幻想郷の守護者『博麗霊夢』
これはそんな彼女が博麗の巫女となり、数多の異変を解決する以前に、始めて訪れた邪悪な妖との戦いの物語。
>>1 世界観と注意
>>2 異変キャラについて
・・・・・まさかとは思うけど、博麗の巫女を過去に何人も食らって、何人もの博麗の血を取り込んだことによって、こっちの動きが察知できるようになった・・・・・とかじゃあないでしょうね・・・・・?
(今まで幻想郷を襲った敵は数多くいるだろうが、豺狼はその中でも特異と言っても過言ではないような存在である・・・・・
博麗の巫女を何人も食らったことで、博麗の血がこっちの動きを知らせてしまっているということなのではないかと憶測を述べる・・・・・)
>>紫
【了解しました!平行世界同士を行き来したりする敵とか出てきそう・・・・・】
紫
「いえ、それは考えられないわ。魂と記憶の吸収なんて芸当は神レベルじゃないと出来ない。幾ら鬼神にも並ぶ力を持ったとは言え、一介の妖獣にそんな事は出来ない……」
紫はふと右手を自身の顎に当てて考える。
食らった対象の魂と記憶の同化、及び吸収など神であれば"習合"によって実際に他の神を取り込む事が出来ると言う例があるものの、一介の妖獣にそれだけの力は無い筈だと言う結論に至る。
紫
「……だけど、記憶や魂を取り込む術を得たにせよ、何らかの協力者が背後にいるにせよ、先ずは犲狼を捕らえなければならない……これは貴方に任せても良いかしら?」
だが、それもまた可能性は零では無いため、その確認のためにも霊夢に犲狼の撃破を頼む。先述した通り、自分では手を出すことが出来ないため、妖怪退治を使命とし、更に犲狼との因縁が出来た霊夢にこれを任せようとする。
>>霊夢
【それどころか、主人公側も複数の世界を渡り歩く事になるので、そのスケールも凄いことになりそうwwwあ、ちなみにその複数の世界を渡り歩るくのは原作キャラが良いでしょうか?それともオリの方が良いでしょうか?】
任せるも何も、私以外にこの役目を果たせる者はいないでしょう・・・・・?それに、奴には因縁があるわ・・・・・
(霊夢はわかっている・・・・・例えどんなに力が強い妖怪であれど、これは人間であり、そして博麗の巫女であり、そして豺狼との因縁もある自分でなければ、豺狼撃破の役目は果たせないということを・・・・・
博麗の巫女という立場だからこそ、先代達の想いも背負ってこの因縁に終止符を打たなければならないことを、霊夢は一番痛感していた・・・・・)
>>紫
【複数の世界渡り歩き可能キャラに関しては、個人的にはオリキャラがいいですかね!】
紫
「貴方からそう言ってくれると思っていたわ。基本的な戦い方はもうわかっていたようだから、これ以上の訓練も修行も必要ない、後は貴方自身に任せるわ。」
覚悟を決めた霊夢の言葉を聞いて、右手を自身の顎から離し、指をパチンと鳴らす。すると、博麗神社へ繋がるスキマの行き先が変わり、何処かの森の奥地へと切り替わる。
紫
「さあ……そこのスキマを潜り抜ければ犲狼がいる場所にまで出られるわ。」
紫は霊夢の向かうべき道を作る。これが今の紫が出来る最後の手助けであり、紫から今の霊夢なら犲狼をも打ち倒せると言う信頼の現れでもある。
>>霊夢
【なるほど!了解しました!!では、どんな感じのキャラにされますか?此方の世界では、ヴァイスリゾームとの対決がメインみたいになりそうですね!】
・・・・・この先に、アイツが・・・・・
(霊夢はこのスキマを出た先に、あの豺狼がいるということを知らされると、様々な感情が入り乱れる・・・・・
今度こそは絶対に倒さなければならないという感情、また逃げられてしまうかもしれないという感情・・・・・
これから先、博麗の巫女という立場上、様々な妖怪と対峙しなければならない場面は必ず来るだろう・・・・・だが、今を上回る感情を抱くことはそうそうないと思われる・・・・・)
>>紫
【一応オリキャラでも、原作キャラと関わりを持つキャラにしようかと思っています!】
紫
「これを通じて貴方の覚悟を……意思を……見せてもらうわ。」
紫は様々な思念や考えが脳裏を過っている霊夢を見て、彼女を送り出す言葉を口にして、静かに後ろに下がる。後の決断や判断をするのは霊夢自身だ、此処から自分ができるのは霊夢を信じて送り出すことだけ……
>>霊夢
【なるほど!しかし原作キャラとの関係となると、イロイロト矛盾が出たりしないように考える必要があるのでちょっと大変かも…?
あ、ちなみに第二案として、多種族が住む完全なオリジナルの世界も考えています!そこではあらゆる願いを叶える力を持つと言われる宝珠の破片を求めて様々な国家や組織が対立する感じにしたいなと思っています!】
・・・・・ないとは思うけど、戦いの最中、何があろうと割り込んだりしないでよね・・・・・?
(霊夢は一応念の為に、予め紫に何があろうと戦いへの介入はしないようにと告げておく・・・・・
これは自分と豺狼との戦いであり、他の者は例え仲間であろうと部外者となる・・・・・
これは、霊夢からすればケジメなのだ・・・・・)
>>紫
【関わりと言っても、そこまで深い関わりではないようにしようと思っていますW
オリジナルなりきり了解しました!その物語の世界に出すキャラも考えておきます!】
紫
「……ええ、勿論よ。例えこれで貴方が命を落とす事になっても……それが貴方の選んだ運命なのだから……」
紫は霊夢の口調から彼女が何をしようとしているのかを少しだけ推察した上で霊夢の望み通り、犲狼との戦いの際には何があっても割り込まないと応える。
>>霊夢
【ありがとうございます!了解です!!
