*プロローグ*
出逢えたら良かった。
でも。
「私たちは出逢ったらいけなかった。すぐに、もとの世に戻れ」
私たちは逢ったらダメだった。
彼は、そう言った。
12,やるべきこと
嘘・・・・。
お母さんが、消えた。
謎の少年と共に・・・。
と、沖田さんがハッとしたように、
「夏音さん。やるべきことは?」
やるべきこと・・・?
土方さんも意地悪く、
「歴史を変えるのか?変えないのか?」
あっ!
そうだった!
しっかり者モードに切り替えないと。
「もちろん、変えない!」
変えたら、絶対後悔する。
わぁ……凄い発想だね、でもどうなるの?
更新したよ
>>302 ありがとう!思春期シンデレラ、楽しみ(恋歌ちゃん可愛すぎっ!←)
いつの間にやら、300だねえ(笑)
コメントありがとう!
13,妬ける ※土方 side
「もちろん、変えない!」
妙に勇ましくアイツは言った。
そして、総司に笑顔を向ける。
なぜか俺に向けない笑顔で、苛つく。
「私も、手伝いますから」
この野郎。
童顔のくせして、女を落とすのが得意なモンだ。
ああ・・・あ。
まぁた、“総司だけの”笑顔を向けやがって。
「仕方ねぇな。手伝ってやる」
今度も、アイツは微笑む。
でも、総司だけの笑顔じゃなく、平等な笑顔。
「あ〜あ。腹立つ」
無駄に妬ける。
土方最高😃⤴⤴
もっとみたい
>>305 ありがとう!ツンデレは最高〜(≧∇≦)b
307:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/02(月) 19:43 14,KY(空気読めない)発言
土方さんも、
「仕方ねぇな。手伝ってやる」
って言ってくれて、嬉しい。
土方さんが素直になってくれるなんて・・・!なんか感動。
場所が場所だけに、泣けないけど、涙いるモノの感動!
「俺も手伝うぜ〜」
「いつでも頼ってな!」
永倉さんと近藤さんもありがとう!
頼もしい兄ができたみたい!
藤堂さんもニッコリしてるし、みんなを頼れる!
と、会話に加われなかった家康さんが、ヤケになって、
「わしは、江戸幕府の将軍じゃ!新政府軍なんか叩き潰してやるわ!」
KY・・・。
空気読めない発言は、止めといた方が・・・。
呆れかえる私たちと、魂が抜けたような顔の桂さん。
「茜・・・」
茜って言うのは、お母さんの名前。
そんなにがっかりしなくても。
私も、少なからず驚いてるけどね。
家康以外、皆だけが手伝うって言ってくれるのが良いね
309:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/02(月) 21:15>>308 ありがとう!家康さんは非協力的だからね(笑)
310:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/02(月) 21:29 15,胸キュン&ドキドキ
しらけた雰囲気のまま、ただ歩いていく。
カーンッ
金属の打ち合う音。
えっ・・・?
よくよく見たら、馬に乗って、刀を構えてる人たちばかり。
刀をよく見たこと無いけど、そうとう怖い。
「新政府軍を討つぞ!」
家康さんの一言で、旧幕府軍が勢いづいた。
それと同時に。
新政府軍がやってきて、旧幕府軍へと向かう。
私は、踏み込みすぎたみたい。
「小娘っ!」
一人が、私に襲いかかる。
ヤバい・・・。
私、死ぬのっ!?
動けない。
と、沖田さんがガバッと・・・。
「夏音さん!」
「沖田さん・・・っ!?」
私を抱きしめて、避ける。
沖田さんと接近した・・・。
めっちゃドキドキ!
しかも、男の人とあんなにまで接近したことなんて、ないからさらにドキドキ。
「夏音さん、大丈夫ですか?」
わわゎっ!
顔が・・・近い!
「はいいぃ!大丈夫ですっ!」
「なら、良かったです」
沖田さん、優しい。
胸がキュンとなった。
これ羨ましい
私でも沖田さんに守ってもらいたい夏音に嫉妬する
>>311 ありがとう!確かに、羨ましいよね(*´ω`*)
夏音はかなり、良いよね〜(笑)
16,あだ名が決定
土方さんが、苛ついた顔でこっちを睨む。
怖いし、ムカつく。
「なんで睨んでるんですか!」
「いや、苛ついただけだ」
そんなに飄々と言うなよ・・・。
脱力・・。
「土方さんって、やっぱり意地悪いっ!」
土方さんは心外だと言う顔をして、
「小童が言うな」
むうぅ!
私は、意地悪じゃないし!
ホーント、土方さんは性悪。
あっ!
土方さんのあだ名、決まった!
「土方さんは、性悪野郎でいい?あだ名」
土方さんの顔が、赤鬼のようにつり上がって怖くなった。
怖いなぁ・・・。
「よくないっ!」
うわぁ・・・。
ぶちギレてる・・・。
でも、なんか笑える。
こんなにムキになる、土方さんなんてそうそう見れないもの。
あだ名が、そのまんまって面白いね🎵
もっとムキになった所、見てみたい
>>314 ありがとう!ムキになった土方さんも萌えるかも(笑)
316:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/03(火) 19:40 17,変わってしまった歴史
私たちが何やらかんやらしてる間に、家康さんは“何か”していた。
怪しい・・・。
私の視線に気づいたのか、家康さんがビクゥッとする。
「わしは、何もしてないぞ!?旧幕府軍を勝たせるなんて思ってなんか・・・」
ハイハイ。
思ってるんだね。
私は、至極真面目な顔をして、
「家康さん。歴史は、変えたらダメなの。だから、家康さんの時代に戻ろう」
家康さんはやっと真面目になったらしく、うなずいた。
これにて、終わりかな?
「タイムスリップマシーンに乗り込んで!」
新撰組と家康さん、気の抜けたような桂さんに声をかけ、タイムスリップマシーンに乗り込む。
これで歴史は変わらないハズ!
・・・と、思ってたんだけど・・・。
歴史は変わり始めていた。
どうなんの!?
318: アーヤ◆TQ:2017/10/03(火) 22:05あと、明日小説を更新するので楽しみにして下さい!
319:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/04(水) 14:18 >>317 ありがとう!さて、どうなる・・?
>>318 今日、楽しみ!
家康さんをもとの時代に帰し、私たちは現代へ。
ふう。
やっと、家に帰れた!
つけたままのテレビでは、KIRURIとやらがおどってる。
それに萌えてるのは、鈴ちゃん。
久しぶりのご登場。
鈴ちゃんはこっちを見ずに、
「お帰り。遅かったね」
無愛想だなぁ・・・。
と、いきなりLIVEだったのがニュースに切り替わった。
「なに、これ!」
鈴ちゃんが憤る。
よほどの、速報かな。
まさかテロとか!?
『速報です。江戸幕府○○代将軍、徳川・・』
はあっ!?
今、江戸幕府って聞こえたよ!
しかも、将軍!?
でもニュースキャスターは普通のように、
『将軍が倒れた事で、政治はどうなるのでしょうか?』
と、続けた。
私は、引きつった顔を、新撰組の方に向ける。
沖田さんは不思議な顔で、土方さんは普通の顔、近藤さんと永倉さん、藤堂さんにいたっては、聞いてない。
「まだ、幕府はあるんですねえ?」
そんなわけ、ない!
