコいい!
梨歩佳さん、司会、ありがとうございます!

「ヨッ!明スイっ!」

「真美ちゃーん」

ふーちゃんと涼太くんカップル。
綾、実柚乃ちゃんも来てくれた。
みんなに手を振りながら、前に立つ。
さぁ〜、明スイ活動〜!

275:まい◆8Q:2017/08/01(火) 13:24

22.笑顔ばっかり
梨歩佳さんの司会で、お菓子食べ放題タイムとなった。
わたしたち明スイメンバーは、あいさつに行くの。
まず、ふーちゃんと涼太くんペア。

「ふたりとも、来てくれてありがとうございました。多田本真美です。どうぞお楽しみください」

ふたりに敬語を使うのは不自然だけどね、接客決まりだから。
ふたりにお辞儀して、綾のところへ行く。

「来てくださり、ありがとうございました。多田本真美と申します。どうぞお楽しみください」

綾の次は、実柚乃ちゃん。
知らない子たち。
あいさつに回るだけで、わたしはすっごくいい気分。
にっこり笑顔で、このパーティーを支えてくれた梨歩佳さん。
警備してくれた佐藤さん。
見回りの鈴木さんにもあいさつする。

「真美ちゃ〜ん!」

ふーちゃんが手を振ったので、わたしはあいさつを中断してふーちゃんのところへ行った。
ふたりとも笑ってて嬉しい。
怒ってる人は、いないよねっ!
わたしは、ふーちゃんに笑いかけたけど、ひとり。

「バッカじゃないの」

             (つづく)

276:まい◆8Q:2017/08/01(火) 13:33

あとがき
               まい

こんにちは!
『ここは明確スイーツ研究部!』略して明スイはいかがですか?
文才がないもので、面白い作品が上手く書けません。
見てくださっている方々、お優しい目でごらんいただけたら嬉しいです。
今回は、解散間際、謎の女の子の出現がありましたね。
あの子、恐るべし存在!

コメントの件です。
ただいま9巻ですが、10巻の人物紹介を書くまでの間に、コメントをくださったら、返していきます。
ですが、物語中は、コメントできないかもです。
ご了承お願いします!

私たち、コラボすることになったのも覚えておいてほしいです!
リリカ先生、セイラ先生、レミリア先生とのコラボ。
リリカ先生とのコラボです。
見てね!

では、ちょっとコメントコーナー。
セイラちゃん!
コメントありがとう。
読んでくれて本当に嬉しいよっ!
レミリア。
いつもコメントありがとう!

皆さんも、コメント、質問お願いします!
ガンガン答えていきます!

では、キリのいい10巻の予告!
謎の女の子の正体が明らかに!?
でも、それと同時に、新・明確スイーツ研究部結成!?

では、次回会えたら嬉しいなっ!
じゃあね!

277:Seira◆V6:2017/08/01(火) 15:46

わぁ〜〜!!終わってるぅ〜〜!!
お疲れさまでした、まい先生〜!
て・い・う・か!
最後の『バッカじゃないの』て誰が言ったの?!

文才、なくないですから!!!

せいら先生…照れる…///
先生て付けてもらえるようなキャラじゃないよ、私は〜

いえいえ!面白いんだもん!

超・楽しみにしてます!
これからも頑張ってねっ!

278:叶*かのう*:2017/08/01(火) 18:30

まいりん来たよ〜
小説凄いね…天才だァまいりん…。。

279:薫:2017/08/02(水) 19:32

はじめまして。薫です。
明スイ、面白かったです!
表現方法など、参考にさせていただきたいことがたくさんです!
私は真美ちゃん推しです!
でも、ハルちゃん&ヒマちゃん&ユリちゃんも、なんだかんだ良い子で友達関係の参考になることもたくさんで………。
あと、コラボの件も、わたしの好きな先生方のコラボで凄く楽しみにしてます!応援していますね!

わたしは「解決事務所 パワフル☆ピース」という小説を書いているのですが、我ながらまだまだで。わたしもいつか憧れの先生方とコラボできるような小説をかきたいです!
って、図々しい私事ばっかりごめんなさい。
あの明スイ反対の子のこれからや、恋の進展est、楽しみにしていますね!
頑張って下さい!

280:まい◆8Q:2017/08/03(木) 11:52

お返事書かせてもらいます!

セイラ先生!
あなたの作品はすごいよ!
文才、私にもあるのかなっ?
コメント、ありがとう!
これからも、真美ちゃんと頑張っていくので、応援よろしく!

かのちゃん!
コメントありがとう〜♪
励みになるよっ!
頭は良くないけど、小説は頑張っていくぜ!
これからも、応援よろしくお願いします!

