お悩み相談委員会!

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1:リリカ@恋歌◆JA:2017/07/19(水) 19:15

書き方が、多少似たりするかも(恐らく)。

prologue

誰かを助けたい!
それが、私の夢。
その夢を叶えるため、今日もがんばるの!

2:リリカ@恋歌◆JA:2017/07/19(水) 19:27

1,お悩み相談委員会、発足

玉井七瀬、どうってことない、小学6年生。
今は、委員会のPRタイム。
5年生が新しく入るから、是非とも我が委員会に!ってやつ。

「七瀬、だいじょーぶ?」

親友の、玉来心海が聞く。
うん、昨日も練習したから、

「全然だいじょーぶ!それより、心海、我が委員会に入ってくれない?」

心海はすまなさそうに、(でもホッとしたような)

「ごめん、体育委員会に入ったから、ムリ」

・・・・・全然、傷ついてないからね!
でも、何故か目から雫が。
ハァァ!
自信が無くなってくる!
がんばるんだ、私!
やればできる!

「では、続いて、お悩み相談委員会からの、PRタイムです」

司会が、淡々と言う。
緊張する。
5年生全員の、視線が集中。

「お悩み相談委員会、委員長になった、玉井七瀬です。お悩み相談委員会は、一昨年ありましたが、去年は無かったので、今年新しく、発足しました。主な活動は、皆の学校生活の悩みを解決する事です。是非、入ってください!」

言えた!
パチパチ
拍手が送られた。
あぁあ!
誰か入ってくれると良いなぁ!

3:リリカ@恋歌◆JA:2017/07/19(水) 21:24

「良かったじゃん、PRタイム」

心海が、ニコッとと笑って褒めてくれた。
良かった!
あんなに練習して!
でも、ドキドキなのは、5年生が入ってくれるか!
6年は、私だけだし・・・・。
あっ、でも、まだ委員会に入ってない6年もいるから、積極的に行こう!

2,メンバー探し!

うーむ、誰に頼もう?
恋愛のスペシャリストとか、いたら役に立ちそうなのに。

「ちょっと、退いてよね?」

悩みながら、廊下を歩いていたら。
後ろから、声をかけられた。
えっと・・・誰?

「あの、誰、ですか?」

後ろにいたのは、ポニーテールの切れ長の目が特徴的な女子。
女子は、あきれたように、溜め息を吐く。

「高橋こばと。知らなかったの、6年間も」

高橋こばとは、苛々と、

「退いてよね、私忙しいんだから」

「あ、あの!」

このチャンスは、逃せない!

「高橋こばとは、委員会入ってない?」

高橋こばとは、ハァ?と頭に疑問符を付けて、

「何勝手に呼び捨て・・・入ってないわよ?」

と、答えた。
よっしゃぁあ!
キターーーー!

「あの!お悩み相談委員会に、入ってくれない?」

4:リリカ@恋歌◆JA:2017/07/20(木) 20:18

「何それ・・・・あぁ!今日のPRタイムでやってた、あれ?」

良かった!
高橋こばとの記憶に残ってた!
高橋こばとは、あきれたような溜め息を吐く。

「生憎、私は小説書いてるの。だから・・・あっ!」

「小説??」

高橋こばとは、気まずそうに、

「今、聞いてないことにしてくんない?」

私は、ニコォと笑って、

「秘密にしてあげるから、その小説、見せてくれない??」

5:リリカ@恋歌◆JA:2017/07/21(金) 15:14

高橋こばとは、眉をひそめ、

「なんで、あんたに見せなきゃなんないの?」

ううう!
言われるのを覚悟してたけど、言葉の暴力だーーー!
私は、気を取り直して、

「じゃあ、良いんだ。みんなー!高橋こばとは、小説書いて・・・ムガムガ」

高橋こばとに、口を塞がれる。
でも、こんな事で諦めないもんねー!

「みんなー!・・・・フガムガ」

高橋こばとが、私の耳に囁く。

「あんた、何言ってんのよ!」

私は、ニヤリと笑う。

「見せてくれないと、言うからね?」

高橋こばとは、頭をかきむしってから、

「あーもう!見せれば良いんでしょ!?」

と、手に持っていたノートを私に押し付ける。
ノートは、四つ葉のクローバーが描かれていて、表紙には、『小説ノート♪』と、可愛く書かれていた。

「取り敢えず!今日の授業終わるまでに読んでおいてよ!?」

高橋こばとは言い捨てて、廊下をノシノシと歩いて行った。
ムフフ♪♪
あっさりゲット!
教室に向かって歩きながら、ノートを開けると。
丁寧な文字が、沢山書かれている。
第一話しか読めなかったけど、主人公の気持ちや、綺麗な喩えや文が魅力的だった。
私は、改めて決心した!

「絶対、高橋こばとをお悩み相談委員会に入れるぞ!」

6:まい◆8Q:2017/07/21(金) 15:53

またまたリリカ先生!
新しい作品おめでとうございます。
リリカ先生は、題名で人の心を小説へ引き込む力、原動力があります。
わたしも、こちらの作品も応援しております。

               まい

7:燕人@猿人ではない◆8s:2017/07/21(金) 16:59

ほう、題名に拘りが見える。
私も題名にもうちょっと拘りをいれようかな。
とりあえず読ませていただいた。
頑張ってくれ。以上です。

8:リリカ@恋歌◆JA:2017/07/21(金) 17:25

>>6
ありがとうございます!!!!!!!!!!!
明スイも、応援しています!

>>7
ありがとうございます!!!!!!!!!!!

9:リリカ@恋歌◆JA:2017/07/21(金) 18:04

3,小説を書くのは

高橋こばと(長いから、こばとでいいやっ!)は、かなり文才がある。
小説をあまり読まない私がそう思うのだから、みんなが読んだら、驚くだろうなぁ。
主人公と幼なじみ、恋人との永遠の別れ、そして新しい出会い。
引き込まれるような、共感する物語。
こばとは、天才作家かも!
他にも、パラパラとページをめくると。
キャラクターの設定が書かれている、ページが。
うわぁ・・・・。
そのキャラクターの性格や特徴、家族構成まで事細かく書いてあって、すごい。
もう、コレは・・・・・。
恋愛のスペシャリストと言っても、過言じゃないっ!
読み過ぎて、授業中という事を忘れてしまう。

「玉井!玉井!」

桂木先生の声で、ハッとした。
隣の席の、心海が顔を寄せてきて、

「何、真剣に読んでるの?」

聞いてきたから、慌ててノートを閉じる。
このまま読んでたら、国語の成績が下がってしまう!
それだけは、イヤだ。
今年は、授業も委員会も、成功させるって、決めたんだから!
慌てて、授業の国語ノートを出す。
えっと・・・・今は、どこまで行ったっけ?

キーンコーンカーンコーン

ノートを開けて、鉛筆を出した時、チャイムが鳴って、授業が終わった。
うわーーーーーー!
絶対、成績下がったよ!
軽いショックを受け、ヨロヨロと立ち上がる。

「これで、4限の国語を終わります。礼!」

当番が声をかけて、私も仕方なく礼をする。

「七瀬、ポジティブに行こうっ?」

心海が私を励ます。
嬉しいけど・・・・。
はぁ、今まであんなに授業すっぽかした事、無かったのでかなり考えがおぼつかない。

「それよりも、七瀬。今日、給食当番だよ?」

ええっ!?
更にイヤだ。

10:リリカ@恋歌◆JA:2017/07/21(金) 21:06

まぁ、不幸中の幸いというか、今日の給食は、カレー。
私、給食の中でもカレーが好きなんだよね!
しかも、ルーを盛る係だから尚更嬉しい。

「親友サービスで、盛ってくれない?」

心海がヘンな事を言う。
もう!

「そんなのやったら、男子に怒られるし!公平じゃないから、ダメね」

真面目に切り返したら、心海は泣き真似をして、

「七瀬チャンは、マジメなんだからぁ〜」

と、おばさん口調で言った。
私って、意外にもマジメなんだぁ・・・・。

11:まい◆8Q:2017/07/22(土) 13:17

明スイ知ってるんですか!?
お目にかかってくださり、ありがとうございます!
応援してますので、最高傑作を頑張って書いてください!!

12:リリカ@恋歌◆JA:2017/07/23(日) 14:47

>>11 最高傑作・・!?いえいえ。明スイも、頑張ってください!(^^)!

