*プロローグ*
出逢えたら良かった。
でも。
「私たちは出逢ったらいけなかった。すぐに、もとの世に戻れ」
私たちは逢ったらダメだった。
彼は、そう言った。
>>199 ありがとう!うん、完全に酔ってる沖田さん(笑)
202: アーヤ◆TQ:2017/09/21(木) 20:21 もしかして酔っ払った時って人は大抵本当の気持ちを言うから沖田さんは、今本音を言い出す時なのかな?
それにしても正解だったとはビックリしたけれど沖田さんのまたしてもの発言の「鈍感」は夏音と土方が一緒にいて嫉妬したのを言うのかな知りたい早く知りたい(σ≧▽≦)σ
>>202 ありがとう!果たして・・・!?(笑)
204:リリカ@恋歌◆JA:2017/09/21(木) 21:31 沖田さんが拗ねたように、私を見る。
「・・・・なんで、土方さんとばっかり」
のぉおぉお!
心の叫び。
ヤバい、キュン死・・・。
もしかして、沖田さん、嫉妬してる・・・??
沖田さんは甘えたように、
「ねえ、夏音さん・・・」
なっ、何を言うんだろう??
ドキドキ・・・。
「土方さんの事・・・」
土方さん!?
なぜに土方さんが!?
でも、沖田さんはこっくり、こっくりと眠り始めた。
まさかの、眠りオチ!?
沖田さんの白い額に、髪の毛がまばらに落ちて、それがスゴく綺麗で・・。
思わず見惚れてしまった。
沖田さんの本心が、少し分かって嬉しかったけど、これからどう関わっていけば・・??
ちょっと緊張してしまう。
すると、その緊張感を壊す声。
「夏音ちゃん〜」
永倉さん・・・。
お母さんに続き、イイ雰囲気壊す名人だね・・・。
本当に良い雰囲気だったのに沖田さんの本音が聞けた可能性があったのに酷いよ(^_^;)
でも寝落ちに入った沖田さんもだけどね嫉妬するところ可愛いよ😆
あと、更新したからねヨロシク😉👍🎶
>>205 ありがとう!寝落ちの沖田さんは、確かに可愛いよね(´V`)♪
おおっ!楽しみ!
21,想いの強さ
ふうっ!
酒宴も終わったし、一息。
沖田さん・・・可愛すぎるよ〜!
「茶々ちゃん、初ちゃん、江ちゃん、どこ〜?」
浅井三姉妹を捜しながら、城を歩いていると。
「長政さま・・・・市も、逝きとうございます・・・ヒック」
お市さま!?
しかも・・・泣いてる?
そっか・・・。
夫の浅井長政を想って、泣いてるんだね・・・。
そう思ったら、信長さんが許せない!
お市さまを道具みたいに扱って!
「そこにいるのは、夏音、ですか?」
びっくぅ!
お市さまにバレちゃった!
お市さまは、微かに微笑んで、
「見苦しいところを見せましたわね、茶々たちには内密に」
胸が、キュッと痛くなった。
お市さまが一人、苦しんでるから・・・。
誰にも言えないって悲しいよね
もっと気になるから毎日が楽しみになるよ😆
>>208 ありがとう!もっと楽しみにしてくれるよう、頑張りま〜す(*^^*)
210:リリカ@恋歌◆JA:2017/09/22(金) 20:19 確か、浅井長政はこの戦いで、自害したって・・・。
お市さまは、悲しげに目を伏せた。
「・・・私は、兄上を信じれなくなって・・・。茶々たちを守れるかすらも、自身がなくて」
・・・・信長さんは、スゴい冷酷だ。
天下統一するためなら、自分の妹がどれだけ悲しんでも、躊躇わないんだ。
ふつふつとした、怒りが沸いてくる。
「私、信長さんに・・・」
と、トタトタと足音がして、江ちゃんが顔を覗かせる。
「夏音〜、捜したよ。遊ぼーっ!」
お市さまは、微笑んで、
「夏音。一緒に、遊んでらっしゃい」
放っておけないよ、お市さまを。
だいぶ心配しながら、江ちゃんに手を繋がれて、どこかへと連れて行かれる。
そしてお市さまの姿が見えないのを確認して、江ちゃんが囁く。
子供の前じゃあ心配かけたくないんだね、夏音の心使いが良いね一緒に胸が痛くなるって夏音にしか出来ない事かも知れない!?
212:リリカ@恋歌◆JA:2017/09/22(金) 20:31>>211 ありがとう!ある意味、夏音限定のチカラだよね(*^▽^*)
213:リリカ@恋歌◆JA:2017/09/22(金) 20:37 22,サプライズ
「私、父上を亡くして・・・。悲しいよ、でも。母上の方が辛そうだから、我慢してたの。でね、母上を元気にしてあげたいから、夏音も協力して」
江ちゃん・・・母親思いの、いい子だね・・。それに比べて私は・・・。
情けなくなってくる。
「お姉さまも、協力してくれるって!」
茶々ちゃんも!?
お市さまも笑ってくれるよ、絶対。
あっ!
良いこと思いついた!
「私、あのお兄さんたちに協力頼むよ」
新撰組のみんなにも、協力要請しないと!
ただ酔わせるだけだと、迷惑だからね!