薫先生!
読んだことありますよ、その作品。
私も、コメントさせていただきます♪
コラボ、薫先生ともしてみたい…!
本当にありがとうございます!
これからも、真美ちゃんや明スイ、応援してくださると嬉しいです。
よろしくお願いします!

281:薫:2017/08/03(木) 13:08

まい先生
返信ありがとうございます‼
解フル☆(解決事務所 パワフル☆ピースの略称です!)へもコメント本当にありがとうございました‼言葉の一つ一つが励みになります!
コラボも、よろしければまたやりましょう!
いつでも引き受けます(笑)
まい先生、今は他の先生方とのコラボでお忙しいでしょうし。
あと、もしよければタメ口で話してもいいですか?
わたし、まい先生より1歳年下なのですが…………
執筆、お互い頑張りましょう‼

282:まい◆8Q:2017/08/03(木) 18:26

薫先生。
夏休みの宿題、コラボ、部活と両立できてますので、大丈夫です。
ご心配ありがとうございます。
私の方も、いつでもコラボ出来ますので、薫先生の準備出来次第報告してくださったら幸いです。
タメ大丈夫です。
では、お互い頑張りましょう!

283:薫:2017/08/03(木) 20:13

まい先生、ありがとう‼

コラボ、ぜひやろう!

贅沢言わせてもらっていいなら、解決事務所の1話(最初の悩み相談)が終わってからがいいな。

その方が話も進めやすくなるし!

でも、物語のエピソードとかは考えていいかな?

どんな風な話にするか考えて、解フル☆1話が終わったらはじめ、って感じがいいかも。

なんか私の意見ばっかりだけど、意見あったら言ってね!

あと、部活、宿題優先で大丈夫です!

284:まい◆8Q:2017/08/03(木) 22:26

薫先生とのコラボ楽しみです!
1話終わってからでいいですよ!
私のコラボ作品は、*レインボーハッピー*でお願いします。
二度目のコラボは、他のにします。
*レインボーハッピー*も、一巻が終わったらでいいですか?

ありがとうございます!
でも、そろそろ終わるので大丈夫です!

285:薫:2017/08/04(金) 06:55

まい先生、こっちもすぐ終わらせるから大丈夫!
わたしもコラボ楽しみだよ!
じゃあ今回は、『*レインボーハッピー*』と『解決事務所 パワフル☆ピース』のコラボだね‼
じゃあ、お互い1巻終わったらまた話そう‼

286:まい◆8Q:2017/08/04(金) 08:01

『*レインボーハッピー*』と『解フル』のコラボ、楽しみ。
じゃあ、次回から話し合いは『*レインボーハッピー*』でやろ!
お互い執筆頑張ろ!

287:まい◆8Q:2017/08/04(金) 10:04

『ここは明確スイーツ研究部!10』

人物紹介

多田本 真美
目立ちたくないを意識している小学6年生。明確ゼミナールに通う。

坂宮 陽都
サッカー少年。
明確ゼミナールに通う小学6年生。
真美が好き。

矢本 拓斗
野球少年。
明確ゼミナールに通う中学3年生。

隅木田 優斗
勉強得意な少年。
明確ゼミナールに通う中学2年生。

288:まい◆8Q:2017/08/04(金) 10:29

1.我らが児童会長
初等部のみんなの前で、お辞儀。
わたし、多田本真美。
れっきとした、ここ、私立彦宮学園の初等部児童会長になれましたっ!

「これから、杉田ふみ元児童会長に続き、わたしが後期児童会長を務めますので、ご協力よろしくお願いします」

またお辞儀して、司会カウンターへ戻る。
ここからは、わたしの司会で全校集会が行われるの。
責任重大だけど、児童会長として、頑張るぞっ!

「次に、前田先生から連絡があります。お願いします」

前田先生にマイクを渡して、カウンターからお辞儀する。
はぁ〜、寒い。11月の真ん中くらい。
制服の上に、みんなセーター着て登校してた。
わたしも、黄土色のセーターを着て、寒さを凌いでるよっ!

「第2次部活変更委員会の皆さんは、このあと後ろに集まってください」

はぁ〜、5月に一度あって華道部に入部したけど、またかぁ〜。
中学校、高校、大学を受験する6年、3年は、部活に入らなくてもいい。
わたしは、勉強に専念するため、部活は入らないんだっ!
つまり、華道部でキリをつけておしまい。
もう、どんどん終わっていってしまって、何か悲しい。
来週は、秋の遠足へ行く。
再来週は、文化祭の後に演劇会。
そして、来月の初めは修学旅行。
修学旅行から次の週は持久走大会。
その後日、期末テスト。
あ、ちなみに、中間テストは29位と上がったの!
結構いけたんだ!

