思いついたら取りあえず書く事に決めた(センスは皆無)。
↓
電柱から覗く君は誰だろか?
私はコソリと確かめゆく
けれども何時もシュッパイする
今日も君はシャッテン延びる電柱から私を見ている
そんな所で見てないで早くお入りよ
けれども君は首を横に振る
レーゲン降る日も
シュタルカー・ヴィント吹く日も
君は只私を柱から覗くだけ
何故かと私は君に聞いた
君は口を開いた
“だって僕はゲシュペンストだから”
誰かに突き落とされ水底に沈んだ私の躰を魚が食む
先ずは皮を剥がされる
血は溢れ水は紅に染まり更に魚が集まり私を食む
食まれて穴の空いた躰に魚がぬらりと入り次にはらわたを荒らされる
美味しいかい?私の躰は?
魚に聞いた
魚は答えた
“美味しくはない 只生きる為に喰らうだけ”
私は笑った
肉を無くし骸となったこの躰で
魚は聞いた
“何故笑う?”
私は答えた
“何時かは貴方達は捕らえられ喰われる”
“そして私の肉を食んだ魚が私を突き落としたあの人の元に食物として届いたらあの人は私を二度“_した”事になるのだから…嗚呼可笑しい”
息絶え人生閉ざした私よ
黄泉比良坂の道を歩め
白の装束纏い白の三角巾を付けて
只々歩め
三本足の烏が道を示す
私が道を外さぬ様に
道を外せば地獄へ落ちると烏が云った
あくる日私は桜の木の下に
“宙ぶらりん”になっている男を見つけた
私は溜め息をひとつ吐き
穴堀金具で桜の木の下に埋める
昨日は女が
其の又昨日は互いの恋叶わぬ男女が
この桜に曰く無く
日増しに桜の下には人が増えて行く
だが其れも今日で終り
私が行くのだから
桜の木は花弁を風に吹かせ喜び舞い踊る
私は道に咲く花を踏み潰す
貴方が“綺麗”と褒めたから
私は篭の中の鳥に手を掛ける
貴方が“可愛い”と云ったから
私を見初め惚れたと云い
私の自由の大半奪い閉じ込めたのは
貴方だ
なのに他に目を向けた
私は貴方の為に自由を手放した
なのに結果はこの仕打ち
貴方が悪い
理由?それは
“私を好き”だと云ったから
私は刃物を降り下ろす
さようなら“貴方”
こんにちは“貴方”
ナハトヒンメルにモーントが浮かぶ
私は貴方と共に其れを見つめる
其処にシュテルンが横切った
私は流れるシュテルンに願う
“貴方と共にずっとこの光景を見れたら良いな”と
貴方は何を願ったの?
貴方は云った
“月が綺麗ですね”
…私は其の言葉に涙した
私の涙を貴方は手を添えて拭って微笑んだ
二人寄り添う姿を
モーントシャインが静かに照らした
“誰か”は友多き
喜しや子
“誰か”は独り
寂しい児
誰かは誰かが羨まし
誰かは誰かが妬ましき
誰かは誰かが憎々し
誰かは誰かが“_している”
夕焼け沈み
“逢魔ヶ刻”が始まるよ
魑魅魍魎が闊歩する
カンラカラカラ笑いをあげる
人通る道は魑魅魍魎の“この世道”
鈴はシャンシャン
太鼓はドン
“宴” “宴”と皆歌う
人間入っちゃいけません
これは魑魅魍魎の宴です
入りたけりゃ“彼方”へどうぞ
魑魅魍魎が“歌う” “歌う”
鈴はシャンシャン
太鼓はドン
血染めの刀 緋色に光る
部屋にあるプッペの螺を回す
プッペは歪な音を立て
ギギリギグルリ踊ってる
プッペは止まったおじぎのまんま
も一度回そう
螺折れた
もういらない
回らないプッペ
役立たず
置いてかれたプッペ
埃を被る
おじぎのプッペ
そのまんま
何か感想が有るなら書いても
良いですよ。
但し
荒し等はお辞め下さい。御願いします
手作り南瓜のランタン持ってゆき
仮装し街を練り歩く
籠にいっぱいお菓子を積めよう
お菓子をくれなきゃ悪戯するぞ
目の玉抉り
手足の爪を剥がして
端から刻む
くり貫かれた南瓜の気持ちなんて
誰にもわからない
ただ飾りの為に切り取られて
中身をほじられて
何も見えない目と
何も聴こえやしない偽りの口を
彫られて笑う
ケラケラ南瓜は笑う
(お前達も俺と同じ目に遭え)
ケラケラ南瓜は笑う
(痛いだろう?俺も同じ気持ちだ)
ケラケラ南瓜は笑う
(もう笑わないのか?)
なんか書いてみると
暗いなぁ…どうしても暗くなっちゃうんだよなぁ
親の温もりを求める赤子に
機械仕掛けの小箱を渡した親
赤子は喜び小箱で遊ぶ
小箱は色とりどりだ
けど何処か虚無である
赤子はやがて幼子になった
だが親は変わらず機械仕掛けの小箱を渡す
幼子は物云わぬ小箱と遊ぶ
親は幼子に機械仕掛けの小箱を返せと云う
幼子は其れを拒む
親は首をかしげる
幼子は云った
“親はこの小箱だ お前では無い”
鶏の首を絞めよう
そうすれば朝は来ない筈
コケェと甲高く鳴く声を
この手でキュッと絞めて
其の声が無くなるまで
鶏の首は絞めたよ
コケェと鳴く声無くなった
辛い朝は二度と来ない筈
朝日が刺す
私の体を
鶏はこの手で絞めたのに
どうすれば良い
朝が二度と来ない方法
朝が二度と来ない方法を見つけた
紐を掛けたら
朝は二度と来なくなった
私のここに書いた詩
見てくれる方居ませんか?
