物語の舞台は現代日本
1万人に1人の割合で異能力者が生まれる世界
ある者は正義のために異能を使い
ある者は私欲のために異能を使う
異なる二つの信念が交錯する時、善悪をも超えた死闘が始まる
冷酷なまでに正義のために日夜犯罪者の粛清を繰り返す
日本の極秘特殊機関"八咫烏"と日本中の犯罪者達の死闘を描いた物語
>>2 ハウスルールと募集枠について
>>3 八咫烏について
>>4 キャラシートの作成例
>>5以降から募集開始&本編開始となります!
>>500
「相変わらず手厳しいねえ、まあ無事なら何よりだ」
相方の好調を確認し、この部屋の調査に意識を移す。
「……まさに殺風景ってとこか、風情も何もありゃしねぇ」
僅かに肩を落とす。
まあ無駄に豪華絢爛でも困るのだが。とりあえずいきなり兵隊に取り囲まれる、という事態にならなかっただけでも儲けものだろう。
「ん〜……いや、止めとくか」
棚に並んだガラクタを見て物色してみようかと考えたが、直ぐに止めた。
もしかしたら銃器の類が眠っている可能性もゼロではない。しかしこんなところに廃棄されているのだから、まともに使える保存状態ではない筈。それに弾薬が入ったまま捨てるほど奴らも馬鹿ではあるまい。そして何よりーー
(俺に銃器は要らねえ)
この錬地術師(アースウォーリア)がある限り。
適当な大きさの鉄球を飛ばすだけで、下手な拳銃を超える威力は出せる。もし必要になるとすれば、成形炸薬弾くらいのものだろう。
「こっからくすねるなら、家電のジャンクパーツあたりだな」
だが今は大仕事の真っ最中。つまりは、ここに拘る理由はない。
「おっ?」
さて扉を開けて進もうかと思考した直後、誰かの話し声が聞こえてきた。
「……へぇ〜」
すかさず能力で金属のメガホンを作り出し、それで聞き耳を立てる。多少間抜けな絵面だが、効果はある(意識的なスイッチ含め)ので躊躇いなく続行。
会話内容や話し方から察するに、末端の兵士が雑談しているらしい。
(四人しかいないのか、そりゃいいこと聞いたぜ)
どうやら十二鴉は現時点で全員集まっているわけではないようだ。これは朗報、こちらとしては十二人全員と事を構えるつもりだったので大分気が楽になった。
とはいえ、それでも大きく不利な状況には変わりない。
「へっ!?」
引き続き盗聴で情報を得ようとした瞬間、唐突に怒鳴り声が響いた。そしてその声の主は……
「え、あっ、大将!!??」
聞き覚えがある、間違いなく彼のものだ。いきなり目当ての『お宝』がやってきたことに、流石の隆次もすっとんきょうな声をあげた。
「まさかのまさかだな……突っ込むぞ、紀ちゃん!!」
もうここに留まっている理由はない。全速力で駆け出し、桜空と挟み撃ちを行う形で兵士の一人に飛び蹴りを見舞う。
桜空「遅せぇっ!!」
ドゴッ・・・・・!
桜空「ぐっ・・・・・!」
(桜空は鴉達の顎を殴り飛ばす・・・・・
が、毒鴉による拷問を受けた箇所が、毒は無くなっているものの、痛みは普通にあり、激しく動かすことで尋常ではないほどの激痛が走る・・・・・)
>>500
>>502
鴉達
「ぐがッ……!?」
兵士達は総じて30以上の大人であるため、小柄な桜空とはかなりの体格差があるにも関わらず、体の動きや捻りを活かして顎へ強打すると、鴉二人が軽い脳震盪を引き起こし、床に倒れる。
桜空のいる小さなホールのような場所は三叉路があり左右と正面の三つの通路がある他に、ホールの片隅には通路の他にも片開きの鉄扉が一つある。
通路の先からは発電機のものと思われる小さな駆動音が聞こえ、鉄扉の先からは何の音も聞こえてこないため、実際に進んでみない限りはわからない……
>>501
【狼谷の台詞にもあるように、紀さん達のいる場所は南東の隅であり、桜空さんの居る場所からはかなり遠い位置にあるので、直ぐには来れないですよ〜。】
>>503
【え、そうだったんですか! 申し訳ありませんでした。何か変だと思ったら…… 直ぐに訂正版を作ります】
>>494
「相変わらず手厳しいねえ、まあ無事なら何よりだ」
相方の好調を確認し、この部屋の調査に意識を移す。
「……まさに殺風景ってとこか、風情も何もありゃしねぇ」
僅かに肩を落とす。
まあ無駄に豪華絢爛でも困るのだが。とりあえずいきなり兵隊に取り囲まれる、という事態にならなかっただけでも儲けものだろう。
「ん〜……いや、止めとくか」
棚に並んだガラクタを見て物色してみようかと考えたが、直ぐに止めた。
もしかしたら銃器の類が眠っている可能性もゼロではない。しかしこんなところに廃棄されているのだから、まともに使える保存状態ではない筈。それに弾薬が入ったまま捨てるほど奴らも馬鹿ではあるまい。そして何よりーー
(俺に銃器は要らねえ)
この錬地術師(アースウォーリア)がある限り。
適当な大きさの鉄球を飛ばすだけで、下手な拳銃を超える威力は出せる。もし必要になるとすれば、成形炸薬弾くらいのものだろう。
「こっからくすねるなら、家電のジャンクパーツあたりだな」
だが今は大仕事の真っ最中。つまりは、ここに拘る理由はない。
扉に近づき、向こう側に兵士などがいないか注意しながらドアノブを回す。
【訂正版です】
【狼谷の回想】
狼谷
「…………………。」
紀と中川の二人が八咫烏のアジトに潜入し、桜空が脱出作戦を開始したのと同時刻。潜入した二人からの通信を待つ狼谷は戦闘チームに突入準備をさせながら、煙草を吸い、眼下にある八咫烏直轄の工場の敷地を小高い丘の上から眺めている。
二人には潜入前の通信テストを兼ねて、桜空が拘束されているであろう尋問室の位置を教えてある。道なりに進めば最短ルートを通って桜空を救出する事が出来るだろう。
氷華
『私が望む世界は、悪人が居ない世界。
善人だけの世界には腐敗も貧困も差別も戦争も無い。
理不尽な暴力を前に奪われる事も、真面目に生きている人が踏みにじられる事も、悲しい別れを経験する者もいない、人と人が支え合って生きていける世界、悪に堕ちなくとも生きられる世界……私はそんな世界を作ろうと思う。』
狼谷
「(………アンタは……何時から堕ちた……?
最初の頃のアンタになら……着いて行っても良かった……
いったい……何がアンタをここまで歪めた?)」
氷華は始めから悪人を滅するためにはそれ以外の人を巻き込むような事をしなかった。それどころか、悪人以外の全ての人を守ろうとしていた。世界を善い方向に導こうとしていた……
だが、今の氷華は人の心を失いつつあり、悪人を滅ぼせるのなら民間人も巻き込んだ攻撃や作戦を何の躊躇いもなく行うようになった……今の氷華には最初の頃のような優しい人の良心が失われていった。
平和と望むその力は
秩序を創るための暴力となり
悪という大敵を滅するための大義名分となり果てた……
幾ら力を増したところで……
人の心を失った氷華に幸福な世界が創れるのか?
狼谷は表情には一切現れてはいないものの、八咫烏のアジトを眺める彼はそこには居ない氷華に対して心の中で問いかける……
桜空「・・・・・護身用に、持ってくか・・・・・」
(そう言うと桜空は、鴉達が持っていたカービンライフルの一つを奪い、護身用と言っても人の命を奪わないことを信念としていることから、撃つのではなく危険がないようにただ脅す為に予め全ての銃弾を抜いておく・・・・・
これで襲われたとしても、相手が今のようなただの見張りなら、手負いの体で無理して気絶させたりせずとも幾分かなんとかなるはずだ・・・・・
にしても、情報を聞き出す前に気絶させてしまったのは想定外だった・・・・・
いずれにしても、進まないことには始まらない、桜空は恐る恐る鉄扉を開ける・・・・・)
>>503
紀「体力の消耗こそあれど、私の能力ならある程度敵をなんとかできます、貴方はある程度体力を温存しておきなさい」
(もしこのドアの先に敵がいたとしても、自分の能力なら敵を少しの間でもなんとか出来る、体力の消耗が激しい能力だからこそ、中川はできるだけ体力を温存しておくようにと告げる・・・・・
一人がやばくなっても、もう一人が大丈夫なら任務の遂行はまだ可能だからだ・・・・・)
【投稿時間が同じで気づくのが遅れてしまいましたすみません!改めて投稿された修正版を確認しましたので、そちらの方に返信させていただきますね!】
>>505
>>507(桜空)
牽制用に鴉から奪った銃を持った、桜空の前には三つの通路と一つの鉄扉がある。通路の先からも、扉の奥からも何の音も気配もしないものの、何の案内板も表示板も無いことから、その先に何があるのかは予想するしか無い……
>>507(桜空)
牽制用に鴉から奪った銃を持った、桜空の前には三つの通路と一つの鉄扉がある。通路の先からも、扉の奥からも何の音も気配もしないものの、何の案内板も表示板も無いことから、その先に何があるのかは予想するしか無い……
鴉
「…………ん?
何だ?見かけない奴らだな……侵入者か……?」
桜空の開けた鉄扉の中は、五畳程の小さな部屋であるものの、一面には監視カメラのモニターが映された監視部屋であり、アジト内の至るところに仕掛けられた監視カメラの映像が映し出されている。
監視員である鴉は無線機を持ちながら、モニターを見ており、そのモニターの一つには、倉庫から出て来た紀と中川の二人の姿も移っており、それを見た事で監視員の鴉は無線機を使ってアジト内の鴉達に教えようとしている。
もし、桜空が監視員の鴉が通報する前に、迅速に制圧することが出来なければこのまま紀と中川の潜入がバレてしまい、大量の鴉や十二鴉が二人に立ちはだかる事になってしまうだろう……
>>505
>>507
《ゴオォォォォォォォォォ……》
倉庫から出た紀と中川の前には、左右に伸びた灰色の壁と天井に、まるで血管のように張られた水道のパイプが伸びており、水が流れる音が無機質なコンクリートの壁や天井に反響して周囲の音が聞き取り辛くなってはいるものの、周囲には人の気配は感じられない。
桜空が捕まっているエリアは二人のいる南東地区から離れた北西にある区域であり、南東地区は主に倉庫としか使われていないため、あまり人員が集中していないように思われる。
スチャッ・・・・・
桜空「無線機を置いて両手を頭の後に回せ、お前の背中は完全に取った・・・・・」
(桜空は、弾が入っていないライフルでの脅し作戦に出る・・・・・
仲間が来ているというのは先ほどの見張りの鴉達の会話でわかってはいたものの、まさか監視カメラで丁度見つかってしまったタイミングに出くわすとは想定外だった・・・・・)
>>509
紀「・・・・・まるで侵入してくれと言っているようなものですね、こうも見張りも何も無いとは・・・・・」
(八咫烏といえば噂には少し聞いたことがあり、悪に対して容赦のない制裁を与えるということから、それ相応の見張りや徹底した侵入者対策がされているのかと想像してはいたが、ここまで無防備だと逆に不安にもなる・・・・・
監視カメラで見られているなど、思っていなく・・・・・)
>>510
>>511
鴉
「………ッ!!?
ど、どうやってここまで来た……!?」
まさか尋問室から毒鴉を倒して脱出して来たとは思わず、地上エリアのものも含めた広範囲に死角無く配置された監視員カメラを潜り抜けてこの場にやって来ることまでは考えも出来ず、背後に現れた桜空を見て、桜空の持つ銃が空砲だとも知らずに言われるがままに無線機を机の上に置き、両手を頭の後ろに回す。
この監視員の鴉から見ると、桜空は内部から脱出した者ではなく、巧みに監視カメラによる監視網をすり抜けて来た得体の知れない相手であり、下手に抵抗しても勝ち目は無いと考えている。
>>510
「なんだ、気を張って損したぜ」
またもや兵士の姿はなく、鼻で嘆息。
何があるのかと思えば、何の変哲もない水道管のみ。どうやらここもハズレらしい。
(……いや待てよ、水道管?)