(^^ゞ】
・・・・・
(霊夢は紫の言葉を聞くと、そのままスキマの外へと出る・・・・・
振り向くことも、言葉を返すこともなく、因縁に終止符を打つ為に戦地へと向かう・・・・・
その背中は、在りし日の先代達と通ずるものがあった・・・・・)
【スキマの外】
・・・・・ほら、出てきなさいよ・・・・・いるんでしょ?それとも、また私から逃げる・・・・・?人間のこの私から・・・・・
(霊夢はスキマの外へ出るやいなや、姿は視界に入っていなくとも、近くにいるであろう豺狼に対して上記を言う・・・・・
人間と妖怪、普通であれば戦わずとも力の差は歴然だが、博麗の巫女の立場である霊夢が戦うということ、そして、人間の方からわざわざ戦いの場に来てやったぞという霊夢の豺狼に対する煽り文句が詰まっている・・・・・)
>>豺狼
犲狼
「たかだか巫女風情が生意気な……!いいだろう、そんなに無惨な最期を遂げたいのなら手伝ってやるよ!!」
犲狼は森の木々の影が作り出す暗闇の中から霊夢に右目を潰された犲狼が全身から身震いしたくなるような凄まじい殺気から成る重圧を伴い、霊夢の前にその姿を現す……
辺りには無差別に喰い散らかされた動物達の肉片が散らばっており、犲狼の口元と両手には鮮血が滴っている事から霊夢達との戦いで消耗した体力と妖力を動物の命を貪ることで回復させようとしていた事が推測できる。
だが、犲狼が喰らった動物の中には、里の郊外を襲撃した際に使役していた野犬の骸が幾つも見える事から、犲狼にとって手下の野犬など幾らでも代えの効く駒でしか無いのだろう……
>>275
どこまでも下衆な屑野郎ね・・・・・最期を遂げる手伝いなら私がしてやるわ、無論、アンタの最期だけどね・・・・・
(霊夢は豺狼のどこまでも救いようのない下衆な性格に、呆れた様子で上記を言う・・・・・
右目を潰されたまま回復できていないところを見ると、力自体は回復できても潰された目は回復できない、つまり、再起不能なほどの傷を負わせれば回復は不可能だろうと考える・・・・・)
>>豺狼
犲狼
「減らず口もそこまでだ!!博麗の巫女とは言え、所詮はただの人間!この俺様のスピードにはついてこれまい!!!」
犲狼は激高し、夜闇に包まれた辺りに響き渡るような怒鳴り声と共に弾かれたようにして霊夢へ向けて飛び掛かり、そのまま勢いに任せて両腕の爪を振るって霊夢の体を引き裂こうとする。
だが、その犲狼よりも更に俊敏な橙との戦いを行い、橙のスピードに慣れた霊夢にとって、犲狼の動きはまるでスローモーションか何かのようにゆっくりと遅れて見える。
>>霊夢
【犲狼はパワーでなら橙に勝っていますが、スピードでは負けている感じです……!】
遅いわね・・・・・橙の方が、よっぽど早いわ・・・・・
(飛びかかってきた豺狼の攻撃をいとも簡単に避けて、そのまま豺狼のスピードを更に上回るスピードで豺狼の頭上へと移動し、そのまま踵落としを豺狼の脳天目掛けてお見舞いする・・・・・
何の躊躇いもなく、容赦もせずに攻撃を繰り出すのは、霊夢の怒りの表れにも見える・・・・・)
>>278 豺狼
【了解しました!】
犲狼
「ガッ!?ちょこまかと……!!」
この時から後に瞬間移動、スキマ移動をほぼ無意識に繰り出せるようになる片鱗として、犲狼のスピードを凌ぐ速度で移動し、、繰り出された踵落としが狼の頭蓋骨を被ったような頭部に直撃する。
だが、見た目の通り、耐久力、肉体的な硬度も高いのか、怯むことなくそのまま右腕を大きく振り上げて霊夢に対するカウンターを仕掛けようとする。
>>霊夢
だから、遅いっつってんのよ・・・・・
ドゴォッ・・・・・!!!!!
(豺狼が振り上げた右腕を思いっきり骨を砕く勢いで蹴り飛ばし、更に腹部へと一発強烈なパンチをお見舞いする・・・・・
霊夢の瞳から感じられるのは、豺狼に対する強い怒り、豺狼の身勝手な行動によって命を落とした里の住人達の仇討ち・・・・・
豺狼に対する情けなど、微塵もない・・・・・)
>>豺狼
犲狼
「ククク……どうした?それがお前の全力か?」
《ヒュオッ》
犲狼に向けて繰り出した蹴りと殴打が直撃する……だが、犲狼にはまるでダメージが通っているような様子は見えず、逆に腹部に当たった霊夢の腕を掴んでそのまま近くの木へと叩き付けようとする。
スピードで霊夢が優位に立っていても受け身となり、攻撃直後を狙ったカウンター方式であれば速度の優位性は意味を成さない。
犲狼からは先程までは感じられなかった"魔力"が感じられるようになっており、それを用いて魔力により不可視の防御層を形成する事で外部からの衝撃を打ち消して大幅にその威力を落としているようだ。
霊夢は侮っていた……
力を渇望する獣の果てすら無い野心を、生存本能を満たすためにはあまりにも過剰すぎる力への欲望を……
>>霊夢
がっ・・・・・!?
(一撃目の踵落としが効いたことから、自身の力に自信を持ったわけではないが、これなら倒せるという状況的な自信はあったのか、豺狼に掴まれてからの反応が遅れ、そのまま木に叩きつけられてしまう・・・・・
霊夢は豺狼のような野獣に宿る欲望を、まだ甘く見ていたのかもしれない・・・・・)
>>豺狼
犲狼
「俺様は新しく"魔力"を手に入れた!俺様が元々持っていた妖力と博麗の霊力に加えて"魔法使い"の魔力も手に入れた!これで俺様は無敵だ!!」
犲狼は自身の両手足に魔力を宿して部分的に筋力を強化した事で俊敏性と、元々高い攻撃力を数段強化した上で霊夢に向けて再度迫る……
対する霊夢は木と激突した際のダメージがあり、満足には動けないだろう……
犲狼の台詞と、叩き付けられた霊夢の傍にボロボロになった白いリボンが付いた黒の帽子が転がっている事から、先に戦っていたであろうあの白黒の魔法使いが殺され、その魔力を奪われたものだと考えられる………
>>霊夢
【重なる絶望、悪化し続ける現状……】
げほっ・・・!げほっ・・・・・!
(フラフラと立ち上がり、血が混じった咳をする・・・・・
そして、次の瞬間見つけたのは、見覚えのある帽子・・・・・あの魔法使いが被っていた帽子だ・・・・・
霊夢は再び自責の念に囚われる・・・・・もっと早く来ていれば、もっと力があれば、と・・・・・
大きく見開かれたその瞳には、絶望が宿りつつあった・・・・・)
>>豺狼
【深淵の始まり・・・・・】
《ギュオッ》
絶望、後悔、罪悪感により蝕まれつつも立ち上がった霊夢に迫る犲狼の振るった右腕による一撃が無慈悲にも迫り、その一撃をもって霊夢を弾き飛ばそうとする……
>>霊夢
ぐっ・・・・・!
ダッ・・・・・!