(荒しや悪口は厳禁で)
林檎が食べたい
私は母にねだった
母は叶えてくれた
次の日居なくなったけど
林檎が食べたい
私は父にねだった
父は叶えてくれた
次の日居なくなったけど
まだ食べたい
私は姉にねだった
姉は拒否した
次の日姉は林檎になった
私の我が儘
皆聞いたら皆居なくなった
まだ足りない
まだ食べたい
まぁるい林檎
赤い液体滴る林檎
次は貴方が“林檎”だよ
こんにちは
とても不思議な世界観の詩でとても好きです。がんばってください
待ってます!
楽しみにしてます
20:アビス◆wc:2017/10/23(月) 08:14 >>19
ありがとう!
応援してくれて嬉しいよ!
思い付いた時にしか書けないけど
良いかな?
今日も“さぁかす”が始まる
だけど貰えるのは拍手じゃ無い
野次なんだ
観客は口々に云う
つまらない
面白くない
退屈だ
毎日そんな事ばっかりだ
どうすれば良い
何が足りない
そうだ
火の輪潜りをする獅子を
お前がやれば良い
劇場は拍手に初めて包まれた
火の輪を潜る獅子は炎に包まれた
次は何にしようか
そうだ
“水中脱出いりゅうじょん”にしよう
飢えた鮫が泳ぐ水槽に
鎖を巻いた
お前を入れて
観客は喜んだ
良いぞ
良いぞ
もっとやれ
観客は虜になった
狂気の“さぁかす”
今宵も始まる
お代はいらない
誰でも寄っといで
なに
道化師になってくれれば良い
一夜限りだ
怖い事は無い
今夜は
お前は
そうだ
猛獣使いになれ
飢えた獣の餌として
>>20
はい全然大丈夫です!
待ってまーす
とある所の灰被り
今日も継母に召し使いの様に使われる
とある所の灰被り
今日は姉二人に使われる
灰被りは泣いている
継母 姉二人は
知るか知らずか高らかに笑う
今日は城の舞踏会
継母 姉達
絢爛に着飾る
だけど灰被りには何も無し
そして何時もの様に召し使い
母の墓に寄り添い泣いた
私も行きたかった
踊りたかった
墓の傍に生えるハシバミの木
白い小鳥が止まってる
持っていたのは
ドレスに
金の靴と
銀の靴
灰被りの娘
ドレスに銀の靴を履き
急いで城の舞踏会
いっておいで灰被り
>>23の続き
舞踏会に間に合った灰被り
中で人が楽しく踊る
その中で
一つ高い所から見下ろす王子
舞踏会を兼ねての嫁探し
王子は溜め息
何処にも居ない
我が伴侶になる者が
そんな時
純白のドレスに銀の靴を着た
灰被りの娘を見た王子
気付けば足が自然に娘の元へ
どうか踊っていただけないか
私と共に
この一晩を
王子と灰被りの娘は踊る
楽しい
もう一晩踊りたい
互い互いにそう願う
二晩目の舞踏会
灰被りの娘は金の靴を履いて
やって来た
待っていたよ
さぁ踊ろう
だけど楽しい時間はもう御仕舞い
灰被りの娘は別れを告げて
急いで帰る
脱げた靴も気にせずに
次の日
王子は従者に探させた
片方だけの靴の持ち主を
国中から
長女は考えた
靴が合うには
爪先を切り落とせば良い
次女は考えた
靴が合うには
踵を切り落とせば良い
だけど血が滲んで
どちらも偽物と見抜かれた
次は灰被りの娘の番
靴はピタリとはまった
従者は云った
王子がお待ちです
さぁどうぞ城へ
貴方様をお待ちです
こうして結婚
灰被りの娘と王子様
国中が祝福の声を上げる中
姉二人 媚びへつらい
娘の両脇に座る
その時娘の両肩に止まった白鳩が
姉二人の両目をくり貫いた
痛みにのたうち回る姉二人を
娘はただ冷たい目で見下ろした
急げや急げ
急げや急げ
女王様に首をはねられる
人の言葉を話す不思議なウサギ
懐中時計を見ながら急いで走る
ウサギを追いかけ木の中転がる
机の上の小瓶を飲んだら
小人になった
森の中
さまよい歩くと
イモムシが
ぞんざいな態度で
質問を
キノコを食べれば大きくなる
キノコを食べれば小さくなる
大きい?
小さい?
