物語の舞台は現代日本
1万人に1人の割合で異能力者が生まれる世界
ある者は正義のために異能を使い
ある者は私欲のために異能を使う
異なる二つの信念が交錯する時、善悪をも超えた死闘が始まる
冷酷なまでに正義のために日夜犯罪者の粛清を繰り返す
日本の極秘特殊機関"八咫烏"と日本中の犯罪者達の死闘を描いた物語
現在は八咫烏のトップ『麻摩氷華』と
firstのボス『麻摩桜空』の決戦が行われています
>>2 ハウスルールと募集枠について
>>3 八咫烏について
>>4 キャラシートの作成例
>>5以降から募集開始&本編開始となります!
紀「・・・・・で、肝心の鴉がここにいるということは、他の鴉共も群れてここへ来る、なんてことはないでしょうね・・・・・?」
(敵対組織のボスがこんな所にいるということは、他の八咫烏メンバーがここへ攻めてきてもおかしくはないのではなかろうかと考え始める・・・・・
氷華をこのままにしておくのは、ファーストとしてはかなりのリスクを負うことになる・・・・・)
>>72
>>73
朱音
「それはわからないね、だけど八咫烏の最高戦力の三羽鴉は生死不明、主力の十二鴉もその半数以上が倒された事で組織は壊滅状態。元々少数精鋭なのもあっても体制を立て直すには数年はかかるだろうけど、今や八咫烏は国家転覆を企てた組織として指名手配されている。」
八咫烏の現状についても話す。
八咫烏は壊滅状態にある上に、メンバー全員が国家転覆を企てた犯罪組織として手配されていることから組織を立て直すことそのものが困難な状態になっていると教える。
朱音
「だから八咫烏からの襲撃の心配はしなくても良さそうだよ?」
紀「哀れですねぇ、正義にもなれず、悪にもなれず、歪な正義を貫いた結果がこれですか・・・・・結果は目に見えてましたがね・・・・・」
(歪で自己中心的な正義を抱く者は正義にも悪にもなりきれずに、自滅するか、世間から批難を浴びて壊滅するか、或いはその両方・・・・・
八咫烏に関しては哀れ見事に両方を成し遂げた・・・・・
「無様ですね、最高に・・・・・見ていて気持ちがいいですよ、調子に乗った鴉共の成れの果ては・・・・・」)
>>74
https://i.imgur.com/W7xegBu.png
77:そして…◆3.:2022/06/21(火) 08:03 【ファースト本部/治療室】
氷華
「う……ん………?
ここは………」
八咫烏との接戦から2年の歳月が経過し、治療マシンから出て八咫烏の元統率者であり、最強の異能力者だった氷華が目を覚まし、マシンから出て来る……
氷華
「あれからどれだけの時間が経ったの……?ここはいったい………」
2年もの間にすっかりと体の筋力が失われてしまっており案の定、体に力が入らず、まともに立っていることも出来ず、異能力も上手く扱うことも出来ずに、そのまま床に倒れ込んでしまう。
桜空「・・・・・起きたか・・・・・」
(あの戦いの後、桜空は氷華よりも先に目を覚まし、それから二年間、八咫烏が起こした例の件の片付けを陰ながら行い、襲撃を受けた場所はもうかなり復興が進んでいた・・・・・
そして同時に、目を覚ますかどうかもわからない、もしかしたらずっとこのまま目を覚まさないかもしれない氷華を見守りながら過ごしていた・・・・・
目を覚ました姉に対する感情が溢れ出しそうになるも、冷静を保とうとしながら声をかける・・・・・)
>>77
>>78
氷華
「……まさか私を助けるだなんてね……
今の私は見ての通り、異能も使えないし、体も大きく弱まった」
2年もの間、身動き一つせずに昏睡していた事もあり、完全に全身の筋肉が弱まってしまっており、手足も細くなり、自力では立ち上がることも出来ない状態になっている。
自分の命を助けた弟へ、申し訳ないと言う感情と、不甲斐ない姿を見せたと言うこと、複雑な感情が入り交じった目で見上げる。
桜空「・・・・・しばらく、安静にしておくんだな・・・・・」
(歪んだ正義を振りかざした代償と言わんばかりに、目を覚ました氷華の姿はかつての面影が見られないほどに、桜空の瞳には弱々しく映っていた・・・・・
「・・・・・一つ、聞きたいことがある」)
>>79
>>80
氷華
「……何かしら?」
自分が出てきたばかりの治療マシンに背を預け、体に巻いてある布を整えながら、安静にしておくようにとの言葉を静かに聞くと、言葉の最後に聞こえた自分への質問について応えようとする。
桜空「・・・・・八咫烏のリーダーってのは、二人いたのか?」
(八咫烏のリーダーは、氷華ただ一人なのはスパイとして活動していた狼谷含め、組織内の人間なら全員知っているであろう事実であり、生前狼谷が情報を提供してくれていたこともあり、八咫烏をまとめていたリーダーの立場の人間は氷華だけのはずだが、桜空はリーダーは二人いたのかと聞く・・・・・
氷華が治療中の間に何かしらがあったのだろうということが伺える・・・・・)
>>81
>>82
氷華
「……いえ、八咫烏の頂点は金鵄である私だけよ。
何か八咫烏が動いているの?」
質問の意味が理解できず、自分が八咫烏の頂点であると応えた後、彼の真意を探ろうと、自分が不在の状態でありながら、八咫烏が何かしらの独断行動をしているのかと問いかけて
桜空「・・・・・数ヶ月前、こんな物が届いてな・・・・・」
(桜空はそう言うと、一件見た目は普通のDVDを取り出す・・・・・
氷華が眠っている間に届いた物であり、桜空の口振りから、八咫烏から送られた物であることが伺える・・・・・)
>>83
>>84
氷華
「………………。」
静かに桜空が取り出したものへ視線を移す。
この2年の間で何が起こったのか、八咫烏は、日本はどうなっているのか、そのきっかけを知るためにもそのDVDの再生を待つ。
『あー、あー、テストテスト、映っている?』
『えぇ、バッチリと・・・・・』
