*プロローグ*
出逢えたら良かった。
でも。
「私たちは出逢ったらいけなかった。すぐに、もとの世に戻れ」
私たちは逢ったらダメだった。
彼は、そう言った。
まだタイムマシンに乗るってことは、もしかしたらこれがラストってこと?
だって最後辺りだよね!?
あと半分頑張って下さい🙇
>>952
ありがとう!
うん、最後のタイムスリップだと。
でも、大きな事件があったり・・・(*^-^*)
頑張ります!(書ききれるか不安)
23,Kのエピローグ
神様─────。
私、離れたくないの────。
私と、沖田さんを──────。
ねぇ、ちゃんと結ばれたいの。
愛しさも、恋も、全部知ったのに。
時の流れは、残酷に。
私たちを引き離す─────────。
あとがき
さてさて。
K完結です!
いろいろ伏線を張ってみました!
次作に繋げたいな〜とか、思いましたが、やめました。
やっと!
夏音の初恋が実りました!
作者としてもホッとしてます(笑)
嫉妬中の二人も可愛かったですよね〜。
さて、Lで今作は完結する予定ですが、いろいろ詰め込むかと。
場合により、詳しく触れられない事件等が、あるかもしれません。
Lのストーリーは!
激闘の有名な事件、二人の恋、そして最愛の人との別れ、咲さんとも別れる!?
仲間との永遠の別れ、等。
比較的悲しい話ばかりかもしれません。
Lで終わらなければ、Mへ。
(レスがあるかな・・・)
最後になりました、応援してくださった、アーヤさん。
いつも励みになります!
ありがとうございます!
そして、最後まで読んでくれたら嬉しいです。
では、Lで。
リリカ
リリカ〜!もうすぐだね!最近見れなくてごめんね!(´・ω・)
リリカのこの小説が終わったらゆっくり読ませて貰うね!
私は下手だけど頑張ってリリカみたいな小説を書けるように頑張る!
一生応援します!
by 瑞
『時を駆けて、初恋*します。』L
登場人物(Kと同じく、主要な人だけに限ります、新撰組は変わらずあのメンバーです)
城里 夏音
本作の主人公。
優しく、明るい。
沖田の恋人。
沖田 総司
新撰組の天才剣士。
優しいが、病気がちで・・・。
夏音の恋人。
土方 歳三
新撰組副長。
一見、意地悪だが根は、優しい。
夏音に想いを寄せる。
咲
新撰組隊士。
女だが、男装。
剣の腕が立ち、沖田に想いを寄せる。
ライバルだが、夏音と仲がよい(?)。
>>956
ありがとう!
瑞も頑張って〜←気楽な
・・・じゃなくて、いえいえ、ヒマなときでも(*´ω`*)
私、文才ないよ?
私こそ、瑞みたいな小説書きたいし!
ってことで、お互い頑張ろ〜←どういう事だ
1,私だって!
こんにちは(?)、城里夏音です!
私は、ただいま幕末におります。
新撰組の屯所にいるのだけど─────。
「私だって!役に立ちますよ!」
ただいま、鬼の副長こと、土方さんとバトルをしてる!
なぜか?
理由は簡単!
「んなあぶねぇとこに、女を行かせるかっ!」
倒幕を考える、浪士と戦うらしいけど・・・。役に立ちたいのが本心だ!
「私だけ、へなちょこなんだ・・・。へなちょこだから、出て行きます〜」
ちょっと嘘泣きをすれば、慌てたように土方さんが、
「わかった!考えておく」
と、言った。
ふんっ!
確定じゃないんだっ!
2,女だから!?
プンプン。
何よ、『考えておく』って。
私は、不機嫌にそっぽを向いた。
「・・・なんで、私は役に立っちゃいけないんですか??」
私だって、佐々木さんから教えてもらった、剣術がある。
多少────咲さんには劣るけど、役に立つのに。
「おまえ、女だろ」
憐れむように、土方さんが言う。
女だから!?