>>10

カレーって、どうしてこんなに美味しいの!?
そうだ!
今日、美矢子さんに頼んで、カレー作ってもらおうっと!
美味しすぎて、食べ終わるのがはやくなってしまった。
おかわり、どうしよう?
うーむ・・・しないでおこう。
美矢子さんに作ってもらったのを、おかわりしよーっと!
昼休みになり。
よし!
こばとの小説を読もう。
でも、教室はうるさいし・・・・。
図書室に行こうっと。
図書室は静かで、落ち着く。
こばとの小説は、綺麗な文や揶揄が上手だ。
今まで、こんな名作読んだことないってくらい。
読んでいると。

「どう?私の小説は?」

肩をたたかれ、振り向くと、こばとが居た。

「わっ!?こばとー!なんで、此処に??」

こばとは肩をすくめて、

「私、学校では何時も此処で小説書いてるの。家だったら、妹のみことがうるさくて、集中出来ないから」

「えっ、妹がいるの!?」

「ええ、そうよ」

ここ一番の衝撃だ。
私は、こばとに気になっている事を聞く。

「ねえ、こばとにとって、小説を書くのは、どうなの?楽しいの?」

13:リリカ@恋歌◆JA:2017/07/23(日) 18:06

こばとは、肩をすくめて、

「どうなんだろ。私自身、分かんない。暇つぶしなだけ、かもしれない。でもまぁ、楽しいし」

と、答えた。
へぇ。
好き、とかじゃないんだ。
意外。
こばとは、話を変えるように、

「それより、今日アンタんち────そういやアンタ、誰?」

「私は、玉井七瀬!六年間、一緒にならなかったよね?」

うん、そうだ。
私は、こばとと一緒になった記憶がない。

「じゃ、七瀬ね。今日、七瀬の家行っていい?」

「んー?美矢子さんに聞かなきゃ。多分、だいじょーぶ」

こばとは、不思議そうに、

「美矢子さんって?」

と、聞く。
まぁ、そりゃそうだよね。

「私のお母さん」

「何で、美矢子さん呼びなの?」

私は、気にしてないように笑って答える。

「私、小さい頃、お母さんが病気で死んじゃって、お母さんの親戚は居なかったから、養母を探してたらしくて。で、美矢子さんが私を引き取ってくれたの」

「あ・・・・・・ごめん、そんな事聞いて」

「良いよ、別に。気にしてないし」

ホントは、気にしてるけど。
こばとは、すまなさそうに私の顔をのぞき込む。
まあコレも、私の過去を知った人達のフツーの反応。
私が、友達連れてくるって知ったら、美矢子さん喜ぶかな?
今まで、家に友達連れて帰ってきたことも、家で遊んだことも、一度もない。
私自身、コンプレックスだったし、バレて何か言われたくなかったから、連れてきてない。
なのに、こばとは家に招きたいって、思ったんだろう?
不思議。

14:まい◆8Q:2017/07/24(月) 14:12

こばとさんと仲良くなりたいのかな、七瀬ちゃん。
ファイトです!

15:リリカ@恋歌◆JA:2017/07/24(月) 14:47

>>14 ありがとう!!!!!

>>13

「七瀬、どの話がおもしろかった?」

と、緊張した面もちで、こばとが聞く。
どれって・・・・。
どれもおもしろいから、決めれないような。

「えっとね、『窓越しの冬恋』かな」

こばとは、ホッとした顔になって、

「良かったぁ。私にとっても、ソレ自信作なんだよね」

と、ノートを開く。
鉛筆を出して、こばとは一文に斜線を引く。

「ええっ!?」

驚く私をよそに、こばとはなにかを書き込む。
そして、笑った。

「誤字があったから、直したの」

へぇぇぇ・・・・!!
でもでも、一瞬で分かるって、スゴイ!
こばとの才能だね!
こばとと話していたら。

キーンコーンカーンコーン

掃除の時間を教える、チャイムが鳴った。

「じゃあ、放課後ね!」

こばとと約束して、掃除場へ向かった。

16:リリカ@恋歌◆JA:2017/07/25(火) 14:02

4,生意気な年下

私の掃除場は、1F体。
ホントは、一階体育館なんだけど、みんな略して1F体って呼んでいる。
あっ、1年生が鉄棒で遊んでる!
班長として、しっかりしなきゃ!

「ちょっと、野村さん!?鉄棒で遊んじゃダメだよ?」

1年生は、こっちをクルッと見て、

「でも、5年生も遊んでるよ。みんな遊んでるから、良いんじゃないの?」

えっ!?
嘘でしょ!?
ゆっくり振り向くと。
5年の、堺田湊が平均台に立って、遊んでいる。
ムムム・・・・!

「堺田!?何やってんの!!1年生がマネするじゃない!」

怒鳴ったら、堺田はニヤニヤ笑いながら、

「班長来るのがおせーんだろ?バカ班長!」

むっきぃーーー!
いや、ここでムキになったらだめだ。
堺田の良いようになっちゃう。

「あっそう、じゃ、先生に言うからね」

男子が嫌がる、“先生”の単語を出す。
よし、これで堺田も止めてくれるよね。
堺田はやっぱり、ニヨニヨと笑って、

「そーすれば?チクリ魔班長〜」

私も、反撃する。

「じゃあ、させてもらうわね。青田先生に言うから」

流石に、堺田も慌てた。
なぜって?
青田先生は、この学校で一番声が大きくて、しかも超コワい事で有名。
先生に叱られたから、不登校の生徒も居るとか居ないとか。

「青田はやめろよ!」

形勢逆転!
私は、ニコッと笑って、

「やめてあげても、いいよ?堺田がもう、遊ばないって約束するならね」

堺田は、コクコクとうなずく。
よし。
これでもう、遊ぶ人は居なくなるはず!
ポンッと、誰かの手が私の肩をたたく。

「えっ、誰?・・・・・河野」

そこには、般若のような顔をした、副班長の河野が居た。

「玉井・・・静かにしろよ、静かにしなかったら、玉井と堺田、一緒に青田先生にチクってやるからな」

私と堺田は、一緒に、

「ごめんなさい!河野様!」

と、平伏した。
河野の顔が、ピクッとした気がする。
知らないふりして、いそいそと雑巾をバケツに放り込む。
ある意味、この掃除場で最強なのは、河野なのかもしれない。

17:リリカ@恋歌◆JA:2017/07/25(火) 15:27

5,私の家

掃除も終わり、5限もあっという間に終わった。
今日は、先生たちが研修とかで、5限で終わり。
いつもなら、6限だから、超絶ラッキー♪

「七瀬、今日遊べる?」

心海が聞いてくる。
うーん、今日は被っちゃったなぁ。

「ごめん、今日は被っちゃったから、むり」

18:リリカ@恋歌◆JA:2017/07/25(火) 19:52

心海は、嫌な顔せず、

「そうなんだ!じゃあ、今度ね」

心海と約束して、こばとのクラスに行く。
6ー1は、まだ終わりの会前。
教室前に置いてある、学級文庫を手に取ろうとして、こばとのノートを持ってるのを思い出した。
こばとの小説の方が、おもしろい。
こばとって、意外と短編小説や、切ない純愛系の小説を書いているんだ。
私じゃ、書けない。
ちょっと読んでいると。

「七瀬。・・・って、また読んでる?」

「あっ・・こばと〜!!」

いつの間にか、終わりの会は終わっていて、廊下は生徒たちでごった返している。
みんな、中央階段使うし・・・・。

「ね、こばと。西階段から行こうよ!」

こばとは、うなずく。
西階段は、薄暗くてあまり(急いでる人以外)使われていない。
ちょっと怖いけど、はやく家に着きたいし。
背に腹は代えられぬ!
こばとと、雑談をしながら、玄関に着く。
1〜6年が玄関に居るから、かなり暑い。

「こばと・・・・行くよっ!」

こばとの手を取って、生徒の間をすり抜けていく。

19:まい◆8Q:2017/07/26(水) 08:15

楽しみですっ!
頑張ってください。

20:リリカ@恋歌◆JA:2017/07/26(水) 17:35

>>19 ありがとうございます!
これからも、がんばります!

>>18

すり抜けていくと。

「うわぁーん!」

えっ!
泣いてる子!?
1年生みたい。
こばとが、かがんで、

「どうしたの?」

と、聞く。
女の子は、ポロポロと泣きじゃくりながら、

「あたしの靴、取れないの」

こばとは、ニコッと笑って、

「お姉ちゃんが取ってくるから、待っててね。あなた、なんて名前?」

「堺田心音・・・」

えっ!?
堺田!
堺田って、あの私が注意した、堺田だよね?
こばとは、機敏に、1年生の下駄箱に駆け込む。
しばらくして。

「ハイッ、心音ちゃん。この靴だよね?」

心音ちゃんは泣き止んで、ニコッと笑った。

「ありがとう、お姉ちゃん」

その光景を見て、思ったんだ。
やっぱり、こばとをお悩み相談委員会に入れたいって。

21:リリカ@恋歌◆JA:2017/07/26(水) 18:04

心音ちゃんと別れ、自分達の靴を取って履く。
玄関の外には、夕日が輝いていて、とても綺麗。
こばとが履いたのを見て、外に出る。

「七瀬の家って、どっち方向?」

と、こばとが橋の方をさして聞く。

「宝津橋の右側の方かな・・・・」

こばとが驚いて、

「そうなんだ。うちは、左側なんだ」

「反対だねっ!」

こばとと、宝津橋の右側を歩く。
右側は、コンクリートだけど、石とかでボコボコしてる。
その点、左側はコンクリート。
自転車とか、通りやすそう・・・・。

「七瀬、家ってこの角、曲がるの?」

こばとの声にハッとした。

「ううん。このまま、まっすぐ進めば、家だよ」

鹿野塚公園を通って、まっすぐ行くと、赤レンガが特徴的な、家があって、それが私の家。
こばとが、うらやましそうに、

「良いなぁ・・・。綺麗な家」

美矢子さん、ほめられたよ!
私が引き取られたとき、建てられたとか美矢子さんは言っている。
美矢子さん、めっちゃセンスある!