(霊夢は攻撃を放つよりも、攻撃をまずはかわさねばならないと判断して、体中に激痛が走る中、何とか攻撃を避ける・・・・・
が、このまま避け続けていたとしても、この戦いは終わらない・・・・・
終わるとすれば、それは自身の命が尽きる時だろうと悟る・・・・・)
>>豺狼
犲狼
「所詮この世は弱肉強食!強い奴が生き、弱い奴は喰われる!それが絶対不変の真理だ!俺より弱い奴は全部俺に喰われてりゃいい!!」
霊夢がほんの数秒前までいた場所が犲狼の腕によって薙ぎ払われ、樹が叩き割られ、バラバラになった木片が周囲に飛散する……
犲狼はその弱肉強食についてのあまりにも独善的かつ自己中心的な考えを口走ると、避けた霊夢へ追撃をしかけるべく再び飛び掛かる。
>>霊夢
【犲狼の残忍性や非常性はこの考えから来ているのかも……】
《このままじゃヤバイ・・・・・この戦いをあまり長引かせるわけにはいかない・・・・・!》
(霊夢は豺狼の攻撃を避けていく中で、こっそりと先ほど使った退魔針を取り出し使おうとする・・・・・
が、同時に視界がぼやけ始める・・・・・
いくら博麗の巫女と言えども、人間の身・・・・・妖怪の、それも欲の深い傲慢な妖怪に木に叩きつけられれば、それ相応のダメージが体に行き渡るのは当たり前である・・・・・)
>>豺狼
【志々雄様と仲良くなれそう・・・・・】
犲狼
「お前も俺様の糧にしてやる!!!」
犲狼は霊夢によって潰され、狼の頭蓋骨のような右眼孔部が崩れ、眼孔内にあった赤く小さい光が消え、その機能を失っていることがわかる。
手足や頭等は魔力による防御層を展開して防ぐ事が出来ると思われるが、常時魔力装甲を展開している様子が無いことから既にダメージを受け、機能を失っている箇所であれば、魔力層による防御が行われるよりも先にダメージを与えられるかもしれない。
まさに針の穴を通すようなものであり、下手な距離から針を投げては避けられたり、防がれる可能性が高い上に、もしこの攻撃が失敗した場合、迫り来る犲狼の巨腕から逃れる事は出来なくなってしまうだろう……
安定のために回避をするか、それとも失敗すれば一気に形勢が不利になり、最悪そのまま惨殺されものの、成功すれば逆転の可能性がある反撃を仕掛けるか……
>>霊夢
【大金をはたいて作った船を手榴弾で爆発させられた可愛そうな人……www】
《・・・・・イチかバチか、賭けるしかないわね・・・・・》
(霊夢は薄れゆく意識の中、自身の保身よりも、何とかして豺狼への攻撃を最優先し、命中させる為、逆転の可能性へ全力で賭けることにする・・・・・
ここまで来れば、もう後には引けない・・・・・平和を掴み取るべく、ただただ突き進むのみ・・・・・)
>>豺狼
【ま、まぁ・・・・・主人公との戦いで勝ち逃げできたので・・・・・】
犲狼
「散れ!弱者がァ!!!」
もはや回避や防御は間に合わない。
再考の余地も無く、眼前に迫った犲狼はその鋭利な爪を振るい、霊夢の体を引き裂こうとする。
少しでも対応が遅れれば反撃すら叶わなくなる、少しでも臆すればその先にあるのは確実なる苦痛に満ちた死……
【確かにwwwww
でもあの船は確か全財産の五分の三を注ぎ込んだんだったかなwww
ちなみに、信念の強さが実力に現れる展開が好き私のキャラは、それぞれの戦う信念や意志に対して論破したり、その本質を見抜く等をすると、弱体化バフをかけて弱点や対応がしやすくなります!】
っ・・・・・!!!!!
ドォッ・・・・・!
(霊夢に考えていられる余裕などない・・・・・
イチかバチか、霊夢は豺狼の機能を失った右眼孔部へと退魔針を放つ・・・・・
もしこれが当たれば少しでも希望の道は開ける、外れればただ惨めに殺される・・・・・
博麗の巫女という立場である以上、もしここで死ぬとすれば、それもまた運命なのかもしれない・・・・・)
>>豺狼
【つまり、正論を言われると無理矢理にでも言い返すのではなく、言い返せない系の敵ってことですねW】
犲狼
「……つッ!?グギャアァァァァァァッ!!!?」
人体を引き裂ける巨大な犲狼の爪が迫る中、霊夢の投げた退魔針がまるで追尾するかのようにして向かい、犲狼の右目に突き刺ささると、犲狼の体勢が大きく崩れ、両手で右目の辺りを抑えて絶叫する。犲狼の体を守っていた魔力装甲も集中力が途切れた事で消えており、攻撃する最大のチャンスが訪れる。
>>霊夢
【だいたいそんな感じですね!ただ、厄介な敵ほど言い返して来ますがwww】
や・・・やった・・・・・
ヨロ・・・・・
(霊夢は自身がこんな不利な状態で攻撃が当たっただけでも奇跡的だと思いながら、更に攻撃を仕掛けるために立ち上がるも、体が思うように動かない・・・・・
いくら力があっても、人間という種族の体の脆さを克服することは出来ない・・・・・)
>>豺狼
【もはや言い返さないと気が済まないレベルW】
犲狼
「グウゥゥゥ……二度も俺様の目を!!!」
犲狼は霊夢によって二度も攻撃を受けた右目を右手で抑えながら左腕を振り上げ、それを勢い良く地面に叩き付け、地面に巨大なクレーターが生じるほどの強烈な衝撃波を解き放ち、体の自由が効かなくなりつつある霊夢へ反撃を仕掛けようとする。
>>霊夢
グォオオッ・・・・・!
ガッ・・・・!
ぅぐっ・・・・・!?
(まともに体が動かない中での、豺狼の更なる追い討ちをかける衝撃波に、霊夢はそのまま体を飛ばされ岩盤へと体を思い切り叩き付けられる・・・・・
復讐と欲望に満ちた野獣の邪悪な猛攻は、人間の命なんて簡単に奪える・・・・・
それは、博麗の巫女と言えども、例外ではないのかもしれない・・・・・)
>>豺狼
>>アリアさん
【相談場所の方に文を投稿しておくので確認しておいて頂けると幸いです。】
【お返事遅れてすみません!雑談所の確認も最近出来ていませんでした・・・・・本当にすみません!】
300:殺意の獣◆3.:2020/10/09(金) 23:17 犲狼
「グワハハハハッ!!
博麗の巫女から奪った霊力!魔女から奪った魔力!そしてこの俺様が下僕の妖獣から奪った妖力!!この三つを兼ね備えたこの俺様こそこの幻想郷に相応しい!!」
犲狼は弾き飛ばされて勢い良く地面に叩き付けられた事で、もはや虫の息になっているであろう霊夢を、この幻想郷に住まう全ての者を冒涜するかのように嘲笑う犲狼……
彼は他者から奪った力を、まるで自分のモノであるかのように言っており、彼の強さは彼自身のものではなく、他者から奪う事でしか強くなれない、そんな虚しい姿を示しているにさえ見える……
犲狼
「テメェもそう思う……だろ!?」
《バリバリバリバリバリッ》
犲狼はこの戦いを終えた暁には、蓄えたこの力を使って幻想郷中に存在する妖狼達を使役し、幻想郷中に攻撃を加え、幻想郷の賢者達に戦いを挑み、その座を奪い、幻想郷の王になるつもりだと宣告すると、右腕を霊夢に向け、右腕から霊力、魔力、妖力の三つが混ざりあったエネルギーを強烈な紫色の電撃のようにして解き放ち、霊夢にトドメを刺そうとする。
・・・・・ハ・・・・・ハハハハハ・・・・・アハハハハハハハハハ・・・・・!!!!!
(豺狼にトドメを刺されそうになっている中、霊夢は突然高笑いをし始める・・・・・
その高笑いは、これから訪れる死に対する恐怖からくるものなのか、それともこの現状を打破する何かしらの策を思いついたことからくるものなのか・・・・・
いずれにしても、この状況は、霊夢の立場からすれば、とても笑えるような状況ではないことは確かなのだが・・・・・)
《ガガガガガガガガガガガガガッ》
犲狼の放った三種の力が合わさり、雷撃の如く放たれたエネルギー波が高笑いするだけで何の回避も防御もする様子の見えない霊夢に向かい、本物の落雷が直撃したかのように激しい轟音と周囲へ迸る火花と閃光により、霊夢がいた場所の付近の地面が大きく抉れ、周囲にはあった草木が綺麗に消し飛ばされてしまう……
これだけの威力の技が直撃した場合、並みの人妖はおろか、大妖怪クラスでさえ、無傷で助かることはないだろう……
カッ・・・・・
ドォォォオオオオオオオオオオオオォォオオオッ!!!!!