確かにただの酔いつぶれなる新撰組の皆が,今ではただの酔っ払ったおっさんだからね迷惑の印象を削ってあげて駄目な人にならないでって感じだね
215:リリカ@恋歌◆JA:2017/09/22(金) 21:27 >>214 ありがとう!うん、今は酔っ払ったおっさん(笑)
ここから、イイ感じになると思うよ〜
酒宴の場所に戻ると、信長さんや家臣たちは、イイ感じに酔っていた。
中の一人が、私をしげしげと見て、
「なかなか、可愛いではないか」
失礼な!
・・・いや、可愛いって言われてもまんざらでもない。
でもね、やらしい目で見るのはやめてよね。
と、むくっと沖田さんが目を擦りながら起き上がった。
「・・・・夏音さん?」
怖い怖い、沖田さん。
そんな殺気を丸出しにしなくても。
夏音の可愛さがだんだん緩い感じになってきているけれツッコミが相変わらず夏音らしいね
218: アーヤ◆TQ:2017/09/22(金) 22:32 今やっと更新したよ(^_^;)
ちょっと恋歌の変わり様にご注目してほしいね🎵
>>217 ありがとう!ツッコミは夏音のモチベーションだからね(笑)
>>218 注目して読むね〜(*^o^*)
周りを見ると、近藤さんはもう完全に酔っ払っているし、土方さんはなぜか武将たちと意気投合。
永倉さんも、近藤さんと同じく“出来上がって”酔っ払っている。
藤堂さんは初ちゃんと、どこへ行ったのやら、姿が見えない。
もう!
めんどくさいけど、新撰組のみんなのところへ回って、かくかくしかじかと説明する。
「それは、良いな」
土方さんも酔ってるせいか、素直。
いつもこんなだったら、苦労しないよなぁ・・・。
「賛成〜」
あらら、酔っ払っているお二人(近藤さん、永倉さん)があっさりと承諾。
かく言う事で、お市さまへのサプライズはみんな賛成!
江ちゃんは、お市さまに何をしてあげたいのかな?
土方のあの素直さにはやられた
222:リリカ@恋歌◆JA:2017/09/23(土) 09:21>>221 ありがとう!ツンデレが、素直になる瞬間って、ヤバいよね(≧∀≦)
223:リリカ@恋歌◆JA:2017/09/23(土) 09:25 江ちゃんのもとに、新撰組のみんなを連れて行くと。
江ちゃんはニコリと笑って、
「夏音、ありがとう!これで、母上も元気になる・・・!」
「江ちゃんは、お市さまに何をしてあげたいの?」
江ちゃんは、ふふっと微笑む。
こうして見ると、お市さまと笑顔が優しくて、キュンとなるよ。
「父上に会わせてあげたいの」
一気に空気が、ピキーンと固まった気がした。
凍りました?
江ちゃんが可愛い過ぎだよ
リリカさんって掛け持ち小説をしているって本当だったんですね驚きました(○_○)!!
何を掛け持ち小説をしているのですか
>>224 ありがとう!江ちゃんは無敵の可愛い(*^^*)
>>225 YES!代表的なのは、『お悩み相談委員会!』かな。
でも最近、ネタが・・・(TOT)
他にも、あるけど・・・。
打ち切ったやつとかもあるしなぁ〜。
今の主力は、コレかな。
でも、実父である浅井長政は、もう死んでるハズじゃ・・・?
江ちゃんは私の考えを読んだかのように、
「もちろん、ほんとの父上は亡くなったから・・・。そこの者に、父上の代わりをしてほしいの」
江ちゃんが指差した先には、あくびをしている藤堂さん。
とうの本人は、ポカーンとした顔。
話を、聞いてたかな??
藤堂さんの表情が目にうかぶ
229:リリカ@恋歌◆JA ツンデレと恋に奥手、どちらが好み?:2017/09/23(土) 21:09>>228 ありがとう!藤堂さんは、マヌケなキャラで(笑)
230: りぜ、 ◆IN.:2017/09/23(土) 21:10
わたしの半値出てきてびっくりしました^^;(初ちゃんのことです)
これからも頑張ってください!💫
22,想えば想うほど ※ お市 side
はぁ。
何度目かの溜め息を吐く。
夏音と茶々たちの前では、泣かないように気を張ってたけど。
「長政さま・・・・」
この世にいない、夫の名を呼ぶ。
『市』
そう言って、笑ってくれた愛しい人。
兄上によってその命を散らして・・・。
泣きたい。
一人で、誰にも気付かれないよう、泣いて泣いて・・・。
そう思って、部屋の戸を開けて。
立ちすくんでしまった。
「市」
この世にいるはずのない、最愛の人が、優しく懐かしい笑みを浮かべていた。
幻?
幻覚?
私はついに、狂ってしまったの?
「此処へ来い」
あの少し低い声が、部屋に響く。
「長政さま・・・!」
泣きながら、抱きつく。
いつも想えば想うほど、離れてしまうあなたなのに・・・。
今日だけでも、幸せでありたい・・・。
叶わぬ願いと知っていても。
>>230 ありがとうございます!偶然・・・ですね(笑)
233:リリカ@恋歌◆JA ツンデレと恋に奥手、どちらが好み?:2017/09/23(土) 21:36 23,急接近・・・!?