「これで、全校集会を終わります。各先生の指示に従って、放課にしてください」

わたしがマイクに向かって吹き掛けると、先生がワアッっと動き出した。
低学年の子は、ワイワイガヤガヤ。

「では、片付けをしましょう」

わたしが児童会メンバーの方を向く。
秀花さんは気合い満々だけどっ!

「ちょっと、5年生?やりますよ」

「は〜い」

もう。
5年生なのに、やってくれない男の子の戸部くん。
5年生なのに、すっごくやってくれる河合さん。
同じ華道部の5年生だよっ!

「真美先輩、やりましょう。戸部くんは、先生に怒られるだけですから」

河合さん、すごい冷静。
まあ、いいや。
わたしの責任じゃないもんね!

289:まい◆8Q:2017/08/04(金) 10:42

2.私立青山野学園
教室に戻ると、机の上にパンフレットが置いてあった。
私立の中学校の。
すぐ、青山野学園を探す。
制服のデザイン、変わるんだ。
変わったデザインの方が、カワイイ!

「多田本さんって、青山野学園受けるの?」

となりの席になった涼太くんが聞いてきた。
涼太くんとは、青山野涼太くん。
ふーちゃんこと杉田ふみちゃんの彼氏なんだって。
ふーちゃんの幼なじみでもある。
それで、ふーちゃんっていうのは、最近遊んでる子。
さっきも出てきたけど、前期児童会長だよっ!
そして、元学級委員長。

「そうだよ」

「じゃ、俺と離れるな。残念」

そうだねぇ。
あんまりみんなと離れたくないもんねえ。
青山野学園って、涼太くんのおじいちゃんが校長先生なの。
だから、結果涼太くんに聞けば、分かることがいっぱい。

「ふみちゃんは、東大付属へ行くって言ってた。俺と一緒」

ふたりで東大付属行くんだ。
わたしたちと、すっごく遠くまで行くんだね。
あんまり会えないね。

「パンフレット見ましたか?そろそろ親と、受験するかしないか考えてくださいね。もう決めた人は、このあと先生のところに来てください」

前田先生が入ってきながら言った。
実柚乃ちゃんっていう、わたしが通っている明確ゼミナールのとなりの料理教室に通ってる子も、青山野学園受けるって言ってた。
秀花さんも。

「お互い頑張ろうな」

「うん!」

わたしは、涼太くんと前田先生のところに行きながらうなずいた。

290:Rinon◆V6:2017/08/04(金) 12:23

待ってましたー!!
10も頑張ってくださいね、まい先生!!

291:薫:2017/08/04(金) 14:52

まい先生、ついに真美ちゃんの進路も動き出すんですね!
コラボの打ち合わせの件もOKです!
*レインボーハッピー*のスレ、また行くね!

292:まい◆8Q:2017/08/04(金) 18:43

りの、ありがとう!
ぜひ真美ちゃんを応援してね!

薫先生、進路もねぇ。
グッっと進んでく予定だよっ!
レイハピのスレも良かったら読んでほしいな!

じゃあ、明日更新予定だよ。
楽しみにしててねっ!

293:まい◆8Q:2017/08/04(金) 22:16

もう書いちゃうよ!
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
3.勉強会!
もらった紙は、受験する学校を書く紙だった。
もう決定だって。
絶対に青山野学園受ける。
そして、パアッっと輝く!

「多田本さん、また今度、ふみちゃんと俺と、こいつと、」

涼太くんが、わたしの前の席の桜庭くんを指差す。

「勉強会しない?」

受験するために勉強会っ!
チラリと桜庭くんを見る。
ちょっと苦手なんだ、桜庭くん。
今は亜子ちゃん苦手じゃないんだけどね、裏切られて。
ちょっと前に仲直りしたんだ。
その亜子ちゃんと付き合ってて、亜子ちゃんと仕組んでた子。
だから…。