・・・・・
(霊夢がいた場所に豺狼のエネルギー波が直撃し、霊夢は邪悪な光の中へと消える・・・・・
エネルギー波が直撃した場所が爆風と砂埃によって何も見えなくなるものの、砂埃が晴れると、そこには霊夢が付けていたリボンが、ボロボロになった状態で無残に地面に落ちていた・・・・・)
犲狼
「ふん、跡形もなく消し飛んだか。
あの博麗の巫女とは言え、所詮は成り立ての人間の女に過ぎないと言う事だな!血肉と力を喰えなかったのは残念だったが、この程度の奴なら喰っても大した足しにはならなかっただろうなァ!」
霊夢の付けていたリボンがボロボロになって地面に落ちているのを見て、霊夢が跡形もなく消滅したのだと判断すると、首をマヨイガと博麗神社の方に向け、頭骨の眼孔にある不気味な赤い光が強い悪意を帯びた輝きを放つ……
犲狼
「さぁて、次は俺様の下僕共を使って先ずはあのスキマの隠れ家、マヨイガを潰し、次いでに博麗神社も占領してやる!!!」
霊夢を仕留めたと考え、増長した犲狼は、次はマヨイガと博麗神社の双方を占領する事で幻想郷における優位な地位の獲得を狙うと言うように、いよいよその野心を隠す素振りすら無くなっている。
犲狼の操る妖狼達は犲狼の妖力によって操られているだけの野犬の群れ、つまりは使い捨ての駒だ。幾ら消耗しようと幾らでも代えの効く雑兵軍団に過ぎない……
跡形もなく消し飛ぶのはアンタの方よ・・・・・
(豺狼の背後から、あの忌々しい巫女の声が聞こえてくる・・・・・
その声は勝ち誇った気でいる豺狼にのみ聞こえる幻聴か・・・・・
それとも、確かな現実か・・・・・)
犲狼
「おいおい、生命力だけはゴキブリ並みじゃねぇ……か!!」
《ヒュッ》
犲狼は背後から霊夢の声が聞こえると、先ずは目線だけを少し動かして霊夢の位置を推測すると、振り向き際に霊力を纏わせた右腕の爪を振るってそのまま引き裂こうとする。
幻聴にせよ何にせよ先ずは確認してみるべきだろう。何せ、自分には他者を殺害する事に対する良心の呵責から来る幻覚も、過剰な警戒心や恐怖心の現れとしての幻影も見ることが無いため、幻ではなく、本当に背後にいると推測している。
・・・・・
(豺狼の爪には何も当たらず、やはりさっきのは聞き間違いか何かだったのかと思わせたつぎの瞬間・・・・・)
他人の力に頼ることでしか戦えない臆病者は、どこの誰かしら・・・・・?
(再び豺狼の背後から声が聞こえてくる・・・・・
聞き間違いではない、間違いなく霊夢はそこにいる・・・・・
豺狼の推測は当たっていた、だからこそ避けた、それだけの話ではあると思うが、一回目の爪を振るった攻撃は空振りに終わった・・・・・
二回目は、果たして・・・・・)
犲狼
「ふん、お前は馬鹿か?どの道雑魚が持っていても仕方のねぇだろ?
それなら俺様の野望の糧になれた方が良いに決まってんだろ?」
犲狼にとって他者は己の力の糧か葬るべき敵対者のどちらかでしか無い……故に他者の力を使うことへの躊躇いも罪悪感や後悔すら抱いていない彼にとって霊夢の言葉はまるで通じていない。
爪による一撃を避けたのを見ると、今度は口内に魔力と妖力を混合させて具現化させた赤黒い炎を口内に集束させ始める。
何も霊夢が避けると言うのならばそれでも構わない。
集落襲撃の時のような轍はもう踏まない、すばしっこい巫女を潰すのならば、受けざるを得ない状況や、足を止めなければならない状況を作ってしまえばいいだけの事だ。
犲狼の狙いはこの辺り一帯の森そのもの。
自然ならざる炎は何処までも延焼していくだろう、そうなればこの辺りにいる妖怪も動物も絶命する上に、その炎は人間の里にまで及んでしまう。
一度放たれてしまえばその最悪の予想は的中してしまう事になるだろう……
そこまで言うならアンタも、幻想郷の未来の為の糧になりなさい・・・・・
ドォッ・・・・・!!!!!
(今までは霊夢の声だけしていたが、とうとうその声が堅実のものであるという確かな証拠が出てくる・・・・・
豺狼の右腹部を、何かが貫いてそのまま風穴を開ける・・・・・
豺狼が他者の力を己の強さの糧にするのであれば、霊夢もまた、どうしようもない悪を幻想郷の未来の糧にする為に倒す、似たようで真逆の構図が出来上がっている・・・・・)
犲狼
「ふん、俺様が糧になるだと?ふざけた事をぬかすな!俺様は"特別"だ。俺様こそが人間も妖怪も、神々をも支配する王に相応しい!!そんな俺様のためにシねるのだから寧ろ光栄に思いやがれ!!!」
犲狼の体を守るエネルギー体による防御装甲……
"フォースシールド"とも言うべきものにより、霊夢の攻撃が阻まれてしまう……歴代の巫女の中でも最高の才を持つものの、巫女となってもまだ数日しか経っていない霊夢では、その経験や知識は歴代の巫女の足元にも及ばず、犲狼の防御を崩す事は困難だろう……
黒白の魔女
「ふ……ざけんなぁ!!!」
犲狼
「ご……がッ!!?」
犲狼の腹部を狙った攻撃が防がれると、口内に集束された魔炎が解き放たれようとした矢先、帽子が無くなり、ボロボロになった状態ではあるものの、辛うじて生きていた魔理沙が奪われずに残った魔力と、ポーションによって回復させた魔力の大半を身に纏い、箒に乗ると犲狼の顔に向かって激突し、犲狼の口内で集束させていた魔炎が大爆発を起こし、自滅させる事に成功する。
・・・・・っ!!!!!・・・・・アンタ・・・・・
(あの魔女が生きていたことを知ると、驚きと理解の追いつけないのが同時に訪れるものの、まずは何よりも、相手が生きていたという嬉しさの方が勝っていた・・・・・
そして、相手に近づくと「よかったわ、生きていたのね・・・・・」と呟き)
黒白の魔女
「油断するな!アイツは……この程度じゃ倒せない!!」
黒白の魔女は犲狼が吹き飛んだ方向を見て、立ち込める爆煙の中でその姿は見えないものの、この程度で倒せるほど弱い敵ではなく、油断せずに警戒しているようにと伝える。
不意打ちが成功したとは言え、アイツは何処までも得体の知れない奴だ。この程度で倒せるのなら苦労はしない。
私から魔力を奪い、その魔力を自分の力にして使っている……色んな魔物や怪物を書物を通じて知っていたが、こんな奴は見たことも聞いたこともない。アイツの言葉の中にもあった"特別"と言う単語から、何かしらの特異体質を持っているのだろう。
自分の魔力も底を尽きかけている。大技を使えるとしてもあと二回が限界だ……巫女の様子を見る限り、まともにやりあっても勝ち目は無いだろう……
魔理沙は犲狼に対抗するための策について考えながら、自身も魔力を練り、作戦に備え始める。
わかってるわ・・・・・アイツは他人の力を奪うことでしかその真の恐ろしさを発揮できない反面、奪った力をとことん私利私欲のために使っている・・・・・
(二人とももう既に体はガタガタの状態だ、この戦いで終止符を打つことができるかどうかも、正直怪しくなってきた・・・・・
だが、幻想郷に害を及ぼす悪は野放しにはできない、やるなら今この戦いで、終わらせるしかない・・・・・
そして、この魔女も護らなくてはならない・・・・・)
犲狼
「この俺様に不意打ちとはやってくれるじゃねぇかァァァァ!!!」
激しい怒気が込められた咆哮のような怒鳴り声と共に爆煙を引き裂いて犲狼がその姿を露にする。だが、
元々魔理沙の魔力であった事や、魔力を使った事が無いためその支配(コントロール)が完全ではなかったようで本来の持ち主である魔理沙とぶつかった影響により、犲狼を守る防御装甲に歪みが生じ始めている。
黒白の魔女
「……なあ、まだまだ力は残っているか?」
魔理沙はその魔力の揺らぎを見て、突破出来るかもしれない策が一つだけ思い付き、霊夢にまだ力が残っているかどうか問う。だが、この策は自分一人の力だけでは実現させる事は出来ず、失敗すればかえって犲狼を強化してしまうことになる……
だが、このままではどれだけ上手く立ち回ってもフォースシールドがある限り、ジリ貧を強いられ、最終的には二人とも倒されてしまうだろう……
【今のところ、犲狼の言葉を一つも論破出来ていませんね……
(;・ω・)】
あるように見える・・・・・?
