物語の舞台は現代日本
1万人に1人の割合で異能力者が生まれる世界
ある者は正義のために異能を使い
ある者は私欲のために異能を使う
異なる二つの信念が交錯する時、善悪をも超えた死闘が始まる
冷酷なまでに正義のために日夜犯罪者の粛清を繰り返す
日本の極秘特殊機関"八咫烏"と日本中の犯罪者達の死闘を描いた物語
>>2 ハウスルールと募集枠について
>>3 八咫烏について
>>4 キャラシートの作成例
>>5以降から募集開始&本編開始となります!
悠矢「ほぉー・・・・・それじゃあ、この一件で手柄を上げたら御褒美として見せてもらおうかなぁ〜♪」
(氷華のことだから、タダでは見せてくれはしないだろうと予め予想していた悠矢は、この一件で手柄を上げれば御褒美として見せてもらいたいと、悪知恵を働かせる・・・・・
ただのプライベートの写真にしては守りが頑丈なのが逆に気になったようだ)
>>100
氷華
「八咫烏は実力だけを重視する。
相応の結果を出すのならそれに見合う報酬を与える。
その報酬がこれであると言うのならそれも認める。」
氷華は冷たい笑みを浮かべたまま、淡々とした口調で作業的に言葉を返すすが、緋染を避けているからではなく、氷華は基本的には感情の起伏を感じられない口調で話すことが多く、不知火に対するような私情を感じられるような発言は極めて稀だと言える。
【襲撃】
氷華
「不本意だけど、Firstの首魁の情報もあった以上、万全を期すためにも今回は貴方達の力も借りさせてもらう。」
氷華達のいる屋上にて、ビル内へ通じる扉が開かれ、その中から四人の黒衣の男達が現れ、その気配を感じ取った氷華は呟く。
氷華にとっても、任務の成功と引き換えに多大な犠牲や建物の損壊をもたらし、正義の執行よりも己の享楽のみを優先する彼らの力を借りる事は不本意なのだが、Firstの首魁をこの場で確実に仕留めるためには十二鴉である彼らの力が必要だと考えている。
毒鴉
「俺達の力を借りるって事はどれだけ暴れてもいいって事だよなァ!」
先陣を切るように先に現れたのは紫色の刃身を持ち、鍔の無い刀を右手に持ち、左手には斬首された男の頭を手にし、大きく開かれたジャケットの下にある胸筋や顔には斬首した際の返り血が付着したオールバックの男。
彼が手にした頭は罪人のものか無実の民のモノなのかはわからないが、苦痛と恐怖に歪んだその顔は壮絶な末路を辿った事がわかる。
水鴉
「ヒヒヒ……海まで少し距離があるが大量に水死体が出来るかもしれないねぇ……?」
能力による影響からか、膝まで伸びた髪や、黒いコートは酷い湿気を纏っており、無造作に伸ばされた髪の下では下品な笑みを浮かべた男が囁くように言う。
彼は両腕と舌をだらりと垂らしており、その雰囲気は明らかに人間のものとは思えないほど陰湿なものとなっている。
蟲鴉
「あァ……ブンブンブンブンと小五月蝿い羽音がする……静めないと……静めないと……」
自分の顔をガリガリと掻きむしり、ブツブツと聞こえもしない羽音に対する苛立ちを呪い言葉のように呟くタンクトップに丸刈りの男。
彼は目の重点がまるで合っておらず、筋肉質で大柄なその体格と、薬物中毒者のような言動は明らかに正気の人間のものとは思えない。
潜鴉
「全員生き埋めだ、生き埋め。
生き埋めはいい……ただの窒息じゃ駄目だ。
目や鼻や口から土や砂が入り苦しむ呻き声は最高だ。今回も沢山の苦痛の呻きを聞かせてもらおう……」
その顔や髪を覆い隠す黒いフードの下ではブツブツと自分の異能を用いた殺害方法……"生き埋め"の良さについて呟きながら、氷華に対して感謝の意すら持っている。
正常ならざる世界……殺し殺されの世界に八咫烏に入る前に過ごしてきた期間よりも長い20年以上も生きてきた彼らにとって、殺戮こそが唯一の生き甲斐であり、そのために正義を利用している者が非常に多くなってしまっており、彼らは不知火や雛宮のようにまともな思考回路は持ち合わせていない、純然たる悪意と殺意の塊となっている……
氷華
「貴方達の能力も暗殺や諜報に長けているから貴方達も取引現場に向かってもいい。始末の方法も貴方達に任せる。」
八咫烏……実力や成果を重視し、その昇格の条件も他者の殺害数が重視された結果、正気な者は極端に少なくなってしまっている。
大抵の者や、精神が強くない者はその多くが何処かしらで精神に異常をきたして狂死するため、彼らのように根から異常な精神を持った者ばかりになってしまっている。
異能の強さや殺戮能力の優劣だけで階級を定めてしまった八咫烏と言う組織における弊害とも言えるのだが、氷華は正義のためには手段を選ばない。悪を潰すために悪を利用する事さえも厭わない……
四人の外道鴉
「……了解。」
四人の外道達は氷華の出撃命令を受けると、即座に四散し、それぞれの持つ殺戮衝動を満たすために廃工場に向かって行く。
悠矢「お、マジ?んじゃまぁちょっくら頑張っちゃおうかなぁ〜♪」
(ちょっと本気を出せば相手が誰であろうと、自分の能力ですぐにでも〇すことができる・・・・・
なので今回の任務もそこまで難しくもないだろうと思いながら、報酬に対する氷華の承諾を得ると、途端に張り切り始める・・・・・
彼氏の写真が入っている、とでも思っているのだろうか・・・・・)
>>102
桜空「それじゃあ、取引も無事成功したし、俺はこれで失礼させてもらう」
(アタッシュケースの持ち手部分を持ち、その場を去ろうとしたその時・・・・・)
取り引き相手「今帰るのは別にいいが、お前、死ぬぞ?厄介な客を連れてきたみたいだからな・・・・・」
(どうやら取り引き相手は、氷華たちが身を潜めていることに気づいていたらしく、このまま帰ろうとすれば死ぬぞと桜空に忠告をする・・・・・
「出てこいよ、臆病な鴉共・・・・・」
取り引き相手は、余裕を見せつける・・・・・)
>>all様
>>104
潜鴉
「ヒヒヒ……!」
《ズッ》
取引相手の背面にある壁の中から両手からナイフを持った潜鴉がヌルりと現れ、両手に持ったナイフを相手の首筋に突き刺して首を掻き切ろうと背後からの不意討ちを仕掛けようとする。
潜鴉が潜り込めるのは地面だけじゃない。
いかに堅牢な防御壁だろうと、核にも耐えられるシェルターの中だろうと、異能によって生成された障壁でさえも彼の前では意味を成さない……これまでに数多くの犯罪者達や殺人鬼達がこの奇襲に対応することが出来ずに仕留められて来た……
ガキィン・・・・・!
取り引き相手「おいおいどうした?それで終わりか?」
(潜鴉の突然の襲撃に為す術なくナイフの餌食になる・・・・・と、思われたが、取り引き相手の首筋は見た目の変化はないものの、鋼鉄のように硬く強固になっており、とてもナイフでは切りつけられないほどに頑丈になっている・・・・・
取り引き相手も能力持ちで、肝心の能力は硬化、といったところだろうか・・・・・)
>>105
潜鴉
「…………!!」
首筋が硬化した事でナイフの刃が通らずに防がれるとそれに驚きながらもそのまま地中へ潜って姿を消そうとする……潜鴉は自由に地中や壁内を通り抜けて潜んだり逃げることで何時でも不意討ちや奇襲を仕掛けられるようになっており、一度姿を見失えば再び見つけ出すのは至難の技と言えるだろう。
《バシャッ》
更に外道鴉達が狙っているのは取引相手だけに留まらず、桜空の足元にある地中から突如として水が溢れだすようにして現れ、足元から不意討ちをするように水の一部が鋭利な刃物のように変化し、桜空の体を取り囲み引き裂こうとする。
その様子はまるで水で出来たハエトリグサが獲物を補食するような動きに似ている。
桜空「くっ・・・・・!?」
(桜空は能力で自分自身を移動させることでなんとか攻撃を避けることに成功するが、能力が言わば逃げることに特化しているとも言える能力だからか、戦闘能力が高い外道鴉達相手に戦うにはかなりの苦戦を強いられることとなる・・・・・
しかも、移動しても次どこから攻撃が来るかどうかはわからないからか、いつ攻撃を受けてしまってもおかしくはない・・・・・)
悠矢「さぁーて、それじゃあ俺も参戦しちゃおっかなぁ!」
ダッ・・・・・!
(悠矢は猛スピードでは知り始めると、そのまま桜空へめがけて一直線に接近し、血流を操作して物言わぬ亡骸に変えようと猛威を振るい始める・・・・・
何をしてくるかわからない外道鴉達と、テンションが上がっている悠矢という、正に絶体絶命な状況に陥っている・・・・・)
>>107
>>108
水鴉
「ヒヒヒ……獲物の横取りはいけないなぁ……いけないいけない。」
水鴉は自分の獲物であると見なしていた桜空に対して悠矢が攻撃を仕掛けようとしているのを察知すると、実体を失い不定形なスライムのようになった体の表面に薄気味悪い笑みを浮かべた水鴉本体の顔が浮かび上がり、悠矢に対して桜空は自分の獲物だと言う。
潜鴉
「地の底には地獄がある。お前も地獄へ招待してやる……」
取引相手の前から姿を消した次の瞬間、相手の足元から潜鴉の両手が突き出し、相手の足首を掴んで地中へ引きずり込もうとする。どれだけ肉体が頑丈でも地中深くへ生き埋めにされてしまえば呼吸することが出来なくなり窒息死してしまう……
潜鴉の異能が適応されるのはあくまでも潜鴉本体だけであるため、直接触れていても相手には地中活動の異能は適応されず、一度引きずり込まれてしまえば後は死体すら残さず地中深くで命尽きる事になってしまうだろう。
異能無しに対しては先程の不意討ちを、
身体強化系の異能者に対してはこの生き埋めを、
この二つの殺害方法によって潜鴉は数多の罪人を葬り、十二鴉にまで登り詰める事が出来たと言っても過言ではない。
氷華
「正義は常に勝利する……
いや、勝利したものだけが正義を名乗れるからか。
敗北した正義は悪となり滅ぼされる。なら……私は誰にも敗れない、絶対正義の存在とならなければならない。」
水鴉と潜鴉は要人である桜空と取引相手の二人を仕留めることを選び、蟲鴉と毒鴉は他の取引現場にいる構成員の殺戮する事を選び、それぞれが廃工場を凄惨な地獄へと変えて行っている中、ビルの屋上で両腕を組んだ氷華は静かにその光景を見ながら小さく呟く。
先に向かわせた雛宮が取引現場にある物を把握し、合図を送るための隙を作り、行動しやすくなるために外道四鴉も向かわせたのだが、自分達が向かうまでもなく、外道四鴉だけで制圧することが出来るのならそれでも構わないと思っている。
悠矢「なぁら半分こにでもするかい?こちとら報酬がかかってんだよねぇ・・・・・♪」
(半分こ、というのは、獲物を二つに切り裂くという意味か、それとも左右、もしくは上下で攻撃する箇所を分けるという意味か・・・・・
いずれにしても正義の名のもとに活動する者の発言とは思えないが、それは水鴉も同じだろう・・・・・)
桜空「かかってこいよ雑魚ども!てめぇらなんか怖かねぇよ!!!!!」
グォッ・・・・・!
