Part4の続きです
そっちが終わったら
ここへ!
X荒し、なりすまし
O雑談、小説
です
よろしくお願いします♪
700★☆
もー700かー早いね〜
700おめっ!
703:凪海◆L6 ( -.-)ノ ・゚゚・。:2016/05/19(木) 21:00 ID:ySs >>695「絶望の時間」
いつだったか、あぐりさんが言っていた。
あぐ「今度、あかりに会ってみない?」
海「誰それ」
あぐ「あれ、言ってなかったっけ? 妹よ。海と1日違いの誕生日の子」
海「あー」
あぐ「ねぇ、会ってみましょうよ」
海「気が向いたらね」
正直、私は早く雪村あぐりの妹に、雪村あかりに会ってみたいと思っていた。
☆
その日、研究所内が騒がしかったのを、私は今でも覚えている……。
でも、そんなの気にならないくらい。私の気分は高揚していた。
海「ごう、かく……!」
私は小さな部屋で飛びあがるほど喜んでいた。
あぐりさんが来たらいち早く知らせたいと、私はドキドキしながら彼女が来るのを待っていた。けれど、いつまでたっても彼女は現れなかった。
海「様子、見に行こうかな」
あまり部屋からでてはならないと、ここ最近。柳沢に言われていた。でも、少し出るだけならいいのではないかと、私はそっと部屋を抜け出してあぐりさんを探し始めた。
研究所は騒がしかった。研究者たちがあわただしく廊下を走っていて、誰も私に注意を向ける人はいなかった。
そのとき、前方であぐりさんがトボトボと、元気のなさそうな顔で……泣いているような、そんな表情を見せながら現れた。私は急いで彼女に駆け寄った。
海「見て、あぐりさん! 私、合格したよ!」
私はあぐりさんに合格通知を見せて、満面の笑みを浮かべた。彼女は、そのとき何を思っていたのか。突然。
あぐ「急いで逃げてっ!」
海「え?」
あぐ「海はここにいちゃいけない。急いで! 妹が、あかりが外で待ってるから!」
私はあぐりさんの言葉にぽかんとして聞いていた。何が起きたのか、何が起きているのか。まったくわからなかった。あぐりさんは来た道を引き返そうと走りだそうとしていた。私は慌てて彼女の服の裾をつかんだ。
海「ま、待ってください! あぐりさんはどこに行くの⁉」
あぐ「私は……、あの人を――死神さんを助けないとっ!」
え?
しにが、み……。
どうして、あぐりさんの口から「死神」の名が……。まさか、本命の正体って!
体じゅうに刻まれた傷が脈打つかのように痛んだのは、幻だったのか。私は体が震えていた。
海「なん、で……」
あぐ「え?」
あぐりさんは、私が「死神」に殺されかけたという事実を知らない。それなのに。
海「なんで、あぐりさんの口から『死神』の名前が出てくるの……? もしかして、ずっと、だましてたの……?」
あぐ「え?」
海「ウソつき……。ずっと、信じてたのに……」
裏切られたと、ずっと信じていたのに裏切られたと、そのとき私は思った。
海「ウソつきっ! なんであぐりさんは『死神』を知ってるの⁉ ウソつき、ウソつきっ!」
ここにいたら、また殺される……。
そしたら、また「あの日常」に戻る……。
そんなの嫌だっ!
あぐ「海……」
あぐりさんが差し伸べてきた手を、私は振り払った。
海「触らないでっ!」
私はあぐりさんの顔を見られなかった。彼女が今、どういう顔をしているのか、見るのが怖かった。
ただ1つわかっているのは、ここを抜けださないと、またあいつに殺される!
私は彼女の横を通り過ぎ、外へと飛びだした。
怖い、怖い、怖い、怖い、怖い……。
でも、走らないと、逃げないと、またあいつに殺される。殺されたら、幸せだった全ての日常が、壊されていく。あっけなく、音をたてることも許さずに。そんなの、嫌だ! 研究所を抜け出すと、誰かにぶつかった。
あか「ごめんなさい!」
声をかけられたけど、かまわず走り続けた。どこまでも、どこまでも、どこまでも、どこまでも。
どこをどう走ったのか、私は覚えていない。気がついたら、河川敷に来ていた。
海「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……」
汗びっしょりで、息も上がっていた。正直、疲れていた……。
きっと、逃げていてもやがて発信機で私の居場所など、たどられてしまうだろう。
でも、逃げなきゃ。殺されたく、ないから……。
私はすとんと地面に崩れるように座った。
海「なんで、なんでよ……」
700オメーーー!
海とあかりこの時に会ってたんだ!!!!
続き楽しみー!!!!!!!!
あぐりに裏切られた!?
えぇ!?あぐりに!?
ってか、あかりにぶつかってるよ…海
美桜さん»続き頑張って下さい!!!
707:みゆき 眠い:2016/05/19(木) 23:13 ID:i02皆!専スレにウラバナ書いたから読みたい人は読んで!
708:黒猫&◆WA:2016/05/20(金) 05:39 ID:Mrwはーい!
709:凪海 (;`・ω・)つ:2016/05/20(金) 14:46 ID:ySs 「誕生日おめでとう」スレをしていなかったので、一気にやります。
狭間さん、原さん誕生日おめでとう!!
ォメデ━ヽ(*゚ω゚*)八(*゚ω゚*)八(*゚ω゚*)八(*゚ω゚*)八(*゚ω゚*)ノ━隊!!!
🔥 🔥 🔥 🔥 🔥 🔥
╭┻┻┻┻┻┻┻┻┻╮
┃╱╲╱╲╱╲╱╲╱┃
╭┻🍒━🍒━🍒━🍒┻╮
┃╱╲╱╲╱╲╱╲╱╲╱┃
┗━━━━━━━━━━━┛
✨💕HAPPY BIRTHDAY💕✨
そして、今日は……。
千葉くん、お誕生日おめでとう!!
ォメデ━ヽ(*゚ω゚*)八(*゚ω゚*)八(*゚ω゚*)八(*゚ω゚*)八(*゚ω゚*)ノ━隊!!!
🔥 🔥 🔥 🔥 🔥 🔥
╭┻┻┻┻┻┻┻┻┻╮
┃╱╲╱╲╱╲╱╲╱┃
╭┻🍒━🍒━🍒━🍒┻╮
┃╱╲╱╲╱╲╱╲╱╲╱┃
┗━━━━━━━━━━━┛
✨💕HAPPY BIRTHDAY💕✨
>>703
海「なんで、なんでよ……」
ずっと信じていたのに、どうして、あの研究所にあいつがいたんだ……。
☆
1週間後
ここ1週間、私を追ってくる者は現れなかった。でも、きっと時間の問題だろう。
行くあてもないまま、道を歩く。町は夜だからかすごく静かだった。こんな時間に外を出歩いていたら補導されるだろう。私はなるべく人目のつかないところを歩くことにした。
途中の道で公園を見つけた。あの少年と会った公園ではなかったけれど、私はふとあの頃に戻りたいと思った。いや、小1の夏休み。もしも時を戻せるのなら、あの頃に戻りたい。
近くで車が止まった。
海「?」
車のドアが開かれた。
海「⁉ お前……」
柳「やぁ、久しぶりだね」
そこから現れたのは、白装束をしている柳沢だった。片眼が義眼になっていた。いったい何があったのやら、いや。今はそんな状況じゃない。
私は後退した。後ろに人の気配はない。あのときみたいに、ヘマをするわけにはいかないんだ!
