【オリキャラ&バトル】『The Three Ravens』

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1:◆3.:2021/11/03(水) 02:04

物語の舞台は現代日本

1万人に1人の割合で異能力者が生まれる世界
ある者は正義のために異能を使い
ある者は私欲のために異能を使う
異なる二つの信念が交錯する時、善悪をも超えた死闘が始まる

冷酷なまでに正義のために日夜犯罪者の粛清を繰り返す
日本の極秘特殊機関"八咫烏"と日本中の犯罪者達の死闘を描いた物語


>>2 ハウスルールと募集枠について
>>3 八咫烏について
>>4 キャラシートの作成例
>>5以降から募集開始&本編開始となります!

952:狂った正義◆3.:2022/03/24(木) 07:23

>>951

氷華
「……貴方はそうやって吠える事しか出来ないのでしょう?
その証拠に……貴方からは何の信念も感じられない。」

氷華は地面に付けている右手を少し浮かせながら、先程から自分の翳す正義に反対しているものの、具体的に自分は何をするのか、何を理想としているのかを語らず、稚拙な揚げ足取りに終始しているだけである事を指摘する。



氷華
「今のように目に見えているものを救う?
それもいいでしょう。けれど……目に見えない者はどうするの?」
【氷蓮六華・槍天 臛々婆】

氷華は浮かせた右手の人差し指の先を地面に付ける。
すると、地中からはこれまでの中でも最長を誇る氷柱……いや、その大きさからもはや氷柱ではなく、氷の尖塔が出現させて桜空を貫こうとする。
氷の尖塔はスカイツリー並みの高さを有しており、下手に浮けようとすれば遥か天高くまで押し上げられてしまうだろう。



氷華
「私は手の届く範囲に、目の届く範囲に命を集め、それを守るためにこの命を使う。決して誰も取り零されないように、誰も見捨てられないように……そのためには悪を徹底的に裁き選別しなければならない。」

氷華はもはや止まらない。
確固たる信念、揺るぎ無い正義を持つ氷華を打ち倒すには、それをも凌ぐ"何か"を示さなければならないだろう。
その差が異能の強さ、影響力となって現れている。

氷華は心の底から正義の楽園を作ろうとしており、そのための覚悟も決め、犠牲も払い続けて来た。これこそが氷華の持つ桁違いの異能の源となっており、これを崩せなければ勝機は無いだろう。

953:頂上決戦◆gI:2022/03/24(木) 21:02

桜空「信念もクソもあるか!!!!!てめぇ一人の身勝手で多くの人間が犠牲になってんだぞ!!!!!信念や理由なんて後回しだ!!!!!」

スゥッ・・・・・

(桜空はゲートを展開し、氷華の攻撃をギリギリで避ける・・・・・

正直、口では何とでも言えるが、もうここまで圧倒的に差をつけられては、手を出しようがなく、説得するにも聞く耳持たずな以上、内心お手上げ状態となる・・・・・)

>>952

954:狂った正義◆3.:2022/03/24(木) 21:31

>>953

氷華
「私がやらないと誰もやらない……
そうして悲劇と惨劇を誰も断ち切ろうとせずに連鎖して今に至っている訳でしょう?」

手にした氷剣をゲートによって移動した桜空に向けて三回ほど素早く振るうと、三つもの凍った斬撃を飛ばして遠隔でも相手を切り裂こうとする。

955:頂上決戦◆gI:2022/03/25(金) 03:18

バシュッ・・・・・!

桜空「がっ・・・・・!?」

(先ほど、幼い姉弟を救う為に氷華の猛攻を浴びたことから、体中傷だらけで動きが以前よりも圧倒的に遅く、鈍くなってしまっているのが仇となり、背中に斬撃の一つを受けてしまう・・・・・

「その為に・・・・・ハァ・・・・・ハァ・・・・・惨劇を起こしてやろう・・・・・ってか・・・・・?こんなことをしておいて・・・・・本当に世界が平和になると思ってんのか・・・・・?」)