何それ!
差別だよ!
「女だから!?酷いです!」
思い切り非難すると、土方さんは溜め息を吐いた。
何?
「軟弱だろ、人を斬るんだぞ、俺らは」
そっかぁ・・・。
私は、ちょっと顔をうつむかせた。
でも、諦めてはないからね!
私もリリカさんの言葉が励みになります🙇
だけどこれからという切ない別れがやって来るのか悲しいって感じですね
>>961
ありがとう!
励みになっていたらすごい嬉しいです(*´ω`*)
めっちゃ切なくなる。゚(゚´ω`゚)゚。
いろんな人たちと別れるからね(T_T)
3,守られるだけじゃない
まだ諦めきってない、私を見て、土方さんはマジな顔になった。
「・・・斬るのと、稽古は違う」
そんなの。
「わかってますよ」
感覚とか、だいぶ違うだろうし。
また、土方さんは深い溜め息を吐いた。
「おまえ・・・血に染まったあとの、気持ちはわかるか?・・・決して楽しいとか、嬉しいとかの気持ちではないぞ」
そこだけ、悲しみが垣間見えた。
うろたえる私を見、土方さんは続ける。
「いつだったか、言ったよな。『人斬り』だと。・・・俺には、おまえが斬りたがってるように思える」
私・・・・斬りたがってるの・・・?
私も、役に立ちたいと願ったのに。
表向きは、『役に立ちたい』で、裏は、もしかしたら───────。
話を聞いていた、沖田さんが、
「斬られたら、それでお終いです。そんな残忍なこと、できますか?」
と、聞く。
ムリだ。
人の命を奪う、残酷なこと。
私は、しぶしぶ認めなければいけなかった。
「・・・ムリを言って、すいません。私、『みんなに守られるだけじゃない』って、認められたかったと思います・・・」
言ってるうちに、情けなくなった。
お梅さんのときには、みんなを避けたくせに。今になって、そんなことを言い出すとは。
「私、屯所を守ります。だから・・・」
私は、ちょっと微笑みながら、祈った。
どうか─────。
「みなさん、無事に戻ってくると約束して、戦ってくださいね」
私が一番、不安で仕方ない。
決行の日は、もうすぐだ。
「約束する」
「約束します」
沖田さんと、土方さんの声が重なった。
4,花ちゃんとお団子
決行の日まで、あと1日。
・・・にもかかわらず、私はのんびり。
散歩がてらに外を出ると、花ちゃんが。
「ん?どうした?」
花ちゃんは、こないだ土方さんに振られた女の子だ。
このあいだみたいな、ケバケバした化粧はしていない。
年相応で可愛らしい。
「あの・・・。あなたは?」
あぁ。
あのときは、女の子の姿をしてたからね。
名字で良いか。
「城里です」
花ちゃんが、ポオッと頬を染める。
熱かな?
「城里さん・・・。ちょ、ちょっと私とお団子食べに行きませんか?!」
花ちゃんが、言う。
お団子・・・久しぶりだなぁ・・・。
私は、にっこり微笑む。
「行く!あっ、私がおごるから」
途端、花ちゃんが照れたようにうつむく。
お団子、美味しいよね〜。
戦いで何か起こちゃうの!!??
966:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/21(日) 18:10 「お団子くださーい」
「あいよう」
ふぅ・・・。
お団子、楽しみ〜。
のどかな時間だな。
「花ちゃん、美味しいね〜」
ところが、花ちゃんはポオッと、
「・・・名前、教えましたっけ・・・?」
と、ちょっと不安な面もち。
そう言や、あのときは女の子姿だったっけ。
「い、いや。可愛いと有名だから」
花ちゃんは、赤くなってうつむいた。
おや・・・?
お団子、美味しいな〜。
「花ちゃんと食べてたら、さらに美味しいよ」
我ながらチャラい。
と、お団子を食べて、花ちゃんとまったりして、その日は終わった。
>>965
ありがとう!