(とは言いつつも、霊夢は何とかしようと、わずかにまだ残っている力を絞り出そうと集中し始める・・・・・
二人の力を合わせても、正直勝てる確率よりも、負ける確率の方が高いだろう・・・・・
しかし、やらなければやられる、この二人でやらなければ誰がやる、ボロボロで今にも手当を受けなければならないほど痛手を負わされている今、もはや体が勝手に動いているような感覚だった・・・・・)
【ここだけの話、論破系はほんの少しだけ苦手です・・・・・W】
魔理沙
「なら、コイツをやる。元々自由に作り出せるエネルギーならコイツである程度回復出来る筈だ!」
魔理沙は手元に簡易的な転移魔法を展開するとそこから緑色の液体が入った小さな瓶(ポーション)を取り出し、視線を犲狼に向けて警戒したまま霊夢に投げ渡し、それを飲んで力を回復させるように言う。
失われた力だけでなく、傷もある程度は治すことが出来る。これがあったからこそ、一度犲狼に負けた際にも逃げ切ることが出来た。
……だが、このポーションで回復できる量はせいぜい大技三回分だけだ。使うタイミングをミスしたり、小技を繰り出して消耗してしまえば、それが命の危機へと直結してしまうだろう……
【マジですかwwwこれはもしかしたら、今後、敵対者の持つ思考や思想を崩して弱体化させる必要がある時や、説得や交渉をする時など、かなり苦戦するかも…?】
魔女っていうのはなんでもありなのね・・・・・ありがたく貰うわ・・・・・
(歪みぼやける視界、震える手でなんとかポーションを受け取る・・・・・
そして、ポーションを飲み干し、徐々に体力は回復し始めるものの、問題はここから・・・・・
大技のタイミングが、この幻想郷の未来を、運命を左右することとなる・・・・・)
【でもまぁ、ヴァルター様と戦った時と比べたら、論破方法を考える方がまだ全然マシかもですW】
魔理沙
「褒め言葉、と捉えておくぜ。さあ……行くぞ!!」
犲狼
「俺様が一番強い!スキマ妖怪や後ろ戸の神、鬼や天魔共ならまだしも、テメェらごとき人間がこの俺様に勝てると思うなよ!!!」
《ズガガガガガガガガガガガッ》
犲狼は雄叫びと共に右腕を勢い良く二人に向けて突き出す……
すると、先程霊夢に大ダメージを与えた魔力、霊力、妖力の三つが無秩序に混合された強烈なエネルギー波をまるで電撃のようにして解き放ち、二人を纏めて消し飛ばそうとする。
これが後に、霊夢と魔理沙が本格的に共闘する最初の出来事となる………
そして……この構図は"来るべき決戦"にも繋がる……
よくわかってるじゃない!!!!!人間如きが怖いからこうもムキになって攻撃するんでしょうがっ!!!!!
ググッ・・・・・!!!!!
(霊夢はここで攻撃を避けるか、攻撃をぶつけて相殺させ、その間に豺狼に更なる追撃をするかを強いられるが、いつでも攻撃を放てるようにと準備はしてある・・・・・
体力が回復したとはいえ、限度がある、その限度の中で豺狼を倒すには、肝心のタイミングを見極めるのはまさに至難の技とも言える・・・・・)
犲狼
「ガハハハハッ!違うなァ、鬱陶しい奴らがいたら普通叩き潰すだろ?」
黒白の魔女
「ああ、その通りだな、それじゃあとっとと退場してくれるとありがたい……な!!」
犲狼の放った強烈な一撃に対し、魔理沙は上空へ飛ぶことで逃れつつ、左手で自分の右手首を掴み、無数の黄色の光弾を放ち、牽制として犲狼に攻撃を加えることで犲狼を守るフォースシールドを少しでも削ろうと反撃し始める。
・・・・・アンタ、そのまま攻撃を続けられる・・・・・?
(霊夢は何か策を思いついたのか、相手にそのまま攻撃は続けられるかと聞く・・・・・
しかし相手も豺狼に一度負けた状態、ポーションの効き目にも限界がある、このまま攻撃を続けることは力の消耗に繋がる・・・・・
だが、それをわかった上の策であるのもまた事実・・・・・)
魔理沙
「……!お前も何か策があるのか?いいぞ、その策に乗ってやるよ!」
魔理沙は大技を一つ放つための力を全て光弾に変えて放ち、更にわざと犲狼の足元に光弾を当てて爆破させ、足場を崩すと同時に土誇りで犲狼視界と動きを制限させていく。
犲狼はその間、苛立ちのこもった唸り声をあげるが、視界も足場も悪い状況では自慢のパワーも精度が落ち、放たれた魔力波も簡単に避けれらるものになっている。
これは賭けよ・・・・・失敗する確率も大きい、けどアイツが今まで卑怯な手を使ってきたように、こちら側も卑怯な手を使わせてもらうわ・・・・・
グォオッ!!!!!
(霊夢は霊力を集中させ、それを魔理沙が放っているように光弾に変えて豺狼がいると思われる場所めがけて、多くではなく、数こそ少ないものの連続で撃ち始めるが、これだと効果があったとしても勝ち目は無いのは目に見えている・・・・・
一体何をするつもりなのだろうか・・・・・)
犲狼
「ガアァァァァァッ!!邪魔だァ!!!」
犲狼は魔理沙が巻き上げた土埃を切り裂くようにして右腕を勢い良く振るいながら、激情に任せて怒鳴り声をあげて残る土埃をまとめて吹き飛ばす。
犲狼
「ククク、この俺様にそんなチンケな技が通用するかぁ!!!」
《ゴオッ》
そんな中、霊夢の放った質を重視した光弾が犲狼に次々と着弾していくものの、多少揺らいでいるとは言え、犲狼を守るフォースシールドは依然として強固であり、これだけではまともなダメージにはなっていない。
【雑単の方でもちょくちょく文を投稿していると言うwww】
引っかかったわね!!!!!
ドォオオッ!!!!!