>>954

956:狂った正義◆3.:2022/03/25(金) 07:14

>>955

氷華
「いつかは誰かがその業を背負わなければならない。
だけど……時間の経過と共に苦しむ者は増えるばかり。」

桜空の背中に氷の斬撃が命中したのを見ながら、自身の持論について話す。今を生きる者の多くを……罪を冒さずに生涯を終えるかもしれない者や、現在の秩序の中であれば悪事に手を染めずにいる者達と言ったように改心の余地がある者達をも極悪人ともども切り捨て、進もうとしている。

同じ氷の異能を持ちながら、悪事に手を染めた者をも救おうとしていた、薫先生とはまるで対照的な考えとなっている……

幸いなことに出血した箇所が直ぐに氷で覆われ、出血による絶命や気絶をする事は無いだろう。



氷華
「この世で唯一残った肉親へかける最後の情として聞いてあげる。
何か言い残すことはある?」

氷華はブーツの底をスケートのエッジのようなものを形成し、それを活かして氷上を滑るようにして彼の前へ移動すると、手にした瞬時に再生成していた氷剣を大きく振り上げる。

そして、氷華の中に微かに残っていた桜空への情から、最後に何か言い残すことはあるかと問いかける。

957:頂上決戦◆gI:2022/03/26(土) 05:02

桜空「ぐっ・・・・・ぅ・・・・・ず、随分と・・・・・優しいじゃねぇか・・・・・」

(まだ立ち向かうつもりなのか、ボロボロになりながらも桜空は立ち上がるだけ立ち上がってみる・・・・・

周囲一帯が極寒とかした今、桜空の傷口から滴り落ちる鮮血は、瞬時に凍りつき、結晶となって地面へと落ち砕け散る・・・・・

「そ・・・・・それじゃあ・・・・・お言葉に甘えさせてもらうか・・・・・と言っても、俺はもうあまり喋る気力すらねぇ・・・・・だから・・・・・代理に代弁してもらうか・・・・・」

そう言うと、スマホを取り出す・・・・・

恐らく、桜空の言葉から察するに、ビデオ通話が繋がっているのだろう・・・・・)

>>956

958:狂った正義◆3.:2022/03/26(土) 10:35

>>957

氷華
「…………………」

氷剣を持った右手の代わりに左手で桜空が取り出したスマホを手にし、目線は桜空に向けたまま、話を聞こうとする。

仮に何か変な事をしようとすれば即座に異能を使って防ぐように身構えており、ここから不意討ちや奇襲は難しいだろう。

959:頂上決戦◆gI:2022/03/26(土) 20:22

桜空「俺はもうまともに動けねぇ・・・・・攻撃も何もしねぇよ・・・・・俺の方じゃなく、相手の方を見ろ・・・・・相手の為にも、お前の為にもな・・・・・」

(体中に出来た切り傷の中でも、特に傷が深い部分を手で押さえながら上記を述べる・・・・・

体温も徐々に下がっており、恐らく反撃なんてまともにもうできないというのは嘘偽りではなく、事実だろう・・・・・

「俺なんかの方を見てたら、後悔するぞ、お前・・・・・」)

>>958

960:狂った正義◆3.:2022/03/26(土) 23:58

>>959

氷華
「そう?それなら保険をかけておくわ。」

左手の指先を桜空の頭上に向けると、彼の頭上1m上にウニのように小さくも無数の棘を備えた氷の塊を形成し、何時でも桜空へトドメをさせるような状況にした上で数秒だけスマホへ向ける。

961:頂上決戦◆gI:2022/03/27(日) 14:15

『・・・・・っ・・・・・ぐすっ・・・・・』

(スマホ画面は何故か真っ暗で、誰かの泣いているような、嗚咽が聞こえてくる・・・・・

どこまでも悲しみに包まれたような、そんな悲哀がスマホから伝わってくる・・・・・)