どっちだろう
小さな家の公爵夫人
料理人の振り撒くコショウで
くしゃみが止まりゃしない
夫人の赤ん坊
外に出したら
ブタになった
>>25の続き
森の中
再び歩く
すると今度はチェシャ猫だ
ニヤニヤしている
チェシャ猫さん
どこに行けばいいの
チェシャ猫答えた
この先行けば
三月ウサギと帽子屋のお茶会ニャ
三月ウサギと帽子屋そして
ネムリネズミが
茶会を開いてる
帽子屋はなぞなぞを出してきた
答えが出ない
そりゃそうだ
帽子屋のなぞなぞに
答えはない
ウサギとネズミも好き勝手
女王に刑の宣告を受けて以来
一人と二匹の時間は止まったまんま
だから好き勝手できるんだ
さようなら
狂った永遠のお茶会
2度と来ない
>>26の続き
最初に戻った大広間
金のカギ使って
小さな扉を開けた
開けた先は
とても美しい
赤いバラの庭
手入れをするのは
手足の生えたトランプだ
チョキ チョキ チョキ
ハサミの音
シャワ シャワ シャワと
水やりの音
突然聞こえた高い声
首をおはね
庭師達の首をおはね
首をはねられた庭師達
何が
癪にさわった?
わからない
いいんです
わからなくても
この世界は
>>27の続き
はぁとの女王様の絶対支配
だから
どんな理不尽も
女王様が云えば
まかり通るのデス
他所の世界から
来た人間ニャ
理カイ不能
そんなこんなで
始まる裁判
被告人は
ハァトのジャック
被告人の罪は
盗み
女王様のタルトを
とったんだ
大それた事を
首をおはねはまぬがれない
それでもジャックは訴える
私はやっていない
>>28の続き
けれども
周りが
ジャックの罪をでっち上げ
それにいきどおる少女
ついに切れた
感情の糸
あんた達なんか
ただのトランプの
クセに
その言葉に
怒り舞い上がる
トランプ兵
少女をトラエロ
首をおはね
悲鳴を上げたら
いつの間にか
姉の膝の上で
眠りこけ
>>29の続き
どっちでもいい
こりごりだ
でも楽しかった
ハァトのジャックの最後は
だぁれも知らない
わからない
次はどんなの書こうかな…?
32:アビス◆wc:2017/10/27(金) 18:53 ふらりふらりと歩く猫
目の前には不思議な館
中は不思議な光景
文字が宙を漂っている
ゆらり ゆらり
ふより ふより
まるで海月の様だ
中に入ったら
さっさと閉めてくれ
文字が鳥になって逃げてしまうから
館の主は云う
文字が友だと
館の主は云う
人が信じられないと
猫は問いかける
他に誰もいないのか
宙に漂う文字と君以外に
>>32の続き
館の主は答える
いる訳がない
此処にあるのは
文字と
私と
そしてお前だ
猫は問いかけた
してはならない
禁忌の問いかけを
君は寂しいのか
それとも満足か
存在するだけで何も意味をなさない
文字が
友達で
館の主は
猫を見つめたまま
黙りこくる
猫は続ける
黙りこくらないで
答えてよ
早く
早く
孤独な館の主様とやら
上手ですね……
>>33の続き
館の主
突如口開く
お前のせいで
文字が幾つか
鳥になった
友が消えた
償って貰おう
猫は云う
問いと答えが
合っていない
館の主は云った
知った事では無い
再び静かになった
不思議の館
館の主は薄ら笑みを浮かべる
友が増えたと
そして新たに漂う文字は
「猫」「赤」「黒」「皮」「臓」
>>34
ありがとう!
嬉しいよ!
雨が降る
ザア ザア
ザア ザア
カエルが鳴いてる
ゲコ ゲコ
ゲコ ゲコ
そんな道中
何が一体
ヒタリ ヒタリと
無気味な音
現れたるは
七つ人影
杖の音も
七つ突く
七人ミサキ
暗雨行脚
我達は
生前皆罪人
清き者なぞ
この列には
有りはせぬ
(まだ、続きがあるよ)
“ 人”
窃盗
騙し欺き
間引き成す
他様々
悪業重ねて
生まれた我達
七人ミサキ
来やれ
来やれ
我達の列へ
成そう
成そうぞ
我が成仏
お前
お前は
新たな七人ミサキ
帰しゃあせん
逝こう
行こうぞ
卒塔婆が其処らに
立つ道を
幽霊花
乱り咲きたる
あの道を
七より増えず
七より減らずの
我達と共に
蛙 鳴く 泣く
下呼 下呼
下呼 下呼
タルタロスさんいますかぁー?
「くま」ですが……
えーと……
闇竜の騎士……アク禁されてしまったみたいで……
巻き込まれたそうです!