水。
古来から重要視されてきた要素の一つ。地政学でもよく取り挙げられ、またこれの確保を巡っての争いや苦難も枚挙に暇がない。
「……」
そしてその『大動脈』といえる部分が今、目の前にある。
「よし、決めた」
一歩踏み出し、深呼吸。
「紀ちゃん、隠密行動はここまでだ」
そう言い終わると、狼谷に連絡を入れる。
「狼谷の旦那、聞こえるか? これから施設内の水道管を壊して奴らを引っ掻き回す。その混乱に乗じて攻め込んでくれ」
連絡を終えると、次は何十もの巨大な斧を宙に生み出し、目につく限りの水道管を破断させていく。
巻き起こる轟音と水流。無秩序な噴水庭園がそこに完成した。
あのまま隠密行動を続け、桜空が始末されるまでの時間制限というリスクと、ここで破壊工作し比較的有利な状況ながら隠密性を捨てるリスクを天秤に掛け、後者を選んだ。
(それに、通気孔を抜けた時点で監視カメラに引っ掛かってた可能性もゼロじゃないしな)
建築物における水道管。重要なインフラの一つ。そんなものを壊せば大混乱は明白。もしかしたら最近の設備はこういった事態にも対応しているのかもしれないが、とにかく暫くすればこの部屋に大勢の兵士が押し寄せてくるだろう。
「よし! こんなもんだろ。紀ちゃん、俺達までびしょ濡れになる前に進むぞ」
一通り壊し終わったのを確認し、更に奥へと走り出す。
ついでに自分達が入ってきた側のドアは、能力でドアノブの内部構造を弄り、開かなくしてある。これを無理矢理通るなら直接破壊するしかない。かなりの時間が稼げる筈だ。
(とりあえず当分は、後ろから追跡される心配はねえな)
現時点で桜空が捕らわれている部屋はかなり遠い。ならばここで混乱を起こせば、否が応でも人員を散りばめざるを得ないだろう。
(そしたら俺達を潰す為の人員は少なくなるってね)
この一連の行動により、戦闘時の危険性を軽減するだけでなく、狼谷達が攻めやすくなるというのが隆次の作戦であった。
(監視してる奴が居眠りでもしてくれたらもっと楽になるんだが、そんなラッキーは期待しちゃ駄目だよな)
桜空「なぁに、ちょっくら毒みてぇなのを使う奴倒して拷問部屋から抜け出してきただけだ・・・・・」
(そう言うと「俺はお前ら八咫烏が今最も敵視しているファーストの長、だと言えばわかるか?自分で言うのもなんだが、長と言うだけあって、俺は強いぞ?」と、敢えて自分が物凄く、最初から相手側には勝ち目がない人間という印象を植え付けることで、何らかの情報を入手しやすいように仕向ける・・・・・
「教えろ、お前が見つけた侵入者は今、どの辺りにいる?あるならこの要塞の地図を渡せ」)
>>512
紀「随分と派手にやってくれたものですね、まぁ、ある程度やりやすくなったのは事実ですが・・・・・」
(薄々、ここまで見張りも何も無いとなると、どこかしらに隠し監視カメラのたぐいがあるのではないかと感じつつ、ある程度行動が限られるのではないかとも思っていたが、中川の派手なやり方で行動しやすくなったのは事実だ・・・・・
これで多少なりとも、暴れやすくはなっただろう・・・・・)
>>513
>>514
鴉
「………!!?
ぐっ……や、奴らは南東地区にいる。
地図はそこの棚の上から二段目の引き出しにある……」
鴉はいかにして反撃しようかと考えていたものの、桜空が毒を使う者を倒して脱出したと言うのを聞いて凍り付く。
毒を使う者はこの拠点内には一人しかおらず、しかも尋問部屋には今の時間帯であれば毒鴉が囚人の尋問をしていると公言していた事も知っていたため、ここで抵抗しても勝ち目が無いことを悟る。
八咫烏の一員として正義を遂行するよりも……
自分や、自分の汚れた金ではあるものの、自分の帰りを待ってくれている家族達を養うため、抵抗することをやめ、大人しく地図のある場所と、紀と中川の二人がいるエリアについて教える。
そんな中、中川が水道管を破壊して水を流出させた事で映像が乱れ始めてしまう……
>>513
>>514
狼谷
『ああ、任せろ。
混乱を確認したら直ぐに総攻撃を仕掛ける。』
中川から水道管の破壊によって施設内で混乱が起こる事を合図として攻撃を仕掛けるようにとの通信が入る。
中川からの通信を聞きながら吸っていた煙草を地面に捨て、それを靴底で押し潰して鎮火すると、混乱に乗した総攻撃を約束する。
《ゴボッ》
《ボコボコボコボコボコボコッ》
水道管が破壊され、通路を水が満たそうとしている最中、止めどなく水を噴出させていた水道管の中を何かが凄まじい速さで通ってくる異音が聞こえる。
配管の断面から黒い"何か"が床に落ちた次の瞬間、周囲の床に浸水していた水がまるで意識を持ったかのように水が集束して津波となり、中川と紀の二人を呑み込もうと迫る。
中川の予想を裏切るようにして背後の水が急激に水量を増して津波となって迫ってくる事から、これが異能の類いによる攻撃である事に疑いの余地はない。
通路の幅は4m、天井までの高さは3m程と言うように、通路そのものが狭い上に何処か別の部屋に通じる扉は二人のいる通路からは見えない……
部屋に避難して避けようにも扉も通路の分岐も無く、下手に正面から受け止めようとすればそのまま濁流に呑み込まれてしまうだろう。
桜空「そうか・・・・・」
(そう言うと、ライフルを床へ放って「言っておくが、そのライフルは弾なんて入っちゃいねぇし、俺だって毒を使う奴にはたまたま気絶させることが出来ただけだ、元より俺はそこまで強くねぇよ・・・・・」と言い、そして相手の言った通りに棚の引き出しから地図を取り出すと「悪いが、コイツをコピーしてくれ、オリジナルがここから無くなったらお前の過失がバレるだろ?」と、ライフルに弾が入っていないということから地図のコピーまで、さっきから自分が不利にもなりうることから相手のことを思っての発言までと、いくらただの脅しとはいえ罪悪感がわいたのか、次々と告げてゆく・・・・・)
>>515
紀「・・・・・っ!!!!!」
グォッ・・・・・!!!!!
(紀は、自分の能力で津波そのものを操ってなんとか動きを止めようとし始める・・・・・
が、相手が津波ということもあり、紀の能力でもむしろ止められない可能性の方が高く、体にかかる負担による苦痛から、表情を歪める・・・・・)
>>516
>>517
鴉
「………!!?
…………………………。」
桜空が武器のライフルを放り投げ、自身もそれほど強くないと言った事に驚き、あのまま無理難題を押し付けられそうになった場合、護身用に持たされていた拳銃を使って返り討ちに合うことを覚悟して一矢報いろうとしていたのだが、それをする決意や覚悟は桜空の言動によって消えた。
鴉は名も知らない敵組織の人間だ。
だが、彼もまた一人の人間であり、無用な殺生を行わず、自分の優位性を捨て、相手の立場を考えて行動の出来る桜空に一種の感銘を受ける。
鴉(通信先)
『南東地区に水道管の破裂を確認した!そっちの方は大丈夫か!?』
鴉
「……ああ、こっちは何も起きていない、問題無しだ。」
監視員の鴉は無線機から仲間の声が聞こえて来ると、桜空の顔を見て、少し微笑んだ後、無線機を手に取り、仲間に桜空の事を伝えず、異常無しだと答える。
もし、この鴉が無線機を取らずに沈黙していたり、少しでも異常を伝えていれば、瞬く間に鴉の大軍が押し寄せ、異能を封じられた桜空を包囲し、最悪殺害されていただろう……
鴉
「俺は何も見ていないし、此処では何も起こらなかった。」
貸し借りは作らない。
桜空が自分を殺害せずに見逃した事を、自分もまた相手を見逃すことで返すことにした。
桜空から受け取った地図をモニター台近くに設置していた小型のコピー機によって複製すると、それを桜空に渡し、上記を言うと、再び監視モニターの前に移動して行く。
彼の様子から、警報ボタンを押したり、無線機を介した救援を要請するつもりは無いように見える。
>>516
「っ、こいつは……!?」
後方から聞こえる音がおかしくなったことに気付き、振り返る。
「どうやら、早速おいでなすったようだ……いくらなんでも早すぎだぜ」
こめかみから嫌な汗が流れる。それでもなお笑みは絶やさない。
「やってらんねぇよ、まさか墓穴とはなぁ」
見るからに相手は水関連の能力者。水道管を壊すという行動が仇になった。
「すまねぇ紀ちゃん、こりゃ完全に予想外だ」
「! ここで能力を使っちまうのか……」
彼女は意を決して能力の行使に出た。しかし簡単にはいかないらしく、顔が苦悶の色に歪む。
「……」
(どうする!? 何か手は……?)