22:リリカ@恋歌◆JA:2017/07/26(水) 20:10

「美矢子さん、ただいま〜」

「お邪魔します」

玄関のドアを開けると、ニコニコと笑っている、美矢子さんがいた。
何時もの事だけど、この美矢子さんの笑顔を見ると、とてもホッとした気持ちになるんだ。

「おかえり、七瀬。・・・あら、お友達?」

私は、とても誇らしい気持ちになって、自信満々に、

「うん!友達の、こばと。今日、家で遊んでもいい?」

美矢子さんは、ふんわりと笑って、

「ええ、良いわよ。七瀬が友達と帰ってくるって、初めてね」

と、感動したように言う。
えへへ。
ちょっと照れくさい。
照れくさくなって、こばとに、

「さぁさ、上がってよ」

と、急かす。

23:まい◆8Q:2017/07/26(水) 20:33

美矢子さん優しいね!
わたしも、七瀬ちゃんの家にお邪魔してみたい!
その時は、こばとさんも一緒に!

24:リリカ@恋歌◆JA:2017/07/26(水) 20:53

>>23 ありがとう!!!!!
私も、行ってみたいかも・・
(作者以外は、ぜひきてね!by七瀬)
作者以外・・・・ひどい。
とまあ、明スイ、レインボーハッピー、頑張ってください!

25:まい◆8Q:2017/07/26(水) 20:55

リリカ先生、ありがとうございます!
(七瀬ちゃん、リリカ先生も行っていいですか?        byまい)
提案です。
明スイと、お悩み相談委員会!コラボしてみませんか?
嫌なら言ってくれて構いません。

26:リリカ@恋歌◆JA:2017/07/26(水) 21:12

私の部屋は、そんなに広くなくて、本棚とクローゼット、ベッドくらいしかない。
けど、こばとは目を見張って、

「うわぁ、広い!本も、たくさんあって、良いなぁ・・・」

ええっ!?
そうかなぁ。

「私なんて、文乃姉ちゃんと一緒の部屋だし、自分の領地も少ないから、うらやましい!」

お姉ちゃんがいるって、うらやましいけど、大変なんだね。

「まあ、座ってよ」

こばとと、絨毯に座り込む。
こばとは、真面目に聞く。

「・・・で?」

今度は、私が聞いてしまう。

「で?って、何?」

こばとは、焦れったそうに、

「だから、なんで私をお悩み相談委員会に入れようと、思ったの?」

あぁ、それかぁ。
私は、ひとつ溜め息を吐いて、笑う。

「こばと、今日、心音ちゃん助けたでしょ?それ見て、こばとは優しいから、入れたいって思ったんだ。それと・・・」

「それと?」

私は、ランドセルからこばとの小説ノートを取り出す。

「こばと、恋愛小説書いてるから、恋愛のスペシャリストって感じだから、入ってほしいの!」

こばとは、驚いたようにノートを凝視する。
それから、溜め息を吐いて、

「ごめん。私、小説だけでも忙しいから、むり」

はぁぁ・・・・・。
言われると思ってたけど、意外と突き刺さる。
ガックリしていると。
こばとは、クスリとからかうように笑って、

「・・・なーんて、言うと思った?」

「え・・・・」

その言葉に、微かな希望を感じる。

「七瀬は、私の小説を読んでくれた一号だから、なってあげるわ」

「・・・・・・・こばと〜〜〜!!」

うれしい!
こばとが、お悩み相談委員会に入ってくれるなんて!
興奮して、飛び跳ねてしまう!

これで、こばとはお悩み相談委員会の委員になって、やっとこさっとこ、委員会は始動する!

27:まい◆8Q:2017/07/26(水) 21:16

こばとさん、ナイス!

28:リリカ@恋歌◆JA:2017/07/27(木) 10:26

>>27 ありがとう!!!!!多分、これから面白くなると思うよ!

>>26

6,超!シスコンな不良!?

こばとが帰った後も、私は興奮していて、何回も嬉しくなった。
明日から、正式な活動ができる!
まだ委員は少ないけど、これから入ってくれるよね!

「そうだ、美矢子さん。カレー、作ってほしいんだ」

「じゃあ、一緒に作りましょう」

私、家庭科得意じゃないけど、やってみよう!
と、覚悟したけれど、作ってみれば野菜を切るのが難しかったりと、不器用なのが思いっきり出てしまった。
うわぁ!
最悪!
美矢子さんは、

「七瀬、何回も作れば、得意になるわ。今度から、料理の練習してみましょう」

と、言ってくれた。
うん、そうじゃないと私が困る。
合宿では、野外炊飯もするらしいし。
美矢子さんの手伝い(ほとんど)があって、なんとか美味しく出来た。
私って、ポジティブな所以外、欠点ばっかりかも!

「七瀬、気にしなくて良いのよ。それよりも、七瀬は他の事を、頑張れば良いのよ」

うん!
美矢子さんの言葉で、私は元気になった。
美矢子さんって、ある意味天才だ〜!!
その後は、お風呂に入って、あっという間に寝る時間に。
ベッドに入っても、こばとが委員会に入ってくれた事に興奮して、なかなか寝付けなかった。

29:リリカ@恋歌◆JA:2017/07/27(木) 11:00

ふわぁ。
もう、朝だぁ・・・。
欠伸をかみ殺しながら、下に降りていく。
美矢子さんが、トーストを焼いていた。
うわぁ・・・いい匂い!
グー
ギャッ!?
お腹から音が!?
美矢子さんがフフッと笑って、トーストをお皿に盛りつける。
制服に着替えて、トーストにかぶりつく。
この時が一番、幸せなんだぁ。

「おいしいっ!」

「ありがとう、七瀬」

朝から、美矢子さんの笑顔と、美味しいトーストを食べることが出来て、嬉しいなぁ。
7:35
私は、ランドセルを背負って、玄関を飛び出す。

「行って来まーす!」

美矢子さんに手を振って、学校に向かう。
と言っても、近いから10分くらいで着く。
教室に行くと。

30:リリカ@恋歌◆JA:2017/07/27(木) 12:57

担任の、国木田先生が私の机の所に来た。
なにかの話があるのかな?
先生、しかめっ面だし。
ところが、先生はしかめっ面から、ニコッと微笑んだ。

「玉井さん、お悩み相談の依頼者がいるわ」

ほっへー!?

「一応、今児童会室に居るから、高橋さんと行ってきて」

「ハイ、先生!」

やった〜!!!
最近、いいコトばっかり!
こばとは来てるかな?
6ー1に行くと。

「七瀬、児童会室に行こう!」

こばとが、廊下で待っていた。
私は、うなずいてこばとと、児童会室に行く。
児童会室のドアを開けると。
肩くらいまでの髪を、くるんと結んでいる、可愛らしい女子がいた。
その子は、私達にすがるように、

「お悩み相談委員会の人?」

私達は、うなずく。
女子は、泣きそうな顔になって、

「助けて。私、誰かにずっと見られてるの!」

と、言った。
えっ!?
ストーカー!?
こばとが、

「そこの階段に、誰か隠れてる」

と言うと、女子は座り込む。
体を、ブルブル震わせて。

「分かった、私見て来るよ。こばとは、その子をお願い」

こばとに頼んで、階段のところに行くと、いたのは。

31:リリカ@恋歌◆JA:2017/07/27(木) 12:59

>>25 いいですね!でも、どこでしますか?

32:リリカ@恋歌◆JA:2017/07/27(木) 17:37

目つきが悪い、不良だった。

「ああん?てめぇ、夕陽をどこにやったんだ!?」

ハァ!?
言いがかりだよ!

「ていうか、あなた誰?」

「てんめぇ、知らねえのかよ!」

だから、誰?

「岸原流星だよ!」

岸原流星・・・・聞き覚えがあるような、ないような。
あっ、そう言えば知ってる。
この宝津小学校1の、不良だって聞いてる。

「ちょっと、岸原くん、児童会室に来てくれる?」

岸原くんは、嫌な顔をして、

「夕陽にバレるから、行きたくねぇよ」

ペッと唾を吐く。
汚い!

「夕陽ちゃん、悩んでるんだよ。岸原くん、夕陽ちゃんの何なの?」

まぁ、赤の他人ではなさそう。
岸原くんは、つかみかかって、

「俺は、夕陽の兄貴なんだよ!」

と、吐き捨てる。
え・・・でもさ。
兄貴が、妹をずっと見てるって、ストーカーまがいの超超シスコンだよね?
私は、ガッと岸原くんの手を掴んで、児童会室に連れ込む。

「お、おいっ!」

「お兄ちゃん・・・・?」

戸惑う2人を差し置いて、こばとが言う。

「七瀬、この子は、岸原夕陽ちゃん。5年生だって!」

5年生なんだ。
こばとが、不思議そうに、

「この不良、誰?」

私は、岸原くんを指して、

「えっと・・・岸原流星。ウチの学校きっての不良だよ」

こばとが、岸原くんを凝視する。
当たり前だよね。
私は、驚いている夕陽ちゃんに堂々と言う。

「夕陽ちゃんをストーカーしてるのは、岸原流星だよ!」

夕陽ちゃんの顔が、強ばる。
それに伴って、岸原くんの顔も青ざめる。
夕陽ちゃんが、振り絞るように言う。

「・・・お兄ちゃんなんか嫌い!気持ち悪い!」

夕陽ちゃんは、フンッと顔を背けた。

「ゆ、夕陽〜〜〜!!」

児童会室に岸原くんの悲鳴が響いた。

33:まい◆8Q:2017/07/27(木) 17:56

コラボいいですか!?
ありがとうございます!
ここの板でどうですか?
岸原くん、夕陽ちゃん、仲良くして!