『よかったよかった、えー、ゴホン!こんにちは、ファーストの皆さん及び八咫烏リーダーの麻間氷華さん・・・・・私は八咫烏リーダーの者です・・・・・』
(再生すると、画面には不気味なペストマスクを付けた男とも女ともわからない加工された音声で喋る謎の人物が映っていた・・・・・
その人物は、八咫烏のリーダーであると話す・・・・・)
>>85
>>86
氷華
「……ふぅん、八咫烏の主力は既に壊滅し、政府からの繋がりも失ったにも関わらず、新しい金鵄を選出する事が出来るのね?」
映像を見て、八咫烏における主戦力だった十二鴉は潜鴉、水鴉、毒鴉、剣鴉、素鴉、蟲鴉、鴉狼と半数以上を失い、最高戦力だった三羽鴉も自分以外に着いていく者はいないと知っているため、つまらなさそうに組織再建における矛盾点を指摘する。
桜空「いや、八咫烏は主要メンバー含めてほぼ壊滅した、この短期間で以前と同等の組織として立ち上がるなんてできると思うか?しかもこの映像は数ヶ月前のものだ・・・・・つまり、この映像を送る前にはもう、奴らある程度準備を整えて組織としての力も回復していると思う・・・・・」
(世間にもその歪んだ正義の元の行いが知れ渡り、再起不可能だったはずの八咫烏が、あの惨劇から一年と数カ月で組織として再度立ち上がったことにいくら何でも早すぎると桜空は推測する・・・・・
『氷華さん、貴方が組織にいた頃は、随分お世話になりました・・・・・自分が何をしたかも知らず、よくもまぁ堂々と、本当に腸が煮えくり返る気持ちでしたよ・・・・・』
映像に映る人物は、その言葉の内容から氷華と面識がある人物、つまり組織内の人間であり、以前から他の構成員とは違い、氷華に対して怒りを抱いていることがわかる・・・・・
ペストマスクのような被り物で顔を隠しているのも、その為か・・・・・)
>>87
>>88
氷華
「ふぅん、それで……私が力を失い、八咫烏の主力が居なくなったにも関わらず、顔さえ見せようとしない臆病な残党の大将様が私に何の用件かしらね?まさか愚痴を吐くためと言う訳では無いのでしょう?」
八咫烏の中にも鴉狼や素鴉のように自分に迎合しない、意思に賛同しない者も居たことは知っており、その中でも自分の傍にいつつ、本心を見せようとしない者が居ることを知っており、だいたい相手の正体について掴んでいるような口調で言う。
『私はお前を許さない、絶対に・・・・・』
(再生された映像越しであれど、伝わってくる憎悪の念は凄まじいものがある・・・・・
過去に氷華が悪を見境なしに狩る復讐鬼と化したように、謎の人物もまた、似た憎悪を募らせているように見える・・・・・)
>>89
>>90
氷華
「………………。」
憎悪の念を受けながら、まるで全てを諦めているように無言で立ち上がろうとするものの、直ぐに床に倒れてしまう。
だが今の氷華には、金鵄だった頃の強大な力も、復讐鬼のような鬼気迫る様子もなく、自分の脚で立ち上がることも出来ない非力な少女になっている。
桜空「・・・・・奴は是が非でもお前を殺るつもりだぞ、どうする・・・・・?」
(自力で立ち上がることも困難になった氷華に手を差し伸べ、これからどうするつもりだと問いかける・・・・・
今の氷華なら、容易く葬れるのは間違いない、相手側からしたら正に絶好のチャンスというやつだ・・・・・)
>>91
>>92
氷華
「一度でも闇の中を生きた者がまともな死に方を出来るだなんて思っていないわ、これまで散々命を奪ってきたのだもの、その時が来たのならそれを潔く受け入れるわ。」
氷華は自分だけがのうのうと幸せに、普通の人間のように生きて果てる事が出来るだなんて思っておらず、恨みや憎しみを抱かれるのも、復讐しようとされるのも、全ては必然であり、そこから目を背ける事はしないと言ったように、自分の罪や業を素直に受け入れている。
氷華
「それよりも……車椅子とかは無いかしら?」
今の氷華は自力で歩く事はおろか、立ち上がることすら出来ず、戦いや過剰なまでに異能を多用した代償として、半身不随に近い後遺症が残ってしまっており、それを打開しようと車椅子はあるかと聞いてみて。
桜空「あるにはあるが・・・・・まだ横になっていた方がいいんじゃないか?」
(以前とは真逆とも言えるほどに弱々しいその姿を見れば見るほど、まだ治療を続けた方がいいんじゃないかと思えてくる・・・・・
以前のようにとまではいかずとも、自力で立てるくらいまでには回復するだろうと考えている一方で、氷華自身は自分は〇されても仕方が無いと開き直っているのを見て、複雑な気持ちになる・・・・・)
>>93
>>94
氷華
「いえ、あまり動かずにいるとますます体が鈍ってしまうわ、脳は思考や計算をすればある程度は回復するでしょうけど、体は実際に動かさないと劣化してしまうわ。」
車椅子があると聞くと「そう…なら悪いのだけど貸してくれない?」と言って、その後に休んではいられない理由について話す。異能を失い、筋力も大きく落ちたものの、氷華は素で頭の回転が早い事から協力する事が出来れば組織の建て直しも容易になるかもしれない。
桜空「・・・・・それもそうだな、わかった、ちょっと待ってくれ」
(桜空はそう言うと立ち上がり、奥の部屋から車椅子を押してくる・・・・・
ファーストは裏社会で生きる人間達の集まりという立場上、何かしらがあった時の為に備えてある程度の物が揃っている)
>>95
氷華
「感謝するわ。
お礼に……何か私に出来ることがあるのならそれを手伝う。」
体を起こすのに少し時間がかかってしまうものの、車椅子に自力で座ると、既に自分の理想も組織も失われ、持ち前の戦闘力の大半も失われた氷華はせめてもの贖罪としてなのか、今の自分に出来ることがあるのならそれを手伝うと言う。
桜空「・・・・・いや、いい・・・・・俺には俺で片付けなきゃいけない問題がある・・・・・」
(桜空は極力自分自身の問題に誰かを巻き込むのは避けたいのか、氷華の申し出を断る・・・・・
桜空は、この問題は自分がケリをつけなければならないと、そう考えていた・・・・・