柳「お前に帰る場所はあるのか?」
海「………」
柳沢の言葉に、ギクリとした。でも、私は逃げなきゃいけない。あいつと、「死神」と対面するくらいなら。
柳「あぐりが死んだ」
海「え……?」
あぐりさんが、何だって。
海「なんで……」
柳「奴が……『死神』があぐりを殺した」
海「⁉」
「死神」が、あぐりさんを?
柳「そこでだ。私と協力して奴を倒さないか?」
海「……居場所は、わかるの?」
柳「おそらく、椚ヶ丘中学校だろうな」
⁉ 椚ヶ丘、だって……?
柳「さぁ、どうす……」
海「断る」
柳沢の言葉をさえぎって、私は続けた。
「死神」があぐりさんを殺したなんて、そんなことあるはずない。あるはずが、ないんだ。
何故なら……。
海「『死神』は私の獲物だ。お前のような奴と協力もごめんだ」
柳「私から逃げられるとでも思っているのか?」
海「逃げるさ。どんな手を使っても」
私はウェストバッグから催涙ガスのボールを取りだした。気配は、していた。
海「ここで、捕まるわけにはいかない!」
地面にボールをたたきつけてガスを爆発させた。
A「な!」
柳「チッ」
周囲に5人。殺し屋の雰囲気ではなかったけれど、人がいる気配はしていた。
私は走りだした。
☆
あぐ「海、中学校生活を全力で楽しんで」
何言ってんのさ、あぐりさん。
そう言おうとしたけれど、声にでなかった。話せなかった。
あぐ「それとね、海。もう1つ……」
あぐりさんの横腹に、血がにじんでいた。顔も、よく見たら泥だらけになっている。周囲の景色が変わっていく……。壁も天井も壊され、空には不自然な形をした三日月が浮かんでいた。
あぐ「あかりを、助けて……」
そう言って、あぐりさんは目を閉じて崩れ落ちた。
海「あぐりさん!」
そこは、異臭がした。
海「くさっ!」
鼻につく匂いをかぎ、初めてここがどこだか気がついた。
海「そうか。下水道に逃げ込んだのか」
柳沢から必死に逃げて、地下なら電波も届きにくいだろうと思って下水道に逃げ込んだ。そこで力尽きて、寝ていたんだ。
私は、涙を流した。涙を流すなんて、いつ以来だろうかと。そんなことを思いながら私は泣いた。
「死神」があぐりさんを殺すなんて、ありえない。何故なら、殺し屋「死神」はかつて殺し屋だった「死神もどき」と違って、関係のない人を殺すなんて、ありえないから。それに、もし仮に「死神」があぐりさんと接触していたのなら、彼はわかっただろう。あぐりさんの、あの温かな優しさに。きっと……。
海「うっ、うっ、うあああああああああああああああああああああ!」
あぐりさんが、私を裏切ったんじゃない。あぐりさんの言葉を聞いて全てを信じられなくなった私が、彼女を裏切ったのだ。
海「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい……」
誰に言えばいいのかわからない、「ごめんなさい」という言葉を、私は何度も何度も口にしていた。
な、泣ける。゚(゚´ω`゚)゚。
シロ最っ低!
>>711「誓いの時間」
いつまでもこんなところにいたら、気分が悪くなりそうだ。そう思って、私はそっと地上にでた。外は暗かった。雨粒がぽたぽたと頭の上に落ちてきた。私は急いで近くにあった橋の下に移動した。
あぐりさんが言っていた、「あかりを助けて」あれはいったい何なのだろう。妙に心に引っかかった。でも、所詮は夢。そのくらいで片づけられる気がする。
あぐ「中学校生活を全力で楽しんでほしいの」
全力で、楽しむ……。
密かに、学校にはいつか通ってみたいと思っていた。でも、そんなの永遠に叶わないとも思っていた。それに、今さら学校に通ったところで何の意味もない。だって、私が学校に通うと決めた本来の目的は、あぐりさんに教師の仕事を続けてほしかったからだ。
あぐ「あかりを、助けて……」
声が、よみがえった。というか、隣で聞こえたような気がした……。私は、また涙を流した。
海「ごめん、なさい……。ごめんなさい……」
謝ることしかできない。でも、その謝る方向がどこに向ければいいのかもわからない……。
海「どうすれば、いいの……。あぐりさんは、私にどうしてほしいの……?」
「死者と会話ができたなら」そんな一文を何かの本で読んだことがある。まさに、今の私はそれだった。私は、何をすればいいんだろう。
A「いたぞ!」
海「⁉」
まずい、見つかった。
私は急いで走りだした。
逃げなきゃいけない。どこまでも、どこまでも、行くあてもないまま。でも、どうして逃げなきゃいけないんだろう。柳沢の言葉から察するに「死神」はもう研究所にいないことはわかっている。それなのに、どうして……?
頭がだんだん痛くなってきた。意識も朦朧としている。休もうにも、休む暇さえない。私の体力は限界だった……。
☆
現在
海「発信機がある限り、私は永遠に自由にはなれない。そして、私は気づいたんだ。たとえこの学校を卒業してもまた行くあてがなくなる。目的もなくなる。だから、私は未来がわからないんだ。描けないんだ。自分がどうなりたいのかもわからない。自分が、何になりたいのかも。学校、卒業したら、また私は以前の生活に逆戻りだ。私の考えからするとね、未来も希望もない。そんな中で生きるくらいなら、いっそ地球が爆破してもかまわなかった……」
海……。
海「でも、色々と後悔してこの世からいなくなるくらいなら……」
☆
私があのときあぐりさんの言葉をしっかり聞いていれば、「死神」の名前に怯えていなければ、あぐりさんを救うことができたのかもしれない。
海「雪村、あかり……」
そうだ、彼女はどうしたんだ? あぐりさんがいなくなったら、彼女はどうなるんだ? 雪村家の家族構成をしっかり聞いたことはなかった。ただ1つ。雪村あかりという妹がいるということ以外は。
もしかして、雪村あかりは本当に。何か危ない目にあってるんじゃ……。「あかりを助けて」あの言葉の意味は、もしかして……。
海「ごめんなさい、気づいて、あげられなくて……。ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい……。私が、絶対に、絶対に、助けるから。私の命に代えても、絶対に……、雪村あかりを、助けるから……っ」
私はゆっくりと立ち上がった。雨は依然、激しく降り続いている。頭も、痛い。きっと、首の後ろの発信機につけられた変な液体のせいだ。それでも、そんな状況でも、立たなくてはいけない。
あぐ「中学校生活を全力で楽しんで」
あの言葉を、胸に抱いて。
私は、椚ヶ丘中学校へと向かった。
おひさのかたしょうでーす!
