被害妄�zちゃん(1)

1: 匿名:2020/11/26(木) 00:28


クラスメイトが自殺した。
その子はいつも被害妄�zが酷かった。

純粋無垢の花【短編百合小説�z(7)

1: 依夢:2020/11/08(日) 23:32

タイトル通り最近目覚めた(かけてる?)百合の短編を気分で置いていこうかと。

*百合小説
*気分なので不定期&甘々、時には悲しい、死ネタもあるかも。
*表現力はない
*感�z、アドバイスなど、荒らし以外は大歓迎!

それでもいいって人だけ楽しんでね

2: 依夢:2020/11/09(月) 00:04

さっそく一話目投下。

【向かいのあの子�z

毎日、同じ車両の向かいに座っている彼女は、華やかさの擬人化のような女の子。

ふわふわした綺麗な髪にいつも視線を奪われそうになるから、私はいつも、すっかり持っているだけになってしまった本に、視線を戻す。
内容はもう忘れてしまった。彼女に興味を持ったのは、私と同じ本を持っていたから。
ふと視線を上げた先に見つけた、長いまつ毛に縁取られたたれ目に、釘付けになった。
お人形さんみたいだと思った。
高校が違うし、話したことも、名前も知らないけれど。

ああ、あと一駅で、あの子が降りてしまう駅だ。

明日も会えるだろうに、名残惜しく思うのは、きっと、ただの憧れじゃないから。

カツカツ、心地よい音を鳴らして近づいてくるのは、誰でもない、あの子だった。

「ねぇ、私の事、ずっと見てたでしょ?」

小鳥がほほ笑んだような笑顔に釘付けになって、ごにょごにょと言葉が紡げなくなってしまった。
恥ずかしい、消えたい。

「ご、ごめんなさい、あまりにも綺麗だったから…」
「そうなの?ふふふ、うれしいな。…うん、やっぱりあなたって可愛い。」
「え?」

急に顔を覗き込んできたその子は、利口な探偵のような顔で頷くと、可愛いと発した。
…私が?

「でも、わたしがずっとあなたを見てたの、気づいてないでしょ?」
「わ、たしを?」
「そう、すごく好みだったから。」
「…何言って…」
「びっくりした?でも、冗談じゃないよ。…あぁ、もう行かないと。」

次の駅を確認すると、彼女は楽しみにしていたものの準備がもう少しかかるといわれた童女のような顔をして、残念、と呟いた。
美人は、こんな表情さえもきれいなんだ、と場違いに感心した。

くるり、とスカートを翻して去ろうとする彼女は、一度だけバレリーナのように優雅に振り返って。

「また明日。」

彼女の口パクがそう言ったように思った。

【終�z
【こんな感じの長さで基本一話完結にしようかなと。�z

3: 依夢:2020/11/11(水) 20:30


【変わりたいなんて�z

「由衣ちゃん…やだよ」
「ごめんね、もう、無理そう。今までありがとう夏樹ちゃん。」

夕日の差し込む病室…かな、今はもうよくわかんないや。
夏樹ちゃんの泣き声だけが鼓膜に響く。もう、顔も見えなくなりそう。

「ねえ、約束しよ?」
「…何を?」
「私が死んでも、元気でいてね。」
「…なんで、死ぬとか言うの…やだ、やだよ…、」

グスっと鼻をすする夏樹ちゃんの手を握って、最後の力で微笑む。

「ううん、もういいの。夏樹ちゃんにだけは幸せでいてほしいから…」
「由衣ちゃん…っやだ…」
「ねえ、もう一個約束してほしいの。」
「…何?」
「どれだけ、辛くて、私に生きてほしいって思っても…変わりたいなんて絶対思わないで、お願い。」
「…うん……っ、私、頑張って生きるから…っ、今まで、あり…がとう…」

よかった。これでもう大丈夫。これで、安心。
私たちなら、また会えるから。

だから。

絶対に、変わろうなんて思わないでね。
それじゃあ、私が変わった意味がなくなってしまうから。

【終�z

妄�zプラクティス(14)

1: 雨辻草:2020/10/13(火) 13:23

小説の練習です

2: 雨辻草:2020/10/13(火) 18:05

序章@



生まれた頃から、世界は暗闇に包まれていた。
空を見上げると、常に黒々とした曇天の空が広がっている。太�z光を受け入れる特定の領域から少し離れると、文字通り、真っ暗闇の空間が、�zの光を拒絶して永遠に続いている。そこは到底、人が生存できるところではない。
世界は、もうじき暗闇に飲み込まれてしまうのだろうか。この街も、人々の思いも、希望も未来も何もかもが暗闇に取り込まれ、全てが失われてしまうんじゃないか。そんな人々の不安と恐怖は、暗闇の膨張と共に日に日に増すばかりだった。