しかも、目覚めたばかりの氷華を介入させるわけにはいかない・・・・・)
>>97
>>98
氷華
「……そう、わかったわ。
それなら私はこのまま回復に専念しておくわ。」
《パキパキ…》
車椅子に座ったまま、自分の右手の掌を見ながら異能を発動させてみるが、掌の上に氷のナイフを一つ形成するだけでもかなりの体力が削れてしまう事から自分の上限を知る。
皮肉にも、今の弱りきった氷華の力は、桜空の恩師である薫と殆んど同じぐらいの力であり、長い時間はかかってしまったが、氷華は桜空と漸く向き合うことが出来るようになった。
桜空「言っておくが、こういう物騒な物を作るのは禁止だ・・・・・」
(氷華が氷のナイフを作り出すのを見れば、もしかしたら氷華が自ら命を絶つ可能性もあるのではないかと考え、氷のナイフを没収し、こういう物騒なものを作るのは禁止すると告げる・・・・・)
>>99
>>100
氷華
「…………そう。」
桜空が氷華の手から氷刃のナイフを取り上げると、氷のナイフそのものの硬化持続力も急激に低下しているのもあり、瞬く間にナイフが溶けて消える。
その様子を見ていた氷華は特に反論したり、異議を唱えることも無く、静かにそう呟くと、車椅子の背凭れに寄り掛かったまま天井を見上げて
桜空「・・・・・そういや、お前の友達から伝言を預かっている」
(桜空は、天井を見つめ始める氷華に、氷華の友達、すなわち夕渚からの伝言を預かっていると唐突に伝える・・・・・
夕渚もあの惨劇を、あの時の氷華の本性を目の当たりにしてしまった、伝言の内容はそのことについてか・・・・・)
>>101
>>102
氷華
「……そう、見せてくれる?」
車椅子の肘置きに手を乗せ、両足に意識を集中させるものの、やはりまるで力が入らず、常に下半身が麻痺しているような言い知れぬ不快感を抱きながらも、弟からおそらく夕渚からと思われる人物からの伝言を聞こうとする。
桜空「・・・・・また顔を見せてくれだとよ・・・・・」
(夕渚から預かった伝言を、桜空は氷華に言う・・・・・
ずっと信頼していた親友が国そのものを地獄に変えようとしていたという事実を知っても尚、夕渚はまた氷華と会いたいと思っていた・・・・・)
>>103
>>104
氷華
「………………。」
全てを知っても尚……桜空との戦いの中で彼女の事さえ忘れて復讐に走ろうとしていた自分の事を未だに思ってくれている事がわかると、氷華の目から一滴の涙が流れる……
この感情の正体も、言い表す言葉も思い付かないものの、凍りついた氷華の心の氷が溶けた証のようにも見える。
桜空「・・・・・よかったな、本当の親友がいてくれて・・・・・」
(氷華の本性を知っても、まだ氷華のことを親友だと思っていてくれているということがわかると同時に、夕渚の現状についての悪いニュースもないことから、夕渚は今も入院しているか、それとも退院しているかまではわからずとも、元気にしているであろうことがわかる)
>>105
>>106
氷華
「……そうね……全てを失ったと思っていたから……」
右手で涙を拭いながら、自分は組織も仲間も、異能も全てを失ったと思っていたため、最後に残った唯一の肉親である桜空と、親友を大切にしないといけないなと思って。
だが……氷華が倒れ、意識を失っていた間に、行政や警察といった治安維持組織が壊滅した事で日本全土で起こった『大事件』については知らない……
【刑務所襲撃事件】
氷華率いる八咫烏によるクーデターから三日後、日本全国において60以上ある刑務所全てに同時多発的に襲撃が仕掛けられた。
1万人以上の刑務官と、全囚人の8割が惨殺されると言う異常事態が引き起こされ、その犠牲者の数は八咫烏によるクーデター時の犠牲者の数を上回っている。
殺害された服役者や刑務官の多くが、身体の一部を抉られていたり、強力な力によって体をバラバラにされていたり、原型すら留められない程にグチャグチャに圧し潰されていたりと、異常としか言えない惨状になっていた。
死体の確認されていない2割強の服役者達はいずれも強力な異能を持った死刑囚ばかりであったため、再建途中の行政や警察も血眼になって探し回っているものの、その足取りすら掴めていない……
また、八咫烏による襲撃によって混乱している日本の上空や近海に多数の国籍不明の戦闘機や海外船が見付かり、国内でも異国の言語を使う者が多数目撃されていた事から一説には、この襲撃事件の裏には隣国が関与しているとも噂されている。
桜空「・・・・・近々、本当に全てを失うかもしれない事態に発展するかもしれねぇ・・・・・」
(桜空は、これから八咫烏が起こしたクーデターよりも、更に恐ろしいことが起きるかもしれないということを発言する・・・・・
桜空はこの二年間、それに備えてきた・・・・・)
>>108
>>109
氷華
「……それが杞憂に終われば良いのだけど……そうも行かなそうね。」
仮死状態から目が覚めたばかりの氷華も不吉な予感を感じており、部屋の壁に貼られた『刑務所襲撃事件』の記事が目に止まると、疑惑が確信に変わる。
氷華
「……どうやら、今何が起きているのか把握しておく必要がありそうね。私が眠っている間の記事や情報をどんなものでも良いから集めて見せてくれる?無数にある情報の山から必要な情報を取り出すことは得意だから、必ず有益な情報を提唱することを約束するわ。」
通常、仮死状態から目覚めたばかりの人間は身体だけでなく、脳も衰えているにも関わらず氷華は即座に情報を脳に叩き込むことで脳の回転を無理矢理戻すと同時に情報収集を完了させようとしている。
常人であれば門司を読むのも苦労するのだが、そこでも氷華の化物らしさが垣間見える。
桜空「別にそれは構わないが・・・・・自分で言っていることが分かっているのか?お前は本来まだ治療が必要な身なんだぞ?」
(桜空自身はそれは構わないが、今の氷華はまだ時間をかけて治療を行う必要がある状態であり、しかも目覚めたばかりでそれができるのかという疑問が脳裏をよぎる・・・・・