(桜空は自分の能力さえあれば、この場から取り引き相手と一緒に捕まることもなく逃亡できると確信している・・・・・
今までだって、裏の世界で生きる立場上、幾度と危機にさらされてきた・・・・・
もっとも、今ほどの危機は経験しては来なかったが・・・・・)
取り引き相手「ほう・・・・・地獄か、見たこともねぇ奴がよくもまぁ軽く言ってくれるもんだ」
(取り引き相手は特に抵抗することもなく、地中に引きずり込まれてゆく・・・・・
普通に考えればこのままだと窒息死する未来しかないが、チップそのものを死守する為に死を潔く受け入れるという最終手段か、それとも・・・・・)
>>109
水鴉
「それは無理な話だなぁ……」
《キュオッ》
スライム状のブヨブヨした赤黒い塊となり、その表面に浮かぶ水鴉の口が開き、その口内から体内の水分を凝縮させ、強烈な水圧によって鉄板をも貫ける威力の水圧によるレーザーを放ち、緋染の頭を撃ち抜こうとする。
また、緋染に向けて水圧レーザーを放った後、間髪を入れずに即座に桜空の頭部目掛けて水圧レーザーを同じように撃ち出す事で二人まとめて始末しようとする。
潜鴉
「ククク………」
取引相手を引きずり込む事に成功すると、潜鴉は不敵な笑い声を出しながら地中深くに向けて相手もろとも沈み込み始める。
例え手で顔を覆ったとしても手の隙間から目や鼻、口を通じて大量の土や砂が入り込んで窒息してしまう事になる上に地中深くに沈めば沈むほどに周囲からの圧力によって身動き一つ取れなくなってしまうだろう。
悠矢「おぉっと、危ない危ない♪」
(緋染はこんなの余裕だと言わんばかりに、簡単に頭を傾けて攻撃を避けると「これだから欲張りは困っちゃうなぁ?」と、ニヤニヤしながら桜空の方へと視線を移す・・・・・
どうやら、依然として獲物を譲る気は無いようだ・・・・・)
ザシュッ・・・・・!
桜空「いっ・・・・・!?」
(水圧のレーザーが腕をかすめると、かすめたところから血が流れ出る・・・・・
こんなの、かすめただけでもこれだけ痛い上に殺傷能力も高いのに、まともに受けてしまえば命なんていくつあったって足りない・・・・・)
取り引き相手《さて、そろそろ本領発揮といくか・・・・・》
ドゴォッ!!!!!ガゴッ!!!!!ボゴッ!!!!!
(取り引き相手は、地中に引きずり込まれるもそのまま脆い土の壁でも崩してゆくかのように、穴を掘るモグラのように、簡単に地中を掘り進んでゆく・・・・・
それこそ、潜鴉に掴まれていても、お構い無しの威力とスピードで掘り進んでゆく・・・・・)
>>111
>>112
水鴉
「ちょこまかと逃げるなぁぁぁぁぁ?」
《ボコボコボコボコボコッ》
水鴉の体である巨大なスライム状の体の一部がボコボコと泡立ちながら巨大な腕として形成されると、それを桜空目掛けて振り下ろす事で彼を捉え、口内や耳等の身体中の穴を介して体内に侵入して即座に絶命させようとする……
水鴉の体はその大半が水分となっており、下手に攻撃してしまえば上記のように水の浸透性を利用して体内へ侵入され、海や川のなかでもない、陸上でありながら溺死するようにして肉体の内部から破壊されてしまうだろう。
だが、水鴉の体の大半が水分と同質のものとなっていると言うことはつまり、水が持つ弱点もそのまま受け継いでいる事になっていると思われる。
潜鴉
「……ククッ、なるほどお前の異能はさしずめ身体強化だな?
だが……何時まで持ちこたえられるかなぁ?」
潜鴉は相手の足を掴んだままではあるものの、地中30m程まで潜ったところで潜水を止める。だがこれは決して攻撃の手が止まったからではなく、潜鴉の異能による潜土の効果が切れた
土を掻き出そうにも、土を逃がす場所が無く、それどころか掻き出した土が上から雨のように降り積もる事になるため、結局のところ幾ら土を掻き出そうにも無意味なものへ変えようとする。
永遠に展開し続けられる異能は無い、人間には体力や寿命があるように、異能を行使し続ければやがては限界を迎える……潜鴉の狙いはそこであり、潜鴉自身は自分の周囲だけに異能の範囲を限定することでこれ以上潜れなくなる代わりに異能による消耗を最低限のものへと切り替え、長期戦に備える。
十二鴉は八咫烏における主要戦力とも呼べる実力者集団であり、その全員が一筋縄にはいかない猛者だ。自分の異能の性質と限界を知り、それに合わせて最適なものへと戦法を切り替える事で相手を仕留めようとする……
桜空「くっそ・・・・・!しつこい奴め・・・・・!」
(桜空は能力で逃げ惑う中、打開策を考え始める・・・・・
こうも追い詰められた状態では、アジトへの移動の余裕すらない・・・・・
捕まったらすべて終わりだ、そんな緊張がより一層焦りを募らせる・・・・・)
取り引き相手「おぉらぁっ!!!!!」
ゴッ!!!!!
(体力的にまだ余裕で能力が使える内に、全力を出し始める・・・・・
地中全体に亀裂が入り、そのまま地面が避け始め、巨大な洞窟のように穴が空き脱出に成功する・・・・・
まだまだ取り引き相手は余裕を見せている・・・・・)
>>113
桜空「ほら!こっちだこっち!どうしたうすのろ!」
(どこまでも命知らずなのか、それとも自分の能力への過信か、桜空は水鴉を挑発し始める・・・・・
確かに、空間移動系の能力は便利な上に戦闘の面では逃げに特化している能力でもある・・・・・
だが、遠くへの移動に関しては多少の時間が必要であり、それこそ水鴉が有利に立てるのは事実である・・・・・)
>>113
潜鴉
「地獄からは逃げられない……」
両足を掴んだまま取引相手……隅影が土を掻き出す限界を迎えるまで地面に潜り、引きずり込み続ける……相手がどれだけもがこうと地下は何処までも深い……現状のままでは体力と異能が限界を迎え、限界を迎えた途端に上から大量の土が振りかかり、瞬く間に生き埋めにされてしまうだろう。
水鴉
「ヒヒヒ……その手には乗らねぇぜ……?」
水鴉が直接触れて操ることが出来る水の範囲は限られているが、水圧のレーザーであれば操作範囲を外れて霧散する前に相手の体を撃ち抜くことが出来る。
それを利用する事で遠隔でも相手を仕留めようと、再び水鴉は大きく口を開けてその口内から次々と水圧レーザーを放ち、桜空への追撃を仕掛けていく。
隅影《2分半経過、か・・・・・厄介だな・・・・・》
(能力を最大限使用できるタイムリミットは刻一刻と迫ってきている・・・・・
臆病な鴉共だと見下していたが、どうやらただの臆病者でもなさそうだ・・・・・
このままではこちらが不利になる・・・・・)
ザシュッ!
ズッ・・・・・!
桜空「くそがぁっ・・・・・!!!!!」
(悪魔の水圧レーザーが、桜空の右腕を貫通する・・・・・
心臓などの急所ではないものの、激痛は動きを鈍らせる・・・・・
一旦、避難した方がいいかと判断し、屋上へと移動する・・・・・
そこにもう一人、高みの見物をしている親鳥がいると知らずに・・・・・)
ドサッ・・・・・
桜空「はぁっ・・・・・!はぁっ・・・・・!」
(屋上に移動するなり、膝から崩れ、片腕を抑える・・・・・
そして、視線を感じる方向へと振り向くと、そこにいる白髪、そして冷たい眼をした黒服の少女と目が合う・・・・・
直感が警鐘を鳴らす、コイツは敵だと・・・・・)
>>116
>>桜空
氷華
「……どうやら雛鳥が一匹迷い込んだようね。」
氷華は自分が傍観していたビルの屋上にまで移動し、姿を露にしたのを見て、両腕を組み、月明かりに照らされた青みのかかった白銀の髪を夜風に靡かせ、氷のように冷たい微笑を浮かべながら桜空と対峙する……
氷華と対峙すると、氷華からはその場の空間そのものを凍てつかせるような冷たいオーラを放っており、その冷たいオーラから、水鴉を含め、これまで桜空が対峙してきたどの敵よりも強大かつ底知れない力が感じ取れる。
>>隅影
潜鴉
「もがくのはやめろ、どの道もうお前は助からない。
どうしても諦めが付かないと言うのなら、付くようにしてやろうか?」
潜鴉は左手で隅影の右足首を掴んだまま、右手にナイフを持ち、そのナイフを突き上げる事で隅影の左足を切り裂こうとする……
このナイフによる攻撃は相手の消耗を激しくするための陽動であり、硬化するなり回避されるなりして対処されるだろう。だがこの限られた空間、避けようにも満足に移動できるだけの広さが無い穴の中で足元を硬化してしまえば、土の積層を防ぐ他に、身体の硬化にも注意と力を割かなければなくなる事から気力的にも体力的にも追い討ちをかけようとしている。
だが、潜鴉自身は先程からずっと相手を掴んでいる事から、土や地面と同化したり、一体化する事は出来ず、あくまでも潜鴉自身は生身の状態となっている。
桜空「・・・・・てめぇ、が・・・・・はぁ・・・・・はぁ・・・・・ボスか・・・・・驚いたぜ・・・・・俺とそんな歳も離れていないような女じゃねぇか・・・・・」
(息を切らしながら、襲撃してきた奴らのボスがまさか自分とそんなに歳も離れていないような女子だったということが意外だったのか、驚いたと言葉を漏らす・・・・・
正直、手負いの状態じゃないとしても、勝てる気がしない・・・・・)
隅影「言ってくれるじゃねえか、助からないかどうか、試してみるか?」
(能力がデメリットなしで使用できるタイムリミットの終焉が迫る中、相手の言葉に対して試してみるかと返す・・・・・
正直、こんなところでこんな奴にやられて終わるくらいならまだ自ら命を絶つとさえ、隅影は思っていた・・・・・
だが、そう簡単に一筋縄ではいかないのが隅影という男だ・・・・・)
>>119
( / とても楽しそうなスレだなとこっそり覗いておりました … ♡ 八咫烏 十二鴉で参加希望です )
>>120
氷華
「……そう言う貴方はFirstの指導者でしょう?