700おめー♪
終わりに近づいてきたねー
柳沢人としてサイテー
716:凪海 *゚。((o(*'ω'*)o))。゚*:2016/05/21(土) 07:08 ID:ySsかたしょう、お久しぶり!!
717:ゆっきー:2016/05/21(土) 08:50 ID:Ncc ゆっきーだよ!
しばらくこれなかった
かたしょう、ゆっきー
ォヒサ――(o´Д`人´Д`o)――♪
おひさー
720:かめ♪:2016/05/21(土) 12:45 ID:Qvk めっちゃ久しぶり!
何か、話が進んでる。
凄すぎる〜
また、来れたら来るね!
かめ♪、久しぶり!!
リレー次はおそらく、かめ♪だよ。
(○´□`)b゚+゚オヒサァ♪
しばらくいなかったからさっき一気読みしてきたよ!
なんか全部凄い展開に....!!!!!!
続き気になって仕方ない!!
>>713
椚ヶ丘中学校
浅野理事長が理事長室に入ると、窓が開いていることに気付いた。
理(閉め忘れか)
外では雨が降り続いている。カーペットには雨水の染みが広がっていた。
理「?」
窓のサッシに、人影が見えた。
海「あなたが、椚ヶ丘の理事長先生だな」
理「君は?」
海はサッシに足をかけてそこに座った。
海「ここの中等部に転入予定の、海」
理「ああ、雪村海さんか」
海「違う。今は改名して、本郷になった」
(私に、雪村の姓を名乗る資格なんてない……)
理事長は海を見ながら言った。
理「何しに来たのかな?」
海「私を、E組に移させてほしい」
理「? 一体、何が目的で? 君は一応、A組に所属するということが決まっているんだが」
海「じゃあ、どうしたらE組に移させてくれる?」
理事長は海の目を見た。彼女の目の奥には、炎が揺らめいているように見えた。雨が降っても、決して消えることのない炎が。
理「やれやれ。今年は一体何人の生徒がE組に転入してくるのやら」
海「?」
理「いや何、こっちの話です。そうだな、E組に入るには条件がある。君もうちに受験をしてきたのだから知ってはいるだろう」
海「ああ。成績が悪かったり問題行動を起こすとE組行きだと聞いた。何をすればいい」
理「いや、もうすでにやっているので問題はない」
海「?」
理事長は黙ってカーペットを指さした。
理「不法侵入。挙句、部屋を雨水まみれにしたという素行不良さに免じて、本郷海さん。君は本日をもってE組行きだ」
海「そう。ありがとう。あと、私。5月まで学校には来ません。それだけ伝えたくて来ました。それじゃあ」
海は窓を閉じると、そこから飛び降りた。
☆(海side)
4月から学校に行かなかった理由は簡単だ。雪村あかりの居場所を探さなくてはいけないからだ。いったい、彼女がどこに住んでいるのかも。今、何をしているのかもわからない。
それに、引っ越しの準備もしておきたかった。あのアパートに帰ったところで、柳沢たちにはすぐに見つかる。引っ越しても変わらないとは思うけれど、なるべく学校に近い方がいいだろう。学校にいれば仮に私が柳沢に捕らえられても、何日も行方知れずになった場合、学校側も黙ってないだろう。何かしら行動を起こしてくれるに違いない。
理事長とはときどき連絡をとった。制服採寸もしていなかったから、それの打ち合わせなど。
「死神」に傷つけられたときの傷は、まだ完全に消えてはいなかった。傷を目立たなくさせるためには、男子の制服のほうがいいだろう。けれど、男子の制服を着るんだったら男子らしくい続けなきゃいけない。だったら、髪を切らなきゃ。
私はウェストバッグからナイフを取りだして、いつもポニーテールにしている髪を根元から切ろうとして、止まった。
いつだったかの、あぐりさんとの会話を思いだす。
あれは、私が髪のあまりの長さにうっとうしくなって、ナイフで髪を切ろうとしたときのことだ。そのとき、あぐりさんが部屋に入ってきてギョッとした顔で「何してるの!」と大声で叫んだのだった。
海「え、あ、いや……。髪を切ろうと思って。でも、ちまちま切るのが面倒だからいっそのことザックリやろうかと思ってたの……」
あぐ「そうだったのね……。あぁ、びっくりしたわ。てっきり自殺をしようとしているのかと思って」
海「やだよ、そんな痛そうなこと。誰がするか」
私は髪を切るのは今度にしようかと思って、ナイフをバッグにしまった。
あぐ「どのくらい切るの? 私が切ってあげようか?」
海「あ、本当に? じゃあ思い切り短くして。うーん、首の後ろが見えるくらいに」
あぐ「そ、そんなに⁉ もったいないわ、海はせっかく髪がきれいなのに」
海「はぁ? そんなの何の得もしないし」
あぐりさんが、ほめてくれた髪……。それに、首の後ろには発信機がある。これを見られてしまったら……。
海「切るのは、よそうかな」
私はまた、ナイフをバッグにしまった。
そしてそれからしばらくして。結局、4月が終わっても雪村あかりの居場所はつかめなかった。
>>723
5月。私は椚ヶ丘中学校3年E組にやってきた。
烏間先生という、実は防衛省の人だと自己紹介をした彼は、私に。ある依頼をしてきた。
それは、月を三日月に変えて地球を滅ぼすと脅迫している謎の生命体を暗殺する依頼だった。
海「暗殺、ですか…」
私はポカンとした。
まさか、ここに来てまで「暗殺」という単語を聞くとは思わなかった。そうか。理事長がE組に対して言葉を濁していたのはこういうことだったのか。
烏「その暗殺対象者がもうそろそろ来るはずだ」
烏間先生が言い終わらないうちに、校舎の外で激しい爆発にも似たような音が聞こえた。
海「何ですか、あれは」
烏間先生が困ったように眉をひそめて、
烏「あれが、暗殺対象者だ…」
そして、職員室の窓がガラッと開き、そこから黄色い頭の超生物が現れた。
どうして、こいつが……。「死神」がE組に……? 顔も形も随分変わったけど、間違いない。こいつは「死神」だ。
殺「ヌルフフフ。ようこそ、あなたが転校生の本郷海さ……」
私は気が動転して……、そこから先のことはあまり良く覚えていない。気づいたら、職員室で寝転がっていた。
柳沢はたしか「『死神』は椚ヶ丘にいる」と言っていた。これはそういう意味だったのか。
烏「大丈夫か?」
海「はい、すみません……」
殺「にゅぅ……」
見違えた。なんで、こんな未確認生物になっているのかは理解できなかった。もしかしたら、柳沢の実験で頭のネジが飛ばされたのかもしれない。
烏「とりあえず、お前は待機だ」
殺「にゅやぁ⁉ 何故ですか⁉ 私だけのけ者だなんてひどいですよぉ……」
ビ「いったい何の騒ぎよ、朝から騒々しいわね」
この、声……。
職員室のドアが開かれ、そこに現れたのはイリーナ先輩だった。再会するのは約3年ぶりだ。彼女は私の姿を見るなり、目をみはった。私たちは互いに顔を見合わせてしばらく茫然としていた。
烏「イリーナ、彼は本郷海。このクラスに転校してきた生徒だ。本郷さん、彼女はイリーナ・イェラビッチ。E組で外国語を教えているがプロの殺し屋でもある」
海「……よろしくお願いします」
私は頭をさげた。彼女は私を見てしばらく沈黙していたけれど、やがて「ええ、よろしく」と言った。
まさか、先輩がいるとは思わなかった。
あぐ「中学校生活を全力で楽しんで」
あの言葉が再び耳に木霊した。
そうだね、せっかく入れたところだもの。かつて、あなたが教師をしていた場所で、私は本校舎の生徒としてではなく、E組の転入生としてこのクラスに行くことを選んだ。その選択はきっと間違っていない。
あぐ「あかりを、助けて……」
絶対に、助ける。自分の命に代えても、絶対に。雪村あかりを助ける。
あぐりさん、あなたが私にくれた言葉。私はこの教室で学び続ける限り絶対に忘れない。
たとえ、この学校を卒業して、また以前のように行くあてもないままモルモットとして過ごすことになったとしても。
あなたが、私に勇気をくれたから。私は、あなたのために。全てをなげうってでも頑張れる。
教室が見えてきた。教壇に立つとみんなが私に注目していた。
このクラスメイトが、あぐりさんの生徒……。
ちょっと緊張したけれど、勇気を持って。
海「はじめまして、本郷海といいます。よろしくお願いします」
ビッチ先生合わせてくれたんだ!いい人!