けっこう危ない事件が起こるかも(*_*;
5,池田屋事件@
そして。
ついに、決行の日。
しっかりと鎖帷子に身を固めた、みんなを見ていた。
「ご武運を・・・」
密かにかけた願い。
緊張気味の私を見て、土方さんがニヤリと笑う。
「“野良猫”に負けないようにな」
むっかあ!
イライラ!
私は、思わず食ってかかる。
「何ですか!そんな言い方・・・」
と、いきなり土方さんに髪をクシャリとされた。
あぁっ、髪型が〜。
でも、安心させてるのがわかったから、にっこり笑った。
「わかりました!ですから、“野良猫”に負けない仕事ぶりをお願いします!」
ピクッと、土方さんの顔がひきつる。
ニヒヒ。
姿が見えない、沖田さんを心配したけど、私は信じて、みんなを見送った。
屯所に戻り、ちょっと暇を持て余す。
でも、みんなは真面目だし・・・。
私は、今朝もらった、浅葱色の隊服に身を包む。
「なかなか、似合うんじゃない〜?」
姿見がないのが、残念だけど。
私は、腰に刀を差す。
いっちょ前なサムライに見えるよね?
「むふふ。私も、手伝いたいなぁ・・・」
活躍を見たい。
そおっと屯所を抜け出そうと・・・。
「城里!どこ、行くんだ?」
げええっ!
まずい、よりによって面倒くさい隊士にバレるとは・・・。
「ど、どこも・・・」
隊士は、ニカッと笑った。
「茶を、飲もうぜ」
ふぅ・・・。
案外単純な奴で、助かった・・・。
私は、今度こそ屯所を抜け出して、京の町を走る。
6,池田屋事件A
はぁっ・・・はぁっ・・・。
めっちゃ走った。
息が上がって、苦しい。
なのに、みんなの姿が見えない。
「どこなの・・・??」
仕方ない。
至る所をすべて捜さないと。
ちょっと溜め息を吐いて、また走り出す。
と・・・。
「クソッ」
悪態をつきながら、走ってきた侍がいた。
抜刀していた。
血走った目が、私を見つける。
「・・・新撰組の仲間かぁ!」
えっ!?
私が、この隊服を着てるせい?
私は、迫ってくる男の間をすり抜け、男が走ってきた方へと駆け出した。
人をかき分け、辿り着いた先には・・・。
『池田屋』という、旅館(旅籠)。
キーンッと金属が交わる音。
「やーーーっ!」
叫んで、中に入り込む。
血の臭い。
私は、戦ってるみんなに迷惑をかけないように、二階へと向かう。
ビシャッ
頬に、垂れてきた血が、まとわりつく。
味方の血なのか、はたまた敵の血か。
もしくは、沖田さんのモノか・・・。
「やーーーっ!」
叫び、抜刀する。
今まで助けられてきた。
今は、今こそは、私も力になりたい────。
「夏音さん!?」
敵と向かい合っている、沖田さんが振り向く。私は、返事の代わりに、ズザッと斬り込む。
敵が倒れた。
それと同じく、私は敵に押され、階段から転がり落ちた。
「・・・っ!夏音さんっ・・・」
沖田さんの声が聞こえ、私は意識を失った。
7,池田屋事件B
再び目を開けると、荒い息遣いが聞こえる。
見上げれば、敵に押し倒されていた。
そして、敵の刀が光った・・・みたいに思えたけど。
実際、その刀の刃が、首に当てられていた。
「何・・・?!」
聞けば、名も知らぬ浪士がニヤリと笑った。
ゾッとする笑みだった。
「首を掻ききってやる・・・土産にな」
ええっ!?
と、驚く間もない。
ジワリと、血が出た気がする。
あぁっ、私は、ここで死んじゃうの────?