>>960

962:狂った正義◆3.:2022/03/28(月) 03:09

>>961

氷華
「……これが貴方の最後の言葉、かしら?」

氷華は嗚咽が聞こえるだけで、他には何も声が聞こえない事に落胆すると、桜空の頭上に浮かぶ氷の棘珠を凝縮し始める……

今の氷華にとって、スマホの向こうに誰が居るのか、何を想っているのか、その事へ思慮を巡らせるということすら忘れてしまっている……

963:頂上決戦◆gI:2022/03/28(月) 05:57

『・・・・・もう、やめてよ・・・・・氷華・・・・・』

(スマホから、聞き覚えのある声が聞こえてくる・・・・・

その声は、時々の、それも限られた時間でしか会えなかったものの、氷華からすればとても大切な人物の声であり、氷華を一気に引き戻すような声で・・・・・)

>>962

964:狂った正義◆3.:2022/03/28(月) 11:23

>>963

氷華
「………!?」

桜空の頭上に形成した氷球を破裂させ、自分以外の全てを貫く氷針を解き放とうとしていたものの、そのまま決着を付けようとしていた寸前で氷華がまだ『人間』だった頃の親友の声が聞こえた事でその攻撃の手が止まる。

965:頂上決戦◆gI:2022/03/29(火) 02:56

『私はっ・・・・・こんなことをする氷華嫌だよ・・・・・!氷華がいつも平和の為に頑張ってるのは知ってた・・・・・ほんの少しだけど、氷華は話してくれたし・・・・・時々しか会えないのも氷華が一生懸命頑張っているからなんだと思ってた・・・・・でも・・・・・こんなことをする為に氷華が今まで頑張っていたなんて知らなかった!私すごく悲しいよ!やるせない!騙された気持ちだよ・・・・・!』

(ようやく、スマホの画面に夕渚の姿が映る・・・・・

恐らく、あまりの惨状にスマホを置いてしまっていたのだろう・・・・・

夕渚の顔は、涙で見たことがないほどに悲しみに包まれていた・・・・・)

>>964

966:狂った正義◆3.:2022/03/29(火) 03:43

>>965

氷華
「……私はもう後戻りする事は出来ない。
理解してもらえないのは悲しいけれど……それでも私はもう止まれない。」

国を敵に回した以上、もう後戻りは出来ない。
自分で始めてしまった以上、自分の手で終わらせる事は出来ない……
氷華の瞳の奥に微かに感情の揺らぎが見えるものの、凍りついた心は感情そのものを押し潰してしまう。

自分の中にある人としての感情から生まれる罪悪感から氷華はスマホから目を離そうとする。

967:頂上決戦◆gI:2022/03/29(火) 04:27

『・・・・・私、馬鹿だからどうするのが一番いいかなんてわからないけど・・・・・でも・・・・・氷華がこれからやり直す手伝いはしたい・・・・・』

(夕渚本人が言うように、夕渚は本当に馬鹿だ・・・・・

ここまでのことをしておいて、やり直すことなんてどう考えても出来っこない・・・・・

もう後戻りできない以上、氷華が計画しているように、一度完全な地獄を作り出してから氷華自身が命を絶つことで元通りとはいかずとも事態は終息する・・・・・

それでも尚、氷華が親友として心を開いた夕渚だからこそ、説得しようとする・・・・・)

>>966

968:狂った正義◆3.:2022/03/29(火) 16:33

>>967

氷華
「……………。」

自分と一緒にやり直してくれると言う夕渚の言葉を聞いて、何も言葉を返すことが出来ず、少しの沈黙をもって応えると、静かにスマホの通話を切る。

何も言葉を返さずにいたため、その本心はわからないものの、夕渚の言葉で氷華の心に張り詰めていた氷が微かに溶けたのか、氷華が迎撃用に展開していた巨大な氷柱が崩れ始め、桜空の頭上に浮かばせていた氷の棘珠もその硬度を大きく落ち、破壊が容易なものとなる。

これで多少なりとも氷華の力が落ちたものの、それでも依然として世界最強クラスである事に変わりはない無い。

969:頂上決戦◆gI:2022/03/30(水) 02:50

桜空「・・・・・っ・・・・・!」

ガッ・・・・・!