私は、パタンとお市さまの部屋の戸を閉めた。
ふう・・・。
藤堂さんが、長政の役をしてくれているから、あとで感謝しないと。
心なしか、江ちゃんと茶々ちゃん、新撰組のみんなもホッとしたようだった。
「良かった良かった!」
「安心した〜」
近藤さんと永倉さん、お互いに背中を叩き合ってる。
土方さんはあんまり感情を表にだしてないけど、喜んでるんだなって思えた。
沖田さんと私は、顔を見合わせた。
「成功ですね」
沖田さんが一番、応援してたのかな。
お市さまが少しでも、笑ってくれるなら嬉しいよ。
初ちゃんが私のところに来て、
「藤堂さんは?」
私はふふっと笑って、
「さあね」
初ちゃんは首を傾げたけど、微笑んだ。
三姉妹はさすが、お市さまの娘だ。
笑顔が一緒だもの。
ツンデレが好きでギャップがあるから好き
恋に奥手は応援したくなるって思う。
>>234 ありがとう!ギャップはヤバいよね(笑)奥手も好きだけどね〜(笑)
236:リリカ@恋歌◆JA イケメンが足りない件w:2017/09/24(日) 08:23 しばらくして、お市さまが出て来た。
不思議なことに、泣いているけれど、それは悲しい涙の感じがしなかった。
「夏音。長政さまに、会えた・・・」
うん、藤堂さんなんだけどそれは言わずに、
「良かったですね、お市さま!」
と祝ってあげた。
お市さまは微笑んで、
「兄上のところに行ってきます」
と、信長さんのいる酒宴場に向かっていった。
お市さまの姿が見えなくなったのを確認したところで、疲れた顔をした藤堂さんが出て来た。
「は〜。疲れた」
お疲れ様です!
初ちゃんは、藤堂さんの姿を確認した瞬間、藤堂さんに抱きついた。
あのう・・・。
いきなりイチャイチャしなくても・・・。
多少、やっかんでしまう。
と・・・。
酒宴場から一人の武将が出てきた。
そして私の姿を認めた途端。
「夏音〜。世話を頼む〜」
酒臭いっ!
ってか、世話なんかしたくないしっ!
武将は私の手を(!)握った。
嫌だっ〜!
夏音が沖田さんと土方達と出逢ってから、少しずつ大人になっているというか変わり始めてきたね。
出逢う前より出逢った今の夏音が好きだよ🎵
>>237 ありがとう!確かに、夏音も変わり始めてるよ(笑)
239:リリカ@恋歌◆JA イケメンが足りない件w:2017/09/24(日) 13:46 思いっきり嫌な顔しても、なかなか手を離してくれない。
ドン引き・・・。
セクハラ・・・。
そんな言葉が、頭をよぎったとき。
パシっ
軽やかな音がして、沖田さんが私の手を握っている武将の手を叩いた。
そしてニッコリと、
「夏音さんなら、先客がありますから。それでもと言うなら、土方さんがしてくれますよ」
でも有無を言わせない、感じ。
助かった!
・・・・ん?
先客って言ってたけど、いないハズ。
武将が去っていたのを見てから、沖田さんは笑って、
「夏音さん、困ってるならちゃんと言ってくださいよ」
キュン!
沖田さん・・・ヤバいよ。
笑顔は反則!
うんうん反則と思えたキュン死だよ(*≧∀≦*)
あと思春期シンデレラ@が終わりましたのでAを書きます。
>>240 ありがとう!気になるよ〜(≧∇≦)b
242:リリカ@恋歌◆JA イケメンが足りない件w:2017/09/24(日) 15:29 24,信長さんの気持ちと、さようなら
と、土方さんがこっちに来て、
「信長公が変だ。小童、探ってこい」
信長さんが変!?
もとから変な気がしてたけど、さらに!?
これはおかしい。
酒宴場に出向くと、近藤さんも永倉さんも酔ってる。
信長さんは、なんだか寂しそうな顔をして・・・いなかった!
「信長さん、土方さんが様子が変だって言ってましたけ・・・ど!?」
最後に驚いてしまったのは、信長さんが泣いていたから!
「なぜに泣いてるんですか!?」
信長さん、もしかして酔って泣き上戸とか!?信長さんは軽くこちらに目を向けて、
「なんだ。市じゃないのか」
イラッ。
落ち着け、夏音。
「なんで泣いてるんですか」
再度聞くと、やっと信長さんは口を開いた。
土方が夏音を頼ったのはじめてかも知れないよね?
244:リリカ@恋歌◆JA:2017/09/24(日) 16:56>>243 ありがとう!うん、初めてだよ(笑)
245:リリカ@恋歌◆JA:2017/09/24(日) 17:05 「天下統一のためにした事は、市を悲しませてないか心配なのだ」
・・・・じゅうぶん、悲しませてるよね?
なんて言ったら、ダメだ。
信長さんをさらにダメダメ化させる。
「良いんじゃないですか?」
信長さんがクワッと目を見開く。
「市を悲しませる事が、か!?」
あーあ。
そんな事、言ってないのに。
ため息を吐いて、
「天下統一を目指す事ですよ。悲願なら、お市さまも認めてくれますよ。自分の夢くらい果たせないと、カッコ悪いですし」
そう言うと、信長さんの目はキラキラ。
なっ、何?