だって結局、幕府は倒れるのに・・・。
私は、急いで社会の教科書を出した。
幕末、幕末・・・。
年表を探しても、“明治時代”が書かれてない!よって、“大正”“昭和”“平成“がない!
「ウソでしょう・・・」
ずっと、江戸時代なんて!
しかも、
『十五代将軍、徳川慶喜のとき、反乱が起きた。しかし、幕府軍が圧倒。反乱の中心人物は、処刑された』
反乱の中心人物・・・。
反乱はきっと、戊辰戦争だよね。
中心人物は、大久保利道、西郷隆盛とかだよね!
「歴史が変わった・・・」
絶対に変えたらいけないのに!
18,やり直し
うーむ。
どうしよう?
ちなみに、ニュースはもう終わってて、KIRURIのLIVEに戻っていた。
「やり直し、しないとダメかなぁ?」
だって、そうしないと。
あの不思議な少年の言ったとおりになっちゃうし・・・。
お母さんも、歴史を変えたらダメって言ってたし・・・。
沖田さんが、ヒョイッと教科書をのぞき込む。
「歴史はどうなってるんですか?」
沖田さんの顔が近い!
ドキドキする心臓を抑えながら、
「た、正しい歴史は・・・」
と、教える。
教えて良いのかな・・・?
でも今は、歴史をもとに戻さないといけない。
19,華々しく生きる者たち
・・・新撰組は結局、みんな死んでいってしまう。
それはあらがえない、”時代“。
「頼ってな!」
って言ってくれた、近藤さんは斬首。
意地悪だけど、ときどき優しい土方さんは、戊辰戦争で死んじゃう。
好きな沖田さんに関しては・・・。
病気で死んでしまう。
なんか、切ない。
何で、こんな事考えちゃうんだろ・・・。
「夏音さん、これからどうするんですか」
沖田さん・・・。
優しく微笑んでる、沖田さん。
悲しんでる場合じゃないっ!
「もちろん、やり直しますよ!」
もう一度、家康さんの時代に行って、家康さんを止める。
これで歴史は変わらない。
家康さんを連れてった時点で、歴史は変わってたハズだもの。
「分かりました」
笑って、新撰組のみんなに伝える沖田さんの背中を見て、新撰組は歴史に飲まれた、華々しく生きる者たちがいたんだなと思った。
良いけど……新撰組達を思ったら最後どうなるって思うよ
324:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/04(水) 20:16>>323 ありがとう!最後は・・・切ないよ(泣)思春期シンデレラ、恋歌ちゃんと初音ちゃんの絆、深いね(≧∀≦)良いなぁ。
325:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/04(水) 21:26 20,タイムスリップ
タイムスリップマシーンに乗り込んで、江戸時代へ!
あっという間に、江戸時代。
「あっ、さっきの綺麗な遊女!」
永倉さん・・・。
さっきの女の子に、声かけてる。
感心しないけど、そのままだから、良かった。
そしてその後は、家康さんの前に連れて行かれ。
「素性は?」
はいはい。
「っと、田舎から来まして・・・」
と、あの兵が余計な口出しをする。
「大御所さま!此奴ら、突然現れたんです」
むうぅ!
なに、こいつ!
余計な事、言うなぁぁ!
内心、怒りながら答える。
「いえいえ、見てないだけで・・・」
「怪しい」
家康さん、断定すんなぁ!
あああ。
なんで、上手く事は運ばないの?
沖田さんが言い添えて、
「信じてくれないのですか?」
「ぬうぅ」
家康さん、唸る。
よしよし、風向きが変わってきたぞ!
「・・・見間違ったようだ。帰って良い」
よっしゃ〜!
これで歴史は変わらない。
上手く事が運んで、嬉しい。
21,次なるタイムスリップ先
あっけなく解放され、江戸の町へ。
お酢のお店や、筆のお店、いろんなお店があってにぎやか!
「沖田さん、江戸って、にぎやかですね!」
「夏音さん、初めてでしたよね?」
「はい!」
あぁあ!
お団子のお店もある!
美味しそう〜。
グウウゥ
嫌だ、お腹減った音!
うわぁん!
沖田さん、こっちを見ないで。
土方さんは、ゲラゲラ笑い。
「総司!団子買っていこうぜ!」
永倉さんにさんせーい!
腹が減っては、タイムスリップできぬ!
かく言う事で、お団子を買って、タイムスリップマシーンに。
うわぁ、すんごい美味しい。
と、沖田さんが、
「夏音さん、新撰組の屯所に来ませんか?」
ええっ!?
沖田さんが、ニコニコと、
「夏音さんに見せたいものがあるんです」
見せたいもの!?
そして、次なるタイムスリップ先は、幕末へ!
(Cへ続く)
あとがき
ハイッ!
グダグダな感じでしたね、B。
なに書こうか、途中で迷ったり、しました。
思い入れは、一番深いかもしれません(笑)。
歴史を変えたらどうなるのか、今回で上手く書けて良かったです!!
Cでは、幕末。
私、幕末が一番好きなんです。
さて夏音と新撰組、幕末でどうなるんでしょうか!?
書きたい事が色々・・・(笑)。
色々と詰め込んでいきたいです。
コメントをくださった方、ありがとうございます!
いつも力になってます!
これからも、読んでくださると嬉しいです。
『時を駆けて、初恋*します。』C 登場人物
城里 夏音
主人公。
しっかり者で、沖田さんに絶賛片想い。
沖田 総司
新撰組の隊士。
優しい。
夏音に対して・・・?
土方 歳三
新撰組の”鬼の副長”。
夏音に意地悪だが、夏音を想ってる。
あだ名は、性悪野郎。
近藤 勇
新撰組の局長。
おおらかで、夏音の兄的な存在。
永倉 新八
新撰組の隊士。
大食いで、女たらし。
藤堂 平助
新撰組の隊士。
賢く、モテる。
色々あったストーリーだったけど、面白いから次の幕末編も気になるね🎵
330:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/05(木) 21:30 1,三度目の幕末
風圧を感じて、幕末です!
家康さんの頃の町風景と、多少違ってる。
「お団子だ!」
イエーイ。
お団子、食べたいな〜。
ジュルジュルと唾を飲み込んで、先立って歩いてる沖田さんを追いかける。
「お団子のお店は、あっちかぁー!」
お団子のお店を覚えて、屯所へ向かう。
沖田さんが振り向いて、
「京は、夜に人斬りがいるので夜は、気をつけてください」
ハイッ!
>>329 ありがとう!次も楽しみにしてて(´V`)♪
332:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/06(金) 17:42 沖田さんが言うほどだから、よほど危ないんだな。
軽く考えながら、屯所へ。
新撰組の屯所になってるのは、八木邸。
そこの子どもたちが、沖田さんにまとわりつく。
「総司兄ちゃん!遊んでよ」
と、私の方に視線を向けて、
「誰?」
可愛い!
私は、
「お世話になる、夏音です」
子どもたちは、ニッコリ笑う。
「夏音姉ちゃんも、遊んでよ!」
もちろん。
2,男装!?
中は、広々としていて流石、屯所。
ヘンなところで感心しながら、奥へ。
と、沖田さんがこっちを見て、
「局長。夏音さんを、男装させましょう」
男装!?
なんで!?
「男所帯に女一人ですよ?どうなるか、分かりますよね?」
・・・恋愛に現を抜かすから?
ってか私、男っぽくなれるかは分かんないよ?
