物語の舞台は現代日本
1万人に1人の割合で異能力者が生まれる世界
ある者は正義のために異能を使い
ある者は私欲のために異能を使う
異なる二つの信念が交錯する時、善悪をも超えた死闘が始まる
冷酷なまでに正義のために日夜犯罪者の粛清を繰り返す
日本の極秘特殊機関"八咫烏"と日本中の犯罪者達の死闘を描いた物語
>>2 ハウスルールと募集枠について
>>3 八咫烏について
>>4 キャラシートの作成例
>>5以降から募集開始&本編開始となります!
>>399
氷華
「あら、覚えてくれていたようね?
それなら話が早い……これから私が問いかける質問に対して正直に答えれば貴方の仲間だけは助けてあげる。」
氷華は扉を閉め、両手を腰の後ろで組みながら桜空の前に立ち、彼の目を見ながら、これから自分のする質問に対して正直に答えると言うのならば仲間の命を助けると言うものの、氷華の様子から、素直に答えないと言うのならば彼の仲間も一人残らず殲滅すると言うことを示唆している。
桜空「・・・・・保証は?」
(氷華はどんな悪人にも容赦はない、それはこの前の取り引きの際の戦闘において一般人をも巻き込もうとしたことからわかることだ・・・・・
そうなれば、こちら側としても仲間の安否に関わる条件を出されたとしても、保証があるのかないのかで考えれば、まず無い方であると考える・・・・・
どのみち、死人は手も足も出せない、自分が〇ねば氷華は躊躇わずに仲間を〇すだろう・・・・・)
>>401
>>402
氷華
「どうやら、まだ自分が選べる立場に居るのだと勘違いしているよあだけれど……貴方に出来るのは素直に話して楽になるか、意地を張って極限の苦痛と恐怖の中で絶命するかのどちらしかない……」
氷華は、部屋の隅にある棚に向かって歩き、棚の中から心拍計を手に取りながら、桜空の発言を聞いて、自分がまだ選べるだけの余裕があると勘違いしている事に対して嘲笑うように応えると、再び桜空の前にまで戻ってくる。
桜空「・・・・・この悪魔が」
(桜空の目は、相手に対する憎悪に満ちていた・・・・・
正義だと?笑わせるな、てめぇやってることはてめぇのことを棚に上げて勝手に掲げている自分勝手な正義を他者に・・・・・いや、世界になすりつけようとしているただの傲慢だ・・・・・
そんな考えが、桜空の脳裏をよぎる・・・・・)
>>403
>>404
氷華
「……悪魔?
……それは貴方達のように私欲のために社会を乱す者の事でしょう?」
氷華は自分を悪魔と蔑む桜空の言葉を聞くと、魂まで凍てつかせるような冷たい瞳で桜空を見据えながら、私欲のために世を乱す悪人達の方こそ本当の悪魔だろうと言葉を返す。
氷華
「……私の家族は悪によって奪われた。私は生まれつき強い力を持っていながら……戦う事すら許されなかった……」
氷華は右手に心拍計を持ちながら、自分の家族が悪人の手によって奪われた事、自分は華族が襲われている時に駆け付けて戦うことすら許されなかった事を口走る……
桜空「だから悪人を一人残らず消し去る為に一般人でも巻き込む、か・・・・・随分とご立派な正義だなぁ・・・・・?」
(桜空は、氷華の過去には心の中で少し同情する・・・・・
自分だって悪人に家族を奪われ、姉は今でもどこで何をしているのかわからず、生死すら把握出来ていないからだ・・・・・
だが、悪を滅ぼす為に一般人を巻き込むというやり方は、桜空は断じて納得出来ない・・・・・)
「お前のやってることは、ただの身勝手な自己満足だ、笑わせるな、悲劇のヒロイン気取りが・・・・・」
>>405
>>406
氷華
「犠牲無くして正義は成り立たない。
罪無き命を奪うのは私としても本意では無い……けれど、犠牲を躊躇い何も成せないぐらいなら……私は進んで犠牲を払う。」
氷華の発言に嘘や偽りは一切無い。
これから拷問の末に、どの道相手を生かして帰すつもりが無いのが逆に功を成しており、桜空への冥土の土産としての最後の情からか、本音で話をしている。
氷華
「理解されない考えだと言うことも、独善的な考えだと言うことは知っているし、悪にも等しい事を成そうとしている自覚もある……だから……私の理想の未来では私も存在していないし、存在していてはいけない。」
元々は誰も傷付かず、苦しまず、悲しまない世界を理想としていた氷華がこの考えに至るまでにいったいどれだけの苦悩が、絶望があったのか……
桜空の言葉に対して、否定するどころか、それらを肯定した上で、自分の理想の未来であるにも関わらず、自分という存在は必要ないとまで断言して見せる……
桜空「・・・・・俺の学んだヒーロー像は、犠牲を出さずに悪を成敗する、だったがな・・・・・その考えに至らないお前は、やっぱりただの自己中野郎だよ・・・・・」
(氷華の苦悩も絶望も、桜空からすれば知る由もなければ知ろうとすらも思わない・・・・・
一般的に犠牲の上に成り立つ正義と、犠牲をなるべく出さずに成り立つ正義なら、桜空は後者が圧倒的に正義として成り立つと考えており、氷華の掲げる信念は、やはりただの自己中心的な考えだと述べる・・・・・
そもそも正義なら、誰かを犠牲にしてまで平和な未来を勝ち取ろうだなんて思わないはずだ、何故なら、幼少期に自身の憧れだった姉がそうだったから・・・・・)
>>407
了解です! ではそれまで待機しておきますね。
410:八咫烏◆3. 進行相談用 http://ha10.net/test/write.cgi/yy/1636379816/l2:2021/12/08(水) 15:20 >>408
氷華
「……つまらない綺麗事……いえ、妄想ね。
それが実現可能なものなら私がとっくに成し遂げている。」
桜空の語る理想は単純に少ない犠牲で悪を
だが、幾ら悪を倒したところで、根本的な解決にはならなかった。悪を根絶するためには悪が生まれない世界にしなければならない……その事を悟るまでに氷華は多くの苦悩と苦痛を味わった。
氷華
「この世にはあまりにも悪に都合よく出来ている。
権力を持つ者の多くは自らの私欲を満たすために法の網を掻い潜り、無垢な民を盾として闇の中を蠢いている……それらを根絶するためには多くの犠牲が必要となってしまう。」
氷華が見据えているのは悪が誕生することの世界。
それは既存の社会体制や世界の崩壊を意味している……
氷華や八咫烏ほどの力があっても、沸き続ける悪の全てを永遠に滅ぼし続けるのは不可能であり、その解決策にもなっている。
>>409
【ありがとうございます!では、本日の8時頃から早速初回を投稿しますので、その時にお願いします!
m(__)m】
桜空「その綺麗事すら実現できない正義が偉そうなことを言うな・・・・・」
(そう言うと「お前らのようなクズどもに喋る情報は微塵もない、そして仲間も殺させない・・・・・」と、氷華の全てを否定するような目で見つめながら上記を述べる・・・・・
どんなに拷問されようが、桜空は何も喋らないという確固たる意思を見せつける・・・・・)
>>410
>>412
氷華
「……それが実現不可能な夢だと理解出来ないというのは哀れなものね。」
氷華は相手も悪でありながら、あくまでも悪だけを的確に間違いなく取り除けると言う妄想を抱き、現実を直視せずに語る桜空の罵声を聞くと、綺麗事を信じている桜空に対して失望したように言うと、桜空の右手首に心拍計を取り付け始める。相手を"限界まで追い詰める"ためにはこれが一つの目安となるからだ。
氷華
「さ、楽しいお喋りはこれでおしまい。
次はもっと単純な質疑応答に変えましょうか?」
氷華は拷問器具と言うものを一切使わない。
何故なら、氷華は自らの異能で鉄をも超える硬さの氷の器具を作り出せるからだ……もっとも、氷華の異能によって作り出されたそれは、薫がたまに桜空に見せていた氷細工とは違い、尋常ならざる苦痛を与えるものなのだが……
氷華は両手に氷のペンチを形成し、素早く左手に持ったペンチで肘掛けの上に拘束された桜空の右手の指を挟んで押さえ始める。
桜空「・・・っ・・・・つああぁぁああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁああああっ!!!!!」
(異様なまでに冷たい氷により感じる痛み、そして挟まれることで感じる痛み、二つの激痛に文字通り挟まれることで桜空は叫び声を上げる・・・・・
普通の拷問道具の方が何倍もマシだと思えるほどだ・・・・・)
>>413
>>414
氷華
「…………………。」
氷華はこのまま桜空の爪を引き剥がし、両手足の爪を引き剥がした後、両手足の指を切断し、そこから少しずつ手、腕、足と言うように順番に体の部位を一切の麻酔も無しにバラバラにし、喋れるギリギリの状態を維持したまま彼に想像を絶する苦痛を与えようとしていたのだが……
桜空の爪を氷のペンチを挟んだところで氷華は尋問対象である筈の桜空に……名前も知らない悪党である筈の相手に対する躊躇いが生じる。
これまで何百もの尋問や拷問を行ってきたが、こんな感情を抱いたのは始めてであり、無表情ながらも内心では困惑している中、氷華の右目から一滴の涙が頬を伝う……
桜空「はぁっ・・・・・はぁっ・・・・・!なに泣いてやがる・・・・・泣きてぇのはこっちだ・・・・・」
(桜空は、氷華の涙など正直どうでもいい・・・・・
氷華の涙がどのような意味合いがあるのかはわかるはずもなく、泣きたいのはこっちだと言う・・・・・
桜空は依然として、氷華を睨みつけたままである・・・・・)
>>415
>>first ALL
【first 厚木市の隠れ家】
狼谷
「……全員揃ったか?」
狼谷は先日に茅ヶ崎の湾岸にて、firstのリーダーである桜空が隅影の代わりに霞鴉との戦闘に敗北して同じ厚木市内にある八咫烏の拠点に連れていかれた事を見ていた狼谷は即座にfirstの構成員達の前に現れて近隣の県や街で活動していたfirstのメンバーに緊急招集をかけた。
集結地点であるボロボロの廃ビルを装ったアジトの五階では狼谷の招集に応じて駆け付けたfirstの戦闘員達が百人集まっている。
この人数で八咫烏の十二鴉の一人である狼谷が八咫烏のアジトへ誘導することで桜空を救出する事を目的としている。
>>417
氷華
「………貴方、名前は何と言うの?」
氷華は桜空から泣いていると言われて始めて、自分が涙を涙を流している事に気付き、コートの袖で自身の涙を拭い、自分の中にある感情や、躊躇いの理由について確信を得るため、桜空に名は問いかける。
【また後ほどプロフィール投稿します!キャラ追加します!】
紀「本当に世話のかかる人ですねぇ・・・・・」
(そう言うと「いっそのこと、このまま諦めて新しく誰かを長にした方がいいのでは?」と、とんでもないことを言う・・・・・
正直、基本的に義賊の多いファーストの中では、思想が本格的に悪人に近いのかもしれない・・・・・
言葉からは、仲間意識の低さが感じられる・・・・・)
>>417
桜空「名前だけ、おしえてやるよ・・・・・それ以外は黙秘する・・・・・」
(桜空はそう言うと
「桜の空と書いて、桜空だ・・・・・」
ただ一言、そう告げた・・・・・)
>>418
>>419(桜空)
氷華
「…………!!?