桜空からすれば実の姉ということもあり、あまり負担をかけるのは控えたいという気持ちもある・・・・・)
>>110
>>111
氷華
「あまり力は入らないけど、手は動くし、目は見えている、それに何より思考する事が出来るのなら、一分一秒も勿体無いわ、遅れた分を今取り戻さないと。」
決して慢心や油断をしない、どんな状況になっているのかを少しでも把握したいと応える。氷華は自分が眠っている間に世界がどう変わったのか、自分はどう立ち回ることが出来るのかをいち早く把握したいと考えている。
金鵄だった頃も、こうして情報を集め、常に相手の位置や居場所を掴み、相手の状況や異能を把握し、先を読んで行動をして来たのだろう。
異能はまともに使えず、体が満足に動けないのならば、せめて頭脳だけでも元に戻し、活用したいと考える辺り、氷華の自分のダメージや負担を無視して理想に向かおうとする危うさが垣間見えてしまう。
桜空「・・・・・あまり無理はし過ぎるなよ」
ドサッ・・・・・
(桜空は、とりあえず今出せる資料であるプリントを50枚ほど氷華の目の前に出す・・・・・
一見少ないようにも見えるが、今出せる全ての分だけでこれだけあるということになる・・・・・)
>>112
>>113
氷華
「わかったわ。」
そう応えると、桜空が空間転移で持ってきた書類を見ると、一枚あたり3秒程でその面に書かれたものを全て把握、理解し、素早く書類を処理していく。戦闘能力が高いだけでなく、こうした事務処理能力も常人以上であるのかもしれない。
桜空「おいおいおいおい・・・・・いきなりフルで大丈夫かよ・・・・・」
(氷華がまだ目覚めたばかりだというのにいきなりフルで活動し始めたのを見て、心配し始める・・・・・
いくら能力がない現状でもまだ一般人からしてみれば超人でも、一人の人間であることに変わりはないからこそ、心配で仕方が無い・・・・・)
>>114
>>115
氷華
「二年間も眠っていたから休息なら充分すぎるほどもらったわ、だから今は詰め込むターンよ。」
そう話ながらも書類を読むスピードが止まらず、ものの数十分で出された書類の全てを読み終えて見せる。
桜空「その能力を、少しでもいいから分けてもらいてぇくれぇだよ・・・・・」
(普通、人間は二年も昏睡状態が続けば起きてからしばらくは安静にしているものだが、氷華は依然として人間離れした実力を有していることに驚く・・・・・)
>>116
>>117
氷華
「……なるほど、大方把握したわ。
目下の脅威は私に宣戦布告してきた新八咫烏と、各地の刑務所を襲撃して囚人を解放した勢力……この二つが該当するようね?」
自分に宣戦布告のレターを送って来た者達だけでなく、各地の刑務所の襲撃事件の事も把握し、車椅子に深く腰掛け、瞑想をするように目を閉じて思考に集中しながらそう呟く。
それは問いかけと言うよりも確認のようなものであり、氷華の脳内ではこれから自分のすべきことを把握し終えている。
桜空「そういうことだ・・・・・判明している限りではな・・・・・」
(験者う、わかる限りでは二つの勢力が協力しているであろうことが伺える、だがそれは現状判明している限りの話であり、実際はもっと多くの組織と手を組んでいる可能性がある・・・・)
>>118
>>119
氷華
「……OK。
私のところに情報を運んでくれれば、その情報を元に有益な情報を見つけられるかもしれないから、何かあったら私に教えて頂戴?」
現状ではこの二つの事件が互いに関与しあっている事が予測できると、満足に自分の足でさえ動かすことの出来なくなった自分の代わりに、何か情報を持ってきてくれればそこから有益な情報……敵のアジトや主要な活動場所などを見つけ出してみせると言い、協力することを前向きに見ている。
桜空「・・・・・あぁ・・・・・わかった・・・・・」
(協力してくれるのはありがたい・・・・・が、もしこんな時に狼谷がいたら、すぐにこの件についても多くがわかっていたのだろうかと思い始める・・・・・)
>>120
>>121
氷華
「それと……貴方にも手間をかけたわね……」
氷華は車椅子を動かして壁に貼られたメディカルマシンの説明や機材を見て、背中を向けつつも、桜空としっかり向き合うことなく戦いをしていた事を……議事堂前での決戦の時の事を謝罪する。
桜空「なんだよ今様・・・・・」
(氷華が協力してくれることで調査や情報収集がスムーズになるのは事実だが、いくら謝罪されたところで氷華がやったことがチャラになるわけではない・・・・・
謝られても、どこか虚しさを覚える・・・・・)
>>122
>>123
氷華
「……………。
……私は考察と推理に専念するから、また何か新しい情報が入ったら教えて頂戴。」
二人の間には取り返しの付かない時間の流れがある。
もうかつてのように仲の良い姉弟にはなれないかもしれない……それを感じながらも、氷華は自分に出来る範囲で活動すると応える。
桜空「・・・・・この二年で、集められるだけ集めた資料なら腐るほどある・・・・・ちょっと待ってろ・・・・・」
(桜空は、さっきまでとは変わって氷華が寝起きでも本当に頭に多くの情報を詰め込められることができるとわかれば、瞬間移動でこの二年で集めた資料の多くを次から次へと運んでくる・・・・・
「俺は俺でやらなきゃいけないことがある、お前は何か気づいたら連絡をくれ」
と言い残し、部屋を去っていった・・・・・)
>>124
>>125
氷華
「ええ、わかったわ……」
静かにそう応えると、車椅子を少し動かして桜空の後ろ姿を見送ると、彼の空間移動によって運ばれて来た書類を見て、再び情報収集をし始めていく……
そして、場面は部屋の外に出た桜空へ焦点が移動する。
桜空「・・・・・」
(あの件以降、桜空はファーストの基本拠点を移転し、活動していた・・・・・