(桜空は、頭上のものを素手で殴りバラバラにして砕くと、そのまま氷華に突進して掴みかかり

「てめぇ・・・・・!ダチすら大切にできねぇのか・・・・・!」

と、怒号を浴びせる・・・・・

精神的にかなり揺らいではいるものの、依然としてまだ力の差はある相手に対して怖じ気付くことなく立ち向かう桜空の姿は、当の本人である氷華の目にはどう映るのか・・・・・)

>>968

970:狂った正義◆3.:2022/03/30(水) 02:57

>>969

氷華
「……全ては大義のため、私は私欲を、私情を捨ててどれだけでも非情になれる……それこそが私の覚悟よ、何も捨てることが出来ない貴方では理解することは出来ないでしょうけどね……」

桜空が頭上にある氷塊を破壊された事で攻撃が不発に終わると、此方へ向かって来る桜空に対して手にした氷剣を振るって迎え撃とうとする。

だが、その氷の硬度は低下しており、氷華を打ち倒し、自らの信念を持つことが出来ているのなら容易く破壊することが出来るだろう。

971:頂上決戦◆gI:2022/03/30(水) 03:55

バキッ・・・・・

桜空「あぁ・・・・・理解したいだなんて死んでも思わねぇ、クソくらえだ・・・・・」

(桜空は簡単に氷剣を砕くと、そのまま睨みながら「これを見ろ、全部てめぇがやったんだ・・・・・罪もない人間さえ、子供すら巻き込んだ・・・・・大義もクソもへったくれもねぇ、これを正義だのなんだのって言えるなら、てめぇは本当に頭がおかしい・・・・・」と言い)

>>971

972:狂った正義◆3.:2022/03/30(水) 04:24

>>971

氷華
「……!!!
正気な頭の者がいても何も変わらなかった。
その末路が私達のような生い立ちの者でしょう……?」

桜空の首を狙って振るった氷剣が砕かると、今度は自分の左手で手刀を作り、その手刀に氷を纏わせて氷の刃とすると、それをもって桜空の腹部を貫いて掴まれる前にその体を貫いて絶命させようとする。

973:頂上決戦◆gI:2022/03/30(水) 06:21

桜空「っ・・・・・」

ポタッ・・・・・

(桜空は氷華の腕を掴んでなんとか止めるものの、手刀の先端部分が桜空の腹部に数センチほど突き刺さり、血が滴り落ちる・・・・・

氷華の言うこともわかる、だが、それを理由にして虐殺をしていいわけがない・・・・・)

>>972

974:狂った正義◆3.:2022/03/30(水) 16:37

>>973

氷華
「貴方はその非情になりきれない甘い幻想を抱いたまま朽ちていくがいいわ。」
《パキパキパキパキパキ…》

桜空の腹部に少し刺さると、そこからパキパキと音を立てて凍り始め、そのまま手刀が刺さった箇所を壊死させ、彼の体を凍り付けにしようとする。

氷華はこの計画のために、人であるために必要なものを全て捨て去った……その彼女から見れば希望論や綺麗事ばかりを並べ、自分のように世界の改革のために動かない事を"甘い幻想"と蔑んでいる。

975:頂上決戦◆gI:2022/03/30(水) 23:48

桜空「ぐっ・・・・・!?くっ・・・・・!」

ぐっ、ぐっ・・・・・

(桜空は必死に手刀を抜こうとするものの、既に腕も凍り始めており、じわじわと体の自由を奪ってゆく・・・・・

激痛と極寒、二つの脅威に挟みうちにされる・・・・・)

>>974

976:狂った正義◆3.:2022/03/31(木) 03:15

>>975

氷華
「人生とは等価交換。
何も捨てる事が出来ない者は何も得ることが出来ない……
私は正義以外の全てを捨てた……」

一度凍り始めてしまえば、能力が弱体化している今でもこれで充分。
氷華は桜空の腹部に当てていた右手を離すと、そのまま桜空から離れて彼が凍るまでの様子を見ようとする。

977:頂上決戦◆gI:2022/03/31(木) 06:21

パキ・・・・・パキ・・・・・

桜空「ぐっ・・・・・正義がどうとか言っているが・・・・・てめぇのやってることは・・・・・ただの無差別大量虐殺以外の何ものでもねぇ・・・・・」

(内蔵までも凍てついてゆく中、呼吸すらまともにできずに最後の時は迫り来る・・・・・

そんな中でも、桜空は氷華のやり方は間違っていると必死に反論する・・・・・)