……気が変わった、一日だけ時間をあげる。
今日の一日を使って自分の身の振り方を考えるといいわ。
賢明な判断が出来るようになる事を祈っているわ。」
氷華は相手の名を聞いて確信した。
彼は……自分の弟の桜空であると……だが、彼は自分達から全てを奪った者と同じく、他者から搾取し、私欲を満たす"悪"に堕ちてしまったと言うことも同時に知ってしまった……
自分は彼を拷問にかける事は出来ない……
氷華は生成した氷のペンチを二つとも蒸発させると、桜空の近くから離れ、そのまま彼に自分の顔を見せないように背を向け、一日だけ考える時間を与えると言うと、振り返ること無くそのまま退室しようとする。
桜空「お楽しみは後で取っておくってか・・・・・本当にタチの悪い奴だな・・・・・」
(桜空は、氷華の心の内などわかるはずもなく、自分に時間を与えたのは、拷問という楽しみを後で取っておきたいからという解釈をする・・・・・
唯一、桜空が変わりすぎてしまったことがあるとするならば、このような歪んだ考え方をしてしまう、という点だろうか・・・・・)
>>420
氷華
「………毒鴉。
明日の尋問は貴方に任せるわ。」
毒鴉
「!!
ありがとうございます、金鵄。
必ずや期待に応えてみせます……!」
桜空の前から姿を消し、地下通路を歩く中、通路で待機していた毒鴉を見た氷華は桜空を相手にしての尋問を行えないと言う自らの苦悩や葛藤に対する一つの解決策として、彼に尋問を任せる事にする。
毒鴉は久々に獲物を痛ぶれるとわかった上に、相手は敵対組織firstのボスである事から上機嫌になり、大袈裟にお辞儀をして謝意を示すが、氷華は氷のような瞳をしたまま通路の奥へ去って行く……
【ー桜空(幼少期)の回想ー】
桜空「・・・・・」
(院長からの暴行を受け、一時的に呼吸が止まった後、桜空は薫に抱き抱えられ酸素マスクをつけた状態で、一日が過ぎた・・・・・
なんとか呼吸は再開したものの、未だ目覚めずに呼吸も弱々しい・・・・・
顔には赤紫色の痛々しい痣ができており、その悲惨さを物語っているが、途中で薫が急いでと目に入りこの状態の為、もう少し発見が遅れていた場合、もしかしたら命を落としていたかもしれない・・・・・)
悠矢「おいーっす氷華ちゃん!どうよ?獲物の状況は?」
(同じく、氷華の心の内など知るはずもない悠矢がお構い無しに話しかけてくる・・・・・
まさか、敵対する相手が最愛の弟だなんて・・・・・
そんな辛さを知ったとしても、恐らくは平気で話しかけてくるだろう・・・・・)
>>422
>>424
氷華
「………どうと言うこともない、何時もと何も変わらないわ。違うとすれば相手が組織のボスだから引き出せる情報も有益なものになりそうな事ぐらいかしら?
それよりも、手が空いたのね?
それなら、五日以内に岩手の二戸にある暴力団、西岡組の事務所を潰して東北の暴力団間の繋がりを調べて来てもらえるかしら?」
氷華は共にヒーローになろうと誓ったにも関わらず、桜空が約束を忘れて悪に堕ちていた事、改めて自分の中にあった人間としての情を知った事で更に心が削られた結果、もはや、緋染に対して邪険に扱う事すらしなくなり、何の感情も含めること無く、淡々とした口調で暴力団の事務所を潰し、組織の繋がりを調べて来て欲しいと指示を出す。
【氷の胸中】
氷華
「……もう、あの頃の桜空はいない。
桜空は約束を忘れてしまった……」
氷華
「昔の約束を覚えていたのは私だけ……このまま進んでも昔描いた理想は叶わない……けれど……私はもう止まることは出来ない……止まるにはあまりにも多くの命を奪い、あまりにも多くのものを失い過ぎた……」
氷華
「こんなに苦しく感じるのなら……心なんて必要ない。
私心を捨てた正義の執行者……いえ、地獄の閻魔になりましょう。」
氷華
「さようなら……夕渚、不知火、ノエル……桜空……」
悠矢「・・・・・はいよ、まぁ、あんま無理しないことだね」
(氷華の何かを悟ったのか、珍しく相手を気遣うような発言をする・・・・・
悠矢からすればこの程度の任務は御茶の子さいさいだ・・・・・
だが、どうも氷華の心情も気にはなるところ・・・・・)
>>425
>>427
氷華
「ええ、気遣い感謝するわ。」
氷華は微笑んでそう応える。
だが、葛藤の末に完全に心が死滅してしまった氷華の浮かべる笑みは、親しみを感じたから出たものではなく、単に顔が人間であった頃の氷華の名残として笑みを浮かべているだけであり、その笑顔からは何の感情も伝わって来ない……
指示を伝えた後、そのまま氷華は再び通路の奥に向かって歩き出し、緋染の前からも姿を消す……この時をもって、氷華は完全に人間である事に決別し、人の形を成した氷のような存在となる。
地獄が作り出されるまで残り6日
>>423(回想)
薫
「………Zzz……」
桜空の眠るベッドの傍に置かれた椅子には薫が座っており、両手を膝の上で重ね、壁に背中を預け、カーテンの隙間から射し込む日の光を浴びながら静かに眠っている。
>>417
「ほいほい、武闘派構成員中川隆次、ここに居ますよ〜と」
狼谷の召集に応じた内の一人、隆次が間の抜けた声で答える。
「事情はこっちでも粗方把握してるぜ、なんでもうちの大将が拐われたんだってな?」
両手を頭の後ろで組み、だらけた姿勢を崩さない。
「で、どうすんだ? 早速全員で救出に向かうか?」
その上で話の主軸は間違えないのがこの男だ。弛んだ佇まいながらも、その目だけは狩人の如く静かにギラついている。
「それとも、何か綿密な作戦でもあるのかい、狼谷の旦那?」
自分よりも高身長、筋肉質な男に対しても全く怖じ気づくことなく質問を投げ掛ける。
【それでは参加させて頂きます! よろしくお願いいたします】
>>419
>>430
狼谷
「お前らも何時もながら元気そうだな、こうして顔を見て話すのは始めてだがな……」
以前に会った時と変わらずに仲間意識の低い紀、おちゃらけた発言をしつつも狩人のように鋭い眼光を持った中川の二人を始め、捕まった桜空に呆れている者、八咫烏との全面戦争が出きると喜んでいる者、桜空の安否や組織の維持について抱く不安を怒号にしている者とそれぞれ異なる反応を見せている構成員達を見て、招集に応じたメンバーが全員揃った事を確認する。
狼谷
「この際だ、お前らにも俺の正体を教えておく……
俺は"八咫烏 十二鴉"であり、向こうでは"鴉狼"と呼ばれている。これは後述する作戦の時に俺を呼ぶ時にでも使え。」
様々な質問が飛び交う中、狼谷は必要最低限の情報のみを返す。
これまでfirstの幹部として活動してきた狼谷だが、自分の正体が八咫烏の主力メンバーである十二鴉の一人である事を公表する。
これはスパイとして活動していた事を公開し、今まで狼谷がfirstを騙していたに等しい行動であり、狼谷もまた、桜空以外にこれを伝えた事はなく、firstのメンバーの誰も知らない事でもある……
狼谷
「お前らに集まってもらった理由は話さなくてもわかっているだろうから飛ばして作戦の大筋を話すが、先ず幾つかのチームに別れ、それぞれリーダーが捕まっていると思われる拠点へ潜入する者と攻撃する者に分かれてもらう。」
狼谷は飛び交う怒声を意に介さずに、桜空を救出するために百人いる戦闘員達を幾つかのチームに分け、そこから八咫烏の拠点に潜入するチームと攻撃を行うメンバーに分けると言う。
悠矢「・・・・・さぁて、ちょっくら潰しに行きますか」
(首をコキコキと鳴らしながら、肩をぐりんぐりんと慣らすと、そのまま目的地へと向かう・・・・・
さすがに悠矢も、この時はまだ氷華が以前と変わりすぎてしまったことに気づいていなく、まだ前の方が人間らしさがあったと知ることになるのは、これからだった・・・・・)
_________
桜空(幼少期)「・・・・・うっ・・・・・ぅ・・・・・」
(意識が戻ると、ぼんやりとだが部屋の天井が見え始める・・・・・
そういえば、自分は何をしていたのだろうか、記憶が朧気でちゃんと思い出せない・・・・・
わかるのは、体のあちこちが痛み、酸素マスクをつけていても息がまだ苦しいほどだということである・・・・・)
>>429