海の髪の毛綺麗だろうなぁー!
>>724「守りたい時間」
渚side
海「これが、私の全て。私の真実だよ……」
僕らは黙り続けた。いや、黙り続けるしかなかった。
海「にしても、本当に驚いたよ。この教室に来たらさ、あかりはいるわ、渚はいるわ。どんだけ知り合い多いんだよって」
茅「私がいつ、あかりだって気づいたの……?」
海「見てたらわかったよ。だって、そっくりだもん……」
茅「お姉ちゃんに似ているところなんて、1つもないのに……」
海「ハハッ。なんでだろうね。でも、なんでかな。なんか、雰囲気かな。似てるなぁって、思ったんだ……」
海は涙を流した。
海「この教室に来てからさ、本当に毎日、毎日楽しくって退屈しなかった。きっと、あぐりさんの言葉がなくても楽しめたと思うけど、彼女のあの言葉がなかったら、私は学校に通う気さえ起こらなかった。……最初は、素人の寄せ集めに『暗殺』とか無理だろ〜って思ってたし、ナイフにも銃にも、2度と触りたくなかった……。でもさ、あんなに嫌いだった暗殺が……、何故だか、すごく。楽しかった……」
海は、初めからこの教室の真実を全て知っていた。知っていたのに、あえて何も言わず、僕らの隣にい続けた。
僕らが楽しいとき、海は笑っていた。僕らが苦しんでいるとき、海は支えてくれた。鷹岡先生やもう1人の「死神」が僕らを人質にとったとき、本気で怒って、触りたくないナイフと銃を手に取ったのだ……。
渚「海は、この学校を卒業したらどうなるの……?」
海「忘れたの? 私の首の後ろには発信機があるんだよ。これがある限り、私はどこにも逃げられない。きっと卒業したら、また行くあてもないままモルモットとして過ごすんだろうね」
皆「⁉」
そんな、そんなのって……。
海「でも、それでも別に良い気がする。だって、私には触手細胞があるんだよ? この液体が完全になくなったとき、私は触手持ちになる。そしたら、心を触手に侵食されて、みんなを襲っちゃうかもしれないよ……」
僕は奥歯をかみしめた。
そのとき、だった。
茅「触手ってね、聞いてくるんだ」
渚「茅野……」
茅「どうなりたいかって……。私はね、『殺し屋になりたい』って願ったの。殺せんせーを、殺すために……」
イ「俺は、『強くなりたい』と願った」
イトナくん……。
イ「そう願ったら、それしか考えられなくなった」
茅「……海ちゃんだったら、何を願うの? もし仮に、本当に触手を持ってしまったら、何を、触手にお願いするの……?」
海「私、だったら……?」
すると、海は一筋、また一筋と。涙を流し始めた。
海「私は、守れる人になりたい……。誰かを傷つけることで守るんじゃなくて、誰も傷つけず、普通に、大好きな人を、仲間を、守りたい……。私はただ、それさえできればよかったんだ……」
茅「そう思っているんだったら、海ちゃんは大丈夫だよ……。絶対に、心を触手に侵食されることなんて、ないよ……」
茅野はゆっくりと立ち上がると、海に近づき、彼女の手をとった。
海「……っ、うっ、ううっ……。ありがと、あかり……。ありがと、みんな。このクラスに来られて、このクラスでみんなに会えて……。本当に、本当に、良かった……。ありがと、ありがとう……」
茅「何、言ってんの……? お礼を言うのはこっちのほうだよ……。ありがとう、海ちゃん。ずっと、私を心配してくれて。お姉ちゃんの、最期のお願いを、聞いてくれて……。本当に、ありがとう……」
僕はそんな2人のやりとりを見て、僕自身も泣きそうになった。
あちこちですすり泣きが聞こえる。
やっと、海は解放されたのだ。色々な呪縛から、思いから。
。゚(PД`q*)゚。私も泣きそうだよーー!
海良かったねー!!!てかこの後どうなるの!?
いい話・・・(ノД`)・゜・。
729:玲:2016/05/21(土) 19:09 ID:emg いい話を読んだよ〜( 。>﹏<。)~♡
続き気になって仕方ない!!
ほんとに!!
731:たこさんウインナー:2016/05/21(土) 21:38 ID:0IU ほんと良かったよ
やっぱり最後はhappyendだよねー
えっ!?これって最終回系!?
733:凪海 (*」゚∀゚)」:2016/05/21(土) 21:52 ID:ySs殺せんせーの過去は飛ばす予定であり、もうそろそろ終わります(`・ ω・´)ゞビシッ!!
734:凪海 (*」゚∀゚)」:2016/05/21(土) 22:05 ID:ySs私が書く「暗殺教室」では、海の真実が全て明らかになったので、これからちょくちょくでるかも……。
735:黒猫&◆WA:2016/05/21(土) 22:10 ID:Mrw もうすぐ終わっちゃうんだ!ちょっと寂しい!
でも、海ちょくちょく出るんだ!!!やったー!