一瞬の選択、だがそれ以上の迷いはなかった。
「紀ちゃん、逃げるぞ!」
彼女の腕を引っ張り走り出す。恐らくもう自分ではロクに動けないと判断しての行動だ。
そして迫りくる津波に対しては、鋼鉄をテトラポッド型にし、大量にばら蒔くことで対応。
テトラポッドとは、波止場などにあるコンクリートなどでできた独特の形状を持つ構造体である。大量に累積させることで効果を発揮するため、この状況にはうってつけだ。津波の勢いが目に見えて衰えていく。
「ぐ……くそっ!」
しかし、紀を引っ張りながら走っているため、とても全速力は出せない。徐々に津波との距離は縮まる。
「まずったなこりゃ、何かいい手はないもんかねぇ」
桜空「感謝する、じゃあな・・・・・」
(そう言うと、桜空は部屋から出て、地図を見ながら仲間のいる目的地へと目指し、歩みを進める・・・・・
が、同時に鴉のいる部屋には、鉄のような臭いがし始める・・・・・
が、それは鉄の臭いではない、紛れもなく人間の血の臭いであり、桜空がいた場所には、小さな血溜まりができていた・・・・・
自分が来た何よりの証拠になることから、恐らく桜空自身も気づいていなかったと思われると同時に、桜空の体の状態はかなり危険であるということの前触れなのだろう・・・・・)
>>518
紀「何してるんです!!!!!私が食い止めていた内に行けばよかったものを!!!!!」
(覚悟を決めて能力行使に出たのに、相手は自分を引っ張ってまで一緒に逃げるという選択をした・・・・・
正直、この程度で死ぬほどやわじゃないと言いたいが、それを言ったとしても相手には通用しないだろう・・・・・
紀は、中川に怒鳴り散らす・・・・・)
>>519
>>516
>>519
水鴉
「ヒヒヒ……」
紀が押し寄せる波を止め、その間に生成された鉄製のテトラポッドにより、水の流れが不規則に掻き乱される事で勢いが衰える。
だが、これで止まる程敵は弱くも甘くも無い。
不規則な流れのまま、破壊された水道管から流れる水が二人の背後で集まり、ブヨブヨした巨大なスライムのように変化していく。
通路を埋めるように肥大化したソレの表面から二人を見下ろすように膝まで伸びた黒髪に、下品な笑みを浮かべた男……十二鴉の一人である『水鴉』がその姿を現す。
水鴉はスライムと言う、液体と個体の中間体となる事で流動性と引き換えに流れを阻害するテトラポッドを押し退ける圧力を獲得し、逃げるスピードの落ちてしまった二人とは反対に少しずつ押し寄せる勢いも上がってしまっている。
そんな中、二人の進む先には、エリアを仕切る観音開きの鉄扉が見えて来る。この扉を使えば、完全に食い止めることは出来なくとも、その水の威力と勢いを少しは削げるかもしれない。
紀「下劣な単細胞生物はこれだから困りますねぇ・・・・・」
(水鴉を見上げて睨みつけては、上記を呟く・・・・・
そして、逃げる先に見えてきた観音開きの鉄扉に手をかざし始める・・・・・
すると、ゆっくりではあるものの、徐々に鉄扉が開き始める・・・・・
鉄扉の向こうへと逃げてそのまま閉めてしまえば、多少は逃亡及び任務遂行はしやすくなるだろう・・・・・)
>>521
>>桜空
【八咫烏地下アジト/南部地区】
八咫烏の男
「よぉ、待っていたぜ。
ファーストのリーダーさんよ。」
地図を頼りに南東地区に向かう桜空。
地図を入手した事で迷路のような地下アジトの中でも迷うこと無く最短ルートを通ることが出来るようになった。
途中で幾つかの監視カメラがあったものの、監視員の鴉の考えからか、警報が鳴ることは無く、地区を区切る鉄扉を開けたところ、小さな広間となっており、その広間の中央に置かれた黒いソファーにはトンファーを持った黒髪の男が座り、桜空を見ている。
だが……最悪な事に、その男の後ろには銃を構え、フルフェイスの強化ヘルメットを被り、完全武装した鴉が十人以上並んでいる……
桜空「そうか・・・・・随分待たせちまったようで悪かったな・・・・・」
(桜空も桜空なりに相手への怒りを込めて言う・・・・・
いくら敵対視する組織のリーダーが脱出したからといって、能力も使えない生身の人間ああ手に普通ここまでするかとでも言いたげな表情をしながら・・・・・)
>>523
>>524
八咫烏の男
「……………………。」
圧倒的な人数差に加え、完全武装に身を包んでおり、量でも質でもかなりの力を持った部隊であり、このまま交戦すれば丸腰に等しい桜空では瞬く間に蜂の巣にされてしまっていただろう……
そんな中、男は数秒の間じっと桜空を見た後、部下達に指示を出す。
八咫烏の男
「ああ、それもそうだな。
おい、お前ら、銃を下ろせ。」
ソファーに座ったまま、男は右手を挙げて部下達に銃を下ろすように命じると、鴉達は抵抗や反論を一切すること無く大人しく銃を下ろす。
フルフェイスのヘルメットを被っているため、表情がわからず、鴉達の真意や、考えていることが読めない……
これが罠であるのか、それとも何か別の策があるからなのかはわからないものの、桜空を見て、男がやり方を変えたと言うことだけは明らかになっている。
>>521
「へへっ、悪ぃな……これがFirstの流儀なもんでね」
紀の叱責に、強がり混じりの笑顔で返す。
「ってうおお!? そんなのアリかよ!」
驚愕に目を見開く。なんと相手は水質を変化させスライム状にしてきたのだ。
「なんとまあ器用なこって……!」
毒づいたところで状況が好転するわけでもない、どうにかしなければ。
(スライム状ってことは、流動性は落ちてる筈だ)
「それなら……」
まずは片手に、でき得る限り大きく鋭いピッケルを作り出す。
「どおりゃあっ!!」
そして思い切り床へ振り下ろし、突き刺した。
「こっからだ!」
次にピッケルを、刺さった部分だけ除いて網目状の鉄格子に変化させる。対スライム壁の完成だ。刺さった部分で『踏ん張り』が利いているので、力押しではまず破れない。
「んで、仕上げ!」
まだ終わりではない。波と一緒に押されてきている大量のテトラポッドを操作する。
それらが網目鉄格子に触れた瞬間、溶けて吸収されるように鉄格子側の体積を増加させる。これで耐久性は磐石だ。
「かぁ〜……流石に、しんどいな」
いくら隆次といえど、これ程複雑な制御は堪えたらしい。一時的に足を止めた上で神経を磨り減らしている。
だが、その甲斐あってスライムの速度は半分以下となった。更に紀が能力でドアを開けてくれたことによって、次の部屋までに追い付かれる危険性は大幅に減った。
「おまけ!」
ドアに入る直前、せめて一矢とばかりに行動を起こす。
長髪男の顔面に向かって、親指でパチンコ玉を飛ばした。
指弾。
中国武術の一つ。
読んで字の如く指で小石などをぶつける技だが、達人ならば500円玉を段ボールに突き刺す程になる。
隆次が使えば能力で勢いが加算され、その威力は下手な銃弾を超える。
(流石にデザートイーグルとかには負けるがな)
殺人的な速度を得た小鉄球が男の頭蓋を貫かんと迫る。
(……多分、全身が水状になってるから効きませーん、てオチだな)
>>522
>>526
水鴉
「ヒヒヒ……見てわかるだろう?
水と同化している俺に物理技は効かない……」
流動性が落ちているものの、実体を持っていないことに代わりはなく、案の定、振り下ろされたピッケルも、撃ち込まれた指弾も水鴉にはダメージになっていない。
例えガトリングで集中砲火したとしても、水と同化し、実体を無くした水鴉にはまるでダメージにならないだろう。
中川が形成した壁と激突し、その勢いを食い止められるものの、形成された壁の小さな隙間から少しずつ滲み出すようにして二人がいる壁の向こうへと移動し始める。
スライム化した状態では壁を通り抜けることに時間がかかってしまう上に、異能の性質上、水鴉本体のいる場所は完全な液体に変えることは出来ない……
だがその問題を解決するための策……時間稼ぎをするための誘導は終わった。
《バリボリバリボリ》
蟲鴉
「あァァ……虫ィ、虫の音が聴こえるなァァァァ……」
後ろからは水鴉が迫る中、紀の開いた観音開きの鉄扉の奥から、黒いタンクトップに丸刈り、顔には大きな蜻蛉の刺青を入れた重点の合わない目をし、見るからに異様な雰囲気をした大柄な男が現れる。
左手には生きたカナブンがぎっちり持った虫籠を掴んで持っており、その中に手を入れ、まるでスナックか何かのようにバリバリと音を立ててカナブン達を食べており、言動や外見のどれを取っても気味が悪い。
タンクトップの上からわかる筋肉だけでも、ボディビルダー顔負けの筋肉を持っており、見るからにパワーに特化したような見た目をしている。
また、男の後ろには口元が人間の血で血塗れになった体長1mもある巨大な蝗が何匹も群れを成している。
前門の虎、後門の狼とはこの事を言うのだろう。
違うとすれば……前門にいる者も、後門から追うモノも、虎や狼とは比較にならないほど異常かつ強大な事だろうか……
桜空「・・・・・何のつもりだ?」
(銃を下ろせという命令と共に後ろの鴉達が銃を下ろすのを見ると、一体何をするつもりなのかがわからず、正直、恐怖すらわいてくる・・・・・
こちらとしては蜂の巣にされずに済んだのはいいものの、相手側が何を考えているのかがまったくわからないというのは、かなり不気味である・・・・・)
>>525
紀「水だったり虫だったり、忙しい人達ですね・・・・・」
(挟みうちにされてしまった以上、素直に逃がしてくれるわけもなく、こうなったらある程度戦ってなんとか凌ぎきるしか道は残されていない・・・・・
「貴方は私が戦っている間に隙を見て任務を続行し続けなさい」と、中川に命令する・・・・・)
>>526、527
>>528
八咫烏の男
「もし、これでお前が只の悪党だったんならあのまま撃って終わりにするつもりだったんだがな、気が変わった……って奴だ。」
男はゆっくりと身に付けていた黒のジャケットを脱ぎ、両手に服装と同じ黒の指無し手袋を付け、もし桜空が只の悪党だった場合は躊躇い無く始末するつもりであった事を教える。
ジャケットの下には黒いノースリーブのシャツを着ており、シャツから出た肩や腕には一切の無駄な脂肪が付いておらず、両腕と首元だけでも優に十を超える大量の刀傷や銃創があり、彼もまた、数多の死線を潜り抜けて来た猛者である事が言葉を使わずともわかる……
素鴉
「俺は八咫烏の主力、十二鴉の一人『素鴉(スガラス)』。
お前がタイマンでこの俺を倒すことが出来たなら、お前が逃げる事を見逃してやる。だが、もし俺に敗れた場合……そのまま粛清する。」
十二鴉の素鴉と名乗るその男は、1vs1で勝負し、その状況でも自分に勝利する事が出来たのなら、桜空の脱走を見逃すが、負けた場合はそのまま殺害することを宣言すると、脱いだジャケットを床に落とす。
すると、床に落ちたジャケットは鈍い音をたて、素鴉の着ていたジャケットだけでも、桜空の体重と同等の重りが入っていた事がわかる……
これは素鴉の与えた最初にして最後のチャンスであり、断ればこの場にいる十人以上の完全武装した鴉達からの猛攻を受けることになだてしまうだろう……
だが、相手は桜空よりも……いや、毒鴉よりも大柄であり、無駄無く鍛え上げられた彼に勝利できる可能性は限り無く低いと言えるだろう。
桜空「・・・・・もし俺が勝った場合、俺を逃せばお前の身も立場も危うくなる・・・・・」
(勝ち目はないと思うが、もし自分が勝って逃げることが出来た場合は、相手の身が危ういと考える・・・・・
拷問を受けた手負いの自分を、こんな大男が逃がすはずもない、自分じゃなくてもわかるし、あの鋭い氷華のことだ、きっと敢えて逃がしたと察知し、氷華は素鴉を粛清するだろう・・・・・
それに、、こんな大男に手負いの状態で勝てるわけがない、狼谷と戦った時とはわけが違う・・・・・)
>>529
>>530
素鴉
「おいおい、この期に及んで相手の心配か?
先に来ないのなら……こっちから行くぞ。」
自分の命の心配よりも、相手の命や立場の心配をしている桜空の言葉を聞いて少し驚くものの、素鴉は即座にボクシングスタイルで構え、そのまま床を蹴って身を屈め、桜空に向けて左のジャブを繰り出し、様子見を兼ねて先制の一撃を加えようとする。
身長は180cmにも及ぶ巨体だが鈍重な様子や、大振りな動きというものは一切無く、最短距離を一直線に彼の筋肉は飾りではなく、まるで打ち出された砲弾のような速度で拳の一撃を繰り出す。
全力を出さなければ勝つことは出来ないだろう。
いや、全力を出しても尚、勝機は薄いかもしれない……
桜空「ぐっ・・・・・!?」
(桜空は、防御も何も出来ずにそのまま頬に受けてしまいよろけるものの、なんとか体勢を戻して「・・・・・それじゃあ、こっちも本気でやらせてもらおう・・・・・」と言うと、そのまま猛スピードで相手の腹部へとめがけて右ストレートを一発入れようと繰り出す・・・・・)
>>531
>>532
素鴉
「…………どうした?それが全力か?」
素鴉は敢えて桜空の拳を腹部に受けるが、まるで鋼のように鍛え抜かれた素鴉の腹筋により、その威力は大きく軽減され、まともなダメージになっておらず、素鴉は右フックを桜空の顔に向けて打ち込もうと拳を横凪に振るう……
完全武装した鴉達は素鴉が倒されるとは思っていないからか、
桜空「がっ・・・・・!!」
(桜空は両手で腹部を押さえながら床に膝をつく・・・・・
正直、子供の自分に敵う相手ではない、最初からわかっていた・・・・・
だが戦わなければ死ぬ、先生が言っていた、どんなに辛くても生きていればいいことがある、生きなければならない、その意志が、桜空を突き動かしている・・・・・)
>>533
>>534
素鴉
「どうした、もう終わりか?