「 …おい」


男から声がかけられる。


「 …おいっ!何ぼっーとしてんだ!!」


その声が明瞭になった時、ようやく自分が今何をすべきかを自覚した。意識が少しずつ戻ってくる。横には仲間である茶髪の男が、オレの肩に手を回して支えている。
そして、オレたち目の前は自身の体から炎を放つ魔物が立ち塞がっていた。
その魔物は、2メートルを優に超える巨大な肉体に、カジキマグロのようなとんがったツノを持ち合わせ、爬虫類のような鋭い視線をこちらに向けていた。


「 …わりぃ…数秒間、気を失っ」


オレの声をかき消すように爆発音が鳴った。
瞬間、オレに声をかけてくれた茶髪の男の身体が、炎と共に細切れの肉片となってあたり一面に炸裂した。耳鳴りがきーんと響き、目の前へと振り返った時には、すでに何もかもが手遅れだった。


「 痛っ…っ、てェェァァェェッ!!」


腹部から込み上げる激痛の対処法は叫びを上げることのみだ。オレの腹部には、炎の魔物の岩石の如き拳が、骨肉構わずにメリメリとめり込みつつあった。


「六合クンッ、イタイイタイしようなぁッ!!ギャハハハハハハハハハハッ!!!」


楽しそうに笑い出す魔物に対して、オレはなす術なく、ズドンっと拳の打ち込まれた方向の直線上に凄まじいスピードでぶっ飛んでいく。


「 あ…ッガァァ………」


バコンッ!!と音を立てて、背中から壁に打ち付けられる。
あたり一面の炎の熱気のせいで、意識がかろうじて残存する。体内の臓物が圧迫された重い鈍痛が生命の危機を探知する。今すぐ逃げなくちゃ確実に殺される、そう反応しているのだ。
しかし、自分の身体は、壁にめり込んで動けなかった。それだけではなく、僅かでも動こうとするものなら、腹部からドロリとした何かが溢れ出てきそうな予感がした。
恐る恐る、視線を下に向けるとオレの下半身は、既になかった。


「 …あ…っあ、あ……う、嘘だ…そんなわけない…」

3: 雨辻草:2020/10/13(火) 18:06

A


その瞬間に意識がゆるみ、断面から垂れていた臓物が地面にこぼれた。到底、正直ではいられない。頭ん中がぐちゃぐちゃになる。
人間の脆さ、悪魔の強さ、世の不条理。
正義という理�z論。悪魔という現実。
急激な嘔吐感覚にオレはありったけ血を吐いた。  
今になって記憶が明らかになる。現在、炎に包まれているここは製鉄工場で、オレたちは、悪魔狩りだ。そして、30分ほど前に、緊急で上級悪魔を狩りに仲間と共にここにきた。
さっき炎で細切れにされた茶髪の男が、隆盛。あのぶっ壊れたベルトコンベア上で、槍を腹を貫かれながら死んでる女がアリシア。天井付近で鎖で首吊りにされている男が式隊長だ。そして、今こうしてバカでかいドラム缶の壁面にめり込んで、下半身を失った間抜け野郎がオレ、桐島燎人(きりしまやくと)。
下級の悪魔狩りである俺たちは、愚かにも高位の悪魔に挑んだ結果、惨状に終わるのだ。


「 テメェをクッテ、オレサマはサラ二進化スル。イマ、空蝉ノ王が、コレカラ六合を食うオレサマを見テイルッ」


「 クッソぉぉぉお…ッッ」


オレはここで死ぬんだ。隆盛、アリシア、式隊長。それだけじゃなくて、今までに死んでいった仲間たちの無念を晴らすこともできずに、あっけなく殺されるんだ。逃げようとした自分が許せない。そして悪魔、お前らが許せない。


「 ギャハハハハハハっ、六合、テメェはヨエェ。ダカラ、ソウヤッテ叫ブ。無様無様無様ァァァッ!!!」


悪魔の口が開かれる。その口は、縦に開かれるのではなく、横に開かれる。ザクロのようなグロテスクな口はトゲトゲしく、オレを喰らうのに微塵も苦労しないだろう。

【住民が全員�zコーポ避難所【犯罪者なんだが�z(9)