凪海)教えてくれてありがとう
737:凪海 (*」゚∀゚)」:2016/05/21(土) 23:18 ID:ySsかめ♪)いえいえ(∀`*)ゞ
738:凪海◆L6 (=゚ω゚)ノ ―===≡≡≡ :2016/05/21(土) 23:50 ID:ySs >>726
その後、海は国の手配により発信機と触手細胞を取り除くために烏間先生につれられて姿を消した。
あの日以来、海からは何の連絡も来ず、LINEをしても電話をしても通じることはなかった。
そして、1月になった。
渚「調子はどう? かや……あ、雪村さん」
茅「茅野でいいよ。みんなから呼ばれてるうちにこの名前、気に入っちゃった」
そう言って、茅野は笑った。
触手を取り除かれたとはいえ、殺せんせーから「しばらく絶対安静が必要だ」と言われていた茅野は、2学期終了後、即。病院に入院することとなったのだ。
杉「冬休み、つぶれちゃったな」
茅「3学期にはぎりぎり間に合うよ。でも……、みんなの冬休みだって……」
………。
杉「暗殺とか、言える雰囲気じゃなくてな」
茅「ごめんなさい、私のせいだ……。私は、お姉ちゃんの真実が全てわかって、やっと心の整理がついたけど。その代わりにみんなは、殺せんせーの過去を知ってしまって……」
渚「違うよ、茅野。いつかは知らなきゃいけなかったんだ」
奥「みんなが、全力で背を向けてきたんです。少しでも長く、『楽しい暗殺』を続けるために……」
海の言っていた「覚悟」って、こういうことだったのか……。
茅「渚はどうするの?」
茅野に聞かれて、僕は今抱いている気持ちを告白した。
渚「ちょっと、やってみたいことがあるんだ。冬休みが明けたら、みんなに相談してみるよ……」
それと、ちょっと恥ずかしいけど……。
渚「か、茅野……。あのときのこと、ごめん!」
茅「え?」
渚「あの夜は、あの方法しか考えつかなくて……。もしかして、怒ってる……?」
茅「……ま、まさか! 助けてくれたんだもの。感謝しか出てこないよ!」
渚「よかった〜。『友だちやめる』って言われたらどうしようかと、心配で……」
僕はすごくほっとして、溜め息をついた。
茅「き、気にしすぎっ! ずっと普通に友だちだってば!」
神「……そろそろ帰りましょう、渚くん。茅野さん、まだ万全じゃないみたいだし」
渚「あ、そうだね」
僕らは帰り支度を始めようとしたけれど、神崎さんはとまったままだった。
奥「どうかしたんですか?」
神「言おうかどうしようか、迷っていたんだけど……」
神崎さんは迷うような表情をしながら、ドアの方に視線を向けた。
神「入ってもいいと思うわ」
?
誰に言ってるんだろう。
神崎さんの言葉を合図に、ゆっくりと、ドアが開かれた……。
渚「え……?」
そこにいたのは!
きゃーーーー!!!続き気になるーーーーーー!!!
どうなるのー!!!
あわわわわっ
すっごい気になるっ
ほんとに!!!!!!
742:凪海◆L6 (=゚ω゚)ノ ―===≡≡≡ :2016/05/22(日) 14:28 ID:ySs >>738
そこにいたのは!
海「久しぶり」
渚「海……」
車いすに乗った海は、ゆっくりと僕らに近づいた。
渚「か、神崎さんは気づいてたの……?」
神「ここに来たときにね、ちょうどLINEが」
海「国で公式の病院に行って発信機と触手細胞を取り除いてから、一般の病院に入院しても大丈夫だって話になってさ。烏間先生に『あかりはどこに入院してるんですか』って聞いたらここにいるって言われて」
奥「車いすだなんて、大丈夫なんですか?」
海「いろんな薬品を体から全部抜き取ったらさ、しばらく体が動かなくなっちゃって……。あ、でも大丈夫! リハビリとか毎日してるし、足も体もすぐに元通りになるよ」
ほっ……。
神「それじゃあ、私たちは行くわね」
神崎さんが僕らの背中を押した。
☆(茅野side)
渚たちがでていったけど、私たちは一言も話さなかった。
海「調子はどう?」
茅「平気……」
海ちゃんが車いすをゆっくり押しながら窓に近づいた。
海「あかりさ、殺せんせーのこと。もう恨んでない?」
茅「うん……。海ちゃんは?」
海「……私さ、本当は『死神』に対して恨みはなかったんだ」
茅「え?」
思いもよらない言葉に私は驚いた。
あの日、海ちゃんが話した過去では「死神」を恨んでいるような言葉しかでてこなかった。それなのに……。
海「本当は、怖かったんだ……。あのとき、刺されたときにさ。自分を守る言葉も力もなかったから、だから。それを手に入れたいって思ったんだ……。でも、そんなのは偽りの力でしかなかった。本当の強さってさ、手に入れるだけじゃ無理だって。あの教室に来てから気づいた」
茅「そうだね」
そうだ、強さなんて手に入れるだけじゃ無理だ。私も結局、強くなりたくて。殺せんせーを殺したくて、触手を手に入れた。でも、そんなのは……。
海「それとさ、あかり。そろそろやめない? その……『ちゃん』付けとかさ」
茅「え?」
海「……私、こう見えて一応。戸籍上は雪村の子なんだよ? 姉妹で『ちゃん』付けはおかしいって」
茅「……そうだね」
海ちゃ……海は笑っていた。私も笑い返した。でも、すぐに海の笑いは何故か、ゲスな笑い方になった。
海「で、さっき廊下で耳そばたてて聞いてたんだけどさ、あんた。渚にホレたの?」
茅「うぇっ⁉」
な、何言ってんの⁉
海「どうなのぉ?」
茅「う、海こそどうなの? 渚のこと……」
すると海は微笑んだ。
海「好きだよ。でもさ、あかり。私が彼のこと好きだからって、あんたはあんたで諦めたらダメだよ」
茅「うっ……」
私が渚のこと好きっていう、前提で話してるよ……。
海「ねぇ、あかり」
海は私に近づいて、私の手をとった。
海「あぐりさんはさ、私に勇気をくれたよ。一歩踏み出す勇気。私はそれがあったから頑張れた」
茅「うん」
海「それとね、あかり。あんたがあのクラスにいてくれて良かった。ま、裏を返せば4月いっぱい一生懸命あんたを探してたのに、何故かこのクラスにいるってオチ。私の1ヶ月間の努力が一気に無駄になった瞬間の衝撃といったらなかったなぁ」
茅「あ、あはは」
私は何を言えばいいかわからず、とりあえず笑っておいた。
海「長らへば またこのごろや しのばれむ 憂しと見し世ぞ 今は恋しき」
茅「? 何それ」
海「あれ、知らないの? 百人一首なんだけどさ、『長く生きていれば、今どんなにつらくてもいつかは懐かしい思い出となるのだなぁ』みたいな感じの意味。私もちゃんとは理解できてないけどさ。ま、要するに『明けない夜はない!』って言ってるのと同じだよ」
茅「い、いい加減だね」
………。
茅「……私、本当にあのクラスに来られてよかった。海、本当にありがとね」
海「え⁉ やだ、やめてよ! お礼とか恥ずかしいからっ! てか、私何もしてないし」
茅「ううん、そんなことない」
私は笑って海を見た。もしかしたら、私は泣いていたかもしれない。海はそんな私を見てしばらく唖然としていたけれど、やがて彼女はくるりと背を向けた。
海「そ、そろそろリハビリの時間だから行くね! また明日」
茅「うん、バイバイ」
海はそう言って車いすで去っていく。私は彼女の後ろ姿を見ながら言った。
茅「ありがと、海……」
〜END〜
ひと段落したら、>>610にあるみゆきのリクに答えます!!