ぇー……だから「もう少し待って」みたいなことを……言ってましたよ!はい……
>>40
うん!わかったよ
一つの葛には
光明を
一つの葛には
おぞまし醜き怪物を
どちらを選ぶ
小さき葛
大きき葛
決めるのは
貴方だ
私じゃない
とある所の
翁と媼の夫妻
片方は欲無き優しさ故に
光明を
もう片方は己が強欲が故に
醜き 醜き
毒蟲
幽霊
怪物と
生きてはいられない戯れを
貴方はどちらを選ぶだろう
小さき葛
大きき葛
選ぶが良いさ
罪人よ
(詩じゃ無いよ)
ノートに今書いてるんだけど
長くなりそう。
(1章)
↓
母山羊は
子山羊達に
云いつけた
良いですか
誰が来ても
すぐに開けてはいけません
たとえ私でも
疑いなさい
でないと
狡猾で
飽食を望む
狼に
喰われてしまうから
母行く後
子山羊達は
各々戯れる
外より忍ぶ
黒影が
皆喰らいをせんと
見ている事も
知らずに
(2章)
↓
狼は望む
己が腹に
満たされる程の
子山羊達を
詰めたい
狼は考える
先ず声だ
似せよう母山羊に
チョオクを食べて
コン コン コン
扉の音
お母さんだよ
開けておくれ
子山羊達は口々に
嘘だ
嘘だ
お前は狼だ
黒毛と
鋭い爪が
見えてるぞ
(3章)
↓
狼は考える
次は毛だ
似せよう母山羊に
白粉を被り
爪を仕舞い
コン コン コン
扉の音
お母さんだよ
開けておくれ
子山羊達は口々に
嘘だ
嘘だ
お前は狼だ
其の黒い足は
何だ
嘘つきめ
狼は鬱屈する
子山羊共
何故騙されん
嗚呼 苛々する
(4章)
↓
狼は考える
次は足だ
似せよう母山羊に
白布を履いて
爆ぜ兼ねなき
感情を抑え乍
コン コン コン
扉の音
お母さんだよ
開けておくれ
お前達
子山羊達は口々に
お母さんだ
お帰りなさい
開けよう
扉を
ギギィと一つ
扉の音
カランと一つ
鐘の音
開けた先は狼が
(5章)
↓
狡猾狼
鬱屈爆ぜる
己が望むままに
飽食を
子山羊達は
逃げ惑う
逃れられない
牙と爪
金切り鳴きが
一つ消え
また一つ
また一つと
声が消え
やがて鳴きは
皆絶えた
ふわり舞う
黒毛白毛
残りたるは
破壊の惨禍
そして
時を刻む台の中で
怯える末の子一匹
(6章)
↓
母山羊見やるは
惨たらしき
己が家の中
何処だ
何処なの
私の愛しき子らは
末の子山羊は
慟哭す
食べられたんだ
狼に
聞こえたんだ
狼が兄姉達を
ゴクリ ゴクリと
飲む音が
母山羊は
泣きじゃくる末の子山羊を
抱きしめ慰める
まだ間に合う
狼の腹を裂こう
持つ鋏に復讐を込めて
心に秘めよう
怨恨の情を
(7章)
↓
木の下にて
惰眠を貪る
狼は
まだ知らない
己に迫る
磨羯による怨嗟の音が
狼を見つけた母山羊は
裁縫鋏で
狼の丸腹を切り裂いた
わらわら出てくる
母山羊の子ら
代わりに何を詰めよう
そうだ石を詰めよう
いっぱい詰めよう
ゴロン ゴロン入れて
ギュウ ギュウ押して
縫い 縫い
縫い合わせて
母山羊達去りし後
眠りから覚めし狼は
気付かない
腹の中身が
子山羊から石に
なっている事を
(終章)
↓
フラフラ歩く狼
石詰め腹を抱え
見つけた井戸
覗いたら
バシャアンと
狼落ちた
水の音
ブク ブク ブク
沈む音
助けを乞う声
井戸の中
沈んだ体も
井戸の中
何も聞こえやしない
井戸の中
かっこいい〜☆
流石だぜ☆
>>52
ありがとう!
(1章)
堅実に生きる妻
せっせ せっせと
家の事
現実を見ずの猟師夫
今日もまた
獲物が捕れずの木の実だけ
あくる日
夫が帰ってきたら
其処には妻と握り飯
これは旅人の置き去りし物
妻は妻の親族から
言伝を
あんな奴に食わせるな
家でただ威張るだけしか
能が無い奴なんかに
夫の手には柿の種
何かを思いついた
交換しよう
種と握り飯を
種はいつか実に生るが
握り飯は増えりゃしない
そんな理由で取り上げた
目先の利益に囚われる夫に
将来の利益を得た妻よ
(2章)
そんなこんなで
年月8年
植えた柿の種
立派に木と成り実をつける
だがしかし
夫は変わらず威張ったまま
木の上登り柿の実喰らう
妻は身重で登れない
くれと
くれと
懇願す
夫は知らぬ存ぜぬの
独り占め
くれと
くれと
懇願す
夫は木から降り
この柿は
俺の物だ渡さない
蹴られた妻
其の場で倒れる
下から流るる紅い液
逃げ去る夫
動かぬ妻
(3章)
生まれた子
母無き子
親族は告げる
酷なる事実を
お前の
母は
お前の
父に
“__”された
憎かろう
憎かろう
其の感情は
子が知るには
早すぎた
感情は
子に初めて生を与えた
子は願う
母の敵討ちを
親族は力を貸す
子の復讐の為に
一つの怨嗟と
一つの怨恨
今一つとなる
(4章)
かつての父
今は敵
家の中
入ってきた
子は誘う
敵は追う
遠縁は敵の足に
紐掛ける
敵は転び
床の針に
全身ぶすり
恰幅の良いおば
上から乗す
深く
深く
刺さって仕舞え
おっ母の受けた痛みは
こんなものじゃない
従兄弟と従姉妹は
木棒で
全身叩く
(終章)
吊るし上げの敵は云う
お前は
俺の子だろう
だったら助けてくれ
嗚呼そうだな
おらのおっ父は
握り飯を取り上げた
柿を食わせなかった
家で威張った
おっ母の腹を蹴った
恨み骨髄に徹する程の
恨み言を云い乍
子は鉈を降り下ろす
あの世でおっ母に謝れ
一族の復讐劇
これにて幕を
何回味わった事
口の中の鉄の味
貴方につけられた
赤黒ひ花弁
涙を見せれば
貴方は笑む
光無き瞳
私を映し乍
綺麗だと云い
私の口の中を
貴方の其れで荒しく掻き回す
あぁ!