1: 風季乱:2020/08/05(水) 20:47

社員寮の工事で急遽身を移したアパート──【コーポ避難所�zは、隣人どころか住民が全員犯罪者だった。

103号室なんかまたドンパチしてませんか?
101号室から悲鳴が聞こえるんですが。
あぁ、しかも泥棒に作り置きの唐揚げを盗まれてる。






手の焼ける男(物理)の息抜きに書いていくので、更新頻度は遅めです。
コメディー、たまにミステリー。
>>02 登場人物

2: 風季乱:2020/08/05(水) 20:55




【キャラクター�z

[遠藤 零壱(えんどう ぜろいち)] 103号室
食品会社に勤務するサラリーマン(26歳)。
お人好しだが正義感は皆無。
家事スキルが高く、よく作り置きした料理を泥棒に盗まれる。


[連条 渋貴(れんじょう しぶき)] 102号室
盗みを生業とする三十路の男。
スリや空き巣などの軽犯罪から、絵画やを美術館から持ち出すなどの大罪まで犯している。
零壱に料理をたかるなど、だらしない性格だがモテるらしい。


[但木(ただしぎ)] 101号室
本名不詳、推定年齢35歳。
大統領やマフィアでさえ恐れる凄腕の殺し屋。
無口で気難しく、信用していない相手には口をきかない。
毒を警戒してコンビニ弁当以外口にしていなかったが、零壱の料理だけは食べる。


[西馬 うずめ(さいば うずめ)] 201号室
ヤクザ組長の娘で、高校二年生。
高校は不登校気味で、クラッキングやダークウェブの徘徊をしている。
ワガママで食にうるさいが、零壱の料理は認めている。


[風橋 空真(かぜはし くうま)] 203号室
元�zストで結婚詐欺師の22歳。
常に変装して偽名を使い、裕福そうな女性に貢がせている。
一見チャラ男で浮ついた男だが、心から女性を愛したことはない。
過去のトラウマから手料理全般は駄目だが、零壱の料理は食べる。

3: 風季乱:2020/08/06(木) 01:26



「──というわけで、1階の人は申し訳ないけど、来週から3ヶ月間だけ社員寮退去をお願いしますね」

──社員寮が燃えた。

といっても大規模な火災ではなく、一階の内二部屋が燃えただけに留まったのだが。
しかし思いの外傷んでいて修繕が必要だったようで、この際老朽化したところは徹底的に直そうという次第だった。

「俺らは近くに実家があるから別にいいけど……零壱(ぜろいち)、お前の実家って新潟だろ? 会社が�zテルとか手�zしてくれんの?」
「いや特には……近場のアパートを借りるよ」

こういうのって普通は会社側が責任をもって�zテルなり代替の住居を用意するべきなのだろうが、うちの会社はブラックな所があるのでその辺の保証は無い。

会社近くの──通勤時間1時間以内のマンスリーマンション等を借りられれば良いのだが、結構な人数が寮から追い出されるため、会社の周辺はかなり倍率の高い争奪戦になるだろう。

「3ヶ月間だけなんだべ? アパートじゃなくても、ウィークリーマンションとかさぁ」
「いや……もうこの際だから社員寮を出てくことにした」

俺はスマートフォンを取り出し、ブックマークしておいたアパートの入居者募集ページをスクロールした。

「ここに決めたんだ」
「へぇ、結構ここから近いじゃん。値段も悪くねぇし」

敷金、礼金0円、駅から徒歩10分、家賃3万、事故物件でもない。

しかしまさかこの部屋がとんだ"事件物件"だったなんて、この時の俺は知らなかった。
仕方ないだろ、どこにも記載されていないんだから。

題名のない人生…【ノンフィクション�z(5)

1: マフユ◆7U:2020/06/20(土) 23:00

私の人生について語る場所です。感�z、乱入ok!投稿日などは決まってません。あと、やけに大袈裟すぎたらすみません。文章もあまりうまくないのでよろしくおねがいします!