「着物に着替えましょう。いくら何でも、変ですし」
そういや、洋服のまま。
八木邸の人たちが、私たち分の着物を用意してくれた。
「男装、似合ってますかね?」
一応、着物と袴を着るけど。
暑いよ・・・。
髪も、いつものようにポニーテール。
この時代、ポニーテールがちょんまげ風な感じだからかな?
男っぽくはないよね・・・。
「だいぶ、女々しい容姿の男じゃねぇか」
土方さん・・・。
私、女々しいもなにも女ですよ?
「はっ、小童は女のうちに入らないだろ」
ムッカァ!
酷いよ、性悪野郎め!
「いえ、別に変じゃありませんし」
沖田さんが言うなら、いっか。
と・・・。
「おーい、総司・・・って、そんな隊士いたか?」
めっちゃ眉も濃くて、いかにも武士って感じの、男の人が入ってきた。
私のこと・・・だよね?
その人は、じろじろ私を見て、
「女々しいな。名前は?」
やっぱり、女々しいんだ。
名前か・・・。
名字で良いのかな?
「城里・・・です・・・だ」
“です”は、明らかに変だよね。
慌てて口調を変えたけど、男の人は怪しそうに見てる。
女だって、バレた?
途端に、男の人はニッコリ笑った。
「城里か!よろしくな、俺は斎藤」
斎藤さんは、めっちゃ気のいい笑顔。
この人、騙されやすいんじゃ・・・?
男性に変装ってどんな感じなの!!
でも,夏音に沖田さんの距離感が縮まって良い感じ!
>>335 ありがとう!夏音と沖田さんの距離はさらに・・・( ̄ー ̄)ニヤッ
337:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/06(金) 20:37 3,沖田さんの見せたいもの
斎藤さんはニッコリ笑いながら、私の肩をバシバシと叩く。
「城里、これから頑張ろうぜ」
痛いよぉ。
でも、嬉しいよ。
沖田さんが、
「城里さん、来てください」
夏音さん、とは言わなかった。
斎藤さんにバレたらヤバいもんね。
「はい!」
沖田さんに返事して、斎藤さんに一礼。
私が、年下だもの。
斎藤さんや土方さん、近藤さんたちと別れて沖田さんについて行く。
「沖田さん、どこへ?」
沖田さんは私の質問に答えず、ずんずん歩いていく。
案外、早歩きだから追いつくのに必死。
まだ春なのか、あったかい。
桜も咲いてるかな?
沖田さんが見せたいもの・・・って?
「夏音さん、見てください」
沖田さんに言われて、顔を上げる。
そこには・・・。
「綺麗〜!」
めっちゃ桜が咲き誇ってて、綺麗。
ちょうど風が吹いて、桜吹雪に。
沖田さんの横顔と、桜吹雪がすごい似合ってて、ドキドキ。
「この桜、夏音さんと見たかったんです」
その笑顔、反則!
キュン死確定!
「ありがとうございます!沖田さん」
そんなに、気にかけてくれて。
軽いデート気分だよ。
春爛漫の中、私は沖田さんがさらに好きになっていた。
デート来た来た😍
続きが気になるけど沖田さんの夏音にそっくりな面影の人は出てくるか気になる新撰組のアジトに居るから出てきて欲しい?
>>339 ありがとう!菊乃さん、出てくるよ〜(*´ω`*)
341:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/07(土) 09:36 4,沖田さんの恋人、菊乃さん
「総司!此処にいたの」
むむっ?
めっちゃ可愛らしい声。
振り向くと、黒髪が綺麗な女の人がいた。
そしてその人は、遠慮なく、沖田さんに抱きつく。
私的に、ムッとするんだけど!
女の人は、私を見て、首を傾げる。
「総司、この子は?」
「新撰組の隊士ですよ」
女の人は微笑んで、
「私は、菊乃。総司の恋人」
じっ、自分で恋人って言った!
衝撃。
菊乃さんは沖田さんを見上げて、
「総司。私、総司に伝えたい事があるの」
出たけど、続き気になる
343:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/07(土) 12:33>>342 ありがとう!菊乃さん、どうするかね?(笑)
344:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/07(土) 12:43 菊乃さんは、少し溜めてから、
「・・・私ね、庄屋の息子と縁談が決まったの」
「・・・・・えっ?」
驚いてるのは、沖田さん。
だってね、恋人が別の人と縁談が進んでるなんて、驚くよね、普通。
菊乃さんは、大きな瞳に涙をためて、
「それと・・・、もう総司には会うなって、言われたの・・・・」
沖田さんは目を見開く。
菊乃さんは、目を伏せた。
私は、複雑だった。
沖田さんと菊乃さんが、会えないのはちょっと嬉しいけど、微妙。
「浪士とは会っちゃいけないって・・・父が・・。せっかく、結婚するからって・・・意味が分からないわ」
お父さんが、決めたんだ。
このご時世、自分の結婚はなかなか決めれないんだ・・・。
沖田さんが、口を開く。
「じゃあ、菊乃・・・」
その後の言葉は、聞こえなかった。
言えなかったのかも、しれない。
菊乃さんは、私を見て、
「隊士さん。総司を、支えてね。新撰組で」
微笑む。
弱々しく、それでいて美しい微笑み。
「じゃあ、ね。総司・・・」
慈しむように、愛しそうに視線を絡ませて、菊乃さんは立ち去って行った・・・。
5,涙
私は、呆然。
菊乃さんの話もそうだし、沖田さんの表情にドキリとした。
だって・・・。
今までに見たことないくらい、切ない顔だったから。
「あの・・・沖田さん・・・?」
私が声をかけても、微動だにしない。
ソッとしてあげよう。
私は、沖田さんの隣に行って、桜を見上げる。
白い感じの桃色の桜が、ひらひらと儚く落ちてくる。
しばらく、とどまっていると。
「・・・あぁ、夏音さん。屯所に戻りましょう」
気づいたように、沖田さんが切り出す。
私は黙って、うなずいた。
屯所に歩いていく時間も、私は沖田さんと会話できなかった。
隣にいる分、見えてしまうから。
沖田さんの頬を伝う、涙が・・・。
6,永倉さんの女理論
屯所に戻れば、ざわざわしていた。
どこか、永倉さんと近藤さんたちがニヤニヤしている。
怪しい・・・。
土方さんは、スゴい嫌そうな顔。
永倉さんが、沖田さんに気づいて、こっちに来る。
「どうした、総司。菊乃に、失恋したのかよ」
軽口のつもりなんだろうけど、どんぴしゃだ。
沖田さんは困ったように、笑った。
永倉さんは、バンバンと沖田さんの肩を叩く。
「菊乃に失恋したのがなんだ。京女はたくさんいるんだぜ。選り取り見取りだ」
流石女たらし。
妙な説得力がある。
「それよりさ、今夜は島原の遊郭に行くぞ!」
遊郭・・・。
遊女とかがいるのかな?
永倉さんが、私を見て、
「夏音ちゃん・・・いや、城里は来なくても良いぞ」
ホッ。
遊郭なんか行きたくないもんね。
「一応、屯所には、隊士を残しておくからな。安心だろ?」
安心だけど・・・・。
沖田さんも遊郭に行くの?
「俺も残るからな、城里!」
あっ、斎藤さん。
斎藤さんの剣の腕は知らないけど、良かった。
でもなぁ・・・。
女だって、バレないかな?