紀「これだけの人数を集めておきながら、やることがたった一人の、さほど役にも立たないリーダーの救出ですか・・・・・この組織はまた随分と時間に余裕のある方々の集まりのようですね?」
(たった一人の人間を救うためだけにこれだけの人数を招集する必要があったのかと異議を唱えながら、他のメンバーを見るとよほど時間のある人間の集まりで出来た組織なのだろうと、他のメンバーを見下すような発言をし始める・・・・・
そして「これだけ集めたら、どれほどのメンバーを無駄死にさせるかわかったものではないですねぇ・・・・・」と吐く
紀自身、狼谷が八咫烏をスパイしているメンバーだったことについては意外でもなかったのか、特に言及はしない)
>>430、431
>>432(回想)
薫
「…………………Zzz」
桜空が目を覚ましてもまだ薫は眠っている。
薫は桜空と少年が意識を失ってから徹夜で介護しており、眠る時間さえまともに取ることが出来なかったと言うこともあり、ずっと二人が目覚めるのを待っていたのだが、肉体が限界を迎えてしまった事もあり居眠りしてしまっている。
>>432(紀)
狼谷
「そうか、じゃあお前はもう帰ってもいいぞ。
これからやる作戦は生半可な気持ちで挑んだところで足並みが乱れるだけだ。そんな状態では八咫烏(アイツら)に勝つことが出来ないどころか、足を引っ張るだけだ。」
明らかに場の空気を乱し、士気を下げる言葉を言う紀の発言を聞いて、バッサリと相手に今回の作戦から離脱しても構わないと言い切る。個々の戦力についてよりも、連携を重視しなければ少数精鋭を誇る八咫烏には勝つことが出来ないと言うことを知っているからこそ、紀のように足並みが乱れる可能性のある者には外れてもらうように考えている。
>>431
中川「八咫烏 十二鴉の鴉狼、ね。OK了解した」
本来は重大なカミングアウトなのだが、Firstに入って数ヶ月程度の立場からしてみれば、然程大きなインパクトはない。
「ほうほう、潜入チームと攻撃チーム、か」
狼谷が提案したのは、二手に別れての作戦。
「まあ俺は言わずもがな……」
攻撃チームだろう。なにせ武闘派構成員という立場なのだ。ここで潜入チームになる理由もあるまい。
「……ところでお前ら、ここが廃ビルに偽装したとこだってわかってるか? ビッグニュースなのはわかるけどよ、近隣住民に怪しまれたりしたら面倒だぜ?」
未だ大声でざわつく構成員達を窘める。
いくらここが五階層とはいえ、百人近くで大騒ぎなんてすれば否が応でも目立ってしまう。ここらの地理に詳しくないのでどこに住民がいるのかわからないが、やはり波風を立てないに越したことはない。
>>434
狼谷
「ああ、理解が早くて助かる。
音についてなら心配しなくてもいい、音消しの異能力者も、気配を隠す異能力者もいる。なんなら、アジトを爆発しても隣の民家の誰も気付かないだろうな。」
建物そのものは特殊な機能を持っていないが、この建物にいる非戦闘員の中には音を消したり、大人数の人間の気配を消す異能を持った者もいるだ、どれだけ騒いでも音が漏れたり、近隣住民にバレる事はないと応える。
音を消して密かに作戦を立てられるようになっていたり、百人もの戦闘員がビルの一室に集まれる程、部屋の広さを変えることか出きる者がいると言うように、今回の作戦に惜しくも力が無くて参加出来なかったfirstの構成員も多数集まっており、彼らが今回の作戦のバックアップを担当してくれる。
中川の発言から判明した作戦を練るために用意された隠密性の高さを知った戦闘員達は次第に罵声や怒声をぶつけるのをやめ始める……自分達が文句を言うよりも、裏切者とはいえ、唯一八咫烏の情報を持ち、十二鴉と言う八咫烏内でも主力に数えられている狼谷の指示を素直に聞いている方が作戦の成功が高まると思ったからだ。
狼谷
「それと、これは潜入チームだけなんだが、潜入チームは10の班に分けて5人前後で行動する。あまり大人数で向かって怪しまれでもしたら本末転倒だからな、それに……もし拠点内に"三羽鴉"の誰かがいて見付かった場合……全滅は免れないだろうからな……」
狼谷は中川を含めた攻撃チームはそのまま50人がかりで攻撃を行うが、潜入チームは10に分かれて潜入するようにと指示を出す。
攻撃チームに含まれる中川には無関係な潜入チームの内容であるかと思いきや、三羽鴉クラスの者がこの先に拠点に潜んでいて、救出作戦について知ってしまった場合、例えこの場の100人全員で挑んだとしても自分達に勝機が無い事を伝えている。
八咫烏に20年以上属していた狼谷の言葉である事からその信憑性は高い。
狼谷
「チームの配属先については後で俺が伝える。
作戦結構は明日の夜からだ。他に質問のある奴はいるか?
居ないのなら、今日はこれで解散だ。」
桜空(幼少期)「・・・・・」
(先生はまだ寝ているということに気づくと、先生、ずっと傍にいてくれたんだ、と安心する・・・・・
が、その安心と同時にじわじわとあの恐ろしい記憶が蘇る・・・・・
突然現れたと思ったら、いきなり暴力を振るってきたあの男の記憶が・・・・・)
紀「馬鹿を言わないでいただきたい、貴重な時間を割いてまでここまで来ておいて、何もせずに帰るのは私も不本意ですからね、リーダーの救出などという下らないことは正直どうでもいいですが、敵側の5人や6人は抹殺しないと、私のプライドが許しません」
(正直、桜空の救出はどうでもいいとして、貴重な時間を割いてまでここまで来ておきながら何もせずに帰るというのは、自身のプライドが絶対に許さず、敵側を数人抹殺しなければ気が済まないと告げる・・・・・
ファーストの中でもかなり本格的に悪人よりの悪人である)
>>433
>>436(回想)
薫
「………はッ!
え、あ、よかった……起きたんだね……?」
眠っていたものの、ガクンと頭が下がった事で目を覚まし、寝ぼけ眼ながら桜空も目覚めていたのを見て、心から安堵したのか、嬉しそうに微笑みながら言う。
>>436(紀)
狼谷
「ふん、素直じゃないんだな……
まあ、本当に心配じゃないのなら招集に応じはしないからな……」
狼谷の目には紀は強がっているように見える。
本当に桜空の事が気掛かりで無いのならばそもそもこの招集に応じず、各々の望むことをやっている……にも関わらず、わざわざ自分の時間を削ってまでこの場に駆け付け、救出作戦に参加し、今此所で参加しなくてもいいと言っても尚、食い下がること無くない作戦に参加したいと言う事から熱意を感じている。
彼女の言葉から恩を売るために参加した訳でもない、恩を売るためならそもそも先程のような言葉も口にせず、静かに野心を秘めていただろう。悪人と言うよりも、俗に言うツンデレ気質が感じられる。
狼谷
「作戦の大筋についてはさっき言った通りだ。
把握したのなら解散してもいいぞ。」
既に部屋からは戦闘員達が退室し始めており、先程、作戦の大筋については話したため、それがわかったのなら解散しても構わないと言い、狼谷自身も風を身に纏い始め、明日の作戦開始のための下準備を行うためにこの場から立ち去ろうとしている。
桜空(幼少期)「・・・・・せ、せんせぇ・・・・・」
(いきなり暴行を受けた恐怖を思い出してしまった直後に、相手の微笑みを見ると安心感からか、じんわりと涙を浮かべる・・・・・
正直、わけもわからないまま殴られたことが夢であってもらいたいが、全身に未だ走るその痛みが、現実であるということを証明している・・・・・)
紀「解散前に一つ・・・・・」
(そう言うと「あなた、どうしてあの男にそこまで熱心になれるのです?年齢的にも人生経験的にもまだ未熟者なリーダーの肩書きだけ持つガキなんて、見逃しておいた方が楽だというのに・・・・・」と、まだ子供な桜空一人捕らわれたところで見逃しておけば面倒事に巻き込まれずに済むのにそこまでするのは何故なのかを問いかける)
>>437
>>438(回想)
薫
「どうしたの?痛いところがあるのなら教えて……?」
神宮に振るわれた暴力の記憶や、体の痛みから薫の笑みを見て安心して涙を流した桜空を優しく抱き締めると、優しく何処か痛いところがあったら教えて欲しいと言って彼が安らげるようにしようとする。
>>438(回想)
狼谷
「ん?いきなりどうしたんだ?