34:レミリア◆63Y:2017/07/27(木) 19:09

リリカ、来たよ!遅くなりましたが、新小説おめでとう♪やっぱり、リリカの小説は凄いよ!もし、私と同じ年だったら、凄く×∞小説が上手いな!って思うし、年上だったり、年下だったらもっと、もっと、上手すぎ!
これからも、ファイト!

35:リリカ@恋歌◆JA:2017/07/27(木) 19:37

>>33 わかりました!私が、スレ作りましょうか?
タメで呼んでいいですか?

>>34 レミリアありがとう!!!!!レミリアの小説、とーーーーーっても上手くて、あこがれる!
これからも、お互いがんばろう!

36:リリカ@恋歌◆JA:2017/07/27(木) 19:52

>>32

夕陽ちゃんは、岸原くんに冷たい目を向けて、私とこばとにお礼を言う。

「ありがとうございます、ストーカーの犯人が分かって、良かったです」

と、児童会室のドアを開けて、出て行く。
岸原くんがフラフラーと、児童会室のドアに向かう。
夕陽ちゃんは、岸原くんの鼻の先で、ピシャリとドアを閉めた。
岸原くん、崩れ落ちる。
私とこばとは、目を合わせて、チョンチョンと岸原くんをつつく。
岸原くんは、起き上がらない。
死んだように、くずおれている。

「岸原くん〜、カムバーック!」

耳元で怒鳴りつけても、起きない。
児童会室は、寝る所じゃないんですけど。
ムクリと、岸原くんは起き上がる。
その目は、もともと淀んでいたけれど、今は死んだ魚のような目。
ようは、生気がない。

「岸原くん、だいじょうぶ?」

「・・・・・・・・・・・あぁん?」

そして次の瞬間、岸原くんの死んだ魚のような目は、ギラギラとなる。

「てめぇのせいで、夕陽に嫌われたじゃねぇか!」

ちょっと、八つ当たり!?

「って言うか、ストーカーまがいの行為をしていた岸原くんが悪いんでしょ!?」

それを言うと、流石に岸原くんはハッとしたようだった。

「なぁ・・・俺、相談していいか?」

私とこばとはうなずいて、岸原くんを机に座らせる。
岸原くんは、疲れたように、

「俺、どうやったら夕陽と仲直りできるんだ?」

37:まい◆8Q:2017/07/27(木) 22:11

はい。
作ってください!
タメオーケーですよ〜。
初のお悩み相談。
楽しみっ!

38:リリカ@恋歌◆JA:2017/07/28(金) 11:55

>>37 ありがとう!!!!!じゃあ、後でスレ作るね!スレタイ、『私とまいのコラボ小説!』でいいかな?

39:まい◆8Q:2017/07/28(金) 13:51

いいよ!

40:リリカ@恋歌◆JA:2017/07/28(金) 17:45

>>39 今、スレたてたよ!

>>36

あーあ。
本当に、嫌われちゃった岸原くんは、すがるような目で私とこばとを見る。
今更だけど、兄妹とても顔が似てるんだなぁ。
私は、思ったことを口にする。

「やっぱり、妥当なのは、夕陽ちゃんの好きな食べ物を作るとか!」

岸原くんは、顔をパアッと輝かせた。
でもすぐに、

「俺、料理作ったことないし・・・夕陽が食べてくれるかもわかんねぇよ」

顔を暗くした。
うーむ。
こばとが、

「正攻法は、素直に謝るだよね?素直に謝ったら?」

岸原くんはさらにドヨーンとして、

「夕陽は、一度キレたらひかない質なんだ」

私は、ない頭を振り絞る。
わかんないなぁ。
じゃあ、美矢子さんと喧嘩した事をシミュレーションをすれば・・・。
ダメだ。
私、美矢子さんと喧嘩した事ない。
どうすればいいんだろう・・・?

委員会、初仕事は、とても難しい!

41:リリカ@恋歌◆JA:2017/07/31(月) 11:36

7,デート問題、発生!

その日は、それぞれ考えてくるって事で解散。
家に帰っても、ぜんぜん思いつかない。
うーん・・・。
美矢子さんに聞くと。

「そうねぇ・・・普通に謝るのが妥当で、良いんだけど、それじゃあ男子のプライドを傷つけてしまうから、避けた方が良いわね」

美矢子さんのアドバイスに、私は少しひらめいた。
よぅし!
明日、こばとと相談しよう。

翌日

学校に着いてすぐ教室に直行。
走ってしまって、校長先生に叱られた気がしたけど、教室に着く。
宿題出して、児童会室に。
ガラッと、ドアが開いた。

「こばと〜・・?・・夕陽ちゃん!?」

ドアの外にいたのは、こばとではなく、夕陽ちゃん。
夕陽ちゃんの頬は、真っ赤。

「あの・・・。私、木下君と付き合ってて・・その・・今度、デートする事になって。ど、どんな服が良いかなって・・・」

ええぇぇええぇえ!?
デート!?
驚いていたら、階段からヒョイッと岸原くん。
偶然聞いてたらしく、その顔は真っ青。
真っ赤な夕陽ちゃんとは正反対。

42:レミリア◆3es:2017/07/31(月) 11:38

夕陽ちゃん、マジかわ!

43:にゃん:2017/07/31(月) 13:42

面白いですね。いいなあ、文章上手で。

44:薫:2017/07/31(月) 14:35

はじめまして。
薫(かおる)です!
小説、読ませていただきました!
私は児童書作家を目指しているのですが、とても上手くて憧れます!
なにかコツとか、心がけている事とかあるのですか?
続き、楽しみにしています‼

45:リリカ@恋歌◆JA:2017/07/31(月) 17:43

>>42 ありがとう!!!!!コラボの件、どうするか、創作板で相談しよう。

>>43ありがとうございます!

>>44ありがとうございます!コツって言うか、自分が読んでみておもしろい!って思うように、書いてます!
 

46:まい◆8Q:2017/07/31(月) 22:12

リリカ、うまっ!

47:リリカ@恋歌◆JA:2017/08/01(火) 14:13

まい、ありがとう!!!!!
明スイの10巻、楽しみ(≧∇≦)bワクワク

48:リリカ@恋歌◆JA:2017/08/01(火) 17:23

岸原くん、倒れ込む。
夕陽ちゃんは素知らぬ顔で(信じられない)、

「今日、昨日の委員の人と、ウチにきてくれませんか?」

私は、ニコッと笑って、

「うん、いいよっ」

夕陽ちゃんはホッとしたように、笑顔を浮かべた。
夕陽ちゃん・・・可愛いなぁ。
岸原くんが、シスコンになるのも分からなくもない。

「じゃあ、今日の放課後、此処で待ってます」

安心したように、夕陽ちゃんは児童会室を出て行った。

「ふぅー、これで終わり・・・」

「終わりじゃねぇよ!」

うわっ、岸原くん。
そんなに睨みつけなくても、良いんじゃないの?

「夕陽との仲直りの依頼、撤回!夕陽と木下のデートを失敗させるんだよ!・・もちろん、手伝うよなぁ?」

怖い怖い怖い・・・。
岸原くんの目は、マジ。
さすが、不良。
こういう所は、不良って得だよね?
ヘンな所に感心する。
岸原くんが、拳を上に向かって振り上げる。

「デート失敗作戦、決行だ!」

49:リリカ@恋歌◆JA:2017/08/02(水) 10:37

8,デート失敗作戦??

一人盛り上がる岸原くんに私は、聞く。

「私、夕陽ちゃんから相談されたの。あと言うけど、お悩み相談委員会!は、相談した人の味方!ごめん、デート失敗作戦は一人で決行してね?」

ギラリと岸原くんが睨む。
フン、そんなんで負けないから!

「おはよう、七瀬」

「あっ、こばと〜!」

良かった、こばとが来てくれた。

「ねぇ、こばと。岸原くんが・・・その前に、夕陽ちゃんが相談に来たんだけど・・・」

事のあらましを伝えると。
こばとは岸原くんをチラリと見て、

「私も七瀬の言うとおりよ。と言うか、岸原くんって意気地なしなのね。呆れたわ」

ちょっ、ちょっ!
岸原くんを挑発する言い方、しないでよ!
案の定、岸原くんは怒ったように机をガン、と叩く。

「てんめぇ、俺をナメてんのかよ!」

こばとは澄ましたように、

「えぇ、ナメてるわよ。妹に謝れない、シスコンをね」

岸原くんはガラッ!とドアを開けて、出て行った。

「こばと、あんな事言っていいの?」

「良いのよ。ああしなきゃ、アイツは仲直りしないでしょ?」

まぁ、確かにね。
こばとは真面目な顔になって、

「それよりどーすんの!私たち、デートした事無いのよ!相談も何も、できないでしょ!?」

ああっ、そうだった!