日本国の平和のため……悪の居ない世界の糧となって頂戴。」
ふと、彼と相対した事で懐かしいような不思議な感覚を覚えるものの、敵は敵。排除すべき悪である事に変わりはないため、直ぐに戦闘体勢に入り、両腕を組んだままではあるものの、自分の右隣に小さな氷塊を一つ形成し、そこから鋭い針のような小さな氷柱を桜空の眉間目掛けて撃ち込もうとする。
《ドスッ》
潜鴉の突き出したナイフが、回避する素振りも硬化する様子も一切見せなかった隅影の左足に突き刺さってしまう……これ単体では痛みで動きが鈍ったり、俊敏性が削られてしまうだけで、致命傷には至らないものの、少しでも動きが鈍ればなし崩し的にも振りかかる土砂が積層し、生き埋めになる瞬間が近付いてしまう……
>>121
【ありがとうございます!
勿論いいですよ!】
桜空「嫌だね・・・・・」
スッ・・・・・
(桜空は、相手が狙ってきた一とは別の位置に移動し、攻撃を回避する・・・・・
「お前にも貫く正義があるなら、俺だって同じだ・・・・・お前らにとっての悪は、こうすることでしか生きていけない正義のなり損ないなんだよ・・・・・」と、自分の考えをぶつける・・・・・)
隅影「・・・・・っ、てめぇ、やりやがったな?」
(怒りと痛みが合わさってか、隅影の表情は不気味な笑みへと変貌する・・・・・
恐らく、プッツンする寸前か、もしくはもう攻撃の準備段階へと入っているだろう・・・・・
「お前に地獄を見せてやる・・・・・」)
>>122
「 あらァ 、怪我人を放っておくなんてできないワ 。怖がらないで 、ワタシに全部見せてちょうだい 」
春夏冬 穂乃華 - Akinashi Honoka -
♀ / 20y / 八咫烏 十二鴉
性格 / 常時人のよさそうな笑みを浮かべている十二鴉のひとり。その眼差しは優しく、口から紡がれる言葉もまず肯定から入るなど穏やかで温厚篤実。気品漂う清楚なお嬢様、のように見えるけれど意外と子供っぽくちょっぴり変人。のんびりまったりと、ふらりと現れてはすぐ消える猫のような一面もある。
容姿 / 腰までスラリと伸びた群青の髪は金のインナーカラー有。触覚も毛先が金になるようグラデが。左は赤から金、右は金から赤と髪同様グラデがかかった不思議な瞳。目下のホクロは二つ横に並んでいる。
黒のスーツに身を包み、何となくで白衣を着用することもある。武器として鋸を使用しており、気分次第ではチェーンソーを振り回すことも。さらにスーツの上着にはメスや注射器が常備されている。身体能力は非常に高く、また体の柔軟性を生かした回避力も高い。
https://i.imgur.com/fNTj7Lw.png
能力 / 外傷内傷問わず、患部に手を翳すことで完璧に治癒できる能力。厳密には細胞を活性化させ、超再生を行い傷付いた箇所を急速に治していく。瀕死状態までであれば自分にも他の人にも効果を発揮する。
毒の分解は不可能なため対処出来ない。毒で傷付いた箇所の修復は可能。また、応用として、成長を促進させて対象を老化させることもできる。ただし、1分は対象に触れている必要あり。
備考 / 敵味方関係なく、怪我を負っていれば積極的に治癒をする戦場のナース。優しく笑みを浮かべて手を差し伸べるさまは正に救いの女神と言ったところか。救える命は必ず救う、隣人は愛せよの精神からの行動だが、組織的に悪の手助けは粛清対象になり得てしまうだろう。「でもねェ、ほら、一度助けると殆どの人はころっと信じちゃうのよォ、ワタシのコト。素直に情報を吐いてくれるんですもノ、やめられないワ」なーんてそれらしい理由をつけて見逃してもらっている。
拷問による情報収集の際は必ずと言っていいほど参加。相手の心が折れるまで瀕死状態にしては治療するということを繰り返し情報を吐かせている。
実際の戦闘でも攻撃してもすぐ治り意味が無いと相手の戦意を消失させたり、すぐ直せるからと捨て身で挑むことも。
( / >>121にて参加希望した者です 。キャラシート完成いたしました 。不備や萎えありましたらご指摘願います 。 )
氷華
「信念の貫くと言うのは構わない。けれど奪い、壊し、無垢の民を苦しめ、そうするしか生きられぬと言うのなら私は死をもって貴方達をその苦しみと悪徳から解放する、それだけよ。」
《シャッ》
飛ばした氷柱を回避されると、桜空の言葉に返すように、悪は悪、排除すべき害であり、無垢の民を苦しめなければ生きられぬと言うのならば粛清すると応える。
氷華もまた、理不尽な悪によって家族を奪われ、本来ならば目覚めること無く消えていくだけだった殺戮者としての才能を開花させてしまった……この才能も、強力な異能も、決して氷華自身が望んだものでは無かった……
だからこそ自分はこの殺戮者としての才覚と強力な異能を持って悪を根絶し、悪の存在しない世界を作り上げ、自分のように悪に人生を奪われる者がいなくなるようとしている。
端的に言えば"毒を以て毒を制す"と言うべきその思想を、自らの信念として語ると、移動した桜空に向けて振り向き様に右手の手刀を振るい、剃刀のような切れ味を持った氷の斬撃を飛ばして彼を切り裂こうとする……
潜鴉
「ククッ、強がるな……お前が地獄に行くのは既に確定しているんだ。」
出血で失神するのが先か、体力と異能が限界を迎えるのが先か……
もはや自分の勝利は確実なものであると確信した潜鴉は更に手にしたナイフを突き出して今度は隅影の右足を斬り付けようとする。
>>125
【キャラシありがとうございます!
再生に必要な時間や、発動限界等もお願いします!
例えば、日に五回までしか完全には回復させることが出来ないとか、回復させる際に体力を激しく消耗するとかですね。
それ以外には不備はありませんね!】
桜空「無垢の民を苦しめるだと・・・・・?」
グチャッ・・・・・!
(相手の言葉を聞くと、そのまま飛んできた斬撃をもろに肩に受けるも、怯むことなく
「ふざけるな!!!!!お前らはそうやって正義の味方面して、何も見えちゃいねぇ!!!!!奪う!?壊す!?お前らが気づいていないだけでお前らだってそれをしてるじゃねぇかよ!!!!!」と、怒りをぶつける・・・・・
きっと、過去に少年院送りにされた際に、自分を異常者だと冷たい視線を向けた世間のみならず、正義の味方と言いながら悪を排除するだけに徹底し、悪によって全てを奪われた自分のような被害者には見向きもせずに救ってくれなかった人間に対しても、憎悪の念が募っていったのだろう・・・・・
ドゴッ!
(桜空は、怒りで我を忘れ、相手の目の前まで移動すると、そのまま相手の腹部へめがけて拳による懇親の一撃を御見舞しようとする・・・・・
もし、他の仲間が今ここにいたとするなら、目を見開いて驚愕するだろう・・・・・
桜空は、滅多に我を忘れるほど怒り狂うことはないのだから・・・・・)
隅影「それはどうかな?」
バキキッ!!!!!
(隅影は、自身の体の強固さを利用し、地中を砕きながら相手の手を掴む・・・・・
そして、ナイフを掴んで握りつぶすと、次に相手の体をその強固な拳で殴り、更に拳の勢いで殴ったまま地中を掘り進むように砕いてゆく・・・・・)
>>126
>>128
《ガッ》
氷華
「……弁明も言訳もしない。貴方が私達を悪と蔑むのならばそれもまた私の背負う業。正義を示すためには千の屍が、悪を滅ぼすために万の屍が、平和な世界を築くために億の屍が必要だと言うのならば喜んで捧げましょう。
それで平和な世界に生まれる兆の命が争いも、悲しみも、憎しみも、悪による恐怖も感じる事がなくなると言うのなら……私はその道を歩むことを躊躇いはしない。」
桜空が自分の腹部に向けて拳を繰り出すのを見ると、相手の伸ばした腕の肘に向けて左拳を振り下ろして上からの打撃によって彼の殴打を阻止し、腹部への一撃を捌くと、自分は正義のためなら大量虐殺や大規模破壊による数多の犠牲者さえも躊躇わないと応える。
《タンッ》
氷華
「貴方にも貴方の理想が、信念があるのでしょう……
けれど、私もこの道を譲るつもりはない。例え私が死んだとしても……必ず私は私の理想を現実のものとしてみせる。」
【「氷蓮六華・頞部陀(アブダ)」】
氷華は宙に向かって飛び上がり、クルリと一回転すると、空間移動をしたとしても届かないだろう空中の氷の足場の上に降り立ち、両腕を広げ、ビルの屋上全体を覆う無数の小さい氷柱が形成され、それら一つ一つがまるで雨粒のような密度と数となり、ビルもろとも桜空を撃ち抜き破壊しようとする。
>>128
潜鴉
「!!?
なッ!?こんな馬鹿な……!!!」
《ドゴオォォォォォォォォォォッ》
潜鴉はもはや自分が勝利すると言う確信を持っていたためか、手負いの相手ではまともな反撃を受けることは無いだろうと思っていたが故に隅影が腕を掴み、そのまま拳による強烈な打撃を繰り出すと、潜鴉の体を正確に打ち抜き、潜鴉は血を吐く……
肉体的な強度で言えば通常の人間と大差無い潜鴉では到底耐えられるものではなく、四鴉の内の一匹が地の底へ墜ちる。
( / すみません!付け足しますね
1日12人までの治療に限られます。選んだ12人であれば、1日に何回も治療可能です。
大抵の怪我は10秒以内、大きく穴が空いてしまうとか切断などは3分は最低でも必要です。
瀕死状態だと完全に治すには5時間は必ずかかってしまいます。
このような感じでいかがでしょうか? )
>>127
>>131
【何度でも治療できる上に、瀕死や切断も回復可能と言うのが少し強すぎる気がしますね。不死身のキャラになってしまう上に、死ネタありの本編でこれはちょっと難しいですね……
治療可能な最大回数を12回までにするとか、瀕死状態では治療できないとかにして頂けませんか……?】
( / 見たところ強力な … 一撃で仕留められるような攻撃特化の方やチート級の強さの方が多いようなので … 攻撃力がさほどない … というか一般人レベルでは太刀打ちがどう考えても難しいと判断した上だったのですが … 難しいようですね 。派手な攻撃はこちらは繰り出せませんし 、防ぎようもありません 。比較的女医や拷問など裏方 、戦闘に出るとしても傷付いた方の治療などを想定しており 、また 、自分が愛情込めて作り出した子をすぐに死なせてしまうのはといった思いからなのですが … 、わかりました 。今回は参加を辞退させていただきます 。またご縁がありましたらその時は何卒宜しくお願い致します 。 )
>>132
>>133
【残念ですが了解しました。】
桜空「っ・・・・・!!!!!」
ドゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!!!!