それなら直ぐに楽にしてやる……」
《ゴオッ》
床に膝を付いた桜空を見て、桜空の攻撃は自分の筋肉の鎧を前に大幅に軽減されるのに対し、自分が繰り出すジャブやフック程度の攻撃でも深刻なダメージを与えると言うことから、パワーと頑強さの違いが浮き彫りとなる。
此処に桜空が辿り着いたと言うことは少なくとも毒鴉を倒せていたと言うことから、何か光るものがあると思いきや、自分に到底及ばないと悟り、下手に苦しめること無く絶命させることが出来るように桜空の頭部に向けて、ボクシングにおける最大の威力を誇る右ストレートを打ち込む事で桜空の脳に深刻なダメージを与えてそのまま昏倒するようにして絶命させようとする……
>>527
(あー……やっぱりな)
案の定、か。
さも当然の権利のように物理無効ですか。
深くため息をつきそうになるが気合いで堪える。
「まあいい、逃げることさえできりゃ何とかな……っとぉ!?」
正面へ向き直った瞬間、飛び込んできた光景に驚く。
「うっ……げえぇ〜、いやもうぶっ飛び過ぎてて語彙力無くすわ」
相手が能力者という点を差し引いてもなお異様な絵面だった。さしもの隆次もひきつった笑顔しかできない。
その直後、紀から提案がくる。
「……わかったよ、けど生き残る自信はあるのかい?」
先程と同じく拒否しようかと考えたが、彼女の強い意思を尊重することにした。
「そぉ〜ら、よっと!」
そして直径2mほどの巨大な鉄球を作り出し、虫の男に向かって勢いよく蹴ることで転がした。
勝手に進んでくれる大盾の出来上がりだ。
「どいて貰うぜぇ、マッチョマン!」
その後を追うように走ることで前方への攻防一体を成す。
いくら男や蝗が大柄といっても、こんな代物は容易に受け止められないだろう。
(さて、なるべく急いでくれよ、旦那……!)
もう少し経てば狼谷達の援軍が到着する筈、それまで何としても粘らなくては。
>>526
>>536
蟲鴉
「ダンゴムシ……ダンゴムシが転がって来る……」
蟲鴉は左右の目をギョロギョロと動かしながら、中川が生成して撃ち出した2mもの鉄球に対し、背後に控えていた八匹もの蝗が飛び掛かり、元の蝗の時点で強靭だった脚が巨大化した事で更に増大した脚力を活かして鉄球を押し返そうとする。
更に、追撃として、鉄球を押し返そうとするだけでなく、仮に押し返せなかった場合も考えて鉄球と天井の間にある1-2mの隙間を三匹の蝗達が飛び越えて二人を喰らおうと襲い掛からせる……
スッ・・・・・
桜空「うるせぇよ・・・・・」
ドゴォッ!!!!!
(桜空は、これを受けたら本当にやばいと直感したのか、急に動きが鋭くなり、相手の右ストレートをギリギリで避けると、そのまま相手の腹部へと全力の一撃をめり込ませる・・・・・
ここまでボロボロになってもまだこんなに戦えるというのは、火事場の馬鹿力、というやつだろうか・・・・・)
>>535
紀「馬鹿も休み休み言っていただきたい、私がこの程度の下等な奴ら相手に死ぬとでも?」
(キッと中川を睨みつけては、自分がこの程度の敵相手に死ぬとでも思っているのかと反論する・・・・・
生き残れるかどうかではない、勝つ、ただそれのみ・・・・・
「貴方の相手は私がしましょう、その虫けら共々文字通り虫の息にして差し上げますよ・・・・・?」
紀は、蝗の猛攻を避けると、そのまま蟲鴉に上記を述べる・・・・・)
>>536、537
>>537、538
「チッ……」
(存外統率が取れてる上に、割と器用な芸当もこなすか)
醜悪な外見に反して、その戦闘スタイルは高いレベルで洗練されていた。
やはり彼もまた、幹部クラスの能力者らしい。
「でも、よぉ!!」
だからといって諦観するような柄ではない。止められた鉄球に両手を当て操作。
鉄球の表面から、海栗(ウニ)よろしく無数のトゲが突き出す。無論、自分には当たらないよう調整してだ。飛び上がってきた個体に対しては、頭上に金属板を形成しその場を凌ぐ。
「悪手だったなぁ、マッチョマン?」
わざわざそちらから密集、それも大半は鉄球に体を押し付けてくれるのだから、手間が省けるというもの。
(これでサクッと終わってくれりゃ、肩の荷が降りるんだがなぁ……)
何故だか、この程度ではまだまだ終わらないという嫌な胸騒ぎを覚えた。そして、経験上この手の予感が外れたことはない。
紀「・・・・・中川、何か小さい物で武器になりそうなものは?」
(紀は、このままでは二人してここでやられてしまうと察したのか、小さくも武器として使えそうな物は持っているかどうかを持っているかどうかを尋ねる・・・・・
ある程度の戦歴がある自分達でも、ここまで苦戦するとなると、もういよいよ追い詰められ始めている・・・・・)
>>539
>>538
素鴉
「少しはまともなパンチを打てるようになったみたいだが……まだまだ力不足だな。」
素鴉は桜空の全力の一撃を受けるものの、強固な腹筋が持つ弾力によってその威力は最初に桜空の放った右ストレートと同じように大幅に軽減されてしまい、大きなダメージにはなっていない……
とは言え、最初のストレートよりも威力が上がっている事わ呟くと、直ぐ様、返しとして左フックを桜空の顎に向けて放ち、それによって桜空の脳を揺らして脳震盪を起こさせてダウンさせようとする。
ほぼ全身を筋肉の鎧に守られている素鴉には並みの打撃は意味を成さない……狙うのならば筋肉を付けることが出来ない箇所でなければまともなダメージを与えられないだろう。
桜空「っぐぅ・・・・・!!!!!」
(桜空は攻撃を避けようとするも、反応が遅れ顎をかするが、それでも軽い脳震盪が起き、地面にひれ伏す・・・・・
立ち上がろうとするものの、体に力が入らずに相手の姿がブレて見え始め、足が痙攣している・・・・・
ゆっくりと立ち上がろうとするものの、なかなか立ち上がれない・・・・・)
>>541
>>538
>>539
蟲鴉
「俺の……俺の友達をよくも……よくも殺ってくれたなァァァァ!!」
《「鋼喰い蟲」》
蟲鴉は鉄球を食い止めようとした蝗達が次々と串刺しにされて絶命していくのを見て、手にしていたカナブンが詰まっている虫籠を落とすと、憤慨し、口を大きく開け、その口内から40cm程の百足を四匹吐き出し、鉄球に向かわせる。
白蟻は消化管にある原生生物を用いることで木材を喰らい自分の栄養に変換しており、蟲鴉が吐き出した百足もまた、その白蟻に近い性質を備えており、鉄をも噛み砕き掘り進む強靭な顎と、鉄をも瞬時に消化し栄養素とする事が出来る。
だが、蟲を生み出すためには他の異能よりも体力の消耗が激しいようで、百足を吐き出した後の蟲鴉は少し息切れを起こしている。
水鴉
「ヒヒヒ……諦めなァ?
"十二鴉"である俺達に挟まれた時点でお前らに勝ち目は無い……」
物理攻撃が通用しない水鴉、任意の性質を備えた蟲を生み出して操れる蟲鴉。その一人一人が強力な異能を持っている。
他の鴉の兵員が増援に来なかったり、南東地区の警備が手薄であるにも関わらず、警備の増強等を行っていないのも、十二鴉が二人もその地区にいるからだったのだろう。
だが、逆にこの二人を倒してしまえばこのアジトにおける防衛戦力の大幅な弱体化と、八咫烏における主要戦力を削り取る事が出来るだろう。
蟲鴉の出て来た部屋の奥には『発電室』と記されたプレートが貼られた扉があり、ここへ上手く誘導し、攻撃させることに成功すれば難敵である水鴉も倒せるかもしれない。
>>542
素鴉
「……それ以上苦しむな。
お前はもう充分に頑張った。それでいいじゃないか。」
素鴉はあくまでもボクシングスタイルを貫くつもりで、軽い脳震盪を引き起こしてしまった桜空を見て、もう立ち上がる必要はない、桜空はまう充分に頑張ったのだからもう生きて苦しむ必要はないと言う……
>>540、543
「小さい武器……これでいいか?」
ステンレス製の出来るだけ鋭いナイフを作り出し、紀の手元に飛ばす。
「制限時間については知ってるな? それまでに状況を好転させるぞ」
「それとも、ナイフはお気に召さないか? ダガー、カランビット、十手、釵(さい)、ソードブレイカーも用意出来るぜ。ご注文はお早めに」
百足を横目で冷静に分析しつつ茶化す。
この苦境にあって尚、軽口を止めない。これが中川隆次という男なのだ。
(……さて、タイミングとしては今が最高かな)
厄介な蝗は半数以下にまで減った、虫の男はそれに激昂し冷静さを失う、補充として出した百足も機動力の面では優れていないようだ。加えて、男は補充を行った反動か既に肩で息をしている。
行動に出るなら、この瞬間をおいて他にない。
「ふんっ!!」
鉄球から手を離すと同時に、両足の裏にスプリング機構のジャンプ台を作り出し、鉄球もろとも虫達を飛び越える。そしてすかさず空中で同じことを行い、虫の男をも飛び越えていった。
「いよっ……と。あっぶねぇ〜、天井に頭ぶつけるとこだったぜ」
無駄のない動作で前転着地、すぐさま立ち上がって発電室へ走り出す。
「じゃあ、また後でな紀ちゃん! 死体になって再開とかは勘弁だぜ!」
今度こそ一時の別れを告げる。願わくば、無傷での生還を。
>>545
蟲鴉
「ダンゴムシの次はバッタかァ?
お前は生きたまま友達のご飯にしてやる。」
【「音速飛蟲」】
理性も知性も無いような言動や風貌をしている事とは裏腹にある程度までなら戦況の分析も出来るようで、天井の高さを活かして飛び上がり、自分達をも飛び越えた中川を見て、今度は口内から40cm程の大きさの蜻蛉を一匹だけ吐き出す。
吐き出された蜻蛉は通常の蜻蛉よりも二枚多い、四枚の羽根を持ち、血のように赤黒い体色をしている。この蜻蛉が備えた性質は『速度』であり、残像が出来る程の圧倒的な飛行速度を持ち、肉を噛み千切れるだけの顎の力を持った蜻蛉となっている。
鉄球を喰い荒らして無力化させる百足と、水鴉に紀の始末を任せ、自分は中川を始末することで各個撃破を行う事を決め、攻撃を仕掛けることを決める。
紀「では試してみましょう・・・・・貴方方野蛮で下劣な下等生物共と私達・・・・・どちらが勝利を得るかを・・・・・」
(十二鴉ということを強調して言う水鴉の言葉を聞けば、ならばその十二鴉と自分達とではこの戦いにおいてどちらが勝利を得ることが出来るか、試してみようと述べる・・・・・
紀は、発電室の存在に気づいていた・・・・・)
>>543
桜空「・・・・・俺は・・・・・生きなきゃいけないんだ・・・・・大切な人との・・・・・約束だから・・・・・」
(素鴉の言葉を聞けば、桜空なりの精一杯の反論をしながら立ち上がろうとするが、体に上手く力が入らない・・・・・
ここで改めて桜空は、自分と相手との戦闘力の違いを思い知る・・・・・
物理攻撃を用いた戦いでは、こんな相手に最初から適うわけがない・・・・・だが、負けるわけにはいかない・・・・・
桜空は、追い詰められていた・・・・・)
>>544
紀「いや、これで上々・・・・・」
(そう言うと、紀は蟲鴉に向けてライフルを向けるようにナイフを遠くから先端を向けて構えると、能力を用いてそのままナイフを蟲鴉の顔面へとめがけて猛スピードで飛ばす・・・・・
小さいものならば、さほど操作しても体力の消耗は抑えられる・・・・・)
>>545、546
>>547
素鴉
「……そうして理想を抱きながら、叶えることが出来ずに倒れた奴らを俺は何人も見てきた……」
素鴉は桜空に対してトドメを刺す前に、必死で立ち上がろうとする桜空を見て、自分が持つ理想を抱いたまま命を落とした者達について語る……桜空の倍を生きる素鴉だからこそ、数多の生死を見届けて来たのだろう……
素鴉
「知っているか?そう言って倒れ、理想を捨てた者が最期に何て言うか……"最初から夢なんか持つんじゃなかった"って言うんだよ……」
素鴉は悲しそうな、虚しそうな、複雑な表情をしながら、夢半ばに倒れた者達の呪詛について話す……その言葉に嘘や偽りは無く、純粋な戦闘能力だけでなく、桜空の理想と信念を真っ向から折ろうとしている……
薫
『ごめん……ね……?