「夏音・・・。そちを見直したぞ!」
なんか良いこと言っちゃった系??
そして信長さんは続けて言った。
「即刻、もとの世に戻るがいい」
優しいなぁダメな人は、どうしてもダメになるからね
成長する夏音が可愛い❤
>>246 ありがとう!夏音は段々、可愛くなる(笑)
248: アーヤ◆TQ:2017/09/24(日) 17:27 恋する乙女だよね
今の夏音は沖田さんと土方の二人のお陰で良い感じに気になる展開だよ。
それにしても今度は何処になるか楽しみ
>>248 ありがとう!次のタイムスリップ先は、どこにしようかな・・・(笑)
250:リリカ@恋歌◆JA:2017/09/24(日) 18:42 「なっ、何で!?」
信長さんはごくふつうの顔で、
「この時代は、夏音たちには似合わない。血で血を洗う、そんな力ずくの時代だからな」
ふうん・・・。
信長さん、冷静にこの時代を見極めてるんだなぁ。
お市さまと茶々ちゃんたちと別れるのは、嫌だけど・・。
信長さんの言うとおりだから、帰らないといけない。
「信長さん、ありがとうございます」
「それよりも、夏音の母上はいるのか?」
えっ・・・??
お母さん??
・・・そういや、姿が見えないな。
と、猿顔の武将が信長さんに駆け寄った。
あとで知ったけど、この武将は豊臣秀吉だった。
「殿、この者がさっきから・・・」
武将の指した先には、お母さん!
ふつふつと怒りがこみ上げてくる。
私は、どしどしとそっちへと向かう。
何をし出かしたの
252:リリカ@恋歌◆JA:2017/09/24(日) 20:04>>251 ありがとう!さて、お母さんは・・??
253:リリカ@恋歌◆JA:2017/09/24(日) 20:15 お母さんはノホホンと、タイムスリップマシーンをカチャカチャいじってる。
私は精一杯怒りを押し殺して、聞く。
「・・・どこに行ってたの?」
どれくらいドスが利いてたかは、隣にいた侍が震えたことから分かるよね。
お母さんはまったりと、
「ん〜。秀吉さんと会ってただけ〜♪」
私の肩から、力が抜けた。
この人は・・・!
『集団行動』とか『協力』に一番、遠い。
「ホントに、会ってただけ?歴史、いじってない?」
「大丈夫〜〜♪それより、はやくマシーンに乗った方がいいよっ」
なぜ?
お母さん、なにかたくらんでる?
お母さんはわざとらしいくらい真面目な顔で、
「ほぉら!あと、30秒で乗らないと置いてかれるよ」
疫病神は、飄々と言いやがった。
新撰組のみんなを呼んで、マシーンに乗り込む。
マシーンの窓から、お市さまと茶々ちゃん、初ちゃんと江ちゃんの姿が覗けた。
「さようなら」
お市さまがそう言ったのが、かろうじて聞こえた。
お母さんが張り切ったように、“○○時代”のボタンを押した。
激しい風圧を感じる。
(Bへ続く)
あとがき
ハイッ、中途半端のところで終わりました!
お母さんが押したのは、果たして何時代でしょうか?
話は変わりますが、私は歴女です(キッパリ)!
そのため、このシリーズを書いてるときがスゴい楽しいんです!
今回は、織田信長、最後に豊臣秀吉が出て来ました。
徳川家康は出るのか!?
・・・とまあ、次をお楽しみに。
Bでは、沖田さんとの距離を修復できるか、土方さんと接近するのか。
恋と歴史のドキドキを、伝えられますように。
最後になりましたが、コメントをくれた皆さま、ありがとうございます。
これからも付き合っていただければ、幸いです!
『時を駆けて、初恋*します。』B
登場人物
城里 夏音
本作の主人公。
しっかり者。
沖田さんとの恋で、最近変わり始めてる・・?
沖田 総司
新撰組の隊士。
幕末からタイムスリップ。
最近、夏音と不協和音が流れてる?
土方 歳三
新撰組の隊士。
幕末からタイムスリップ。
夏音に想いを寄せている。
近藤 勇
新撰組の局長。
幕末からタイムスリップ。
夏音の兄的存在。
藤堂 平助
新撰組の隊士。
幕末からタイムスリップ。
永倉 新八
新撰組の隊士。
幕末からタイムスリップ。
城里 茜
夏音の母。
無責任で、侍と絶賛恋仲中。
侍
幕末からタイムスリップ。
茜と絶賛恋仲中。
長州の藩士で、今回、名が判明・・?
1,江戸幕府初期!?
「ね〜、お母さん」
私はニッコリ笑って、お母さんに聞く。
やっぱり和やかに聞かないとね。
お母さんもニッコリ微笑んで、
「なーに、夏音」
と、聞き直す。
私は笑顔のままで、
「何時代を押したの?」
お母さんも笑顔で、
「江戸時代の初期だよ☆」
そっかぁ〜、江戸時代の初期ね〜・・・。
私は笑顔をなんとか作って、お母さんに言う。
「・・・・なんで初期なの?」
お母さんはやっぱり笑顔で、答える。
「徳川家康さんを拝みたいから」
私は笑顔をかき消して、お母さんの頬を引っ張る。
「拝みたいから・・・?何よ、そんな理由!」
「ふぉふぇてぇ(止めてぇ)」
ふんっ!