お前は他人の意見や考えを気にするような性格だったか?」
狼谷は突然自分がどうして桜空のために動けるのかと言うことを聞かれると、思わず動きが固まり、少し困惑する……何故なら紀は自分の欲求や欲望、利益の事しか考えず、プライドと悪意に基づいて動いている思っていたからであり、こうして何の得にもならない自分の桜空への考えや想いについて疑問を持ち、その事を聞いてくるとは考えてもいなかった。
狼谷
「だが、お前が自分だけじゃなくて他人に興味を持つのは素直に嬉しい事だ。そうだな……アイツには俺には無いものがあるから……かな?」
狼谷は少し恥ずかしそうに笑いながら、自分が桜空のために危険を冒してまで八咫烏からの情報を流したり、今もこうして救出作戦を立案したのも、桜空には自分には無いモノを持っているからだと応える。
桜空(幼少期)「・・・・・いっぱい、痛い・・・・・」
(体中が痛く、もはや的確にどこが痛いかと限定して言えず、体のあちこちが痛いことを告げる・・・・・
が、ちゃんと喋れていることから、奇跡的に内蔵の損傷はなかったと見ていいようである・・・・・)
>>439
紀「気にしてはいけない、とでも?」
(そう言い相手の言葉を聞けば「どこまでも馬鹿ですね、自分が持っていないものを持ってるからといって助けたところで自分に何の利益もない、考え方が矛盾していますね」と一蹴する・・・・・
どうせ助けたところで何かを得るわけでもない、どうせなら利益のある行動をしたらどうだと述べ)
>>439
>>440(回想)
薫
「あはは、だよね?
直ぐに治してあげるから、今はしっかりお休み……?」
優しく抱き締めていた彼から離れ、身体中が痛いと思われる彼をベッドに再び寝かせると、ただ寝ているだけでは退屈だろうと思い、一つ自分の持ち芸を見せてあげようと考え付く。
薫
「そうだ、貴方に面白いものを見せてあげる。」
《パキンッ》
薫は傷口や発熱箇所を冷やすために置かれた氷の入った箱の中から5cm程の大きさの氷を一粒だけ取り出すと、それを両手で包み、開く。
すると、薫の手の上に小さな鳩の氷象が出来上がる。
回想の中にあるその鳩の氷象は氷華の作り上げるものに比べれば歪で、ずっと小さく、元から氷塊が無ければ作り出せないと言う完全な氷華の下位互換ではあるものの、氷華が作り出す拷問器具や氷塊とは比較にならないほど、人としての優しさや暖かさが感じられるものとなっている……
>>440(紀)
狼谷
「はっはっはっ!!
そう馬鹿にするものでも無いさ、自分には無いモノを持っている、自分では出来ないことをやってくれる……だから力を貸す、だから助け出す。それだけの事だ。」
今まさに矛盾した言動を取っていた相手の口から"矛盾した考え"や"何の利益もない"と言う言葉が出てくるとは思わず、楽しそうに笑いながら、桜空は自分には無いモノを持ち、出来ないことをしてくれると信じているからこそ、力を貸しているのだと続ける。
狼谷
「ま、人生の先輩からの小うるさい小言だと思ってくれてもいい、今はわからなくてもいい、いずれお前もわかる時が来る筈だからな……それじゃあ、明日の作戦の正午にまた会おう。」
若い内は自分やその周辺の事しか見えない。
かくいう自分も30になるまでは遮二無二自分の中にある正義と八咫烏の掲げる正義の間で葛藤しながらも自分を中心に活動し、多くの悪を葬って来た。立場は違えど、自分もまた紀と同じように暴れ回るためだけにこの異能を使い、十二鴉の地位にまで登り詰めて来た。
だが、そんな自分も歳を取り、相応の肩書きと立場に着いた事で考え方が落ち着き、周りが見えてくるようになると、周囲からの自分への考えや、これまで歩んできた自分の人生が何だったのかを考えることが出きるようになり、自分が持ち得ぬモノを持った桜空に期待を抱くようになった。
性別は違えど、紀は過去の自分を見ているようであり、狼谷はいずれこの考えもわかる日が来るとだけ言うと、広間の隅にある窓を開け、そのまま風に乗って何処かへ去って行く……
【狼谷の独白】
狼谷
「フッ……そうだよな、幾ら協力したところで俺には何のメリットも無い。成功すれば八咫烏は壊滅するし、失敗すれば俺は消される。」
救出作戦開始前の事前集会が終わり、明日の救出作戦開始のための下準備をするために桜空が捕まっている八咫烏の拠点である、周囲を塀に囲まれた工場を見ながら、先程までの自分の発言を振り返り、思わず笑ってしまう。
狼谷
「笑っちまうよな?
束縛を嫌う風来坊、一匹狼の鴉狼と言われたこの俺が……よりにもよって年端も行かない若造に命を預けているなんてな……」
十二鴉の中でも最強クラスの実力を持ち、20年以上も過酷な戦場で幾つもの死線を潜り抜けて来たこの自分が……自分の半分も生きていない桜空に自分の命を預けているなど、端から見れば滑稽な話だ。
だが……これについての後悔は無い。
自分の選んだ道であり、他人に強制されたり、命令されてやっている事じゃない……全ては自分が勝手に決めた事だ。笑い話だろうが、滑稽だろうが、矛盾していようが関係無い。
俺は俺の信じた道を、俺が選んだ道を突き進むだけだ。
狼谷
「だが……俺は信じているぜ、桜空。
お前なら……この窮屈な世界に"新しい風"を吹き込めるって事をな……!!」
狼谷は桜空が捕らわれている八咫烏の工場に向けて右拳を突き出し、自分には出来なかったこの世界に"新しい風"をもたらす事を期待していると呟く。
桜空(幼少期)「わああぁぁ・・・・・きれい・・・・・」
(歪でも、小さくても、桜空にとってはおとぎ話に出てくる宝物などよりも、綺麗に見えた・・・・・
さっきまで体中の痛みと恐怖に怯えていた表情が、嘘だったかのように輝き始める・・・・・
子供というのは実に単純な生き物だ、今の桜空のように、ちょっとした出来事がきっかけで恐怖がすぐに晴れてしまうこともある・・・・・
だが、それは純粋な証拠でもある・・・・・)
>>441
紀「わけのわからない人ですね・・・・・」
(やはり紀には、狼谷の言っていることがわからない・・・・・
自分の命に関わるならばまだしも、危険を冒してまで救い出す必要があるとはとても思えない、自分には持っていないものを持っているなら自分も手に入れればいい、できないことをしてくれるのならば自分もできるようになればいい・・・・・
単純ではあるが、紀はそういう考え方の持ち主だった・・・・・)
>>442
>>444
薫
「ふふふ、よかった……
辛くて苦しくても生きてさえいれば必ず良いことが起こる。
それを忘れないでね……?」
桜空が喜んでくれているのを見て、彼の近くに小皿を置いてその上に氷像を乗せ、彼の今を置かれている環境に対する自分からの思いや、理不尽な暴力に晒されても生きる事を諦めなければ必ず良い事が出来ると言う。
桜空(幼少期)「・・・・・お姉ちゃんとも、会える・・・・・?」
(生きてさえいればいいことがあるという相手の言葉を聞けば、家族が襲撃を受けた際にそのまま生き別れになった姉とも再会することができるかどうかを尋ねる・・・・・
が、現実は残酷だ、生きていたとしても会えるかどうかわからないし、生きているかどうかさえわからない・・・・・)
>>445
>>446
薫
「ええ、もちろん。
だからどれだけ今が辛くても耐えるの……」
薫は優しく微笑みながら応えるが、彼の姉がどうなってしまったのかは自分にはわからない……だが、生きる事を諦めない限り、どのような結果であれ、必ず知ることが出来る。だからこそ、神宮のような卑劣漢に踏みにじられようと、生き続けるように言う。
【8年後】
それから八年の年月が経過し、13歳と言う若さでfirstのボスとなった桜空がいる人里はなれた山荘を用いたアジトに突如として十二鴉の狼谷(当時はfirstと敵対していた)が現れ、吹き荒れる暴風を纏い、天井を蹴破って桜空達の前に現れる……
鴉狼
「下らねぇ小悪党共もこれで終わりだ。誰も逃がさねぇし、誰も生かしておくつもりもない。」
狼谷は剣を手に挑みかかるfirstの構成員の三人がかりの集中攻撃を、紙一重で全て避けきり、すれ違い際に彼らの体を両手に纏った風で切り裂き、至近距離で放たれた機関銃の銃弾も、全て見もせずに避けると、反撃として風の刃を放ち仕留める。
瞬く間に四人もの武装した戦闘員を掠り傷の一つも付かずに一方的に殺害し、剣撃も銃弾も避けると言うように、人並み外れた戦闘力と回避力を見せる……通常の者であれば、圧倒的な実力を持った狼谷(当時は鴉狼)に恐怖し、戦うことすら放棄しようとするだろう……
>>435
中川「ありゃ、そうだったのか。こりゃ失敬」
狼谷の用意周到さを知り、素直に感心する。
ここまで完璧に対策していたとは、どうやら完全に杞憂だったようだ。
「攻撃チームに関しては特に詳細な指示はなし、か。助かる。あんまりチマチマした方針は好きじゃない」
実のところはチマチマした作戦でも難なくこなせるが、やはりどちらかといえば気兼ねなく暴れられる方がありがたい。
「了解、明日の夜だな。そんじゃ俺もお暇しますかね」
そう言い残し、小さく伸びをしながらその場を後にした。
桜空(幼少期)「ありがとう、先生・・・・・」
(時折見せる、大人びた雰囲気を纏った悲しみが詰まった表情・・・・・
純粋に子供らしい一面がある一方で、忘れられない、忘れてはいけない悲しき過去を背負うことになった人間の面を併せ持つ桜空は、この時点で強い人間になりつつあったのかもしれない・・・・・)
【8年後、山荘のアジトにて…___】
桜空「・・・・・参ったな、あまり死人が出たら困るんだがな・・・・・」
(そう言うと、椅子から立ち上がり「何が望みだ・・・・・?どうしてここがわかった・・・・・?」と、相手に言葉を返す・・・・・
こんな人里離れた山奥の山荘を、存在は知っていても確実に犯罪者が隠れ家にしていると判断できるのは事前に何らかの情報を得ている人間に限られる・・・・・
ましてや、いきなり突撃してくるとなると確実だろう・・・・・)
>>447
>>449
鴉狼
「八咫烏の俺がここに来たって事が何を意味しているかぐらいわかるだろ?……悪人退治に決まってんだ……ろ!!」
《ゴオッ》
古来より日本を影から支えて来た秘密結社である八咫烏の情報網は途方もなく広い。その天に張り巡らされたような緻密な情報網を活かして現れた鴉狼は右腕を桜空に向けて振るうと、鴉狼が右手に纏わせていた風が鱧ののような切れ味を持った風の刃となって桜空に向かって放たれる。
話し合うつもりは無く、十二鴉として始めから桜空を消し去るために現れた……仲間をあっさりと倒され、銃弾や剣撃を避けたところを敢えて見せたにも関わらず、一切動揺していない胆力には少し感心したものの、それは単に見た目通りに戦闘経験に乏しいからか、それとも底抜けに能天気なだけなのかはまだわからない。
スゥッ・・・・・
桜空「悪いが、俺はここでくたばるわけにはいかねぇんだよ」
ゴォッ・・・・・!