744:玲:2016/05/22(日) 14:43 ID:emg 感動の涙がたまんまい....( ;-;)ノ感動〜
最終的にどう結ばれるんだろ....(渚カエを期待する我がいる....)
なんかいいの来たから書きたい....書きますか!
手なわけで早速書いた!
渚視点
僕は懐かしい小さい頃の夢を見た
その夢は僕が迷子になった同じ歳の女の子と一緒に遊んだ時の事だった
少し長い黒髪で可愛く笑う女の子
たった1日で僕の心を奪われた....
そう....あの時僕は初めて恋に落ちた
一応、今回の話は恋愛系は含んでいるけど、無視している部分もあるので誰が誰と結ばれるというところは考えてないよ〜。
747:黒猫&◆WA:2016/05/22(日) 17:10 ID:Mrw うぅぅ!
いいお話だったー!!
黒猫、本当にありがとうございました。
みんなも応援ありがとうです。
凪海さすがぁ〜!!
750:橘 舞花☆赤髪の殺し屋◆Us テスト期間突入!:2016/05/22(日) 17:45 ID:p/I 凪海お疲れさん!
マジ泣ける〜!
親いないからいいけどw
また感動とかそういう系の短めなの書いてほしいな!
お疲れ様!凪海!
凪海!
(ノ´∀`*)イエイエ!凪海の小説とっても面白かったよ!
毎日凪海の小説を見て元気出してた!!!!
いつも面白い小説ありがとう!
_/ ̄ ̄ ̄ ̄\ありがと
Σ_ ∪ ゜∀゜)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
(o゚▽゚)ゞどーいたまぁです♬
754:凪海◆L6 ホィ(ノ゚∀゚)ノ ⌒:2016/05/22(日) 20:29 ID:ySs あかりside
あれはそう、3年も前の話だ。私がまだ女優業を目指す前……というか、子役になりたいなぁ。それともどうしようかなぁって迷っているときのこと。
たまたま訪れた公園で、2人の同い年の子に会った。
海「ハハッ」
渚「う〜。相変わらず海はひどい……」
1人は着物を着ているのに帽子をかぶっているというちぐはぐな格好をした女の子。もう1人はかわいらしい服を着た……女の子?
海「じゃあさ、渚。次はこれでどうよ」
渚「え?」
着物の子がシロツメクサで編んだ花かんむりを女の子(?)にかぶせた。
海「うん、超似合う!」
渚「あ、あんまり嬉しくない……」
海「そうかなぁ?」
そこで、着物の子がこっちを向いた。
やばっ! ずっと見てたのがバレる! そう思って慌てて視線をそらそうとしたんだけど、着物の子がこっちに近づいてきて、私の手をとった。
海「君、名前は?」
あか「え?」
海「だぁかぁら! 名前っ!」
あか「あ、あかり……」
海「そっか。じゃあ、あかりって呼ぶね」
そう言って着物の子は私の手を引っ張った。私はされるがまま。というかこの子、すごく力が強い!
渚「う、海。いきなり引っ張ってきたらその子にも悪いよ……」
海「だって遊びたそうな顔してたんだもん。なっ!」
着物の子はこっちを向いて同意を求めてくる。私は思わずうなずいていた。
海「よし、それじゃあ遊ぼう!」
あか「ちょっと待って。な、名前を教えて!」
私は思わず声をあげた。着物の子はきょとんとしていた。
渚「自己紹介してなかったの?」
海「そういや忘れてた」
………。
海「ま、いいや。私は海。よろしく」
渚「僕は渚だよ」
あか「ぼ、僕⁉ あなた、女の子じゃないの?」
思わずそう言うと、その子はすごくショックを受けた顔をしていた。
海「アハハッ。ま、そう見られても仕方ないんじゃないかなぁ。彼は正真正銘の男の子だよ」
あか「あ、そうなの? なんかごめん……」
渚「ううん。平気だよ」
この世界には色々な子がいるんだなぁ。なんて思った。
海「あ、あかりにもこれあげる!」
そう言って海ちゃんは私の頭に何かを置いた。
あか「?」
海「シロツメクサの花かんむり。知ってる? シロツメクサの花言葉ってね、『幸運』って言うんだって。でも、大好きな人にあげるときは注意してね」
渚「どうして?」
海「シロツメクサには『約束』っていう花言葉もあるんだけど、その『約束』を破っちゃうと転じて『復讐』になっちゃうからだよ」
怖っ!
というか、それを笑顔で説明している海ちゃんのほうが怖いかも……。
私は渚くんと顔を見合わせた。
海「あ、渚。君、もう塾の時間じゃない?」
渚「⁉ うわっ、ホントだ。ごめん、海、あかりちゃん。僕もう帰るね」
海「バイバーイ」
あか「あ、さ、さようなら!」
渚くんは近くに停めてあった自転車に走っていき、それに乗って走り去った。
海「あかりは家どこ? よかったら送っていこうか?」
あか「え⁉ 大丈夫だよ」
海「そう? あ、私たちいつもここに16時くらいに集まるんだ。でも、渚は塾があるから17時には解散するんだけどね。よかったら、また明日も来てね。バイバイ」
あか「う、うん。バイバイ!」
私たちはそうやって別れた。
☆
で、結局私はその日以来、この公園に行くことはなかったんだけど……。
そんなこと、あの2人は覚えていないんだろうなぁ。
そう思いながら私は、隣で楽しそうに談笑している渚と海を見た。
海「なぁ知ってるか? シロツメクサの花言葉」
渚「あー、知ってる。『幸運』だっけ」
海「それとさ……」
茅「『約束』だよね。で、転じて『復讐』だっけ」
そう言うと、海と渚がこっちを向いてきょとんとした。
渚「あれ、その話。どっかで聞いたことある……」
海「私も誰かに話したような……」
私はそんな2人の顔を見て、くすくす笑った。
ちょっと時間がなかったので、短編にしてみました。
756:黒猫&◆WA:2016/05/22(日) 20:48 ID:Mrw面白い!!!!短編でも面白い!!!!
757:橘 舞花☆赤髪の殺し屋◆Us:2016/05/22(日) 21:29 ID:p/I れいたんじゃないけどなんかいい!
渚カエ・渚あかに填まりそうw
そういえばシロツメクサのかんむりの作り方知ってる人いる?
私はこの前友達に教えてもらったよ!