一縷の不安を感じる。
7,二人っきり
「いってらっしゃい!」
私と斎藤さんは、遊郭へ行く組を屯所の玄関で見送る。
完全に“女たらしモード”の永倉さんを筆頭に、みんなは出発。
残ってる隊士って言ったって、小姓とかそう言う人ばかり。
土方さんは、最後まで抵抗していた。
「なんで俺が、遊郭に行かないといけないんだよ!」
永倉さんが、
「一番、女が釣れるからさ。副長がいないとダメなんだよ」
って言ってたっけ。
結局、土方さんは引きずられていたから、爆笑。
ひときわ騒がしい集団を見送り、屯所に戻る。
えーっと、沖田さんから頼まれてたものをしないと。
それは、紋付きの着物や袴。
多少、ほころびてるから縫い直ししないと。
「俺も手伝う」
斎藤さんも手伝ってくれる!
かなりの量があるから、大変なんだよね。
「す、すまない」
あー、男の言葉って、かなりめんどくさい。
こりゃ慣れるのには、だいぶかかる・・・。
しばらく、話すことはなく。
あっ。
チクッと痛みが。
指を針が刺した。
血が出る。
んー、どうしよう。
「痛っ」
言葉にすると、斎藤さんがこちらに身を乗り出す。
「大丈夫か?」
心配かけちゃった。
「ん。大丈夫」
答えても、斎藤さんは私を見たままで。
な、なに。
男の人にこんなに見られるのは、初めてだからどぎまぎ。
「・・・お前、女々しいな。って言うか、女だよな」
どぎまぎどころじゃない!
どうすれば良いのよっ!?
凄いけど沖田さん刹那だったし,土方がモテるとも思っていなかったのもあるけど……
夏音よ斉藤さんにバレてどうする?
>>348 ありがとう!夏音は果たして、どうする・・・?(笑)
350:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/07(土) 18:14 8,バレちゃった・・・
「なっ、なんで、そう思う!?」
声、高くなっちゃった・・・。
めっちゃ怪しまれる・・・。
斎藤さんは、
「えっ、声も低くないし、話し方が変だ」
ガーーン。
バレちゃってたの!
そーいや、声も低くはないと思うし、話し方も変だって言われれば、変だよね。
はあぁ。
バレちゃったし・・・。
「当たり、です。私、女です」
斎藤さんの目が、キラキラと輝く。
何!?
「やっぱり!で、城里の下の名前は?」
男所帯だから、女が気になるのかな?
「城里夏音です」
「夏音か!改めて、よろしくな」
斎藤さんはかなりいかつい感じの顔だけど、笑ったらスゴい柔らかい感じの笑顔。
斎藤さんはいきなり、
「女々しいとは思ってたけどなー。これって、秘密にしないといけないのか?」
顔をグッと近づける。
ちょっとドキドキするんですけど!
「そうです。でも、沖田さんや近藤さん、土方さんと永倉さん、藤堂さんは知ってます」
「ふうん」
斎藤さんのニコニコ顔が、いかつくなった。
武士らしい顔立ちだから、睨み付けられたら嘘言えないよね・・・。
「なんか、気に食わない」
なんかって、何!?
斎藤さんはふっ、と表情を崩した。
「ちょっと散歩に行ってくる」
「ええっ!?もう、暗いですよ!?」
「それが良いんだって」
どれが良いんだろう??
内心、ツッコミながら斎藤さんを見送った。
ふう。
屯所の戸を閉めようとした、そのとき。
9,嫌な予感 ※土方 side
「なぁ副長〜」
酔った永倉に絡まれる。
俺は、溜め息を答えに変えた。
総司は酒に酔うだけで、女には興味はないらしい。
菊乃がいるからか・・・?
「土方はん、お酒注いでよろしいどす?」
「・・・ああ」
無駄にまとわりつく女たちの残り香にうんざりする。
この女たちより、アイツの方が・・・って、俺は何を考えてるんだ。
アイツ、斎藤に女だって知られてそうだな。
フッと嫌な予感がよぎる。
「斎藤は、散歩よく行くよな・・・」
急に頭が、いや、目が覚めた。
酔いが回ってたのかもしれない。
それが取れ、俺は女たちをふりほどく。
「局長、先に屯所に戻って・・・」
「良いぞぉ、歳」
完全に酔ってるな。
呆れながら、屯所へと走り出す。
10,絶体絶命
ゆらぁと、大男と小柄な男の四人組の影が、屯所の玄関に落ちる。
大男が、私を見てニヤリ。
「おまえ、新撰組に関係してるな。悪いが、」
と、ぜんぜん悪く思ってなさそうに、刀を出す。
小柄な男たちも、バラバラと刀を抜く。
「人質になってもらう」
ええっ!?
と言うか、こいつらは何者何だろう?
「あんたたちは?何者なんだ」
できる限り、男っぽく聞くけど。
大男は、ニヤリとした笑みを広げた。
私の背筋が凍った。
「新撰組に恨みを持つ者だ」
それを言うのをきっかけに、小柄な男たちが私を取り巻く。
あぁ・・・。
城里夏音、絶体絶命!
土方速く走って夏音の方まで,行って助けて危ないから守る土方を見てみたい❗
354:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/07(土) 20:06>>353 ありがとう!土方さんのカッコイいところ見れるかも( ̄ー ̄)ニヤッ
355:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/07(土) 20:25 11,ヒーロー
あぁ、私、此処で死ぬのかな?
死ぬって、痛いのかな?
半ばあきらめながら、男たちを振り仰ぐ。
と・・・。
「小童!」
よく聞いてる声がした。
幻聴・・・?
私、ついに幻を見るようになったの?
振り向くと、土方さんがこちらに向かって走ってきていた。
「嘘・・・!?」
キーンッと音がして、土方さんの刀と、大男の刀が交わる。
土方さんは、ニッと笑った。
「嘘じゃねぇよ。目ぇ、開けとけ」
余裕そうに言うけれど、あんまし余裕はない感じだった。
だって、土方さん対大男と小柄な男たち四人組とじゃ、流石の土方さんでも四人相手は難しい。
閃光のごとく鋭い土方さんの刀と、力ある大男の刀。
こんな場合じゃなきゃ、ゆっくり見たいところだけど。
「夏音〜・・・!?」
ナイスタイミング、斎藤さん!
流石の男たちも、斎藤さんの姿を見て怯えたようだった。
「・・・副長、俺も手伝うぜ!」
斎藤さん、喜び勇んで刀を抜いて、振る。
斎藤さんと土方さんは、かなり強いらしく、男たちはゆっくりと後ずさる。
後ずさらないのは、大男だけ。
キーンッ
致命的な音。
土方さんの刀が、大男の刀をはじいた。
「兄貴っ、帰りましょう!」
小柄な男たちが、大男に言う。
大男はやっと、そっちを見てうなずく。
けれど・・・。
その隙を見、斎藤さんの刀が背後を襲った。
血飛沫が飛び、大男がゆっくり倒れる。
私は、ゾッとした。
人がこんな近くで、死ぬのを見たことはないし、それを当たり前のように斬る斎藤さんが怖かったから・・・。
土方と斎藤さんが来てくれて良かったね!
でも斎藤さんもしかして、夏音に惚れた感じがするのは気のせいかな……?