もっと私を
其の加虐の愛で
歪に
貴方の元へと
堕としてくれ
閉じ込めたい
貴方を
私の冷たひ世界へ
マイナスの
何もかも
真白の凍土
お互いに
朽ちる事は
永遠に無いから
怖くは無いよ
私は
マイナスの世界でしか
生きられない
氷の女王
白の玉座は
骸の塊
逃がしたくないの
だから皆は氷柱の中
待って
待って
私の愛し人
背かないで
御願い
独りにしないで
だったら要らない
貴方の温もりなんて
私の氷で
包んであげる
だって私は
氷の女王
広く孤独な
人の子だ
(1章)
悪戯狸
今日も里の者達を
困らせう
あくる日畑荒し
罠に掛かりて
捕まった
悪戯狸
狸汁にして
食ってやろ
それはやめてくれ
もう悪戯しない
お願いだよ
優しき婆は縄を解く
狸はにたりと笑い
えげつなき事しなさった
爺が畑から帰りて
婆は用意した鍋を
食わせる
爺が鍋の汁一口
そして婆は狂笑す
じじぃがばばぁ汁
食ったやぁい
じじぃがばばぁ汁
食ったやぁい
婆を“_”し
皮被り
汁にした
してやったりの悪戯狸
爺は怒りて
追い回す
狸は逃げ去り
いかれた歌を
カンラカラカラ笑い乍里中に響かす
じじぃがばばぁ汁
食ったやぁい
じじぃがばばぁ汁
食ったやぁい
爺去る後
飼われていた白兎
何思ふ
(2章)
山の中
悪戯狸
てらてら歩く
茅の束運ぶ白兎
もしもし其処の狸どん
手伝っちゃくれませんか
茅の束背負いて運ぶ
狸どん
後からみょうちきりん音が
カチ カチ カチ
何の音
カチ カチ カチ
かちかち鳥の鳴き声さ
ぼう ぼう ぼう
燃える音
狸の背中も
ぼう ぼう ぼう
熱い
熱いよ
兎どん
(3章)
まぁ大変
塗ってあげませう
この薬
ただれた背に
塗り薬
実は違う
蓼の汁
忽ち火ぶくれの
狸の背
痛い
痛いよ
兎どん
蓼食う虫も好き好きとは
良く云った物で
(終章)
まぁ大変
舟があるから
其れに乗ろう
狸どんはそちらの舟に
私は彼方の舟を
ギコ ギコ ギコ
舟漕ぐ音
ブク ブク ブク
何の音
お前の泥舟が
沈む音さと
兎どん
ずぶ ずぶ ずぶ
沈む音
助けて 助けて
兎どん
掴まって狸どん
そう云い
櫂の棒
ばし ばし ばし
狸を叩く
更に沈む狸どん
遂には
沼の底の
狸どん
(1章)
ピィヒャラピィ
とある國の
とある町
鼠がわんさかいましたと
鼠は運ぶよ
黒の使者
使者の正体
黒“_”病
大人も子供も
皆平等
彼方の世へと
連れて行く
黒の使者
ふらり現る
謎の者
私に任せてくれないか
追い出してみせよう
鼠達
報酬出してくれるなら
(2章)
嗚呼 出してやる
本当に
追い出せたら
約束守れよ
ピィヒャラピィ
ラッパ吹き鳴らす
鼠は群れなして
大行進
彼方の方へお行きなさい
それなのに
何も出しゃしない
大人達
者は鳴らす
ピィヒャラピィ
子供ぞろぞろ
連れて去った
もう一つおまけ
ピィヒャラピィ
(終章)
とある國の
とある町
鼠がわんさかいましたと
そしてとても奇妙です
鼠は運ぶ
黒の使者
大人だけが
皆平等
彼方の世へと
連れ去る
黒の“_”者
ね 奇妙でしょう
子供は何処に行ったのか
わからないから
ラッパを吹こう
ピィヒャラピィ
者とは誰の事
ハァメルン
(作者より)
見てくれる人がいる
楽しみにしてくれる人がいる
こんな私の詩を
ありがとう
ありがとう
私は見てくれた者に届けよう
音無き拍手を
存在して初めて意味をなす
感謝の言葉を見てくれた貴君達に
僕は夢を見る
怪物に喰われたいと
少年は周りにずっと
そう云ってきた
周りは
奇妙な奴だと
少年を疎む
少年は云ふ
だって知りたいのだもの
怪物に喰われるのが
どんな気持ちか
少年はやがて
青年となりても
夢を語る
怪物に喰われたいと
周りは云う
目の前にいるじゃないかと
ぎょろりと血走る眼
垂れる涎
其の隙間から光る牙
>>69の続き
青年は喜んだ
夢が叶う
だってねぇ
夢じゃ怪物に
食べられないもの
幻想怪奇の
主人公に
今なろう
頭からガリゴリ
いってくれ
否
一つずつ千切られるのも
悪くない
兎に角
僕を喰ってくれ
叶えたいんだ
僕の夢
痛い 痛いと
叫ばせて
助けて 助けてと
命乞いさせて
そして
全て聞き入れず無慈悲に
食べてくれ
>>59の詩の別視点の詩ですよ。
乃公が君に付けた
赤と黒が混じった
印を見る度に
君が乃公の物だと云う事に
綺麗だと云う事に
何時も気付かされるよ
人は思うだろう
其れが愛なのか
おかしいと
だが其の事でしか
愛を確かめる
与える事しか出来ない