初めてにしては結構うまくいったw
うちは知らなかった!!
759:みゆき:2016/05/22(日) 22:03 ID:i02 凪海神!!!
ありがとう!!!
私もシロツメクサの花かんむりの編み方知らない(;¬∀¬)ハハハ…
761:黒猫&◆WA:2016/05/22(日) 23:09 ID:Mrw花のかんむりって可愛いよねー!!!!!
762:凪海 ♪〜(´ε`;):2016/05/22(日) 23:28 ID:ySs(☞▪∀▪)☞ソレナ
763:黒猫&◆WA:2016/05/22(日) 23:43 ID:Mrw゚+。(。・ω-)(-ω・。)ネー。+゚
764:かたしょう (=゚ω゚)ノ ―===≡≡≡ :2016/05/23(月) 06:36 ID:XeYナギすごいなー
765:たこさんウインナー:2016/05/23(月) 07:27 ID:0IU 私知ってる
この前なんか沢山作って皆にあげててもらえなかった子泣いちゃってたもん…
そんなに欲しかったんだね
でも可愛いし欲しくなる気持ちも分かるかもw
海がいる設定にするんでよろしく!
あ、ちなみに千速の続きです。だいぶ前のだけどww
。.:♦♥♦:.。。.:♦♥♦:.。。.:♦♥♦:.。。.:♦♥♦:.。。.:♦♥♦:.。。.:♦♥♦:.。。.:♦♥♦:.。。.:♦♥♦:.。。.:♦♥♦:.。。.:♦♥♦:.
>>652
私のLINEのグループには「E組図書委員」というグループがある。E組女子の一部で読書同盟みたいなものを海が勝手に作り始めて、参加しているのは私と海と神崎と狭間。私が千葉について話すことになったきっかけは、海の一言だった。
「久しぶりに読んだけど、やっぱり『嵐が丘』はいいね!」
「え、海ちゃん。そんな怖そうな本を読んでるの?」
「復讐小説にしては邪道すぎるわ」
「相変わらず綺羅々は辛口コメントだなぁ」
「嵐が丘」っていうのはイギリス人作家、エミリー・ブロンテが書いた小説の名前だ。人付き合いの苦手な老紳士が「嵐が丘」という屋敷を訪れるところから物語は始まる。そこで老紳士はその屋敷で働いている家政婦を語り手として、「嵐が丘」にまつわる話を聞くことになる。
物語開始以前、キャサリンとヒンドリー兄妹が住んでいた「嵐が丘」にヒースクリフという孤児が兄妹の父親によってつれてこられた。キャサリンはヒースクリフと仲良く過ごしていたが、反対にヒンドリーはヒースクリフが嫌いだった。父親が死に、ヒンドリーが「嵐が丘」の後継ぎになると彼はヒースクリフを召使い同然のように扱うようになった。それからしばらくして、キャサリンは「スラッシュクロス」という屋敷に住む息子、エドガーに求婚されて結婚してしまう。そのことにショックを受けたヒースクリフは彼女の前から姿を消した。やがて戻ってきた彼は復讐を開始するのだった。
というのが、海がかつて話していた「嵐が丘」の内容。一応、恋愛小説でもあるそうだ。私は読んだことないけど。というか、本が分厚いのはさておくとしても表紙が怖かった。暗くて、まるで絵に呑みこまれてしまいそうな感じがした。
「ちょっと、相談があるんだけど」
そう送ると、すぐに海から返信が来た。
「おや? 凛香から相談なんて珍しいね」
本当は矢田に送りたかったんだけど、今日はピアノのレッスンの日だから送れなかった。
「もしかして千葉となんかあったの?」
………。
海はすごく勘が鋭い。それとも私が分かりやすすぎるんだろうか……。
「人に素直に気持ちを伝えるにはどうすればいいのかなぁって、思ったの」
「そんなの。好きな人には『好きです』って言えばいいだけの話じゃん」
………。
相談する相手、間違えたかも。
「海ちゃん。そんな簡単なものじゃないわ」
神崎がすぐにフォローに入ってくれた。
「そういう海はどうなの? 渚に告白したの?」
狭間が珍しく、恋愛話に食いついてきた。
「いや、ま……。というか、『互いに抜け駆けは無しね』って言われたばかりなんだけど……」
と、海は言葉を濁した。
「でもさ、きっと言わないと伝わらないよ。って、綺麗ごとを並べてみる」
海はすぐに話題を変えたものの、言い方はなんだか変だった。海はもしかして、恋愛に関しては色々と疎いというか。苦手なところがあるみたいだった。こういうところは女の子らしいというか……。
そのとき、神崎が言った。
「私は直接、面と向かって言うことは苦手だから、LINEとかメール、あるいは手紙とかで本当の気持ちを綴(つづ)るかな」
「そうね。面と向かって言えないことは文にするといいわね」
神崎ならわかるけど、狭間にも面と向かって言えないことがあるのか……。
「うん。わかった。ありがと、3人とも」
そうお礼を言うと、
「ファイト(^O^)」
「頑張ってね」
「とりあえず、応援はするわ」
と返ってきた。
さて、早速だけど……千葉に連絡するか。緊張するけど。
なかなかうまくいかない小説……(・。・;)
769:ゆっきー:2016/05/23(月) 17:24 ID:mlI千速!
770:黒猫&◆WA:2016/05/23(月) 18:05 ID:Mrw凪海!そんな事ないよ!!!!めっちゃ面白い!!!
771:ゆっきー:2016/05/23(月) 18:24 ID:mlIうん、面白いよ〜
772:凪海◆L6 それで? :2016/05/23(月) 18:34 ID:ySsメモに#dayoneと打ってみて!!
773:黒猫&◆WA ♯dayone:2016/05/23(月) 19:30 ID:Mrw打ったよー!!
774:凪海◆L6 なるほど :2016/05/23(月) 19:47 ID:ySsあ、#は半角文字だよ。
775:葉月 美桜◆hc #dayone:2016/05/23(月) 20:17 ID:Jqw#dayone
776:葉月 美桜◆hc それで? :2016/05/23(月) 20:18 ID:Jqwごめん間違えたー!
777:葉月 美桜◆hc 更新頑張るー!:2016/05/23(月) 20:18 ID:Jqw あっそーいうことですか!
なるほどー!
ネタ思いついたんで、再び3つ同時にやろうと思う。
ま、どれか1つは必ずサボり気味になるだろうけどwww
新作!(おそらく長編)
あ、しつこいようですけど海はでるんで。よろしく!