(桜空は相手の背後に突如として現れると、そのまま蹴りをお見舞いしようとする・・・・・
相手が本気なら、こちらも命は奪わないように本気を出すしかない・・・・・
桜空の攻撃方法は基本物理攻撃、と言っても、年齢に相応しく大の大人に適うような威力は誇ってもいなければ、能力も空間移動という、逃げに徹したような能力であるため、桜空は最初から勝てないのをわかって本気を出して戦うことに決めた・・・・・)
>>450
>>451
鴉狼
「!!!」
桜空に向けて放たれた風の刃が彼の居た場所を切り裂き、そのまま前方の壁をも切り裂き破壊するものの、攻撃が当たる寸前で桜空の姿が消えた事に驚き、周囲を見渡してその姿を探していた隙を突くように繰り出された桜空の蹴りが鴉狼の背に直撃し、鴉狼が大きくよろける。
鴉狼
「そうか……お前の異能は瞬間移動系か……!!」
《ゴオッ》
よろめいて体勢が崩れたものの、即座に背後に移動した桜空を見て、相手の異能が移動系のものである事がわかると、強く睨み付け、再び桜空に向けて無数の風の刃を放ち、今度こそ桜空を切り裂こうとする。
空気抵抗を活かした自動回避が反応しなかった事から超スピードでの移動や、高速での攻撃では無く、桜空から受けた蹴りも軽かった事からあまりダメージにはなっていないものの、まさか逃げるどころか自分に向かって来るとは思わず、桜空の勇気に気付き始めている。
桜空「瞬間移動・・・・・とまではいかないがな・・・・・」
ゴッ・・・・・!
(遠くへの移動ではなく数メートル範囲であればすぐに移動のゲートを出現させることが出来るのか、今度は相手の顔の前まで移動し顎を殴りつける・・・・・
桜空は戦闘能力こそ低けれど、その分能力で工夫して戦うタイプである・・・・・)
>>452
>>453
鴉狼
「……ッ!
ハッハッハッ!餓鬼にしては、なかなかに肝の座った奴じゃねぇか……!」
桜空に向けて放った風の刃を先程と同様に回避されると、相手が移動系の能力者である事が確定し、目の前に移動してきた相手の拳が鴉狼の顔に直撃するが、その際に相手の腕を右手で掴み、桜空が移動した際に一緒に転移出来るようにし、
瞬間移動系の宿命と言うべきか、衣服を身に付けたまま移動する事が可能であることから相手が移動する際に直接触れているモノも一緒に転移されると言うことを早くも鴉狼は把握し、それに応じた戦闘スタイルにしている。
鴉狼
「なら………コイツはどうだ……!!」
《ゴオォォォォォォォォォ》
鴉狼は右手で桜空の左腕を掴みながら、左手に風を集束させ、それを桜空に向けて突き出すことで局所的に暴風を巻き起こし、風圧の塊を桜空の腹部に叩き付けようとする。
鴉狼がこれまで見てきた悪党達の中で銃や剣が通じない自分に対して怯えない者は存在せず、それどころか素手で自分に挑みかかって来た桜空の事を素直に称賛している……だからこそ、子供であるからと手加減などせず、本気で潰そうと考えている。
桜空「この能力は、こういうことも出来るんだよ・・・・・」
グォッ・・・・・!
(自身の腹部辺りに瞬時に移動ゲートを出現させると、次の瞬間鴉狼の数メートル背後に移動先に繋がるゲートが出現する・・・・・
風圧そのものには実体こそ無けれど、向かう先はゲートである為そのまま風圧はゲートを通って移動する・・・・・
そして、移動先のゲートが鴉狼の数メートル背後に出現しているということは、自動的にそのまま風圧は鴉狼の背後へと空間を移動して迫り来る、という仕組みになっている・・・・・
物理的な攻撃で対応出来ない桜空だからこそ磨き上げた頭脳戦術ともいえる・・・・・)
>>454
>>455
鴉狼
「……!」
鴉狼は桜空が攻撃先の腹部の空間を歪曲させたのを見て、突き出した腕を引っ込める事で風圧によるダメージを軽減し、背後から自分の放った風圧からの被害を最小限に抑えると、
鴉狼
「なるほど、お前の異能は"空間操作"か。
いいぜ……それなら漢らしくステゴロで決着を付けてやるよ……!」
《コオッ》
鴉狼は桜空の左手を掴んで空間移動を牽制したまま、大人の腕力を活かして桜空の体を床に叩き付けようとする。異能同士の相性では桜空の不意を突くために桜空の周囲の酸素を消すなり、大気圧によって桜空を押し潰そうとも考えたが、相手は素手による近接戦闘を挑んできた。
相手が拳で向かって来ると言うのなら、此方も拳で応える。漢同士の戦いに異能による小細工は必要ない。
桜空「がっ・・・・・!?」
ドゴッ・・・・・!
(大の大人の力に、12、3歳の子供が全力で戦ったとしてもたかが知れている・・・・・
桜空は思いっきり背中と後頭部が床に直撃したことで、軽い脳震盪を起こす・・・・・
が、負けじと桜空も相手の頬をグーで殴る・・・・・
脳震盪を起こしながらも即座に相手への反撃を繰り出す辺り、生への執着心が強いのだろう・・・・・)
>>456
>>457
鴉狼
「……なあ、お前は何を目的に戦っている?」
《ヒュオッ》
大人と子供……それも中距離から遠距離での戦闘を得意としているため、鴉狼自身は近接戦闘の経験がそう多くはないものの、それでも純粋な筋力や体格差から来る戦闘力の差が大きく、鴉狼は桜空の繰り出した拳が直撃してもそう大きなダメージを受けていない……
明らかな力の差がありながら……その気になれば自分だけは空間移動で直ぐにでも逃げ出せるにも関わらず、それをせずに素手で挑みかかって来る桜空を見て、単純な私欲や野心では無い別の理想や目的を持っているのではないかと思い、何のために戦っているのかと問いかける。
問いかけの最中でも攻撃の手は緩めておらず、桜空の一撃を受けてからも、反撃として桜空の腹部に向けて拳を振り下ろし、打撃を加えようとする。
桜空「っぅぐ・・・・・っ・・・・・!」
(桜空は拳を腹部へもろに受けると、あまりの激痛に両手で腹部を押さえる・・・・・
そして、激痛に耐えながらも「そんなもん・・・・・生きる為に決まってんだろ・・・・・」と、単純な答えを相手に返す・・・・・
立場上、命を狙われることが多いからか、生きる為には戦わなければならない、それが桜空の運命なのだ・・・・・)
>>458
>>459
鴉狼
「そうか?自分が生きるためなら……とっとと仲間なんか見捨てて逃げればいい。それをせずに俺に挑むって事は矛盾しているんじゃないのか?」
鴉狼の強烈な打撃が桜空の腹部に直撃する……
相手が子供である事から鴉狼は幾分か加減しているとは言え、大人の腕力は凄まじく、桜空と同年代の子供であれば泣き叫んでのたうち回る程だ。
にも関わらずにそれに耐えて、生きるために戦っていると言う桜空の言葉の矛盾点を突くように鴉狼は指摘しながら、再び拳を大きく振り上げる。
桜空「そんな卑怯なことできるかよ・・・・・」
ボゴッ・・・・・!