でも、私の中の、“ナニカ”が目覚めた。
怒りとか、そう言ったモノ・・・。
だから、土方さんの隊が、来たことも知らずに刀をヒュイッと敵に回す。
「・・・アンタなんかに、負けない」
自分でも、ゾッとする声色だった。
すうっと刀の刃を、敵の首へと当てる。
私の刀の刃を当てられた恐怖も、こいつはすぐ感じたみたい。
「お、おい・・・」
焦ったような、敵の声。
だんだん、身体が汗ばんできた。
でも、ここで情けなんかかけられない───。
「夏音さん!?」
沖田さんの驚いた声。
私は、ちょっと刀から力を抜いた。
「冥土の土産になるのは、そっちだから」
冷酷に言い放ち、刀をしまう。
敵は、青ざめて背中を向け、走り出した。
後ろを、斎藤さんが追う。
「大丈夫でしたか!?」
沖田さん・・・。
ん、なんとかね。
池田屋を出、あたりを見回して、愕然とした。
「これって・・・」
血だらけで、真っ赤。
そして、真っ赤に染まったみんなが戦っていた。
「おい、夏音。おまえは、先に戻れ」
いつの間にやら来た、土方さんに声をかけられた。
「わかりました」
今は、従った方が良さそうだ。
夏音って沖田さんと一緒ぐらいに、敵に回したら怖いってことだけだよ…
976:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/26(金) 21:13 >>975
ありがとう!
怒ったらヤバいからね(*_*;
敵に回したら、もうそこでアウト(笑)
8,組み紐と多色な布
ふうぁ・・・。
池田屋事件後の、昼。
そろそろ戻ってくるかな・・・。
「あの、布と組み紐を買いに行ってきて良いですか?」
私は、良いことを思いついて、山南さんに聞く。
「なぜ?」
んー。
山南さんになら、教えても良いかな。
私は、山南さんの耳元に口を寄せる。
伝えると、山南さんが微笑んだ。
「尚更、みんなが帰ってくるのを待ちましょう」
うん!
だって、今、不安だもの。
いつまで一緒にいられるのか。
それだったら、せめてみんなの想いを繋ぎ合わせたいの。
みんなが戻ってきたのは、昼の遅く。
血を浴びた、無敵のカッコイいみんなが。
「お帰りなさい!」
急いで、みんなのもとへ。
斎藤さんが、嬉しそうな顔でニコニコ。
「ただいま、夏音〜」
あっ、出迎えに気をよくしたの?
・・・それよりも!
私は、
「あの、ちょっとみんなで行きたいところがあるんです!今じゃなくて良いから、暇なとき、一緒に来てくれませんか??」
みんなと言っても、幹部だけど。
みんなは、にっこり笑った。
良かった〜。
そして、沖田さんを探す。
「顔色、大丈夫ですか!?」
だって、沖田さんの顔は真っ青だったの。
でも、沖田さんは凛々しく、
「大丈夫です」
と、答えた。
そして、私に聞いた。
「さっきの、提案って・・・?」
私は、笑って、
「みんなの想いを、多色な布と組み紐で結びあわせるんです」
沖田さんは、不可解そうに首を傾げた。
だよね。
でも、きっとその繋ぎ合わせて作った、鉢巻きは一生の宝物になると思う。
もうクライマックスが迫っているね
980:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/28(日) 06:22 >>979
ありがとう!
ほんと、クライマックスだよ(*^^*)
(そしてマジメに終わるか心配←)
コメント、いつもありがとう!
『思春期シンデレラ』頑張って(≧▽≦)
応援してます!
そして!
ついにその、暇なときが来た!
みんなで、布を買いに行く。
「ひとり一色選んでくださいね」
呼びかけて、咲さんに肩を叩かれる。
何?
「夏音は、この色だろ?」
手には、なぜか黒色!
ええっ!?