>>976

978:狂った正義◆3.:2022/03/31(木) 13:27

>>977

氷華
「貴方はそこで歩みを止めて見ているといいわ。」

氷華は次第に体が氷に包まれていく桜空を見て、あと数分で全身が凍り付いて凍死するであろう事から決着は着いたと考え、最後の仕上げをするために凍り付いた国会議事堂に向かって歩き始める。

そんな中で、桜空の懐には先程、装甲者の中にいた機動隊員から手に入れた対異能弾を装填された拳銃がある。

実質的に決着が付き、ほぼ全身が凍り付いてしまった桜空に対しての警戒が緩んでいるようで、今、彼女の背中からこの銃弾を打ち込めば倒すことは出来なくとも更なる弱体化を狙えるかもしれない。

979:頂上決戦◆gI:2022/04/01(金) 04:58

ピキッ・・・・・パキッ・・・・・

桜空「ぅ・・・・・あ・・・・・」

《くそっ・・・・・!体が・・・・・動かねぇ・・・・・》

(平和の実現の為ならば、悪人になっても平和を望む実の弟すらも手にかけることを躊躇わない氷華の作り上げた氷は、まるで氷華の今の人間性や心を表すかのように、硬く、そしてどこまでも冷たい・・・・・

桜空は、力を振り絞り懐の拳銃を取り出そうと必死に腕を動かすものの、わずか数ミリ動かすのがやっとであり、桜空はどんどん氷像へとなってゆく・・・・・)

>>978

980:狂った正義◆3.:2022/04/01(金) 06:17

>>979

氷華
「……………。」

氷華は構わずに議事堂前の階段を登って行く。
そして去って行く氷華の背中も周囲に吹き込む吹雪によって薄れ始めてしまっている。

かつて二人は別々に別れ、それぞれ過酷な環境で生きることになったのだが、その時と同じ……いや、その時以上に、この場で氷華の姿が見えなくなった場合、二度と会うことが出来ない……例え桜空が生き延びたとしても二度と氷華と邂逅することは無い。

そんな予感が感じられる。

981:頂上決戦◆gI:2022/04/02(土) 01:16

《・・・・・待てよ・・・・・行くな・・・・・》

(桜空は、最後の力を出せる限りだそうとする・・・・・

が、体を覆い尽くす氷は、もうすぐ完全に桜空の全身を包み込もうとしており、じわじわと対応と体の自由を奪うと同時に、桜空の意識が朦朧とし始める・・・・・)

ジャリ・・・・・

(国会議事堂へと歩いてゆく氷華の足元、何かを踏んだような感覚が伝わる・・・・・)

>>980

982:狂った正義◆3.:2022/04/02(土) 02:48

>>981

氷華
「……………?」

桜空の必死の抵抗や呼び掛けも虚しく、桜空の体は氷に覆われ始め、氷華は振り替えることも無く歩き続ける。

既に周囲の階段、道路、芝生、土の表面には厚さ3cm程の氷で覆い尽くされているため、議事堂の階段を登り終えた後に足元から違和感を感じる。

その違和感の正体を突き止めるために足をどかし、自分の足元を見る。

983:頂上決戦◆gI:2022/04/02(土) 06:03

・・・・・

(氷華が足をどけると、そこにあったのは、幼少期の氷華と桜空が映った写真が入ったペンダントであり、氷華のものとは違うことから、桜空も同じように幼少期の思い出を肌身離さずに持っていたこと、戦いの衝撃で桜空の服から落ちて飛んでいったのだということがわかる・・・・・

桜空は、氷華との正義のヒーローになりたいという願いを忘れてはいなかった・・・・・)

>>982

984:狂った正義◆3.:2022/04/02(土) 10:23

>>983

氷華
「……なぜこんな所にコレが……?」

桜空のペンダントが落ちているのを見て、黒い革手袋を付けた右手で拾い上げてそれを見ると、どうして議事堂の階段上にこれがあるのか、何時これが落ちたのか……何故桜空がまだこれを持っているのか、様々な疑問が脳を過る。