桜空「がっ・・・・・!」
(桜空はそんな卑怯な真似はできないと告げると、再び鴉狼の一撃を受ける・・・・・
体にダメージが蓄積されていくにつれ、能力を使おうにも体に上手く力が入らずに、意識が朦朧とし始める・・・・・)
>>460
>>461
鴉狼
「!!
……卑怯……か。なら……お前にとつて仲間とは何だ?
使い捨ての駒か?利用しやすい奴らか?それとも洗脳した狂信者か?」
鴉狼は拳を振り上げたまま、動きを止めて桜空にとって仲間とは何なのか、仲間を見捨てて己の保身に回ることを卑怯と言う彼の言葉の真意が何なのかについて知ろうと、問いかける。
桜空「何言ってやがんだ・・・・・仲間は・・・・・仲間・・・・・だ・・・・・ろ・・・・・」
(そう言うと、桜空の意識はゆっくりと落ちてゆく・・・・・
正直、ここまで力の差がある相手と戦って、よく善戦した方であろう・・・・・
だが、能力も純粋な戦闘能力も、相手に遠く及ばずだった・・・・・)
>>462
【過ぎ去りし過去】
薫
「自分一人で笑うよりも、皆と一緒に笑った方が楽しいでしょ?
だから私は皆が笑って暮らせるような平和な場所にしたいと思っているんだ。」
神宮による虐待や暴力が横行する過酷な少年院の中であっても薫は変わらずに微笑み、優しく、穏やかに少年達と接し、時には薫に攻撃を仕掛ける非行少年もいて、ボロボロに傷付きながらも一人一人と向き合っていた……
ある少年が「どうして皆と仲良くなろうとする?」と問いかけた事に対する答えとして話したのが上記の言葉だ。どれだけ問題を抱えている生徒に対しても一切の偏見も差別もせず、神宮の言いなりにもならず、救いの手を伸ばし続けていた。
そんな過去の思い出が鴉狼の言葉によって蘇って来る。
>>463
鴉狼
「………ハッハッハッ!
面白い奴だ、嘘を付いて騙そうとしている訳じゃないって事は目を見れば判る。お前なら……八咫烏をも変えられるかもしれないな。」
鴉狼は振り上げた拳を桜空にぶつける事無く、ゆっくりと静かに下ろすと、桜空から少し離れ、相手の他の悪人と違うものを感じ取った鴉狼は、桜空なら八咫烏をも変える事が出来るかもしれないと呟く。
もはや此処に来たばかりの頃のように吹き荒れる嵐のような雰囲気も風も消えており、交戦の意思は見えない。
桜空《・・・・・せんせぇ・・・・・俺・・・・・平和にできるかな・・・・・》
(意識が落ちてゆく中、桜空の脳裏に先生の過去の言葉が、桜空の未来への目標として蘇る・・・・・
誰かに言うことはない、だが、桜空の目標はこの時ある程度決まった・・・・・
平和な世界だ、悪人にはちゃんと救いの手が差し伸べられるような、そんな叶うはずもない理想郷・・・・・)
>>464
桜空「・・・・・」
(桜空の意識はもう既になく、桜空からも交戦の意思は消えていた・・・・・
まだ子供ながらにして、ここまで戦い、そして自分の意思を攻撃を受けながらもしっかりと伝えたという点で、何としてでも生き延びたい、仲間を守りたかったというのは伝わっただろう)
>>465
>>466
鴉狼
「面白い奴だな。コイツは将来大物になりそうだ……
……コイツになら賭けてもいいかもな……」
桜空の中にはまだ葛藤があるものの、それでも彼の勇気と度胸を認めた鴉狼は彼に協力をする事を決めた。
鴉狼はこれまで従ってきた八咫烏としての使命や支配と決別するため、桜空に世界の変革を託す事を決めると、鴉狼が襲撃した事で散らばった紙とペンを拾い上げ、『一週間後の午後四時にこの場所に一人でいてくれ。そこでお前に話がある』と書き上げると、それを意識を失った桜空の胸ポケットの中に忍ばせると、破壊した屋根の穴から風に乗って何処へともなく去って行く……
そして、この時をきっかけに不定期に鴉狼(狼谷)が桜空の元に訪れ、八咫烏の情報を教えることで八咫烏の動きをいち早く察知して待避する事が出来るようになっていた。
そして……今に至る。
【現在】
桜空《・・・・・あいつのパンチ、結構痛かったっけかな・・・・・》
(囚われの身となった桜空は、過去に狼谷と出会った頃の出来事を、腹に受けたパンチが痛かったなと、そんなことを思いながら過ごしていた・・・・・
明日の今頃は、もう自分はこの世にいないかもしれないし、その可能性は極めて高い・・・・・
過去のことを思い出すのは、走馬灯のようなものだろうか・・・・・)
>>first
救出部隊ALL
【翌日/first救出前哨基地】
狼谷
「準備は出来たか?
先に潜入部隊を潜り込ませておいたが連絡が取れなくなった……基地内には十二鴉、或いは三羽鴉がいると思われる……総攻撃を開始する前にお前達の意見を聞ききたい。」
あれから時間が経ち、翌日の午後になり、攻撃部隊による総攻撃を行おうと言う矢先、先に桜空の居場所を探って安否の確認や安全の確保をするために潜り込ませていた潜入部隊50人10チームの全員と連絡が取れなくなった事から、このまま桜空の居場所が判らないまま攻撃を仕掛けるべきか、それのも追加で有志の潜入部隊を送り込ませるか、どうしたいかを攻撃部隊全員に問いかける。
勿論、潜入部隊も猛者揃いであり、全員に八咫烏の偽装IDや制服を支給しており、ほぼ完璧に近い変装をさせていたのだが、それでも正体がバレた可能性が高いことから何らかの方法で見破られたか、分析に長けた異能力者の存在が考えられる。
攻撃にせよ、潜入にせよ一筋縄には行かないと思われる……
>>468
【翌日/八咫烏 桜空拘束拠点】
毒鴉
「ククク……よぉ、待たせたなぁ?」
地下室には返り血を浴びたオールバックの黒髪黒服の男……毒鴉が右手に骨を連想させる刀を手にしており、舌なめずりをしながら桜空が捕まっている地下室に現れる。
毒鴉の返り血は、桜空を救出する際に潜入した者達のものであり、その返り血の多さから少なくとも十人の構成員達が惨殺されてしまっていると考えられる……
紀「これ以上、無意味に人材を失うよりも、使える人間だけで潜入して、あとは帰らせるべきですね、全員で言ったところでみすみす過半数は自殺しに行くようなものです」
(そう言うと「残るなら残る、去るなら去る、自分の力に自信がない人間は今すぐこの場から立ち去りなさい、いても迷惑です」と、他のメンバー達へ向けて容赦なく力に自信がない者、または力のない者はすぐに帰るように言う・・・・・
言い方は悪いかもしれないが、彼女なりの優しさなのかもしれない・・・・・)
>>470
【間違えました💦 紀のは469宛てです💦】
桜空「・・・・・やっとおでましか・・・・・ずいぶん待たせるじゃねぇか・・・・・」
(桜空は冷や汗を流しながら、相手を睨みながらニヤッと笑う・・・・・
人間、もうどうしようもなくなった時は笑うしかないと言うが、今の桜空がまさにそれであり、いよいよ拷問を受ける瞬間が来てしまった以上、こうして睨むことしかできない・・・・・)
>>470
>>桜空
毒鴉
「それじゃ……楽しい楽しい拷問の始まりだッ!!」
《ヒュッ》
毒鴉は両手を椅子の後ろで結束バンドで止められ、両足も椅子の脚にてバンドで固定されているため、体を揺するぐらいの事しか出来ず、まともに反撃が出来ない状態の桜空に向けて毒鴉は無慈悲に毒刀を勢いよく振り下ろし、桜空の右肩を切り裂こうとする。
>>469
中川「ん〜俺としては、残ったメンバーで総攻撃を仕掛けたいところだなぁ」
狼谷の問いに、自らの顎髭をさすりながら答える。
別に考えなしの返答ではない。なにせ50人もの潜入部隊が一度で壊滅したのだ。迅速に少数精鋭で動き、幹部格を潰す必要がある。
或いは、以前紀が言った通り現リーダーを切り捨て組織の立て直しを図るのも手だ。
(……けど、そうもいかねぇか)
鼻で小さく嘆息。
合理性を突き詰め、他人を切り捨てる。それこそFirstの方針に反するではないか。
ならば取るべき道は一つ。
「『お宝』を、奪い返しに行こうぜ?」
にっと笑いながら、能力で作り出した何十カラットもの金剛石(ダイヤモンド)を掲げる。
八咫烏が桜空から情報を引き出せないと判断すれば、彼は殺処分されるだろう。時間は限られている。
それこそ、我が能力のように。
桜空「・・・っ・・・!!!ぐあああああぁあああああああああぁぁぁぁぁっ!!!!!」
(桜空は、右肩に走る激痛に獣の雄叫びのような悲鳴を上げる・・・・・
今まで生きてきた中で経験する痛みの中でも、一、二を争うほどの言葉では表し難い地獄にも等しい苦痛・・・・・
叫び声が上げられるだけまだマシなのかもしれない・・・・・)
>>473
紀「あのリーダーの肩書きだけの人間にお宝と言えるほどの価値があるかどうかはわかりませんがねぇ・・・・・」