「咲さんらしく、ないですよっ!」
言い返すと、咲さんが驚いた。
そして、しぶしぶ布を変える。
よしよし。
私は、その間に組み紐を選ぶ。
「みんな、買えたみたいですよ」
沖田さんに言われ、私はまた、声をかける。
「じゃ、ちょっと私に貸してください」
みんなに、手渡された布の色をチェック。
紺色、藍色、山吹色、真紅に桜色。
同じ色が何色かあったけど、私的には満足だ。屯所に戻り、私は、裁縫道具を貸してもらう。
「何をするんだ?」
土方さんが聞くけど、私は笑って答えない。
部屋に行き、縫い合わせる。
針が、チクッと指に刺さった。
「いたっ」
あぁあ、舐めたら治るかな?
この時代に、絆創膏なんてないし。
代わりに、土方さんが水で冷やしてくれた。
「ありがとうございます!」
マジで喜んだら、土方さんがぶわっと赤くなった。
そして、ちまちま作業が続き、深夜。
「できたっ!」
ついに!
多色な布で、ちょっと長い鉢巻きができた。
ホントは、この時代でのみんなの優しさを信じようと作ったけどね。
宝物には変わりない。
喜んで、小躍りしてたら、
「・・・夜中に躍るヤツがいるか!」
と、眠りを妨げられ、不機嫌な土方さんに怒鳴られた。
仕方ないじゃん、嬉しかったもん。
────私は、ずうっと信じていた。
こんな和やかな、新選組を・・・。
悲しみと裏切りに包まれるまでは─────。
9,山南さん切腹
その日の、その朝。
屯所がうるさかった。
昼近くでも。
何でも、山南さんが脱走したらしい。
「ええっ!?そんなこと・・・!?」
あり得ない。
池田屋事件後に、鉢巻きのことについて話してたのに。
「俺もだ」
苦虫を200匹ぐらい噛み潰したような、渋い顔をした、土方さん。
信じてたのに・・・。
このままでいくと、切腹だ。
隊を脱走したら切腹が、ひとつの決まりだ。
「私、京に残っていないか、探してきます!」
ところが、土方さんは冷たく言い放った。
「おまえは、明里に話してこい」
明里さん??
誰だ、その人?
あっ、わかった。
「土方さんの好きな・・・イテッ!」
言い掛けて、頭を小突かれた。
痛い。
「バカか。山南さんの恋人だ」
へえっ!?
山南さん、恋人いたんだ!
びっくり。
「カッコイいし、優しいですもんね〜」
なんか納得。
土方さんに明里さんの居場所を聞き、支度をすると。
「山南さん・・・」
放心状態の沖田さんがいた。
何か言ってあげなきゃ、と思ったけど、土方さんの怒鳴り声が耳に飛び込んできた。
「はやく行け!!」
ひぃぃ!
私は、仕方なく屯所を飛び出したのだった。
切腹って山南さん斬られるの⁉️
984:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/28(日) 13:48 >>983
ありがとう!