彼女もわかってくれている
それで良いじゃないか
リンドウの花が散る迄
加虐の愛を
ねぇ 何がそんなに
嬉しいの
華美な服着て
キラキラ宝石で
飾ってさ
全て私には
偽りにしか
見えないよ
くすんで見えるの
服も 宝石も
そして貴方も
何故だろね
貴方は云ったね
お姫様になりたいの
既になっているでしょうに
何度も 何度も
一夜限りの
王子と共に
踊る姫君に
貴方は一体
何人の王子と
踊ったの
其の度に
棄ててきたね
王子も
そして中のモノも
今は未だ身軽かい
お姫様
汚れた華美な服着て
汚れたキラキラ宝石付けて
貴方は去って行く
行ってらっしゃい
お姫様
しがない魔女
只手を振る事しか
出来なかった
館に
また誰か
迷い込んだ様ですよ
其の館は
とても不思議な
文字が宙を舞っているんだ
冒険心を掻き立てられると
思いませんかね
でも気をつけて
此処の主は
人であって
人じゃない
見つかったら
“_”されて
文字にされちゃいます
そんな事知ったこっちゃ無い
貴方は進む
溜め息溢し
警告はしましたよ
>>73の続き
主とやらが何だ
僕は怖くない
ほら ほら
こんな事しても
怒らないの
此処の主様とやらは
首の欠けた
片足無くした人形を
ブンブン振り回す
其の人形は
主様の大切な
御人形
なんとまぁ
愚かな事を
あぁ ほら
起きてしまったよ
この館の主様が
何をしている
後ろから響く声
振り返る者
文字にはしてやらない
其の代わり
人形のぱぁつに
なって貰おう
主様を
怒らせた冒険者
人形のぱぁつに
なりましたとさ
え 私は誰ですと
まぁ 其れは
後程と云う事で
また会いましょう
「ネクロ性愛」
今日はこんな事があったんだ
何も答えない私
明日は晴れるかな
何も答えない私
答えないんじゃなかった
答えられなかったんだ
寂しそうに笑みを浮かべる彼
でも好きだと云う彼
そりゃそうでしょうよ
私を動かない様にしたのは
彼だもの
愛して貰わなきゃ
困りますよ
でないと
貴方の
貴方だけのネクロになった
意味が無い
あの夜の事は
忘れませんよ
涙を浮かべて
私に手を掛けて
生きてた頃の
最後の光景
なんだったけ
嗚呼そうだ
思い出した
笑っている
彼の顔だった
「睡眠フィリア」
良く眠っているね
其のままで良い
誤解しないで
起きている君も
勿論好きなんだよ
だけれど
一番好きなのは
眠っている時の君
スゥスゥ寝息を立てて
寝返りで
少し乱れた髪に隠れる顔は
なんて愛らしいのだろう
あ 五月蝿かったか
でも丁度いいや
君の寝顔が
正面にきたもの
本当は
其の頬に触れてみたいけど
君が起きちゃうから
ガマン ガマン
空の闇が深くなったよ
今夜も良く眠ってね
星は瞬き
月は昇り
眠る女の横に
クスリと笑い乍
佇む者一人
「オキュロ愛好」
はぁ と深く溜息をつく
今日も輝いているなぁ
君の眼は
そんな事を思い乍
君の顔を見つめる
恥ずかしそうに
顔をそらす
赤ら顔は更に
君の眼を
際立たせる
君は
聞いてくれるだろうか
私の願いを
目玉が欲しい
抉り取ってくれ
そして私の手の中に
聞いてくれる訳無いか
それに
君の眼から光が消えるのは嫌だ
だから
君が生きている間は
この思いは胸に秘めおこう
君が逝ったら
眼は貰ってあげる
光は無いけれど
それでも良い
思いを馳せれば
喜びに輝く眼も
陽炎みたくゆらりと悲しの眼も
怒りにたぎる鋭ひ眼も
私だけの物に
「赤クレヨンと少年」
暗い 暗い
部屋の中
真ん中にぽつりと少年
右の手には
赤のクレヨン
そして今日も描く
助けてと
何して
閉じ込められた
皿を割った
云う事を聞かなかった
目障りだった
只の理不尽も
少年にとっては
理由となる
子供であるがゆへに
どんな暴力も
愛として
受け止めるしかなひ
壁に助けてと
出して下さいと
無き声で叫ぶ
やがて忘れ去らるる
見つかつた少年
白骸となりて
手に握りめたるは
赤ひ小さな欠片
「色山羊に妄呵責」
それは人であり
人間でなかった
皮を被った
色欲の山羊なり
欲の侭に
私の体に触れ
口付けを交わそうとした
其の時の感触は
今でも残りたり
己は私に問ふ
されし事を黙るのは
己の罪なりや?
周囲に助けを求むる事せず
只 己が内に閉じ込めて
過ぎ去る時が流してくれると
お思いか?
私は己に云った
若し願いが
叶うと云うのならば
私は
色欲の山羊に
呵責をしたい
生きた侭 皮を剥ぎ
癒えぬ 責め苦を与え
そして“_”したいと思う私は
罪なりや?