(中川の言葉に対して、桜空にお宝と比喩表現でも言えるほどの価値があるとは思えないとは言うものの、今の紀は明確なことを伝えられずにここまで呼ばれたことに対する怒りからか、八咫烏を徹底的に追い詰める意気込みはあるらしく、早く暴れ倒したいという感情が伝わってくる気迫である・・・・・)
>>474
>>475
毒鴉
「ククク……俺の毒は筋肉と骨を破壊しながらジワジワと周囲へ広がる。
早くも右腕を切り離さなけりゃ、あっと言う間に全身が壊死して終わりだ。有益な情報を吐け、そうすれば一思いに首を跳ねてやるぞ?」
毒鴉は毒によって壊死する苦痛から相手に情報を吐かせると言うように死を前提としたものとなっており、次に毒鴉からの攻撃を受けてしまえば救出部隊が訪れる頃には全身が壊死して、自分の力では立ち上がることすら出来なくなってしまうだろう……
毒鴉は悶絶する桜空を見て、彼の頭を踏みつけるようにして脚を出し、彼の頭を踏みにじろうとする……それはかつて神宮にされたものと同じように……
>>471
>>474
狼谷
「……お前らの覚悟はわかった。」
戦闘チームに比べれば潜入チームや直接的な戦闘力は低いとは言え、既に半数が消息不明になっている状態であるにも関わらず紀の脅しにも逃げ出す事無く、この場に留まる事を大半の者が選択すると、それを見た狼谷は新しく練り直した作戦について話す。
狼谷
「だが、この人数で攻め込むのは目立ちすぎる……
中川と紀。お前達二人でこの拠点の南東の偽造工場にある通気孔に入り、そこから地下にある八咫烏のアジトへ侵入してくれ。
侵入ルートの中で一番、ボスが捕まっている部屋から遠いが……警備の手薄なところから入ることが出来るだろう。そこで内部の状況を探ってくれ。」
だが、このまま素直に総攻撃を仕掛けてしまえば、最悪拠点の崩落によってまだ生き残っている潜伏チームや、桜空も押し潰してしまう可能性がある上に、もし拠点の中に十二鴉以上の者がいた場合、逆に返り討ちに合う可能性がある事から、先ずは斥候として少数精鋭の部隊を編成することを決め、集まった戦闘員の中で特に秀でた戦闘能力を持った紀と中川の二人で警備の手薄な場所から潜伏して内情を探って欲しいと言う。
狼谷
「先の潜伏チームと違って潜入して詳細に情報収集はしなくていい、斥候が目的だからな、何かあったら直ぐにこの通信機を使え。通信が入り次第、俺達も突入して一気に総攻撃をしかける。」
狼谷は二人に小型のインカムを渡してこのインカムを使って桜空を見付けたり、追い込まれた場合、直ぐに総攻撃を仕掛けるということを伝える。
>>477
中川「OK、南東の偽造工場、通気孔、で地下ね。」
狼谷の話した作戦内容、その最も重要であろう部分を幾つか抜き出すように反復する。一回聞けば理解し記憶できるほど丁寧な説明だったが、今回は大一番なので万が一にも忘れることのないよう、念入りに憶えておく。
「ふむふむ、俺と紀ちゃんの二人で斥候か、まあ妥当だな」
下手に人員を増やせばそれだけ動きづらくなり、返り討ちのリスクが付きまとう。それならば自分たちだけで自由に動き回った方が効率的だろう。
「任せてくれ、吉報を楽しみにしてろよ?」
いつも通りの不敵な笑みでインカムを受けとる。
「じゃ、行こうぜ紀ちゃん」
自分と同格の実力を持つ女性へ、言葉短に出撃を促す。
桜空「・・・・・」
(毒鴉の行動は、桜空の脳裏にかつての邪悪をそのまま人間の形にしたような人物、神宮の姿を蘇らせる・・・・・
一度奪われた幸せ、そこから這い上がろうとしていた、また幸せな人生をつかもうと望んでいた自分含め少年院の仲間達の希望を根こそぎ奪っていった悪魔・・・・・
その悪魔の姿と重なって見えた毒鴉に対する桜空の答えは・・・・・
「・・・・・黙秘、す・・・・・る・・・・・・」)
>>476
紀「私に命令とは随分な度胸ですね、今回の件が終わったら覚悟してなさい・・・・・」
(そう言うと、インカムを受け取り、首をコキコキと鳴らしながら本気モードに入る・・・・・
正直、みすみす命令に従うというのはかなりしゃくだが、ここまで来たからには八咫烏とかいうふざけた組織を徹底的に踏みにじって壊滅させなければ、紀の気が済まない・・・・・)
>>477、478
>>479
毒鴉
「あ〜?じゃあ、黙って斬り刻まれろ!!」
《ヒュオッ》
毒鴉は死が目前に迫っているにも関わらず……右肩の細胞が壊死し始め、その激痛は筆舌に難いレベルのものであるにも関わらず、断末魔さえも抑えて黙秘を貫こうとしている桜空を見て、再び猛毒の刀を振り上げて今度は左肩を斬ろうとする……
薫
『もし、自分がやられそうになっても……最後まで諦めたら駄目。必ず何処かに抜け出すためのチャンスがある。』
次の一撃を受ければ例え毒の回りが治まったとしても両腕が使い物にならなくなってしまう……そんな絶体絶命の状況の中、神宮によって痛め付けられた後の薫からの言葉が走馬灯のように蘇る。
そして、目の前にいる毒鴉は最初の一撃を桜空が受けたことで身動き一つ出来ないと完全に油断しており、振り下ろされた毒刀を椅子に当てて椅子を破壊させる事が出来れば両足は自由になるだろう。
>>478
>>479
狼谷
「俺が言えた事じゃないかもしれないけどよ……必ず生きて帰ってこいよ。この作戦が終わったらボスの金で飲み屋にでも行こうと思っているからよ。」
狼谷はこれから何が待ち受けているかわからない、下手すれば侵入して直ぐに十二鴉レベルに囲まれて抹殺されてしまうかもしれない死地に向かおうとしている二人に向けて、もし二人に生きて今回の作戦が終わったら桜空の金(自分の金とは言わない)で飲み屋にでも行こうと言う。
普段の彼は名の通り、狼のように鋭い目付きをして無愛想なのだが、そんな彼が死相を背負う二人に向けて自分が作れる一番の笑顔で見送る。その笑みはとてもぎこちなく、不自然なのものとなってしまっているが、その言葉に嘘は無い。
桜空「・・・・・」
グォンッ・・・・・!
バキィッ・・・・・!!!!!
(桜空は、激痛で気絶しそうでできないという地獄のような状況の中、体を思いっきり捻って椅子に丁度刀の刃が直撃するようにする・・・・・
相手が本気で振り下ろしたこともあり、椅子は簡単に破壊されると、桜空は両足が自由な状況になり、あまりの勢いに一度尻餅をつくものの、すぐさま腹筋運動のように体を動かして立ち上がる・・・・・)
>>480
紀「言っておきますが、私はこの作戦が終わったら、帰らせていただきますからね・・・・・あなた方のようにお気楽に呑んだくれているほど時間に余裕が無いので・・・・・」
(紀自身は、なんと言われようと桜空を救出する為ではなく、八咫烏を潰すということを目的としてこれから動くため、もし万が一救出の作戦が成功したとしても、自分はそのまま帰ると言う・・・・・
ここへ呼ばれたことに対する不満は、一応本心のようだ・・・・・)
>>481
>>482
毒鴉
「!!?
………だが、両手は使えねぇ……足技だけで体格差を覆せると思うなよ!!」
振り下ろした毒刀が桜空を拘束していた椅子を切り裂いて破壊した事で椅子の脚に固定されていた桜空の両足が自由に動かせるようになり、一気に一方的な蹂躙状態が解消されると戸惑い、後退る。
だが、毒鴉もまた十二鴉と言う殺人のプロであり、戸惑いながらも再び毒刀を振り上げ、大人と子供の体格差を活かした筋力に任せて毒刀を振り下ろし、これまでは即死しない箇所を狙っていたのだが、今度はもう遊んでいる余裕が無くなった事で、桜空の頭を割ろうとする。
桜空「両手が使えねぇ相手に随分と必死じゃねぇか・・・・・」
ダッ・・・・!
(桜空は、なんとか脱出できる策を考えながら、猛ダッシュで相手の剣撃を避け始める・・・・・
先程のように椅子を粉砕させたのと同じように壁か扉を粉砕してもらいたいところではあるものの、さすがは拷問部屋といったところか、壁も扉もかなり頑丈そうに出来ており、この手段が上手くいくかどうかは正直わからない・・・・・)
>>483
>>484
毒鴉
「生意気な餓鬼だな……!もう情報なんざどうだっていい、バラバラに切り刻んでやるぞ!!」
冷静さを失っている期間は短い。
それも相手が手練れになればなるほどにその間隔は短くなる……そして、一度冷静さを取り戻してしまえば相手はより慎重になり、同じ手が通じなくなると言うことや、此方の動きを予測されやすくなるため、決着を付けるのが難しくなる……
毒鴉はまだ戸惑っているからか、再び桜空に向けて毒刀を大きく振り上げ、今度は連続して毒刀を振るおうとする。
その攻撃は精神的な動揺からか、大振りになってはいるものの、少しずつ隙が無くなっており、下手に長期戦に持ち込まれてしまえば、毒が桜空の心臓にまで回り、先に桜空が絶命してしまうことになるだろう……
桜空「そうか!!やってみろよ!!!!!」
ガッ・・・・・!