「多田本さん、本当にごめんなさい。俺、結構前に謝っただろ?」

桜庭くんも、あの日のこと思い出してるのかな。
わたし、いつまで経っても、桜庭くんは許せないかも。
ごめんなさい。

「いいよ。国語だったら教えられるから」

涼太くんは数学得意でしょ。
ふーちゃんは、主に英語。
桜庭くんは理科。
わたしは国語ってところ。
社会は何とかなるし、ねぇ。

「じゃあ、明日、俺の家来て」

ごめんなさい、わたし、ふーちゃんの家知らない。
つまり、涼太くんの家も知らない。
そのことを伝えると、涼太くんはちょっと笑った。

「そっか。じゃあ、俺とふみちゃんで迎え行くよ」

「あ、ありがとう」

ちゃんと、ふーちゃんも入ってる。
涼太くんがひとりでわたしの家来たらの話だよ?
ウワサになっちゃうし、浮気になっちゃうもんね。
それに、ふたりの時間を大切にね。

294:まい◆8Q:2017/08/05(土) 12:41

4.新明確スイーツ研究部?
翌日。
約束の時間に家の外で待っていると、ふーちゃんと涼太くんが来た。
と、思ったら。

「多田本真美さん、この前はチラシの件ごめんなさ〜い」

あ、あの時の女の子!
チラシを解散って書いたチラシに置き換えた女の子だ。

「いえいえ。お気になさらず」

「多田本真美さん。わたしたちの明確スイーツ研究部、楽しみにしててくださいね」

「どういうことですか?」

その女の子はクスッっと笑って、駅の方に歩いていった。
わたしたちの明スイ?
あの子が創り上げているんじゃないのに、どうして…。

「まーちゃん、こっちよ」

女の子が行った駅の方から、ふーちゃんが手を振っている。
となりには、私服姿の涼太くん。
涼太くんの私服を見たのは、二度目かな。
ふーちゃんたちと遊園地行ったから。

「おはよう!」

ふたりの方に駆けると、電柱の隅に女の子がいた。
作り笑いで行くけど、笑えない。
わたしは、方向を変えて女の子の方に歩く。

「何の用ですか?」

「フフン。わたしの名前は、俣野コヨって言うの。新明確スイーツ研究部メンバーよ」

新明確スイーツ研究部って何なのよ。
俣野コヨは、ヘンな笑みを残して足早に去っていった。

「ちょっと、まーちゃん、どうかしたの?あの子誰?」

「うんん。何でもない」

「まーちゃん、それじゃ返答になってないじゃない。あの子誰なの」

いつもは優しいふーちゃんがキッっとしている。
昔の児童会長のときだ。

「ふーちゃんには関係ないんだから、いいじゃないの」

295:薫:2017/08/05(土) 12:49

おー!
なんか進展キター!
楽しみにしてる!

296:まい◆8Q:2017/08/05(土) 13:11

5.突然ケンカ!?
わたしもふーちゃんをにらんだ。
すると、涼太くんはわたしたちの間に割って入った。

「まーちゃんのこと考えて、助けようと思ったのに」

ふーちゃんの頬には涙が伝っていて、いつの間にか涼太くんの胸の中。
涼太くんは、ふーちゃんの背中を優しくさすっている。
わたしの、せいだ。
こんなことしなければ。
うんん。
違う。
コヨが来なければよかったんだよ。

「ふーちゃんを巻き込みたくなかっただけ。わたしは悪くない」

「わたしを守ろうとしないで。だからまーちゃんは緑川さんにも嫌われたのよ」

「晴奈ちゃんには嫌われてないし」

そうよそうよ。
晴奈ちゃんは幼なじみなんだからずっと味方に決まってる。

「ふたりとも落ち着いて。勉強会行くよ」

「涼太!この雰囲気で行けないわよ。わたし帰るっ」

ふーちゃん…!
涼太くんは、わたしとふーちゃんの行った方を見比べる。
わたしにお辞儀して、ふーちゃんを追いかけた。

「真美、大丈夫?」

わたしの後ろには、晴奈ちゃんが立っている。
にっこり笑いかけてくれて、わたしはすごくみじめになった。
もう…!

「泣いていいよ。わたし、真美のこと嫌いじゃない。大好きだよ」

わたしは、今までで1番くらい泣いた。これからどうしたらいいの…?
晴奈ちゃんとは、もういられないよ。
避けられたくないもん。
あんなこと言ったから。
学校一緒になるから、実柚乃ちゃんといようかな。
すると、ちょうど前を通りかかった初香ちゃんたちに事情を話した。

「真美ちゃんさ、良かったら初香たちのところ来る?晴奈ちゃんといたかったらそれでもいいし、ふみちゃんといたかったらそれでいいから」

「いいの?」

初香ちゃんはうなずいてくれて、みんなに確認をとって、初香ちゃんたちと遊ぶことになった。

297:まい◆8Q:2017/08/05(土) 13:14

真美ちゃん、またまたトラブルに巻き込まれちゃった!
薫先生、コメントありがとう。
楽しみにしててね。

298:まい◆8Q:2017/08/05(土) 17:44

6.生まれ変わり?
初香ちゃん、絵理乃ちゃん、さやかちゃんの3人グループ。
そこに、わたしも混ぜてもらった。
今日も遊ばせてもらったけど、モヤモヤが消えなかった。