紺色の部屋【テーマ不透明�z(1)

1: 匿名:2020/06/09(火) 23:49


寂しく、重苦しく、無音の紺色の室内。薄い灯はチカチカと、すぐそこに迫った
別れを告げている。そんな部屋の壁に寄りかかっているのは二人の青年だった。
一人は黒くバサバサした髪をしており、もう一人は白く軽い巻き毛だった。
どちらも健康的かそれ以下の体つきだった。そしてそれに似合わない黒く重々しい銃を双方が持っている。二人は話さなかった。ただ乱れた息を直しながら床、銃、入口付近などを順に見つめる。スッ、と息が整い、やっと二人は顔を合わせる。
互いに口元、鼻の下、�zから顎にかけてなど、至る所に赤黒い血がついている。
2人は数秒それを見つめると、フッと目を逸らしその醜さを笑った。

「最後のさいごまで汚ねぇ顔しやがって」
「…そっちこそ。」

次に顔を見合わせた時はその顔に苦笑が残っていた。腹の底から笑えなかった
事に苛立ちと虚しさが残っている様だ。その顔を見たくないという様に目を閉じ
遂には片手に構えていた銃を相手に向けた。二回、安全装置が外れる音がした。

「「じゃあな」」

数十秒後には建物内の人間に銃が二発撃たれたことが知れ渡り始めた。

【いじめ小説�z(2)

1: &◆KI:2020/05/30(土) 03:00

モデル界のいじめ小説です♡
いじめなので、苦手な方は見ない事をお勧めいたします!
このお話は現実とは一切関係ありません!
荒らし等はお断りですので、楽しみに見てくださる皆さんだけでお願いします♡

【いじめ,�z(25)

1: &◆T.:2020/05/29(金) 11:56

プロローグ

「佐藤」「斎藤」

席が前後だったのは偶然だった

もしそうで無かったら仲良くなんて慣れていなかったかも

いや、私が莉愛羅に関心を持たれる事など無かったかもしれないな

2: &◆T.:2020/05/29(金) 12:01

中学入学4日目

忘れようも無い実に衝撃的だった佐藤莉愛羅

ピンク髪解禁

それはもう堂々としたものだった

まだまだみんな愛�zよく振る舞う友達作りの序盤も序盤だと言うのに強烈な個性の主張

私の感�zは当然「このこやっばー!不良かよ」だった

自由な校風で髪を染めるのは茶髪程度なら何も言われないが「1年生はしてはいけない」と言う暗黙の了解があった上まさかのピンク

当然先輩達に目をつけられた

3: 匿名:2020/06/01(月) 09:49

「あのさー、1年でしょ?初っ端からその頭何?スカートも切りすぎだし、今年の入試レベル低いって思われるよ?」

呼び出されてる莉愛羅を見て私は

まじで呼び出しされてんじゃん

あーあ……どーやり過ごすつもりなんだろ

そう思っていると莉愛羅は先輩に対して

「うるっせぇんだよ、お前ら学校の支�z者でも気取ってんの?えー?何?学校の風紀は私が守る〜的な?風紀委員会無いのにセルフ委員?ちょー痛くね?」

うわ、喧嘩売ったー

「は!?親切で言ってやってんのよ生意気だな!」

そういうと先輩は莉愛羅を突き飛ばした

「……う、うええええええぇん」

「うわー泣き出したんですけど!さっきまでの勢いどーしたー?」

先輩にそう言われると莉愛羅は携帯を取り出し

「……はーいおっけー、こっち向いて、動画の最後に目線もらって良いですかー?あーもう肘打ったじゃんいったーい、つかあからさまな呼び出しに何の準備もしないわけねえだろ、ずっと撮ってんだわばーか!今時そんな可能性も考えず呼び出したん?頭悪すぎ!お前らの代の入試大丈夫〜?もうパソコンに送ったんで大事に保存しますね、せっかくだし良い感じに編集して知らない先輩に殴られましたって教員室で泣いてこようかな〜?あーSNSで公開した方がいい?それともデータ親御さんに送りましょうか?」

「は?ちょっ……」

「ねぇあんたら、今後私にごちゃごちゃ言ってきたらテメェらの人生に一生消えない傷を付けてやるからな、陰湿にずぅーっとね」

莉愛羅が先輩を堂々と追い払った話は広がって怖がる子がいる一方で武勇伝の様な扱いをする子も居た

 �zのあたる小さな木の下で。(11)

1: 柚葉◆.sE:2020/05/17(日) 14:20


 〈注釈〉
 ・気まぐれに小説を書くだけ。
  それ故更新はまちまちです。
 ・私が文の練習をするための小説スレですので
  アドバイス頂けるとすごくありがたいです。
  勿論、感�zを頂けるのも嬉しいです。
 ・男女四人出てくるけど恋愛要素ないです。
  ほのぼのした日常を書きたいので。

2: 柚葉◆.sE:2020/05/17(日) 14:44


 四月。程々に暖かく、優しい風の吹くこの季節は本を読むのにはとても適した気候なのではないだろうか。湯島貴結(ゆしま きゆ)はこの季節になるといつも広い庭にでて、優しい風を楽しみながら木陰で本を読む。そこに紅茶があるとなお良い。