(霊夢はこの時を待っていたと言わんばかりに、豺狼が土埃をまとめて消し飛ばしてくれたおかげで、豺狼の正確な位置がわかるようになり、霊夢は特大の霊力弾を豺狼が今光弾に気を取られている隙を狙って、咄嗟に防御に回ることは難しいであろう背後から豺狼の体を貫く勢いで放つ・・・・・)
【すみません!すぐ行きます!】
犲狼
「………!!?」
黒白の魔女
「やったか!?」
魔理沙が巻き上げていた土埃によって二人の位置を把握できずに犲狼もまた攻撃の精度が下がっていた中、土埃を払った瞬間に背後に回り込んだ霊夢の放った光弾が炸裂すると凄まじい轟音と衝撃、そして青白い電撃が辺りを走り回る。
その様子を見た魔理沙は遂に倒したのかと思い、電撃による閃光で犲狼の姿は見えないものの、倒せたのかと言う。
気を抜かないで!奴はこの程度じゃ簡単にはくたばらない・・・・・!奴は隙を突いてくる・・・・・!
(霊夢は豺狼この程度で倒せるとは限らないことを考え、相手に気を抜かないようにと忠告をする・・・・・
一瞬でも気を抜けば、豺狼はその瞬間を突いて攻撃してくる・・・・・
もし今、どちらか一人が欠ければ勝機は無くなる・・・・・)
犲狼
「ハハハッ!そう言うことだ!!」
魔理沙
「!?
……くッ!!」
完全に不意を突いて霊夢の妖怪に対して絶大な効果を持った霊力の塊が直撃したことで倒したかと思いきや、今の犲狼が纏っているのは魔力や妖力だけでなく、本来ならば妖の天敵である筈の霊力も込められていた。
そのため、霊夢の一撃も大幅にその威力を軽減されてしまっており、青白い電撃を突き破るようにして現れた犲狼が箒にのって上空を飛ぶ魔理沙に向かって飛び掛かる。
辛くも魔理沙は小技を放つための力を全て防御壁の展開に回すことで防ぐことに成功するが、即席の防御では強度が低く、無数の亀裂が生じてしまう……
この卑怯者!!!!!アンタの狙いはこの私でしょうが!!!!!
(そう言うと、今度は霊夢の方から豺狼めがけて飛び掛ってくる・・・・・
霊夢の長所であり、短所でもある、誰かが危機にさらされるとカッとなって考えるよりも先に勝手に体が動いてしまうのが、吉と出るか凶と出るか・・・・・)
犲狼
「ククク、馬鹿め!まんまと来やがって!このまま始末してや……」
魔理沙
「させるか……よ!!!」
犲狼は先程の里郊外の集落を襲った時に霊夢の性格については大方知っていた。だからこそ、敢えて魔理沙を狙っており、それに釣られて此方に向かって来る霊夢を見て、回避困難な速度で魔力と霊力、妖力を混合させた破壊エネルギーの塊をぶつけようとする……
だが、それに気付いた魔理沙は即座に防御魔法陣を拘束魔法に切り替え、渾身の力を込めて犲狼の動きを止め、霊夢が攻撃するためのチャンスを作ろうとする。
感謝するわ・・・・・!できる限りそのまま頼むわよ・・・・・!
(霊夢は必死に豺狼の動きを止めてくれる魔理沙に上記を叫ぶと、そのまま豺狼の心臓部めがけてさっき豺狼に背後から不意打ちを仕掛けたのと同じように、光弾を放つ・・・・・
ポーションによる回復の限界も近い、早急にこの戦いには終止符を打たなければ、未来はない・・・・・)
犲狼
「ぐ……おォォォ……!!」
魔理沙
「今だ!畳み掛けろ!!!」
霊夢の放った光弾が犲狼に激突すると、身に纏ったフォースシールドによってその威力を軽減されているもののの、彼の巨体を弾き飛ばし、その体勢を崩すことに成功すると、魔理沙はその隙を見逃さずに両手に魔力を宿して反撃の準備を整えながら霊夢にも畳み掛けるように言う。
わかったわ・・・・・!!!!!
(光弾を心臓部へと、真近で更に力を込めて放つ・・・・・
豺狼が防御や抵抗はできないほどにスピードと威力を増した光弾が、豺狼の胸へと激突し、そのまま押し上げるようにして体を貫こうとする・・・・・)
犲狼
「ぐ……おォ……!!餌ごとき……が……調子に乗るな……よ……!!」
犲狼は霊夢の放つ光弾が直撃し、みるみる内にフォースシールドが削られていく中、魔理沙の拘束魔法がかかっているにも関わらず、強引に腕を動かし、胸部を貫こうとしている霊夢の頭を掴んで握り潰そうとする。
更に、残ったフォースシールドの大半を胸部に集めているため、その硬度は非常に高くなっており、これが犲狼が反撃するための時間稼ぎに使われている。
っ・・・!!!!!ぁぁあああああぁああああああああぁぁぁあああぁあああぁぁぁぁ・・・・・!!!!!
(頭を掴まれ、いつグチャグチャに握り潰されてもおかしくはない状況になり、霊夢は聞くに耐えない悲惨な叫び声を上げる・・・・・
博麗の巫女と言えど人間、という覆ることは無い種族という壁が、霊夢を苦しめる・・・・・
今ここでやられるわけにはいかない、しかし抵抗すらまともにできない、にっちもさっちといかない絶望的な状況とはまさにこのことか・・・・・)
魔理沙
「………ッ!!」
犲狼に頭を掴まれ、握り潰されようとしているのを見るが、これで拘束魔法を解いてしまえばその瞬間に二人とも切り刻まれしまうだろう事が推測できたため、魔理沙は霊夢を助けには向かえない……
霊夢の光弾は依然としてフォースシールドが集中されている腹部には届いておらず、逆に犲狼は更に力を込めてギリギリと万力のようにして霊夢の頭を握り潰そうとする……
あ・・・・・ぁ・・・・・
(視界がぼやけ、意識が遠のき始める・・・・・
ここまでしてもまだ勝てないというのか・・・・・ここで諦めるわけにはいかないのはわかっているが、もう手足に力が入らない・・・・・
痛みも段々感じなくなってきた・・・・・)
【数刻前…】
紫
「………蔵蜜、そこにいるかしら?」
犲狼との死闘が始まる前、丁度霊夢が犲狼を退治するためにスキマを通ってから直ぐに紫は死地へ赴く霊夢の後ろ姿を見ながらスキマを閉じた時、紫は視線を動かさないまま、蔵蜜がまだいるかどうかを問いかける。
あぁ、いるが・・・・・
(そう言うと、蔵蜜は紫の前に姿を現す・・・・・
そして「あの巫女、私が思うに、先代にどんどん近づいていってる気がする・・・・・」と、蔵蜜には霊夢と先代巫女の姿が重なって見え始める・・・・・
これは、蔵蜜なりの忠告だ、紫はこのまま霊夢が死んでしまってもいいのかどうかという忠告だ・・・・・)
紫
「……貴方はまだ知らないとは思うのだけれど、初代の巫女と瓜二つの姿もしているわ。先代の巫女と初代の巫女、この二つの性質を兼ね備えているのかもしれないわね。」
紫は記憶の奥底に眠る初代と、かつての吸血鬼異変の時に命を落とした先代の巫女の二つに似ているのだと静かに語る……
確かに彼の言うとおり、現代の巫女はその才能だけじゃない……かつての博麗の巫女の才の化身なのかもしれない、ならば彼女が生まれた理由、存在する理由はもしや………
紫
「だからこそ、こうして目をかけたくなるのかしら……ね?」
紫は右手の指先に部分的に妖怪でも持てるように紫の妖力が纏われたお祓い棒をスキマから取り出すと、それを手に懐かしげに眺め、かつてこれを手に数多の妖怪を屠った初代の巫女の姿を想起しながら呟く。
だったらもっと気にかけたらどうだ?あのままじゃあいつ、本当に早死にするぞ・・・・・?