50:リリカ@恋歌◆JA:2017/08/02(水) 11:46

あっ、でもいい考えが浮かんだ!

「私の友達に、陽香ちゃんって子がいるんだ。陽香ちゃんは、『Ju-ji』って雑誌買ってるはずだから、それ借りて夕陽ちゃんにアドバイスすれば良いんじゃないっ?」

「あ、それも良いわね。で、陽香ちゃんに連絡取れるの?」

もちろんじゃないですかぁ!
こばとにむかって、余裕の笑み。
私の友人ネットワーク、めっちゃ広いんだからね。
こばとが聞く。

「連絡取って、借りるの今日中にできるの?」

できるんだなぁ、それが。
だって陽香ちゃん家は、ウチの近所。
夕陽ちゃんと一緒に、陽香ちゃん家に行けば良いんだよね!

なんだか、夕陽ちゃんのお悩み解決しそうっ!

51:リリカ@恋歌◆JA:2017/08/02(水) 20:19

9,ニガテな教科

こばとときめ細かく決めた後、朝の会を教えるチャイムが鳴った。

「じゃーね、こばと!」

「放課後ね」

こばとと別れ、6ー3に入る。
瞬間、心海が私に飛びつく。

「七瀬!ウチらのクラスに、転校生が来るって!」

ええっ!?
転校生!?
6年間、転校生が私のクラスに来たことなんて、なかったからもう楽しみ!
見れば、黒板に転校生の名前が書いてあった。

『深瀬 里穂』

里穂って、可愛い名前だなぁ。
深瀬さんも、一週間後、私と友達になってるのかな?
国木田先生が、パンパンと手をたたいて、みんなに言う。

「1限ですけど、算数教室が他のクラスが使うってなってたので、1限は社会になりました。算数は、5限になります」

ええ〜!?
私、算数は好きな方なのに。
社会なんて、ニガテ中のニガテ!
鎌倉幕府とか、室町幕府とかよく分かんないし!

「今日は、室町時代の文化について、学びます」

室町時代が一番、イヤだよ!
しかも、文化!
嫌々ながら、ノートと教科書、資料集を開けた。

52:リリカ@恋歌◆JA:2017/08/03(木) 12:58

10,オシャレって

6限も終わり、終わりの会。
はやく、陽香ちゃんから借りてこないと!
でもこんな時に限って、男子たちがふざけたり、先生の話が長かったり。
ええい!
はやく終われっ!
私の祈りが通じたのか、先生は話を終わらせた。

「さようなら!」

当番のかけ声と共に、私たちは礼をする。
急いで教室を飛び出して、児童会室へ。

「遅かったね、七瀬」

こばとと、夕陽ちゃんはもう来ていた。

「ごめん、ごめん!それより、夕陽ちゃん。夕陽ちゃん家に行く前に、私の友達の家に寄っていい?夕陽ちゃんのお悩みに使えると思うから」

夕陽ちゃんはうなずいて、

「いいですよ!」

ニコッと笑った。
ホント、あの岸原くんの妹なの!?
態度悪くないし、優しいし、可愛いし。
そりゃ、モテるよね!
ワイワイと、陽香ちゃん家に向かう。

ピーンポーン

「はぁい?」

ガチャッと玄関のドアが開いて、陽香ちゃんの顔がのぞく。

「七瀬ちゃん。どうしたの?」

「あの、陽香ちゃん。『Ju-ji』貸してくれる?」

陽香ちゃんは、不思議そうな顔で、聞く。

「良いけど・・・何月号の?」

何月号って、何月号だろう?

「えっと・・・デート服について書かれてるヤツで」

陽香ちゃんは、

「分かったよ〜」

と言って、玄関のドアの向こうに消える。
しばらくして。

「ほい、コレでいい?」

陽香ちゃんが、『Ju-ji』を渡してくれた。
表紙には、『絶対成功する!デート服攻略法』と書かれていて、可愛いモデルがポーズをとっている。

「ありがとう!」

陽香ちゃんに礼を言って、陽香ちゃんの家を出る。
ムフフ!
コレで夕陽ちゃんのデートは、助かるよね!

53:リリカ@恋歌◆JA:2017/08/03(木) 13:34

夕陽ちゃんの家は、純和風で古風な家。
歴史がありそうで、綺麗な家だなぁ。

「あ、どうぞ。上がってください」

夕陽ちゃんが玄関に靴を揃えて並べる。
すごい、岸原くんとやっぱり違う。
そもそも、なんで岸原くんはグレたんだろ?

「ウチ、お祖母ちゃんが作法に厳しくて。私も小さい頃から、花道やお茶、能を習っています」

ええっ!?
すごい!
花道やお茶、能って室町文化だよね?
廊下を歩いていても、能面が並べられていた。
般若もあるし、小面も!
居間に入って、机に『Ju-ji』を広げる。

「木下くんは、どういう系のコーデが好きなのか、分かる?」

こばとが単刀直入に聞く。
確かに、だよね。
可愛い系のコーデ(ピンクとかスカート系)か、スポーティなコーデが好きなのか。
夕陽ちゃんは、顔を真っ赤にして。

「わ、私・・・そんな、可愛い服、似合わないよ・・・」

否定するように、『Ju-ji』を閉じる。
ええっ・・。
夕陽ちゃん可愛いし、似合うと思うのに。

54:リリカ@恋歌◆JA:2017/08/03(木) 18:17

こばとが提案する。

「じゃあさ、こんなサロペットとかは?スポーティ&可愛いし・・・」

夕陽ちゃんは、ウンとうなずく。

「これなら、着れそう・・・でも、私、服に着られてないか心配なの」

これは私が自信もって、言う。

「夕陽ちゃんなら似合うよ!心配しなくていい!私が誓うから!」

そう言ったら、夕陽ちゃんはホッとしたように微笑んだ。
それから、思い付いたように、

「玉井さんも、高橋さんもデートのとき、来て、くれませんか?」

ええっ。
でも行く相手が・・・・。

「私、竜也と行くよ」

こばとは、幼なじみの竜也くんに決めたらしい。
うーむ、でも私は・・・。
夕陽ちゃんがひらめいたように、瞳をキラキラさせて、

「堺田くんとか、どうですか?」

ええっ!?
なぜに堺田。
夕陽ちゃんはこともなげに、

「5年の中では、ウワサなんですよ。堺田くんと玉井さんがラブラブだって」

ええっ!?
驚き。
まさか、堺田とウワサになってたなんて。
こばとが呆れたように、

「6年の中でも、ウワサ中のウワサなのに。知らなかったの?」

6年の中でも!?
ていうか、どんだけみんな人のゴシップが好きすぎなの!?
衝撃の事実発覚!

55:リリカ@恋歌◆JA:2017/08/03(木) 18:37

11,女子の中の女子とは

しばらく、5、6年のリア充たちのゴシップについてしゃべっていた。
それよりそれより・・・!

「ねえ、こばと。夕陽ちゃん。女子の中の女子って、誰だと思う?」

こばとは、

「滝下空だと思う。女子力あるけど、ぶりっ子じゃないし」

と、即答。
確かに、空の悪口は聞かない。
言ってるとしても、その人は空に嫉妬してるだけでしょ。
一方の夕陽ちゃんは。

「宮野苺花ちゃん。女子力あって、誰にでも平等だから」

苺花ちゃんね!
一度、掃除場一緒になったことあるから、覚えてる。
明るくて、思い遣りがあるよね。
やっぱり基準は、女子力だよね。
私には、ないけど。

「夕陽ちゃん、デートの日時と、場所は?」

「今週の日曜日の10時からで、セシリアパークです」

セシリアパークと言うのは、最近できた最新のテーマパーク。
大きな観覧車と、ジェットコースターが目玉なんだよね。
ちなみに、私は行ったことない。

「セシリアパークは、デート場所としても有名よね」

こばとが羨ましそうに、言う。
もしかしなくても!

「こばと、竜也くんと行きたいの?」

こばとは真っ赤になって、

「そ、そんなワケないわよ!」

かっわいい!
そこまで、照れなくても良いんじゃない?

「夕陽ちゃん、デート頑張ってね♪」

夕陽ちゃんも真っ赤になった。
こばとと夕陽ちゃん、いじったら楽しいし、素直に頑張ってほしいもん。
ま、私たちもデートするって事なんだけどね!
堺田になんて言おう。
そこでもし、

『ハァ、班長なんかと行きたくねぇし。バカ班長』

って言われたら。
うん、ぶん殴ってやろう。

56:薫:2017/08/03(木) 18:53

面白くなってるね!
夕陽ちゃん可愛い!デートがんばれ!
こばとちゃんにデート(?)したいと思う人がいるなんて、ちょっと意外かも!
でも七瀬ちゃんも、わたしの解フル☆のトウナとは違ったポジティブで、ぜひ友達になりたいタイプ‼

それと、わたしのこと、ぜひ薫って呼んでくれる?
あと、リリカさんのこと、なんて呼べばいい?
って関係ないことはなしちゃったね。
では!