思ふ事は罪では無い
するとならば罪だがな
「吉遊情事(きちゆうじょうじ)」
蝶は誘う
おいで おいで
此方へと
蝶の色香に
まいってしまった魚
招かれるが侭に
格子の中へ
惑わす蝶は
身を差し出し
魚は
貪り喰らふ
一夜の情事を
記憶する事無かれ
蝶よ
一夜の魚に
恋慕する事無かれ
約束の証
指ひとつ
万の拳で
殴られようと守られよ
嘘吐きは
千の針を呑まそうぞ
蝶は手招く
己を閉じ込めし
赤格子の中へ
何時か
誰か
連れだして
赤格子の中は
もう飽いた
成すならば
夜が明けぬ内に
はらへらを
「兎に思ひ 角も人」
起きた時
私は泣いていた
嗚呼 私は未だあの時の事を
忘れられてはいないのだ
必死に記憶から消そうとした
だが体に染み付いた
見えなひ傷は
私を確実に蝕んだ
空に浮かぶ細の三日月と
足元の靄は
心の現れだろうか
私を笑うな細の三日月よ
早く消えて仕舞え
忌々しき靄よ
兎 叫ぶ私は
角に狂人
周りは只云う
忘れろと
消せぬのだ
無茶云うな
其れしか
云えぬのなら
黙っててくれ
された事が無いから
云えるのだろう
忘れろと
汚れの淵に
落ちて仕舞え
悲の深に
溺れて仕舞え
兎 思ふ私は
角に咎人
「文字館 遣蝙蝠」
皆様方へ
御機嫌様
え 私は誰ですと
また会いましょうと云った
私ですよ
今は主様の使いを
しております
私の事が知りたいと
数奇者ですね
さては貴方
良い 良い
良いでしょう
お教えしませう
私の事
姿在りし頃
私は蝙蝠でありました
トーテンシェーデルが友でありました
語り相手で
寝の床で
仲間蝙蝠と共に
宴の
飲めや歌えや
そんな時
一人の者が
迷い込み
仲間蝙蝠
血の気多く
襲うけど
皆々レーベンを
奪われました
其の者は
プリュンダラーと
云いませう
私迄レーベンを
奪われたく無いと
命乞い
こうして私は
主様を得ましたと
私の姿が無いのは
何故で御座いましょうかと
主様は苦手なのです
自ずの姿を見られるの
はてさて
そろそろナハトが明けますよ
私は結局何者ですと
只のフレーダーマオスですよ
ま フェアラート
フレーダーマオスですが
(作者より)
>>32−>>33−>>35の題名は
「文字館 好奇猫」
>>73−>>74−>>75の題名は
「文字館 愚ノ冒険者」
“しりぃず”みたいな物ですね
「洗い髪のヴイナス」
ぼうと見やる庭の先道に
カランコロンと
下駄の音
石鹸の香り
たなびく黒髪
洗い髪のヴイナス
はと気づくと
ヴイナスは消えた
喫茶処で茶をしていても
学び舎にて学業を積もうと
浮かぶのは
洗い髪のヴイナスの事ばかりだ
胸中が熱い
ヴイナスの事を考えると
顔は如何だろうか
判らない
洗い髪のヴイナスよ
願わくば
もう一度 我が前に
そして顔を
見せてくれ
友にヴイナスの事を話す
友は鼻で笑ふ
何が可笑しい
人を想う事が
そんなに
庭前の道に
カランコロンと
下駄の音
ヴイナスだ
ヴイナスの下へ
私は駆け寄る
洗い髪のヴイナスの足先に
小動物がいた
ヴイナスは邪魔だと
蹴ろうとす
私は庇い
ヴイナスに蹴られた
ヴイナスは
知らないと
足早に去る
麗しかった
だが麗しくなかった
小動物を蹴ろうとす時の
顔はまるで
鬼女であった
自分は恋をしていたのだ
洗い髪のヴイナスに
だが其れは
私の理想の中だ
私は眠り泣いた
女中は心配そうに
私を見ていた
私は鈍感故に
知る由もなかった
(作者より)
私の詩を見た者は
皆言葉を揃えてこう云う
不思議だと
こんな私の語彙力の欠片も無い詩を
或る人は云った
謙遜をと
其の言葉に私は発破をかけられた
様な気がした
嗚呼 見てくれているのだと
なんと私は果報者だろう
有難い
私は改めて感謝せねばなるまい
この詩を見てくれる者達に
「桜花の正腐虫」
悪人を懲らす者達
地に墜ちる
権力を傘にし
民衆に虐の限りを
尽くす者達の何処に
正 があろうか
黄金の桜花は
端から腐りて
形のみありきの
存在ではないか
未だすがるか
偽の者達が
何も保たない
黄金の桜花に
今日も輝くのだろうな
桜花の紋は
民衆を守る為ではなく
偽正の腐虫を
隠蔽す為に
「泥壺」
物は形あれば
何時か壊れる
では
見えない物は如何だろうか
壊れる事を許されない物は
考に服す
もう限界だ
これ以上は
壺は叫ぶ
負の情を詰める物
最初は耐えた
だが負の情は
絶える事無く更に増す
ひびが入った
未だ大丈夫
そう己に云い聞かす
負の情は
減る事無く
水として入り
泥となる
泥は
外に出ずらんと
壺の中で暴る
壺は出さまいと
地に張り留まる
ひびはやがて
全てを巡った
本来は壊れる筈である
だが
形は保った侭だ
何故だろか
泥である
泥は
出ようとした
壺は許さなかった
故に
泥がひびを
補する形となった
これが水ならば
とうに壊れたろう
今日も壺は