(桜空の姿が、撃ち抜かれてゆくビルの残骸の中へと消えてゆく・・・・・
やはりコイツは敵に回してはいけなかった、その後悔だけが募る・・・・・
・・・・・いや、まだだ、勝機はなくとも、逃げ道ならある・・・・・
桜空は崩れ落ちる残骸から残骸へと、短距離を移動しながら足場にしこの瓦礫の雨からの脱出を試みる・・・・・)
>>129
隅影「そのままおねんねしてな、永遠にな・・・・・」
ゴガガガガガガガガガガガッ!!!!!
(崩れゆくビルを掘り進み、巻き込まれる前になんとか隅影は脱出に成功する・・・・・
一時はどうなるかと思ったが、なんとかチップも無事で、あとはこのままこの場を去るだけだ・・・・・
鴉の集団がどうなろうと、桜空がどうなろうと、知ったことではない・・・・・)
>>130
>>135
《ガラガラガラガラガラガラ……》
氷華の撃ち出した無数の氷柱は10階以上はある巨大なビルを容易く貫き、堅牢なビルを瞬く間に瓦礫に変え、バラバラに倒壊させていく……
氷華は八咫烏の中でも最強の力を持つ存在……その異能は常軌を逸した強力なものとなっており、まともに戦ってもまず勝ち目が無いと言う桜空の考えは正しいと言えるだろう……
氷華
「どれだけ大言を吐いたところで、それを成せるだけの意思を見せることが出来ないのならそれはただの妄言に過ぎなくなる。貴方も結局は逃げ回る悪党と同じか。」
【「氷蓮六華・尼剌部陀(ニラブダ)」】
《パキパキパキパキパキ……》
氷華は倒壊し、崩れ始めるビルの瓦礫を足場のようにして飛び移り、ながら落下する勢いを乗せて高速で桜空に向かいながら、右手に本物の剣よりも高い硬度と切れ味を誇る氷の剣を形成し、それを彼に向けて振るい、空中で相手の体を切り裂こうと襲い掛かる。
氷華は一連の戦闘を介して相手が空間移動能力を持っていると言うことを理解している。だからこそ、相手が逃げ出さないように挑発しつつ、その信念がどのぐらいの強さなのかを確かめようと言葉をかける。
>>136
毒鴉
「ハッハッハァーッ!!!」
《ヒュオッ》
氷華と桜空が戦っているのは、隅影達のいる廃工場から100m以上離れている。その一方、隅影が穴から出て来た次の瞬間、頭上の配管パイプの上で夜闇に紛れて潜んでいた毒鴉が右手に持った毒剣を振りかざして隅影の背後から不意打ちをするような形で異能による硬化を行う前に彼の体を切り裂こうとする。
【宛先ミスしました!すみません…
>>137の宛先は正しくは>>135です。】
桜空「馬鹿が!この能力はなぁ、こういうことだってできるんだよっ!!!!!」
ゴォオッ!!!!!
(桜空は襲い来る氷華を空間移動能力で避けると、続けざまに崩れゆくビルの瓦礫を氷華の上へと転送して逆に攻撃を仕掛けようとする・・・・・
氷華も氷華で負けられないのならば、同じく弟である桜空もまた負けられない意地、そして覚悟がある・・・・・)
>>136
隅影「まったく、鴉共は本当に学ばない奴ばかりなんだな・・・・・」
ゴァッ!!!!!
(隅影は予め腕のみを硬化していたのか、硬化することにより地中をも簡単に掘り進めることが出来る怪力を用いて、隅影は配管パイプを掴み折ると、そのまま相手の頭部へとめがけてパイプを振るう・・・・・
地中を惚れるほどの怪力+頑丈なパイプの組み合わせは、隅影と同じように硬化できる能力の持ち主でない限りは、もし当たれば一溜りもないだろう・・・・・)
>>137
【了解です!】
不知火
(あの人…悪を打つためなら何だってするんですね…)
白髪の少年と応戦し氷華が無数の氷雨を廃ビルに打つ。崩れ行く廃ビルの壁を器用に足場にしながら地を目指す。
ふと、屋上を見上げると金色の月明かりに照らされ見惚れるような銀髪をなびかし冷たい眼差しで見下ろす氷華と目が合い心臓がどきりと脈打ち、急いで目をそらす。
(…崩落から運良く逃れることができた悪党らを排除しよう)
どんなやつでも自分の命が大切、廃ビルから出てくると同時に攻撃しようかと考えている…。
>>139(桜空)
>>140
《ザシュッ》
氷華の振り下ろした氷剣が桜空の体に右肩から左腰にかけて袈裟斬りを行うものの、自分がダメージを受けることと引き換えに氷華の頭上に瓦礫が転送されると、視線を頭上の瓦礫に向けて氷剣を持っていない左手を即座に翳す。
氷華
「ええ、自分が転移出来るのなら他の物体も転送できるでしょうね?」
《ドガガガガガガガガッ》
空中である事に加えてこれまでのように氷の足場を作って回避しようにも氷の足場を形成した瞬間に瓦礫の山に押し潰されると言うことを悟った氷華は翳した掌から氷塊を撃ち出して瓦礫の山を弾き飛ばそうとする。
また、瓦礫の山に向けて氷塊を打ち出すと、迫り来る地面に対しても同じく氷塊を打ち出し、それを足場として着地する事で落下する距離を縮め、落下の衝撃を緩和させようとする。
譲れない正義がある。
譲れない信念がある。
譲れない理想がある。
不知火も感じたように氷華は自分の理想のためならどれだけの犠牲を払うことも厭わないし、自分が犠牲になる必要があるのならば何の躊躇いもなくそれを選ぶだろう。
『誰もが幸せに暮らせる世界』
そんな夢物語を本気で現実にしようとしている者は狂人にしか見えないのだろうか?正義と呼ぶにはあまりにも稚拙で純粋であるが故に氷華は狂信的とも呼べる狂気を持って戦う。
《ギィンッ》
毒鴉
「ほう?なかなかいい反応だ、それだけは褒めてやる。
だが俺は土竜の奴と違って油断も慢心もしない……」
毒鴉は衝撃を逃がしやすい空中であった事を利用して即座に手にした毒剣を立てて盾のようにして振るわれた鉄パイプを防ぎ、そのまま弾き飛ばされる勢いと衝撃を利用して後方へ飛び退くと、上記の言葉を告げる。
隅影の一撃が直撃したにも関わらず、衝撃を空中へ逃した事から毒鴉にも、毒鴉の手に持つ毒剣にもまるでダメージは無く消えていくだけだった攻撃(剛)から防御(柔)へと素早く切り替えた事から剣術(或いは棒術)の腕も高い事を推測することが出来る……
《ドドドドドッ》
毒鴉が距離を取った事で、桜空の追跡に失敗した後、廃工場の物陰に潜んでいた水鴉が鉄板をも撃ち抜く強力な水圧のレーザーが数発撃ち出される……そのあまりにもタイミングの良すぎる攻撃の瞬間からして毒鴉による奇襲はこれを当てるための陽動の意味もあったのだと考えられる。
十二鴉はそのいずれもが一筋縄では行かず、数多の犯罪者を始末して来た実績と経験がある事からその実力の高さも折り紙つきであり、少しでも油断すれば簡単に形勢をひっくり返されてしまうだろう。
桜空「ぐっ・・・・・!?」
(氷華の情け容赦ない一撃に、桜空は一瞬でも意識が落ちそうになるも、続けざまにそのまま空間移動をする・・・・・
が、どこか近くに移動する、というわけではなく、何故か落下してゆく・・・・・
戦いの続行に諦めたか、それとも何かの策か・・・・・
いずれにしても、桜空と氷華とでは、力の差があまりにも歴然である為、じわじわと追い詰められる一方の桜空には到底勝ち目はないのは明白・・・・・)
>>141
隅影「そうか、奇遇だな、俺もだ・・・・・」
ダッ・・・・・!
(隅影は、突然猛スピードで走り始める・・・・・
備わっている能力を使わずとも、元々の身体能力の高さも、戦いの場においてはその勝敗を大きく分けることとなる・・・・・
そして、隅影自身、逃げに徹しているわけではない・・・・・)
>>142
>>143(桜空)
《スタッ》
氷華
「貴方の信念はその程度?」
自分の頭上から迫る瓦礫を弾き飛ばした後、放った氷塊を瞬時に水蒸気に変えて蒸発させると、地面に向けて放った氷塊の上に降り立つと、氷塊の上から桜空の居る場所を探し始める。
>>143(隅影)
《ズッ》
水圧レーザーを避け、走り始めた隅影の前に1mもの巨大で赤黒い体色をしたバッタのような魔虫が現れ、隅影の道を塞ぐと共に彼の首筋に向かって噛み付こうと飛び掛かる。
先程の潜鴉によって左足に付けられたナイフの傷からは絶えず出血し、激しく動こうとすればするほどに出血が酷くなり、このまま行けばやがては意識を失ってしまうだろう。
桜空「はぁっ・・・・・はぁっ・・・・・!」
一般人「ぁ・・・・・ああ・・・・・」
(桜空は、建物の外壁によりかかって、なんとか生き延びていた・・・・・
が、よく見ると、桜空だけではなく、もう一人・・・・・
どこの学校のものかはわからないが、服装は制服であり、時間帯的に恐らくは部活からの下校途中と思われる女子生徒が、桜空の隣で怯えながら唖然とした状態で突っ立っている・・・・・)
隅影「大して力もないのに、厄介なヤツらだ・・・・・さっさと終わらせてもらうぞ・・・・・」
ガゴッ・・・・・!!!!!
(隅影は、片手を硬化させて地面の一部を抉りとると、そのまま魔虫へと向けて、物凄いスピードで投げつける・・・・・
空中戦に持ち込まれない限り、隅影からすれば、いつでも地面を抉りとってそれを投げつけることが出来る・・・・・
そして、地中を掘り進んで逃亡することも出来るため、そこそこ有利でもある・・・・・)
>>144
【すみません、体調を崩してしまい、返信が遅れました・・・・・】
>>145(桜空)
氷華
「………そこか。」
建物の影から聞こえて来ると、左手を頭上に打ち上げた氷塊に向けて翳し、その軌道を操作する事で落下地点を変え、声のして来た建物や民間人の女子生徒もろともその圧倒的な質量を持つ氷塊によって押し潰そうとする……
>>175(隅影)
《グシャッ》
水鴉
「ヒヒヒ……不思議だなぁ、そんなに大層な力があるのなら俺達なんて一瞬で倒しているだろぉ?」
隅影の投げたコンクリートの塊が巨大なバッタに当たると、その頭が潰れ、絶命して脅威の一つが取り除かれるものの、今度は地中から滲み出すように体をスライム状にさせた水鴉が現れ、隅影を呑み込むようにして拘束しようとする。
女子生徒「・・・!ま、待ってください・・・・・!」
バッ・・・・・!