止めるもんか。
娘に言うことはないのか!
2,家康さん
はあっ。
お母さんの相手は疲れる。
ため息を吐いて、タイムスリップマシーンから出る。
新撰組のみんなはもう、外にいる。
外に出ると。
「怪しい!大御所さまのところへ連れて行く!」
なぜ!?
でも、永倉さんを見て納得。
綺麗な女の子の手を握ってる。
女の子、逃げようとしているけど永倉さんは離さない。
しかも格好的に、微妙に違うから怪しいよね。
沖田さんが、
「家康公と会える・・・」
感極まったような声で、つぶやく。
私は微妙。
だって、家康さんは豊臣氏を滅ぼしたもの。
つまり─────茶々ちゃん(淀君)を殺したことになるから。
凄い展開で、これからどうなるのというか頬をつねったりマジ可愛い親子だね。
それに永倉さんって、もしかしなくても女たらし
あと、私も更新しました。
260:リリカ@恋歌◆JA:2017/09/24(日) 21:33 >>258 ありがとう!うん、女たらし(笑)
決してシリアスキャラにはなれない(笑)
>>259 おおー!読むね〜!李斗くんが好みかな(´V`)♪
262: アーヤ◆TQ 李斗?、会長?、副会長?のどっちが好みで好き?:2017/09/24(日) 21:37 ありがと❤
私もリリカさんみたいに文章力を面白く少しずつやってみます。
>>262 いえいえv(^o^)文章力・・・はて?どこにあったっけ?(笑)
『思春期シンデレラ』楽しみだよ〜!
しかも、肖像画とかだと目がすごい飛び出てるし。
あんまり、好かないんだよね。
あれこれ考えてるうちに。
ひたすらに歩いて。
「大御所さま、怪しい者をお連れしました」
家康さんと会える!
お母さんと沖田さん、土方さんの顔がキラキラ。
そんなに会いたいもんかね・・・。
3,輝き ※沖田 side
「夏音さん、困ってるならちゃんと言ってくださいよ」
そう言うと、夏音さんは笑った。
とびきり輝いた笑顔で。
菊乃・・・。
ふと、屯所にいたころそばにいた、恋人を思い出す。
『私は、総司が大好きだから。新撰組のみんなが大切だもん!ずっと、そばにいさせて・・・』
あの笑みが、離れない。
夏音さんと菊乃は、違う。
なのに・・・。
面差し、立ち姿、すべてを勘違いするほど想えてしまうのは・・・。
あの輝きを、誰にも向けてほしくない。
自分だけで良いのに・・・。
そう思ったのは、初めてだった。
4,家康さんのワガママを叶えよ!?
若干、緊張する。
徳川家康さんかぁ・・・。
いい人っぽい・・・とは思えないのは、やっぱり淀君の事があるから。
「なんじゃ、そこの者。無礼な」
突然現れた、おじいさんが言う。
何となく、肖像画と似てるけど・・・。
「大御所さま、この者たちがおかしな事をしておりました!」
永倉さん・・・。
永倉さんのやったナンパが、悪く出たよ。
って言うか、ホントの徳川家康さんだったんだ!?
ビックリ。
「素姓は?」
家康さんが突然、聞く。
素姓って言われても・・・ねぇ?
悩みながら、家康さんの問いに答えた。
「未来から、来ました」
沖田さんの恋はやっぱり切ない想いがいっぱいになって、重ねてしまっているんだね。
でも……ナンパの言葉に悪扱いに出てきて、新撰組の皆って意外に個性豊かな人ばっかりで面白可笑しくどんな皆も好きになれるから良いね。
土方はツンデレで、沖田さんはミステリアスだからね。
>>267 ありがとう!沖田さんは、切ない感じで(笑)
土方さんは、とことんツンデレだよ(*^^*)
新撰組のキャラ、みんな個性的にしたぜ(笑)
個性的な感じの方が、良いよね(´V`)♪
「ほほう。未来から、とな・・・。良いことを思いついた」
家康さんは、ニヤリと笑った。
なんでだろう、嫌な予感。
そして嫌な予感は、的中し。
「江戸幕府の末の時代に連れていけ」
江戸幕府の末の時代・・・。
幕末って事ね。
「な、なぜ?」
家康さんはニコニコと、
「幕府の末を、見たいだけだ」
うーん。
言っちゃ悪いけど、あんまし良い結末じゃないんだよね・・・。
新撰組の方をチラリと、見ると。
「げっ!」
思わず、口にしてしまった。
だってみんな、目をキラキラさせて家康さんを見てるから。
キャラ、変わってない・・・?
家康さんはそれを見てか、こう言った。
「この家康の願いを叶えよ!」
なんで家康さんのワガママを叶えないといけないの!?
5,慶喜さんと家康さんの奇跡の(!)対面
乗り気な新撰組とお母さんたちを見て、私はあきらめた。
この人たちの勢い、消せないもん。
「よしっ、じゃあ家康公、きてください」
超ノリノリな、近藤さんが家康さんをタイムスリップマシーンまで乗せる。
新撰組とお母さんと侍、私が乗り込む。
お母さんはルンルンと鼻歌を歌いながら、『幕末』のボタンを押した。
風圧に、
「なんじゃっ!」
家康さんの悲鳴が聞こえた。
再びというか、幕末。
場所は・・・。
江戸城!?