985:頂上決戦◆gI:2022/04/03(日) 00:40

・・・・・

(写真の中の幼い二人は、まだ穢れというものを知らず、どこまでも純粋で、そして些細な喧嘩すらもしなかった・・・・・

たった10年という年月が、二人にとってはあまりにも大き過ぎた・・・・・

桜空がまだこれを持っている理由は、桜空以外では氷華しか知ることは出来ないだろう・・・・・

まだ桜空は幼少期の誓いを・・・・・)

>>984

986:狂った正義◆3.:2022/04/03(日) 18:04

>>985

氷華
「…………………。」

写真の中に映る桜空の顔を見て、表情には現れてはいないものの、数秒だけ立ち止まり、様々な感情が胸の中を駆け巡り、複雑な心境になるが、やがて目線を議事堂へ戻し、議事堂内へ入ろうと歩みを再開しようとする。

自分はもう二度と戻ることは出来ない、一方通行であり、決して巻き戻すことの出来ない時の流れの中では前に進むと言う選択肢しか存在しない……

987:頂上決戦◆gI:2022/04/04(月) 06:04

バキンッ・・・・・!

桜空「氷華ぁぁぁあああああああああああああっ!!!!!」

(氷華が立ち止まり、様々な感情が入り乱れたその刹那の瞬間、桜空はそのタイミングを逃すことなく氷を打ち破り、氷華へと走り迫ってゆく・・・・・

桜空の目は、悲しみや信念など、氷華同様に様々な感情が入り混じっていた・・・・・)

>>986

988:狂った正義◆3.:2022/04/04(月) 06:15

>>987

氷華
「……………!!」
《バッ》

背後から自分の名を呼ぶ咆哮が聞こえ、更に体の芯までは凍り付いていなかったのか、氷華は反射的に振り向き際に右手を翳し、その掌から一本の氷柱を伸ばして桜空の体を貫こうとする。

精神的な動揺からか、その氷の生成速度も硬度も低下しているため、死力を尽くせば回避や破壊も可能なレベルとなっている。

989:狂った正義◆3.:2022/04/04(月) 06:53

【正義の行方】


息も凍る程の冷たい大地
草も木も無く、地平線の遥か彼方まで広がる無人の凍土
方位磁石やコンパスはおろか、星すらも存在しない

自分がいったい何処を歩いているのかさえもわからない
歩き出した足は太腿、脹ら脛、両膝、足首、土踏まずの全てが常に引き裂かれるような激痛をもたらしている

吹き付ける風は肌を刺すようで
温もりを生むものは何一つ無く
体温を守る毛布すら無い

生命を拒むような死と氷の世界を氷華は歩いている
ひとたび視線を反らせば方向感覚すら失う世界
それこそが氷華の歩く世界だ

かつて最愛の弟と約束した未来を、正義を守るために
この無人の荒野を歩くことを決めたのだが
もはや目的地どころか帰る場所も戻る場所も
どこにあるのかわからない

ただ一度向いた『前』だけが未来へ繋がると信じ
両足が上げる悲鳴や激痛に耐えて歩き続ける

この先にはきっと……
かつて自分達が夢見た理想の世界があると信じて…

990:頂上決戦◆gI:2022/04/04(月) 19:47

桜空「っ・・・・・!!!!!」

ヒュッ・・・・・!

(ある程度予想していたものの、やはり仕掛けてくる際のスピードは予想込みでも避けるのがギリギリになってしまう・・・・・

しかし、今の氷華の攻撃を避けるのは、今の桜空でも十分に可能だった・・・・・

桜空は、氷柱を避けると、そのまま氷華に掴みかかり、そしてそのまま勢いに任せて押し倒す・・・・・)

桜空「ふざっけんなよっ!!!!!」

(桜空喉号が凍てつく世界に響き渡る・・・・・)

桜空「仮にも正義を志す人間がこんなことをして何も感じねぇわけねぇだろ!!!!!てめぇの心は死んじゃいねぇ!!!!!てめぇは本心に気づけないんじゃなく本心に蓋して都合よく自分を偽ってるだけだ!!!!!もう他人も、自分自身も傷つけるな!!!!!