うん、切腹という形でね…。
明里さんは、綺麗な女の人だった。
仕草とか優美で、美しい。
こりゃあ、山南さんが好きになるよね。
女の私でも、惚れ惚れしちゃうもの。
でも、私は山南さんが切腹すると、伝えないといけないんだ・・・。
「明里さん、ですね。俺、新選組隊士、城里です。実は・・・」
明里さんが、美しい仕草で、じいっと聞き入る。
私が、山南さんが脱走したこと、切腹しなくちゃいけないことを伝えると。
「あぁ・・・ぅっ、・・・嫌!!」
明里さんが、倒れ込む。
私は、とっさに明里さんを抱え込む。
泣き崩れた明里さんを、抱えて家まで送っていった。
「ありがとうございます・・・」
目が真っ赤になった、明里さんに見送られ、私は屯所に戻る。
暗い気持ちだった。
山南さんが、切腹しなくちゃなんて・・・。
いつだったか、土方さんに教えてもらった。
『切腹のときには、介錯をするヤツがいる』
介錯と言うのは、切腹した人が苦しまないように、首を斬り.落とす役目の人だ。
「ただいま・・・」
私は、暗い面もちで、帰った。
沖田さんに、なんか声をかけようかな。
しかし、沖田さんの姿が見えない。
斎藤さんに、聞くと。
「山南さんを、追って出掛けた」
とのこと。
山南さんが抵抗することは、ないと思うけど、無事に帰って来れますように。
どうか、山南さんが切腹しなくてすみますように。
私は、祈りながら部屋に戻った。
そんな祈りも虚しく。
ついに、山南さん切腹の日が、きてしまった。
あぁ・・・。
私は、涙をこらえてその光景を見ることとなった。
戒めるためだ。
脱走したら、どうなるか。
それを見せつけるため──────・・・。
「ひっく・・・」
まだ切腹してないのに、私は泣きじゃくってしまった。
皮肉にも、山南さんの介錯は沖田さんだ。
「夏音・・・」
斎藤さんが、私を抱きしめた。
それと同じくして、ジャッという、肉を切り裂く鈍い音と、何かが落ちた音がした。
「斎藤さんっっ・・・山南さんが・・・」
言葉にならないくらいの、悲しみが押し寄せてきた。
一番苦しいのは、他でもない。
沖田さんだ。
「・・・っ、ひっく・・・」
泣いていても生き返らないのに。
私は、悲しむのはこの事件だけで充分だと思っていた。
しかし、まだ裏切りと悲しみは終わってくれなかった。
誰か斬ったのか気になるけど、新撰組の皆じゃあないことを祈ります。
夏音は心が強くなって尊敬するよ、悲しいことなのにね…
頑張ってね
>>987
ありがとう!
ホントに、新選組と出会う前より、強くなったよね(*^^*)
アーヤも頑張ってね!!
10,藤堂さん討ち取られる
私は、山南さんがいなくなってしばらく、泣いて過ごしていた。
でも、思えば明里さんの苦しいハズだ。
「泣いてたらダメだ」
この先、誰かが死なないとも限らない。
ずうっと泣いてても埒があかない。
「よしっ、気分変えて沖田さんとデートでも!」
息巻いて、屯所を探すと。
えっと・・・。
沖田さんと、咲さんが向き合っていた。
いつになく、咲さんの顔が真面目だ。
ちょっと訝しげに見てると・・・。
「夏音、伊東さんの話、聞きませんか?」
藤堂さんに話しかけられた。
伊東さん・・・?
イマイチわかんない。
「ごめんなさい」
断って、私は食い入るように沖田さんと咲さんを見る。
だんだん気になってくるよクライマックス終盤が。
991:リリカ@恋歌◆Wg:2018/01/30(火) 17:56 >>990
ありがとう!
ホント、終盤だしね…。
スレで間に合わなくなったら、二弾としてスレ立てるね。
☆
どうやら、咲さんが告白してるみたい。
うん、邪魔しちゃ悪いよね。
「ごめんなさい」
沖田さんが、断った。
ホッとして、胸をなで下ろす。
それ以外、大したことは何ヶ月かなかった。
けれど────────・・・。
伊東さん率いるグループが、独立し、近藤さんを暗殺しようとしているらしい。
藤堂さんがそんなこと考えるわけない!
「絶対、違いますよ!」
私が、ずうっと否定していても、最後まで聞き入れられなかった。
そして・・・。
油小路で、伊東さんグループの藤堂さんが、討ち取られた。
「嘘だ!」
私は、グッと唇を噛んだ。
血が出るくらい。
そうしないと、泣いてしまうから・・・。
「どうか、もうみんなが死なないでほしい・・」
祈っても、無駄で。
ある人との、別れが刻一刻と近付いてきた。
11,さようなら咲さん
鳥羽・伏見の戦いで、新選組が駆り出された。
そんなにみんなを死なせたい幕府なら、滅びてしまえば良いのに・・・。
「行ってくるな、夏音」
咲さんが、男装して刀を持った。
なんだか、咲さんが帰って来ないような───・・・。
そして、私は沖田さんから重要な話を持ち掛けられた。
「これからは、土方さんについて行ってください」
それは、病気のせいなの?
