「【俺の家】って言ってもさ。【鬼丸家】なんだよ。」
テンションの低かった理由はこれか、とクロノは納得した。
カズマの家は、いろいろと複雑らしい。....というのはカズミ、というかシラヌイに聞いたレベルの事しかわからないが。
「【鬼丸家】って....鬼丸さんの?」
クロノは、わかりきったことを聞いた。
「ああ。......前にさ、お前が見舞いに来てくれたときに、....お父様が来ただろ。」
「そうだな」と相槌を打ちつつ、先ほどの夢のことを思い返す。
....これは夢の続きなのだが、あのあと流石に部外者のクロノが居座ったら困るだろうと、【お父様】と入れ替わりに病室をでたのだ。
だから、あのあとカズマが何を話し合っていたのかクロノは知らなかった。
「クロノが出て行った後に、俺、お父様に謝られて、鬼丸家に一回帰ってこいって言われたんだよ。」
カズマは、複雑そうな顔をして俯いた。
カズミは....シラヌイは、あの時確か「カズマの価値は一族の誰にも認められなかった」だとか言っていた。
今更謝られて、帰ってこいだなんて、カズマも複雑な気持ちなのだろう。
「でも、そんな大事な場面に俺なんかが行っていいのか?しかも、保健のノートを写しに。」
真剣な顔つきでクロノが言うと、カズマはふっと微笑んだ。
「大丈夫だ。【一回帰ってこい】といっても、そうお堅いものじゃないらしい。」
そんなものか、とクロノが首をかしげる。
「それに、お前なら....」
小さくカズマが呟く。それがあんまりにも微かな声だったので聞き逃してしまった。
「ん?なんだ?」
無神経にもクロノが聞き返すと、カズマは一瞬で顔を真っ赤にして、「なんでもねぇよ!!」と叫んだ。
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【その言葉に意味があるなら】
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