・・・・・頼むよ・・・・・姉ちゃん・・・・・」

ポロッ・・・・・ポロッ・・・・・

(桜空の目からは、涙が零れ始める・・・・・

互いに正体を知って傷ついたのは、氷華だけではない・・・・

いくら薫先生という恩人に恵まれ用と、恩人を失うも悪人に命を救われようと、どんな時でも心のどこかには氷華の存在があった・・・・・

だが、やっと会えた時には、すべて変わっていた・・・・・

今までの様々な感情が、入り乱れ、そして涙となって零れ落ちてゆく・・・・・

もう、限界だった・・・・・)

>>988、989

991:狂った正義◆3.:2022/04/05(火) 04:08

>>990

氷華
「!?……桜空……。」

氷柱による刺突が避けられ、直ぐに逃れようと後方へ下がろうとするものの、足元に桜空の落としたペンダントが見え、このまま動けばそのペンダントをも踏みつけてしまうと考え、回避のための足が止まる……
そこで防御に回る時間が無くなり、桜空に押し倒される。

押し倒す際に彼が持っている刀を心臓に突き出していればその時点で自分が殺害されていたのだが、それをせず、変わり果て、決別を宣言した自分の事をまだ姉と呼んでくれている事に対して氷華は静かに驚いている。



氷華
「……私はここに来るまでに多くのものを捨てて来た……
自分も、仲間も、親友も……実の弟でさえも……」

ゴールも、自分の居る場所でさえも見えない無限に広がる荒野を歩き続けるのはいったいどれだけの絶望に満ちているのだろうか。

正義を言い訳に、過去の約束を言い訳に、自分自身からも目を背け、理想の正義を成すために数多くの罪を背負った……

自分はもう姉と呼ばれる資格も無く、涙の一つも流れない自分の冷たさに呆れさえ感じてしまうが、そんな全てを切り捨てて来た自分も……唯一、桜空や亡き両親と共に過ごした幸せな記憶を大切に守り続けて来た……

992:頂上決戦◆gI:2022/04/05(火) 05:56

桜空「てめぇの勝手を押し付けてんじゃねぇ!!!!!てめぇさっきの夕渚の言葉聞いてもまだそんなことが言えんのかよ!!!!!てめぇが勝手に周りを避けてるだけだろうが!!!!!夕渚も俺もまだお前のこと見捨てちゃいねぇぞ!!!!!」

(夕渚の想いも、自分の想いも、これだけ想い続けてもまだ氷華には届かないのか、何故わかってくれないのか、意味のない歪んだ正義の遂行の為ならば周りを避けられるのか・・・・・

桜空には理解出来なかった、思いが届かないのが悔しかった、やるせなかった、許せなかった・・・・・)

>>991

993:狂った正義◆3.:2022/04/06(水) 06:39

>>992

氷華
「そうして悪から目を背けるから新たな犠牲者が生まれる……
誰も世界を救わないと言うのなら……私がやるしかない……!」

桜空の落としたペンダントを踏まないようにし、最初に霞鴉が桜空を捕縛した時、それ以降も何度も桜空を殺害できるチャンスがありながら、それを一切する事無く、



氷華
「貴方の考えが正しいと言うのなら……私を倒し、その信念を貫いてみなさい!!」
《ヒュオッ》

氷華は素早く桜空の服の右襟と左裾を掴み、足払いを仕掛けつつ、自身の体を横転させるように動くことで逆に桜空を押し倒して馬乗りになる状態に持ち込もうとする。

氷華の異能は弱体に弱体を重ね、その力は通常の異能レベルにまで低下しているものの、それでも尚、ずば抜けた格闘センスと身体能力を持っている氷華を倒すのは困難だろう……

だが、氷華を呪縛から解放するためには氷華の氷を、氷華の呪縛を全て打ち砕かなくてはならない……

994:頂上決戦◆gI:2022/04/07(木) 00:08

桜空「くっ・・・・!?ただの大量虐殺止めるのに正しいもクソもあるか・・・・・!!!!!いい加減に目を覚ませやぁっ!!!!!」

ゴッ・・・・・!