女子生徒「この人は私が危ないところを助けてくれたんです!それを私・・・・・あまりにいきなりのことで唖然としちゃって・・・・・」
(女子生徒は氷華に気づき、氷華が何かしようとしていることに気づく・・・・・
息も絶え絶えな桜空の前に、女子生徒は両手を広げて立ち、この人は自分を落下してくる瓦礫から助けてくれたのだと告げる・・・・・)
>>146
ヒュォッ・・・・・!
隅影「あまり長い間使えない力でなぁ・・・・・正直なところ、お前らのような雑魚でも今じゃあ脅威だ・・・・・」
(飲み込まれる寸前に攻撃を回避すると、あまり長時間能力を使えないデメリットのこと、今の状況では自分が不利であるということを話す・・・・・
片手を首に当て、コキコキと鳴らしながら
「さて・・・・・で?お前らは何がしてぇんだ?見たところ、正義の味方とは思えないが・・・・・?」)
>>147
>>148(桜空)
氷華
「……関係ない。悪を庇い立てするのなら潰すだけ……」
一瞬だが氷塊の動きが止まるものの、極悪人が気紛れで他者の命を救ったり守ることは氷華自身も何度も見てきたが……その理由は罪の軽減や人質とするため、或いは自分の犯罪行為を正当化するかのいずれかだけであった。
更に、善人の皮を被っている者もいれば、助けた相手が相手の組織の部下であり、不意打ちや自演を狙うと言った事もあり、それによって何人もの仲間が殺害されてきた事から、相手の言葉を信じず、桜空を庇おうとする女子生徒もろとも押し潰そうとする。
これまで多くの悪を裁き、多くの悪行を見てきた氷華の心からは人間らしさと言うものが悉く削ぎ落とされて失われ、本当の氷のように凍りついたその心を動かすことは無い……
>>148(隅影)
毒鴉
「おいおい、人聞きの悪い事を言うんじゃねぇよ。
俺らはヒーローだぜ?悪い奴や、"悪い奴になりそうな奴ら"を始末して回っているだけだ。」
毒鴉は右手に持った毒剣に加え、左手の掌に二本目の毒剣を持ち、それを器用に振り回して準備運動をしながら、自分達は悪人だけでなく、悪人になりそうな者と言う不確かかつ、幾らでも解釈が出来る者を始末して回っているだけだと応える。
その自分達の快楽だけを求め、歪んだ正義によって失われた数はそれこそ本当の悪人よりも多いのだろう。
蟲鴉
「強がるな……お前の動きは潜鴉との戦いで見せてもらった……
炎や雷と言った元素を扱うことはせず、身体硬化と筋力増大しか出来ていない……」
廃工場の屋根の上にて、自身の回りに2mもある巨大なコオロギを七匹率いて見下ろしているのは、焦点の合わない目をして、顔に大きな蜻蛉の刺青を入れた大柄でスキンヘッドと言う、見るからに異様な風貌をした男が、その容姿からは想像出来ない程冷静に隅影の異能を分析している。
水鴉
「つまり、物理攻撃しか攻撃手段の無いお前に勝ち目は無いって事だ…!!」
相性的に最悪の敵と言える水鴉が再び自身の不定形な体を活かして隅影に向かって飛び掛かり、巨虫もろともその動きを拘束しようとする……例え何度避けたところで執拗に水鴉は追い回すだろう……それこそ、隅影の体力が尽き、異能か使えなくなるまで……
女子生徒「・・・・・何を揉めているのかは知らないけど、人助けをする人に悪人はいません・・・・・!」
(女子生徒は怯むことなく、氷華に訴え続ける・・・・・
氷華とこの女子生徒とでは、悪というものの認識が違うのだろう・・・・・
いや、ただ単に氷華の悪に対する認識が、理解したい気持ちもある一方で、何が何でも粛清するという矛盾しているともとれる感情な辺り、何もかもが違うと言っても過言ではない・・・・・)
>>149
隅影「・・・・・あー、くそっ、厄介だなお前ら・・・・・」
ダッ・・・・・!
(隅影は猛スピードで疾走し始める・・・・・
年齢的にも段々と体力が落ち始める時期、あまり過激な運動は避けるつもりだったのだが、どうやらそうもいかないらしい・・・・・
「あぁ、俺だ、わりぃが、迎えに来てくれ、緊急事態だ、おじさん困っちまうよ」
どこかに電話をかけ始める・・・・・)
>>150
>>151(桜空)
《ドゴオォォォォォォォォォォッ》
氷華に言葉をかけたものの、その言葉は氷華に届くことはなく、放たれた氷塊は廃工場の一角もろとも二人の居る場所に落ち、周囲にはその衝撃波 によって工場内の窓が割れ、軽い地震が引き起こされる……
その破壊力は容易く建物を破壊することが出来ると言うように、数多の異能の中でも最強クラスの威力と範囲を持っており、直撃してしまえば命は無いだろう……
>>151(隅影)
蟲鴉
「逃がさん……」
【「起爆蟲」】
《ドゴオォォォォォォォォォォッ》
逃げ回る隅影を見て、蟲鴉は口を大きく開け、口内から腹部が異様に肥大化した1mもある巨大な蝿を吐き出すと、身体強化されている筈の隅影に容易く追い付くと、その蝿そのものが何の前触れもなく大爆発を巻き起こし、電話する隅影を消し飛ばそうとする。
身体硬化して衝撃によるダメージを防げたとしても、爆発によって生じる熱は肉体の硬度を無視して相手の体を熱して吹き飛ばするため、硬化だけではそのダメージの無効化する事は出来ない。
かと言って防御するために地面のコンクリートを抉り取ったり、地中に潜ろうとしたところで、背後から迫る水鴉によって呑み込まれて捕らわれてしまう事になる……
桜空「はぁ・・・・・はぁ・・・・・」
隅影「・・・・・あぁ、俺だ、わりぃな迎えやっぱいいわ」
女子生徒「・・・・・」
(氷塊がぶつかる寸前に空間移動能力で女子生徒と共に一時的に隅影のいる場所へと移動してから、再度空間移動能力でファーストの本拠地付近へと移動することで、難を逃れる・・・・・
戦闘を繰り広げた都内からは遠く離れており、世間一般的には勿論のこと、ファーストのメンバー以外誰だろうとその場所は把握出来ていない、本拠地の近くであるというだけであるので、実際に本拠地の明確な場所がどこにあるかは誰にも知られない・・・・・
これこそ、桜空の強さの一つ・・・・・いや、正確には不利になった場合の逃走手段であり、今まで危機に陥った際はこの能力で何度も難を逃れてきた・・・・・
隅影は、仲間に迎えは不必要だと電話を入れ、女子生徒はただただ唖然としている・・・・・
能力者の存在は知っていても、面と向かって見るのは初めてだったのだろう・・・・・)
>>152―153
>>154
氷華
「……逃げた……か。
だけど次は無い。」
氷華は放った氷塊によって破壊された廃工場の後を見て、直感的に逃げられたと言うことを感じ取るが、同時にこれまでの戦闘から彼の空間移動による性質を局所的にだが見抜き、それに対する対抗策を見出だした事から次に対峙した場合には必ず始末すると決める……
どれだけ多くの犠牲を払うことになろうとも自身の抱く正義を必ず執行する。その揺らぎ無い純粋なまでの冷たい正義を宿した眼で夜月を見上げながら小さくそう呟く。
悠矢「おいーっす氷華ちゃん♪逃げられちったねぇ・・・・・」
(闇夜を照らす月・・・・・まるで、正義と悪の関係を表しているかのようか光景を眺める氷華の背後から、神出鬼没な悠矢が現れ声をかける・・・・・
そして「奴ら、どこに逃げたか検討もつかないけど、これからどうする?あ、ちなみに俺頑張ったから報酬ちょぉーだいっ♡」と、戦闘開始からの最初の数分だけ桜空を追い込んだだけで、それ以外はどこで何をしていたのかがわからず、とても活躍したとは言えない・・・・・)
>>156
氷華
「……はぁ、随分と陽気ね?」
氷華
「悪に逃げられたと言うことは犠牲になる者が増えると言うこと……それに、貴方は途中から隠れていたでしょう?報酬をねだるのではなく、成果を残せるように修練し、結果を出してからもう一度言いなさい。」
氷華は水鴉と緋染の二人の様子も見ており、水鴉に水圧レーザーを撃たれた後はずっと逃げ続け、隠れていた彼の様子もしっかりと見ており、その上で報酬をねだる彼の様子に呆れ、月明かりにすらも背を向け、彼の言動を咎めるように言う。
足元にある氷塊の一部を浮遊する足場として動かし始め、そのまま八咫烏の拠点へ帰還しようとし始める。彼の緊張感の無い言動が氷華には不信を抱かせてしまっている。
悠矢「まぁまぁ、そう言わないでよ〜♪・・・・・ちょっとした収穫もあったしさ・・・・・」
スッ・・・・・
(悠矢は、スーツのポケットから何かを取り出す・・・・・
それはかなり小さな小瓶であり、中には赤い液体が入っている・・・・・
「これ、あの小物(桜空)の血液だけど、これでも同じことが言える・・・・・?」)
>>157
>>158
氷華
「……それをどうするつもり?」
氷華は氷の足場に乗って2m程上昇したところで少しだけ振り返り彼の手にした血の入った小瓶を見て、それをどうするつもりなのか、何を考えているのかと問いかける。
相手の能力で血液の流れを操作する事は出来る事は知っているが、血液を介して他者の位置を特定すると言った事への応用は出来ないであろう事から、せいぜいDNA鑑定にかけて過去の生まれや育ちを特定する事しか出来ない事から、現在ではさほどの役には立たないと思っている。
だが、やけに自信に満ちた様子をしている事から何か別の事に使えるのかと、彼の本心に探りを入れようとする。
悠矢「氷華ちゃんにしては察しが悪いなぁ・・・・・?身元っていうのはさ、詳しい人間が調べれば、色々とわかるもんなんだよ・・・・・それこそ、俺達が思っている以上のことが、さ・・・・・」
(そう言うと「必要ないんだったら、これはこのまま処分しちゃうけど?」と、今この場でどうするのかを決めてもらうつもりで氷華の方を見つめる・・・・・
この小瓶の中には、ファーストという謎多き組織の頭領の情報が多く詰まっている・・・・・
「どうする?氷華ちゃん・・・・・♪」)
>>159
>>160
氷華
「貴方こそ察しが悪いわね?今更私が私情に駆られるほど腑抜けていると思っていたの?私は私の信じる正義のために多くのモノを捧げてきたし、立ちはだかるものは全て潰し来た。」
氷華は再び視線を暗闇へ戻すと、そのまま足場としている氷塊を浮遊させ、緋染から離れて行く……人間の頃の情はとうに捨てた、自分はあくまでも八咫烏の"金鵄"であり、正義の執行者。過去に対する執着やしがらみなど存在しないと断言する。
氷華
「……例えそれが肉親であろうと変わりはない。
下らないことに力を使う暇があるのなら、一人でも多くのファーストの者を潰して成果を残すこと。それが出来なければ……貴方の居場所は八咫烏から無くなるでしょうね。」
氷華は去り際に、これ以上遊ぶだけで成果を残さないと言うのならば、八咫烏内において彼の居場所は無くなると警告する。そして……影の組織から脱退すると言うことは"死"を意味している。
氷華はその持ち前の戦闘センスと異能によって経験や知識の差を埋め、僅か2年で金鵄にまで登り詰めた事からもわかるように、良くも悪くも実力至上主義者であり、成果を出せず、まともに戦う覚悟も気概も無い者を生かしておくつもりは最初から無い……
【first東京本部】
東京と言ってもその地域全体が高層ビルに囲まれ発展している訳ではなく、都心から離れた郊外にある小さな寂れた工場の下に無機質なコンクリートによって作られた地下拠点が隠されており、そこはfirstの東京本部として用いられている。
狼谷
「……今回は少しばかり良い情報が手に入ったな……
これを上手く使えば八咫烏にも手痛い一撃を与えられるかもな?