「真美ちゃん、無理しなくていいからね」

初香ちゃんはそう言ってくれるけど、全然無理してない。
むしろ、すごく楽しんで、る…。
多分だけどね。

「絵理乃って言いにくくない?みんなエリちゃんって呼んでるからエリちゃんでいいよ」

「じゃあ、エリちゃんって呼ぶね」

初香ちゃんは、自分のこと初香って呼ぶでしょ。
エリちゃんも、自分のこと絵理乃って言ってるでしょ。
さやかちゃんは、さやって言ってる。
わたしが、自分のこと名前で呼ばなくなったのは、小2からかも。
七井さんっていう、学級委員長の、亜子ちゃんたちと遊ぶ前に遊んでた子がわたしって言ってて。
それがカッコよくて真似したんだったかな。
わたしも、真美って言お。
そっちの方がカワイイ。
かわいくなりたいわけじゃないけど。

「真美ちゃん、バイバ〜イ」

最後にさやかちゃんと別れて、駅からわたしの…真美の家へ帰る。

「ただいま」

「お帰りなさい。勉強捗った?」

「うんん。ちょっとふーちゃんとケンカしちゃって、初香ちゃんと遊んできたの」

おばあちゃんに言って、「どうして?」と聞かれたので、事情を話した。
途中涙ぐみながらね。
仲直りしたいけど、したくない。
真美は悪くないから、真美が謝る必要はないっ!

「コヨって不思議な子だねぇ。おばあちゃんの幼なじみも、コヨって子だったよ」

コヨ、たまたまかな。
おばあちゃんは、すごく幼い子のような目をした。
コヨさんとの思い出を思い出しているのかな。

「コヨは、小代って書いたよ」

おばあちゃんが紙に、小さいの小と、時代の代を書いた。
へぇ、小代って昔っぽい字。
真美も、そういう字好き。

「コヨとはずっと遊んでたんだけど、12年前亡くなったんだ。俣野って名字だったよ」

俣野コヨ。
名字も名前も同じ。
そんなたまたま、ある?

「コヨも、俣野って名字だよ」

「そうかいそうかい。じゃあ、コヨの生まれ変わりみたいだねぇ」

生まれ変わり…。
コヨさんとコヨが?
 ピンポーン
真美が出ると、コヨが立っていた。

「ちょっと、あんたのせいで、真美ケンカしたのよ!」

「多田本真美さんのことは関係ない。どうしてわたしの話してるの」

「おばあちゃんの幼なじみが俣野コヨさんだったからよ」

真美は、コヨをキッっと見据える。
きっとだけど、コヨっていいキャラじゃないよね。
真美たちの友情を切ったんだもの。

299:リリカ@恋歌◆JA:2017/08/05(土) 17:53

おもしろい!
まいの小説、これからも応援してるね!

300:まい◆8Q:2017/08/05(土) 17:55

7.昔のコヨ
「コヨって、小さいの小に、時代の代って書くの?」

「いきなり呼び捨てか。わたしも呼び捨てで呼んでみよう、真美」

溜めなくていいから、さっさと答えてよね。
今日のうちに何回にらんだんだろ。
真美は、コヨをにらんだ。

「そうよ、小代よ。どうせ、真美の祖母の幼なじみの生まれ変わりって言うんでしょ」

何で分かるんだろ。
ちょっと疑問の目でコヨを見る。
コヨは笑いながら、戸を閉めた。
聞かれたくない、話かな。

「わたし、両親に虐待受けてて、養護施設行ったの。本名は和江。だけど、小さい時だったから、名前も変えられたの。本当の俣野コヨさんが亡くなった生まれ変わりって」

コヨ、大変なんだ。
真美、勝手に悪いヤツって決めつけてた。
ごめんなさい、コヨ。
きっと、自分を本当に育てたいと思って引き取ったかもしれないけど。
記憶がないっていうのを利用してコヨにされた恨み、ちょっとはありそ。

「わたし、和江で生きたい。コヨはイヤだ」

本当の自分で、生きたいよね。
真美だって、いきなりコヨになれって言われてもイヤだもん。

「おばあちゃんに相談して、家来る?絶対楽しいよ」

「イヤだ。わたしは真美の敵。敵の家なんかイヤだ」

敵っ?
真美は、いきなりコヨが話しかけてきた時のことを思い出した。

「今回の用は何よ」

「別に。じゃ」

そう言い残して、コヨは真美の家を去っていった。


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