(桜空は馬乗り状態に持ち込まれる前に、氷華の顔を殴りつけることで体勢を崩そうとする・・・・・

桜空の信念というものを一言で表すなら、理不尽が世界を滅ぼすなんてことはさせない、だろうか・・・・・)

>>993

995:狂った正義◆3.:2022/04/07(木) 01:44

>>994

氷華
「その大量虐殺をしなければ、これから生まれてくる無限の命が絶えず奪われ続け、踏みにじられ続ける……世界そのものが根底から変わらない限り…ね!」

氷華は自分の顔に向かって桜空が拳を打ち出そうとしているのを肩の動きと肘の曲がりから予知し、その拳を受け止める形で防ぎつつ、左拳に氷を纏わせて威力を引き上げたものを桜空の顔へ逆に打ち込もうとする。

996:頂上決戦◆gI:2022/04/07(木) 06:16

桜空「未来の為なら今ある罪の無い命を奪っていいのかよ!!!!!」

ブォンッ・・・・・!!!!!

(桜空は敢えて予備動作がわかりやすい攻撃を仕掛けると見せかけて氷華を誘導し、自分の目の前にゲートを展開し、転送先を氷華の背後、つまり背中に氷華自身の攻撃が直撃するようにする・・・・・

氷華がとことん能力を用いた攻撃を仕掛けてくるのならば、桜空はそれに対応した頭脳戦、といったところだろうか・・・・・)

>>995

997:狂った正義◆3.:2022/04/07(木) 15:01

>>996

氷華
「………………。」
《バッ》

先程、桜空が異能を発動させるタイミングや動作の癖等を見抜いていた事もあり、氷を纏った拳が自分の背後に当たる寸前で拳を止める事が出来る。

氷華は桜空の未来のために今を生きる命を奪ってもいいのかと言う問いかけに対して明確な答えを出すことが出来ず、ゲートから手を引き抜くと同時に後方へとバク転するようにして飛び退き、右手を地面に着地させると、そのまま地中の水分を瞬間凍結させて氷柱とし、地面に倒れた桜空の体を下から貫こうとする。

理不尽な現実に対する怒りは二人の共通点ではあるのだが、その途が交わることは無いのかもしれない……

998:頂上決戦◆gI:2022/04/07(木) 18:54

桜空「答えられないか・・・・・そりゃあそうだよなぁ!!!!!てめぇは自分の悪事を正当化しているだけで正義じゃあねぇんだからなぁっ!!!!!」

グォッ・・・・・!

(桜空はゲートを展開し、氷柱が自分へ突き刺さらないように防御する・・・・・

桜空自身、氷華への怒りからかもはや吹っ切れているらしく、ゲートの展開速度が先程よりも早まり始めている・・・・・)

>>997

999:狂った正義◆3.:2022/04/08(金) 02:43

>>998

氷華
「私が倒れれば……誰も世界を変えられない。
断言するわ、今のままの世界が続けば何千年何万年経とうとも決して悪は無くならない……」
《パチンッ》
【氷蓮六華・千本氷桜 頞部陀】

氷華が指を鳴らすと、その次の瞬間、桜空の周囲に伸びた氷柱から無数の氷の針が桜空に向けてありとあらゆる方向から同時に放たれ、迫る。

この技は殺傷能力や一撃ごとの威力はさほど無いものの、恐るべきはその数。ダメージも蓄積すれば致命傷となる。それを体現するかのような氷の針となっている……

1000:頂上決戦◆gI:2022/04/08(金) 13:51

桜空「ぐっ・・・・・!?」

バババババババババババッ・・・・・!

(桜空はゲートー展開させることですべての針を直撃することはなんとか免れるものの、やはり体のあちこちに無数の針の攻撃を受けてしまう・・・・・

が、ここで自分が怯んでは、世界のこれからが、無実の人間達の未来が危うい・・・・・)

桜空「・・・・・てめぇ一人がこんな意味のねぇことをやって何になる・・・・・?いつの時代だって、悪人なんてのはどこにでもいる・・・・・こんなことしたって、悪は無くならねぇよ・・・・・」

>>999

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