貴方の事を……救えなかった……』
腹部に大穴を開けられ、口から血を流した薫が、ボロボロになった桜空の傍で倒れ、息絶えるその前に……薫は桜空の頬を優しく撫でながら、涙を流して桜空に謝っている……
これは少年院にいた中で一番辛く、悲しい記憶だろう……
神宮に復讐を遂げた桜空だったが……復讐を終えて戻ってきた桜空前に薫が無惨な姿にされてしまっていた……
全てを救おうとした氷華は歪み、悪に等しい存在となり……
全てを助けようとした薫は敗れ、命を落とした……
希望があるから絶望がある。
希望の中から絶望が生まれる。
それならば……絶望しか無い世界には希望は生まれないのだろうか?
>>547
《ドスッ》
紀の撃ち出した弾丸は蟲鴉を撃ち抜く前に、視界を覆う巨大な鉄球を喰らう百足達が開けた穴を覗き込んだ巨大な蝗の頭に命中し、蝗の頭の中で弾丸が食い止められる形で防がれてしまう……
水鴉
「ヒヒヒ……お前の相手は俺だァ……!」
《ズズズズズズズズズズズ……》
遂に中川の作り出した壁を通り抜けることに成功した水鴉がスライムのような体を用いて紀を呑み込み、窒息死させようとする。
物理攻撃を無効化する事が出来ると言うその性質上、並大抵の攻撃では水鴉を捉えることが出来ず、その全ての攻撃が無駄な体力の消耗となってしまうだろう……
蟲鴉と水鴉。
どちらも一筋縄では行かない厄介な異能力者達であり、その実力は未だに未知数だ……
【地上の攻撃部隊】
狼谷
「おかしい……中川が水道管を壊した以上、何らかの混乱が生まれると思っていたが……外部の警備の人数、配置、巡回ルートと、外から見るだけでは何も変化が無い……」
中川が破裂させた水道管を水鴉が逆に利用して現れて二人を追い詰め、分断させた事を外部にいる狼谷は知らないまま、合図である筈の混乱を待っていたものの、一向にそれが見えない事を疑問に感じ始めている。
外部から見ている限りでは、何の騒動も混乱も起こっておらず、まるで全てが"順調"であるかなように、滞り無く警備の交代や巡回が行われており、地下へ部隊が駆け付けたり、移動するような素振りも一切見えていない。
狼谷
「(……まさか十二鴉クラスが二人……いや、二人以上待機しているのか……!?)」
狼谷が事前に入手していた情報では、十二鴉は一人しか駐在しておらず、氷華も途中で東京に向けて移動するため、アジト内の防衛戦力は注意すれば制圧可能なレベルであり、その上で万が一のために潜伏チームを先行させたのだが、
潜伏チームは音信不通となり、あれから暫く待ってみたものの、中川達の引き起こしたであろう妨害行為を受けても何の変化も見えない事に違和感を覚えた狼谷は右手を額に当てて思考し始める。
もし、アジト内に三人以上、八咫烏の十二鴉クラスがいた場合……このまま突入したとしても戦力的に全滅する可能性が高い……桜空の身の安全から救出を優先するあまり、人員を募集する日時を一日だけに絞った弊害がここで出て来てしまっている。
狼谷
「(総攻撃を仕掛けるか……?いや、その場合ボスが脱出していた場合や、中に潜伏チームが捕らえられていた場合、巻き込んでしまう可能性が高い……それにこれが八咫烏側からの罠だった場合……迂闊に攻撃をしかければ逆に全滅のリスクもある……)」
狼谷はこれからどう動くのが正解なのかがわからず、言葉には出さないものの、脳内で数多の試行錯誤を繰り返して正解を……いや、最適解を思案し始める……
今この場で自分が取れる最適解は……
桜空「・・・・・そう・・・・・かもな・・・・・夢なんて、所詮は夢だ・・・・・どんなに努力したって、し尽くしたって、叶わない夢はある・・・・・」
(過去のあの日の惨劇が、桜空の脳裏によぎる・・・・・
一度ならず二度までも・・・・・文字通りこの言葉のように、悪は自分の大切なモノを根こそぎ奪っていった・・・・・
桜空自身も悪なんて死ぬほど大嫌いだった、この世から消えてしまえ、跡形もなく、そう思っていた・・・・・
だが、そんな自分を救ってくれたのも、違う形の悪であり、違う角度から見た正義だった・・・・・
言わば、麻間桜空は悪人になったからこそ、今まで生きてこれたのだ・・・・・)
>>548
紀「なっ・・・・・!?」
ゴボボッ・・・・・
(紀は抵抗する間もなく、水鴉の思うがままに呑み込まれてしまう・・・・・
必死にもがくものの、もがけばもがくほど息が苦しくなるだけであり、ここから脱出するだなんて夢のまた夢である・・・・・
まさに、絶体絶命・・・・・)
>>549
>>551
素鴉
「そうだ……だからお前もこれ以上立ち上がる必要はない。」
やはり、身も心も無垢な子供だ。
揺さぶれば直ぐに移り変わる。
だが、だからこそ今ここで己の信念を捨てて楽になる権利がある。
死と言う終わりによって解放される権利がある。
自分はその権利を認め、行使することを許す存在だ……
素鴉はそう考えつつ、子供を殺害することに強い抵抗があるものの、相手と自分の立場を考えた上で処刑することを選び、今度は全体重を乗せた、必殺の威力を持った右ストレートを桜空に向けて打ち込もうとする……
薫
『硬くぶ厚いコンクリートを突き破って伸びる植物のように、踏まれても踏まれても諦めず、無謀な挑戦と言われても頑張り続けられる人は強い。貴方にはそんな人になって欲しいな。』
命を落とす前、薫と桜空が少年院の中庭にあるベンチで日差しに当たりながら一緒に話している時に薫が溢した、桜空になって欲しい人物像について話す……これは少年院に来たときの全てに恐怖し、全てを拒絶していた桜空を知っている薫だからこそ、こう言ったのだろうか?
だが……同時にこれは薫にとっての理想でもあった。
薫は桜空に、何が起きても自分を曲げず、どんな窮地や絶望へ追い込まれても一つの信念を貫ける、そんな真の意味で強い人物になって欲しい、なりたかった……
今は亡き薫の遺志を……桜空はどう受け止めるか………
>>551
水鴉
「ヒヒヒ……安心しなァ、蟲鴉の野郎が鉄塊野郎を始末してくれる。
お前はちょぉぉぉぉぉっとだけ早く逝くだけだ……」
水鴉は紀を呑み込むと、そのまま口や鼻を介して彼女の気道を通って肺へ侵入しようとする中、直ぐに中川も蟲鴉に始末されると断言し、紀に助けは誰も来ないと示唆し、抵抗する気力を削ごうとする。
水鴉が操れるのは自分を中心とした半径5m圏内の水だけであり、生物の中にある水分は操ることが出来ないものの、肺の中に水を流し込んで溺死させる事は出来る。
水と同化すると言う性質上、電気が最大の弱点であり、通常の人間よりも通電性が高くなると言う欠点を抱えてはいるものの、発電所があるのは二つの扉を抜けた先であり、そこへ行くには蟲鴉の生み出した巨蟲と、蟲鴉の二つを突破しなければならない。
水鴉
「あの餓鬼の言いなりになるのは癪だが……
お前らを潰して手柄にさせてもらうぞ……?」
「最近の若者は大和魂というものを知らないのか」
「この国賊が」
名前/犀賀轍州(さいが てっしゅう)
通り名/愛酷者(誤字ではない)
年齢/42歳
性別 男
役職/その他
政府に嫌悪感をいだき、総理暗殺計画を立てるものの失敗、一度投獄されるが脱獄してICPUから「国際指名手配者」となり現在は山形のとある村で潜伏している。
外国人(おもに中国人、韓国人、朝鮮人、アメリカ人)を自身の能力「抗制」を使って自殺したように見せかけていた(それで自身を執拗に追うものを殺害していた)。
性格/社交的かつ積極的で、明るいが自分の思想に反するもの(共産主義、民主主義など)に対しては横暴な振る舞いを行う。
容姿/普段は身分を隠すため田舎っぽい感じの服を着ているが、犯行時には般若の面を被り、紺色の作業服を着て犯行に及ぶ。
武器としてホームセンターで購入した草刈り鎌と鉄製チェーンを改造したお手性鎖鎌と出刃包丁。
能力/『抗制』
相手(生物のみ)の動きを制御させて、自分の思うままに動かさせる、しかし長ければ長いほど体力を消耗して息切れを起こす。
備考/右利き、8歳の頃に両親が仕事から戻る際に土砂崩れに巻き込まれて死亡し長野の片田舎に住む叔父に引き取られる、18歳のときに武士道精神に感激し、そこから日韓関係や日本の歴史に興味を持つ、しかしその思考はエスカレートしていき、26歳の頃に国主党の党員を殺害しようとして殺人未遂の疑いで逮捕される。
>>554
【キャラシート確認しました!
紀さんのキャラシを確認した際にも聞いていたのですが、具体的にどれだけ操れる感じですか?
相手の心臓を強制的に止めたり、相手の異能も操れるレベルだと、無双キャラになってしまうかもしれないですね。】
>>555
表面的な動きに限っています(相手の異能は動かせない、臓器等は原則動かすことは不可能)
ドゴォオオッ!!!!!
(素鴉の一撃が、桜空に直撃・・・・・したのではなく、床に直撃し、あまりの勢いに床を凹ませる・・・・・
確かに桜空は軽く脳震盪を起こし、まともに動けなかったはずだ、それにここでは能力も封じられている、もし使えたとしてもゲートが開いていなかったことから、いずれにしても能力を使ったとも考えられない・・・・・)
ドガッ・・・・・!
桜空「悪いが、俺はまだくたばるわけにはいかねぇんだよ・・・・・」
(桜空の踵落としが、相手の後頭部へと直撃する・・・・・
攻撃を受ける場所の問題以前に、桜空の繰り出す攻撃の威力、そして桜空の身体の移動速度ががさっきよりも格段と跳ね上がっているのがわかる・・・・・
かつて恩師が委ねてくれた理想を、桜空は貫き通す時が来たのだと実感する・・・・・)
>>552
紀《そ・・・・・んな・・・・・こんなところ・・・・・で・・・・・》
がぼっ・・・・・
紀「・・・・・」
(紀の動きが止まる・・・・・
つい数秒前まで必死にもがいていたのが嘘だったかのように、ピクリとも動かない・・・・・
命が尽きたのか、それとも・・・・・)
>>553
>>556
【それならOKですよ!】
>>557(桜空)
素鴉
「…………!!」
もはや相手も心が折れたと思っていた矢先、急激に気力を取り戻し、一瞬にして姿が消えたと思いきや、背後から風を切る音が聞こえ、その次の瞬間、強い衝撃が走り、今度は素鴉が片膝を付く事になる。
素鴉
「ようやく本気を出し始めたと言うことか……
いいだろう、お前の貫き通したい信念があると言うのなら……俺を倒してそれを証明してみせろ!!」
一瞬で死角へ入り込み、自分の背後へ回り込んで、親子ほどもある自分との身長差を脚力で埋め、後頭部へ踵落としを行った事から桜空の身体能力の高さを認める。これで、桜空の体格があと10cm大きければ自分を倒すことも出来ていただろう。
子供を相手に本気になるのは大人げないが……
相手が自分の命を燃やしてでも戦うつもりならば、相手を子供と見なすのは侮辱になる。相手が死力を尽くして戦うのならば、此方も先程までのような情けを捨てることにする。
素鴉は両腕を構えてボクシングのファイトポーズを取り、床を蹴って左腕拳で桜空の右腹部、右顔側面に向けて高速でジャブを放ち、側面から打撃を行おうとする。
>>557(紀)
水鴉
「ヒヒヒ……溺死させるには心配停止から10分がかかる。
このまま10分かけて完全に仕留めてやるぞォ……?」
水鴉はこれまで数多の犯罪者達を葬って来た経験から、人間は心配停止してから3分間、応急救護を行わなければ50%の確率で死亡し、10分行わなければ生存は絶望的になると言うことを知っており、意識を失ってから10分はこのまま捕らえておこうと考える。
仮に脱出したとしても、外には鉄球を乗り越えて来た巨大な蝗の群れと、鉄をも噛み砕く百足が待ち構えており、どの道生存することは困難だと思われる……
ヒュッ・・・・・!