>>356 ありがとう!気のせい・・・じゃないよ( ̄ー ̄)ニヤッ
358:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/07(土) 21:29 12,感謝
土方さんと、斎藤さんが来なかったら・・・。
今頃私は、血だらけで見つかってた・・・。
そう考えると、ゾッとした。
土方さんの着物にも、血飛沫が少し飛んでいる。
斎藤さんにはいたっては、少しどころじゃない。
「土方さん、斎藤さん、ありがとうございます」
感謝しきれない。
大男が死んでるのは嫌だけど、私はできる限りの笑顔を浮かべた。
土方さんは、
「・・・ふん」
って言ってるけど、照れてるのが分かる。
耳が赤いもん。
斎藤さんは、
「惚れた女くらい、守らないとな!」
って、えっ・・・!?
若干、問題発言が。
快活な笑顔で、見てる人をホッとさせる笑顔。土方さんは、斎藤さんを睨んでる。
そんな姿に、私はクスッと笑った。
でも、問題は・・・。
土方さんは、真面目な顔になって、
「こいつは、十中八九、長州の者だ」
長州・・・。
「明日、この人を弔って良いですか?」
私は、大男の息絶えた姿を見る。
哀しい陰を湛え、もうまばたきすらできないこの人は、何を思っていたんだろうか。
「局長に聞かないとダメだが、まあ良いだろう」
良かった。
遺体をこのままにはできないから、屯所に運び入れる。
二人の隊士も手伝ってくれた。
「山南、原田。小童の寝る場所を、どうするか決めてくれ」
山南さんは、スゴい知性派の顔。
現代だったら、理数系の人なんだろうな。
原田さんは、山南さんの正反対。
と言っても、文系な感じじゃない。
んー、暴力賛成!って感じの。
山南さんがニッコリと、
「私たちの部屋を使えば良いんじゃないか?」
賛成!
原田さんが、
「いっそ、女だって知らせて、誰かの部屋に世話になれば?歓迎されるだろうし!」
いやいや、そう言う問題?
ツッコミ満載な感じで、部屋割りどうなるの?
360:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/08(日) 08:37 >>359 ありがとう!ほんと、ツッコミどころ満載(笑)
果たしてどうなるんだろ?(笑)
13,ホンネ
原田さんって・・・。
天然と言うか、生粋のバカと言うか・・・。
素直なんだよね、うん。
・・・って、あれ?
原田さん、『女だって知らせて』って、言ってたよね?
「原田さん。なぜ、私が女だって・・・?」
原田さんは、ニヤリと笑った。
「勘」
原田さん・・・。
勘は勘でも、野生の勘じゃ・・・?
山南さんが取り澄ましたように、(言い忘れてたけど、この人もかなりの美形だ)
「あの副長が、気にかけるほどだからよほどの男かと思ったけど。声も低くはないし、体格も違うから、女だと気づいたんだ」
なるほど、知性派だから分かりやすい説明。
でもなぁ。
今日だけで、斎藤さんと山南さん、原田さんにバレたわけだから、他の人にバレるのは時間の問題。
沖田さん、どんな顔するかな?
怒られたりして・・・。
「部屋は、あれで良いか?」
あっ、はい。
その後、山南さんと原田さんと私とで、部屋の用意。
と。
「帰ったぜ〜」
べろべろに酔った、永倉さんの声がして。
私は、玄関へ走った。
「あーあ、俺も遊郭行きたかった」
原田さん・・・。
ホンネ出し過ぎ。
永倉さん、近藤さんにいたっては、酔ってるせいか、顔真っ赤。
沖田さんは、藤堂さんに支えられている。
微かに、めっちゃ女の人の匂いがする。
沖田さんは、目を開けて、
「何もなかったですか?」
「うっ・・・」
答えに詰まる。
それとなく、沖田さんに近づく。
「すいません、斎藤さんと山南さん、原田さんに知られました」
沖田さんは、片方の手で顔を覆った。
「あぁあ」
「ほんと、すいません!」
私のミスだもん。
今日は、と言うか、なんでバレやすいんだろう!?
【修正】
微かに、めっちゃ女の人の匂いがする。
↓
微かに、女の人の匂いがする。
でした。
14,大目玉
沖田さんの酔いは、私のバレた報告のおかげで、さめたらしい。
今いるのは、屯所の和室。
向き合ってる沖田さんが怖い。
「なんで、知られたんですか?」
比較的、穏やかな声なんだけど、目が笑ってないのがスゴい迫力。
「えーっと、斎藤さんと山南さんには、声と体格で知られて、原田さんは“野生の勘”で知られてしまいました」
ここは、素直に答えよう。
嘘でも言おうもんなら、間違いなく殺される。
「体格は兎も角、声は気をつける事ができたんじゃないんですか?」
鋭い。
「・・・・・はい」
思いつかなかったから!
なんて、言える勇気もなく・・・。
「それは、他言無用と釘を刺しましたか?」
サーッと、血の気が引く。
斎藤さんには言ったけど・・・。
山南さんは言わないと思う。
でも・・・。
あの素直すぎる原田さんが、黙ってるわけない。
「すいませ・・・「夏音さん!」
謝りかけたところで、沖田さんの鋭い声が上がった。
「もうちょっとしっかりしてください!」
「ほんと、すいません・・・」
私は、肩をすくませた。
沖田さんの怒りは収まらなくて、
「罰として、此処にいる間は、朝食を作ってください」
ハーイ!
私、家でもやってるから大丈夫。
沖田さんから大目玉を食らい、山南さんと原田さんの部屋へ。
と・・・。
『・・・ザザザ・・・夏音・・』
肌身はなさず持っていた、タイムトランシーバーから音が。
お母さんの声!
「お母さん!?大丈夫なの!?」
大丈夫なわけないよね。
『ええ・・・今、・・・結斗のところ・・あの少年のところから・・・逃げてるの。でね、タイムスリップしちゃって』
ええっ!?
どうやったら、タイムスリップを!?
お母さんは困ったような声で、
『しかもね・・・源平時代に来ちゃったらしいの!』
「源平時代って?」
お母さんは、弾んだ声になって、
『平安時代の後期よ。源氏と平氏の戦いの時代!』
ほへー。
詳しいなぁ。
15,嫉妬に駆られて ※土方 side
アイツの姿が、和室に消えた。
ふん・・・。
総司と二人きりか。
妬ける。
しばらくして、和室から二人が出る。
変な機械を、アイツが持つ。
隠れ、会話を聞く。
またしばらくして。
「えっ・・・。倉知さんと!?・・・なんで。私は、沖田さんが好きだし。倉知さんだって、嫌でしょ。こんな、めっちゃ年下の子なんて」
ああ。
やっぱり。
アイツは、総司が好き・・・か。
今までにないほど、黒い気持ちが溢れる。
「小童・・・」
思わず、隠れるのをやめてアイツのもとに駆け寄った。
「・・・土方さん!?」
苛つく。
手を握り、引き寄せる。
それでも、黒い感情は止まらない。
「・・・止めっ・・」
止めるつもりはない。
俺だけいれば、良いと思ってくれないのかよ。
柱に押し付け、アイツの顔をこっちに向けた。
リリカさん°ʚ(*´꒳`*)ɞ°.