57:リリカ@恋歌◆JA:2017/08/03(木) 19:53

>>56 ありがとう〜!リリカでいいよ!
解フル☆楽しみにしてるね(≧▽≦)

58:リリカ@恋歌◆JA:2017/08/03(木) 20:11

12,いいのっ!?

夕陽ちゃんとこばとと、宿題したりであっという間に時は過ぎた。

「そろそろ、帰るね。美矢子さん、心配してるかもだから」

「じゃあねー!」

夕陽ちゃんに見送られて、私は家に帰った。
美矢子さんに怒られる・・・。
それより、心配なのは・・。
美矢子さんに心配をかけた事だ。

ガチャッ

玄関のドアを開けて、

「ただい・・・」

ただいま、と言おうとして、美矢子さんに抱き締められた。

「良かった・・・七瀬。無事で・・・それよりも、どこに行ってたの!?」

最後は、怒ったような言い方。
でも、美矢子さんの声は鼻声だ。

「ごめんなさい・・・同級生の家・・」

美矢子さんはやっぱり、怒ったように、

「今度からは、何があってもちゃんと言ってから、遊びに行ってよ?分かった?」

私は、コクンとうなずいた。
私も初めてだった。
美矢子さんに何も言わないで、友達の家に行ったなんて。
もう絶対、美矢子さんに黙って遊ばない!
そう決意して、リビングに入った。

59:リリカ@恋歌◆JA:2017/08/04(金) 18:54

美矢子さんは、夕食までの間、一言もしゃべらなかった。

「七瀬、夕食よ」

「はーい!」

夕食は、ハンバーグ。
美味しいけど・・・やっぱり、謝らないとね。

「あの・・・今日はごめんなさい」

美矢子さんはやっとフンワリ笑って、

「良いわよ。今度から、気をつけてね」

仲直り達成!
あー、明日は堺田にデートの件について、聞かなきゃだよね。
ちょっとだけ、ドキドキ。

60:まい◆8Q:2017/08/04(金) 21:55

美矢子さん、いい方だ。(涙)
ううう〜。

61:リリカ@恋歌◆JA:2017/08/05(土) 14:47

>>60 まい、ありがとう!

ドキドキしながら、翌日。
授業もあんまり、耳に入らない。

「玉井さん、そこ読んで」

そのため、国木田先生に当てられて、

「は、はいっ!すいません!」

って言ってしまい、みんなに笑われる結果に。

「問題5の所、読んで」

国木田先生がフォローしてくれた。
私は、ホッとして、

「あ、はい。えっと・・・」

ちゃんと読むことができた。
給食はオムレツ。
ふわっふわで、とってもおいしかった。

「今日は、委員会なので、昼休みはありません」

放送がなって、みんながブーイング。
私的には、ドキリとした。
だって、お悩み相談委員会、委員は私とこばとだけ何だよ!?
私が苦悩してると、桜庭穂乃華ちゃんが、

「昼休み、ウチらと遊ばない?」

と誘ってくれた。
私はもちろん、

「えっ、いいの!じゃあ、遊ぼう!」

遊ぶ友達は、穂乃華ちゃん、未結ちゃん、梨華ちゃん、咲良ちゃん。

「そうだ、私の友達、誘っていい?」

穂乃華ちゃんたちはうなずく。

「多い方がいいもん!」

ということで、私はこばとと夕陽ちゃんを誘ったら。

「じゃあ、よろしくお願いします・・」

夕陽ちゃんはちょっと戸惑いながら、微笑む。
一方のこばとは。

62:リリカ@恋歌◆JA:2017/08/05(土) 17:39

「・・・・・・・・よろしく・・」

でも、その頬は赤く染まっていた。
私はニヤリと笑って、こばとに囁く。

「こういうの、初めてなんでしょ?」

こばとの顔が、ボッと耳まで赤くなる。

「七瀬・・!!まあ、確かに・・・こういうの、初めてだし」

おっ!
認めた。
穂乃華ちゃんがニコッと笑った。

「校内鬼ゴ、しよーよ!」

校内鬼ゴと言うのは、校内鬼ゴッコの略。
そのままの意味で、学校内での鬼ゴッコ。
咲良ちゃんが、

「じゃあ、あたしが鬼でいい?」

咲良ちゃんが鬼ね!
オーケー!

「じゃ、スタート!いーち・・・にー・・」

咲良ちゃんの声を聞きながら、私は早歩きし始める。
どこに逃げようかな〜??
図書館?
それとも、体育館?
よーし、決めたっ!

63:まい◆8Q:2017/08/05(土) 17:59

どこどこ〜?
咲良ちゃんと探しちゃうよ〜!

64:リリカ@恋歌◆JA:2017/08/05(土) 18:24

>>63 ありがとう!七瀬が隠れた所は・・・

私が隠れた場所は、理科室の机の陰。
フフフ・・・此処なら、わからないよね!
と・・・

「七瀬ちゃーん、どぉこかなぁ?穂乃華たちは捕まったよ?大人しく出てきてよ?」

嘘、もう咲良ちゃん!?
はやっ!!

「七瀬ちゃーん・・」

もう近い!
バレちゃう!!
咲良ちゃんの影が、机の下に落ちた。

65:まい◆8Q:2017/08/05(土) 18:26

七瀬ちゃん、隠れてーーっ!

66:リリカ@恋歌◆JA:2017/08/05(土) 21:20

>>65 ありがとう!さて、七瀬は・・・


キーンコーンカーンコーン

掃除の時間の、チャイムが鳴った。
ふと机の近くにいた、咲良ちゃんを見ると。
咲良ちゃんは残念そうな顔で、

「あーあ。七瀬ちゃん、すごいね!」

と、ほめて?くれた。
うん、私、かくれんぼや鬼ゴを得意だと、今度から豪語しよっと!

「じゃーね!また、教室ね!」

あっ、掃除じゃん!
班長カード取ってこないと!
急いで1F体に行くと。
みんな、マジメに掃除していた。
えっ、びっくり!
でもみんなの視線の先を見て、納得。
だって鬼のような顔をした、河野が仁王立ちしてたもの。
ありゃ、マジメにしなきゃダメだよね。
河野がチラッと、コッチを見て、

「班長カード、取って置いたからな」

と、鉄棒の場所を指す。
確かに、鉄棒に班長カードが掛けられていた。

「河野サンキュ!」

河野は、プイッと顔をそらした。
あ、そんな事より!
私は、意外とマジメに掃除してる、堺田に声をかける。

「堺田、今度の日曜日、セシリアパーク来れる?日時は、後で教えるから」

あぁあ、どうか断らないで!
断られたら、どうしよう?
堺田は、

「・・・別に、行けるけど」

わゎゎわぁ!
嬉しい!

「堺田ありがとう!ほんっとうに、ありがとう!ガチで感謝!」

堺田は、照れくさそうに、そっぽを向く。
そこぐらい、素直になってよね!
すると、斑鳩汐里ちゃんが、

「良かったね、堺田!遂に春が来たね!」

と、祝った。
別に付き合ってるワケじゃないけど、素直に嬉しいよね。

「じゃあ、日曜日、セシリアパークね!」

と、私は拳を突き上げた。
途端に、堺田がぼやく。

「やっぱり、バカ班長だ・・」

でも、どこか嬉しそうだった。

67:薫:2017/08/05(土) 21:44

おおっ!

七瀬ちゃんよかったね‼

続き、楽しみ(*^▽^)/★*☆♪

68:リリカ@恋歌◆JA:2017/08/06(日) 16:04

>>67 薫ありがとうっ!解フル☆楽しみ〜!(^^)!

13,デートレッスン

掃除も終わり、教室に帰る前に。
私は、6ー1に行って、こばとを呼ぶ。

「何、七瀬。どうかした?」

「えっとね・・・デートの時って、何すれば良いんだろう?」

こばとは心底呆れたように、

「七瀬って・・・物知らずにもほどがあると思うわ。デートって言ったら、観覧車とか乗ったり、クレープ一緒に食べたりとか。そういう事をするのよ」

と、丁寧に教えてくれた。
ふむふむ。
観覧車とクレープねぇ・・・。
私はふと気になって、

「竜也くんは誘えたの?」

聞いたら、こばとはグッジョブと親指を立てる。
良かった。
あっ、そういや堺田に時間、教えてなかった。
まだ授業前だし、サッと行っとこ。
こばとと別れて、5年の教室へ。
堺田を呼んで、

「時間は、10時ね!セシリアパークのチケット売場に集合!」

と、伝えた。
教室に急いで戻りながら、そういや、私のデート服決めてなかった!と気付く。
まあいっか!
家にある服で、組み合わせよっと!

69:まい◆8Q:2017/08/06(日) 18:54

七瀬ちゃんすごい!
かくれんぼ、私苦手…。
コラボの方もよろしく!

70:リリカ@恋歌◆JA:2017/08/06(日) 20:23

>>69 ありがとう!コラボの方、更新したよ!