桜空「あぁ、してやるよ・・・・・」
ドガッ!!!!!
(桜空は、素鴉の攻撃を避けるのとに成功すると、そのまま相手の下顎へとさっきのお返しと言わんばかりに強い蹴りを入れる・・・・・
そしてそのまま、続けて相手の頭頂部へと肘鉄を入れる・・・・・)
>>559
紀「・・・・・」
ズズッ・・・・・
(水鴉の体が、突然水鴉自身の意思に関係なく動き始める・・・・・
つまり、紀が能力で水鴉の体を動かしているものと思われる、ギリギリ意識を保っているのだろう・・・・・
だが、かなりゆっくりであり、いずれにしても脅威ではないほどである・・・・・)
>>559
>>560(桜空)
素鴉
「どうした、まだまだ軽いぞ……!!」
桜空が繰り返した顎を狙った蹴りだが、顔の近くに構えていた右腕によってその蹴りをガードしつつ、放った二発のジャブが桜空の顔の右側面と右腹部に直撃してダメージを重ねていく。
素鴉は筋肉の鎧を持っている事から圧倒的な防御力を持っているのに対し、桜空からの攻撃でダメージになる箇所は限られており、非常に不利な状況での戦いとなっている……
素鴉にとっては速度に特化したジャブだが、それでも素鴉の腕力から来る一撃はその全てがまともに受ければかなりのダメージを与えるだろう。
>>557(紀)
水鴉
「なんだ……?まだ意識があるみたいだな……!!」
自分の意思に反して、スライムのような自分の体の一部が動き始めていることに対して驚くものの、切り裂かれた水道管から流れる水が異能の支配範囲に入った瞬間に新たに自分の一部として取り込む事で補填している。
だが自分は水と言う流動体であり、固体ではないことから、多少は動きを変えられはするが、その全てを操ろうとすれば異能の性質上、ただ操るのではなく、相手の異能にまで干渉する必要があることから、かなりの負担を強いる事になるだろう。
呼吸を止められ、気道に侵入されつつ、まだ意識が残っている紀に対して、更に多くの水を肺へ流し込もうとし始める。
【山形/高速道路】
深夜1時の高速道路を一台の緑色の軽ワゴンが駆け走る
「今日で鴫野(しぎの)総理暗殺未遂事件から15年が経ちます、現在もICPOから国際指名手配されている「犀賀轍州」は現在何処へ…」
ピッ、男はカーオーディオのチャンネルを変えた
「警察は怠慢野郎ばかり、八咫烏共は酔狂なやつばかりだ、ハハハハハハ…」
男はそう独り言を言うと高笑いを上げた。そう、彼こそ犀賀だ。
【山形/高速道路】
深夜1時の高速道路を一台の緑色の軽ワゴンが駆け走る
「今日で鴫野(しぎの)総理暗殺未遂事件から15年が経ちます、現在もICPOから国際指名手配されている「犀賀轍州」は現在何処へ…」
ピッ、男はカーオーディオのチャンネルを変えた
「警察は怠慢ばかり、八咫烏共は酔狂なやつばかりだ、ハハハハハハ…」
男はそう独り言を言うと高笑いを上げた。そう、彼こそ犀賀だ。
>>563 ?おかしいなあ
565:中川 隆次:2021/12/20(月) 22:39 >>546
「なっ!? ぐあああっ!!」
一心不乱に発電室へ走っていたため不意討ちに対応できず、攻撃を許してしまう。すんでのところで気付いて腕をかざしたが、コートの布地を容易に食い破り、ほぼ一瞬で素肌に食らいついている。
「う、ぐ……こい、つ……!!」
どんなに腕を激しく振り回しても離れない。やむを得ずナイフで対抗。
頭部に突き立てることで何とか返り討ちにできたが。払った代償は大きい。
「あぁー……くそっ、やっちまった」
傷口から命の赤が滴り落ちる。まだ腕は動かせるが、同じ箇所に攻撃を受ければその限りではないだろう。
後方に気を払いつつ発電室へ走り続ける。
>>565
蟲鴉
「餌……餌……餌……!!!」
蟲鴉は口を大きく開けて更に新しい巨蟲を吐き出そうとしている上に、蟲鴉の放った四枚羽根の蜻蛉は再び中川に向かって高速で飛行し、彼の右肩を喰い千切ろうと迫る……
《ゴゴゴゴゴゴゴ……》
蟲鴉
「…………!!?」
幾つもの爆発音と共に地響きが鳴り始め、パラパラと天井から小さな土埃が落ちて来ると蟲鴉は巨蟲の生成を中断する。
満を持して狼谷が率いる地上の攻撃部隊が総攻撃を開始したのだが、その事を知らず、中川と紀が最後の攻撃部隊だと思っていた蟲鴉は驚き、周囲を見渡し、中川への追撃が出来なくなっており、
高速で迫る蜻蛉の一撃を凌げば、発電室に入るまでのチャンスが生まれるだろう。
>>566
「あ〜っ、痛ぅ〜」
傷口を押さえながら走る。さほど深くはないが、やはり痛いものは痛い。
「けど、まだまだやれるぜ……ぐうぅうおおぉおお!!」
能力で針金を作り、傷口を縫い付けていく。その際の痛みは全て気迫で堪えた。
「!」
またも差し向けられる羽虫の鋭牙。しかし隆次の目に恐れの色はない。
もう動きは見切った。銃弾クラスの速度でないなら一度見れば十分だ。そして、この揺れは恐らく狼谷の総攻撃が始まった合図だろう。
蜻蛉に対し向き直るようなことはせず視線だけを注ぐ。
「同じ手を、食うかよ……!」
並足を揃えて膝で軽くしゃがみ、背中での強烈な体当たりを繰り出す。
鉄山靠(テツザンコウ)
八極拳の技の一つ。正式名称は貼山靠(テンザンコウ)
本来の使い方とは違うが、広く応用を利かせられるのが武術の利点だ。
再びかぶりつこうと考えていたであろう蜻蛉に、痛烈なカウンターが迫る。
>>567
人喰い蜻蛉
「ギッ……!!」
しゃがんで回避する動作に乗せて返す刃として中川の放った鉄山靠が人喰い蜻蛉に直撃し、小さな金切り声が出て、ダメージを与えることに成功する。
だが……相手は空中に浮遊している上に、全ての飛行虫に共通することだが、飛行に特化するためにその体は大きさに反して軽量化されている事も合わさり、放たれた衝撃や勢いも空中にて無数に分散されてしまった事で致命傷には至らない。
分散しきれなかった衝撃と勢いによって天井に叩き付けられるものの、致命傷には至らず、三度目の突進を仕掛けようとする。
蟲鴉
「蟻の群れが………!!!
もういい……虫ケラの相手は終わりだ、最強の友達で全員喰い散らす。」
《メキメキメキメキメキメキメ……》
人喰い蜻蛉の金切り声を聞いた瞬間、
蟲鴉は大きく口を開け、新たな蟲を生み出すために集中し始める。
この場にいる中川と外にいる紀や桜空、狼谷の攻撃部隊の全員をまとめて葬るために最大最強の蟲を生み落とし、これで一気に決着を付けようと考え、
>>567
人喰い蜻蛉
「ギッ……!!」
しゃがんで回避する動作に乗せて返す刃として中川の放った鉄山靠が人喰い蜻蛉に直撃し、小さな金切り声が出て、ダメージを与えることに成功する。
だが……相手は空中に浮遊している上に、全ての飛行虫に共通することだが、飛行に特化するためにその体は大きさに反して軽量化されている事も合わさり、放たれた衝撃や勢いも空中にて無数に分散されてしまった事で致命傷には至らない。
分散しきれなかった衝撃と勢いによって天井に叩き付けられるものの、致命傷には至らず、即座に体勢を整え、彼の頭上から三度目の突進を仕掛けようとする。
蟲鴉
「蟻の群れが………!!!
もういい……虫ケラの相手は終わりだ、最強の友達で全員喰い散らす。」
《メキメキメキメキメキメキメ……》
人喰い蜻蛉の金切り声を聞いた事で我に変えると、この場にいる中川と外にいる紀や桜空、狼谷の攻撃部隊の全員をまとめて葬るために最大最強の蟲を生み落とし、これで一気に決着を付けようと考え、大きく口を開けて新たな蟲を生み出すために集中し始める。
次に蟲鴉が生み出すのが蟲鴉の最大にして最強の蟲。
生み出すためには少し時間がかかり、巨大蝗による守りも無いものの、生み出すまでの時間稼ぎは人喰い蜻蛉がしてくれるだろう。
中川の直ぐ前には発電室の扉があるのだが、蟲鴉はその危険性や驚異に気付いていない。
桜空「ぐっ・・・・・!!!!!」
ゴガッ・・・・・!