しかし……ボスは何処にいるんだ?」
張り巡らされた地下要塞の一角、二十畳程の広さの部屋があり、部屋の隅にはテーブルや椅子、武器や弾薬の入った木箱が積み重ねられている中、巨大なガトリングに腰かけながら緋染の到着を待つ男がいた。
ボス達は取引のために此処から少し離れた廃工場に向かったのだが、それにしては時間がかかり過ぎている。彼の異能ならどれだけ長くとも一時間で帰って来る筈なのだが、五時間以上が経過した今でも帰って来ない。
何かあったのかと不信に思い始めるものの、時間潰しのために手にした黒いファイルの中の書類に再度目を通し始める。
悠矢「・・・・・仕方が無い、これはまた、別の機会にとっておくか・・・・・」
タンッ・・・・・!
(氷華に対して、これ以上何を言ったところで自分の身が危うくなるだけで何も得しないと察した悠矢は、小瓶をスーツの内ポケットにしまうと、地面をタンッと強く蹴って氷華の乗っている氷塊へと飛び移る・・・・・
悠矢からすれば、送迎用の乗り物的な感じなのだろう・・・・・)
>>161
【本部にて】
桜空「げほっ・・・・・お、おーい・・・・・誰かいるかー・・・・・」
(片腕を押さえながら、吐血混じりの咳をしながら、ファーストのボスである桜空が本拠地へと戻ってくる・・・・・
ただでさえ片目は視力を失っているのに、戦いのダメージで視界がぼんやりとする今の桜空は、暗闇を歩く雛鳥も同然、かなり弱っているのが声の張り方だけでもわかるほどだ・・・・・)
>>162
>>163
狼谷
「おー、やっと帰ってきたかボス。
明らかにヤバかったみたいだが、三羽鴉でも来ていたのか?」
書類を読んで内容を確認していた中、部屋の隅に桜空が現れたのをその声や、空間移動する際の異音から察知すると、そちらへ視線を移し、立ち上がる。
八咫烏はそのメンバーの一人一人に独断で悪人を裁く権利が与えられており、組織的に行動する事も珍しいため、その全体の行動や人員配置は十二鴉の一人である狼谷でさえも把握することが出来ない程複雑な構造となっている。
それなりに腕の立つ取引相手が居て、その気になれば何時でも逃走できる空間移動能力を持った桜空が明らかにダメージを受けているのを見て、三羽鴉が現れたのかと問いかける。
桜空「げほっ・・・・・あぁ、あの強さは・・・・・多分な・・・・・」
(そう言うと「あの白い髪の女には、極力関わらないようにしたほうがいいな・・・・・化け物だ・・・・・」と、八咫烏のボスである氷華の恐ろしさを語る・・・・・
取り引きでまさかここまで体力を削られるとは思っていなかったらしい・・・・・)
>>164
>>165
狼谷
「白い髪の女……化物……
……まさか"金鵄"が来たのか?」
白い髪の女、そして化物じみた力と聞いた瞬間、狼谷の顔が固まり、数多いる八咫烏の異能者……いや、全ての異能者の中でも最強の力を持った存在である金鵄が襲来して来たのかと問い返す。
才能がある者しかスカウトされない"八咫烏"
その中でも天才しか成ることの出来ない"十二鴉"
その更に上に君臨する無敵の"三羽鴉"
そして……それら全てを合わせた以上の力を持つ"金鵄"
そんな一介の異能者だけでは対抗のしようがないと言える異次元の力を持った金鵄が取引現場に現れたのだと知ると、八咫烏が本格的に動き出す前触れだと感じている……
桜空「はぁ・・・・・はぁ・・・・・俺は、奴らについてはあまり、詳しくはねぇが・・・・・その・・・・・肩書きっていうのか・・・・・?名前からして、ボスみてぇだな・・・・・多分、そいつだ・・・・・」
(息を切らしながら、戦いの傷を癒すべく、この本拠地に設置してある今現在における医療技術の結晶とも言える治療マシンへとゆっくりと足を引きずりながら歩いてゆく・・・・・
一部、骨が見えるほどに皮膚が避けてしまっていることから、氷華の氷を用いた攻撃を受けていることがわかる・・・・・)
>>166
>>167
狼谷
「凄いな……金鵄と対峙しながら生きて帰れる奴がいるんだな……」
黒いファイルを持ったまま両腕を組んで少し考える。
これまで氷華はどの敵も決して逃がさずに徹底的に追い詰め、殲滅して来た……もし、桜空が空間移動能力を持っていなければ確実に殺害されていただろう。
抗おうにも、桁違いの攻撃力を持つ氷華に挑んで生還できた者を狼谷は見たことも聞いたことも無く、狼谷が氷華の近くで任務を遂行していた際にも氷華は無慈悲に敵対者を殲滅しているのを何度も見てきた。
狼谷
「それじゃ、ボスの回復が終わったら何時もの喫煙室に来てくれ。
八咫烏と、奴らの拠点についての情報が手に入ったからな、それを伝える。」
裂傷した傷には凍傷と思われる影響も見られ、肌の一部が黒くなってしまっている事からも、本当に氷華が取引現場に現れたのだとわかり、治療マシンによる傷の回復が終わったら八咫烏についての情報の入手に成功したため、このアジトにある喫煙室に来て欲しいとだけ伝える。
【八咫烏 八王子活動拠点】
都内、八王子市内にある小さな商業ビル。
名目上は小さな企業の本社ビルとなっているものの、その正体は八咫烏が用意したダミー会社による、八咫烏活動拠点となっている。
その一室である窓の無い地下部屋では廃工場での戦闘の際に、別動隊として行動していた毒鴉の毒剣から滴る神経毒の影響で動きを止められていたところを蟲鴉が生み出す巨蟲によって拉致されたfirst構成員が七人と、氷華がいるものの、既に三人の構成員が殺害されている。
一人は肌が浅黒く変色して絶命しており、
もう一人は手足を凍らされて砕かれて絶命し、
また一人は頭を凍らされて砕かれて絶命した
死屍累々とした状況であるもの、氷で出来た鎖によって身動きを封じられている四人の構成員達の前で氷の椅子に座っている氷華は死体をまるで気にしていない、涼しい顔をしたまま尋問を行っている。
first構成員
「も、もう全部話しただろ!?」
氷の鎖で拘束されている四人の体には針のような氷柱が幾つもの突き刺さり、ある者は右目を潰され、ある者は既に両足を凍らされて砕かれ、またある者は顔から下が重度の凍傷による影響で常に激痛に苛まれている……
氷華に拷問器具は必要ない。
彼女が持つ異能そのものがこれ以上ない拷問道具となっており、これを用いて
氷華
「……取引物はチップ……
その詳細については知らないの?」
first構成員
「ああ、そうだ……本当にこれ以上は何も知らないんだ!!」
氷華
「……そう、それならもう貴方達は必要ない。」
first構成員
「や、やめ……!!!」
《バキンッ》
《バキバキバキバキバキッ》
氷華はもう情報を抜き取ることが出来ないとわかると、黒い革手袋を付けていない右手で四人の構成員全員に軽く触れる。すると、氷華が触れた箇所から構成員達の体が凍り始め、十秒足らずで全身が凍り付くと、彼らを拘束していた氷鎖が凍った彼らの体を圧迫して四人全員を砕き、絶命させる……
四人の構成員全員が砕けて絶命していく様子を見ながら、氷華は黒革の手袋を右手に付け、コートの右ポケットから青白いハンカチを取り出し、顔に付着した返り血を拭きながら新たに思考を巡らせていく。
氷華
「収穫は無し……か、やっぱり下っ端を幾ら尋問してもまともに出てくる情報は無いわね。狙うなら"幹部以上"かしら?」
桜空「あぁ、わかった・・・・・」
(そう言うと、治療マシンの中で眠り始める・・・・・
ここで治療を受けている間は、さっきまでの戦いが嘘だと思えるほどに、安らかな時間のみがただただ流れる・・・・・
そうして桜空は、夢へと入っていった・・・・・)
>>168
悠矢「ウチに記憶抜き取り系の能力者でもいれば楽なんだけどねぇ〜・・・・・で、どうするよ?氷華ちゃん・・・・・奴ら、拠点がどこかもわからない以上、あの襲撃以降、取り引きの際は俺らに備えてくるかもよ?」
(悠矢もおちゃらけてばかりではいるものの、馬鹿ではない・・・・・
敵はどう出るか、こちらはそれに対応してどう出るか、氷華同様に悪には徹底して容赦なくかかることを考えている・・・・・
悠矢は、氷華はどうするつもりなのかとニヤニヤしながら真剣に問いかける・・・・・)
>>169
氷華
「……探知や索敵に長けた者が居ない訳じゃない……加えて、三羽鴉にも召集をかけ、これまで以上に厳重な警備体制を取ることにする。
蟲鴉、後片付けは頼むわ。」
蟲鴉
「御意。」
海外で任務の遂行を行わせていた八咫烏最高戦力である三羽鴉を召集し、
相手は空間移動によって逃亡や逃走が容易になる異能を持っているため、それに対する策として、同時に国内の警備体制をより堅固なものにしようと考えている。
例えどれだけ逃げようが隠れようが、必ず見付け出して贖罪させる。
その一念が氷華を突き動かしており、バラバラに砕かれた骸の氷を消し、床に散らばった血肉を蟲鴉の生み出す巨蟲達に始末を任せると言うと、部屋の扉に向かって歩き出す。