 彼女がこの場所を好むことにはいくつか理由があった。一つは部屋にいると同居人たちがうるさいからだ。今日もまた、部屋でゲームの対戦しているらしく、部屋の中は賑やかだ。彼女自身賑やかすぎるのはあまり好きではないのである。無論、賑やかすぎるのが苦手なのであって、ほどほどに賑やかなのは彼女も好きだ。
 そしてもう一つは単純にこの風景が好きなのだ。本を読み終わって目の前に広がる世界が室内なのか、外の風景なのか。貴結にとっては後者の方が喜ばしいことなのである。

 「おお、今日は天気がいいなぁ。お前が外にいるかいないかで天気の良し悪しがわかるからいいよ」

 最年長の粟滝要(あわたき かなめ)が庭に出てきてこちらに歩いてくる。読書中の貴結は世界に入り込んでいる故に何を喋っているのかということどころか、誰が来たかすら気づいていない。ただ声がする程度の認識だ。
 ちょうど本を読み終わったらしく、貴結は頭を上げた。

 「で、なんで言ったの?」
 「めんどくさい�zだなぁ…どうでもいいことだよ、とりあえず天気もいいから外で昼飯食おうよって思って。朝�zと彩夏も呼んでさ」

 あっそ、と少しぶっきらぼうなのは読書後に
顔を上げたら広がる世界を十分堪能できなかったからなのだろう。要は少し申し訳ない気持ちになって、紅茶のおかわり淹れるよ、と紅茶のティーポットを持った。ポットが傾けられると、こぽこぽと音を立てて紅茶がコップに注がれていく。貴結のいつも以上に鋭く、悪い目つきは少しばかり柔らかくなって、なんなら目を輝かせている。貴結は要の淹れる紅茶が誰の淹れる紅茶よりも好きなのだ。

 「じゃ、俺は昼の支度をしてくるよ」
 そう言って要は家の中へと戻って行った。中からはまだ賑やかな声がする。よく飽きないものだ。
まあそれはお互い様、ということだろう。貴結は要の淹れた紅茶をそっと口に含んで、二冊目の本を手に取る。

3: 柚葉◆.sE:2020/05/17(日) 15:12


 あれから何十分が過ぎた。室内では要がせっせと四人分の食事を用意し、テレビの前には須波彩夏(すなみ あやか)と絹形朝�z(きぬがた あさひ)が画面を睨みつけて立っている。
二人が勝敗に必死なのには理由がある。この二人はゲームで戦って負けた方がその日のデザートを奢るという決まりがあるのである。否、この二人だけでなく、要や貴結にもこの決まりは適応されており、ごく稀に四人で楽しむこともある。が、要は誘えばいつでも乗ってくれるが、貴結の方は本人の気が向かないとなかなか乗ってくれないのである。今日の勝者はーー

 「やったね!今日もあたしの勝ちっ!」

 どうやら彩夏が勝ったらしく、朝�zはその場に崩れ落ちる。ここ3日、彼は彩夏に連敗しており、容赦のない彼女のリクエストのせいで金欠になりかけているのである。勿論、アルバイトもしているのだが今月は足りそうにない。

 「じゃ、今日はあそこのチョコレートね!」
 「年下にスイーツいびってお前は恥ずかしくないのか」
 「あら、あんた最初に言ったじゃない。俺のことは年下だと思うなって」

 ふふん、と彩夏は鼻で笑って、見下すかのような表情で朝�zを見つめる。無論、彩夏の方が身長は小さいが。

 「はいはーい、勝負ついたなら昼飯作るの手伝ってくれー」

 りょうかーい、と軽く返事をして彩夏はゲームを片付ける。朝�zも仕方なさそうに立ち上がってから片付けを始めた。その間にもリビングの方から美味しそうな香りが溢れてくる。

 「はい、今日はサンドウィッチだ。具はある程度作ってあるからこっちにまとめてるのとそっちでまとめてるのを分担して挟んでいってくれ」
 「オッケー!じゃ、あたしこっちね」
 「んじゃ俺そっちのやる」