(紫はそこまで似ていると思っていながら、気にもとめないようにただただ見守るようにしている辺り、言っていることとやっていることが矛盾しているように感じる・・・・・
このままじゃ霊夢も同じように早死にする運命を辿るという嫌な予感がする・・・・・)
紫
「……ここまで言えば私が何を考えているのか……わかるでしょう?」
紫は微かに微笑みながら霊夢に助け船を出すことを求めている蔵蜜に対して、お祓い棒を手にしたまま自分が何を考えているのかもうわかっただろうと問いかける。
・・・・・やれやれ、付き合いが長いっていうのも考えものだな・・・・・
(言葉を交わさずとも、大体のことがわかるほどに付き合いが長いのも、時と場合には考えものだと蔵蜜は呟く・・・・・
そして「お前はいつの間にか、昔と変わってしまったな・・・・・博麗の巫女は、いつの世代でも大体共通して似通った部分があるというのに・・・・・」と、紫と旧知の仲であるからか呟いて)
紫
「あら、言葉が無くとも通じ合えるだなんて素敵なことだとは思わない?それに、私は変わってなんていないわ、今も昔も幻想郷の存続を何よりも重視している事に変わりは無いのだから……」
紫は相も変わらずに微笑んだまま、今も昔も幻想郷の存続を何よりも重視していると言う根幹部分に変わりは無いと答えると、紫が持っていたお祓い棒をゆっくりと蔵蜜に向けて差し出す。
妖怪が触れても大丈夫なように紫がお祓い棒の持ち手に一時的に妖力を纏わせておくことで妖怪でも手に出きるようにしてある。
紫
「あのまま戦えば今の巫女はこれまでの巫女と同じように喰われてしまうでしょうね……だからこそ、貴方には彼女"達"を助けに行って欲しいの。」
紫が蔵蜜に頼みたいこと……それは霊夢達の補助であり、犲狼討伐のための手助けだ。
紫の言葉の中には、霊夢の他にも共に戦うであろう者(魔理沙)の姿も含まれており、更に霊夢達の力だけでは犲狼を倒す事が困難である事もわかっている。
ならば……蔵蜜が霊夢達に助力し、博麗の巫女の宝具の一つであるこのお祓い棒(大幤)を渡すことで、新たなる攻撃手段……それも紫が見て犲狼に対して最も効果を発揮するであろうと先々まで見据えている。
・・・・・どうやら、私も間違ってたみたいだな・・・・・お前は確かに変わっていないよ、何一つとしてな・・・・・
(そう言うと、蔵蜜はお祓い棒を受け取り、そして「にしても、私にわざわざ行かせるぐらいなら、最初からあの巫女に渡しておけばいいものを・・・・・お前はそういうところも変わらないんだな・・・・・」と、このお祓い棒を最初から渡しておけば、豺狼との戦いは霊夢達がもう少し有利になっていたのではないかとも思えてくる・・・・・)
紫
「ええ、宜しく頼むわ。貴方の力が必ず必要になるでしょうから……」
紫は指先を右手の横を横へゆっくりと振ると、まるで空間を引き裂いているかのように空中にスキマが開かれ、蔵蜜も犲狼の元へ行けるようにする。
本当ならば自分が助けに向かいたいのだが、犲狼は先述の通り、良くも悪くも幻想郷維持のためのシステムの一つのようになっているため、不用意に自分が手を出せば逆に幻想郷の寿命を削ることになってしまうのだとわかっている。
紫
「それは御札や針と違ってテストをしていないものだったから、使える確証が無かったのよ。現にこれまでの巫女の中でもこれを使える者は三人しか居なかったのだから……」
この大幤はあくまでも保険のようなもの、万が一にも霊夢が使えなかった場合の切り札のようなものだ。例え自分の読みが外れ、大幤の力を満足に使えなかった時でも蔵蜜の保護の下でなら練習も行えるだろうと考え、蔵蜜に託している。
・・・・・そうか・・・・・わかった・・・・・
(紫の・・・・・いや、お互いをよく知った旧知の親友の言葉を聞けば、わかったと呟き、スキマが開かれ外へ繋がっている出口まで歩を進め、紫に背を向ける・・・・・
そして「・・・・・なぁ、紫・・・・・」と、今正に戦地へ赴くという時に、今度はこちらから口を開いて、背を向けたまま何かを言おうとする・・・・・)
紫
「あら、どうしたのかしら?」
これで犲狼を打ち倒す事が出来る筈だ、そう考えながら蔵蜜を見送る中、犲狼と霊夢達のいる場所へ繋がる開かれたスキマの中に入って行く直前で足を止め、こちらに何かを話そうとしている蔵蜜の言葉を聞いてどうしたのかと聞いてみる。
・・・・・その・・・・・あぁ、何だか長い付き合いであるお前にこれを言うのが、ちょっと恥ずかしいし気が引けるな・・・・・
(そう言うと「・・・・・もし、私が死んだら・・・・・骨を拾ってもらいたい・・・・・いや、もしかしたら骨なんて一欠片も、粉塵すら残らないかもしれない・・・・・でもお願いだ、もし私が死んだ時は・・・・・私のことを、忘れないでもらいたいんだ・・・・・私は、誰かに忘れ去られて、本当に死んでしまうのが怖いんだよ・・・・・紫・・・・・」と、背を向けたまま、少しだけ顔を紫の方に振り返るようにして、縁起でもないことを言い・・・・・)
紫
「………?
ええ、わかったわ……
先代の霊夢に似た事を言うのね……?」
犲狼の実力についてはまだ未知数ではあるものの、その元々のスペックから彼ほどの実力者であればさほど危険を伴わずに勝てるだろうと考えていることもあり、その言葉の真意について知らずに不思議そうに首を傾げながらも忘れないで欲しいと言うその言葉を受け入れる……
私もまた、どこか似通った部分があるのかもしれないな・・・・・
(上記を述べると、そのまま蔵蜜はスキマから外へ出る・・・・・
紫は言葉の真意を理解していないようだったが、寧ろ蔵蜜自身からすれば察してもらわない方が救いがあるのかもしれない・・・・・
スキマから出る際の蔵蜜の背中は、先代巫女と非常によく似ていた・・・・・)
犲狼
「ハハハハッ!弱い奴は犬コロのように惨めに絶える。お前もその弱者だったようだなァ!!」
紫は蔵蜜を無言で見送る中、開かれたスキマの先では犲狼が霊夢の頭を握り潰そうとする手に力を加え続け、意識さえも朦朧としている霊夢にトドメを刺そうとしている……
弱っちい犬っコロはお前だろう?
(霊夢が今正にトドメを刺されようとしている中、突如として豺狼の聞き覚えのない声が聞こえてくる・・・・・
しかも短い言葉の中には豺狼をとことん見下している感情が詰まっており、挑発や煽りというよりかは、思ったことをそのまま豺狼に吐き出した感じであり・・・・・)
犲狼
「(新手……か、この魔女のせいで動きが鈍くなっているが、先にこの巫女を握り潰してから対応するか)」
犲狼
「グハハハハッ!群れるところが尚更犬コロらしいなァ!!」
犲狼は声が聞こえた次の瞬間、即座に周囲を警戒しながら、その狡猾な頭脳によってまだ姿も見えず、声からしてもまだ距離がある新手に備えるよりも前に、迅速に霊夢を握り潰してから対応しようと考え、そのまま霊夢の頭を掴む手の力を更に込め、一気に頭蓋骨を握り潰そうとする。
博麗の巫女を優先するか・・・・・そうかそうかそうだよなぁ!!!!!雑魚下等妖怪の犬っコロからすれば、こんなに弱っていても博麗の巫女は怖いもんなぁ!!!!!