(桜空は腕でなんとかガードして素鴉の攻撃を防ぎ切るものの、防いだことで腕にかなりのダメージがいく・・・・・
が、負けじと相手の顔面へと蹴りを入れ、なんとかダメージを与え用と奮闘する・・・・・
素鴉同様、桜空も絶対に負けられない・・・・・
負けたら、先生の意思を否定することになる、そんな気がした・・・・・)
>>561
ゴポッ・・・・・
紀「・・・・・」
(今までの人生が、走馬灯のように見え始める・・・・・
考えたみれば、自分はそんなに悪いことをしてきた人間だろうか・・・・・こんな仕打ちをされるほど、他人に酷いことをしてきただろうか・・・・・
生きていく上で自分が有利な状況に立てるよう、常に考えてきただけだ、どんな人間にだって共通することのはずだ・・・・・
ただただ、ここで自分は終わるのかという無念だけが募ってゆく・・・・・)
>>561
>>570(桜空)
素鴉
「…………!!」
すかさず素鴉に向けて拳を振るおうとした最中、狼谷達によるアジトへの総攻撃が始まる。
それも、素鴉と桜空のいる場所は攻撃開始地点の直ぐ近くだったからか、大きな揺れが起こり、攻撃しようとしていた素鴉は体勢を大きく崩れる。
奇しくも反撃するための大きな隙が生じる。
勝負を決めるのなら今しかない、次の一撃で素鴉を仕留めることが出来なければ体勢を立て直した素鴉を倒すことは困難になってしまうだろう。
>>570(桜空)
※追記版
素鴉
「…………!!」
桜空の繰り出した蹴りを引き戻した右腕によってガードしつつ、蹴り後に生じる隙を突く形で素鴉に向けて左フックを彼の右腹部へ打ち込もうとした最中、狼谷達によるアジトへの総攻撃が始まる。
それも、素鴉と桜空のいる場所は攻撃開始地点の直ぐ近くだったからか、中川と紀の戦っている場所よりも遥かに大きな揺れが起こり、攻撃しようとしていた素鴉の体勢が大きく崩れる。
奇しくも反撃するための大きな隙が生じる。
勝負を決めるのなら今しかない、次の一撃で素鴉を仕留めることが出来なければ体勢を立て直した素鴉を倒すことは困難になってしまうだろう。
桜空「っ・・・・・!?」
(唐突に起きた想定外の大きな揺れに、桜空も思わず驚きと困惑を隠せない表情をするものの、すぐさまファーストによる八咫烏への総攻撃により発生したものだということを直感で悟ると、桜空はこの隙を無駄にするものかと言わんばかりに・・・・・
「これで・・・・・終わりだっ・・・・・!!!!!」
右拳に全身全霊の全力を込め、素鴉の顔面へと叩き込む・・・・・
今までとは比にならない威力のパンチは、顔面だけじゃなく、脳へも相当な衝撃を与えるほどであり、それを体勢を大きく崩した状態で受けたのならば尚のこと立っているのは愚か、一度倒れればしばらくの間は立ち直すことすら困難を極めるだろう・・・・・)
>>572
>>573
素鴉
「!!!」
《ゴッ》
全身全霊の右ストレートが繰り出されるのを見て、少し微笑むと、桜空の拳に対して頭突きをするようにして額で桜空の一撃を受けると、そのまま大きく床に倒れる。
素鴉が負けるとは思っていなかったからなのか、周囲を取り囲んでいた素鴉の部下の完全武装した鴉達はどよめき、混乱し、狼狽え始めてしまう。
体格的にも筋力的にも経験的にも圧倒的に素鴉が勝っていた……
だが、素鴉は最初から勝つつもりはなく、桜空の意思や覚悟を試しつつ、タイミングを見て倒されようとしていたかのようでもあった……
>>569
「浅い……っ!? いや、『通し』にくいか!」
鉄山靠の手応えが薄いことに驚き、これでは有効打にならないと直感で理解する。
蜻蛉は懲りずに頭上から突っ込む。
相手の特性は大方わかった。圧倒的なスピードを生み出す為、体重などが犠牲になっているのだ。
「そんなら……よっ!」
頭上に手をかざし、捕獲用の大型網を形成。無論金属製だ。そしてそれを、壁などを伝う形で蜻蛉を広く包囲し、捕らえようと動かす。
高速飛行に特化しているのなら、多少無理矢理にでも捕獲してしまえばいい。あの蜻蛉には踏ん張りを利かせる重量も、一瞬で四肢を噛み千切るパワーもない。
「へへっ、じきに俺らの援軍が来るぜ。袋のネズミになるのは、お前さん達さ……そらっ!」
空いている片腕を使い、虫の男の顔面へ指弾でパチンコ玉を飛ばす。
虫の男が何やら大きな仕込みをするつもりなのは何となく察せる。そしてそれを簡単に許す隆次ではない。
>>575
《ゴッ》
中川の予想通り、速度に特化した分、パワーに劣っており、ジタバタと羽根や脚を動き回して脱出しようともがくものの、大型網に捕らわれ、追撃や反撃はおろか、自由に移動することさえ出来なくなっている。
蟲鴉の顔に向けて放たれたパチンコ玉だが、蟲鴉が吐き出す際に嗚咽により体が動いていた事もあり、蟲鴉の口内にある蟲に当たると、パチンコ玉が砕け散るが、その激突の衝撃によって蟲鴉が床へ倒れる。
《「破壊戦甲蟲」》
蟲鴉
「ぐ……もう……友達を呼び出せない……が………これで充分…………」
倒れた蟲鴉の口内からは幅だけで10m、長さに至ってはそのあまりのサイズに広間に収まらず、壁を破壊し、発電室に繋がる扉の傍の壁を破壊して頭部が現れると言ったように、どれだけ小さく見積もっても60mを優に超える圧倒的な巨大な蜈蚣が生み出されてしまう。
更に、先ほどの激突したパチンコ玉を砕いた事から、その外骨格も鋼鉄と同等か、それ以上もあると言うように、尋常ではない戦闘力を持っていることがわかる……
もし、こんなものが地上に出てしまえば、狼谷の攻撃部隊に甚大な被害が出てしまうだろう……
幸いにもこの蜈蚣を生み出した事で蟲鴉は全ての体力を使いきり、意識を失っている。
桜空「はぁっ・・・・・はぁっ・・・・・」
(桜空は息を切らしながら、床に座り込む・・・・・
正直、ここまで戦えるとは自分でも意外だった、戦うことを諦めるつもりはなかったが、ここまで戦い通せたのは、やはり自分の意思の強さなのだろうかと、自分の拳を見つめながら思う・・・・・)
>>574
>>576
「おいおいおいおい……」
First武闘派としてどころか、これまでの人生でも前代未聞の事態に戦慄する。
「怪獣映画じゃねえんだぞ、ちくしょう」
苦笑いで毒づきながら立ち止まり、両手にナイフを3、4本づつ形成。そしてばら蒔くように投げつける。
「よっ! ほっ!」
再び形成、投擲。それを何度も繰り返す。
(あいつはもう伸びてる……ってことは、とりあえずは打ち止めか)
唯一救いがあるとすれば、そこだろう。
少しだけ胸を撫で下ろしつつ、狼谷に通信を入れる。
「狼谷の旦那! 十二鴉の一人がとんでもねえ蜈蚣のデカブツを、能力で作りやがった! もしそっちに行ったら部隊が全滅しないように注意してくれ!」
>>577
素鴉
「エイト……ナイン………テン。」
桜空の渾身の一撃を受けて倒れた素鴉だったが、目を瞑ったまま、自分でテンカウントを行い、カウントダウンを負えると、額を抑えながらゆっくりと上体を起こす。
その様子から、まだまだかなりの余力を残していることがわかり、安堵した完全武装した鴉達が一斉に桜空に向けて銃を構え、トリガーに指をかけて集中砲火を行おうとしたものの……それを素鴉は「つまらねぇ事をするんじゃねぇ」と一喝して阻止する。
素鴉
「痛たた……お前の勝ちだ。
拳を通してお前が殺人衝動や破壊衝動にかられ、私利私欲のままに戦う悪党じゃないって事がわかった……だからなのかは知らないが……こうして土を付けられたが悔しくないな。」
素鴉は最初から桜空の殺害に気乗りしなかった事もあり、戦いの中で敢えて桜空の攻撃を避けずに受けていた……そして、素鴉はその身をもって桜空の闘志と覚悟を知り、桜空が生きる事と、自分の敗北を認めた。
素鴉
「………餞別だ、コイツを持って行け。
今のお前にはコイツがあった方がいいだろ?」
素鴉は自分の右腕の鉄甲を外し、それを桜空に向けて投げ渡そうとする。
その鉄甲は触れた異能による作用や干渉を打ち消す対異能力者用の防具なのだが、空間移動を封じられたアジトの中であれば、桜空の身を守る最高の防具となってくれるだろう。
自分の立場を省みずに桜空の味方をするその姿は狼谷とも重なって見えると思われる……
>>578
狼谷
『あァ!?なんだ、今此方は手一杯で忙し……
……って、蜈蚣のデカブツだと!?』
アジトに乗り込んだものの、桜空の相手を素鴉の小隊が、紀と中川の二人に水鴉と蟲鴉と言うように、十二鴉を集中運用しているからか、空いた通常戦力が集結しており、銃弾が飛び交う戦場となっており、とても加勢に向かえるような状態ではない。
そんな中で中川の言葉の中にあった"蜈蚣のデカブツ"と聞くと、様子が一変し、無線機を介して幾つもの爆発音や銃声、敵味方の怒声や怒号に負けじと助言を言う。
狼谷
『こっちの事はいい!それよりもソイツは一匹で武装勢力を丸ごと殲滅する力を持つ化物で、蟲野郎の切り札だ!まともに戦うな!!』
《ドガガガガガガガガガガガガガガッ》
狼谷がまともに戦っても勝ち目が無いと言うのと同時に巨大な蜈蚣もまた動き始め、周囲の通路を突き破り、通路の先にある岩盤や岩石をも容易く砕きながら縦横無尽に動き回る……
巨大蜈蚣には敵味方の区別が無いのか、理性や知性と言うものを備えていないのか、破壊した通路や部屋の先にいた鴉や、中川が捕らえた蜻蛉を捕獲網ごとバラバラに破壊していく。
>>570
水鴉
「…………!!?
おいおいおいおい……アイツ……こんなところでこんなもんを出すなよ……!!」
《ガラガラガラガラガラ……》
紀を溺死させるようとしていた水鴉の近く轟音と共に巨大蜈蚣の尾が現れ、咄嗟に避けた水鴉の背後にあった中川が作った壁を一撃で叩き割り破壊してしまう……
蟲鴉が残した巨大な蝗が鉄球の残骸もろとも一瞬にして叩き潰され、蜈蚣に反撃しようと、四匹の鉄喰い蟲が巨大蜈蚣の無数の脚に噛み付くものの、傷一つ付けることが出来ずに踏み潰される。
敵味方関係なしで暴れ回る巨大蜈蚣は水鴉にとってもあまり有難い存在では無く、明らかに苛立ちを感じている。
桜空「・・・・・さっきまでと違って、随分気前がいいじゃないか・・・・・」
(右腕の鉄甲を受け取ると、随分気前がいいと言いながら装着する・・・・・
桜空自身も、戦っている時から薄々感じていた、今目の前にいる男は、どことなく狼谷と似ている部分があると・・・・・
そして、相手がまだまだ余裕そうなのを見ると、自分としては全力を出したつもりだったのだが、やはり相手の方がまだまだ実力は上だと思い知らされ、最初からやはり勝てるはずはなかったのだということを悟る・・・・・)
>>579
>>580
(クソ、やっぱこんなのじゃ蚊ほども効かねえか……)
虚しく弾かれた大量のナイフを観察し、力量差を推し測る。
「OK旦那、たった今それを痛感したとこだ」
一時撤退を促す旨の返答を聞き、なるほどと納得する。
『武装勢力を丸ごと殲滅する』『切り札』
具体的な戦闘力と立ち位置がわかっただけでも儲けものだ。この場合、これ以上強力な蟲は出てこない、どころかそもそも存在しない。そしてこちらへの対抗手段も尽きた。加えて、こちらとしてはひたすら逃げに徹すればいい戦闘力であることが判明した。
(よぉーし、方針は明確化した。あとは)
行動に移すのみ。
先ずは蜈蚣からの攻撃を回避、及び発電室への侵入を優先。蜈蚣の排除はほぼ不可能、攻撃はせず消耗を避ける。
「もう1つ」
虫の男を忘れてはならない。今彼は気を失い完全に無防備な状態にある。今後蜈蚣に悩まされない為にも、ここで始末しておくべきだ。
パチンコ玉の指弾で再び頭部を狙う。動作やリソースが極めて小さく済むこの技なら、蜈蚣の攻撃を掻い潜りながらでも十分使う余裕がある。
>>582(桜空)
素鴉
「軽口を言えるだけの余裕があるんなら心配はいらないな?