かつて拠点として使っていた建物は、今現在は月に数回出入りする程度になっており、新たな敵勢力から身を隠す為に活動拠点を移動したことがわかる・・・・・
そして、桜空の手には、氷華にも渡せなかった、渡さなかった書類が一枚・・・・・)
《・・・・・こればかりは、姉ちゃんにも任せられねぇな・・・・・》
(目覚めた氷華が新たに活動を再開した一方で、桜空もまた、氷華に言えない、自分自身で解決しなければいけない問題の解決に出ていた・・・・・)
>>126
【first第八基地 跡地】
氷華
「……………。」
此処はかつてfirstが拠点として使っていたものの、八咫烏との戦いが激化する中、破棄された基地の跡地であり、周囲は木々に覆われ、今では近隣の住民でさえ立ち寄らなくなった廃墟の三階に氷華はいた。
氷華は数枚の書類の束を手にし、曇り空が室内を照す明かりを頼りにその書類を読んでいる……
桜空「新生八咫烏の襲撃を危惧して拠点を変えたわけだが、前の拠点に書類が数枚隠されているとは奴らも流石に思わないだろう・・・・・木を隠すなら何とやらってやつだ・・・・・」
(桜空は、辛うじてまだ使えるキッチンでコーヒーを淹れ、書類を読んでいる氷華に持ってくる・・・・・
よくある不気味な廃墟になりつつあることが、誰も近寄ることがなく活動しやすいという部分に繋がっている・・・・・)
桜空「何かわかったか?」
>>128
>>129
氷華
「……ええ、これで合点がいったわ。
八咫烏とファーストの壊滅と言う混乱に乗じて行われた全国の刑務所の襲撃と虐殺をした者が何を望んでいるのかを……」
氷華が読んでいたのは全国の刑務所が襲撃され、そこで大規模な殺戮が行われていた事を記した記事であり、この事件の概要とアジトで読んでいた現在の状況をまとめて、この襲撃の裏に何があるのかを理解したと言って。
桜空「・・・・・一旦、元るぞ・・・・・」
(桜空は氷華が知った真実を聞き出す前に、氷華を載せた車椅子を押しながら、ワープゲートを介して今現在のアジトへと戻る・・・・・
桜空はどこか、焦りを表情に出していた・・・・・)
>>130
>>131
氷華
「そうね、ここは一旦帰りましょうか。」
読んでいた記事から弟へ視線を移し、戻ることに賛成すると、彼が押す車椅子に座って彼の異能によって新アジトに繋がるワープゲートへ入っていく。
桜空が焦りの感情を表情に出す反面、氷華は氷のような無表情のまま、手に持った記事の切れ端を真剣に見ている。
桜空「・・・・・何か収穫があったのか?」
(氷華の様子を見て、桜空は何かしらの収穫があったのかと問いかける・・・・・
相変わらず常に無表情な何を考えているのかわからない姉の顔は、味方になった今でもあまり慣れない・・・・・)
>>132
>>133
氷華
「ええ……これは少しばかり面倒なことになるかもしれないわ。」
氷華はこの廃墟となったアジトの中で見つけた記事の中で、自分達の脅威となりうる勢力の存在を予見し、察知する事に成功しているようで、ワープゲートを潜って移動する。
その無表情な顔は心なしか少し焦っているような、驚いているような、戸惑っているかのように、微かにだが眉をひそめている。
桜空「・・・・・全盛期のお前と今回の敵勢力、どっちが強い・・・・・?」
(全盛期の氷華は、どこまでも底の知れない、まさに「化け物」と呼ぶに相応しく、自分との戦いでも全力を出し切っていたのかは定かではない・・・・・
そして、そんな力の計り知れない全盛期の氷華と今回の敵勢力とでは、どっちが強いのかと聞く・・・・・)
>>134
>>135
氷華
「……それはわからないわ……だけど、この襲撃によって『最悪の六囚徒』が解放された上に……この裏には国家の陰謀まで絡んでいるから、単純な実力の問題ではなくなっているわ……」
氷華でさえ、警戒している『最悪の六囚徒』と国家の陰謀と言う、個人や一勢力ではどうにもならない悪意が裏で蠢いていることを感じている……
実力的に全盛期の氷華が優っていたとしても、戦局の優劣を決めるのは個の力ではなく、組織による強大な財力や人力、権限に影響力がモノを言う。それを氷華も理解しているため、安易には応えることが出来ず。
桜空「・・・・・敵は国ってわけか・・・・・」
(桜空は立ちはだかる壁は組織ではなく、国そのものなのだと理解する・・・・・
正直、桜空は内心、自分が馬鹿馬鹿しくなっていた・・・・・
どれだけ頑張っても、結局は個々の人間の力程度では、何も変わらないのかと・・・・・)
>>136
>>137
氷華
「……そうよ、世界からは絶えず悪が生まれ、その悪が世に不幸を作り出す……悪を根絶するためには、悪が存在する事の出来ない世界にしないといけない……それこそ『地獄』のような世界にね……」
氷華は最初からこの世界そのものが敵である事を知っていた……だからこそ、世界を悪が生きることの出来ない世界、それこそ悪を浄化する世界……『地獄』にしなければならないと悟っていた。
氷華
「………私が全てを擲ってでも世界を地獄にしようとしていた理由が……今ならわかるんじゃないかしら?」
氷華がなろうとしていたのは破壊者でも支配者でもない……
自らがすべての汚れ役を背負い、あらゆる悪を滅ぼせる存在になろうとしていた……もっとも、桜空達との戦いで異能がまともに使うことも、自らの足で立つことも出来なくなったため、もう人の心を捨てることも、自分の支配下(バトルフィールド)である凍土を作り出すことも出来なくなった。
桜空「・・・・・知るかよ」
(正直、なんと言えばいいのかわからない・・・・・
八咫烏もファーストも、互いの正義を今まで貫いてきた・・・・・だが、真の敵の正体を知った今、それまでの頑張りなど全て無意味に思えてくるほど、桜空は複雑な気持ちになっていた・・・・・
結局、姉弟で〇し合いをするに至ったのも、国の掌の上で踊らされていたという事実にしかならないのか・・・・・)
>>138