私は、お母さんが空恐ろしくなった。
こんなのを作れるなんて・・・。
「何者!?」
驚く声。
当たり前だよね、突然目の前に現れたんだから。
声の主は、キリリとした精悍な人。
まあまあカッコイいから、モテるんじゃないかな。
カッコイい人は、家康さんを見てさらに驚いたみたい。
「家康公・・・!?」
「そう言うそなたは、何者じゃ?」
家康さん・・・。
聞き方ってモンがあるでしょーが。
「江戸幕府十五代将軍、徳川慶喜ですが・・」
家康さんはつまらなさそうに(!)慶喜さんの見て、それから私に目を向けた。
「最後の将軍の代は?」
言いにくいけど・・・。
「十五代です」
家康さんが目をむく。
あらら、スゴい驚いてるよ。
何せ、出会ったのが最後の将軍だもんね。
>>269家康が先ず行きたい場所に驚き,何気なくキャラが何故か変わった新撰組に驚いた。
目を輝かせながら言った発言が,新撰組の一同が言ったのかなって思えた「叶えよっ」の言葉に?
>>270そしてお母さんと、新撰組の乗り気って凄いって思った。
夏音の言う通り止められないってどんな感じって思う。
>>271
確かにこんな者作る人って,恐るべし人って先が読めないから夏音も止められない時ってあるのかな今さっき以上に……
>>272 ありがとう!
274:リリカ@恋歌◆JA:2017/09/27(水) 20:35 「なぜに、家康公が!?」
慶喜さんの問いは、もっとも。
家康さんは胸を張って、
「もちろんこれからも、江戸幕府の時代に変えるためだ」
ウソ!?
ずうっと、江戸幕府の体制にしたいの!?
歴史だと、明治時代が次なんだけどな・・・。
今度ばかりは、新撰組のみんなも驚いていた。
私は、溜め息。
まず幕末に来た時点で、ダメだった。
私は、腰に手をあてて、
「家康さん。ワガママは、ダメですよ」
近藤さんたちもうなずいてる。
しかし、家康さんは。
「将軍に命令すると言うのか!」
逆ギレ!?
慶喜さんが仲裁するように、
「家康公、ここは落ち着きましょう」
はあっ。
家康さんのワガママはひどいし、江戸幕府を続けるなんて!
困るんですけど!
場所を改め、家康さんと慶喜さんが向き合う。
私たちは、2人の周りにいる感じ。
家康さんが口火を切る。
「最近、幕府の力は強まってるのか?」
慶喜さんは溜め息を吐いてから、
「・・・いいえ、むしろ弱まってます」
家康さんの額の血管が、浮き上がる。
倒れるよ!?
本当にワガママだね……
でも何か可愛いって気にもないわけじゃない、少しは可愛いワガママだったら良かったけどやっぱり無理感半端ないよ家康!?
>>277 ありがとう!家康は大物感がヤバい(笑)
279:リリカ@恋歌◆JA:2017/09/28(木) 17:45 6,家康さんの暴走
家康さんは、すうっと息を吸ってから、
「それをどうにかしろ!」
と、怒鳴った。
お歳の割には、案外元気だね。
ヘンなところで感心しつつ、私は呆れた。
「家康さん、これは歴史どおりなの。これからどんどん、幕府の力はなくなっていって、最後は倒されるんだよ」
そう言ったら、家康さんが私にかみつくように言った。
「それはありえん!」
ありえんじゃないよ。
史実だもの。
変えたら、私が生まれなくなっちゃう!
と、家康さんがすっくと立ち上がった。
「わしが自ら、赴こう。それで幕府の力は強くなる」
いやいやいや。
もうとっくの昔に弱まってるよ。
色々とツッコミながら、話の流れをつかもうとしていると。
沖田さんが、
「家康公が自ら行くと言っても、公家は信じるでしょうか?」
おおっ、マトモな意見!
しかし、家康さんは・・・。
「何を言う。江戸幕府を開いた、徳川家康ぞ」
何って・・・。
自慢、してるね。
慶喜さんは困ったように、微笑んだ。
沖田さんほどではないけど、土方さん並みにカッコイい。
「幕府を守る者すら、いつ反旗を翻すかわからないんですから」
幕末は、複雑、だな・・・。
恐らく家康さんは鈍いのだろう、慶喜さんの気持ちに気づかずに言う。
「そんな者は、処刑するの・・・「ストップ!」
家康さんの言葉をみなまで言わせず、私はストップをかけた。
家康さんが不審そうに、こっちを見る。
「なんだ、ただのおなごのくせに」
ムッカァ!
怒り狂う私を、沖田さんがなだめる。
「夏音さん、落ち着いて。家康公も、言い過ぎですよ」
家康さんは、フンッと顔を背けた。
7,侍の名は・・・
ヘンな空気が流れていると、沖田さんがとりなすように、
「そう言えば、そこの方の名前、聞いてませんでしたね」
と、お母さんとイチャイチャしてる侍を指さす。
って言うか、この空気でイチャイチャする!?