14,デートの先輩

授業も耳に入らず、気づけば放課後。
こばとが教室に来て、

「今日、ウチに来ない?文乃姉ちゃんが教えてくれるかもだし!」

地獄に仏とは、この事!
私はもちろん、

「行きたい!あ、でも。美矢子さんに先言ってから、行くよ」

「私もついてくよ」

こばとと一緒に、最初に私の家へ。
美矢子さんに聞くと。

「ええ、良いわよ。5時までには帰ってきてね」

良かった。
こばとと再び、こばとのウチへ。

71:リリカ@恋歌◆JA:2017/08/07(月) 11:26

「おじゃましまーす」

「どうぞー!」

こばととは違う、元気な声がしたと思ったら。
ヒョコッとリビングの所から、こばとのお姉さんが顔を出す。

72:みぃ◆8Q:2017/08/07(月) 11:50

私、まい。
名前変えてみぃにしたよ!
続きが楽しみ!
リレー、私も更新したよ!
次はリリカ。

73:叶*かのう*◆/Y:2017/08/07(月) 11:59

初めまして‼

スレ主さんの小説見てます^^
小説の書き方上手で憧れます>v<

74:リリカ@恋歌◆JA:2017/08/07(月) 18:24

>>72 みぃ、ありがとう!コラボも更新しま〜す!

>>73 叶さん、ありがとうございます!憧れなんて・・・嬉しいです!


文乃さんが、驚いたように、

「ウソッ!?こばとが、友達ウチに連れてきた!?」

叫んだ。
こばとが顔を赤くして、

「姉ちゃんうるさいっ!もうっ!」

へぇー、こばとも友達連れてきたの、初めてなんだ!
親近感がわく。
文乃さんは、ニコッと笑う。

「なんか用事があったんでしょ?何々?」

こばとはハッとしたように、

「姉ちゃんに聞きたいのは、デートの事だよ!」

文乃さんは深い笑みを浮かべて、

「さっ、上がって。まずは・・・2人の好きな人の事からかな?」

す、好きな人!?

75:薫:2017/08/07(月) 18:55

おおっ、文乃さん出てきた‼

イイ人っぽいし、続き楽しみ!

76:リリカ@恋歌◆JA:2017/08/07(月) 21:19

>>75 薫ありがとう〜(´V`)♪うん、文乃は結構いい人だよ〜!


文乃さんは、フフフと笑った。
でも目が据わってる。
言わなかったら、拷問されるって、感じの。
怖い!

「じゃあまず、七瀬ちゃんから聞くよ。好きな人は、年下?年上?同級生?」

うわーーーっ!
単刀直入!
でも私、堺田とデートするってなってるから、年上、だよね?

「えっと・・・年下です」

文乃さんの目がキラリと光った。

「名前は?」

こんなに緊張するのって、国木田先生が怒るときとかだけだと思ってたのに。
文乃さんがマジになると、ヤバい。

「堺田・・・です」

文乃さんが真面目な顔になって、メモ帳に書き出す。
えっ・・・コレ、授業じゃないよね?
こばとがソッと囁く。

「文乃姉ちゃん、こーいうとき、結構マジだからね。ヘンな事言ったら、半殺しの目にあうからね?」

ゾゾーッ!
半殺し・・・・。
文乃さんの地獄のような、質問(尋問)が再開した・・・。

77:リリカ@恋歌◆JA:2017/08/08(火) 19:52

地獄から解放されたのは、5時近くになってから。

「七瀬ちゃんに合う、コーデ記しといたから、これ来たらデート成功するからね!」

文乃さんから応援してもらい、家に帰る。
帰ってすぐ、自分の部屋へGo!
と、美矢子さんが、

「七瀬、ちょっと来て。今日、七瀬の服買いに行ってたの。これ、どうかしら?」

うれしい!
もしかしたら、文乃さんが言ってたコーデアイテムもあるかも!
美矢子さんは、紙袋から、スカジャンと黒と白のチェックのスカートを取り出した。
うん!
これ、文乃さんが言ってたコーデだ!

「美矢子さん、ありがとう!今度の日曜、着てもいい?」

美矢子さんは、にっこり笑って、

「ええ、良いわよ。じゃ、今から洗濯しなきゃ」

と、服を取って、廊下に行った。
よし、デート服問題、解決!

78:リリカ@恋歌◆JA:2017/08/09(水) 12:08

15,Let's datetime!

あっという間に日曜日!
ドキドキ&怖い!
て、夕陽ちゃんのデート成功を一番に考えないと!

79:リリカ@恋歌◆JA:2017/08/09(水) 18:27

午前10時。
セシリアパークのチケット売場前。

「あっ、七瀬さん」

「夕陽ちゃん!」

夕陽ちゃんがパタパタと、駆け寄ってきた。
夕陽ちゃんはレモンイエローのTシャツに、サロペット。
可愛いっ!
夕陽ちゃんは恥じらいながら、

「ど、どう、ですか?へ、ヘンじゃない、ですか?」

首を傾げた。
うん、絶対木下くんはおちるね!

80:みぃ◆8Q:2017/08/09(水) 19:31

おお〜!
七瀬ちゃん頑張ってるね〜。
文乃さん、ある一種の才能か!?

81:リリカ@恋歌◆JA:2017/08/10(木) 12:34

>>80 ありがとう!文乃の才能は、計り知れない…!

82:リリカ@恋歌◆JA:2017/08/10(木) 12:46

16,悪意

夕陽ちゃんとワキャワキャしてると。

「よっ、班長」

堺田が来た。
あとは、木下くんとこばとと、竜也くん待ちだね!
と・・・。

「堺田先輩って、班長がタイプだったんですか?私が先輩だったら、幻滅ですけど」

可愛らしい高い声が、混ざった。
どこどこ?
キョロキョロしてると、その声は呆れたように、

「ここですけどっ!」

あっ、そこかぁ。
振り向くと、ツインテールをゆるんっと結んだ、4年生くらいの子がいた。
なぁんだ。
掃除場の、薄井明日菜ちゃんじゃん。
薄井明日菜ちゃんは、掃除場でもわりと真面目な方なんだけど、影が薄いんだよね。
しかも、私が話しかけても、ほぼ無視するのに。
明日菜ちゃんは、笑顔を消して、

「私、絶対、班長の事、許しませんから!」

えっ!
私、なんか恨まれる事、したっけ?

「班長は絶対、お悩み相談になんか乗れませんよ!・・・お悩み相談委員会なんか辞めてください」

最後の方は、なんだか泣いてるみたいだった。
明日菜ちゃんは、私をキッと睨んで、

「班長がお悩み相談委員会辞めるように、私がしておきますから。せめて、それに引っかからないでくださいね」

タッと走っていった。
なんで明日菜ちゃんは、私を嫌ってるんだろう?
思いっきり、悪意をぶつけられた気がする。
私が1人悶々としていると。

「ごめん、七瀬!コイツが遅れて!」

こばとと、竜也くんが来た。
こばとは竜也くんを睨んでから、私に笑いかける。

「じゃあ、行こーよ」

・・・うん。
明日菜ちゃんの事が気にかかるけど、今はデートを楽しもう。

83:リリカ@恋歌◆JA:2017/08/10(木) 20:25

17,クレープ

こばとたちと合流し、チケットを買った。
夕陽ちゃんがニコニコして、木下くんの腕をとる。
案外、夕陽ちゃんって肉食系・・・?
こばとも嬉しそうに、

「じゃあこっから、それぞれで行動ね!一応デート終了時刻は、12:00だから、集合は、ジェットコースター前ね!」

と、決めた。
よし!
いよいよ、デート開始だ!

84:リリカ@恋歌◆JA:2017/08/10(木) 21:11

早速!
私は堺田を引っ張って、クレープの屋台へ。
美味しそう〜〜〜!
屋台のお姉さんが、キラッキラの笑顔で、

「今季限定の、マンゴー&アイスクレープ、食べませんか?」

と、メニューを指す。
でもチョコバナナクレープもはずせないな〜!

「どうする、班長?」

「堺田は何にするの?」

堺田はメニューを指して、チョコバナナクレープを受け取る。
もちろん、お金を渡してね。
チョコバナナクレープ、美味しそう〜〜!
どうしよう!
よし、決めた!

「マンゴー&アイスクレープくださいっ!」

お姉さんが微笑んで、

「350円です!」

私は500円渡して、お釣りをもらう。
お釣りを財布に入れて、マンゴー&アイスクレープを受け取る。
ちょーー美味しそう!

85:薫:2017/08/10(木) 21:41

七瀬ちゃんデート頑張って!

堺田くんもこれからどうするんだろう‼

86:リリカ@恋歌◆JA:2017/08/11(金) 15:42

>>85 薫、ありがとう!


食べてみると。
うわぁー!
マンゴーの優しい味と、アイスのひんやり感が、たまらなくおいしい!
コレ、限定じゃなくても良いのになぁ・・。

「ねぇね、堺田!次、どこ行く?」

観覧車は、やっぱり最後だよね!
堺田は、ジェットコースターを指さした。

「乗ろうぜ、班長!」

ええっ!
私、こーいうの乗ったことないしなぁ・・・。
堺田が強引に、私をジェットコースターに引きずっていく。
係の人が、ニコッと笑う。
そして、2人がけの席へ案内してくれた。
ううう・・・ヘンなところで緊張する!

87:リリカ@恋歌◆JA:2017/08/12(土) 18:13

グイーンって音がして、ゆっくりと坂を上がり始めた。
このあと、どうなるのっ?
最初ゆっくりだったけど、だんだんスピードが出てきて加速してきた。
と、一気にすべりおりる!