それとも、私が嫌いなの・・・?
沖田さんが、顔を強ばらせた。
「私たちは、出逢ってはいけなかった。もとの世に戻れ」
えっ・・・。
沖田さんは、続ける。
「はやく。もう、二度と逢えるか不安ですけど・・・」
良かった。
私は、嫌われてなかった。
その夜。
訃報が入った。
ひとつは、原田さんが戦死したこと。
もうひとつは、咲さんも戦死したこと。
「これが、夏音宛てに・・・」
私は、届けられた手紙を開く。
達筆に、
『今までありがとう。会津に行くとしたら、私の妹、お雪に「生きて」と伝えてくれないか?それだけで良い。どうか、総司と幸せに。 咲』
と、書かれていた。
さようなら、咲さん─────。
まだ泣いちゃいけない。
私は、零れる涙を拭った。
12,別れと二つの死
しばらくして、私は蝦夷地に行くことになった。
もちろん、土方さんについて行ってね。
「寒そうですね!」
こんな場合だけど、私はニコッと笑った。
じゃないと、今までの悲しみが零れてしまうから・・・。
「だな、防寒をしろ」
だよね、防寒対策しないと!
私は、いつの日も一日一日を大切に、沖田さんと話していた。
手をつないだり、慈しみながら。
別れの日。
私は、少し泣いてしまった。
なぜか、もう二度と会えないような、戻って来れない気がするの・・・。
「大好きです」
二人して視線を絡ませて、キスして。
私は、泣く泣く沖田さんと別れ、蝦夷地へと向かった。
また二人戦死してしまったね…
沖田さんとの別れが辛いね。
あと少し頑張って下さい🙇
>>994
ありがとう!
ついに別れがね…。゚(゚´ω`゚)゚。
はいっ、頑張りま〜す!
はぁ・・・。
私は、蝦夷地に着いてから何度目かの溜め息を吐いた。
「安心しろ。便りも届いてる、だろう」
土方さんの言うとおりだけどさ・・・。
と・・・。
「副長!局長が!」
兵士が、ある手紙を渡した。
それに目を通した、土方さんが石化した。
「あぁ・・・」
私は、その手紙を奪い取って見た。
そこには、局長が処されたと・・・。
私は、目の前が暗くなるのがわかった。
その後。
慟哭する土方さんをなだめすかすのがひどく難しかった。
ひと月経った、頃か。
私に、最悪の悲報が入った。
「嘘でしょう・・・!?」
沖田さんが、亡くなった、と。
今度は私が泣きわめき、しばらく誰も手を着けられなかった。
心の一部が欠けたような気がして、ずうっとずうっと泣いた。
「俺は、戦う」
土方さんの決意を聞いて、私は心を決めた。
私だって、戦ってやる。
もう二度と、誰も死なないように───・・。
もう夏音と土方さんだけが残ったの?
斎藤さんはどうなったのか心配だね…
私も更新しました。
>>997
ありがとう!
斎藤さんは、生きてるよ(*^^*)
頑張ってね!!
※長レスかも
☆
13,戦死と気付いたキモチ
私は、鉢巻きを巻いて、刀を抜く。
艶やかに濡れたように光った、美しい刀身をスッと前に出す。
よしっ!
シミュレーションはばっちり。
「行ってきます!」
開戦とともに、私は走って敵を斬りつける。
飛び散る血飛沫に知らんぷりして、次の敵へとかかる。
ゾクゾクする喜びに、胸をおどらせてる自分に戸惑いながら。
何時間経ったのか。
私に、不幸の報せが入ってきた。
「嘘だっ!」
私は、なりふり構わず駆け出した。
着いた先に、斎藤さんの姿が見えた。
顔を綻ばせる暇なく、私は横たわってる土方さんに寄る。
「土方さんっっ!死なないでくださいよっ!」
青白い顔が、いや、そのまぶたが震えた。
僅かに目が開いた。
「・・・すまない・・・」
今は、謝る場合じゃないよ!