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氷華
「……貴方が私を止めなければ……この国は全人類の贖罪の場の起点となり、隠れた悪も根絶することは出来たでしょうね……」
辛辣に言葉を返す弟へ、本当に自分の正義を阻止するだけの意思や、その後の世界についてどこまで見えていたのかを知りたくなり、敢えて責めるような言葉を口にして。
氷華との戦いの時も桜空は氷華のような未来のビジョンや、世界の正しい在り方について論じることが無かったのが仇となっていて
桜空「・・・・・隠れた悪も何も、例えお前の計画が成功していたところで、生き残った人間が悪に染まらないなんて保証はねぇわけだ・・・・・いついかなる時代でも悪人はどこに立っている、誰だってなりうる・・・・・」
(氷華の悪人撲滅計画が成功したところで、そんなのは無意味な一時凌ぎにしか過ぎないということを返す・・・・・
どんな人間にも、悪人になる可能性は秘められている・・・・・)
>>140
>>141
氷華
「私の理想とした世界は悪が存在する事の出来ない世界と言うシステムを構築するもの、例え悪が生まれようとその度に排除され、蔓延することの出来ない世界になっていたわ。」
氷華は目を閉じて議事堂前での決戦の事を思い出しながら、自分が理想としていた世界では悪が生まれようとも、その生まれたばかりの時点で排除されるシステムを構築するものだったのだと応える。
氷華
「改めて問うわ、貴方は世界とはどうあるべきだと思っているの?」
新しいアジトに到着すると、目を開けて桜空を見て、彼は世界がどうあるべきであり、どうしたいのかを聞いてみる。自分のように悪が存在出来ない世界にしたいのか、それとも別の道を模索するか……
桜空「・・・・・俺は・・・・・」
(世界は本来こうあるべきだの何だのなんて、一人の人間がいくら望んだところで、例え行動に起こしたとしても変わらない・・・・・
世界なんてものは、一人の人間と同じでなるようにしかならないからだ・・・・・
なんて言ったところで氷華は納得なんてしないだろうことは、弟だからか嫌でもわかってしまう・・・・・)
>>142
>>143
氷華
「……貴方が私を止めようと……世界が悪を赦すのなら、悪がのさばる事を良しとするのであれば……私は何度でも世界の破滅を望むわ……」
氷華は既にこの世界そのものに対して深い不信と絶望を抱いており、桜空が金鵄の立場から解放したところで、悪を赦さないその心は再び世界を地獄に変える事を望んでしまうだろう……
それだけ氷華が抱いた絶望は深く、悪を憎悪する心は激しい……
氷華
「だから……私を真に止めたいのなら……『コレ』を心臓に突き立てるしかない。」
絶望と憎悪に支配される事が運命づけられた心を……呪われし心臓を貫くしかないと、自分の胸元に小さな氷のナイフを作り出して桜空に覚悟があるのなら自分を殺害しても構わない……寧ろそれを望んでいるのだと言う。
桜空が氷華とは異なる方法で悪の居ない世界を提示するか、氷華が再び地獄の王、楽園の主になるのが先か……そのどちらかしか道はないのだろう。
桜空「・・・・・世界は嫌になるほど非情だよ、お前が言うようにな・・・・・」
(何もこの世界と、世界に蔓延る悪人を憎んでいたのは氷華だけではない・・・・・
桜空ももしかしたら、氷華のように世界を一度リセットしようと思想を抱くほどになっていたかもしれない・・・・・
だが、まさに救世主と言える人物に出会えることもある・・・・・)
桜空「・・・・・でも、こんな世界にも希望を抱くことくらい、たまにはしてみてもいいかもしれないぞ・・・・・?」
>>144
>>145
氷華
「……希望、ね。それを持ってどうなる?
甘い理想を見て、辛い現実から目を背け続けろとでも言うの?」
指先で持った氷のナイフを自分の心臓の近く、胸元に当てて、桜空が少し押し込めばそのまま心臓を貫けるような状態にしつつ、自分は夢や希望は抱かないと応える。
桜空が薫に救われように、桜空もまた氷華を救うことが出来るのか……
桜空「何もそうは言わねぇよ、ただな・・・・・何も世界は悪いことばかりじゃねぇってことだ・・・・・」
(氷よナイフを持った氷華の腕を掴み、そのままナイフを取り上げる・・・・・
「人間なんてちょっとした何かがあれば心に変化ができるもんだ・・・・・心当たりがあるだろう?」
桜空は遠回しに夕渚のことを話題に挙げる、もし夕渚の存在がなければ、氷華はもっと酷いことになっていただろうと・・・・・)
>>146
>>147
氷華
「……………。」
桜空が氷華の手からナイフを取ると、急速に硬度が失われ、ナイフを握る桜空の体温だけで溶ける上に座ってナイフを掴む氷華の腕の力も自害するには難しい程弱々しいものになっていた。
自らの手では自害できない桜空の言葉を聞いて、確かに自分は夕渚と出会った事で、始めて感謝された、始めて友と呼べる存在が出来たと気付く。
氷華
「……人間は根本的な部分は変わらないわ。」
だが、自分が国を滅ぼし、現世に地獄を顕現させようとしたのもまた事実であり、弟から目を逸らしながら、人間は根本的な部分では変わることが出来ないと、半ば諦めたように呟く。
桜空「んなことはわかっている、人間、根っこの部分が簡単に変わったら苦労しねぇからな・・・・・」
(氷華の意見もごもっともだ、人間の根本的な部分が簡単に変わることは無い・・・・・
だが、変われる人間も少なからずいる、桜空はそれを氷華に知ってもらいたい・・・・・)
>>148
>>149
氷華
「…………………。」
人間は根本的な部分は変わらない、いや変えられない、出来るとすれば根本的な思考をいかにして良い方向へ、他者を争わずに共存に向かえるかを導くことぐらいだが、それでも尚、変わることの出来る者もいるのだと言う桜空の言葉を聞いて沈黙し
氷華
「……資料室に向かってくれないかしら?」