氷華
「八咫烏の眼からはどれだけ小さな悪でさえも逃れることは出来ない。」
悠矢「おー、怖い怖い・・・・・」
(仲間意識というものが自分も含め、この組織にあるのかどうかは未だにイマイチよくわからないものの、立場上の関係性は仲間である以上、氷華の人間性を一番知れる立場でもあることから、敵に回したくない人間だと思いながら上記を呟く・・・・・
八咫烏にはヤバイ人間がごろごろいるが、間違いなく氷華が一番ヤバイだろう・・・・・)
>>172
氷華
「……とは言え、街の被害状況から見て暫くは派手に動かない方がいい、貴方も今日はもう休んでいいわ。」
商店街での一件もあり、これ以上派手に動いてしまうと、警察や公安による情報の抹消や痕跡回収が難しくなってしまう事から、暫くは大きく動かずに待機しておべきであると判断し、部屋のノブに手をかけながら緋染も休憩を取っても構わないと言うと、扉を開け去って行く。
容易く大規模な氷塊を生成したり、何百もの氷柱を作り出したり、触れずして氷塊を意のままに動かすと言ったように、威力、規模、精度のどれを取っても人並み外れた力を持つ氷華……
桁違いの異能を持つ彼女の歩むその先がどのような世界になるのかはまだ誰にもわからない……
悠矢「オッケー、んじゃ、お言葉に甘えてしばらく休憩といきますか・・・・・」
(そう言って、氷華が去ったのを見届けると「にしても、正義正義のお堅い氷華ちゃんが、ただただ休憩・・・・・というか、嫉妬してられるとも思えないよなぁ・・・・・ゴキ鴉なにか知ってる?」と、常日頃休息の時に何をしているのかがよくわからない氷華のプライベートに関して蟲鴉に聞こうとするが、わざとなのか、それとも本当にただ口が滑ったのか、蟲鴉のことをゴキブリの最初の二文字と合わせてゴキ鴉と呼ぶ・・・・・)
>>173
>>174
蟲鴉
「休憩……休憩……」
大きく項垂れ、左右の目を不規則にギョロギョロと動かしながらブツブツと独り言を何度も呟いており、ただならぬ雰囲気を纏っている……彼は氷華が尋問の果てに殺害した者達の死体の始末も行っているのだが、氷華以外の者との会話はまともに交わされているところを見たことがない。
根からの狂人である蟲鴉を従えることが出来ているのも、一重に氷華が圧倒的な実力を持っているからであるからだろうか。
悠矢「・・・・・ま、いいか・・・・・」
(そう言うと、悠矢も部屋から出てゆく・・・・・
蟲を操るというあまり好まれるような能力ではない以上、立場上仲間ではあっても、できるだけ関わりたくはない人物の一人であり、今も少し気まぐれで話しかけてみたものの、案の定意思疎通は難しいと判断し、その場を後にした・・・・・)
【ファースト本拠地】
プシュー・・・・・
「・・・・・」
(治療マシンから出てきた桜空は、戦闘でボロボロになった服を着替え、狼谷が待っている喫茶室へと足を運ぶ・・・・・
一応、かなりマシになった方ではあるが、完治というよりかは今出来る最大限の応急処置を施した程度であり、もしかしたら何かしらの後遺症が残るかもしれない可能性もあるため、改めて氷華の能力の恐ろしさを思い知る・・・・・)
>>175
>>176
【first東京本部 第】
狼谷
「……これは乗るべきか……それとも見送るべきか……いや、これが本当なら此処を潰せば八咫烏の奴らにかなりのダメージを与えられるな……」
喫煙室にて、十二鴉と言う地位を活かして八咫烏から盗み出した機密情報書類を読んでいた狼谷が煙草を吸いながらそう呟く。既に用意された灰皿の上には煙草の吸殻が山のようになっており、換気のされている筈の喫煙室の中であるにも関わらず、煙草の煙が充満しており、回復が終わるまでずっと煙草を吸いながら書類を読んでいた事がわかる。
桜空「ケホッ!?ケホッ!!・・・ったく、吸い過ぎた・・・・・」
(治療マシンの中では、傷を癒すために一時的に意識もなくなり、一種の睡眠状態に近い状態となる・・・・・
その為、体感的にどれほどの時間が経ったのかは時計を見なければわからないが、灰皿に入った吸い殻を見れば、大方予想がつく・・・・・
大体一時間ってところだろうか・・・・・
桜空は、煙たそうに咳き込み煙を払い除けながら、ソファーに座る・・・・・
右肩には、氷華から受けた攻撃で出来た凍傷の痕が残っており、恐らく一生残る傷だと思われる・・・・・)
>>177
>>178
狼谷
「ん?そんなに吸ってたか?
って、その傷……大丈夫か?」
書類内容に集中していた事もあり、桜空に声をかけられるまで無意識の内に煙草を吸っていた事に気付かず、山盛りになった吸殻の山を見て少し驚くものの、視線を相手に戻すと、右肩には細胞が壊死したと思われる箇所が目に入る……
メディカルマシーンは異能による再生には及ばないものの、体細胞の新陳代謝を促進させて外傷やダメージを修復させるものであり、銃弾や火傷は勿論、並みの異能攻撃でも完治させる事が出来るのだが、それでも完全には治すことの出来ない程のダメージ……
そこから推測するにおそらくは皮膚の深部……皮下組織まで壊死してしまっているのだと思われ、どう見ても大丈夫な様子ではないのだが、安否を気遣う言葉を掛けてみる。
桜空「あぁ、特に今のところ、これといって以上はない・・・・・あの治療マシンももう長年使っているからな、完治できないこともあるだろ」
(そう言うと「それじゃあ、早速本題に入ろうか・・・・・」と、狼谷に持ちかける・・・・・
組織の存続がかかっていることから、自分の傷など今気にしている余裕はなく、八咫烏についての情報を頭に入れることが最優先だと考える・・・・・)
>>179
>>180
狼谷
「ああ……お前が大丈夫ならそれでいい。
八咫烏……この組織についてお前に説明しておくか。
と言っても、その階級や昇格システム、神童についてはもう話したな?」
桜空が大丈夫だと応えると、本人がまだ戦うことが出来ると言うのなら、これ以上此方から言及するのも悪いと思い、八咫烏についてのおおまかな解説やシステムについては既に説明してある事から、前提部分を飛ばした核心部分について話し始める……
狼谷
「十二鴉……この階級は入れ替わりが激しく、十二鴉に並ぶ実力者や候補がいる事から決まったメンバーはいない……だが、この上の"三羽鴉"この地位に居る奴らは全員が化物クラスの実力者だ。俺も5年ほど十二鴉をやっていて、十二鴉の中でも上位の力を持っているが……コイツらにはタイマンで勝てる気はしないな……」
狼谷
「三羽鴉の内の一人だけで一つの組織を丸ごと全滅させることが出来る程の強さがあると言われている……コイツらと戦う時は組織の総力をあげて戦った方がいい。それができなけりゃ……逆に潰されるぞ。」
八咫烏における最高戦力である三羽鴉について話し始める。
この三羽鴉と戦う際には逆に此方が全滅する可能性もあると言うことを警告する……
桜空「リスクがでかすぎる・・・・・その三羽鴉ってぇのとはなるべく戦闘を避けたいものだ・・・・・」
(先の大戦において、相手側の実力は身をもって体験した・・・・・
狼谷の情報にまず間違いはない、組織を丸ごと潰せるレベルの厄介な構成員が三人もいるということを考えると、なるべくその三人との戦いは避けるべきだと考える・・・・・
「・・・・・狼谷、俺にもしものことがあったら、お前が俺の地位を継いでくれ・・・・・」)
>>181
>>182
狼谷
「三羽鴉はその名の通り三人居る。」
狼谷
「一人は"焔鴉(ホムロカラス)" 異能は"炎熱焦土"
海を沸騰させ、煮えたぎるマグマをも蒸発させる炎熱を意のままに操る、炎熱系の中でも最強クラスの異能者だ。」
狼谷
「一人は"霞鴉(カスミカラス)" 異能は"無限幻影"
決して攻撃を受けることの無い無敵の女であり、任務は常に一人で行うにも関わらず、これまで請け負った任務でただの一度も攻撃を受けず、一方的に数多の組織を潰して来た奴だ。」
狼谷
「最後の一人は"剱鴉(ツルギカラス)" 異能は"無明刀流"
斬撃を飛ばすだけの単純な異能だが、奴の恐ろしさはその素の身体能力と戦闘技能の高さであり、そこにこの異能が組合わさる事で八咫烏の中でも屈指の地位を確立させた……何よりもコイツはあの金鵄に"相棒"と呼ばれている程の信頼と実力を兼ね備えている……」
狼谷
「どれを取っても化物揃いだ。
コイツらとの1vs1になるなんて最悪の展開が来たら……逃げられ無くなる前に全力で逃げろ。勝てるだなんて思わない方がいい……」
狼谷は三羽鴉の通り名やその異能についても教える。
十二鴉と言うように見上げれば直ぐに見えるところに存在する者達だからか、彼らの実力についても知っており、何度もその力を目の当たりにして来た上で、三羽鴉と対峙した場合、戦うのではなく逃げることに死力を尽くすようにアドバイスをする。
狼谷
「おいおい、俺は裏切り者だぞ?
……お前が世界を変えるんだろ?