私は、必死に止血する。
もう間に合わないと知っていても。
土方さんが、私に向けて、
「・・・俺は、・・・夏音が・・・好きだ・・・」
ああっ!
そんな言葉は、生き抜いてから言ってよ!
私は、涙がこぼれるのも構わず、体を揺する。
「・・・生きろ」
それだけ聞こえて、今度こそ土方さんはまぶたを開けなくなった。
次第に、息すらしなくなって────・・・。
「ああっ!・・・嘘よ!!」
みんな、死んじゃった。
私は、慟哭した。
そして、やっと気付いた。
私、たぶん心のどこかで恋愛感情に似た、感情で土方さんが好きだったんだね・・・。
もう、このキモチは伝えられない。
私は、むせび泣いた。
14,時空のはざまで愛を囁いて
ふいっと、誰かが私の前にたつ。
水干姿の、黒髪の男の子。
「君のお母さんが作った、マシーンは壊れたよ。だから、君も帰るんだ」
帰るの・・・?
その子は、ニコリと笑った。
「最後に、時空を結んであげる。沖田総司に挨拶しにいきなよ」
私の視界が揺らいで、目の前に、沖田さんが!恐らく、元気な頃の。
「約150年後に、また逢いましょうよ、沖田さん!」
声がかれても良い。
私は、離れ離れになるのを覚悟し、叫ぶ。
沖田さんが、ふわっと微笑んだ。
「約束ですね。愛してます」
そして、私たちは時空のはざまで愛を囁いた。
15,約束とエピローグ
私は、家の中にいた。
お母さんがいて、いつものように実験室から叫んだり。
そんな、日常の切れ端が見える。
「お母さん・・・マシーンは?」
お母さんは、笑った。
そのお腹は、少し膨らんでる。
「壊れた。直るまで、数年かかるわね」
私は、泣きたいようなそれでいて、笑いたいようなキモチになった。
ちゃんと、約束したよね。
未来(イマ)でまた巡り逢うって・・・。
私は、確かに時を駆けて、初恋*した。
ううん、初恋*したんだよ、絶対に。
時を駆けて、初恋*します。
永遠に、あなたと巡り逢うそのときまで、そのときから───────・・・。
私が再び、沖田さんと巡り逢うのは二年後・・・。
『時を駆けて、初恋*します。』end
あとがき
はいっ!
リリカです。
なんと!
祝!『時を駆けて、初恋*します。』が完結しました!
始まってから約5ヵ月。
いろんな方からの、コメントでここまで来れました。
最後のほう、めちゃくちゃかもしれません、自分で書いといてですね!
私的に、すごくうれしいです!
実は、この後の話を、短編小説板で書こうかと考えてます。
良ければ、そちらも(*^^*)
*thanks*
アーヤ
(いろいろコメントくれてありがとね!励みになったよ(*´ω`*))
ろぉ様
(的確なコメントありがとうございます!また、新選組トークしてみたいです(´V`)♪)
瑞
(コメントありがとう!瑞の小説、大好きだよ〜!)
梨子
(コメントありがとね!私も、梨子の文章に憧れてるよ(*^o^*))
むぅ
(コメントありがとね!むぅ、これからも仲良くしようね(´V`)♪)
他にも、読んでくださった方々、ありがとうございました!
>>1000は、感想などで埋めてくださって結構です。
※荒らし厳禁!!!
では、新作で会いましょう。
皆さんすごいですね!
1001:1001:Over 1000 Thread このスレッドは1000を超えました。
もう書けないので、新しいスレッドを立ててください。