あり得ないんだけど!
お母さんが、心配げに何かささやく。
かろうじて聞こえてきたのは、
「・・・良いの?言ったら、追われるわ」
私には、普段言わないのに(!)心配そうな声。
侍は、フッと笑った。
何でだろうね。
お母さんが、侍に惚れた理由も、分かってしまった。
「結局、だ」
そして、立ち上がって、
「長州の桂小五郎だ」
土方さんも立ち上がって、思いっきり、桂さんを睨む。
桂 小五郎っていう侍か…?
285:リリカ@恋歌◆JA:2017/09/30(土) 09:30>>284 ありがとう!侍と言うか、志士だね(笑)思春期シンデレラ、楽しみだよ!(^^)!
286:リリカ@恋歌◆JA:2017/09/30(土) 16:40 土方さん・・・もともと怖いのが、さらに怖くなってますよ。
近藤さんも、永倉さんも藤堂さんも刀に手をかけてる。
静かなのは、私と沖田さんぐらい?
家康さんは何も言わない。
気づいてない・・・わけは、ないよね。
興味ないのか〜・・・。
私は、溜め息を吐いた。
別に、桂さんを庇うってわけじゃないけど。
「あの、土方さんと近藤さん。ここで、桂さんを斬るんですか?」
土方さんがギロリと、私を睨む。
怖いなぁ。
「言っちゃなんですけど・・・将軍の御前ですよ?そんな事しちゃったら・・・」
脅すように、ゆっくりと言う。
「新撰組は、ただの人を斬る集団になりますけど?良いんですか?」
人生初の、脅しだけど・・・。
近藤さんと永倉さん、藤堂さんは納得したように刀を収める。
土方さんは、桂さんを睨んだまま。
さすが“鬼の副長”と呼ばれてるだけ、あるなぁ。
目をそらさない桂さんも桂さんで、スゴいよ。
やがて、土方さんが、
「小童の言うことは正しい。今は、斬らない」
と、“今は”の部分を強調した。
ひとまず、桂さんを斬る事は、なくなったから良かった。
沖田さんに土方は、やっぱり恐るべし人だよ!
沖田さんは,怒ったら最強に恐いね……
土方は「鬼の副長」って言う人が、いつ斬るか心配……
夏音は、この二人に想われているのが凄い素敵……?
あと、楽しみにしてくれてありがと😆💕✨
更新したので見て下さい。
>>287 ありがとう!沖田さんは、怒らせたら一番ヤバいかも・・・(笑)
うん、夏音は最強(?)というか、奇跡!
(゚o゚)/期待してるよ〜!
8,ストッパーの役目
・・・ちょっと待て!
“今は”ってことは・・・。
土方さんが、
「此処を離れたら、斬るからな!」
おいっ!
私は、土方さんのところに行った。
鬼とは言え、それはないよ!
「なんで桂さんを斬るんですか!人斬り土方さんになって良いんですか!?それでよく、新撰組の副長になれましたね」
最後の方は、嫌味。
土方さんの額に、青筋が。
ぶちキレた・・・?
「小童も斬るぞ!?」
脅すけど、私は臆せず、
「斬れば良いじゃない!土方さんの名誉に関わりますけどね!」
土方さんの顔が、怒りで赤くなる。
目もどんどん、つり上がっていく。
リアル、赤鬼。
土方さんが、スッと息を吸う。
次は、どんな罵詈雑言が言われるか待ちかまえてると。
「夏音さんも、土方さんも。止めてくださいよ」
ごくふつうな感じで、沖田さんがそれとなく止める。
「土方さん、大人気ないですよ」
そうだそうだ!
次に、沖田さんは私を見て、
「夏音さんも。土方さん相手に、怒らないでください」
沖田さんが言うなら・・・。
しぶしぶ私と土方さんは、沖田さんの言葉に従った。
私たちのストッパーの役目をしてるのは、沖田さんだ。
沖田さんを怒らせて、命をなくすのは・・・。そこまで考えて、ゾッとした。
土方さんもそれを思ったらしく、顔が青ざめていた。
9,歴史を変えたい、家康さん
家康さんがふわあっと、あくびをする。
「つまらん」
と、言いかけて目を見張った。
そして慶喜さんにくってかかる。
「幕府の力を、もう一度強めるのだ!」
慶喜さん、めっちゃ困った顔。
誰だってそうだよね。
突然現れた、徳川家康が幕府の力を強めるとか言い出すんだもん。
慶喜さんが何にも言えないと、家康さんはクルリとこっちを仰ぐ。
「そこの者たちは、変な物に乗ってきたな。それで幕府を守るのだ」
もしかして・・・。
タイムスリップマシーン!?
お母さんが目をキラキラと輝かせて、
「家康さん!それは、タイムスリップマシーンと言って・・・」
と、説明する。
私は、頭が痛くなってきた。
家康さんは、お母さんの説明を聞いてさらに、目を輝かせる。
そして、私を見る。
「幕府の力が衰えた、時代へ連れていけ!」
はぁぁ。
私は、深い溜め息を吐いた。
>>289
本当にちょっと待って夏音が,土方から離れたら斬るって突っ込み満載だねぇ(゜゜;)\(--;)
でも夏音の言葉にぶちギレになって、夏音まで何故斬るって言うの!?