小説、とても面白いですね!!土方さんの「小童!」って言うところ好きですー土方さんは最期まで自分の生き様を貫いた方だと思いますし、男らしさが溢れてますよね。この小説でもそんな感じがして、すごくいいと思います。この小説がどのようになるのかは分かりませんが、新撰組の皆様と夏音さんが戦うところとか見てみたいです。大変だとは思いますので、スルーでいいですよ(,,・ω・,,)
この話を読んで、新撰組に興味を持って調べているのですが、斉藤さんってとても強かったんですね!今後の活躍、楽しみにしています!こちらも上記と同じくスルーでも構いませんので、こんな我儘を言う馬鹿が読んでいるということだけでも。
少年の正体、すごく気になります!!お母さんの方も源平合戦してる時で、戦いが入ってきますが満喫して欲しいですね。
長くなりましたが、続き楽しみです。この小説は素敵だと思います。私が言えることではありませんが、更新頑張ってください!!
>>367
ありがとうございます!
土方さんは、男の中の男と言うか・・・信念を貫いていて個人的に好きです(笑)
おそらく、次の話でバトルはありますよ(笑)
この話で新撰組について、調べてくれたんですか!
文章力もつたないものですが、これで興味を持ってくださったら、嬉しいです!
斎藤さん、隊士の暗殺的な事を手がけていたそうです。
剣の腕も立つらしいので、これから必ず活躍しますよ!
いえいえ!
読んでくださるだけでも、すごく嬉しいです!バトルシーン・・・上手く書けるかは難しいですが、続きを楽しみにしていただいてありがとうございます!
今のところ、更新はうさぎちゃんペースですが、いつか亀ちゃんペースになったりするかもです(^^;)
では、これからも頑張りたいと思います!
16,斎藤さんの優しさ
こんなに怒ってる、土方さんを見たことがない。
ものすごく、怒ってて・・・。
怒ってる顔だけど、すごく切ない感じに見えて。
「・・・止めっ・・」
どれだけ抗っても、土方さんの腕力の方が強い。
怖い・・・!
私は、土方さんに恐怖を抱いた。
誰か・・・助けて・・!
「おーい、夏音〜・・・!何やってんだよ!副長!」
斎藤さん!
良かった・・・。
でも、土方さんは私を放してくれない。
斎藤さん、助けて!
斎藤さんは、土方さんを軽く睨んだ。
そして、むんずと私の腕をつかんだ。
「副長、どうしたんだよ。落ち着け」
それだけ言って、私を抱きしめてその場を離れる。
その場を離れたのは嬉しいけれど、なぜに私を抱きしめる?
斎藤さんは、快活そうな笑顔を浮かべた。
「良かった、夏音を救えて」
人の良さそうな笑顔。
私、沖田さんと知り合ってなかったら、斎藤さんを好きになってたかも。
「ありがとうございます、斎藤さん」
斎藤さんは、顔を赤くして照れた。
斎藤さんの優しさに、私はかなり救われた。
17,天真爛漫
その後は、めまぐるしく進んだ。
近藤さんがまた酔ったり、原田さんが私が女だとほのめかそうとしてたり。
いろいろ慌ててつつも、私は、土方さんの顔を見ることができなかった。
だってさ、だってさ・・・!
あんなに怖い、土方さん見たことなくて。
普通に怖いでしょ!
「夏音さん、次に風呂入りますか?」
沖田さんが、私に聞く。
「あっ、はい」
お風呂入ったら、この気持ち落ち着くかな。
「なにか、あったんでしょ?」
沖田さん・・・。
勘が鋭い。
でも、言えるわけもなく。
曖昧に笑った。
「夏音〜・・・じゃなくて、城里。風呂、次、入ってこい」
斎藤さんは、天真爛漫な笑顔を浮かべた。
子どもみたいに純真で、明るい斎藤さん。
新撰組を支えているのは、近藤さんや土方さんもだけど、斎藤さんなのかもしれない。
18,この気持ちは・・・ ※沖田 side
見てしまった。
「・・・土方さん!?」
土方さんが、夏音さんの手を握り、引き寄せた。
「・・・止めっ・・」
何でだろう。
嫌な気持ちがくすぶる。
なのに・・・。
助けられない。
このまま、どうなるのか、どこか他人のように見ている自分がいる。
「おーい、夏音〜・・・!何やってんだよ!副長!」
一さんが出たには、驚いた。
そして、一さんが夏音さんを抱きしめた時、またあの気持ちが蘇り、くすぶる。
「・・・何やってんだか、俺は・・・」
一さんと夏音さんがその場を離れ、土方さんが柱にもたれながら、言った。
出るに出られなくなった・・・。
土方さんが、離れたのを確認して、やっと出れた。
「菊乃・・・」
自分でも驚く言葉が、口をついで出る。
でも、さほど胸が高鳴らなかった。
「夏音さん・・・」
気づいてしまった。
この気持ちの正体を。
菊乃の時と同じ、好きという感情だと・・・。
19,片想い
お風呂に浸かりながら、今日の事をぼんやりと思い出す。
土方さんの事、沖田さんが遊郭へ行った事、山南さんと原田さん、斎藤さんに女だとバレた事。
「疲れた・・・」
今日だけで、あんなに疲れたから。
明日、とかは・・・。
「さらに疲れんのかな?」
精神的に疲れるのは、新撰組なのかも。
そう考えると、クスッと笑えてきた。
でもなぁ・・・。
今日やっぱり、考えてたかも。
お母さんに言った事もあるけど、私はやっぱり、沖田さんが好きなんだな。
「ギャー!」
そんな事、考えてたら頬が火照ってきた。
ずっと前に、自覚してたけど・・・。
改めてだと、なんかハズい。
「片想い・・・叶うかな」
無理かもしれない。
だってね・・・。
沖田さんには、菊乃さんって言う、恋人(元だっけ?)がいたんだもの。
いつ、菊乃さんが沖田さんの心を射止めるか、心配。
「私は、大人っぽくないしなぁ」
菊乃さんは、私と違って、どことなく大人っぽくて、美人で。
「お似合い・・・なんだよなぁ」
私が入る隙間さえ、ないんじゃないかと不安になる。
「夏音さん、そろそろあがってください」
沖田さんの声だ!
私は、慌ててあがって、体を拭く。
着物と袴を着て、飛び出す。
沖田さんが驚いた顔で、
「はやいですね。のぼせてるか、心配しましたよ」
のぼせてないよ!
「考え事でも、あったんですか?」
まさか、沖田さんの事考えてたとか、言えるわけない!
「な、なんでも!」
私は、極力、沖田さんの顔を見ないように、近藤さんたちがいる場所へ、向かった。
20,菊乃さんと新撰組の関係
近藤さんたちは、まだ、ワイワイガヤガヤ。
酒も飲んでるし・・・。
限度っていうのがあるでしょ。
信長さんと会ったときもだけど、異様に酒臭い。
鼻にツンときて、この場を離れたい。
「お酒、そろそろやめませんか?」
私が意見すると、永倉さんが、
「まだまだ、飲めるぜ」
答えになってない!
原田さんもフラフラと、
「菊乃、気ぃ配れよ」
菊乃・・・。
菊乃さんの事、だよね。
この際、聞いちゃえ!
