王の帰還か、新たなる世界の幕開けか
その真実を知るものは、造り上げるものは、それは誰なのか知られていない。
( …終わり告げるは森のことごとく されど…
長い間燻らせた情愛…、堅さや真面目を上書き
蹂躙に悦びを思わせる程の愛への欲求へと
…改めて付いた火は止まりようがない その上__)
「 …貴女は私に __跡を何度も付けました
所有し、隷属させ、肌を重ねる。…そういう印を 」
[くるり …]
( 清掃員を回して向かい合わせる
__窓から差し込む月の光を背に受けて
…身を寄せ合うので、…見下ろして )
[ぐいっ…] [ぼすん]
___ベッドへ押し倒し …床ドンで逃げ場を奪う
「 …貴女と、…私は互いに同じく
…所有しあう仲となった以上、は… 」
____顎を…上げさせ、軽く唇を奪って
[んむ __ゅ …はぁ]
「 …私とて 貴女にふたつみっつ
__刻まなければ気が済みません …
___貴女を… 」
『所有して』___頬から首へ…
『隷属して』___首から下腹部へ
『…愛しあう』___太股へ …ゆっくりと撫で下ろし
( __月の光は、差し込み 妖しく白黒の輪郭を
揺らめかせるように輝く …鋭く眼が、後輩を見て
…乱れの続きを求めるような __視線が注ぐ )
「 『私のもの』と示す …私の、証を 」
「 へ、あ ...に、ニャルせンぱい? ...そ、その
言いようのない圧があると言いまスか ..ひッ!?
お、お待ちを ...ンむッ、ふ ...ゥううッ ..! 」
( 体格差、力の関係上 ...この状況を打開する事は出来ず
何度もこの距離は体験しているはずなのに ...何故か心の緊張が止まらずにいて ...顎、無理矢理上げさせられて奪われれば ... )
___心はもう、既に染まり始めていて ...
流れる様な一連の動作 ... ...注がれる視線に
自分のした事の重大さと ...責任の処罰に ..白黒を受け入れるしか選択は無かった。
「 ...良い、でスよ 」
( そんな視線耐えられる訳が無いと言わんばかりに
つい視線を逸らして ...静かに頷いて )
「 ...首でも、太腿でも、何処でも ...ニャル先輩の
その証を刻み込んで下さい ...これは何方かと言うならば、お願いでス ...ね? 」
( 決して罪悪感を残さない様に ... ...そして、心残りを無くす為に ...続きを最後まで、させてあげる )
..やっぱり恥ずかしくて、顔はじわじわと恥ずかしくなって ... ...やるなら早くして欲しいと、視線が来る
「 …生物に於ける、異性へのマーキング
痕を付け、所有を示す事 …それは決して
珍しい事ではないのでしょうけれど…
…それは伴侶であること、所有する…
自分の異性だと主張してしまえるもの。
___1980年代著作"マーカー"にはこうあります 」
( …ベッドへ運び、身に纏う布を …手順を遵守し
丁寧に外して 焼け色の薄い肌を露にする最中に
眼の冴えた白黒は __言葉と …撫でで怯えを嗜める )
____ひととおりを …桃色に染まりはじめた
部屋の空気に晒して終え … 身を寄せれば…
[するり]"…首すじは命の所有を示し"
[むに…]"胸元の牙痕を許すは、与える者"
[さわ…]"太股に走った噛み傷は逃がさぬ意思"
___…
( …口で示した体の部分を撫で __緊張を感じ
抵抗の余韻もない、…後輩にキスをして …緩めて… )
「 …力を抜きなさい ___それとも …先に
骨を抜いてしまいたいのですか? … 」
____声はとても近く …先程のお返しのように
[ ぴくっ ] ( ...撫でられれば僅かに跳ねて
...それ以上に、優しい暖かさに
....心を許せば、口が緩む )
....一つ一つ、説明される度に
羞恥を全身が包む ...それ以上に嬉と言うものが
___表情から分かるほど、伝わって
お揃いとまではいかずとも、つけられ続けたその痕に
...不変の愛を、心に響かせる...とても、幸せだと
自覚をして ...先輩後輩と言う肩書きは変わらずとも、態度は軟化して
「 ...骨抜きにされるのも、悪く無いかも
しれないでス ...ね? ...ふふ 」
( ...もちろん、言葉で作った偽装の余裕
...既に体の力はゆっくりと抜かれていて、寝具に体を休め置き ...細い両腕を広げる )
「 大丈夫でスよ、ニャル先輩の全て ...ぜ〜ンぶ
受け入れられまスから ...ね! 」
__するりと、健康的な肌を撫で ...薄い黒に、橙色を混ぜた様な ...明光な瞳を、白黒へと負ける
[きゅ]「…理論や思想は、思考に理解を与えますが」
「 …何より貴女と、こうして… 添い遂げる意志と
誓う証を刻める事… 何よりの真実が、そうなのが
とても喜ばしく思えます __それも… "この地" で 」
…残り物は、数多い。…"思い出"という優しく
時の流れを残酷に彩る正邪の鎖。…今でさえ
目に見えぬ灰色の記憶に … 恐怖は甦る
__…孤独の永遠を覚悟さえも 諦め、…受け入れた時間(とき)
…今は、…いや __その時から、…私は恵まれた
(…目を閉じれば、からかい混じりに微笑む顔が浮かぶ
__意地悪で、悪戯好きで、…諦めの悪い魔人の顔。
…恨んだことさえある ___けれど 今は…)
____何よりも…
( …回した腕で背中を抱いて __小さな肩に顎を乗せ
身体と身体を寄せ合い、存在の全てを感じる …
____あなたと巡り会って …心がやっと
…求めてる静穏に安心と 希望に溢れた )
___わたしが任せようとしているのは…
…本当に、わたしの全て。__小さな体に
受け入れきれるか不安になりそうな程の…
…愛、思い、心、…関係性 人として …その全て。
( 迷いなく …涙も流さず。__あなたを抱き締める )
「 …ミェン
___ありがとう…ございますね 」
( …抱き締めて、顔を見合わせて )
___あなたに会えて …本当によかった
(…唇を重ねて __不純に、乱れて
それでも …愛は静かに美しく__
…時は、明日まで流れていった)
.......しっかりとした愛で全身が覆われる感覚に ...
嬉しさや恥ずかしさよりも ...誇らしさを感じ
ただ、静かに抱き締め返す ...決意を持ち
「 ...そンな事、私の告白でス、ぜ〜〜〜ンぶ!
私を共にこうして ...大事な場所で ...しッかりと、気持ちを確認しあえて、時間を過ごせるンでスから!
でスからこれからも ...私の希望でいて下さい
私も、ニャル先輩の ...光で有り続けまス、から!
_思い出はどンどン上書きして、忘れさせませン! 」
救われたのは互いに同じ ...だから、それ相応の
安心を、希望を、想いを ...秘めた夢も
口付けと共に、全部流し込む ...
( そうして、吹いた風は ...森に溢れて
幸せとなりて駆け巡る ...止まらない、愛を捧ぎ
決して終わる事の無い二人の時間を紡いでいく___ )
また、日が昇る
しかしその日は ...前よりも明るく見えた