でも夏音が負けじと土方に挑む感じに「どうぞ,斬っても良い」にしか聞こえないよ…😨
でも夏音と土方の間に割って入ってきたのが,沖田さんで良かった。
赤鬼土方がボス沖田さんに勝つ日はいつの日かね……
それに私は、夏音と土方のやり取りは大丈夫ですしもっと見てみたい。
この喧嘩するけど仲良しな感じが良いね。
(でもって,沖田さんは夏音と土方のストッパーだねぇ)
>>291 ありがとう!どっちも、案外あまのじゃくだからね・・・(笑)
土方さんが沖田さんに、勝つ日は果たして・・・?
素直になれない同士の、仲は良くなるよ、絶対(笑)
良い感じに沖田さんが・・・(笑)
「なんで、幕府の力が衰えたとこに行きたいんですか?」
「そこで幕府を勝たせたいからだ!」
家康さん、即答。
スゴい信念。
呆れるより、清々するほど感心する。
お母さんがなぜか、指揮を執って、
「さあ☆戊辰戦争の真っ只中にlet's go!」
let's go!のところで、めっちゃ発音がいい。
気取ってるのか?
ヘンなところで、がっくりしながら、新撰組+桂さんとお母さん、私に家康さんでタイムスリップマシーンに乗る。
10,盛り上げ隊
お母さんが、『戊辰戦争』のボタンを押した。
あれ?
そういや、そんなボタンあったっけ?
首を傾げながら、風圧が顔で感じる。
「着いたよ〜!」
お母さんの元気な声。
いつの間にやら、桂さんと手を繋いでる。
はあ・・・。
ラブラブっぷりを、こっちに見せないでよ。
出るときに、少しつまづいた。
しかも、マンガみたいに顔から、ね!
あぁ!
最悪。
土方さんがゲラゲラ笑う。
むうぅ!
「大丈夫ですか?」
沖田さん・・・。
嬉しい!
けど、スゴい恥ずかしい。
未だにゲラゲラ笑ってる、土方さんを睨んでから、私は外に出た。
ああ・・・ガチでヘコむ・・・。
あんな転け方、最悪。
しかも、よりによって沖田さんの目の前で・・・。
嬉しいんだけど、ヘコむ。
「夏音ちゃん、歳があんなに言ってゴメンな」
近藤さんが謝ること、ないよ・・・。
ネガティブとは、このこと。
と、永倉さんが不意に叫ぶ。
「あれ、何だ!?」
えっ・・・?
永倉さんの指した先には、大砲と最新式の銃を構える兵。
お母さんが、桂さんとタッタッと、兵たちのところへ向かっていく。
はぁぁ。
撃たれても、知らなーい!
お母さんが、叫んだ。
「この人たち、新政府軍だって!」
家康さんの目が、暗くなった。
殺気もほとばしっている。
怖い怖い・・・!
「旧幕府軍はどこだ!?」
家康さんが唾が出るほど、大声で聞く。
うるさいって・・・!
「もう少し先だって!」
それを聞くと、家康さんの目はさっきと違って、キランと光った。
「行くのじゃ〜!」
なぜか、新政府軍が盛り上がった。
なんか勘違いされてない!?
新政府軍を家康さんが率いてるみたいな感じだし!!
土方の夏音に対しての馬鹿って思っているところは、久々に見た。
でも,好きな人に見られたらショックなのは解りますね。
>>296 ありがとう!土方さんもなかなか、感情ださないからね(笑)
確かに、ショックだよね(笑)
「あの人に続いて行くぞ〜!」
「お〜!」
新政府軍の士気が、高まってる。
良くも悪くも、家康さんは新政府軍の盛り上げ隊なんだね。
「よし、幕府軍に行くぞ!」
家康さん、結構な歳なのに、元気だね。
むしろ安心しちゃう。
いつぶっ倒れるか分からない、弱々しいおじいさんじゃなくて良かった。
11,謎の少年
「アハハ・・・。君たち、バカだね」
不意に背後から、失礼な声が。
振り向くと、とてもこの場に相応しくない、白い水干姿の、後ろに髪を結った少年がいた。
少年の目は、ギラギラした赤色。
「徳川家康が戊辰戦争に参加するだなんて・・・。予想がつかないのかい?」
少年は歌うように、言う。
「・・・新政府軍が負けるんだよ」
「なっ、何を言ってるの・・・!?」
私は、思わず口にしていた。
沖田さんも土方さんたちも、驚いたように少年を凝視していた。
「僕は、君たちにお願いがあって来たんだ」
いやな予感。
不思議な少年の事だ、何を言うかが怖い。
「・・・歴史を変えてほしい」
冷たい風が吹いた。
「なんで・・・?」
少年はニヤリとほくそ笑み、
「・・・それは教えない。やってくれないと・・・」
お母さんを抱きすくめる。
驚いたのは、当のお母さん。
少年はニヤリと、
「お前の母を手に掛けてやる」
「それは止めてっ・・」
お母さんが、叫んだ。
「夏音!歴史は、変えたらいけない!絶対に、よ!」
「あ〜もううるさいな。って事で、必ずやってくれる事を期待してるよ」
少年は指を、パチンと鳴らした。
そして消えた。