「菊乃さんって、新撰組とどういう関係なんですか?」
永倉さんが、酒をグイッとあおる。
酒臭い口で、
「総司の恋人だしさぁ、それとなく新撰組の家事全般やってくれんだ」
ふうん・・・。
あの菊乃さんが・・・。
私は、なんとも言えない気持ちになって、山南さんに声をかける。
「先、部屋に帰って良いですか?」
「良いけど」
私は、一礼して、前に案内してもらった、山南さんの部屋に戻った。
土方が夏音に抱き締めたところは一番驚いて切ない片想いって思った。
抱き締められている夏音を助けた斎藤さんにも驚いてしまったけど土方の片想いが実らないって思うとやっぱり、切ない…
それに土方が夏音のことを抱き締めている姿を見てしまった沖田さんが、ついに夏音のこと好きって自覚してしまったけどここからが切なくなりそうですよね最後が……
でも夏音も片想いって口に出してもう一度好きって確信した戸惑いと動揺が見えて沖田さんが来たら余計に焦った姿が出てきて何とも恋する乙女で可愛いから二人が縮んだことを喜んでます。
でも夏音って罪深き乙女だよね、皆じゃないけど何人か惚れさしてしまって羨ましく思うよ。
土方も良い男前なんだけどね、切ない気持ちで二人はこれからも気まずい状態か気になるよ…
>>376 ありがとう!土方さんは、ただひたすらに切ない片想いなんだよ(T-T)
恋する乙女モードの夏音だよ、今は( ̄ー ̄)ニヤッ
うーん。
たぶん、回復するよ(笑)
21,土方さんのモテまくりぶり
その日は、山南さんの部屋で眠った。
急に眠くなったのもあるし、いろんなことがあったから疲れたのかも。
翌朝
んっ・・・。
ふわあ。
起きないと。
沖田さんからの朝ご飯用意令が出たから。
台所に行けば、八木邸の使用人たちが着々と準備。
「私も手伝います〜」
使用人たちは、驚いたように見てから、にっこり。
そりゃそうだよね。
隊士だけでかなりいるもの。
朝食の支度を終えてから、みんなを起こしに。
「沖田さん〜、土方さん〜、近藤さん〜、起きてくださーい」
名前を呼びながら、部屋の戸を開けていく。
永倉さんとか、原田さん、ヤバいな。
どんだけ飲んだんだろ?
微妙に部屋が酒臭い。
最初に起きたのは、斎藤さんと藤堂さん。
「飯だー!」
斎藤さん、素直だな。
でも、鶴の一声と言うか、その後ぞろぞろとみんなが起き始める。
「沖田さん、おはようございます」
沖田さんがにっこり、微笑む。
あぁあ!
朝から、その笑顔を見れて嬉しい!
土方さんは、近藤さんを支えてる。
あらら、飲みすぎたのかな。
土方のモテまくり気になるけど、二人の関係を普段通りに戻って欲しいのを願ってます
380:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/11(水) 17:40>>379 ありがとう!修復はできるよ(笑)
381:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/11(水) 17:57 「少し、外に出て来ますね」
私は、沖田さんに声をかけて、外へ。
何となくって言うか・・・。
朝の散歩、気持ちいいし。
「昨日の奴らを、覚えてるだろうな」
土方さん!?
私は、火照る頬をおさえた。
土方さんは、気にしてないの!?
昨日の事。
「・・お、覚えてますよ!」
「あの子分が襲ったら、大変だろう。俺がついていく」
うーん。
安心なのか、ぎこちなくなりそうな。
土方さんと、朝の散歩。
澄んでいる空気で、気持ちいい。
京の都を歩けば。
「まぁ♡」
「あーん♡歳三さまぁ」
女の人が、チラチラ見てる。
土方さん、意外とモテるのね・・・。
と、女の人たちが駆け寄ってきて。
「いつもお慕いしておりますぅ♡」
土方さんに、書状を差し出す。
そして、すすすっと退く。
この間、土方さんは無表情。
慣れてる感じ。
女の人たちが退いた後、土方さんが書状をあける。
「『いつもいつも、恋い焦がれて・・』って、恋文じゃない!」
恋文って言うのは、ラブレターの事ね。
モテてる・・・。
やっぱりモテまくりな土方だね。
朝の二人っきりの散歩で仲直りしてくれたら良いね🎵
>>382 ありがとう!仲直り、絶対しないとね(笑)
384:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/11(水) 19:42 22,仲直り
私が驚愕してるのが、よほど面白かったのか、土方さんが吹き出した。
私は、唖然と、笑い転げている土方さんをガン見。
「いや、その・・・。面白くてな」
面白いって!
私は、ちょっと、土方さんを睨んで、
「・・・むうっ。ひどい!」
土方さん、さらに吹き出す。
そんなに、笑える?
でもね、なんか。
ぎこちない空気だったのが、和らいだ。
土方さんは、ふと真面目になって、
「昨日は、すまない」
「ん・・・。良いですよ!許します!」
謝られたら、許すしかないじゃん。
良かった。
あのままだったら、土方さんと微妙な感じでぎこちなくなってたけど、今回で仲直りできて嬉しい!
幸せモードで、屯所に戻る。
沖田さんが、玄関に出て、土方さんの手にある恋文を見て、目を丸くする。
「またですか。土方さん、色男ですもんね」
あきれたような、感心したような感じ。
うんうん。
土方さんは、良くも悪くも、モテるもの。
23,Let's タイムスリップ!
と。
トランシーバーから連絡が入ったらしく、ブルブル鳴ってる。
『・・夏音!今ねえ、平氏の船に乗ってるの・・・でね・・・源義経って、イケメンらしいのよ!・・・源平時代に来てよ!』
はああ。
私は、溜め息をついた。
「桂さん、泣くよ?って言うか、大丈夫なの?」
『うん!大丈夫よ〜。・・・そうだ!小五郎さんも連れてきて♡』
人使いが荒いなぁ。
私は、仕方なくうなずいた。
お母さんには、見えないけどね。
『って、事でよろしく☆』
お母さんからの連絡を取る、それだけで精神力をかなり使う。
沖田さんと、土方さんが目を丸くして私を見て、
「また、時間をなんとかするんですか?」
時間をなんとかは、タイムスリップの事かな。
私は、うなずいた。
でもなぁ。
沖田さんと土方さんたちがいなければならない時代は、此処で。
あーあ。
一人で行かないとかな?
でも、沖田さんはにっこり。
「私も、行きますよ」
沖田さん〜!
嬉しい!
土方さんも、
「行ってやる。感謝しろ」
すごく嬉しい。
「俺らも行く!」
あぁ、永倉さん!
近藤さんも、藤堂さんもありがとう!
山南さん、原田さん、斎藤さんは屯所を守る事になって、留守番。
って、事で!
Let's タイムスリップ!
(Dへ続く)
あとがき
こんにちはorこんばんは!
リリカで〜す!
今回、私自身、話が迷走してしまい、困りました(笑)
でも、三角関係と言うか、四角関係書くのが楽しかったです。
土方さんの切ない片想い、キュンとしてもらえたら幸いです。
さてさて。
幕末は、いろんな出来事があったんです!
正直、歴女としてはかなり嬉しく。
Dでは、源平時代へ行きます!
幕末の次くらいに好きなので、楽しく書けたら、と思います。
コメントくださった皆さま、ありがとうございます。
これからも、よろしくお願いいたします。
『時を駆けて、初恋*します。』D
登場人物
城里夏音
しっかり者の、明るい小6。
沖田さんに片想い中だけど、仲が進展する・・?
沖田総司
新撰組隊士。
夏音への想いを最近、自覚。
土方歳三
新撰組副長。
夏音に片想い。
総司を敵視。
近藤勇
新撰組局長。
大食いで、おおらか。
藤堂平助
新撰組隊士。
賢く、理知的。
永倉新八
新撰組隊士。
酒と、綺麗な女が好き。
女たらし。
1,壇ノ浦!?