「ギャーーーーーー!」

たのしいっ!
グルンと回ったり、また坂からすべりおちたり。
終わったときには、私はテンションマックス!
堺田は、真っ青になってて、吐きそうなのかな?口を押さえてる。

「堺田、ジェットコースター楽しかったね!」

堺田は、僅かにコクンとうなずいた。

88:リリカ@恋歌◆JA:2017/08/13(日) 15:41

18,観覧車

堺田がトイレに行った間に、私は近くの時計をみる。
時刻は、11:45。
あと15分くらいで、デート終了時刻だ。
やっぱり締めは、観覧車だよねー!
うわっ。
でも行列できてるし!
しかも、行列の中に見知った顔が。

「あっれー?岸原くん!?」

岸原くんが、私を見て驚いたように慌てる。

「おい、これ夕陽に言うな!」

「なんで来たの!?」

岸原くんは、照れくさそうに、言った。

「夕陽がデートって言ってて、気になったから来たんだよ」

「へぇー、ようはシスコンだから、来たんだよね」

やっぱり夕陽ちゃんに言っとかないと、このシスコンは何するか分かんない。
なんせ、こないだまでストーカーしてたもんね!

「班長!次、何乗る?」

良かった、堺田が戻ってきた。

89:リリカ@恋歌◆JA スキナノカナ:2017/08/13(日) 19:37

行列が長いから、並びながら、堺田を他愛もないことで話していると。

「おお〜〜お二人さん♪早速、観覧車ですかぁ♡」

と、思いっきり冷やかしの声がした。
見なくても分かる。
こばとだ。
クルッと振り向くと、こばとが竜也くんと腕を組みながら、笑っていた。
私は思わず詰め寄る。

「ねえこばと。私らが勝手にデートするんじゃないよ?夕陽ちゃんのデートを成功させるんだよ?そこらへん、分かってるよね」

こばとは手をひらひらと、

「分かってるってば!さっき、チラッと2人見てきたら、イイ感じだったから、成功じゃない?」

ふぅん。
良かった!
私はこばとに聞く。

「こばとも、観覧車乗るの?」

こばとは急に真面目な顔になって、

「もちろん。だって此処の観覧車、好きな人と一緒に乗ったら両想いになるって、ジンクスあるんだから!」

と、まくしたてた。
私は、仕返しとばかりに、ニヤリと笑った。

「へぇ〜。こばとは、竜也くんが好きなんだねぇ」

「な、何よ。悪い?」

急にツンデレになった。
でも、私が見る限り、竜也くんもこばとが好きだと思うんだけどなー。
こばと達も私たちの後ろに並んだから、わきゃわきゃ話していた。
もっぱら、互いの冷やかしだけど。

「次のお客さまー」

あっという間に、私たちの番。
観覧車は窓の部分が広かった。
しかも、4人がけ。
私はニヨニヨして、こばとに、

「ごめんねぇ」

こばとは、思いっきり私を睨んだ。

90:リリカ@恋歌◆JA スキナノカナ:2017/08/13(日) 19:53

19,イイ雰囲気

こばとと私がワーワーギャーギャー言っているのに対し、竜也くんは赤くなって俯いた。
堺田も笑いを堪えてるように、どこかを見ていた。
こばとがヒソリと、

「ちょっとさぁ、私たちイイ雰囲気だったのに!七瀬のせいで、めちゃくちゃじゃん!」

はぁー!?
私のせい!?

「なぁ、こばと・・・」

きゃーー!
これって、もしかしなくっても・・・♡
こばとも思いたる節があるらしく、頬を赤く染めた。
初々しいねえ・・・・。
でも竜也くんは、何も言わない。
照れくさいのか、窓の外を見てる。
惜しい!
とっても惜しい!
フイッと、竜也くんは踏ん切りがついたのか、

「俺は・・・その・・こばとが・・・」

こばとも赤くなりながら、あえて何も言わない。
こばとも女子だよねぇ。

「俺、こばとが好きだっ!」

おおっ!
こばとは、ボソボソと言い掛けた。
そこで私が乱入!

「大声で言った方がいいよっ☆」

こばとの目に、暗い殺意が沸く。
わぁー、こわーいっ☆
でもやっぱり、赤くなってから、言った。

「私も・・・竜也が・・・」

あれっ、もうすぐで地上に着くよ!
そして、係の人が戸を開けた時に、

「好きっ!」

こばとが叫んだ。
係の人は、ドキッとしたような顔になった。
そりゃそうだよね!
でもこばとは、男気(?)もあると思う。

「だからっ・・・私と付き合って!」

おおー!
言い切った!
私はこばとに、囁く。

「良かったね、こばと☆」

こばとがフルフルと怒りで、肩を震わせる。
あれ、私また、なんかやっちゃった系?

91:薫◆uI:2017/08/14(月) 10:39

こばとちゃん、やったね!

わたしも同じ小6だけど、付き合うなんて、そんなのないよお(泣)

ところで、リリカは何年生?

92:リリカ@恋歌◆JA スキナノカナ:2017/08/14(月) 10:54

私も小6だよ!

私は付き合ったとかないけど、まわりでは付き合ってる人とかいるよー!

コメント、ありがとうっ(≧▽≦)!

93:リリカ@恋歌◆JA スキナノカナ:2017/08/14(月) 11:00

20,まさかのっ!

こばと&竜也くんはラブになったけど、夕陽ちゃん&木下くんカップルは、イイ感じなのかな?

「ねえこばと・・・「七瀬さーん!!!」

夕陽ちゃんの声!?
しかも泣いてる!?
何があったの!?
後ろを振り向くと、夕陽ちゃんが泣きじゃくって歩いていた。

「あれ?木下くんは?」

「木下くん・・・は・・・」

更に、夕陽ちゃんは泣いた。
ホント、こういう時木下くんはどこに居るのよ!

「私・・・・別れよって・・・言われ、・・た・・・」

そう言って、夕陽ちゃんは顔を覆ってしゃがみ込んだ。
嘘!?

94:薫◆uI:2017/08/14(月) 11:05

同い年⁉

嬉しい(σ≧▽≦)σ

でも同い年だからこそリリカはすごい!文才あるし‼

付き合ってる人……噂程度には聞くなあ。

でも、『付き合う』って名前を楽しんでるだけの人多数(笑)

みんな、誰が誰を好きかを知りたいんだよね(^_^;)

95:リリカ@恋歌◆JA スキナノカナ:2017/08/14(月) 13:09

>>95 いやいや、文才は多分ないし・・・。

楽しんでる感、結構あるし(^^;)

で、みんなが冷やかすみたいな・・(^^;)

96:リリカ@恋歌◆JA スキナノカナ:2017/08/14(月) 13:23

×>>95
>>94


驚いた私は、夕陽ちゃんに聞く。

「えっ・・・じゃ、今、木下くんは?」

夕陽ちゃんは、目を真っ赤に腫らして、

「1人で、・・・帰って、ちゃった」

ハァ!?
嘘でしょ、木下くん!
岸原くんもやってきた。

「よぉ、夕陽・・」

夕陽ちゃんはうるうると、岸原くんを見上げた。
そして。

「お兄ちゃんっ!」

岸原くんに抱きついた。
驚いたのは、岸原くん。

「ど、どうしたんだよ。夕陽?」

私は、事の顛末を教えた。
岸原くんは怒りで顔を赤くして、

「何だよ!あの野郎!ぶっ殺してやる!!」

私もだよ!!!!
夕陽ちゃんをフるなんて、最悪な奴!
でも夕陽ちゃんは、私を止めた。

「良いです、七瀬さん。お兄ちゃんと仲直りできただけで、良いです」

夕陽ちゃん優しい!
これで、良いのかな。

97:リリカ@恋歌◆JA スキナノカナ:2017/08/14(月) 13:32

21,お悩み解決報告書

何はともあれ、デートは成功?。
こばと&竜也くんカップルができたし、良かった。

今回の協力者

玉井七瀬
高橋こばと
高橋文乃

相談者

岸原流星
岸原夕陽


委員の反省点

・岸原流星と岸原夕陽の仲をこじらせてしまったこと。

・次回はこじらせない!(玉井)
・委員を増やす。(高橋)


[お悩み相談委員会、お悩み相談者ファイルより抜粋] 

98:薫◆uI:2017/08/14(月) 13:38

おおっ、無事成功!

よかったね‼

夕陽ちゃん、可愛かった〜

99:リリカ@恋歌◆JA スキナノカナ:2017/08/14(月) 16:15

薫、ありがとうっ!

夕陽ちゃんは、レギュラーメンバーに入るかも?

あれ?

あっという間に、100レス!いっちゃう!

うれしい!

100:リリカ@恋歌◆JA スキナノカナ:2017/08/14(月) 16:20


あとがき・・・?

ハイッ!
お悩み相談委員会!@finです!
でもまだ@・・・。
何はともあれ、がんばります!
(駄作者にコメントくれた方々、ありがとうございます!by七瀬)
次回も読んでくれたら、嬉しいです!

予告・・・?

お悩み相談委員会!Aは、新しい委員が入る!?
友達に、“飽き”は、あるの?

では!


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