ほら、俺の気が変わる前に行け。」
素鴉は桜空からの渾身の一撃を受けた額を擦りながら、まだ軽口を言えるだけの余裕があることを確認すると、自分の気が変わる前に進めと応える。
桜空「言われなくても、そうするさ・・・・・」
(そう言うと、そのまま立ち去ろうとするが、一度振り返って「・・・・・サンキューな」と言うと、今度は小走りで去ってゆく・・・・・
さっきの大きな揺れからして、かなり大規模な戦いが繰り広げられているのは間違いないだろうと判断し、加勢しようと考えている・・・・・)
>>584
>>583
《ガッ》
不殺を信条とするfirstの理念や、発電室に入るまでの隙を捨ててまで蟲鴉に向けて撃ち込んだパチンコ玉だったものの、部屋を埋め尽くすような巨体である上に、不規則に蠢いている巨大蜈蚣の体に阻まれ、撃ち出されたパチンコ玉は最初と同様に重厚な外骨格に激突し、砕け散ってしまう。
巨大蜈蚣
『ギイィィィィィィィ…!!!』
更に悪い事に、術者である蟲鴉へ攻撃したと言うことを察知した巨大蜈蚣は攻撃を放った中川に狙いを定め、通常の蜈蚣には無い、無数の剣のような牙がズラリと環状に並んだ口と、建物を容易く倒壊させる強靭な顎を持って中川を呑み込み、噛み砕こうと襲い掛かる……
桜空「得体の知れねぇ音がする・・・・・こっちか・・・・・!」
(桜空は戦いの音が段々と近づいてくるのを感じると、急いで戦場へと向かう・・・・・
そして、巨大な蜈蚣の姿が見えると、あまりにも衝撃的かつ気持ちの悪い光景に、思わず足が止まってしまう・・・・・
が、中川の危機に気がつくと、一か八か自分を能力で蜈蚣の顔まで移動させ、ドゴッとパンチをおみまいする・・・・・
どうやら、ここなら能力は使えるようだと知ると、桜空はこの怪物をどう倒すか頭をフル回転させ始める・・・・・)
>>586
【東京/HASEBAモール前】
午前9時39分
犀賀は車をこのショッピングモールの駐車場に止めた、そして助手席に置いてあるリュックサックを背負い、ショッピングモールの中へ入った。
午前10時43分
犀賀はゲームセンターで「首領蜂」のゲームで遊んでいた、ラスボスを倒し2周目を攻略したばかりだった、しかし犀賀の目的はこれではない、彼がこのショッピングモールに来たのは自身の思想に反する「民主主義者」である政治活動家「槇原清二(まきはらせいじ)」を消しに来たのだ、槇原はこのショッピングモールで演説運動を行うと云っていた、それを切り目に犀賀は彼の暗殺計画を立てたのだ。
犀賀は防犯カメラの死角を見計らってスタッフルームに侵入した、堂々と入ったがこれは愚かな行為ではない、計画のひとつなのだ。
「ちょっと、お客さんここは立ち入りき...」スタッフの女が注意してきたがお構いなし、犀賀は思いっ切り鳩尾に拳を入れて気絶させてリュックサックに入っていたガムテープとロープで彼女を縛った。
「もう終わりか」犀賀は女を倉庫の中に入れた。
>>586
「っと、いっけねえ! また大将にどやされるとこだったぜ」
はっと我に返り、自省する。不殺を掲げるFirstにおいてこんな行為はご法度だ。
隆次は思想面であの氷華と通ずる部分もあり、度々殺人を犯しかけては桜空に大目玉を食らっている。
「お叱りから助けてくれてありがとよ、デカブツ」
皮肉混じりの感謝を述べ、再び逃走に戻る。
(けど、ホントにいいのか大将? ああいう奴まで助けるなんてのは、信念じゃなくて無節操だぜ)
胸中に靄(もや)を残しながらも、動きに淀みはない。
目の前の空間に、斜め向きのジャンプ台を形成。先程以上に大型で強力なものだ。そして迷うことなくドロップキックの要領で踏み込み、飛び上がった。
発電室までの距離が一瞬で縮んでいく。
攻撃を一切考慮せず撤退だけに注力したからこそ出来たことだ。
(この状況、存外悪くないかもしれないな……少なくとも、今は旦那達が攻められる心配はない)
まだ隆次は、桜空本人が近くにいることに気付いていない……
>>590
《ドゴオォォォォォォォォォォォッ》
巨大ムカデは中川の生成したジャンプ台も破壊し、乗用車並みの速度で通路を埋め突くするような巨体を蠢かせて迫り続ける……
巨大ムカデが行うのは突進し、進行方向にある全てを破壊する事。
単純だが、圧倒的な巨体を誇る巨大ムカデがそれをやれば、左右や上空へ逃れる事が出来ず、先に進み続ける事しか出来ない、災厄そのものとなる。
ムカデの攻撃の矛先は中川一人であるのだが、少し動くだけで通路が崩壊し、触れるモノを全て叩き潰している事から周囲へもその被害が及んでしまっている。
更に……発電室の入口は合金で中川の異能の対象外である人工の特殊合金で出来ており、ロックされてしまっている事からこれ以上逃げるのは困難だろう……
>>桜空
桜空が素鴉から受け取った鉄甲は異能による影響や干渉を打ち消すモノであり、これを使えば異能で形成された巨大ムカデにもダメージを与えられるかもしれない。
だが、ただ殴っただけではそのダメージも微々たるものであり、失敗すれば動く破壊兵器である巨大ムカデの逆鱗に触れ、全員まとめて圧し潰されてしまうだろう……
大きすぎる反撃のリスクを取って挑むか……
中川達を見捨てて逃げる事を選ぶか……
どちらの道を選んだとしても、相応のリスクを背負うことになってしまうだろう。
桜空《いいか?中川・・・・・どんな奴でも命は命だ、〇してはい終わりってやってたら、ただの悪人と何ら変わらねぇ・・・・・》
(中川の脳裏に、桜空のかつての忠告がよぎる・・・・・
桜空はどんな命も平等に扱う、だからこそ蚊やハエなどを潰している場面も見ないし、肉を食べる場面においては合掌をした後に合掌とは別にいただきますをするなど、どんな命であっても平等に扱うし、命への弔いの気持ちはいつでも忘れない・・・・・)
>>590
桜空「・・・・・」
(桜空は迷った、仲間達を置いて逃げる、などという選択は最初から無い、だがこの巨大蜈蚣を相手に戦うということは、どんな戦い方であってもどの道仲間を巻き込んでしまうことへと繋がり、最悪の場合死者が出る・・・・・
・・・・・が、何も出来ずに仲間を殺されるくらいなら、やるだけのことはやってから、自分も含め全滅の方がまだ後味は悪くない、そう考えた桜空は・・・・・)
桜空「おらおらどうした化け物ぉ!!!!!てめぇの相手はこっちだぁっ!!!!!」
ドゴッ!!!!!
(巨大蜈蚣の体に、渾身の一撃を入れる・・・・・)
>>592
>>593
巨大ムカデ
『ギギギギギ……ギギギギィッ……!!!』
《ドゴオォォォォォォォォォォォッ》
あまりにも巨大で、動く竜巻のようなムカデに対しても怯むこと無く繰り出された拳はムカデのぶ厚い外骨格に大きなクレーターを作り、外骨格の至るところに亀裂が生じ、その巨体が大きく吹き飛び、コンクリートの壁を破壊して外の岩盤に半身が埋まる。
桜空が素鴉から貰った鉄甲による対異能の効果により、桜空の渾身の一撃が何倍にも威力が増大され、ダメージを与える事が出来た。
しかし、大きなダメージを与えることに成功したものの、その巨体が持つ体力、生命力、再生力はかなりのものであり、破壊された外骨格が早くも再生し始めてしまう……
攻撃を畳み掛けるならチャンスは今しかない。
複数の箇所を同時に攻撃できるような技や力があれば、このままトドメを刺すことも可能だろう。
>>591、593、594
(悪人と同じになる、か)
その程度で済むなら喜んで殺そう。
悪人を懲らしめてはい終わりってやってたら、犯罪行為の再発を誘発してしまう。信じる信じないの問題ではない。再発の可能性が残っているという点が重要なのだ。どれほどきつく言い聞かせても、またやる奴はやるのだ。その時被害を被った人達にどう弁明するつもりなのか。
世の中は桜空一人が生きているわけではない。彼一人自己満足に浸ったところで、悪人による被害がなくなることはないのだ。
(悪人を見つけ次第ぜ〜んぶ警察に突き出すか、大将自身が再発時の被害全てを賠償してくれるんなら話は別だけどな)
そこまで突き抜けた覚悟を示せるならば、彼の言葉に従い己の行動を本気で鑑みてもいい。
「おおっと! あんま感傷に浸ってる場合でもねえな! てか本人いた!」
眼前には堅牢極まりない扉。能力で操作しようとしても1mmも動かせない。後方には蜈蚣怪獣。その外骨格はこちらの攻撃では傷一つつけられない。
万事休すか。
「!?」
その時だった。なんと桜空が拳打で蜈蚣を損傷させたのだ。
「た、大将……あんたいつの間にそんな戦闘民族みたいになっちゃったの……」
あまりの事態に、ロクなリアクションがとれない。
「っと、再生能力持ちかよ」
目ざとく蜈蚣の様子に気付く。無惨に砕かれた外骨格だが、既に治癒が始まっている。
「気になることはあるが、今はこいつをぶちのめすのが先決だな」
傷口の箇所に駆け寄り、掌に砂利を握り締める。
「っ……でりゃああああ!!!」
そして流れるような動きのピッチングフォームで、砂利を投げ付けた。
無論ただ投げたわけではない。指弾の時と同じように、能力で砂利の一つ一つを加速させ、ショットガンと同等の威力と範囲を持たせた。
桜空「こまけぇ話は後だ!!!!!一気に畳み掛けんぞ!!!!!」
ドゴッ!!!!!ボゴッ!!!!!
(桜空は中川に細かい話は後にして今は目の前の敵への総攻撃に集中するように忠告する・・・・・
中川が攻撃をするのとほぼ同じタイミングで、桜空も先程同様に渾身の一撃を二発入れる・・・・・
一回の攻撃であそこまでダメージを与えることが出来たのならば、二回の攻撃と中川の攻撃を同時に受けたのなら、かなり追い詰めることが出来るはずだ・・・・・)
>>594、595
>>595
>>596
巨大ムカデ
『ギィィィィィィィィィィィィィッ!!!!』
中川の放ったショットガンと同等の威力の砂利と、桜空からの連撃を外骨格の亀裂や破損箇所に直撃した事で巨大ムカデが深刻なダメージを受けていく……
そんな中で巨大ムカデは顎をガチガチと鳴らしながら、二人を道連れにしようとするかのように無差別にのたうち回り、周囲の壁や床を破壊して暴れ回りながらも、その体は少しずつ塵となって崩れ始める。
水鴉
「嘘だろ……たった二人だけで……あの巨大蜈蜙を………!?」
武装組織を丸ごと殲滅出来るだけの力を持ったムカデが、中川と桜空の二人を前に追い込まれ、消滅し始めているのを見た水鴉は自分の戦闘力では勝つことが出来ないと悟り始める。
>>589
そして犀賀はスタッフルームで犯行用の服に着替えた、紺色の作業服に般若の面という奇抜な姿だ。
しかしこれは彼の美学(?)なのだ、犀賀は事前に確保したルートで暗殺計画を開始した。
桜空「・・・・・」
(桜空は、消滅してゆく巨大蜈蚣を見ると、目を閉じて合掌する・・・・・
かつて、大切な人から教わった、命の大切さ・・・・・
例えそれがどんなおぞましい化け物であろうと、一つの命に変わりはない、桜空はどこまでも優しい考え方の悪人だった・・・・・)
桜空「・・・・・さて、どうしたものか・・・・・
(しばらくして、近くにいた水鴉を見ては、巨大蜈蚣との死闘が終わったばかりなのに、もしかしてまだ戦わなければならないのだろうかという、疲労困憊の表情で上記を呟く・・・・・
「お前も八咫烏のメンバーなんだろ?」)
>>597
>>599
>>中川
《ガラガラガラガラガラガラ……》
水鴉
「嘘だろ………と、とにかく此処は逃げるしかない………!!!」
少しずつ体が崩れ、消滅しながらも暴れ回る巨大ムカデによって通路や広間が崩れ始め、大小様々な瓦礫や砂利が落ちて来る……
蟲鴉は意識を失ったまま、落ちて来る瓦礫の山に押し潰されて絶命し、水鴉は溺死させ始めてから既に五分以上が経過した紀を放り出し、体を水に変えて瓦礫の隙間を潜り抜け、何処かへと去っていく……
この場に留まれば三人とも生き埋めになってしまうだろう。