風圧を終えて、タイムスリップ!
潮風もする気が・・・。
なんか、揺れてない??
そろそろと、下を見たら。
船じゃん!
そりゃ、揺れるわ!
「お前らは、何者だ」
へっ!?
声の主は、すごく綺麗な少年の面影を残す青年。
「何者って・・・。先、名乗ってくださいよ」
青年は、面白そうに笑った。
「源義経。そこの女は、なかなか笑えるな」
なかなか笑えるな!?
笑えるの!?
しかも、なかなか!?
リリカさん°ʚ(*´꒳`*)ɞ°.
まず、C完結おめでとうございます!!とても面白かったです。土方sはやっぱり色男ですよねw沖田s等が土方sが恋文を貰ってくるのに慣れているとは!!最近、土方sはツンデレの“デレ”ばっかり?可愛いですね((え、斎藤s留守番!?来て欲しかったなぁ、とはまぁ…また出てきて欲しいですが、1番はリリカさんが書きたい小説を書いて欲しいです。楽しみにしてます!
リリカさんて、歴女だったんですか!なんとなく分かってたけど、歴史詳しいですよね。尊敬します!!((Dが始まりますが、頑張ってください!夏音sの突っ込み…1話だけですが、面白さが既に丸分かりです((
更新頑張ってくださいね!!楽しみにしてます。
(余談になりますが、新撰組誕生の地?に行ってきました!!遠かった…)
>>389
ありがとうございます!
確かに、デレばっかりですね(笑)
斎藤さん、次は出ますよ〜(*´ω`*)
楽しみにしてくださり、ありがとうございます!
そ、尊敬なんて!
嬉しいです〜。
夏音は、ツッコミ担当です(笑)
もうわかったとは!
スゴいです!
更新頑張りま〜す!
え!
行かれたのですか!?
良いなぁ〜。
私、行きたくて行きたくて、すんごい自分の中での聖地なんです(笑)
将来的に、行きたいです〜。
では、Dでもよろしくお願いいたします。
「で?そっちの名は?」
義経さん、興味津々な顔でこっちを見る。
期待してるの?
「私は、城里夏音。ここは?」
船の上って事だし・・・。
旅でもしてんのかな?
「壇ノ浦だ!此処で、平氏を討つ!」
壇ノ浦の戦いだ!
源義経さん率いる、源氏が平氏を討つんだよね。
義経さん・・・。
男子たちが、よく、
「源義経って、かっけーよな!」
「生まれ変わったら、義経になりてぇ!」
って、言ってたし。
そんな思惑を知ってか否か、義経さんは、続けた。
「そして!兄上と・・・」
最後の方は、うっとり(!)として言った。
えっ・・・。
義経さん・・・頼朝さんが好き・・・なの?
でも、義経さんの恋人は、静御前のハズ。
「静と一緒に、暮らすのだ」
良かった。
極度の、ブラコンかと。
「もちろん、兄上とも!」
あーらら。
やっぱり、ブラコンだったのね。
義経キタ(σ≧▽≦)σ
夏音と沖田さんの進展するの楽しみ。
土方ツンデレだったけど、今のところはデレの場面だけどこれはこれで良い感じだね🎵
>>392 ありがとう!ツンデレ、デレばっかりじゃなくて、ツンもでるかもね(笑)
394:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/12(木) 19:56 2,しっかり者、弁慶さん
「殿、何をしておられるのです」
すごい野太い声が、上から降ってきた。
見上げると、めっちゃデカい人。
二メートル超してるよね!?
ヤッバ・・・。
沖田さんと土方さんも、長身の方だけど、この人はさらにデカい。
義経さん、チェッと、
「なんだ。弁慶か。教経かと思った」
弁慶と言われた人は、がっくりと。
「殿。そんな言い分は、ないでしょう」
ほんとうに、がっくりしているらしく、デカい体が小さく見えた。
可笑しい。
微笑ましいよ。
「義経さん、ここらで、ヘンな女を見かけませんでしたか?」
言わずもがな、ヘンな女は、お母さんの事。
義経さんは、目を丸くした。
「ヘンな女、とは?」
「えーっと、ほんとにヘンな格好してる女で・・・」
義経さん、にっこり。
笑うと、えくぼができてさらに可愛げのある顔に。
「いるぞ。平氏の船にな」
私は、ソーッと、平氏の船に目を向けた。
弁慶は高いからね、見上げているの大変な感じ
396:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/12(木) 21:12>>395 ありがとう!弁慶さん、デカい感じするよね(笑)
397:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/12(木) 21:25 3,急接近!
平氏の船に、着物姿の女。
着物姿に変わってるけど、間違いなく、私のお母さん。
「・・・あの野郎!」
思わず、つぶやいて、義経さんが私を凝視。
ヤバッ!
「は、母上にそんな口を・・・!?」
私は、慌てて口を閉ざす。
でも、義経さんは面白がっているような表情。まるで、いたずらっ子みたい。
「面白いな。夏音、お前を俺の妾としても良いぞ。静みたいには、可愛がれるかは別としてな」
はぁぁ!?
妾!?
愛人!?
私、開いた口がふさがらない。
この人・・・。
ブラコンかと思ったけど、ロリコンだったりするの!?
私は、宇宙の果てまで引いた。
「・・殿。また、しょうもない悪戯を・・・」
ナイス、弁慶さん!
義経さんは、それはそれは魅力的な笑顔を浮かばせて、チャラチャラと手を振った。
「仕方ないな。そこの者に、免じて止めてやる」
そこの者、と指した先には、沖田さんと土方さん。
土方さんは、明らかに怒ってたし、沖田さんはにこにこ。
でも、背後からすごい殺気を感じるから、どれだけ怒ってるか、よくわかる。
「ただし、」
義経さん、またまた笑顔。
「我ら源氏に、平氏を討たせろ」
そんな事ぐらい、おやすいご用。
妾にされるよりは、嬉しいからね。
土方はすぐに顔から出てきているのはお見通しだけど……、やっぱり沖田さんはね笑顔が黒く見えて笑っていないからオーラーが殺気で余計に怖く見えるからね苦笑だよ
この正反対な土方と沖田さんは夏音にって言うより関わると怒ってしまうことが、分かって面白そう二人は無器用ですね
>>398 ありがとう!不器用だから、さらに面白いよね(笑)
400:リリカ@恋歌◆JA:2017/10/13(金) 18:05 祝、400!
嬉しいです〜!
改めて、コメントくれた方々、ありがとうございます!
─────────────────────
「与一、矢を射ろ」
義経さんは、ある一人の武士に声をかけた。
武士は、それなりに整った顔立ち。
「はっ」
弓と矢を取って、矢を引き絞る。
緊張した空気。
ここで、ふざけた事言ったら、私が射られたり・・・。
なんてこと、考えていると。
ビュッ
音を立てて、矢は平氏の船に向けて、放たれた。
「きゃっほー☆」
お母さんの声が、聞こえる。
きゃっほー☆って、言ってる場合じゃないのに・・・。
殺意が当社比、120%増す。
義経さんが、
「あの平氏の女、面白い。あの女だけ、救ってやろうか」
義経さん・・・。
義経さんと、お母さん、同じ匂いがする。
その匂いってのは、“誰彼かまわず、迷惑をかける”匂い何だけどね。