自分(テメー)の願いは自分(テメー)で叶えろ。
間違っても……俺みてぇな半端者にはなるな。」
桜空が自分がもし消されるような事があればその時は代わりに組織を継いで欲しいと言う彼の言葉を聞いて少し唖然とするものの、直ぐに煙草を噛んだまま笑い、拳を相手の前に突き出して自分の意思や信念は何があっても自分自身の力で叶えろと言う。
狼谷は曲がりなりにも正義を求めながら、暴走する正義を前に悪と呼ばれる者達の力を借りて止めようとしている半端者の裏切者である事から、自分には組織を継ぐような素質も資格も無いと自覚している……
桜空「・・・・・そう、だな・・・・・自分の希望は自分で叶えねぇとな・・・・・」
(桜空も拳を突き出して相手の拳と合わせると、右肩を押さえる・・・・・
やはり、治療マシンによる治癒を受けてもかなり痛むのか、先程から右肩はだらんと垂れているように見える・・・・・
「・・・・・あの白髪の女、一般人も巻き込もうとしやがった・・・・・あれだけはどうしても許せねぇ・・・・・」
桜空は、まだ自分の姉であるという事実を知るはずもなく、記憶はうっすらだが正義感が強かった姉が、今あんなことになっているなど、到底イコールになるはずもなかった・・・・・)
プルルルルルルル・・・・・プルルルルルルル・・・・・
(その時、突如として狼谷の携帯が鳴る・・・・・)
>>183
狼谷
「ああ……アイツらは無関係の一般人を巻き込むことに躊躇いがない。俺にはついて行けない考えだ」
一度自分達が悪と判断した者に対しては異常なまでに冷酷になり、民間人を巻き込んだ攻撃でさえ攻撃に巻き込んで犠牲にする事でさえ躊躇わないそのやり方に狼谷は付いていけず、組織を裏切るスパイとなった……
そう話している内に電話の音が鳴ると「電話が鳴っているぞ」と言い、先に電話に出ても構わないことを伝える。
桜空「どっちが悪かわかったもんじゃねぇな・・・・・」
(悪を排除するためならば、民間人でさえ躊躇わずに攻撃に巻き込むそのやり方に、これじゃあどっちが悪なのかわからないと漏らすと、電話が鳴り先に出てもいいと言われるものの「いいのか?この番号、ファーストのメンバーの電話番号でもなければ、ボスのでもない・・・・・八咫烏の奴らからじゃねぇのか?あっちでも一応活動はしているんだろ?」と、携帯の画面に出ている番号を見せる・・・・・)
>>185
>>185
狼谷
「最初はうちのボスもまともだったんだがな……
犯罪組織を潰していく内におかしくなっていったんだ……」
最初の頃の金鵄(氷華)は今とは違い、民間人を巻き込むことを嫌い、相手が悪人であろうと、救える者は救い、苦しめられ虐げられる者を守るためにその力を使っていた事を狼谷は知っていた。
だが、上に登り詰めるにつれて、犯罪組織や悪党を潰すにつれて今のような歪み、捻れ、荒んだ正義を翳すようになった……そして、人間の心を捨てるにつれ、彼女は力を増していった……それはまるで失った心を埋めるかのように……
狼谷
「………俺だ。」
自分の携帯電話でなく、わざわざ桜空の携帯を通じて連絡をよこして来たことに違和感を抱きながら、その見知らぬ連絡先からかかって来た電話に桜の代わりに出る。
自分の名前や素性がバレないように最低限の言葉だけを返し、その反応から相手が誰なのか、何を目的にしようとしているのかを推測しようとする。
ボス「あ、もしもーし!電話番号変えたから一応言っておこうかと思ったんだけど、その声は、狼谷かな?桜空は?」
(相手はまさかのボスであり、番号を変えたから一応言っておこうという、普通のことではあるのだが、場の緊張感が一気に乱れるような声のトーンで言ってくるあたり、よく今まで捕まらなかったと思えるほどである・・・・・
だが「八咫烏の方はどうだい?スパイ任務も楽じゃないだろう?」と、気遣ってのことか、何か進展はあったのかという意味合いでか、どちらともとれる問いかけをする・・・・・)
>>187
>>188
狼谷
「………人違いだな。」
畳み掛けるように自分の素性について話したボスの言葉を聞いて、困惑するものの、それを声や様子に出すことはなく、何時も通りに気怠そうに言葉を返すと、何も言わず即座に電話を切る。
狼谷
「おまッ……!俺の事を話したのか!?」
スパイは決して情報を残さないようにしなければならない。
素性がバレたスパイはもはや何の価値も無くなるからだ。故に状況によってはこの時点でファーストへの協力を辞めなければならない……
桜空「いや、ボスはいつの間にか知っていてな・・・・・どこで知ったのかは正直わからねぇけど、「協力してくれるならスパイでもなんでもいい、彼が過ごしやすいような組織にするように尽力しなさい」って言われたんだ・・・・・」
(ボスからは、狼谷がたとえスパイであろうと、スパイとして過ごしやすいような組織にするように尽力しなさいと言われたということを言うと「まぁ、俺はボスから言われなくても、お前がスパイ任務をやりやすく、過ごしやすいようにできる組織にするつもりではあるがな・・・・・幻滅したか?」と言う・・・・・)
>>189
>>190
狼谷
「……俺は何時でも首の皮一枚で生きているようなもんだ。
あまり公にはするなよ?ろくでなしの俺だが、自殺趣味は無いからな。」
狼谷は自分の情報が漏れていた事に驚くものの、狼谷は数年前からこの組織に協力しており、愛着もあった事から、協力関係の打ち切りをもう少し見送る事にする……
だが、他にも自分も知らないところで情報が回っている可能性もある事からこれまで以上に警戒をするように考える。
桜空「わかってるさ、ボスもメンバーの秘密については漏らさない主義だ、誰かに言ったりすることはないだろう・・・・・」
(そう言うと「一つ聞きたいんだが、八咫烏のボスは本当にあの女なのか?組織の指揮を執るには随分若いように見えた、俺とそう大差ない年齢だと思う・・・・・俺達にボスがいるように、八咫烏にもあの女より立場が上の奴がいるってことはないか?」と、八咫烏と一戦交える前に、ある程度のことは把握しておこうとする・・・・・)
>>191
狼谷
「その言葉が本当だと信じとく。
……ああ、八咫烏の最高位は金鵄だ。
更に八咫烏は三権分立以前から独立した組織だったから八咫烏に上は無い……だからこそ、腐敗した政治家の粛清も可能になっている訳だ。」
狼谷は八咫烏を管轄する上位組織はあるのかと聞かれると、八咫烏は戦後の三権分立以前から独立した組織であった事から八咫烏の上には何の組織も無いと応える……
もし、そんな組織があれば、狼谷はファーストではなく、その組織との接触を試みていただろう……だが、現実にはそんな組織はなく、国内の組織の中で唯一八咫烏に対抗できるかもしれないと思ったのがこの組織だった訳だ。
狼谷
「俺も最初は驚いたさ、まさか八咫烏に入って2年……14で最強の異能者だった前任の金鵄を瞬殺しちまうなんてな……2000年以上ある八咫烏の歴史から見てもこれは異常としか言いようがない。」
組織の指揮を取るには若すぎるのは確かだが、それを補ってありあまる程の指揮力と、桁違いの異能を持っているため、八咫烏は弱体化や瓦解をせずに維持されているのだろう。
桜空「・・・・・前任を瞬殺・・・・・」
(八咫烏という組織の長である以上、能力もそれ相応に強いものだろうと考えると、それを瞬殺ということは、単純に氷を操る系の能力だとしても、ただ単に操るだけが強さであるとも思えない・・・・・
氷を操るという能力と、悪というものへの憎悪が、氷華の強さをより引き立てるのだろうか・・・・・
いずれにしても、氷華以外にもやばい能力者がごろごろいる八咫烏相手に戦うとなると、死を覚悟するしかない・・・・・)
>>193
>>194
狼谷
「だが俺達にも勝ち目が無い訳じゃない……ここで出てくるのが"コレ"だ。ここに八咫烏の武器製造工場の地図が書いてある。この工場を潰して武器を抑え、反八咫烏の組織に配り、ゲリラ戦に持ち込めば八咫烏はそいつらの対応に追われ、致命的な隙を見せるだろう。
それが出来るのはお前だけだ。」
狼谷は真正面から戦っても勝てない事から、自分達が勝機を見付けるには、ゲリラ戦に持ち込み、長期的な戦闘の果てに八咫烏を疲弊させ、隙を作るしかないと言う。八咫烏にも無能力者がいて、その者達が使うための武器……これを奪えば長期的なゲリラ戦も充分に可能なだけの武器を手に入れることが出来るだろう。
だが、八咫烏も馬鹿ではない……それを見越して厳重な警備体制を敷いていると思われる事から、空間移動をする事が出来る桜空しかこの計画を現実にする事は出来ないと言う。
桜空「なるほどな・・・・・にしても、こんな武器工場まであるってことは、奴ら、悪を滅ぼすためとか言って戦争でもおっぱじめるつもりか?いくらなんでも武装が過ぎるようなも気もするが・・・・・」
(悪を裁くためならば一般人も巻き込もうとする思想の八咫烏ならば、悪のいない世界を作り上げるためにこの武器向上で作った武器を用いての戦争を始めたとしてもおかしくはない・・・・・
この作戦、なるべく早く実行した方がよさそうだと判断する・・・・・)
>>195
>>196
狼谷
「戦争を起こすつもりかどうかは知らないが、八咫烏は海外に三羽鴉を派遣て勢力拡大をしようとしているらしい……」
国内では違法とされている武器の製造や密輸を行っている事から、その気になれば戦争を引き起こすことさえも容易いだろう……だが、ひとたび戦争となれば、それこそ何百万、何千万もの無垢の民の命が失われてしまうことになるが、八咫烏は……いや、氷華はそれを躊躇うことなど無いだろう。
そこに加えて八咫烏は最高戦力たる三羽鴉を海外に送り込んで勢力拡大を目指していると言う事も教える。ある意味、これまで三羽鴉を海外に送り込んでいたからこそ、この組織もその脅威に晒される事も無かった……
狼谷
「今は軍事物資の補給の予定が重なっていてその分、警備の人員も戦力も増大されている筈だ、仕掛けるなら補給や積載が終わり、警備が手薄になると思われる三日後にするべきだ。」
決戦は三日後にするべきだと狼谷は進言する。
無用な戦闘を抑える事で周囲への被害を抑えると同時に、攻略を容易なものにする事が出来ると言えるだろう。
【氷華side】
《コンコンコン》
氷華
「……夕渚。
起きてる……?」
尋問が終わり、緋色地染と分かれ、地下の尋問室から退室した氷華はその足で八咫烏外の唯一の親友である佐藤夕渚の元へ向かう……多くの者に恨まれている関係上、夕渚にまで危険が及ばないようにするために都心の闇に紛れ、追跡を警戒して遠回りかつ不規則なルートを選び、異能を用いた移動を控え、病院の職員や監視カメラにも見付からないようにして来ている。
こうして自身の足跡を消し、存在を秘匿した上で無ければここに訪れる事は出来ないのだが、このようになるタイミングを利用する事で氷華からの監視の目が無くなる事で狼谷は桜空達との接触が取れるようになっている。
桜空「・・・・・わかった、三日後に決行する・・・・・」
(そう言って立ち上がると「今回ばかりは本当に危険だな・・・・・」と、今まで感じたことのない悪寒を、全身を駆け巡るようにして感じる・・・・・
自分同様に人間離れした異能持ちではあるものの、敵対する相手も同じ人間、それなのに、まるで得体の知れないモンスターの大群を敵に回したような気分だ・・・・・)
【病室にて】
夕渚「おいーっす氷華ー!」
(いつもと変わらずに元気な夕渚、今日は小説を読んで病室での時間を過ごしていたのか、手の届く範囲には三冊ほど小説が積まれている・・・・・
だが、枕には涙で出来たシミの跡が確認できることから、また人知れず一人泣いていた時間もあったと思われ、このこと自体は夕渚自身、親友の氷華にも心配をかけまいとして敢えて言っていない・・・・・)
>>199
氷華
「最後に来たのは二週間前?
少し間が空いてしまったけど、漸く来れた。」
夕渚の横になっているベッドの近くまで歩くと、両手を後ろに組ながら、小説が三冊積まれている事と、涙に濡れた枕を見て、敢えて核心には触れずに懐かしいと言葉を掛ける。
自分は闇に生きる存在であり、頻繁には顔を出すことが出来ず、半年も来るのに間が空いてしまう事もあったが、亡き弟と彼女の事は何時も気に掛けて来た……
自分はもう悲しくとも辛くとも涙は流れない。
自分の操る冷気のせいで体外に流れなくなっているからなのか、それとも人間として失ってはならない感情が失われてしまったからなのかは定かではない……