(桜空は敢えて今まで必死に逃げ回っていたのとは逆に、今度は体勢を崩して滑り込むようにして相手の足を蹴り、相手の体勢を崩そうとする・・・・・
両手が使えない今の桜空からすれば、これが精一杯の抵抗でもある・・・・・)
>>485
>>486
毒鴉
「……ぐッ!この野郎……!!」
足蹴りを受けると、毒鴉の体勢が崩れるものの、咄嗟に床に左手を当てて完全に転倒するのを阻止すると、右手に持った毒刀で横へ薙ぎ払うように振るうことで反撃を行おうとする。
大きく体勢を崩した今なら両手が拘束された状態でも相手の首を腕で締め上げて気絶させ、その刀を奪うことも出来るかもしれないのだが、刻一刻と毒鴉も冷静さを取り戻して来ており、迅速に行うことが出来なければならないだろう……
>>481
「あっはっは! 代金は大将持ちか、そりゃぁいい!」
ちゃっかり自分の懐を痛めないように誘導する狼谷の言葉で笑いが吹き出す。
だがまあ筋は通ってる。これ程の大仕事だ、せいぜい高額品を貪りまくってやるさ。
「さて、時間も差し迫ってるからな、そろそろ行くとしますかね」
あまり駄弁っている暇はない、こうしている間にも桜空が拷問を受けているかもしれないのだ。後ろ髪を引かれる思いながらも前哨基地から出た。
ーーーーー
【数十分後/八咫烏アジト】
「いよっ……と! あ〜狭かったぁ〜!」
通気孔の蓋を外し、通路らしき空間に出る。窮屈な細道から解放された充実感を存分に噛み締める。
自分の能力を使えば、蓋を固定するボルトを、裏側から道具なしで外すことくらい朝飯前だ。
「けどこういうのって映画みたいでワクワクするよなぁ」
軽口を叩きながらも、周囲への警戒は怠らない。そして能力で宙に浮かせていた蓋とボルトを、元の状態に戻す。
「……ここまでは順調だったが、こっからが問題だよなぁ」
何といってもあの八咫烏の本拠地、当然彼らの全戦力が待ち構えていると考えていいだろう。
「大丈夫かい紀ちゃん、足とか捻ってねえか?」
自分に続く形で出てきた彼女を案ずる。かつて物盗りだった彼女の身のこなしなら平気だとは思うが、念のため確認しておく。
【あまり時間をかけ過ぎるのもどうかと思い、勝手ながら『アジトに着くまでは順調』という流れにさせて頂きました】
スタッ・・・・・!
桜空「お見通しだ!!!!!」
ドガッ・・・・・!!
(桜空は予め相手がどのような動きに出るのかを想定していたのか、再び勢いだけで飛び起きると、そのまま今度は相手の顔面へと蹴りを入れ、ダメージを与えようとする・・・・・
ファーストのボスというだけあり、裏社会で生きるためのピンチになった時の抜け道を探すのにはそこそこ長けている・・・・・)
>>487
紀「人の心配よりまず自分の心配とよく言うでしょう?」
(それは、遠回しの優しさか、それともただ単に心配されるのがしゃくなのか・・・・・
いすれにしても、自分の体は能力の使用時以外ではこの程度じゃダメージを受けるほどやわではないという意思表示であり、むしろ相手の言うようにここからが正念場だと言える・・・・・)
【了解です!】
>>488
>>489
毒鴉
「ぐッ……!?」
桜空の繰り出した蹴りが体勢が半ば崩れ、頭が下がっていた毒鴉の顔面に直撃すると、そのまま後ろにまで倒れ、後頭部がコンクリートの壁に激突し、打ち所が悪かったのか、そのまま意識を失う。
毒鴉の持つ毒刀は、毒と言う性質は毒鴉の意識下でのみ機能するのか、桜空の右肩を蝕んでいた毒と、毒刀にあった毒が無くなり、ただ頑丈な骨で出来ただけの刀になる。
これを使えば両手の拘束を斬って自由になれる他、鍵がかけられた様子も無い事から扉を使って部屋の外へ逃げられるかもしれない。
桜空「やっと大人しくなったか・・・・・」
(そう言うと、本当は気絶をしているフリなのではないかと疑いつつ恐る恐る刀に近づき手の拘束具を斬って、ゆっくりと扉を開け、近くに人の気配がないかを確認すると、急いで部屋から脱出する・・・・・
そして、能力が使用できるかどうかの確認のために、1メートル先に能力で移動するなど、能力が部屋の外ではちゃんと使用できるということも確認する・・・・・)
>>490
桜空「・・・・・やっぱり、駄目か・・・・・」
(能力でのアジトからの脱出を試みるものの、アジト内では何らかの細工がされているのか、能力が使用出来ないことがわかると、ここからの脱出は能力に頼らずに自力でなければならないということを理解する・・・・・
監視カメラなどがないかどうか、見渡しながら警戒して進んでゆく・・・・・)
>>490
>>救出チーム ALL
【地下アジト 南東地区】
《ゴオォォォォォォォォォ……》
通気孔のある部屋は、天井も壁も床も、その全てが無機質なコンクリートによって出来ており、部屋には三つの蛍光灯しか光源が無いため、部屋全体は薄暗い。
部屋の壁際には木箱や、ガラクタの並んだ鉄製の簡素な棚があり、十畳ほどの部屋であるものの、実質的には四畳程しか自由に動けるスペースが無いと言うように、実質的に倉庫のように使われている。
棚の中にあるガラクタを探れば何か有益な物を作れるスクラップやパーツが見付かるかもしれないものの、その大半は廃材も同然の物となっている。
紀と中川の通って来た通気孔は部屋にある三つの通気孔の一つであり、正面には鉄製の扉が一つあり、そこを開ければ通路に出ることが出来るようになっている。
紀「・・・・・お粗末、ですね・・・・・」
(紀は部屋の様子を見ると、ただ一言そう呟く・・・・・
基本的に部屋が片付いていたり、何かしらを置きっぱなしにして放置するということがない紀からすれば、この部屋の風景は理解し難いのだろう・・・・・
「使おうと思えば、まだ使えるものだってあるのに・・・・・」
と、小声でボソッと呟く)
>>桜空
【通路】
尋問室から脱出した桜空の前には、右と左に伸びるコンクリートの壁や天井で出来た通路があり、左側の通路奥からは人の気配がする。
案内板も何も無く、現在位置を示すものが何も無い。
敢えて人気のある方向に進んでその会話内容からアジトについての情報を集めることも出来るし、人目を避けて声のしない方向へ進んでもいい。
監視カメラらしきものも何も無いが……ここは敵のアジトである以上、どのような罠や仕掛けがあってもおかしくないだろう。
桜空「・・・・・何かしら武器になりそうなものでもありゃあいいが、そうもいかねぇか・・・・・」
(桜空は脳内で、能力も封じられているのであれば、さっき気絶させた奴の刀でも奪っておけばよかったなと思いながら上記を呟く・・・・・
桜空は一か八か、人気のある方向へと進み、会話内容などで情報を得たり、武器になりそうなものがあれば護身用に強奪しようと考え、左側の通路奥へと向かう・・・・・)
>>495
>>496
鴉A
「おい、知っているか?2時間前にこのアジト内にfirstの連中が潜入していたらしいぞ……」
鴉B
「ははは、馬鹿な奴らだ。金鵄様が居ないとはいえ、アジト内には四人も十二鴉が集まっている。何十人来ようと無駄な話だ。」
通路の先では、小さなホールのようになっており、更に奥に向かって伸びる通路が三つあり、見張りの鴉は二人だけで、その見張りも周囲への警戒が緩んでおり、壁に背を預け、呑気に駄弁っている。
八咫烏のメンバーは黒服に身を包み、肩や腕、脚にはプロテクターが付いているものの、あまり重武装ではなく、両手で持ったカービンライフルを除けばそれほどの脅威ではないように見える。
また、施設の構造については不明だが、桜空が倒した毒鴉を除いても、まだ三人も十二鴉の幹部戦力が残っていることが判明する……
桜空《・・・・・連中が潜入・・・・・俺は捕まったわけだから、俺のことじゃねぇよな・・・・・ってことは、アイツらここに来てやがんのか!?》
(できるだけ仲間を危険に晒したくない桜空は、見張りの鴉達が話している内容を聞くと、そのまま二人の真ん前に飛び出して「てめぇら!!その話もっと詳しく教えろ!!!!!」と怒鳴り散らす・・・・・
もし戦うことになったとしても、氷華や毒鴉と比べれば、アリンコのようなものだ)
>>497
>>498
鴉達
「なッ!!?」
桜空を見て鴉達は一斉に銃口を向ける。
鴉は二人とも銃を持っているものの、至近距離から桜空が飛び出したため困惑しているものの、丸腰の桜空では少し分が悪いように見える。
上手く銃を捌き、制圧することが出来れば、少なくとも今、何が起きているのかについての情報を入手することが出来るかもしれない。
>>498
訂正版
鴉達
「なッ!!?」
桜空を見て鴉達は一斉に銃口を向ける。
鴉は二人とも銃を持っているものの、至近距離から桜空が飛び出したため困惑し、大きな隙が生まれている。
上手く銃を捌き、制圧することが出来れば、少なくとも今、何が起きているのかについての情報を入手することが出来るかもしれない。