沈黙しつつ、桜空からの言葉を聞いて脳内で少し沈黙して考えるものの、情報収集をするために資料室に向かってほしいと伝える。
桜空「わかった・・・・・」
(車椅子を資料室へ向けて押し始める・・・・・
氷華は幼少期のあの事件以降、自分とは違う境遇の道を歩んできた、もはや人間どころか、世界にすら絶望するほどに・・・・・
だが桜空自身も、ここまでなってしまった人間の思考を変えることの難しいさは百も承知だ・・・・・)
>>150
>>151
氷華
「貧困、迫害、弾圧、暴力、殺人、紛争……
それがこの小さく限られた惑星の上でさえ絶えず繰り返されている……
私ではこの世界に希望の光を見つけ出すことが出来ない……
だけど、貴方は光が見えていると言うの……?」
資料室に向かう中で氷華は静かに目を閉じ、自分がこれまで見てきたもの、海外でも繰り返されている凄惨な現実……どれだけ科学や文明が進めど、数多くの異能力者が生まれて来たにも関わらず、まるで改善されることの無い世界への絶望を語る……
正義感が強いからこそ、世の不条理や不合理を許すことが出来ず、抗い続けた末に、こうして世界全てを巻き込んで自滅しようという破滅的思考になってしまったのだろう……
桜空「見えてるわけねぇだろ・・・・・かと言って、諦めているわけでもねぇけどな・・・・・」
(解決しなければならない問題が大きすぎる時、結果がどうなるかも、解決に至るまでの過程がどうなるかも、わかるわけがない・・・・・
桜空だって世界の問題が解決できるかどうか、そこに光があるかどうかを断言することは出来ない・・・・・
が、かつて絶望し切っていた桜空が、救われたのもまた事実・・・・・
桜空は、光はどこかにあると信じたいのだろう・・・・・)
>>152
>>153
氷華
「ふふっ、見えもしないものを信じているだなんて……貴方らしいわね。」
車椅子に揺られ、目を瞑りながら、目に見えない、そして彼自身も未だに答えの見つかっていない、曖昧にして明白としないものを信じて動いている、善にも悪にも成りきれない宙ぶらりんな考えが昔と変わっていないと呟いて。
《ウーッ ウーッ ウーッ》
突如、けたたましいサイレンがアジト全体に鳴り響き、敵の襲来を知らせる……八咫烏の残党が意識を取り戻した氷華の奪還のために来たのか、それとも別の第三勢力が二人を始末するために攻めてきたのか………現時点ではそのどちらなのかはわからない。
桜空「見えもしないなら、どう考えようが勝手だからな・・・・・」
(見えもしないものを信じているのが桜空らしいと言われれば、見えもしないものをどう考えようが、それは個人の自由だと答える・・・・・
桜空は、寧ろ見えないものは信じない主義の氷華は、自分の信念に縛られすぎた不自由な存在だとも思う・・・・・)
桜空「何か来やがったようだな・・・・・お前はこの小部屋に隠れてろ・・・・・」
(いきなり鳴り響いたサイレンは、間違いがないように常日頃点検を欠かさずに行っていることから、誤作動とは考えづらく桜空は氷華に隠れているように言う)
>>154
>>155
氷華
「……わかったわ、残念ながら今の私では貴方の力にはなれそうに無いから……」
車椅子に乗っていてまともに戦闘をこなせなくなった自分では足手まといにしかならない事を理解していて、残念そうにしつつも、小部屋で隠れているように言う桜空の言葉に従って。
桜空「・・・・・さて、と・・・・・行くか・・・・・」
(襲撃してきた敵であろう勢力がいると思われる場所へと向かう・・・・・
襲撃してきたのは一人か、それとも複数か・・・・・
いずれにしても、苦戦を強いられる可能性は高く、このアジトも早急に離れ、別の場所を拠点にした方がいいかもしれないと考えながら)
>>156
>>157
ファースト戦闘員
「くそ……化物……め………!!」
襲撃者の周囲は多数の戦闘員達が血を流して倒れており、手にしていたゴム弾や異能封じの弾丸を打ち出せる銃が切り裂かれ、防弾シールドやシャッターさえも切り裂かれ、或いは砕かれ、貫かれ、砕かれており、まるで軍隊が攻めて来た後のようになっていて
襲撃者の眼前には右腕を切断された戦闘員の一人が襲撃者……首に黒い刺青を入れた男を見てはそう呟く
刺青の男
「化物?違うなぁ、俺は悪魔だ。」
《ダンッ》
自らを悪魔のだと名乗る刺青の男は右腕そのものを巨大な鉈に変えて、生き残った戦闘員の頭を割ろうと勢いよく振り下ろそうとする……
桜空「それじゃあ、悪魔は悪魔らしく、地獄に帰ってもらおうか・・・・・」
ドォンッ・・・・・!!!!!
(自称悪魔の男の死角から、異能封じの弾丸が撃ち放たれる・・・・・
弾丸は右腕に命中し、そのまま腕を貫通する・・・・・)
>>158
>>159
刺青の男
「!!」
振り上げた右腕が銃弾で撃ち抜かれると、ボタボタと黒い血が滴り落ち、男が抹殺しようとしていたファーストの戦闘員は急いで刺青の男から離れていく。
刺青の男
「クク・・・いよいよボスのお出ましか?」
撃ち抜かれた右手を左手で押えながら、まるで痛みを感じていないかのように不敵な笑みを浮かべて桜空へ振り返る。
桜空「うるせぇよ・・・・・」
ドンッ・・・・・!
(今度は異能封じではなく、本物の銃で相手の左足を撃ち抜いて立っていられなくしようとする・・・・・
今の桜空には、相手に対する躊躇も容赦も無く、ただただ冷たい目で見下ろしている・・・・・)
>>160
>>161
刺青の男
「痛てぇじゃねぇ・・・か!!」
《ガガガガガガガガガガガッ》
桜空が放った銃弾が刺青の男の左足に直撃し、そのまま片膝を付くものの、男が右腕を大きく振るうと、無数の斬撃が放たれ、周囲の壁や天井に無数の斬撃駆け回り、触れるモノ全てをバラバラに切り裂いていく……
通常であれば、異能封じの弾丸を受けてしまうと、例えそれが貫通しても数分は異能が使えなくなるのだが、ものの数秒で異能が使用可能になっているようで。
桜空「厄介だな・・・・・」
ズッ・・・・・!