 貴結を誘ってみることもあるのだが、彼女はこういう作業にはほとんど参加しない。気まぐれに参加したりしなかったりするのだ。


 さらに数十分後。サンドウィッチの入ったバスケットを持った朝�z、飲み物を持った彩夏が木の下のテーブルの方へ歩いてくる。戸締りを終えた要も後ろから走ってくる。

 「はいはーい、貴結さーん。食事の時間ですよー」

 母親のように彩夏が呼びかけると、貴結はパァッと顔を輝かせて本を閉じた。テーブルクロスを引き直して、どうぞと言わんばかりにテーブルの方を指して笑う。そう、貴結は本を読む以外にも食事も好きなのだ。だから食事で釣るとすぐに読書を中断し、真っ先に準備を始める。残念ながら作る方には興味がないらしいが。

 「それじゃ、食べよーぜ。せーのっ」

 いただきまーす、の声が重なる。貴結の取り分は尋常でないスピードで無くなっていくのは勿論、もう一人の取り分も尋常じゃないスピードで減っていく。朝�zだ。彼もまた、貴結と同じくらい食べるのだ。この共同生活で食費がかかるのは彼ら二人のせいなのである。

 「まったく、もうちょっとゆっくり食べられないのか…」
 「急がなくてもあたしたちは食べないわよ」

 年上の二人は呆れて、彼らの胃に飲まれていくサンドウィッチを見つめていた。

6年の片�zいを。(7)

1: いーある◆ww:2020/05/05(火) 17:27

 
 
 
「何年かかっても、この恋を叶えたい。」
そんな願いは、君に届くかな____。
 
 
 

2: いーある◆ww:2020/05/05(火) 18:12

ふと靴元を見ると、散った桜の花弁が降り積もっていた。
私は無意識につま先をトントンと地面にたたき、花弁を地面へ戻す。
意識してしまうブレザーの制服は着ているだけで落ち着いていられない。
たまにクルッと回ってプリーツスカートを風に踊らせると気分がいい。
「おはよ!」
隣へと駆け寄った先にいる彼にそう言った後すぐ、胸の鼓動がうるさくなる。
「おぉぉ、びっくりした、�z葵か」
「もう私達も中学生だね」
「…そだね〜」
「いつしか聞いた言葉だなおい」
何気ない会話を続けながら校門へと歩いた。
私は、朝日奈�z葵(あさひなひまり)。
上代中学校の新一年生だ。
好きなことはイラストを描くこと。
昔からの特技でもある。
そして隣にいる男子、一ノ瀬翔(いちのせかける)は、同小の同級生。
アシンメトリーの髪がどこか爽やかだ。
ネクタイを縛ったブレザー姿も様になっている。
私は翔に6年間片�zいをしている。
6年間とは、もちろん小学1年生から。
「翔、私たちのクラスって何組だっけ?」
「2組に決まってんだろ」
翔は「ハハハ」と軽く笑いながら言う。
そうなのだ。
私と翔は奇跡的に同じクラスだった。
仲のいい友達とはクラスが分かれてしまったが、それ以上に嬉しい。
(嬉しいの、顔に出てないかな)



「おはよう、瀬奈〜〜!」
「�z葵おはよう!どうよ、一ノ瀬くんと?」
そう言っていたずらっぽくニヤつく女の子は、成未瀬奈(なるみせな)。
小学校2年生の頃に仲良くなった友達だ。
瀬奈は4組でクラスが分かれてしまった。
でも、お昼休みは瀬奈と同小の女子と集まっている。
ネットで見たサイト曰く、入学した直後あるあるらしい。

3: いーある◆ww:2020/05/05(火) 18:28

登場人物の詳細


朝日奈 �z葵 (あさひな ひまり)
1年2組。
誕生日は8月22日。
髪型はハーフアップ。(たまにポニーテール)
趣味はイラストを描くこと。
好きな食べ物はタピオカミルクティー(流行りのウェーブに乗ってみた)。
最近は太るからと言って自分の中で禁止しているらしい。
得意科目は英語。苦手科目は保健体育。(運動がダントツ無理)
翔に6年間片�zいをしている。瀬奈の友達。



一ノ瀬 翔 (いちのせ かける)
1年2組。
誕生日は11月17日。
髪型はアシンメトリー。
趣味は映画鑑賞。
好きな食べ物はカレーライス。
福神漬けをつけるのがこだわり。
得意科目は歴史。苦手科目は科学。(特別頭がいいわけではない。)
z葵と瀬奈の友達。




成未 瀬奈 (なるみ せな)
1年4組。
誕生日は6月4日。
髪型はショートとミディアムの中間あたり。
趣味は料理。
好きな食べ物はスコーン。
チョコ入りが好き。
得意科目は家庭科。苦手科目は数学。
z葵と翔の友達。

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