(このままでは渡すに渡せない・・・・・それに、攻撃を仕掛けるなら不意打ちの方が効くだろう・・・・・そう思った蔵蜜は、霊夢から自身へと対象を移させるべく、罵詈雑言を浴びせ始める・・・・・
どんなに力があろうと、借り物の力・・・・・所詮下等妖怪は下等妖怪、博麗の巫女がこんなに弱っていても優先して排除しようとするのは、結局は怖いからそうするのだろうと言い)
犲狼
「テメェ……!!
……って、その手には乗らねぇぜ?俺を挑発させてこの巫女から注意を逸らさせようって魂胆だろう?いきなり煽り始めた事からわかるぞ。」
犲狼は生まれつき力の強い妖怪だった訳じゃない。
元々は人間の買う犬の一匹に過ぎなかった。だが、そんな彼が人間に捨てられ、他の兄弟や母のように惨めに命尽きること無く、地獄のような環境を生き残る事が出来たのは、小動物のような警戒心の高さがあったからこそだ。
犲狼は始めて聞く声の主が罵倒し、挑発し始めた事を冷静に考察し、現状と照らし合わせた結果、霊夢から注意を逸らして救出しようとしているのだと見抜く……
これで彼が姿を見せて不意打ちをしていれば、そのまま隙を突くようにして霊夢を助けられたのだが、そのチャンスも無くなってしまう……
魔理沙
「こうなったら一か八かだ……!
誰だか知らないが、後は頼んだぞ!!!」
《ドゴオォォォォォォォォォォォッ》
霊夢の頭蓋骨に亀裂が生じる寸前、これまで犲狼の動きを拘束魔法で鈍らせていた魔理沙が蔵蜜に希望を託すと、手元に箒を引き寄せ、残った大技一回分の力を全てを込めて犲狼の腹部に向けて叩き付ける。
すると、犲狼の体が大きく弾き飛ばされ、霊夢もまた解放される。
だが、その代償として魔理沙は全ての魔力を使いきり、戦線離脱を余儀なくされてしまう。
・・・っ・・・・・!感謝するぞ・・・・・!!!!!
(戦線離脱を余儀なくされた魔理沙に聞こえているかどうかはともかく、感謝の言葉を述べると蔵蜜は開放された霊夢が地面へ落ちて叩きつけられる前に瞬時に飛んでいってキャッチする・・・・・
「博麗の巫女!!聞こえるか!?助けに来たぞ・・・・・!!!」と、必死に声をかける・・・・・)
・・・・・ぅ・・・・・うぐ・・・・・ぁ・・・・・
(最悪の事態は免れたものの、霊夢はやっと声を出せる程度にまで弱っていた・・・・・
あの巨体、あの力で頭部を握り潰されそうになっていたのだから、何ら不思議ではない・・・・・
豺狼の凶悪さを改めて認識する・・・・・)
犲狼
「どこまでも……どこまでも足掻くか、人間!!!」
魔理沙の全魔力が宿り、金色の彗星のように放たれた箒が激突した事で犲狼を守るフォースシールドの一部、魔理沙から奪った魔力が大きく消耗されており、その防壁の硬度が著しく低下しながら、弾き飛ばされた犲狼が立ち上がり、憎悪と怒りを込めた眼光で霊夢達を睨み付ける……
くそっ・・・!もう起き上がってきやがった・・・・・!
(豺狼が立ち上がると、蔵蜜は焦りを見せ始める・・・・・
魔理沙は霊夢救出のために力を使い戦線離脱、霊夢は豺狼に掴まれていたことで既に瀕死の状態・・・・・
この状況で有利なのは豺狼のみと言ってもおかしくはない状況になっている・・・・・)
犲狼
「邪魔するってんなら誰だろうと容赦しねぇ……テメェら全員犬死にだァ!!」
犲狼もまた、魔力の大半を失ってしまったものの、まだ犲狼自身の妖力と博麗の巫女候補達から奪った霊力が残っている事に加えて、戦力的にも自分の優位性がまだある事を知っているため、蔵蜜の登場に対してもさほど動揺はしておらず、獣の瞬発力を活かして蔵蜜目掛けて飛び掛かり、その実力や能力を測ろうとする。
犬だけにか!?随分洒落たことを言うじゃないか!!!!!
ドォッ・・・・・!!!!!
(自分へ飛びかかってきた豺狼の腕へめがけてまずは全力の打撃を入れる・・・・・
何としてでもここで少しは豺狼へダメージを与えなければならない・・・・・
だが、自分の力で少しでも食い止めができるかどうか、という不安も混在していた・・・・・)
犲狼
「グワハハハハッ!そんな細い腕でこの俺様の一撃が止められるかよ!!」
犲狼はその明らかに人間のサイズを超えた巨体を活かした圧倒的な体重と筋力を乗せた右腕の一撃が蔵蜜の繰り出した拳と激突する。
犲狼を守る三つの力の内の一つである魔力が大きく削れているため、犲狼の腕を通じて少なからず犲狼にもダメージが及んではいるものの、選局を左右する程のものでは無いようで、続けて犲狼は左腕を横に凪払うようにして振るい、追撃を仕掛けようとする。
幸いにも犲狼は魔力が大きく削られ、その防御力が落ちている事にはまだ気付いていないのか、補充する様子も見られない。
弱い犬程よく吠えるじゃあないか!!!!!試してみるかゴルァアアアアッ!!!!!
(豺狼の追撃を先読みし、そのまま避けると頭上へ高く飛び自分の妖力を光弾へと変化させて豺狼の脳天めがけて放つ・・・・・
この戦いで・・・・・博麗の巫女が戦う前で、少しでも豺狼の力を大幅に削ることが出来れば・・・・・
その気持ちでいっぱいだった・・・・・)
犲狼
「グワハハハッ!!その様子、まさに負け犬の遠吠えって奴だな!!」
頭上へ飛び上がり、放たれた反撃の光弾が犲狼の頭部に直撃すると、更に犲狼を守る妖力と霊力の防壁が削れ、僅かにだがダメージが通る。
だが、犲狼もまたただで防御を削られるのではなく、反撃として犲狼もまた飛び上がり、右腕を振り下ろす事で地上へ叩き落とそうと迫る。
くっ・・・・・!?
ブォッ・・・・・!!!!!
(本当にギリギリ、間一髪のところでなんとか避ける・・・・・
腕を振り下ろされた際の風力で飛ばされそうになるものの、なんとか持ちこたえてみせるが・・・・・)
ごぶっ・・・・・!?
ビチャッ・・・・・
(突然、蔵蜜は口を手で押さえて咳き込む・・・・・
すると、蔵蜜の口から真っ赤な鮮血が出てきては地面へと落ち、血痕を作る・・・・・
しかし、豺狼の攻撃は当たっておらず、風力でこうなったとも考えづらい・・・・・)
《ギュオッ》
血を吐く蔵蜜に対し、犲狼が空振りしたものの、腕を振り下ろした勢いを活かして空中で前転するようにして鞭のように長大な尻尾を振り下ろして地上へ叩き落とすための追撃を仕掛けようとする。