さ
ドン・・・・!ドォンッ・・・・・!
(ワープゲートでの移動を繰り返し、桜空は異能封じの銃弾と実弾の二つを放ちながら応戦していく・・・・・
桜空は以前のような躊躇い等は見せずに、敵を容赦なく仕留めようとする・・・・・)
>>162
>>163
刺青の男
「痛てぇなぁ、だがこれが生きているって言う実感なんだろうなァ!!」
【「千刃剣鬼」】
《ガガガガガガガガガガガッ》
刺青の男は両腕を無数の小さな刀の生えた大剣に変え、それを大きく振り回すと、大剣から放たれる巨大な斬撃に加え、両腕から生えた複数本の刀からも小型の斬撃が幾つも放たれ、その一つ一つがコンクリートの天井や壁を切り裂き、削っており、まともに受ければ人体など豆腐のように容易く切り裂かれてしまうだろう。
様々な異能者がいて、桜空も何度も身体強化や武器生成、身体変化の異能者を見てきたと思うものの、これほどまでの規模や攻撃力、破壊能力を備えた異能力者はいないだろう。
刺青の男は部下を連れているようには見えず、その身体力や異能の強さから、ファーストを単身で潰せるだけの戦力を備えた存在なのだと言うことを暗示している。
桜空「お前みたいな奴でも生きている実感なんてものを感じるのか?」
(桜空はワープゲートで攻撃を出来る限り相手の方向へと返す形でなんとか応戦しているものの、異能封じの弾丸が他の能力者と比べてほとんど効いていないことから、ただの能力者ではなさそうだと思い・・・・・)
>>164
>>165
刺青の男
「ああ、そうだ!
いや、生きている奴は皆似たようなもんだろォ?
自分が生きていることを実感するために他の命を奪う!!」
よく見ると、先程撃ち抜かれた筈の右腕がいつの間にか感知しており、他の弾痕もみるみる内に再生して行っており、その異常なまでに速い再生力を見せ付けるものの、既に両腕を剣に変化させて斬撃を放っている……
まるで異能を二つ持っているかのような振る舞いを見せるこの存在こそ、氷華が言っていた『最悪の六囚徒』なのだろうか
桜空「タチの悪い野郎だ、反吐が出る・・・・・」
(再生能力を有していることはわかった、両腕を剣に変化させるのと再生能力、どちらが後から得た能力かはわからないし、もしかしたら元々二つ能力を持っているのかもしれないが、桜空は敢えて質問をする・・・・・)
桜空「お前、その能力は他者から与えられたものか?それとも最初からてめぇのか?」
>>167
刺青の男
「あ?そうだなァ……『どっちも正解』だな!!」
《ズガガガガガガガッ》
両腕を交差させて桜空に向けて振り下ろすと、X状の巨大な斬撃が天井も壁も床も、その一切を抉り、削り、切りながら桜空に向かって放たれる。更に、そのX状の斬撃もまた、多数の小さな斬撃を伴っているため、下手に避けようとすれば、附随する斬撃によって体を切り裂かれてしまうだろう。
桜空「くっ・・・・・!」
ズゥッ・・・・・!
(桜空は急いでゲートを展開し、ギリギリで何とか回避することに成功する・・・・・
そして、そのまま別の場所から現れては
「どっちも正解、か・・・・・興味深い答えだ、お前、普通の能力者じゃねぇだろ?」
と返し)
>>168
>>168
刺青の男
「ああ、そうだ。バレちまった・・・かァ?」
右腕を巨大な剣や斧、槍を混合させたようなものへと変化させて振り下ろし、転移した先に対してもその広大なリーチと破壊力に物を言わせて押し切ろうとしていく。
身体を瞬時に様々な武器に変えて攻撃する、加えて複数の武器を塊のように混合させる事で多数の武器の利点を同時に使う事も出来るようで
桜空「不細工な右腕だ・・・・・」
ドォンッ!ドォンッ!
(相手が攻撃した先が転移先と見せかけて、別の場所から腕を出しては相手の頭部へとめがけて不意打ちするように銃撃する・・・・・
体力も能力も相手の実力に遠く及ばないのであれば、できる限り頭脳を活かして戦うしかない・・・・・)
「迎えに来ましたよ、セ・ン・パ・イ♡」
「痛いの嫌なんですよ……キミもそうでしょう?」
名前/湊 るか(みなと るか)
年齢/16
性別/女
役職/八咫烏 十二鴉
元々は鴉だったが空いた席の穴埋めで十二鴉になった。
性格/表の顔と裏の顔がはっきりしており、裏の顔を他人にみせたことは無い(はず)
どんな仕事も卒なくこなし、基本的に明るく誰とでも話すタイプなので周りからは友好的で仕事人に見られているが本心は国や国民を守ることには1ミリも興味が無くかなり残忍なことを平気で行うような性格をしている。
一般人だった時に偶然任務中の麻摩 氷華と遭遇し、その美しい風貌に魅了されたことが八咫烏に入るきっかけとなった。氷華に対してだけ異常な執着心を持ち、時には嫉妬心で周囲の人間に異常な敵意を向けたりもする。
好き:綺麗なもの、場所、麻摩 氷華
嫌い:汚い物、先輩の周囲にいる人間
容姿/長い黒髪に血に染ったような赤い瞳が特徴的。
動く時に邪魔になるので基本的に薄着をしている。
能力/ 『不屈の華』
自身の血液を意のままに操ることができる。
ただしその発動には自身の体を傷つける必要があり、痛みと引き換えに流れる血の量が多ければ多いほど強力な武器を生み出すことができる。
傷は血を戻した時と同時に癒えるので傷が残ることは無い。
自身の血を使う能力なので血を失えば失うほど体に負担がかかる能力となる。
自身の血が入った輸血パックとナイフを常備している。
備考/孤児院育ちで親の顔は知らず、特に悲しい過去があった訳でもなくただ「退屈だから」という理由で9歳の時に孤児院を抜け出した。
それなりに苦労はしていたが第3勢力の『ある人物』に拾われ育てられてきた。『ある人物』はるかが13歳の時にとある抗争に巻き込まれて亡くなっている。