其処にある
壊れる事を許されずに
泥と共に或
「大正明暗混々」
ざんぎり頭を
叩いてみりゃあ
文明開化の音がする
誰の頭を
はたいたので
自分の頭か
そりゃそうだ
他人の頭は
逆にしばかれる
人々は
各々の自由を
謳歌する
アッパッパを翻せ
喫茶処で
清涼珈琲水を飲め
閑雅な食慾
おむれつ ふらい
成金彼方ほら
御嬢さん
これで明るくなったろう
札を一枚
贅沢な灯り
体の中に
過剰投薬
其れで逝こうとも
狂になろうとも
自由 自由だ
アッハッハ
ばんから其処らに
西洋風の
ハイカるさん
兵隊勘定
御馳走様でした
(作者より)
>>89のについて
アッパッパ→女性のワンピース
兵隊勘定→割り勘
ハイカる→西洋風な格好、振るまい
これ等は大正で使われた言葉なんです
最近大正の言葉が良いなって思ふ
今日この頃
「惰する操人ノ形」
誰かに従っている方が
楽だ
自分の考えなんて
等に棄てた
怠惰に生きる事の
何が悪い
別に迷惑を
かけている訳じゃない
操人形は
全てを知り尚
たったった
らぁらぁらぁ
はいで御座います
ご主人様
歌いましょう 踊りましょう
仰せの侭に
糸ぷらりぴんと張り
手足逆でも
構いませぬ
さぁさぁ
どうぞ
操って下さいませ
自分が考えを
持つなんて
ろくな事が無い
災事を招くだけ
だから私は
怠惰に生きる
人の形をした
操で良ひ
人間を棄てた
後悔は無かった
今迄は
操人形は飽きられる
人間もまた飽きられる
私もまた飽きられた
埃を被り
うずくまる
望んだ筈なのに
何故後悔が
まぁ良ひとしよう
もう動かなくて
良いんだ
誰の為にも
欠伸を一つ
眠りませう
考える事すら
面倒くさい
「嫉蛇妬犬」(しじゃたくいぬ)
私は今日も我慢した
今日も良い子でした
なのに
報われないのは何故なのか
自分の欲しい物は
皆心に秘めた
家に帰れば
直ぐに家事もしている
なのに
何故彼奴ばかりが
報われる
何故彼奴ばかりが
幸になる
嫉ましい
妬ましい
私は刄を
心に突き立て
欲の木に降り下ろす
ぐしゃりと音立て落ちて
足元は赤と紫に
染まる
これで良いんだ
これで私は
もっと良い子に
なれる
良い子であれば
報われる
我慢をすれば
幸が来る筈
なのに来ない
他を困らせる貴様が
幸を手に入れられる
何故貴様なのだ
私は刄を
貴様に突き立てる
嫉みを鞘に
妬みを刀身に
貴様の心に
降り下ろす
今の私は蛇だ
嫉に狂いた
今の私は犬でもある
妬みて吼える
答えろ
貴様は如何やって
幸を手に入れた
首を足蹴に
私は問ふ
とても才能のある詩だね。情景が想像しやすいし、思いが伝わってくる。これからも頑張ってね。
94:アビス◆wc:2017/11/23(木) 22:46 >>93
…私には勿体無い言葉だ
“才能”なんて…
とても嬉しいよ!有り難う!
あ、アビス!
お久〜
アク禁解けたよ!
ごめんねこっちに書いて
ポエム上手いね!私なんて全然だから羨ましいよ…
>>95
久しぶり!
アク禁解けたんだ!
良かったね!!
詩、見てくれたんだ。
ありがとう!
「哀愚の人形師」
坊っちゃん 嬢ちゃん
寄っといで
お話しが始まるよ
工房から音がします
カンカン トントン
町一番の人形師
人の笑顔の為に
人形作り
人形師の人形は
誰かの手に渡る度
其の人を笑顔に出来る
不思議で素敵な御人形
さぁさぁ
坊っちゃん 嬢ちゃん
寄っといで
この人形師が
笑顔にしてあげよう
泣いてる子には
人形をあげる
涙を拭いて
さぁ笑おう
今日も頑張る
町一番の人形師
魔の手が来るよ
>>97の続き
人形師の工房に
ある人物が
やって来た
身なり絢爛の
貴族様
人形師に云いました
友達になろう
広い工房を作ってあげよう
僕の城に
君の為に
友達 其の言葉は
人形師にとって
初めての言葉
勿論です
嬉しいなぁ
初めての
友達が出来たのです
でも気をつけて
飴の様な
甘い言葉ほど
怖いものは無いのだから
>>98の続き
城にやって来た
人形師
貴族様が手招いて
おいで おいで
こっちだよ
案内された
地下工房
とても広くて
道具もいっぱい
うれし泣きだね
人形師
早速作ろう
人形を
トントン カンカン
ガシャアンと
突然何の音
戸惑い焦る人形師
檻の音だよと
貴族様
したり顔で微笑んで
作っておくれ人形を
僕と云う
友の為だけに
>>99の続き
まだまだ続くよ
坊っちゃん 嬢ちゃん
席は立っちゃいけないよ
閉じ込められた
人形師
それでも作ります
友達の為に
トンカン トンカン
心優しい
人形師
騙されている事に
まだ気づかないのです
そしてもう一つ
作った人形達が
何に利用されているのか
町の人々から
笑顔が消えました
それは何かわかりますか
人形師の人形達です
楽しませる為の踊りは
狂気のワルツへ
人々の体が飛ぶんです