。.:♦♥♦:.。。.:♦♥♦:.。。.:♦♥♦:.。。.:♦♥♦:.。。.:♦♥♦:.。。.:♦♥♦:.。。.:♦♥♦:.。。.:♦♥♦:.。。.:♦♥
渚side
海「こんちはー」
あぐ「海、もう学校終わったの?」
海「うん。あ、殺せんせーもこんちはー」
殺「はい。こんにちは」
元気よくE組の校舎に入ってきたのは本郷海。本校舎の生徒なんだけど、何故かよくE組に来る。そんでもって、本校舎生徒の中で唯一。殺せんせーのことを知っている。彼女は元・殺し屋なんだって。ビッチ先生の後輩らしい。
海「やっほ、みんな!」
倉「あ、海ちゃん。おっはー」
海「おっはー」
海は倉橋さんとハイタッチをしてから僕のところへやってきた。
海「やっほ、渚」
渚「おはよう、海」
カ「また来たんだ、海」
海「また来てやったんだよ」
そう言いつつ、海はカルマくんともハイタッチをしていた。
海「今日はいったい何をするのかなぁって、見学ついでに遊びに来た」
不「今日は烏間先生が造ったアスレチックを攻略するんだよ」
僕の隣の席にいる不破さんの目は燃えていた。アスレチック攻略は岡野さんの得意分野なんだけど、最近は不破さんもハマってきたようだった。
海「マジで⁉ じゃあ私もそれに参加する!」
岡野「海っちもやるの? 負けないよ〜」
海「ひなた強いよなぁ。ま、私も負けないけど」
A組の生徒なのに、海は僕らE組に対して仲良く、対等に接してくれる。
彼女が僕らのクラスにやってきたのは4月になってからだ。
☆
4月
あぐ「あ、待って、海!」
雪村先生が慌てる声が聞こえて、僕らはなんだろうと廊下から顔をのぞかせた。
海「へぇ、ここがE組かぁ」
あぐ「もう」
雪村先生が困ったような顔をしていた。そこにいたのは、女子だった。ていうか……。
渚「ジ、ジャンヌ⁉」
海「? あ、渚じゃん。久しぶりだね」
奥「だ、誰ですか?」
渚「え、えーっと。僕の幼なじみというか、昔の知り合いというか……」
どう説明すればいいんだろうか。
海「ちなみに、本名は本郷海。椚ヶ丘中学校A組の生徒です!」
寺「ケッ。A組が何の用だよ」
寺坂くんが迷惑そうな顔をしていた。
海「だって、あぐりさんがE組のみんなと仲良くしてほしいってお願いするからさぁ。どんな子がいるんだろーって思って見学を……。お、あ! しにが……じゃなかった。殺せんせーじゃん。お久しぶり! って、一か月ぶりか」
殺「う、海さんではないですか⁉ あれから体調の方は?」
海「へーき、へーき」
え、殺せんせーとも知り合い?
いったいどうなってるんだ?
☆
岡野「じゃ、海っち。さっそく行こうよ!」
海「オッケ。負けないからなぁ」
海は岡野さんと一緒に走って教室をでていった。
さてと、僕も校庭にでようかな。
えーっと、今回の話は「もしもの話」です。
もし、雪村先生が生きていたら? という感じで。
(;−ω−)ウーン、まぁ。彼女がいなかったから「暗殺教室」はある意味で成り立ったんだけどね……。
雪村先生が生きているってことは、茅野カエデはいないってなるけど。とりあえず、でるから心配しないで。というわけで、よろしくお願いします。
ギャグ創作で終わりそうな気がする(朱・´ー・`)<はわわ
あ!?
海の苗字……雪村の姓にするの忘れてた。
ごめん、そういうことでよろしく!!
面白い!!!!!!
海が出てくるやつほんとに面白い!!!!
『新シリーズ開幕ってわけだ!』
なんかこのセリフ、アニメで不破さんが言ってた気がするから使ってみたw
あれ?
785:橘 舞花☆◆Us:2016/05/23(月) 22:31 ID:p/I凪海とかみゆがやってるやつ出来ない(涙)
786:橘 舞花☆赤髪の殺し屋◆Us:2016/05/23(月) 22:32 ID:p/I だめだ…
諦めよう…
↓↓↓これをコピーして、メモに貼っつけてみて↓↓↓
#dayone
どうだ!
789:凪海 うふふ :2016/05/23(月) 22:35 ID:ySs(''∇^d) ナイス☆!!
790:橘 舞花☆赤髪の殺し屋◆Us だよね :2016/05/23(月) 22:37 ID:p/I あっ!
来た!
#dayoneの
↑
『n』が『h』になってたw
そりゃ出来ない訳だw
舞花)たしかにw
792:凪海◆L6:2016/05/23(月) 22:43 ID:ySs あ、偽物った。
ごめん。
何回言うかわかんないけど、海でまぁす。(>>168にあるA班に入れます)
*(●ゝω・●)*:;;;;;;:*(●ゝω・●)*:;;;;;;:*(●ゝω・●)*:;;;;;:*(●ゝω・●)*
>>272
「茅野っ!」
僕は磯貝くんから電話を奪い取って、思わず声をあげていた。
しばらくの間、音は何も聞こえなかった。小さく、何かポップな曲が聞こえる以外は……。
「ま、彼女を無事に返してほしければ急いで賞金首を連れてくるんだね」
そうして電話は切れてしまった。
「……どうする?」
千葉くんが僕らを見た。
「と、とりあえず。茅野っちがどこにいるか見つけるのが先決だよ」
「そうだな。こっちにはGPS探知ができるクラスメイトがいるし! というわけだから、律。茅野のスマホの居場所を探知してくれ」
僕らは律の次の言葉を待った。ところが……。
「すいません。どうやら茅野さんはスマホを学校に置き忘れているみたいです」
⁉
「そんなっ!」
「打つ手がないじゃないか」
「で、でも。殺せんせーの嗅覚を使えば……」
「いや、その必要はないよ」
否定したのは海だった。
「どういうこと?」
「さっきの通話、あれをもう一度聞き直すべきだよ。律」
「あ、はい。では再生してみますね」
謎の人物の声、僕らの声、茅野の声……。
「な?」
「いや、な? って言われてもわからん」
うん、全然わかんない。
「は、早く答えを言ってよ、海!」
「いや、もう答えがでてんだけど……」
海が困ったような顔をした。
「じゃあ、律。さっきの通話。もうちょっと高くして」
「はい」
音量が上がって、もう一度再生。
謎の人物の声、僕らの声、茅野の声……。
「あ」
カルマくんが声をあげて、すぐにニヤリと笑った。
「てか、逆に海。どんだけ耳いいんだよ」
「いや、聞こうと思えば聞こえるよ。第一、人間の耳はそういうのに特化している動物だし……」
海はそう言って僕らを見回した。
僕宛のコメントもあったのに、すいません。
長らく顔を出せませんでした。
ど、どんな声が!?
796:たこさんウインナー:2016/05/24(火) 20:10 ID:0IU 海耳良いんだ!
そう言えば海って誰が作ったのオリキャラだけど
私が作ったオリキャラです!!
798:凪海◆L6 Σ(゚ロ゚」)」:2016/05/24(火) 20:14 ID:ySs2
799:凪海◆L6 Σ(゚ロ゚」)」:2016/05/24(火) 20:14 ID:ySs1
800:凪海◆L6 Σ(゚ロ゚」)」:2016/05/24(火) 20:14 ID:ySs800!!